Japanese Physical Therapy Association
NII-Electronic Library Service
Japanese Physioal Therapy Assooiation理 学 療 法学 第
37
巻 第4
号326
〜
329
頁 (2010
年 )神経
理
学療法
研
究部会
脳 性 麻 痺 児
に
対 す
る 理
学 療 法技 術
の
再 考
*大 畑 光
司
* * は じ め に 脳 性 麻 痺 児は発 達 過 程に生 じ た脳の損 傷や異 常により,
神 経 筋,
筋 骨 格 系 などの多 岐に わたる障害が生じ ること が知ら れ て い る。
脳 性 麻 痺の運 動 機 能の問 題は多 くの因 子が複 維に絡み 合っ て形 成 されて いるため,
理学 療 法の方 向 性は混 乱 を きた し やすい。
そ れゆえ,
発 達期に生じ る運動障害
の改 善に は,
個々 の運 動 障 害が何と 関連し,
どの よう
に形 成さ れ た かを可能な 限 り明確
に知っ て お く必要が あ る。
た と え ば.
「筋
緊 張が高
いと 関 節可動 域 制限 が生じ る」という
囚 果関係
が あっ た と しても,
その メ カニ ズムが明確
で なけれ ば.
理学療 法の戦略
は一
致
し た 見 解に 至 ら ない。
も し,
「少し で も筋 緊 張が増 加 する と筋 件 拘 縮 につ な が る 」 と考え た場合,
高い筋 緊 張が 生 じ る 立 位,
歩行 な どの 運動は制限 さ れ る こ と に な る。
反 対に,
「筋緊張 が高い か ら とい っ て直ち に 筋 性 拘 縮 につ な が る わ けで は ない 」 と 考 え るな ら ば.
この よう な 運 動 は 許 容 さ れる だ ろ うn したがっ て,
運 動 障 害の メカニ ズ ム を明確にする こ と こそ,
セ ラピ ス トの信 条 にのみ 依 存 する理 学 療 法でな く,
根 拠 に 基づい た理 学 療 法 技 術 を 確 立 する上で重 要となると考 える。
本 稿で は,
運 動 発 達 理 論,
障 害 構 造 をキー
ワー
ド と して.
理学 療 法 技 術 を再 考 する こ とを 目的 とした。
運 動 発 達
理論
の再 考
1
.
神 経 成 熟 説と小 児 理 学 療 法 初 期の発 達 障 害 領 域の理 学 療 法 を 基 礎づける運 動 発 達 理 論 は.
神 経 成 熟 説1
)に立 脚 してい た。
神 経 成 熟 説 は,
生得 的に 決 定さ れ てい る神 経の成 熟 過 程 (軸 索の髄 鞘 化やシナプス形 成)
だ け が 発 達 を 決定し てい る と考 える立 場である。
発 達 期の 神 経 損 傷が 運 動 発 達 に 与える影 響の大き さを目の当た りにして いる小 児理学療 法士 は.
よ り原 理主 義的 な神 経 成 熟 説 を足 が か りと して展 開 し て き た よ う に 見 え る。
た とえば
,
乳鬼
期に見ら れ る原 始 反 射につ い て の考 え方が こ *Rethinklng
ourPhysical
Therapy
Approach
tQ
Gerebral
Palsy
in
Japan
* *京 都 大 学 大 学 院 医 学 研 究 科 人 間 健 康 科 学 系 専 攻 リハ ビ リ テ
ー
ション科 学コ
ー
ス(〒
606
−
85D7
京 都 市 尢 京 区 聖 護 院川 原 町53
)
K
〔}ji
Ohata
,
PT
.
Pi
〕D;RchabilitationScience
,
Department
of
Huma
[LHealth
Seiences
,
Graduate
School
ofMedicine
,
Kyoto
Univers
正ty
キー
ワー
ド;活 動 依 存 性.
運 動 発 達理論 陣 害 構造 れに当 たる。
こ れまでの理学療
法 技 術は,
成 熟に伴っ て,
運 動 中枢が系
統 発 生 的に古
い脳(
脊 髄,
脳 幹)
か ら新し い脳 (巾脳,
大脳皮 質 )に 移 行 し てい く と考えて き たZ)。
し た がっ て,
低 位 の中枢で 支 配 さ れ た 原 始 反射が一
定の時 期に消 失し ないと,
高 い 運 動機能 を 獲得す る こ と が で き ないと さ れ2>,
反射の消 失,
出 現の時 期 (その理 想の時 期 を 決定 すること は困難であ る に も か か わ らず )
を,
電視
する こ と につ な がっ た。
これは.
「正 常 な 運動や姿勢 」
を形 成 する た めの 「正常 な神 経 ネッ トワー
ク」 は,
時 間 的にも空間 的にも厳 密に決定 さ れた設 計 図に基づい て 発達
して い る という
考え方である といえる。 もし,
発 達の メ カ ニ ズムをこ の よう
に考 えるなら ば,
正常と異 なる反 射 消 失 時 期 や姿 勢はすべ て 「異 常 な 神 経 ネッ1・
ワー
ク」に よる誤 作 動とい うこ とにな る。
これ まで の理学 療 法 技 術は,
「異 常 な反 射や運 動を可 能な限 り少なくす る」こ と が目標とな り,
反 射 様の要 素 を 含 む 運動を 排 除 す ること が 発 達 を促 す 方 策であ る と考え られ た3〕。 しか し,
運 動 を 「lE
常 」と 「異 常 」 に 区 別 す れば,
異常 に見え るすべ ての運 動を排 除する こ と になる。 これは,
結 果rr
勺 に自発 的 な運 動の多 くに制 約 を 加 える こ とを 意 味 し,
運 動の最 を減 少 させる ことに つな がると考 えられる。2
.
神 経 或 熟 説へ の批 判と動 的シ ステム理 論 本 当に,
反 射の残 存が運 動 機 能 獲 得の妨 げと なる といえ るの だろ うか。
例え ば,
生後 早期に見ら れて,
その後に消 失 する 反 射であ るEE
足 踏 み 反射”
が,
消失 し た はずであ る に も か か わ ら ず,
水 中で誘 発 する と再び 生 じ る とい っ た現 象が知ら れ てい る’
t>。 このこ と は,
反 射の消 失という
現 象が,
神 経の成熟
のみ を反 映し たもので は なく,
四肢の重 み や筋力
な ど に も影響
を受 ける こ と を示して い る。
ま た,
ZelaZO
ら5}は,
この”
足 踏み 反 身・J
”
が,
練 習を絖 ける こ とで消 失せず
に か えっ て増強 さ れ,
さらに練 習し た児に おける随 意 的な歩
行の開始が早ま ることを 報 告し た.
これ らの こと か ら,
反 射の残 存 は 必 ず し も 異 常 な神 経 障 害の結果 で あ る と はい えず,
反射の消 失は随 意運動の発 達 の必 要 条件で あ る と さえい えない と考 えられる。
この よ
う
な批 判 を う けて.
神 経 成 熟 説に変わ る発 達の基 礎 理 論と して,
1980
年 代か ら発 展 して き たのが 動 的 システム理論 (dynamic
systems approach )6)である。
この 理論の特
徴 は.
そ れ まで考 えら れ て き た ように,
神
経系
の成 熟により 「厳 密に決 定 さ れた神 経 回路 網 」が
作
成さ れ,
そ れ が運 動 を 調 節 するのではな く
,
「多
くの シス テ ム に よ る柔 軟 な協 同 作 用 」として運動が 形 成 さ れ る とす るところ にある
。
つ ま り,
姿 勢 制 御 や 歩 行Japanese Physical Therapy Association
NII-Electronic Library Service
Japanese Physioal Therapy Assooiation脳 性 麻痺 児に対 する 理学 療 法 技 術の再 考
327
が可 能にな るのは 「正常 な姿 勢 制御 」
や「
正常な歩 行 」とい う プロ グ ラムがあ ら か じめ脳 内にあるので は なく
,
姿勢
や歩 行 を 形 成 す る多 くの機 能 的シ ス テ ム(
例 えば,
直
立姿
勢 を 制 御 する ユ ニ ッ トや交互 に足 を屈 伸 させるユ ニ ッ ト,
さ ら に は歩 行 を 可 能にする筋 力 を発 現 する ユ ニ ッ トな ど)が協同 し て働く と想 定 す る 理論で あ るア)8
)。
ひとつ…
つ の下 位シス テム は,
歩行 と し て の性 質
を持
っ てい るわ けで は ないが,
全体が協 同 する こ と に より,
上位
の運動機
能と して の 「歩 行 機 能 」が 生 じ る。
このよう
な シ ス テ ム の発
達の仕 方 が 動 的システム理 論の特 徴 を示 峻 し て いる。
動的 シス テ ム理論に立 脚 すると
,
たとえ ば,
歩 行 機 能 を獲 得 さ せ る た め に は,
歩 行を形 成 する個々 の下位シ ステムを発 達さ せ る 必 要 が あ る。
し た がっ て,
理学 療 法 技 術と し て は.
反 射が 生 じ ない ように す るこ と で は な く,
その運 動 を 経験 させ,
(反 射も含め た)下 位の シス テムをうまく協同 させ る環 境 をつ くる こ とが 重 要となる。[璽
囃 未 成 熟 右運動 皮 質.
.
→
皮 質 脊 髄 路→
左 側 灰 白質 〔活 動 ↑)→
右 側 灰 白質 〔活 勦 ↓) 左 運 動 皮 質→
皮 質 脊 髄 略→
右 側 灰 白質 〔活 動点
〕→
左 側 灰 白質 (活 動 占)3
.
活 動 依存性
の神経 成熟
の存在
そ もそ も
,
神
経機構
の成 熟は生得
的で厳 密に決 定 さ れ た 過 程 なのだろう
か。
この こ と につ い て運動機
能に直 接関連 する皮 質 脊 髄 路を 例 に とって 考 え て み たい。
外 側皮 質 脊髄 路 は,一
次運 動 野か ら 反 対 側の脊髄 運 動 細 胞 に 投 射 す る,
上 下 肢の運動 を支 配 する 重要な 下行路 で あ る。
し か し,
未 成 熟な時 期に は,
反対 側 を 下 行 し た 軸索が,
反 対 側 だ け で な く,
同 側 に ま で シ ナ プス を 投 射し ている こ と が知ら れ てい る9}.
そ の後
成熟
に伴
い,
同 側 に投 射 した軸 索 終 末は刈 り込ま れ,
反対 側のみを支
配 する ようになる。 このよう
な変
化は ネコ で は2
ヶ月
,
ヒ トで は1
−
2
年で起こ る と さ れ る。
驚 くべ きこと に,
こ のよう
な「
刈り込 み」 現象
は一
一
dth
運動
野の活動
遮断
に より修
飾さ れ,
同 側 支 配が 残 存 する こ と が報 告さ れ てい る (図1
)。
こ れ は,
豊 富 な 刺 激 を与え ら れ た シ ナ プスが残り,
刺激 が 少 ない場 合 に は 刈り込 ま れ てい く という
活動
依存的 な 可 塑 的 シ ナ プスの特徴 を 反 映 し て い る。
し た がっ て,
神 経機構 は 生 得 的 に 決 定 さ れ てい る とい う より,
生後
の行動
に より活
動依存 的
に変化
する と推察
さ れ る。こ こで
.
活
動 依存性
は.
「
正 しい」
とい うよ り 「豊 富 」な刺
激
が選択
さ れ てい る こ と に着 目すべ きである。
Eyre10
)は,
片 麻 痺児
に おい て,
非損傷
側 か ら 同 側 に投射
さ れ たシナプスが刈 り込ま れ ない で同側支配 と なっ た場 合,
その運動 機 能は,
反 対 側 支 配の児 (つ まり損 傷 側 支 配 と なっ た 児)より劣っ て いる こ と を 報 告 し てい る。
こ のこ と は 機 能 的 に 高い運 動 が 選 択 さ れ る ので は なく,
あ くまで使用依 存 性に 変 化 す る こ と を 示 し てい る。
したがっ
て,
理学 療 法 技 術と し て は,
活動の 量 的 な 因 子 を 重 視 する必 要 が あると考 える。
障
害
構
造
の再 考
1
.
痙 性 麻 痺に目標 を置い た 理学 療 法 技 術の問 題 点 脳 性 麻 痺 児に共 通して見 られる中 枢 神 経 系の運 動 障 害に は,
痙 性な ど に代表
さ れ る陽性 徴 候と,
筋 力 低下 な ど に代 表さ れ る 陰 性 徴 候がある ID。
従来,
中 枢 神 経 疾患における運 動 機 能 低.
ドの メ カニ ズムに は痙 性麻痺の ような 陽 性徴 候が 重視さ れ,
筋力
低 下につ い て は論じられる こと が少な かっ た。
実際,
脳性 麻 片側活動誓
蛭二
]
未成熟 成 熟 動 皮 質 r 皮 質 脊 髄 賂→
左 側灰 白質 (活 動遮断 〕 r 刈 り 込 み→
右惻灰白質 〔活 勳遮 断 ) r 刈 り 込 み 運動 皮 質→
皮 質 脊 髄 路→
右側灰 自質 (活 動D
→
残 存→
左側 灰 白質 {活 勦 ↓)→
残 存 一 図1
皮質脊髄 路
の軸索終
末 と活 動 依存
性(
文 献9
より作 図 )通常の発 達
.
未成 熟 な時 期に は,
反 対側を 下行し た皮 質 脊 髄 路の軸 索が,
反対 側の脊 髄灰 白質だ け で な く,
同 側に まで シナプス を投 射 し
,
両 側 支 配 され てい る部 分が存
在 する
.
しか し,
その後,
成 熟に伴
い,
同側に投 射
し た軸 索 終 末は刈 り込 まれ
,
反 対 側のみ を支 配 する よう
に な る (上).一
方,
片 側の運動 皮 質を 遮断し た場 合に は,
同側に投 射 する部 分が残 存 する (下).
痺の運動 障 害を記述する 用語と し て,
「痙 性 」 や 「運 動パター
ン」という言 葉が多用 さ れ る が,
「筋 力 」とい う 表現は 忌 避 さ れる傾 向にあっ た。 痙 性 麻 痺は,
伸 張 反 射の過 興 奮 性に よ る,
筋 緊 張の速 度 依 存 性の増 加 に特 徴づけ ら れ た 運 動 障 害であ り,
低 速 度の運 動では 伸 張 反 射 が 生 じにくい。
した がっ て,
痙 性に主 眼 を 置い たアプ ロー
チは,
活 動 量 を抑 え,
ゆっ く り と確 実に行 わ れるよ う な運 動 課題 が選 択さ れ るこ とに な る。
し か し,
こ の こ とは,
日常 生 活で行わ れ る ような,
よ り高 速 度の運 動が 要求さ れ る場 合に は,
適 応で きない ことを 意 味 する。
つ まり,
「理学 療 法 室 内で はう ま く歩け る が,
家に帰る とう ま く歩 けない」とい う現象が 生 じること になる。
し かも,
活 動 性 を犠 牲に して痩 性 を減 弱さ せ ることに主眼を お く理 学 療 法 技 術 が,
運 動機
能改善
につ なが る保
証は ない。
た とえ ば,
選 択 的 後 根 切 除 術に より,
痙 性 を減 弱さ せ てもた だ ち に運 動機
能の改 善が得
ら れ る わけで は ないか らであ る12)。
2
.
運 動 機 能 と 筋 力次に
,
筋 力と運動 機 能につ い て は どうであろうか。 こ れまで.
筋 力低 下 は痙性 麻 痺 な ど に よ り 生 じ た 運動機 能低.
ドに伴 う二次的
な 現象
であ り,
中枢性
運 動障害
の主 要 な 問題で はないとされ てきた13)。
し か し,
現在
で は,
筋力
低 下自
体 が 中枢 性 運 動 障 害である ことが示
さ れ ている。
た とえばRose
ら14)は,
脳 性 麻 痺 児に おい て高 出力
の筋力
発揮に 必要 な発 火 頻 度 が 選択 的に 障 害さ れ てい る こ と を報 告して い る。
こ の こと は脳 性 麻 痺の筋 組 成に おい て.
Type
I
線 維 が多い こ と やType
I
,
II
線維の萎 縮が認め ら れ る とい うような 特 徴15)と 合 致する。
こ の
10
年,
DamianQ16
}を筆頭 に,
脳性
麻痺 児の筋 力と運 動 機 能につ い て の報 告が精 力 的に行わ れ て き た。
その結果,
筋力 が単 独でも運 動 機 能を 左右 する重 要 な 因子のひ とつ である とい うこと が 明 ら か に なっ て き た。
適 切 な筋 力 増 強の条 件につ い て N工 工一
Eleotronio LibraryJapanese Physical Therapy Association
NII-Electronic Library Service
Japanese Physioal Therapy Assooiation328
理学 療 法 学 第37
巻 第4
号「
…一
脳
鸚
二⊃
表1
重 症 度 別の
体
重の増加
と筋
厚,
脂肪 厚の相 関2D
中 等 度 群 重 度 群 筋厚
AUC
[
cm]
r
=0,
64
95
%CI
[0
.
06
to
O
.
90
]p
O
,
047
脂 肪 厚AUC
[cm ]r
;
0
.
60
95
%CI
[−
O
.
OO
to
.
88
]p
O
.
068
r=
0
.
07
[−
0
,
46tOO
.
56
]0
.
805
r=
O
.
60
[0
.
13toO
.
85
]
0
.
024
匚
運 動 機 能
、
欝
常 盤 活 機 饑 抵
下
図2
脳 損 傷と運 動 機 能の関係 脳 損 傷に伴
っ て,一
次性の運 動 障 害 とし て機 能的変化
と して,
痙 性 麻 痺と中枢 性 筋 力 低下 が生じ る.
こ の ような 運 動 障 害 が 長 期 間にわ た り存在 す
ることに より,
痙性
麻 痺 は 筋の短 縮 と硬 化が生 じ さ せ,
中 枢 性 筋 力 低 下は筋 萎 縮 を 起こす.
運 動 機 能 障 害は,
痙 性 麻 痺に よ る 過剰
な緊 張より も,
筋 萎 縮の程 度 と関連 する.
ま た,
拮 抗 筋の短 縮に よ り関節 拘 縮が生じ てい る 場合,
その主 動 筋 に は よ り強い筋 萎 縮 が 生じ る.
は未 だ 明 確では ない が,
運 動 機 能 と筋 力の関係は 理学療 法技術
が注 目すべ きポイン トで あ る とい える。
ところ で,
筋 力 増 強 が痙 性 麻 痺 を 増 加さ せ る とい う誤 解 に は 現 時 点 で は根拠 が な い17
)。
もし,
こ の よう
な仮 説に 立っ て,
筋
力 増 強の批 判を展 開 す るので あ れ ば,
そ れ に 見 合 う 根 拠 を 提 示 すべ きであ ろう。
3
,
活
動依存性
の筋
厚の存在
こ れ ま で
,
我
々 は筋 力
測定
が困 難な重 症 脳 性 麻 痺 児 を 中 心 に,
運動機
能の障
害と筋
萎縮の程度
との関 連につ い て調べ て き た。
現時 点
で,
1
)
運 動障
害の程
度や 日常生活 活 動に応じ た筋 厚の変 化 が 生 じ ること18>,
2
)運動 機 能,
日常生活 機 能と筋 厚 の相 関は,
筋 緊 張との関係より も高いこ と19),
3
) 拮 抗 筋の関 節 可 動 域 制 限の程 度に より筋 厚が影 響を受 けるこ と19)などが 明ら かになっ て い る。
我々 の研 究の結 果 を ま と め る と,
図2
のよ う なメカニ ズムが 考 え られ る。
脳 損 傷に伴っ て,一
次 性の運 動 障 害 と して痙 性 麻 痺 と 中枢 性 筋 力 低 下 が 生 じる。
こ のよ うな 運 動 障 害 が 長 期 問,
存 在 する ために,
痙 性 麻 痺によ る筋の短 縮 と硬 化20),
中 枢 性 筋 力 低下 に よ る筋 萎 縮が生じ る、
、
重 要 なこと は,
痙 性 麻 痺によ る過 剰 な 緊 張より,
筋 萎 縮の.
方が 運 動 機 能 障 害と関 連 して いた ことである。一
般に,
筋 萎 縮は運 動の巧 緻 性 (その筋 をど れ だけ
正確
に使
える か)
より も,
筋の不 活 動 状 態(
その筋 をどれだ け使っ て い るか)
との関 連が深い。
それに もかかわ らず,
筋 萎 縮 と運 動 機 能の関 連 が 高い という事 実 は,
脳 性 麻 痺 児 に おい て,
運 動 機 能 を 高 めるた めに,一
定の活 動 状 態 が 必 要である こ と を示 してい る。
こ の よ う な運 動 障 害の メカニ ズム を考 える と,
日常 的 な 活 動 量 を増 加 させる こと が,
運 動 機能
の向
上 につ なが る可 能 性が高いと考え ら れ る。
4
.
筋 厚と 成 長そ れ で は
,
その筋 厚は,
成長 に伴っ てどの ように変 化 するの だ ろ う か。
我々 が 行っ た3
年間の筋 厚につ い て の縦 断 研 究の結*
身
長の増 加量 で調 整 中等
度 群 (Gross
Motor
Function
Classification
System
,
レベル
III
,
IV
)と重 度 群 (レ ベ ルV
)に お け る 三年 間の体重増 加 量 と筋 厚,
脂 肪厚 増 加 量 との関係.
増加 量の指 標と し てArea
Under
the
Curve
(
AUC
)
を算 出し た,
中等
度 群で は筋 厚との間 に有 意 な 相 関 が 認め ら れ る が
,
電度
群で は脂 肪 厚との間にの み 相 関 が 認 め られ た.
果,
重症の脳 性 麻 痺 児で は体 重の成長 に 応 じ た 筋厚の変 化 が 生 じて いない ことが 示 唆 さ れ た(
表
1
)
21)。
つ まり,
体重
が増 加 する にもか か わ らず,
そ れ を支 えるため に 必要な筋
量 が得ら れ ていない と 言い換 えるこ とができる か もし れ ない。
この よう
な,
体 重に対 する筋 力の相 対 的 な低下 は,
学 童 期に おい て運動
機 能 が 低 下 する現 象 (Functional
Deterioration
)
22)を説 明 す る可 能 性があると考 えら れ る。
これ ま で
,
成 長に伴 う運動 機 能 変化のメ カニ ズ ム は,
関 節変 形 との文 脈で語ら れ る こ と が多かっ た た め,
関 節 変 形が 熊 じ な い ように 関節に 対 す る負 荷を減少 さ せ る こ と を 目 的 に 行 わ れ る ことが多
かっ た。
し か し,
もし.
体
重に対 する相 対 的 な筋力
低 下 が重 要な要 因であるとす
ると.
こ の時 期に活
動量 を増 加さ せ るべ きだ という
ことになるだろう
。
結 語
従来の理 学療 法技術の介入の口 的 は
,
「運 動の正 常 化 (健 常 者と 同様な 運動の獲 得 )」に あ る とい え る。
し た がっ て,
発 達 に おい て は 「誤 用」 を防 ぐことを中 心 に,
障害
に 対 して は 「痙 性 」を 減 弱 さ せ ること を 中心に介入 が な さ れ て き た。
今 後の 理学 療法技 術
は,
短絡的
に原 因 と結
果を結びつ ける の で は なく
.
そ れ ぞ れの メカニ ズム を明確
に し て,
そ れ に対
す る 最適な ア プ ロー
チ を確
立する こ と が求
め ら れ る だ ろう
。
現時点
で の こ の分 野の研 究 を ま とめ ると 「活 動 依 存 性 」が重 要 なキー
ワー
ドに なっ てい る よう
に見 受 け られ る。
子供たちの活 動 量 を増 加 させ る た め の 埋学 療 法 技 術 を確 立 するこ と が求め ら れ てい ると考 え ら れ る。
文
献
1
>Carnpbetl
SK
:The
children’
sdevelopment
offunctional
move−
ment
,
Iu
;Ca
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2
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eat growth and a newbom reflex,
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Dev
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:7
:
479
−
493
,
5
)ZelaZO
PR,
ZelaZONA
,
et al.
;”
Walking
”
in
the neWbOrn.
Japanese Physical Therapy Association
NII-Electronic Library Service
JapanesePhysical6)
7)
8)
9)IO)
11)12)
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