堺市監査委員公表第 14 号 地方自治法第 199 条の規定に基づき出資団体監査を執行したので、その結果に 関する報告を次のとおり公表する。 平成 28 年 3 月 28 日 堺市監査委員 池 尻 秀 樹 同 山 口 典 子 同 藤 坂 正 則 同 小 杉 茂 雄
監査結果報告
第1 監査の種類 出資団体監査 第2 監査の対象 公益財団法人堺市救急医療事業団 第3 監査の対象期間 平成 26 年度(平成 26 年 4 月 1 日~平成 27 年 3 月 31 日) ただし、必要に応じて他年度を含む。 第4 監査の実施期間 平成 27 年 11 月 2 日~平成 28 年 3 月 28 日 第5 団体の概要 1 設立年月日 平成元年 9 月 27 日(平成 24 年 4 月 1 日に公益財団法人へ移行) 2 設立目的 堺市が行う救急医療対策の円滑な推進を図るため、休日及び夜間の医療の 確保等、地域救急医療体制を確立し、もって地域住民の健康保持増進に寄与 することを目的とする。 3 基本財産 30,000,000 円(本市出捐額 30,000,000 円、基本財産に占める割合 100%) 4 所管部局 健康福祉局 健康部 健康医療推進課 5 役員及び職員数(平成 27 年 3 月 31 日現在) 理事 9 人 監事 2 人 職員 108 人(うち常勤職員 3 人(堺市からの派遣 2 人含む。)、 非常勤職員 17 人、短期臨時職員 88 人) 6 事業状況 平成 26 年度における公益財団法人堺市救急医療事業団(以下「事業団」という。)の主な事業は、次のとおりである。 (1) 急病診療事業(経費 532,312 千円) 休日等及び夜間の時間帯に内科及び小児科の初期急病診療を行った。ま た、重篤な患者に対して、救急告示病院等への後送を行った。 ◇平成 26 年度受診者数 (単位:人) 内 科 小児科 計 宿院急病診療センター 1,797 2,678 4,475 泉北急病診療センター 5,795 24,366 30,161 計 7,592 27,044 34,636 ◇平成 26 年度後送患者数及び後送協力機関数 (単位:人) 後 送 患 者 数 協力機関数 (病院数) 内 科 小児科 計 18 宿院急病診療センター 27 41 68 泉北急病診療センター 94 583 677 計 121 624 745 (出資団体提出資料から抜粋し一部加工) 7 財政状態及び経営成績 事業団の平成 26 年度の貸借対照表及び正味財産増減計算書は、別紙参考 資料のとおりである。 第6 堺市との関係 堺市(以下「市」という。)は、基本財産 30,000,000 円の全額を出捐して いる。 事業団に対する補助金として、平成 26 年度に堺市救急医療対策事業運営 費補助金を 157,489,000 円交付している。 なお、市からの派遣職員は 2 人(平成 27 年 3 月 31 日現在)である。 第7 監査の項目及び結果 事業団において事務事業が設立目的(出資目的)に沿って執行されている か、財務諸表は基礎となる会計帳簿に基づいて適正に作成されているかなど に留意し、出納その他の事務について監査を実施した。 監査の項目及び結果は、以下のとおりである。
1 規程等について 定款及び経理規程等諸規程は整備されているかについて、関係書類を調査 した結果、指摘すべき事項等として次のようなものがあったので、適切な処 理をする必要がある。 (1) 規程について、引用する法律名称が誤っているものや旧の団体名称及び 廃止された組織名称を規定したままになっているものがあった。 [情報セキュリティに関する規程の策定について(意見)] 事業団は、カルテ等取扱いに注意を要する情報を多く保有しているにも かかわらず、情報セキュリティに関する規程を定めていなかった。 事業団内における情報を適切に管理するためにも、速やかに規程を定め られたい。 [医師に対するタクシー代等の支出根拠について(意見)] 事業団は、夜間に急病診療事業に従事する医師に対して、タクシー代や 有料道路通行料を支出しているが、これらの取扱いに関して、明確な規程 を定めていなかった。 これらの取扱いに関する規程を定めるなど、支出根拠を明確にし、これ に基づき適切に運用を行われたい。 2 経理について 会計経理は適切になされ、財務諸表は法令等に準拠し、財政状態及び収支 状況を適正に表示しているか、会計帳簿の整備及び記帳は適切か、また、証 拠書類の整備及び保存は適切になされているかについて、関係書類を調査し た結果、事業団において、指摘すべき事項等として次のようなものがあった ので、適切な処理をする必要がある。 (1) 収入印紙・切手等の受払簿について、2種類の収入印紙を保有しているに もかかわらず、受払簿上区分しておらず、各収入印紙の使用状況及び枚数 の管理ができていなかった。 また、切手の残数等の数量を訂正していたが、訂正印が漏れていた。 (2) 賞与引当金について、平成27年6月に支給する期末・勤勉手当の対象期 間は前年12月~5月であるため、前年度4か月分に相当する金額を平成26年 度決算時に計上しなければならないが、3か月分のみ計上していた。 (3) 事業団契約事務規程では、委託契約について、予定価格が100万円を超え ない場合は随意契約を締結することができるとされている一方で、予定価
格が100万円を超えた場合でも一定の条件を満たせば随意契約を締結する ことができるとされている。 しかし、契約金額が100万円を超える樹木等管理業務について、一定の条 件を満たしていないにもかかわらず、随意契約を締結していた。 (4) 事業団処務規程では、小口現金を使用する際は、その都度事務局長の決 裁を受けなければならないとされているが、以前から月末もしくは小口現 金の補充時に、過去の使用分を一括して事務局長が決裁をしていた。 [インターネットバンキングによる支払事務について(意見)] インターネットバンキングによる支払事務において、申請作業と承認作 業を同一人物が行っていた。 インターネットバンキングの利用に当たっては、組織内部で相互牽制を 機能させるよう事務を改善されたい。 3 財産管理について 資金の運用は適切に行われているか、また、財産管理は適切に行われてい るかについて、関係書類を調査した結果、指摘すべき事項として次のような ものがあったので、適切な処理をする必要がある。 (1) 半自動除細動器(AED)について、固定資産台帳に記載されている資産番 号と当該固定資産に貼付しているシールに記載されている資産番号が異な っていた。 4 事業運営について 出資者としての権利行使は適切に行われているか、出資団体の財政状態及 び収支状況を把握し、適切な指導監督を行っているか、設立目的に沿った事 業運営が適切に行われているか、また、委託契約に基づく義務の履行は適正 に行われているかについて、関係書類を調査した結果、指摘すべき事項等と して次のようなものがあったので、適切な処理をする必要がある。 (1) 堺市救急医療対策事業運営費補助金(以下「補助金」という。)に係る事 務について、以下のとおり誤りがあった。 ア 市は、補助金交付要綱に基づき、堺市補助金返納・返還命令通知書(規 則様式第 5 号)により事業団へ通知しなければならないが、記載事項が 一部漏れた様式を用いて通知していた。 イ 事業団は、補助金交付要綱に基づき、補助事業を実施した医療機関が 大阪府に提出した事業実施状況報告書の写しを市へ提出しなければな
らない。 しかし、事業団は当該書類を市へ提出しておらず、また、市は提出を 求めていなかった。 ウ 事業団は、補助金交付要綱に規定されている期日を過ぎて補助対象医 療機関から提出された事業実施状況報告書及び請求書を収受していた。 エ 事業団は、補助金交付要綱に規定されている期日を過ぎて一部の補助 対象医療機関に補助金を交付していた。 [補助金の交付に係る事務の実施主体について(意見)] 平成23年度に実施した監査において、事業団が一旦補助金を収入し、各 医療機関等から補助申請を受け、交付決定等を行った後、市からの補助額 と同額を各医療機関等に交付していることについて、市が各医療機関等に 対して直接補助を行う方が効率的であると考えられるため、当該事務の実 施主体について速やかに検討されたいとの趣旨の意見を付している。 上記意見の対象となった補助事業のうち、夜間初期小児救急医療支援事 業及び救命救急センター運営事業については、市が、平成27年6月末に廃 止したものの、病院群輪番制病院運営事業、小児救急医療支援事業及び歯 科急病診療事業については、依然として事業団が当該事務の実施主体とな っている。 事業団が当該事務に関与する必要性は不明確であり、市が各医療機関等 に対して直接補助を行う方が効率的であると考えられるため、当該事務の 実施主体について速やかに結論を出し、実施に移されたい。