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この章のポイント 高校生の価値観 社会観の実態と変化の兆し Benesse 教育研究開発センター研究員 岡部悟志 自分を肯定的にとらえる高校生高校生は ストレスや悩みを抱えながらも 7~8 割が自ら 自分のことは できるだけ自分でする きまりやルールをきちんと守る と答え やる気になれば どんなこと

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(1)

第3章

高校生の意識

高校生の価値観・社会観の実態と

変化の兆し

性格・気質

❶ - ①

 自分自身について

価値観・社会観

❷ - ①

 社会観

❷ - ②

 将来なりたい職業の有無

❷ - ③

 将来の夢の有無、理想の大人の存在

❷ - ④

 生活満足度

❷ - ⑤

 東日本大震災後の社会貢献意識の変化

留学への意識

❸ - ①

 海外留学について

自分の将来や進路への意識

❹ - ①

 将来について思うこと

❹ - ②

 進路選択で高校に期待すること

この章のポイント

(2)

高校生の価値観・社会観の実態と

変化の兆し

Benesse教育研究開発センター 研究員

 岡部 悟志

自分を肯定的にとらえる高校生

 高校生は、ストレスや悩みを抱えながら

も、7~8割が自ら「自分のことは、でき

るだけ自分でする」「きまりやルールをきち

んと守る」と答え、「やる気になれば、どん

なことでもできる」と、まじめで肯定的な

自分像を抱いている(図3−1−1)。一方で

自分に対する満足度は、「自分の性格」には

3割台、「現在の自分の成績」は2割未満と

必ずしも高くない。しかし高校生にとって

身近な人々(「家族」

「友だち」)や環境(「学校」

「住んでいる地域」)に対する満足度は6~

8割と高く、しかも近年上昇傾向にある(図

3−2−6)。高校生にとっては、心地よい生

活を送るための条件がそろっていると言え

る。

将来は身近な幸せを願う

 ところが将来への見通しは否定的にみえ

る。進学校の生徒・大学進学希望の生徒の

うち、「将来なりたい職業がある」のは5割

を切る(図3−2−2~3)。6割の高校生が

夢を持っているが、「理想の大人」がいるの

は2割未満だ(図3−2−4~5)。「努力す

ればむくわれる社会だ」が5割を切り、「競

争がはげしい社会だ」が7割を超えている

高校生の社会観(図3−2−1)が、将来へ

の見通しをみえにくくしているのかもしれ

ない。一方で、将来「くらしは人なみでも、

安定した仕事をする」「家族など身近な人の

幸せを大切に暮らす」は親子とも7割台と

高い(図3−4−1)。社会情勢の厳しさを認

識しつつも、身近な幸せを願っている様子

がうかがえる。

グローバル化のなかでの課題

 以上のような高校生の価値観・社会観は、

家庭や学校からの逸脱行為や反社会的な行

動に向かわないといった意味では否定され

るものではない。ただし彼/彼女らが社会

に出る頃には、アジアを中心に労働市場が

さらに流動化し競争が激しくなると予想さ

れる。そうした環境変化への対応が教育に

求められるなか、将来「世界をフィールド

に活躍する」「リスクを冒しても、常に高い

目標にチャレンジする」は親子とも2割以

下にとどまる(図3−4−1)。将来「必ず留

学したい〔させたい〕」は親子とも数%しか

いない(図3−3−1)。これらは今後の家

庭や学校での教育に求められる課題と言え

る。

震災を機とした社会貢献意識の芽生え

 しかしながら、高校生の価値観も社会の

変化とそれに連動した自身の体験とともに

変化する。たとえば、東日本大震災が高校

生に与えた影響だ。ボランティアや募金な

ど、被災地と主体的な関わりを持った高校

生は全国各地に広がる(図3−2−8)。高校

生の約2割に値するこのグループは、全体

的に「社会に貢献したいという気持ちが強

まった」と回答する傾向があった(図3−2

−9)。本章のデータからは、自分の置かれ

た生活空間に心地よさを感じ、現状に満足

し、そこからあえてはみだそうとはしない

高校生像が浮かぶ。しかしその一方で、社

会(他者)の課題に対して主体的に一歩踏

み出して向き合う高校生もいる。今後の高

校生の変化に注目したい。

(3)

第3章

 

高校生の意識

性格・気質

❶ - ①

自分自身について

「自分のことは自分でする」

「やる気になればどんなことでもできる」

「きまりやルール

をきちんと守る」など、まじめで肯定的に自分をとらえている生徒が多い。

 「自分のことは、できるだけ自分でするようにしている」「きまりやルールをきちんと守るほうだ」が7〜

8割を占め、まじめで自分に対して肯定的な像をもつ生徒が多い。性別をみると、女子のほうが「カッとな

りやすい」「自分の外見が気になる」「つまらないことですぐに落ち込む」が高く、男子のほうが「好きで、

熱中していることがある」「いやなことがあっても、すぐに忘れる」「運がよい」が高い。男子のほうがく

よくよ考えずに好きなことをやり、マイペースなようである。

あなたは、自分自身について、次の項目にあてはまるようなことはありますか。

図3ー1ー1 自分自身について(経年比較、性別)

高校1・2年生

注1)「とてもそう」+「まあそう」の%。 注2)<>は 5 ポイント以上、≪≫は 10 ポイント以上差があることを示す。 注3)「ねばり強く最後まで続けるほうだ」の質問は、2004 年調査では該当項目なし。 注4)対象は高校1・2年生。( )内はサンプル数。 「第2回 子ども生活実態基本調査」(2009)

100 (%) 自分のことは、できるだけ 自分でするようにしている やる気になれば、 どんなことでもできる きまりやルールを きちんと守るほうだ 好きで、 熱中していることがある ねばり強く 最後まで続けるほうだ いやなことがあっても、 すぐに忘れる 自分の外見(顔やスタイル)が 気になる つまらないことで すぐに落ち込む 早く大人になりたい 運がよい カッとなりやすい つかれやすい 男子 (3,306) (3,005)女子 0 20 40 60 80

84.0

68.6

77.0

78.3

51.0

71.4

49.6

42.0

41.1

48.3

62.6

48.3

81.6

70.9

81.8

73.2

52.1

74.4

43.4

47.0

34.3

46.4

82.8

59.8

2004年(6,051) 2009年(6,319)

82.5

82.8

73.8

69.7

75.2

79.2

72.0

75.8

51.5

66.9

72.8

43.2

46.6

48.5

44.4

32.6

37.8

41.4

47.4

71.6

72.3

53.7

53.7

(4)

❷ - ①

社会観

「努力すればむくわれる」と感じる生徒は学校段階が進むにつれて減る一方、

「いい友だちがいると幸せになれる」と思う生徒はどの学校段階でも多い。

 学校段階が進むにつれ、「日本は、努力すればむくわれる社会だ」「いい大学を卒業すると将来、幸せに

なれる」の比率は減少し、高校生では38.1%である。一方で、

「日本は、競争がはげしい社会だ」「お金が

たくさんあると幸せになれる」の比率は学校段階があがるほど増加している。また、いずれの学校段階に

おいても「いい友だちがいると幸せになれる」は9割以上と高く、小学生・中学生・高校生が共通して、友

だちとの関係を重視していることがわかる。

あなたは、次の意見をどう思いますか。

図3ー2ー1 社会観(学校段階別)

小学5年生、中学2年生、高校2年生

注1)「とてもそう思う」+「まあそう思う」の%。選択肢は「とてもそう思う」「まあそう思う」「あまりそう思わない」「そう思わない」の4段階。 注2)対象は小学5年生、中学2年生、高校2年生。( )内はサンプル数。 「第4回  学習基本調査」(2006) 100 (%) お金がたくさんあると幸せになれる いい友だちがいると幸せになれる 日本は、努力すればむくわれる社会だ いい大学を卒業すると将来、 幸せになれる 将来、一流の会社に入ったり、 一流の仕事につきたい 日本は、競争がはげしい社会だ 20 40 60 80 小学生 (2,726) 中学生 (2,371) 高校生 (4,464) 0

93.2

92.5

96.3

68.5

54.3

45.4

61.2

44.6

38.1

59.8

49.6

51.8

54.3

65.4

75.8

46.1

56.0

62.7

(5)

第3章

 

高校生の意識

(%) ある ない 無回答・不明 2004年(2,494) 2009年(2,976)

1.8

2.1

進学校

65.6

32.5

49.0

48.9

2.6

1.6

2004年(2,364) 2009年(2,156) 中堅校

67.1

30.3

43.4

55.0

2.1

4.2

2004年(1,193) 2009年(1,187) 進路 多様校

29.3

68.7

48.9

46.9

2004年(815) 2009年(538) (%) ある ない 無回答・不明

1.5

1.5

1.0

1.4

1.1

1.5

2004年(191) 2009年(143) 2004年(3,229) 2009年(3,637) 専門・ 各種学校 まで 短期大学 まで 四年制 大学 まで

14.8

83.7

24.7

73.8

20.9

78.0

24.5

74.1

34.7

64.2

51.2

47.4

0.8

1.3

2004年(828) 2009年(891) 大学院 まで

21.0

78.1

34.9

63.7

価値観・社会観

❷ - ②

将来なりたい職業の有無

進学校に通う生徒、四年制大学までの進学希望者のうち、

将来なりたい職業が「ある」と回答した高校生は大幅に減少し、5割を下回る。

 大学進学実績のある進学校において、将来なりたい職業が「ある」と回答した高校生の比率は大きく落

ち込み、5割を下回っている(2004年65.6%>2009年48.9%、以下同)

(図3ー2ー2)。四年制大学までの

進学希望者の回答をみても、将来なりたい職業が「ある」と回答した比率は大幅に低下し、半数に満たない

(64.2%>47.4%)。将来へ向けての目的意識が希薄なまま大学へ進学する生徒が増えているかもしれない

(図3ー2ー3)。

将来の職業(仕事)についてお聞きします。あなたには、将来なりたい職業はありますか。

図3ー2ー2 将来なりたい職業の有無(偏差値層別)

図3ー2ー3 将来なりたい職業の有無(希望進路別)

高校1・2年生

高校1・2年生

注1)「あなたは、将来、どの学校まで進みたいと思いますか」という設問に対する回答を用いて、高校生の希望進路を「専門学校・各種学校まで」 「短期大学まで」「大学(四年制)まで」「大学院(六年制大学を含む)まで」の4つのグループにわけて集計した。 注2)対象は高校1・2年生。( )内はサンプル数。 図3−2ー2〜3「第2回 子ども生活実態基本調査」(2009) 注1)「進学校」は偏差値 60 以上目安、「中堅校」は偏差値 50 ~ 59 目安、「進路多様校」は偏差値 50 未満目安。 注2)対象は高校1・2年生。( )内はサンプル数。

(6)

❷ - ③

将来の夢の有無、理想の大人の存在

将来の夢を持つ生徒は約6割いるが、夢に向かって努力しているのは半数以下。

「理想の大人がいる」という高校2年生は2割弱。

 将来の夢の実現に向けて「とても努力している」が13.1%、「少し努力している」が32.9%である。「努力

していない」を含めると、全体で約6割の高校2年生が将来の夢をもっていることがわかる(図3ー2ー4)。

ところが「理想の大人がいる」という高校2年生は 17.0%。理想の大人として具体的には、「親」「先輩」

をあげる生徒が多かった。一方で「政治家」という回答はなかった。「その他」としては、兄弟姉妹、マン

ガ家、歴史上の人物などの名前があがった(図3ー2ー5)。

親 先輩 芸能人 教師 スポーツ選手 知人 実業家 医者 学者 政治家 その他 (%) 0 5 10 15 20 25 (%) 理想の大人の具体例

16.5

15.6

13.8

11.0

9.2

6.4

5.5

1.8

0.9

0.0

19.3

17.0

いる

83.0

いない

あなたには、将来の夢がありますか。

あなたには、「あの人のような生き方をしたい」と思える人はいますか。

図3ー2ー4 将来の夢について

図3ー2ー5 理想の大人の存在について

高校2年生

高校2年生

注1)図3ー2ー4、図3ー2ー5ともに対象は高校2年生 642 人。 注2)図3ー2ー4、図3ー2ー5ともに高校2年生の子どもがいる保護者に協 力を依頼し、インターネットにて調査。 図3ー2ー4〜5「子どもの生活・学習実態基礎調査」(2012) (%) わからない・ 考えたことがない 夢はない 夢はあるが、そのための努力はしていない 夢があり、そのために 少し努力している 夢があり、そのために とても努力している

13.1

32.9

12.3

13.4

28.3

(7)

第3章

 

高校生の意識

❷ - ④

生活満足度

自分や社会への満足度は低めだが、全般的に生活への満足度は高まっている。

進路多様校では学校・先生への満足度が相対的に低い。

 生活満足度は、「自分の性格」を除くほとんどの項目で「とても満足している」+「まあ満足している」の

比率が上昇している(図3ー2ー6)。ただ、「現在の自分の成績」への満足度は2割に満たない。偏差値層

別では、進路多様校の生徒は、進学校や中堅校の生徒に比べて、「自分が通っている学校」「学校の先生

との関係」

「自分が住んでいる地域」に対する満足度が相対的に低い傾向にある。だが「現在の自分の成績」

に対する満足度は高くなっている(図3ー2ー7)。

あなたは自分の生活にどの程度満足していますか。

図3ー2ー6 生活満足度(経年比較)

図3ー2ー7 生活満足度(偏差値層別)

高校1・2年生

高校1・2年生

進学校(2,976) 中堅校(2,156) 2004年(6,051) 2009年(6,319) 進路多様校(1,187) 100 (%) 20 40 60 80 100 (%) 20 40 60 80 現在の 自分の成績 学校の 先生との関係 自分が 通っている学校 自分が 住んでいる地域 今の日本の社会 自分の性格 家族との関係 友だちとの関係 現在の 自分の成績 学校の 先生との関係 自分が 通っている学校 自分が 住んでいる地域 今の日本の社会 自分の性格 家族との関係 友だちとの関係

17.7

16.9

26.3

35.3

30.8

32.9

75.5

74.0

72.6

82.9

82.4

81.3

73.0

69.9

60.1

81.5

61.2

54.2

81.3

80.4

76.1

32.2

30.0

28.4

0 0

18.7

19.1

36.3

33.4

74.2

74.4

79.2

82.4

66.4

69.5

69.5

68.9

80.0

23.4

30.7

注1)図3ー2ー6、図3ー2ー7ともに「とても満足している」+「まあ満足している」の%。 注2)図3ー2ー6の「自分が通っている学校」の質問は、2004 年調査では該当項目なし。 注3)図3ー2ー6、図3ー2ー7ともに対象は高校1・2年生。( )内はサンプル数。 図3ー2ー6〜7「第2回 子ども生活実態基本調査」(2009)

価値観・社会観

(8)

❷ - ⑤

東日本大震災後の社会貢献意識の変化

「家族・知人が被災した」

「被災地と主体的に関わりを持った」生徒ほど、

「社会に貢献したいという気持ち」

「ボランティアに対する関心」が強まった。

 全国の約2割の生徒が「被災地と主体的に関わりを持った」と回答した(図3ー2ー8)。その7割以上が「お

互いに助け合って生きることの大切さ」や「どんな厳しい状況でも生き抜く力」の必要性を感じ、5割近く

が社会貢献への意欲やボランティアへの関心を強めている(図3ー2ー9)。また、「家族・知人が被災した」

生徒、「被災地と主体的に関わりを持った」生徒の約5割が「大学生活を無駄に過ごしてはならない」と強

く感じ、約4割が「大学で学ぶ目的について真剣に考えるようになった」と回答している(図3ー2ー10)。

2011 年3月 11 日に発生した東日本大震災とあなたの関係についてお答えください。

図3ー2ー8 高校生と震災との関係(全体、地域ブロック別)

高校1〜3年生

注1)「家族・知人が被災した」…家族や自宅、親戚、友人・知人が被災した。 「被災地と主体的に関わりを持った」…被災地を実際に訪れたり、ボランティア・募金・物資を送るなどの被災地支援を行った。 注2)「北海道」…北海道。 「東北」…青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県。 「北関東」…茨城県、栃木県、群馬県。 「南関東」…埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県。 「中部」…新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県。 「近畿」…三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県。 「中国四国」…鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県。 「九州沖縄」…福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県。 注3)対象は高校1~3年生。( )内はサンプル数。 「高校生と保護者の学習・進路に関する意識調査」(2011) 60 50 40 30 20 10 0 (%) 全体 (4,564) 北海道 (185) 東北 (344) 北関東 (258) 南関東 (1,229) 中部 (778) 近畿 (842) 中国四国 (409) 九州沖縄 (519) 家族・知人が被災した(614) 被災地と主体的に関わりを持った(899)

13.5

19.7

5.9

18.4

50.9

26.5

43.8

18.6

14.3

17.3

6.7

21.6

4.4

15.4

3.7

22.2

6.7

23.9

(9)

第3章

 

高校生の意識

注1)「とてもあてはまる」+「まああてはまる」の%。 注2)「家族・知人が被災した」…家族や自宅、親戚、友人・知人が被災した。 「被災地と主体的に関わりを持った」…被災地を実際に訪れたり、ボランティア・募金・物資を送るなどの被災地支援を行った。 注3)「被災地と主体的に関わりを持った」ことと価値観の変化の関係を明らかにするために、「被災地と主体的に関わりを持った」層から 「家族・知人が被災した」層を除いて集計した。 注4)対象は高校1~3年生。( )内はサンプル数。 注1)大学進学希望者のみ分析。 注2)「とてもあてはまる」+「まああてはまる」の%。 注3)「家族・知人が被災した」…家族や自宅、親戚、友人・知人が被災した。 「被災地と主体的に関わりを持った」…被災地を実際に訪れたり、ボランティア・募金・物資を送るなどの被災地支援を行った。 注4)「被災地と主体的に関わりを持った」ことと大学進学意識の変化の関係を明らかにするために、「被災地と主体的に関わりを持った」層から 「家族・知人が被災した」層を除いて集計した。 注5)対象は高校1~3年生。( )内はサンプル数。 図3- 2- 9〜 10「高校生と保護者の学習・進路に関する意識調査」(2011) 90 (%) お互いに助け合って生きることの大切さを 強く感じるようになった どんな厳しい状況でも生き抜く力が 必要だと思うようになった いまをしっかりと生きることの大切さを 強く感じるようになった 家族や友人など、身近な人の大切さを 感じるようになった 日本人の生き方や、社会のあり方を 変えていく必要を感じるようになった 社会に貢献したいという気持ちが強まった ボランティアに対する関心が強まった (実際に参加した場合を含む) 将来も親とともに暮らすことが 大事だと思うようになった 地元に貢献したいという気持ちが強まった 20 10 30 40 50 60 70 80 0 全体(4,564) 家族・知人が被災した (614) 被災地と主体的に 関わりを持った (家族・知人が被災した 者を除く) (744)

63.8

74.6

76.6

69.2

74.4

69.5

68.7

71.4

54.1

53.1

25.7

27.2

24.5

47.1

39.4

36.9

45.0

27.4

67.9

63.7

58.9

58.8

44.9

32.7

28.6

21.6

19.3

60 (%) 大学生活を無駄に過ごしてはならないと 強く感じるようになった 大学で学ぶ目的について 真剣に考えるようになった 社会や人の問題解決に直接役立つ 学問分野への関心がいっそう高まった 震災以前から志望している大学があるので、 志望校は容易に変えられない 20 10 30 40 50 0 全体(3,184) 家族・知人が被災した (415) 被災地と主体的に 関わりを持った (家族・知人が被災した 者を除く) (545)

43.0

51.8

50.6

31.8

38.8

36.5

25.5

30.6

30.1

37.1

42.1

45.8

2011 年3月 11 日に発生した東日本大震災の影響による変化として、次のようなことが

どれくらいあてはまりますか。

2011 年3月 11 日に発生した東日本大震災の影響による変化として、次のようなことが

どれくらいあてはまりますか。

図3ー2ー9 震災による高校生の価値観の変容(全体、震災との関係別)

図3ー2ー10 震災による高校生の大学進学意識の変容(全体、震災との関係別)

高校1〜3年生

高校1〜3年生

(10)

❸ - ①

海外留学について

「海外留学したい〔させたい〕」比率は子どもと親で差がないが、

「海外留学したい〔させたい〕とは思わない」比率は子どもが親より10ポイント近く高い。

 親子の海外留学についての意識は、「必ず留学したい〔させたい〕」「できれば留学したい〔させたい〕」で

は大きな差はみられない。一方、「留学したい〔させたい〕とは思わない」は、子どもが親を約10ポイント

上回り、55.1%となっている(図3−3−1)。大学生のときの留学期間の希望をみると、子ども、親ともに「1

年程度の留学」が4割弱でもっとも多く、

「3〜6ヵ月程度の留学」が3割前後で続いている(図3−3−2)。

あなたは、将来、〔お子さまを〕海外に留学したい〔させたい〕と思っていますか。

図3ー3ー1 将来の海外留学意向

図3ー3ー2 大学生のとき(19〜22歳ごろ)に、留学したい〔させたい〕時期

高校2年生とその保護者

高校2年生とその保護者

注1)〔 〕内は保護者に対する設問と選択肢。 注2)対象は高校2年生 642 人とその保護者 642 人。( )内はサンプル数。 注3)高校2年生の子どもがいる保護者に協力を依頼し、インターネットにて調査。 注1)〔 〕内は保護者に対する設問と選択肢。 注2)対象は「留学したい」と回答した高校2年生 218 人と、子どもを「留学させたい」と回答した保護者 236 人。( )内はサンプル数。 注3)高校2年生の子どもがいる保護者に協力を依頼し、インターネットにて調査。 図3ー3ー1〜2「子どもの生活・学習実態基礎調査」(2012) (%) 高校生(642) 保護者(642)

3.6

2.0

30.4

34.7

55.1

10.9

45.3

17.9

必ず留学したい〔させたい〕 できれば留学したい〔させたい〕 留学したい〔させたい〕とは思わない わからない・まだ決めていない (%) 高校生(218) 保護者(236)

8.3

8.9

28.0

30.1

37.2

3.7

21.6

1.4

37.3

19.9

1ヵ月未満の短期語学研修など 3∼6ヵ月程度の留学 1年程度の留学 この時期に留学したい〔させたい〕とは思わない 海外の学校に入学し 卒業を目指す わからない・まだ決めていない

1.3

2.5

(11)

第3章

 

高校生の意識

自分の将来や進路への意識

❹ - ①

将来について思うこと

親子とも、7割台が「くらしは人なみでも安定した仕事をする」

「家族など身近な人の

幸せを大切に暮らす」ことを希望。

「世界をフィールドに活躍する」は2割前後。

 親子とも、

「くらしは人なみでも、安定した仕事をする」

「家族など身近な人の幸せを大切に暮らす」がもっ

とも高く、いずれも7割台であった。一方で、

「世界をフィールドに活躍する」は2割前後、

「リスクを冒しても、

常に高い目標にチャレンジする仕事をする」は1割台と、親子ともに低くなっている。また、「社会に参画

し貢献することを大切に暮らす」では、保護者の肯定率は6割と比較的高いが、高校生は5割を切っている。

あなたは、自分の〔あなたのお子さまの〕将来について、次のようなことをどのくらい思

いますか。

図3ー4ー1 将来について思うこと

高校1〜3年生とその保護者

注1)「とてもそう思う」+「まあそう思う」の%。選択肢は「とてもそう思う」「まあそう思う」「どちらともいえない」「あまりそう思わない」 「まったくそう思わない」の5段階。 注2)〔 〕内は保護者に対する設問と選択肢。 注3)対象は高校1~3年生とその保護者 4,647 人。( )内はサンプル数。 「高校生と保護者の学習・進路に関する意識調査」(2011) 80 (%) 20 10 30 40 50 60 70 地元で仕事や生活をしたい 〔してほしい〕 地元を離れてもいいが、日本国内で 仕事や生活をしたい〔してほしい〕 世界をフィールドに活躍したい 〔活躍してほしい〕 くらしは人なみでも、安定した 仕事をしたい〔してほしい〕 リスクを冒しても、常に高い目標に チャレンジする仕事をしたい〔してほしい〕 家族など身近な人の幸せを 大切に暮らしたい〔暮らしてほしい〕 社会に参画し貢献することを 大切に暮らしたい〔暮らしてほしい〕 早く親から経済的に自立したい 〔自立してほしい〕 0 高校生(4,647) 保護者(4,647)

48.1

48.3

49.8

43.6

18.4

22.4

71.3

79.2

16.8

12.3

70.8

77.5

47.3

60.3

63.6

69.6

(12)

❹ - ②

進路選択で高校に期待すること

国公立大学や難関私立大学への進学者が多い高校の生徒の約6割は、

「受験に必要なこと」を効率的に教えてほしいと感じている。

 国公立大学や難関私立大学への進学者が多い高校の生徒は、

「受験に必要なこと」の効率的な指導や、

「海

外の大学への進学に関する情報提供や指導」を望む比率がそれ以外の高校の生徒を5ポイント近く上回っ

た。とくに前者は58.5%で、大学受験に対する意識の高さがうかがえる。一方、短大・専門学校への進学・

就職が多い高校の生徒は、

「社会へ出てから役立つ基礎的な力」の育成や「将来の就職を意識した進学指導」

を望む比率がそれ以外の高校の生徒より5ポイント以上高く、5割前後であった。

あなたは、現在通っている高校の指導に対して、どんな要望をお持ちですか。

図3ー4ー2 高校の指導に対する要望(全体・高校タイプ別)

高校1〜3年生

注1)「とてもそう思う」+「まあそう思う」の%。選択肢は「とてもそう思う」「まあそう思う」「どちらともいえない」「あまりそう思わない」 「まったくそう思わない」「分からない・考えたことがない」の6段階。 注2)対象は高校1~3年生 4,647 人。( )内はサンプル数。 「高校生と保護者の学習・進路に関する意識調査」(2011) 70 (%) 20 10 30 40 50 60 受験に必要なことをできるだけ 効率的に教えてほしい 社会へ出てから役立つ基礎的な力(思考力や コミュニケーション能力など)をつけさせてほしい 受験に関わりなく、将来必要となる 知識を幅広く教えてほしい 将来の就職を意識した 進学指導をしてほしい 教師がもっと職業に関する知識や 経験をもって指導してほしい 受験対策のための講習を もっと充実させてほしい 授業の学習内容を定着させるための 補習をもっと充実させてほしい 宿題以外の家庭学習の時間や方法について もっと指導してほしい もっと自習室を開放してほしい 受験対策のための 外部模試をもっと充実させてほしい 海外の大学への進学に関する 情報提供や指導をしてほしい 三者面談の機会をもっと増やしてほしい 宿題をもっと出してほしい 0 32.7 39.5 37.0 18.3 13.9 18.8 14.2 8.6 22.6 27.3 25.1 13.5 48.7 58.5 53.8 30.4 48.3 43.6 54.4 47.7 43.7 44.0 42.144.3 38.9 35.1 37.5 45.4 35.5 33.5 36.7 35.7 27.2 29.8 31.0 18.3 25.3 26.3 29.5 17.8 20.6 23.8 23.2 13.2 5.2 6.1 5.2 4.2 4.7 4.8 4.3 4.7 全体(4,647) 中堅レベルの大学への 進学者が多い高校(2,018) 短大・専門学校への進学・ 就職が多い高校(1,276) 国公立大学や難関私立大学への 進学者が多い高校(1,353)

参照

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