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世界の地熱開発の動向 (WGC の発表から ) 地熱部特別顧問 當舎利行

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Academic year: 2021

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世界の地熱開発の動向

(WGCの発表から)

地熱部 特別顧問

當舎 利行

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はじめに

WGC(World Geothermal Congress:世界地熱会議)は、5年ごとに開催される国際 会議であり、これまでは以下のような国で開催された。 1995:フィレンツェ(イタリア) 2000:別府・盛岡(日本) 2005:アンタリア(トルコ) 2010:バリ(インドネシア) 2015:メルボルン(オーストラリア) 最新のWGCは本年4月にオーストラリアで開催された。この国際会議での各国 の発表から、主な地熱資源開発国や開発の著しく進展している国などを中心と して、現在の地熱の動向について紹介を行う。 本発表では、以下の論文を参照した:

BERTANI, R. "Geothermal Power Generation in the World – 2010”2015 Update Report“, Proc. WGC2015, 01001, Melbourne, Australia, 2015. CAREY, B., DUNSTALL, M., MCCLINTOCK, S., WHITE, B., BIGNALL, G., LUKETINA, K., ROBSON, B., ZARROUK, S. and SEWARD, A. "2015 New Zealand

Country Update“, Proc. WGC2015, 01052, Melbourne, Australia, 2015.

DARMA, S., TISNALDI and GUNAWAN "Country Update: Geothermal Energy Use and Development in Indonesia“, Proc. WGC2015, 01038, Melbourne, Australia, 2015.

RAGNARSSON, A. "Geothermal Development in Iceland 2010-2014" Proc. WGC2015, 01077, Melbourne, Australia, 2015. OMENDA, P. and SIMIYU, S. "Country Update Report for Kenya 2010-2015" Proc. WGC2015, 01019, Melbourne, Australia, 2015.

MERTOGLU, O., SIMSEK, S. and BASARIR, N. "Geothermal Country Update Report of Turkey (2010-2015)" Proc. WGC2015, 01046, Melbourne, Australia, 2015.

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世界的な傾向

世界の地熱発電は、全発電容量の増加に比例して伸びて来ている (総発電量の約0.3%前後)

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主要な国別の発電設備容量の増加

0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500 4000 MW 1995 2000 2005 2010 2015 1995年では、我が国の発電設備容量は、米国、フィリピン、メキシコ、イタリアにつ いで第5位であったものが、2010年では、インドネシア、ニュージーランド、アイスラ ンドに抜かされて第8位となっていたが、2015年にはケニアにも抜かされて第9位と なっている。 (Bertani, 2015)

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各国の動向(1)ニュージーランド

 地熱発電が急速に伸びており、1年間の伸び率は20%以上

世界最大の地熱発電機(140MW)がNga Awa Puruaに導入(富士電機製)  2014年の地熱発電の発電量は7000GWhで全発電量の約16%  再生エネルギは電力需要の75%であり、2025年までには90%を目標 地熱発電量の伸び(年間発電量) 我が国の年間地熱発 電量(@2013年度) (Carey et al., 2015)

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各国の動向(2)アイスランド

 地熱発電は、電力需要の68%(@2014年)  Theistareykir地熱発電所(2014年建設)は、45 MWの設備容量(生産井 7本)、最終的には200 MW( 生産井40本)。 我が国の年間地熱発 電量(@2013年度) (Ragnarsson, 2015)

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各国の動向(3)ケニア

45 45 129 202 594 1500 0 1000 2000 3000 0 500 1000 1500 1995 2000 2005 2010 2015 2020 G W h MW Year KENYA

Installed Capacity Produced Energy

0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000 8,000 9,000 2015 2017.5 2020 RE Hydro Fossil Geothermal 設備容量(MW) ケニアの電力設備容量の伸び 2015年と2020年の中間地点は、すでに建設が始まっているか、ない しは、費用の見通しが立っている発電設備を表している。  地熱発電設備容量は573MWで2010年から比べると243%の増加量(我が国の設備容量を超え ている)。  将来的には既存のOlkariaやMenengai(現在JICAが技術協力)の増強だけでなく、Baringo-Silaliや Suswa等の新たなフィールドの探査も実施。 (Bertani, 2015)

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各国の動向(4)トルコ

21 20 20 91 397 600 0 2000 4000 6000 0 200 400 600 1995 2000 2005 2010 2015 2020 G W h MW Year TURKEY

Installed Capacity Produced Energy

 西アナトリアにあるMenderes, Gediz, Simav の各渓谷に新しい14 ユニットの発電機が導入される (設備容量、約300 MW)。  また、Çanakkaleにも小規模の発電設備が導入される。 我が国の 年間地熱 発電量 (@2013 年度) (Bertani, 2015) (Mertoglu et al., 2015)

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各国の動向(5)インドネシア

 インドネシアでの地熱ポテンシャルは、米国についで第2位(312地点、28,000MW)であり、2020年にかけて大 幅な設備容量の増加を目指している。  地熱発電所は2014年時点で10か所あり、設備容量は、1,341MWとなっている(1カ所あたり平均13万kW)。  また、2020年の設備容量の目標値は、3500MWであるが、2025年には6,638MWの導入を目指している。  新しい地熱発電所が、Ulumbu(フローレス島)、Sulawesi(マタロカ島)、Lehendong(スラウェシ島)、Ulu Belu(ス マトラ島)などで建設がされている。 310 590 797 1197 1340 3500 0 4000 8000 12000 0 2000 4000 6000 1995 2000 2005 2010 2015 2020 G Wh MW Year INDONESIA

Installed Capacity Produced Energy

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各国の動向(5)イタリア・日本

A new unit in Bagnore (40 MW); the first italian binary unit; the first hybrid project geothermal-biomasses.

632 785 791 843 916 1000 0 2000 4000 6000 0 400 800 1200 1995 2000 2005 2010 2015 2020 G Wh MW Year ITALY

Installed Capacity Produced Energy

(Bertani, 2015)

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世界の地熱地帯(ベスト12)

3rd The Geysers, 1° California, USA 1585 MW Cerro Prieto, 2° México 727 MW Larderello, 4° Italy 595 MW Salak 9° Indonesia 377 MW Salton Sea, 8° California, USA 388 MW Coso, 11° California, USA 292 MW Mak -Ban 6° Philippines 458 MW Darajat 12° Indonesia 260 MW Hellisheidi, 10° Iceland 303 MW Tongonan 3° Philippines 726 MW Wairakei 7° New Zealand 399 MW Olkaria, 5° Kenya 592 MW 1st 2nd 4th 5th (Bertani, 2015) 世界の大規模な地熱地帯は、アメリカから中米に至る西海岸、インドネシア、フィリピ ンに分布している。我が国は、それらに続く地熱地帯がありながら、生かし切れていな い

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おわりに

 世界の地熱発電は、全発電の増加に比例して伸びて来ている(総発電量の約 0.3%前後)。また、2020年の出力予測では、2015年に比べて169%になることが予 測される。  このような大幅な伸びに対して、“Be Exponential”との合い言葉が提唱された。  地熱発電の伸びは、特にケニヤやトルコで著しい。  世界第一位に発電設備容量を有する、米国は加速的な伸びは予想されていない が、EGS技術などによる発電容量の増大が見込まれている。  我が国では、500kW以下の小規模地熱発電設備は、FITの導入以降積極的に進 められてきたが、1000kWを超える設備は長らく建設されていなかった。  本年(2015年)6月末に、大分県九重町菅原地区に5000kWのバイナリー・サイク ル発電機による地熱発電所がJOGMECの支援を受けて建設され、運転を開始した。  今後、42,000kWの設備容量で2019年運転開始予定の山葵沢(仮称)地熱発電所 が建設され運転を開始するなど、2030年頃に設備容量が3以上となる努力が進 められている。

参照

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