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マップ等の表記の統一基準(素案)

平成 27 年度 広域観光周遊ルート形成促進事業

「せとうち・海の道」市場調査・戦略策定業務

2016/03/31

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0. 目次

0. 目次 ... 1 1. 本書の目的 ... 3 2. 前提 ... 3 (1) 本素案が対象とする範囲 ... 3 ① 地図の提供手段 ... 3 ② 地図の用途 ... 3 3. 既存のガイドラインと本書の位置づけ ... 4 (1) 概要 ... 4 (2) 既存のガイドライン概要 ... 4 ① 国土交通省,2005,「観光活性化標識ガイドライン」 ... 4 ② 観光庁,2014,「観光立国実現に向けた多言語対応の改善・強化のためのガイドライン」 . 4 ③ 国土地理院,2016, 「外国人にわかりやすい地図表現検討会報告書」 ... 4 ④ 東京都産業労働局,2015, 「国内外旅行者のためのわかりやすい案内サイン標準化指針」 5 (3) 本書の位置づけ ... 5 4. 瀬戸内エリアが目指す地図と情報提供の在り方 ... 6 (1) ターゲットと期待 ... 6 (2) 提供するもの ... 6 (3) 情報提供の在り方 ... 7 5. 瀬戸内エリアで統一的に取り扱うべき観点(①地図仕様) ... 8 (1) 概要 ... 8 ① 地図のテーマ設定 ... 8 ② 地図の仕様において定義すべき項目 ... 12 (2) 用途別の地図仕様 ... 12 ① 街歩き ... 12 ② 交通経路案内 ... 13 ③ 広域図 ... 13 (3) その他共通仕様 ... 18 ① 方位 ... 18 ② 縮尺(スケール) ... 18 ③ 全体図 ... 18 ④ 凡例 ... 18 ⑤ フォント、文字サイズ ... 19 ⑥ 記号・ピクトグラム ... 19 ⑦ 色 ... 22 (4) その他留意すべき点 ... 22 ① 情報鮮度 ... 22

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2 ② 著作権 ... 23 6. 瀬戸内エリアで統一的に取り扱うべき観点(②多言語翻訳) ... 24 (1) 対象言語 ... 24 (2) 表記ルール ... 24 ① 英語表記の方式 ... 24 ② 英語表記ルール ... 24 ③ 分かち書きについて ... 27 ④ 地形、種別用語の略称について ... 28 (3) その他言語への対応方針について ... 28 7. 補足:WEB サイトやスマホアプリ等のデジタルメディアにおける地図 ... 29 (1) WEB サイト/スマホアプリ等のデジタルメディア ... 29 ① 設置 ... 29 ② 地図API の選択 ... 29 8. 参考資料 ... 30

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1. 本書の目的

本書は広域観光周遊ルート形成促進事業「せとうち・海の道」市場調査・戦略策定業 務の一環として、マップ等の統一基準(素案)を記したものである。 マップ等の統一基準策定においては、「せとうち・海の道」がターゲットとする外国人 観光客を対象として、外国人観光客が求める価値と「せとうち・海の道」が訴求する 価値を明確にし、戦略と同期して伝えるべき情報や見せ方を瀬戸内エリア全体で統一 することが必要である。また、既に国土交通省、観光庁、国土地理院等から発表され ている地図表記等のガイドラインを整理し、踏襲すべき部分と瀬戸内エリア独自で整 備すべき内容を明確にすることも求められる。 本書は、今後、瀬戸内エリアが整備すべきマップ等の統一基準を作成するにあたり、 既存のガイドラインの整理および瀬戸内エリアで独自に整備すべきガイドラインの方 向性を素案として定義したものである。また、各自治体・観光協会等で地図を製作す るにあたり、考慮すべきポイント、著作権等の注意すべき点を整理したものである。

2. 前提

(1) 本素案が対象とする範囲

① 地図の提供手段

本書では、配布を目的とした「紙媒体の地図(一般的に一枚地図と呼ばれることが多 い)」と、駅前等に設置される案内標識等の「アナログ看板」を対象とする。

② 地図の用途

本書における「地図の用途」は「移動支援」を対象としたものに限定する。地図には 移動支援のみならず様々な用途がある。例えば、観光分野においては「誘客」、その他 分野においては都市計画・植生や動物の生息域の図化・お土産としてデザイン性を持 たせたもの等、用途は多岐に渡る。「外国人観光客に対する情報提供を瀬戸内エリアで 統一する」という本業務の観点から、本書においては地図の用途を「移動支援」に限 定し定義をおこなう。

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3. 既存のガイドラインと本書の位置づけ

(1) 概要

本章では既に国や自治体が公開している多言語対応に関する表記等の基準(以下、「既 存のガイドライン」という。)を整理し、本書の位置づけを明確に定義する。まず、次 節では既存のガイドラインの中で代表的なものを整理し、第 3 節ではそれらを勘案し た本書の位置づけを記載する。

(2) 既存のガイドライン概要

既存のガイドラインの代表的なものとしては以下に記載するものが存在する。

① 国土交通省,2005,「観光活性化標識ガイドライン」

対象:  指示標識:特定の地点に誘導するための情報  同定標識:観光施設の名称等の情報を提供  図解標識:地図を活用して現在地や周辺の施設等の情報を提供 主な内容:  案内標識の役割  基本方針、設置計画  表示方法(多言語表記ルール、ピクトグラム、縮尺、デザインルール)

② 観光庁,2014,「観光立国実現に向けた多言語対応の改善・強化のためのガイ

ドライン」

対象:  美術館・博物館、自然公園、観光地、道路、公共交通機関等における多言語対応 主な内容:  多言語表記ルール(英中韓)  対訳語一覧(禁止注意を促すタイプ、名称・案内・誘導・位置を示すタイプ)  ピクトグラム一覧(標準案内図用図記号ガイドラインより)

③ 国土地理院,2016, 「外国人にわかりやすい地図表現検討会報告書」

対象:  国土地理院が外国語版地図を作成する際の基本として適用  関係機関・地方公共団体・民間地図会社等にも広く周知し活用を促進 主な内容:

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5  地図に記載する地名および施設名の英語表記方法  外国人にわかりやすい地図記号について

④ 東京都産業労働局,2015, 「国内外旅行者のためのわかりやすい案内サイン標

準化指針」

対象:  歩行者編(案内地図、誘導サイン、位置サイン、規制サイン、説明サイン)  鉄道等編(案内地図、誘導サイン、位置サイン、規制サイン)  観光、宿泊、飲食店編(案内地図、誘導サイン、位置サイン、規制サイン、説明サ イン) 主な内容:  サイン設置方針(表現形式、多言語表記ルール、デザインルール、掲載内容、景観 への配慮、維持管理の注意点等)  東京都版対訳表

(3) 本書の位置づけ

上記のような取り組みやガイドラインの製作がおこなわれるなかで、瀬戸内エリアと してマップ等の統一基準を作成するにあたり、翻訳ルールについては国土地理院およ び観光庁のガイドラインに準拠し、その他ガイドラインは参考情報として利用する。 上記に加えて、既存ガイドラインでは不足する部分を明確にする。 図 1 既存ガイドラインと本書の関係

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4. 瀬戸内エリアが目指す地図と情報提供の在り方

(1) ターゲットと期待

広域観光周遊ルート「せとうち・海の道」における戦略策定業務において、以下に記 載する優先ターゲットを中心に誘客アプローチを検討していく。そこで、地図・情報 提供についても同期した施策が必要になる。 図 2 優先ターゲットの誘客に向けたアプローチ方法(サマリ) 中でも、地図提供により予定の変更や消費活動の促進をおこなうことができる個人手 配の旅行客(FIT)を中心に情報提供をおこなうことが求められる。

(2) 提供するもの

現在、特に欧米を中心とする観光客については、ゴールデンルートの通過点としての 神戸・広島がある程度確立している一方で、その他の拠点に対する引き込みが弱い状 況である。そこで、瀬戸内エリアで提供する地図には、「ターゲットの興味・属性に合 わせた魅力的な目的地」と「(これから力を入れていく必要がある)二次交通の情報」 を特にきちんと掲載することが必要である。 特に「海運(フェリー)」については、その地域特性から瀬戸内エリアの中心的な移動 手段として発信が必要であるとともに、海の美しさやクルーズ観光といった瀬戸内エ リアの魅力発信という観点からも重視して取り扱う必要がある。

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(3) 情報提供の在り方

上記のことから、瀬戸内エリアにおいて提供する地図については、各県・各市町村の 魅力的な施設や観光スポットが掲載されたものを制作し、さらに、神戸・広島といっ たすでに外国人観光客の通過点になっている地域において、瀬戸内エリアの地図や情 報を集約して発信することが必要になる。またその際には、提供する地図やツールに ついても瀬戸内エリアとしての共通のコンセプト(海の美しさ・自然を活用したアク ティビティ等)と表記ルールについて統一したものを作成する必要がある。

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5. 瀬戸内エリアで統一的に取り扱うべき観点(①地図仕様)

地図製作において重要なポイントになるのが、「情報の取捨選択」である。特に情報掲 載に限りがある紙媒体・看板においては、必要十分であることはもちろん、優先度の 低い情報が氾濫することで利用者がかえって迷うことがないよう留意した地図を提供 する必要がある。そこで、次節以降では瀬戸内エリアにおいて統一すべきポイントを、 サンプルを用いながら整理する。

(1) 概要

① 地図のテーマ設定

1. テーマ設定 地図に表記すべき情報は「テーマの設定」によって異なる。例えば「観光スポットの 案内」がテーマであれば、目的地となる観光スポットだけでなく、利用者の交通手段・ その途中で必要となる情報(飲食店やトイレ等)をイメージし、利用者の目線に立ち、 情報の取捨選択をすることが必要である。 2. 移動支援におけるテーマ 移動支援におけるテーマとしては、一般的に大きく分けて以下の 3 つに分類できる。

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9 (1) 街歩き 「特定の都市圏内や駅前を迷わず散策できること」を目的とした地図。紙媒体の地図 においては、縮尺 1/10,000 程度以上(以上とは縮尺分母を指す)とし、建物の形状等 をデフォルメせずに表現することで、迷わず目的地(観光スポットや関連施設)に案 内するもの。 図 3 サンプル地図(街歩き・仕上がり A3 サイズを想定)

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10 (2) 交通経路案内 「目的となるエリア間の移動をどのような手段で移動するべきか」を伝えるための地 図。鉄道・バス・フェリー航路等を種類別に表現することで、どのような交通手段を 用いれば目的となるエリアに行くことができるのか、を表現する。 図 4 サンプル地図(交通経路案内・仕上がり A3 サイズを想定)

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11 (3) 広域図 日本における瀬戸内エリアの位置関係や瀬戸内エリア全体における都市の位置関係を イメージできるようにすることを目的としたもの。都市名称や位置関係を特定するた めに必要となる空港・鉄道駅・港等を表記したもの。 図 5 サンプル地図(広域図・仕上がり A2 サイズを想定)

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② 地図の仕様において定義すべき項目

一般的に地図の仕様を定義するにあたり、「図取り」「背景図」「注記」「地図記号・ピ クトグラム」を決める必要がある。(図 6 参照)  「図取り」…現実世界のどの範囲を地図に表現するか  「背景図」…地図に記載する地形や道路等の表現方法  「注記」…地図上に表記する都道府県名や施設名称等の文字情報  「地図記号・ピクトグラム」…地図上の施設をマーク等の記号で表したもの 図 6 地図仕様において定義すべき内容

(2) 用途別の地図仕様

※本文ではポイントのみを記載する。詳細は章末の標準仕様一覧表を参照のこと

① 街歩き

1. 図取り 目的地となる観光スポット等をカバーしたエリアを設定する。地図の判読性を考慮し、 1/10,000 程度以上の縮尺になることが望ましい。一部の目的地のみが離れた場所にあ る場合は、カット図等を用いて表現することが望ましい。 2. 背景図 利用者が迷うことなく街歩きができるようにするため、建物の形状を表現する。また、 トンネルや地下街等も実際に通行すること考慮し表現する。

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13 3. 注記 町・丁目名や道路名称等を記載する。また、目的地となる景勝地・博物館・美術館・ 史跡・名勝等の名称を表記する。加えて、コース等を表記する際は、曲がり角の建物 名称や目印となる情報を記載しておくことが望ましい。日本人・外国人観光客双方が 理解できるよう、重要なものについては日本語を併記しておくことが望ましい。 4. 地図記号・ピクトグラム 景勝地・博物館・美術館・史跡・名勝等は、名称に加えてその場所がどのような種類 の場所であるかが伝わるようにピクトグラムを表記する。

② 交通経路案内

1. 図取り 目的地となるエリアや観光スポットをカバーした範囲を地図化する。 2. 背景図 都市間の移動に必要な情報を考慮し、鉄道・道路・フェリー航路等を表現する。鉄道 は新幹線・JR 在来線・私鉄等を、道路については、一般道・有料道路の種別を表現す る。また、都道府県・市町村の境界も表現する。瀬戸内エリアにおいてフェリーは重 要な移動手段である一方で、航路が複雑であるため地図の目的に沿って必要な航路を 取捨選択して掲載することが望ましい。 3. 注記 複数の都市に跨った範囲を表現する際は、県庁・市役所等を地図記号とともに掲載す る。また、景勝地・史跡建造物もどの都市に行けば見ることができるのか、を伝える ために記載する。その他、博物館・美術館・公園等については、重要度の高いものを 取捨選択して掲載する。 4. 地図記号・ピクトグラム 街歩きと同じく、景勝地・博物館・美術館・史跡・名勝等は、名称に加えてその場所 がどのような種類の場所であるかが伝わるようにピクトグラムを表記する。

③ 広域図

1. 図取り 瀬戸内エリア全体が入るように範囲を設定する。また、現在、瀬戸内エリアへの外国 人観光客の流入経路が福岡・大阪が多いことから、用途に応じて関西国際空港・福岡 空港・福岡港等を含めることも検討する。 2. 背景図 おおまかな位置関係を掴むことを目的とするため、都道府県境界を記載する。また、

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14 道路については、高速道路・国道レベルを記載するが都道府県道・市町村道について は表現しない。 3. 注記 都道府県名に加えて、半島名・岬名・海峡名を必要に応じて記載する。また、空港に ついては到着地の位置関係を掴むために必要な情報であるため記載する。それ以外の 情報については、重要なものを取捨選択し記載をおこなうことが望ましいが、情報量 が増えすぎることにより視認性・判読性を損なわないように注意する必要がある。 4. 地図記号・ピクトグラム 空港・港(旅客船乗り場)はピクトグラムを用いて注記を補足する。

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15 標準仕様一覧表

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(3) その他共通仕様

① 方位

基本的には北を上にする。また、北が上であることを明示するために地図には必ずコ ンパス(図 7)を記載する。ただし、駅前看板等は利用者が向いている方向を上にする 方が分かりやすい場合もある。その際も必ずコンパスを記載し、地図が北を向いてい ないことを明示する必要がある。 図 7 コンパスの例

② 縮尺(スケール)

地図上の距離感を感覚的に理解できるようにするために、必ずスケールバー(図 8)を 記載する。 図 8 スケールの例

③ 全体図

外国人観光客は日本の中で瀬戸内がどこか分からなかったり、瀬戸内エリアの中で各 県の位置関係が分からなかったりする可能性がある。日本における「瀬戸内エリア」 を明示したい場合は、全体図があることが望ましい。

④ 凡例

地図の判読性を高めるために地図には凡例(図 9)を記載する。日本人にとって馴染み のある表記方法であっても、前提となる知識が無い外国人観光客には区別がつかない 情報もあることに留意しておく必要がある。 図 9 凡例

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⑤ フォント、文字サイズ

案内看板の文字の大きさを定義する際には、設置される高さ等の要素によって左右さ れる部分が多くあり、一概に最大/最小ポイントは設定できない。しかし、視距離をも とに定義する場合は国土交通省が発表しているガイドライン(図 10)を参考にするこ とができる。 図 10 国土交通省,2013,公共交通機関の旅客施設に関する移動等円滑化整備ガイドライン旅客施設 編,P.90, http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/barrierfree/sosei_barrierfree_mn_000001.html より引 用

⑥ 記号・ピクトグラム

1. 基本方針 国土地理院「外国人にわかりやすい地図表現検討会報告書」(図 11)に準拠し、記号を 掲載する。なお、上記の検討委員会報告書は、一般からの意見集約をおこない、ブラ ッシュアップされたものが 2016 年度中に公開される予定である。

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20 図 11 国 土 地 理 院,2016, 「 外 国 人 に わ か り や す い 地 図 表 現 検 討 会 報 告 書 」,P.24-25, http://www.gsi.go.jp/kihonjohochousa/kihonjohochousa60014.html より引用 また、国土地理院の定義に存在しないものについては、公益財団法人 交通エコロジ ー・モビリティ財団が公開する「標準案内用図記号ガイド」(図 12)を利用する。 図 12 公益財団法人 交通エコロジー・モビリティ財団,2015, 「標準案内用図記号ガイドライン」, http://www.ecomo.or.jp/barrierfree/pictogram/picto_top.html より引用

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21 2. 瀬戸内エリア オリジナル 本書において以下の 4 つの施設について、オリジナルのピクトグラムとして定義をお こなう。今後、瀬戸内エリアの戦略や方向性を考慮して増やしていく必要がある。な お、瀬戸内エリアで重要な施設である「フェリー乗り場」については、前述の(公財) 交通エコロジー・モビリティ財団が提供するガイドラインのものが利用可能である。 (1) コンビニ 様々なシーンで利用が想定されるコンビニは、街歩き・交通経路案内の用途で掲載の 検討が必要な施設として定義をしている。ピクトグラムは、(公財)交通エコロジー・ モビリティ財団の提供するガイドライン内に存在するものの、地図記号サイズ(2mm 程度)に縮小した場合、判読性にやや難があるため調整をおこなった。(図 13) 図 13 ピクトグラム(コンビニ) (2) 図書館 外国人観光客が情報収集・文化学習を目的として図書館に訪れる可能性があり、既存 の国土地理院の地図記号(図 14)では地図上の視認性にやや難があることから、新聞・ 雑誌をモチーフにしたものを新規作成した。(図 15) 図 14 地図記号(図書館) 図 15 ピクトグラム(図書館) (3) 学校 学校については移動時の目印になる施設であるため、街歩き・交通経路案内の地図上 で掲載の検討が必要な施設として定義をしている。国土地理院が定義する「文」の漢 字をモチーフにした地図記号(図 16)は外国人観光客にイメージが伝わりづらいため、 角帽をイメージしたものを新規作成した。(図 17) 図 16 地図記号(学校) 図 17 ピクトグラム(学校)

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22 (4) 史跡・名勝・天然記念物 国土地理院が定義する地図記号(図 18)では判読性にやや難があるため、色調を反転 しピクトグラムとして調整をおこなった。(図 19) 図 18 地図記号 (史跡・名勝・天然記念物) 図 19 ピクトグラム (史跡・名勝・天然記念物)

⑦ 色

配色についてはユニバーサルデザインを考慮したものにすることが望ましい。しかし、 色弱(色覚異常)については様々な種類があるため、どこまでを対象とするのか、地 図を作成する時点で決めておく必要がある。瀬戸内エリアにおいては、「カラーユニバ ーサルデザイン推奨配色セット政策委員会」が定義する「カラーユニバーサルデザイ ン推奨配色セット ガイドブック」(図 20)に準拠し、基本となる色のパターンを定義 する。 図 20 カラーユニバーサルデザイン推奨配色セット制作委員会,2013, 「カラーユニバーサルデザイン推 奨配色セット ガイドブック」,P.5, http://jfly.iam.u-tokyo.ac.jp/colorset/ より引用

(4) その他留意すべき点

① 情報鮮度

地図製作においては提供する情報の鮮度が高いことが必要である。日々情報が古くな

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23 ることは避けられないが、以下の考えにもとづいて鮮度の高い情報を掲載する。  高速道路、鉄道等は地図発行時までに開通する路線等の情報を反映  地図発行後、開通する予定の路線については破線等で表現し、開通予定日を記載  市町村合併等は地図発行時までの情報を反映  その他、建設中の大型商業施設等は(建設中)といった表記で掲載

② 著作権

1. 地図の著作権 地図は著作物として保護されるため、著作権法の定めおよび権利者が契約書や使用規 定、約款等により定める条件に従い地図を利用する必要がある。例えば、地図をコピ ー・印刷・スキャニングやホームページ掲載等の複製等利用する場合や、地図の全部 または一部分を加工・改変等することにより利用する場合には、原則として地図の著 作権者の許諾を得る必要がある。従って、入札等により委託先に地図制作を委託する 場合には、委託仕様書等において、権利者より複製権等必要な権利の許諾を得ておく ことを義務付ける必要がある。 また、国土地理院が発行する地形図を利用する場合は、同院より測量成果の使用承認 を得るとともに、測量法の定めに従う必要がある。 2. 地図の著作権者の権利を侵害する恐れのある行為 地図の著作権者に無断で以下の行為をおこなった場合、著作権侵害や著作権者が定め る利用条件に違反する可能性が高い。したがって、上述のとおり、委託先に観光マッ プの作成を委託し、以下のような行為をおこなわせる場合には、著作権者より必要な 許諾を取得させておくべきである。  複製…紙媒体に印刷、トレース、スキャン、画面キャプチャ、PC への保存等  転記…地図に収録された情報の書き写し等  抽出…地図に収録された情報の抜き出し等  加工・改変…地図に収録された情報の変更・削除、地図の見た目のアレンジ等  翻訳・翻案…地図に収録された情報を異なる言語に翻訳すること、地図のフォーマ ットを異なるフォーマットに変換すること等  公衆送信(自動公衆送信)…テレビでの放送、ホームページ掲載等のインターネッ トでの配信等  頒布…街頭や公共施設等で配布すること等

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6. 瀬戸内エリアで統一的に取り扱うべき観点(②多言語翻訳)

(1) 対象言語

瀬戸内エリアに訪問する外国人観光客の現状ならびに今後の主要ターゲットを踏まえ、 下記言語による情報提供を基本とする。  必須:英語  推奨:簡体字、繁体字、韓国語、仏語、タイ語、イタリア語

(2) 表記ルール

多言語での表記方法に関するルールについては、「(2)既存のガイドライン概要」で述べ た通り、「観光立国実現に向けた多言語対応の改善・強化のためのガイドライン(観光 庁、2014)」と、「外国人にわかりやすい地図表現検討会報告書(国土地理院、2015)」 が存在する。前者が英語、中国語、韓国語での表記方法をカバーしているのに対して、 後者では英語での表記に特化しており、観光庁のガイドラインと整合性を保った上で、 単体・広域の自然地名に関する標準的な表記方法や、個別の地名における追加方式・ 置換方式のルールをより詳細に説明している。 本書では、瀬戸内エリアにおける多言語化対象として必須とした英語による表記ルー ルについて、国土地理院による報告書に基づき、下記にその内容を概説する。

① 英語表記の方式

地名や施設名の表音をローマ字で表記したものをベースに、以下の方法で地形や種別 を表す英語を含める(ローマ字表記の方法は別添のヘボン式によるものとする)。

② 英語表記ルール

自然地名(単体・広域)、居住地名、施設名それぞれの英語表記ルールを下記に示す。 本書では国土地理院による英語表記ルールから特徴的な内容を抜粋して記しており、 例⽰ メリット・デメリット 追加方式 ローマ字表記に地形や種別を表す英語 (Mt.やRiver など)を追加する方式 氷ノ山:Mt. Hyonosen 佐田岬:Cape Sadamisaki 瀬⼾内海:Setonaikai Sea メリット:日本人に通じる可能性が高まる デメリット:⽂字列が⻑くなり、視認性が悪くなる 置換方式 地形や種別を表す部分(yama、kawa な ど)を地形を表す英語(Mt.やRiver など) に置き換える方式 剣山:Mt. Tsurugi 吉野川:Yoshino River メリット:⽂字列が短くなり、視認性もよい デメリット:日本人に通じなくなる場合がある 表記方式

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25 実際の翻訳に当っては上記報告書ならびにその時点におけるその他ガイドラインの内 容を参考にすることを推奨する。また、特に施設名称については施設管理者が使用し ている名称が優先的に採用されるため、十分留意する必要がある。

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26 英語表記ルール①(単体の自然地名、広域の自然地名) 大分類 中分類 小分類 基本的な考え方 表記ルールならびに例⽰ 山、川、 湖、島、 岬、峠、海 岸など 英語表記の発音を聞いた日本人が元の日本語の地 名に容易に変換することができると認められる場合には 置換方式を取るが、そうでない場合には追加方式を取 ることとする。 ■表記ルール 山、岳:Mt.+⃝⃝ 川:⃝⃝+River 湖:Lake+⃝⃝ 岬:Cape+⃝⃝ 峠:⃝⃝+Pass 海岸、浜:⃝⃝+Beach ■例⽰ 氷ノ山:Mt. Hyonosen(追加方式) 吉野川:Yoshino River(置換方式) 島 「島名の英語表記の統一について」のとおり、追加方 式を原則 とするが、条約等で既に使用されている島名 の英語表記が存在する場合はそちらを優先させる。 ■表記ルール 島:⃝⃝+Island (条約等で使用されていない場合) ■例⽰ 淡路島:Awajishima Island(追加⽅式) 小豆島:Shodoshima Island(追加方式) 置換方式により表記することを原則とする。 ■表記ルール 山脈:Mountain Range 山地、高地:Mountains 高原:Highland 丘陵:Hills 台地:Plateau 盆地:Basin 平野、原野:Plain 湿地:Marsh 半島:Peninsula 湾:Bay 海峡:Strait 諸島、群島、列島:Islands 海(大洋は除く):Sea サンゴ礁:Coral Reef ■例⽰ 四国山地(しこくさんち):Shikoku Mountains 秋吉台(あきよしだい):Akiyoshidai Plateau (例外) 備讃瀬⼾:Bisanseto Strait(例外) 瀬⼾内海:Setonaikai Sea(例外) 単体の自 然地名 自然地名 広域の自然地名

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27 英語表記ルール②(居住地名、施設名称)

③ 分かち書きについて

 地名の解釈で区切る場合には、ハイフンを用いて区切る。  区切る場所は、下記の通りとする。 (1). 複合地名における地域名称等の後 (2). 接頭語(東・西・南・北、上・中・下、新・旧・元など相対的な関係を表す語) の後 (3). 地形を表す部分の前  誤解のない場合や、短い名前の場合には区切らなくてもよい ①「固有名詞的部分」及び②「⾏政区分を表す語 (=普通名詞的部分)」とした上で、②について右 記の英語表記に置換するものとする。 ■表記ルール 府県:Prefecture 郡名:County 市:City 区:Ward 町:Town 村:Village ■例⽰ 大阪府 Osaka Prefecture 広島県:Hiroshima Prefecture 岡山市:Okayama City 中区:Naka Ward 紙屋町二丁目1 番3 号:Kamiyacho 2-1-3 ①「固有名詞的部分」及び②「種別を表す語(=普 通名詞的部分)」とした上で、②が常に一定であるよ うな種類の施設名は置換方式、多種多様であるよう な種類の施設名は追加方式。(広く使用されている ものについては置換方式を採用) 【例外】施設管理者が使⽤している名称がある場合 は、そちらを優先的に採用 ■表記ルール 道路:⃝⃝+Ave.(追加⽅式) 橋:⃝⃝+Bridge(置換方式) トンネル:⃝⃝+Tunnel(置換方式) 区:Ward 町:Town 村:Village ■例⽰ 本通り:Hondori Ave.(追加方式) 錦帯橋 :Kintai Bridge(置換方式) 瀬⼾⼤橋:Seto-Ohashi Bridges(例外) 関門トンネル:Kanmon Tunnel(置換方式) 広島駅:Hiroshima Station(置換方式) 山口宇部空港:Yamaguchi-Ube Airport(置換方式) 広島港:Hiroshima Port (置換方式) 淡路島公園:Awajishima Park(置換⽅式) 厳島神社:Itsukushima Shrine(例外) 岡山城:Okayama Castle(置換方式) 香川大学:Kagawa University(置換方式) 居住地名 施設名

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28 (東山は Mt. Higashiyama)。

 (1)及び(2)の理由で区切った場合にはハイフンの後ろの最初の文字を大文字にする 例)安芸高田市:Aki-Takata City、東岡山駅:Higashi-Okayama Station

④ 地形、種別用語の略称について

地図の注記として使用する際は、注記の重なりを回避し地図を見やすくするため、地 形や行政単位、施設の種別を表す部分の英語表記に以下に定める略称を使用する。

(3) その他言語への対応方針について

本書で推奨言語とした、中国語(簡体字・繁体字)、韓国語に関する対応が必要な場合 は、観光庁による「観光立国実現に向けた多言語対応の改善・強化のためのガイドラ イン(2014)」を参考にするものとする。 また、仏語、タイ語、イタリア語への対応については、現時点では参考となるガイド ラインが存在しないため、英語表記における考え方をベースにした上での独自対応が 必要となる。 分類 英語略称例 備考 地形 海岸:Beach→B. 岬:Cape→C. 高原:Highland→Hld. 丘陵:Hills→Hls 島:Island→Is. 諸島・群島・列島:Islands→Iss 湖:Lake→L. 山:Mount→Mt. 山脈:Mountain Range→MtR. 山脈・高地:Mountains→Mts 峠:Pass→P. 半島Peninsula→Pen. 平野・原野:Plain→Pl. 台地:Plateau→Plat. 川:River→R.又はRiv.(縮尺に応じる) Bay、Sea、Strait は、そのような語が登場する 地図上の地点に十分な注記スペースがある と考えられるため、略称を定めていない。 ⾏政区分 都:Metropolis→Met. 道府県:Prefecture→Pref. 村:Village→Vil. City、Town は短いので略称を定めない。 またフォント、大きさ、色、記号等によって、都道 府県名⼜は市町村名であることが容易に読み取 れる場合、⾏政単位名を省略することも可能 施設種別 道路:Avenue/Street→Ave./St. 建物:Building→Bldg. 橋:Bridge→Brdg. 駅:Station→Sta. 大学:University→Univ. ー

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7. 補足:WEB サイトやスマホアプリ等のデジタルメディアにおけ

る地図

(1) WEB サイト/スマホアプリ等のデジタルメディア

① 設置

WEB サイトやスマートフォン向けアプリケーションの中で地図を表示するためには、 地図は画像ファイルとして掲載する方法と、地図 API(Application Programming Interface)をサイトに埋め込んで利用する方法がある、前者の場合は、一枚地図等を 作成するのと同様に地図画像を作成する必要がある。しかし、地図情報の更新という 観点から、自動的にアップデートされる後者を選ぶ方が望ましい。WEB サイトやアプ リケーション内に地図を埋め込み、スクロール可能な地図を掲載する場合は、現在、 国土地理院が公開する多言語マップが存在しない(2016 年 2 月末時点)ため、民間事 業者が提供する地図 API を利用する必要がある。

② 地図 API の選択

地図 API の選定あたり、以下の点に留意する必要がある。  領土問題等に配慮された地図であること  国道交通省等の翻訳方針に準拠した翻訳をおこなっているサービスであること  ターゲットとなる国のインターネット環境で利用できるサービスであること (例:中国本土からは Google Maps の閲覧には制限があり利用できない)

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8. 参考資料

 国土交通省,2005,「観光活性化標識ガイドライン」, http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/region/sogoseisaku_region_fr_000009.html  観光庁,2014,「観光立国実現に向けた多言語対応の改善・強化のためのガイドライン」, http://www.mlit.go.jp/kankocho/news03_000102.html  東京都産業労働局,2015, 「国内外旅行者のためのわかりやすい案内サイン標準化指針」, http://www.gotokyo.org/jp/administration/h26/201502191.html  国土地理院,2016, 「外国人にわかりやすい地図表現検討会報告書」, http://www.gsi.go.jp/kihonjohochousa/kihonjohochousa60014.html  国土交通省,2013, 「公共交通機関の旅客施設に関する移動等円滑化整備ガイドライン旅客施設編」, http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/barrierfree/sosei_barrierfree_mn_000001.html  カラーユニバーサルデザイン推奨配色セット制作委員会,2013, 「カラーユニバーサルデザイン推奨配色セット ガイドブック」, http://jfly.iam.u-tokyo.ac.jp/colorset/  公益財団法人 交通エコロジー・モビリティ財団,2015,「標準案内用図記号ガイドライン」, http://www.ecomo.or.jp/barrierfree/pictogram/picto_top.html

参照

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