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2020 年度総合選抜型 AO 入試 理工学部生命科学科 Ⅰ DNA の電気泳動実験について, 次の (1) と (2) の設問に答えよ (1) 下記の方法に従って, アガロースゲルを用いた電気泳動法による実験を行い 得られた電気泳動の結果に基づいて, 縦軸を DNA 分子量マーカーの大きさ ( 塩

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2020 年度 総合選抜型 AO 入試 【理工学部 生命科学科】

Ⅰ DNA の電気泳動実験について,次の(1)と(2)の設問に答えよ。 (1) 下記の方法に従って,アガロースゲルを用いた電気泳動法による実験を行い、得られた電 気泳動の結果に基づいて,縦軸を DNA 分子量マーカーの大きさ(塩基対, bp),横軸を移動距離 (mm)とする片対数グラフ(縦軸は対数目盛り)を作成せよ。次に,作成したグラフを用いて, 制限酵素によって切断されたプラスミド DNA の消化断片の大きさ(塩基対)を求め,これを表 2 にまとめるとともに実験結果を文章で説明せよ。(100 点) 【はじめに】 電気泳動実験は,図 1 に示す装置を用いて行う。二本の電極の間を緩衝液で満たし,ここに アガロースでできたゲル(図 2)をおく。色素を含むローディングバッファーと混合した試料を ゲルのくぼみ(ウェル)に注入する。電圧を加えると DNA が移動しはじめるが,それぞれの大 きさの違い(塩基対の違い)で移動速度が異なることから,DNA 断片を大きさ(塩基対)で分 離できる。そこで DNA 分子量マーカーのそれぞれのバンドの移動距離とそれら DNA 断片の大 きさの関係を片対数グラフに描き,調べたい DNA 断片の移動距離をグラフに当てはめることで, その DNA 断片の大きさ(塩基対)を推定することができる。 図 1 電気泳動槽 図 2 アガロースゲル 【準備】 電気泳動槽,アガロースゲル,緩衝液,試料溶液 4 種(溶液 A~D),DNA 分子量マーカー(溶 液 M),マイクロピペット,黄チップ,方対数グラフ,定規,DNA 染色液,ゲル撮影装置 【方法】 1. あるプラスミド DNA(プラスミド P)を表 1 に示す制限酵素で消化し,これに色素を含 むローディングバッファーを加えた 4 種類のサンプル溶液(溶液 A~D)が準備されている。

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表 1 4 種類のサンプル溶液と使用した制限酵素 サンプル溶液の名称 制限酵素の名称 制限酵素の名称 溶液 A EcoRI なし 溶液 B BstXI EcoRI 溶液 C EcoRI HindIII 溶液 D HindIII BstXI 溶液 A は 1 種類,溶液 B-D は 2 種類の制限酵素を用いて消化した。 2. 図 2 を参考に,電気泳動槽にセットされたアガロースゲルの 2 番のウェルに,10 μL の溶 液 A を静かに注入する。このとき,先端に黄チップを装着したマイクロピペット P20 を用 いて溶液を量り取る。黄チップの先端を図 2 右のようにウェルに入れ,溶液を静かに注入 すること。 3. 溶液 B,溶液 C,溶液 D についても同様に各 10 μL を異なる 3~5 番のウェルへ注入する。 4. 続いて,10 μL の溶液 M(DNA 分子量マーカー)を 1 番のウェルに注入する。 5. 電圧 100V,電源ボタンが OFF になっていることを確認し,電気泳動槽に電源ユニット を取付け,泳動カバーを閉める。安全ボタンが電源ユニットに差し込まれていることを確認 したのち,電源プラグをコンセントにつなぐ。電源ボタンを押すと泳動が開始する。 6. 泳動を開始したら,実験操作 7 と 8 をよく読むこと。読み終わったら,静かに手を挙げ、 試験監督に泳動を開始したことを報告すること。 7. 実験操作 9 以降の作業に取組んでいる間にローディングバッファーに由来する青い色素 が,アガロースゲルの 6 割程度まで進んだところ(およそ 20-30 分後)で,電源ボタンを OFF にする。電源プラグをコンセントから抜き,泳動カバーを開き,電源ユニットを泳動 槽から取り外す。再度,泳動カバーを閉めた泳動槽は,邪魔にならない場所に置いておくこ と。泳動の終了したゲルおよび泳動槽は,試験監督が回収する。 8. 回収したアガロースゲルは,染色液で DNA を染色したのちにゲル撮影装置を用いて,紫 外線照射下で写真を撮影する。今回は試験時間の都合で,あらかじめ撮影されたアガロース ゲルの写真を用いて,実験を継続する。実験操作 6 にあるよう試験監督に泳動開始を報告 すれば,アガロースゲルの写真を受け取ることができる。以降の操作は,受け取った写真を 用いて行うこと。 9. 撮影された写真を用いて,まず DNA 分子量マーカーについて,「泳動の原点から各バン ドの中央部までの距離(mm)」を定規で計測する。計測した移動距離とスライドに表示し た各バンドの塩基対を用いて4ページのグラフ(片対数グラフ)を作成する。 10. 次にウェル 2~5 のレーンについて,同様に移動距離を計測する。このとき,それぞれの レーンに複数のバンドが存在するとき,これらバンドの移動距離をそれぞれ計測すること。 得られた値と実験操作 9 で作成したグラフを用いて,レーンごとに泳動された DNA 消化断

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片の塩基数を十の桁を四捨五入した値として見積もり,これを 4 種類の溶液ごとに表 2 に まとめる。

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表 2 各溶液に含まれる DNA 消化断片の大きさ 試料溶液 溶液に含まれる DNA 消化断片の大きさ 溶液 A 4000 bp 溶液 B 2800 bp, 1200bp 溶液 C 3200 bp, 900 bp 溶液 D 3500 bp, 400 bp ※複数のバンドが確認された場合には,その溶液に含まれる DNA 消化断片すべての大きさ (塩基数)がわかるようにまとめること。 【結果】 グラフより,DNA 断片の移動距離とその塩基対数の対数は,比例関係にあった。これを用い て,制限酵素による消化断片の塩基対数を見積もったところ,EcoRI 消化断片の大きさは,お よそ 4000 bp と見積もられた。同様に BstXI と EcoRI による消化では,およそ 2800 bp と 1200 bp の断片に,EcoRI と HindIII による消化では,およそ 3200 bp と 900 bp に,BstXI と HindIII による消化では,およそ 3500 bp と 400 bp のように,それぞれ異なる長さで消化された。

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(2) 今回の実験で用いられた 3 種類の制限酵素は,プラスミド P をそれぞれ,ある一か所で切 断する。(1)の実験結果に基づいて,考察課題 1~4 に回答せよ。(100 点) 【考察課題 1】 アガロースゲル電気泳動で DNA 断片が移動した理由を述べなさい。 アガロース電気泳動では,負極から正極に向かって DNA 断片が移動したことから,DNA が負に帯電していることが,移動の理由と考えられる。 【考察課題 2】 プラスミド DNA とは,一般にどのような形状をした DNA であり,これを制 限酵素 EcoRI で処理したことで,どんな形状の DNA となったのか,答えなさい。

プラスミド DNA は,一般に環状二本鎖 DNA である。制限酵素 EcoRI による消化で,直 鎖状二本鎖の DNA に変化した。 【考察課題 3】 表 2 の結果から,プラスミド P の大きさは,およそ何塩基対か,答えなさい。 プラスミド P は,およそ 4000 塩基対である。 【考察課題 4】 表 2 の結果から,今回用いた 3 種類すべての制限酵素を使って,プラスミド P を消化すると,どんな大きさの DNA 消化断片が観察されると推定されるか。観察される消 化断片のおよその塩基対(bp)を示すとともに,その DNA 消化断片が,それぞれ,いずれ の制限酵素によって消化された断片であるか説明せよ。 プラスミド P を 3 種類の制限酵素で消化すると,およそ 400,900,2800 bp の DNA 消化断片が観察され,これらは,BstXI と HindIII,EcoRI と HindIII,BstXI と EcoRI に よって,それぞれ消化された DNA 断片であると考えられる。

参照

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