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繰り返し載荷を受けるコンクリート充填円形鋼管柱の実験的研究

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愛知工業大学研究報告 第35号B,平成12年

65

繰り返し載請を受けるコンクリート充填開形鋼管柱の翼験的研究

Experimental Study on Concrete個五lledSteel

Tu

bular Columns under cyclic loading

森 下 益 臣 へ 青木徹彦土台, 鈴 木 森 品 付

Masuomi MORISHITA, Tetsuhiko AOKI and Moriaki SUZlJ.lU

The Great Hanshin Earthquake on 1995 caused several types of damage in steel tube structures. Many types of local buckling appeared in elevated steel bridge piers. In this pap邑r,prepare 7 types of cylindrical cross sectional specimens are prepared and 3 of them have diaphragms. Quasi-static cyclic loading tests assuming seismic load were conducted to investigate the elasto-plastic behavior.It is concluded that sei呂 田lC

resistance performances are strongly depended on the height of filled concret己 旦nd

diaphragms are requ日edto increase strength and duc討lity.

Key稿Vords: diaphragms, height of concrete, steel tube, cyclic loadin,gelasto崎plastic 1はじめに 銅製橋脚は、従来のコンクリート製橋脚に比べて、優 れた変形性能・軽量。工期の短縮・設計の自由度を有す ることから、設計・施工条件の厳しい都市内高速道路で 近年多く採用されている。しかし、 1995年1月17日に 発生した兵庫県南部地震は、これまでの耐震設計基準を はるかに上回る極大地震であったため、銅製橋脚にも局 部座屈、角溶接の割れに起因すると考えられる圧壊など、 少なからず被害を生じ、設計基準の再検討を余儀なくさ れた。平成8年12月改定の道路橋示方書・同解説1)(以 下、道示と略す)では耐震設計の見直しがされ、銅製橋 脚についてはコンクリートを充填する補強法も提案され た。これはコンクリートを橋脚基部に部分的に充填して、 基部の局部座屈の発生を抑制しようとするものである。 コンクリート充壌に関する実験は、矩形断面について は充填コンクリートがフランジあるいはウェフ、の内側へ の座屈を抑え耐荷力と変形能力が向上すること、充填コ ンクリートの上端部にダイアフラムを設置することによ り鋼とコンクリートの合成効果が高まるなどが明らかに されている2)-8)。これに対し円形断面については、提灯 型座屈のように外側へ変形を生じることが多く 9)-12)、充 填コンクリートの効果が矩形断面と同様に得られるとは 限らない。また、矩形断面と比べ円形断面の実験例は非 常に少ない13)11)。充填コンクリートの効果および橋脚の 弾塑性挙動は明確にされていない。文献 13)ではコンク りート充填率100%の実験が行われているが、充填率を 変化させた結果は示されていない。文献 14)では充填率 から最大耐荷カを推定するパラメータを提案している。 *愛知工業大学大学院建設システム工学専攻 州愛知工業大学 土木工学科(豊田市) 本研究ではコンクリート充填円形鋼管柱の準静的繰り 返し載荷実験を行い、コンクリートの充填高さおよびコ ンクリート上部に設置したダイアフラム(横リブ)が鋼 管の耐荷カと変形能に及ぼす影響を調べる。 2実験計画 2.1実験供試体概要 実験供誌体の寸法を図1、諸元を表 1に示す。供試{本 は鍋種STK490、外径D=318.5mm、板厚t=6.9mmの 電縫鋼管を使用し、ベースプレート、補強三角リブ、外 ダイアフラム(補強三角リブ上端部)を溶接により取り付 けた供試体を計7体製作した。なお、この供試体の径厚 比パラメータはRt=0.058とやや小さいが、この寸法を 選択した理由は、実験装置の能力と電縫鋼管の寸法制限 によるためである。 これらのうちの3体は、鋼管内側のコンクリート充填 高さ位置にダイアフラム(横リブ)を設置している。設置 方法は、ダイアフラム取り付け位置より下方10cmの位 置で鋼管を切断し、内側にダイアフラムを溶接した後に 再び鋼管を写真 1に示すように切断部分に補剛板(柱方 向に幅 5cm)を巻き立て、載荷方向面に縦補剛板(板厚 12mm)を3枚ずつ溶接してしている(図2,写真1参照)。 径厚比パラメータ Rtと細長比パラメータ入は次のよ うな式(1),(2)で定義される。

D

2

叫 一

E

R

(1)

λz

t

J

E

(2)

(2)

を鋼管外径(D=318.5mm)の1倍(ID,鋼管高さの18%)、 1.5倍(1.5D,27%)、2倍(2D,35%)と設定した。また、 充填コンクリート上端部に設置したダイアフラム(横リ ブ)の効果を調べるために、それぞれのコンクリート充 填高さ位置にダイアブラムを設けた供試体も製作し、計 7体について実験した。供試体概要を表2に示す。 愛知工業大学研究報告,第35号B,平成12年, Vol.35-B, Mar.2000 ここで、 UF:鋼材の公称降伏応力、

E:

鋼材のヤング率、

v

:ポアソン比、

D:

外径、 t:板厚、

h:

柱長さ、

r

:

断 面2次半径である。 66 2・2コンクリート充填高さ 本研究ではコンクロートの充填高さ(充填率)による 鋼管の耐荷カと変形能力の影響を調べるため、充填高さ ダイアフラム 補剛板溶接概要図 図2

Q

0 . 。 。 ∞ H 0 . 叩 目 。 同

Q

g

'

"

0 . 4 v 回 ON 補剛板溶接部 供試体名 コンクリート充填高さ COD-U 充填なし 無 CID-U 1D (18%) 無 CID-S 1D (18%) 有 C1.5D-U 1.5D (27%) 無 C1.5D-S 1.5D (27%) 有 C2D-U 2D (35%) 無 C2D-S 2D (35%) 有 供試体概要 写真1 表2 供試体諸元(公称値) 鋼種 STK490 柱長 h(mm) 1800 外径 D(mm) 318.5 板厚 t(mm) 6.9 径厚比パフメータRt 0.058 細長比パフメ}タλ 0.407 公称降伏応力U F

σ

l.IPa) 315.0 ヤング率 E(GPa) 205.8 ポアソン比 v 0.3 降伏軸カ PF(kN) 2126.5 軸カ P(kN) 425.3 軸力比 PlPy 0.2 水平降伏荷重 HF仕N) 90.2 │水平降伏変位

(mm) 10.2 表1

(3)

コンクリ}ト充填円形鋼管柱の耐震性能に関する基礎的研究 鉛 直 荷 重 図3 実験装置全体図 3‘実験方法 3・1載街装置 載荷装置および供試体の設置状況を図3に示す11)。供 試体頂部に300tf(2940kN)の長往試験機により、一定の 鉛直荷重(軸力)を負荷した状態を保ちつつ、{共試体頂部 に設置したスクリュージャッキにより水平荷重を載荷す る。装置全体は長柱試験機に対して、上下端ピン支持さ れている。柱頂部の水平力は、 トラスフレームを通して 供試体に伝達される。水平力が載荷されると供試体に傾 きが生じるが、本研究では供試体と下部ピン支持装置の 聞にリニアレールを設け、モーターにより供試体および フレーム全体をレーノレ上でスライドさせ、レールを水平 に、供試体基部を垂直に保つようにして実験を行った。 3冒2水平力載荷方法 水平力用スクリュージャッキはモーターにより駆動し た。 1本あたりの載荷能力は押しで約25tf(245kN)、引 きで約 12tf(118kN)である。ジャッキは2本並列にモー ターと連結され、制御はモーターのコントローラを手動 操作により行う。水平力載荷ノ号ターンを図 4に示す。繰 り返し載荷の振幅変位は供試体の水平降伏荷重Hpに対 する変位01'を基準とし、土oF、:t2oF、土301'、。 のように漸増させ、各変位での繰り返し回数を3回とす る。水平降伏荷重

E

トと水平降伏変位

0"

は、軸力の影響 を考慮せず、公称降伏応力(STK490: a 1'=315目OMPa)を 用い、次式(3)

(4)から求めた。 + 8 F -8 F -48 F -58 F 図4載荷パターン

Hr

=

i

h

5

p

-

-

E

E

:

3El

載荷ステップ (3) (4) ここで、 Mo:軸力の影響を考慮していない降伏モーメン ト、 1:断面2次モーメントである。 4実験結果および考察 4・1材料鼠験結果 鏑管の材料定数は、鋼管から切り出したJIS5号試験 片3枚でヲ│張試験を行い、充填コンクリートは、圧縮強 度 15MPa程度(配合設計時)の早強コンクリートでテス 67

(4)

68 愛知工業大学研究報告,第35号 B,平成 12年, Vo1.35-B, Mar.2000 表3 充填コンクリートの材料試験結果 供試体名 コンクリ ト強度。lfPa) 15固3 CID-U (8日養生) 17.2 CID-S (12日養生) 16.9 CL5D-U (26日養生) 18.5 C1.5D-S (144日養生) 16.0 C2D-U (32日養生) 18.3 C2D-S (146日養生) 表4 鋼材の材料試験結果 E y :降伏ひずみ(%) E,[.・ひずみ硬化係数(GPa) トピースを各3体作製し圧縮試験を行った。鋼材の降伏 応 力 は 加 工 後 の 材 料 の た め 明 瞭 な 降 伏 棚 が 見 ら れ ず 0.2%耐力とした。得られた材料定数の平均をを表 3,4に、 鋼材の応力一ひずみ関係を図5に示す。 4嗣2水平変位一水平荷重履歴曲線 各供試体の水平変位 水平荷重履歴曲線を図 6に示す。 同図(a)は比較のためにコンクリート無充填の結果を示 したもので、同図(b),(c),(d)はダイアフラム無しの結果で ある。供試体基部で測定された水平変位には、実験装置 下部(リニアレ~!レ)の回転が含まれるため、水平変位に 対する橋正を行った。また、水平荷重および水平変位は、 鋼管材の材料引張試験より得られた降伏点を用いて計算 し、充填コンクリートを考慮しない降伏水平荷重Hy、 降伏水平変位8yで無次元化している。 Hyは式(5)より 算定している。

H" =(σν-E)

y . ) '

A

'

h

ここで、 ay :材料降伏点, P:車自カ, A:断面積, z:断 面係数, h:供試体高さである。 これらの履歴曲線より以下のことが言える。 (1)コンクリートを充填することにより、 CID-U と C1.5D-Uでは最大水平荷重を越えた劣化域で耐荷 力が低下した後、再び耐荷力が上昇している。これは コンクリートの座屈変形抑制効果によるものと思わ れる(図 6(b),(c)参照)。 (2)コンクリートの充填高さを 2Dとした場合、劣化域で 充填コンクロートによる座屈変形抑制効果が見られ 600

γ

n u n u n u n u n U 円 U

5

4

3

(田内比一注)宍抽出

10 ひずみ(%) 図5 鋼材の応力一ひずみ関係 20 ず、鋼管のみの場合と同様な再上昇のない劣化勾配と なっている。(図6(a),(d)参照)。 (3)図 6(e)に示すlD充填aダイアフラム有りの供試体 (CID-S)は、 38y付近で、ダイアフラム設置のため に切断、溶接した補剛材巻き立て部に割れを生じたた め、途中で実験を中止した。したがって、本来の供試 体性能をと示していないため以降の考察ではデ)タに 含めない。 (4)ダイアフラムの無い供試体は最大荷重点以降、急速に 荷重が低下しているのに対し、ダイアブラムを設置し た供試体は、 3~48y で最大荷重に達した後、荷重低 下が極めて少なく、じん性のある優れた構造特性を示 した。両者の比較よりコンクロート充填の場合、ダイ アフラムがじん性向上に与える効果は大きいと言え る。 (5) 4・3包絡曲線 各供試体の水平変位一水平荷重履歴曲線の包絡曲線を 図7に示す。伺図(a),(b)の比較から以下のことが言える。 (1)最大水平荷重l士、いずれのコンクリートの充填高さに おいても充填無しの供試体(同図 (a))と比較して上昇 している。すなわち、ダイアフラムを設置しない供試 体では平均で13%の耐荷力増があったのに対して、ダ イアブラムがある場合は33%向上している。 (2)ダイアプラムのある供試体の方が最大水平荷重およ び変形能力が大きい。これは前述のようにダイアブラ ムの効果と言える。 (3)コンクリートの充填高さの違いによる包絡曲線の変 化は、ダイアフラムがある場合、1.5Dと 2Dの供試体 の両者に大きな差は見られないが、最大荷重以降では 1.5Dの方が荷重の低下が少ない。ダイアフラムが無 い場合、1Dと1.5Dの供試体に大きな差がないのに対 し、2Dの供試体では最大耐荷力が急に低下している。 4.4エネルギー吸収量 各供試{本の水平荷重水平変位履歴曲線の第1サイク ル自のエネルギー吸収量を図8に示す。コンクリートの

(5)

コンクリート充填円形鋼管柱の耐震性能に関する基礎的研究

6

9

Z 園2 回5 0 5

o/8y

(a) コンクリ」ト無充填 (COD-U) 2 -2 国5 5 8/ O y (b) 1D充填・ダイアプラム無し CCID-U) 0

8

/

3

i

y (e) 1D充填・ダイアプラム有り CC1D-S) 人 内 出 泊 同 ( ゆ 1.5D充填ーダイアブラム無し CC1.5D-U) 0 8/ O y (f) 1.5D充填・夕、イアプラム有り CC1.5D-S) (d) 2D充填aダイアフラム無し CC2D-U)

o

/

O

Y

(g) 2D充填aダイアフラム有り (C2D-S) 図6 水平荷重一水平変位履歴曲線

(6)

70 愛知工業大学研究報告,第

3

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図7 包絡曲線

20

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6

図B 履歴エネルギー吸収量

2

隆一自由国軍量 ...-0 四母-11"イアフラム有 -0-ダイアフラム無

1

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充填高さ

(

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D

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(a) 最大水平荷重 g r O A 斗 h 叩 ¥ 山

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1

2

充填高さ

(

X

D

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図9 最大水平荷重と塑性率 (b) 塑 性 率μ95

(7)

る。一般にコンクロート充填高さが高いほど、耐荷力お よびじん性が大きくなると考えられるが、実験によると、 じん性が低下する例も現われる。この理由として、中西 7)らは以下のように説明している。 図 10の本実験供試体の作用モーメントと抵抗モーメ ントを例にこれを示す。図中の横点線は各実験供試体の コンクリートの充填高さを示している。充填高さ 2Dの 場合、作用モーメントの増大に対し、柱基部で降伏が生 じた後、降伏領域が徐々に拡大し、やがて2D区間の合 成断面部で全塑性状態に至る (M必1z=1.2)。それに対し、 lD,1.5Dの場合、栓基部が降伏した後、 A点に至り、そ の後の作用モーメントの増大により図中AB区間の伸び 変形量の大きい鋼断面部が降伏する。そして柱基部で全 理性状態となる。すなわち、供試体が座屈を生じるまで に充填高さ 2Dが主として合成断面部でエネルギーを吸 収しているのに対し、1.5Dの供試体は鋼断面部でもエネ ノレギーを吸収している。その結果、 2Dの方が柱基部で 全塑性状態になるのが早く、耐荷力の急激な低下につな がったと考えられる。以上のことからコンクリートの充 填高さは、構造物の劣化域の挙動と密接に関わっている と思われる。 71 コンクリー卜充填円形鋼管柱の耐震性能に関する基礎的研究 充填高さによる違いはそれ程ない。ダイアフラムの有無 による違いは、同図(a)と(b)の比較から明らかなように、 4iiyあたりから両者に差が現れ、ダイアブラムを設置す ることにより最大荷重点以後も十分なエネルギー吸収量 が期待できると言える。 4.5最大水平荷重および塑性率 構造物の変形能を評価する指標の1つに塑性率がある。 本研究では最大荷重点を過ぎた後、最大荷重の 95%の点 での変位 ii95を用いた次式(6)で塑性率を定義する。 (6) ここで、 ii95:ピークを過ぎた最大荷重の 95%に対する 変位、 iiy :材料試験による降伏変位である。

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5

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4'6座屈発生位置および充填コンクリートの破壊状況 実験終了後の供試体の座屈形状および充填コンクリー トの破壊状況の一例(C2D-U,C2D-8)を写真 2に示す。 鋼管の座屈発生位置は、途中で実験を中止した

CID-Sを除いたすべての供試体で基部から約 10cmの位置に 提灯型座屈を生じた。実験終了時、 C1.5D-8は載荷方 向座屈位置に亀裂、 C2D-8は同位置に割れを生じた。 座屈発生状況は鋼管のみのCOD-U、およびコンクリー トのみの供試体 (-Uシリーズ)は 2iiy'ダイアフラム を設置した供試体 (-8シリーズ)は3iiyで座屈を生じ コンクリ}トの充填高さに対する最大水平荷重および 塑性率の関係を図9に示す。同図から以下の内容が考察 できる。 1)ダイアフラムの有無による比較 ダイアフラムを設置した供試体は、最大水平荷重、塑 性率とも、いずれの充填高さにおいてもダイアブラムを 設置しない供試体を大きく上回っている。 2)最大水平荷重日制, (図9(a)参照) 最大水平荷重は充填高さが高くなると、わずかずつ上 昇している。充填コンクリートが若干有効であると言え る。 3)塑性率μ田(図9(b)参照) 塑性率はダイアフラムの有無に関わらず、充填高さ 1.5Dより 2Dの方が小さくなっており、コンクリートの 充填高さが変形態力に対して与える影響は大きいと言え 作用モーメン卜

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(8)

7

2

愛知工業大学研究報告,第35号B,平成12年, Vo1.35-B, Mar,2000 (a) 2D充填固ダイアプラム無し (C2D-u) (b)2D充填・ダイアプラム有り (C2D-8) 写真 2 座原発生位置および充填コンクリートの破壊状況 3000 2000 ご主 )

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-1000 ~ 2000 と え ) 1000 ハ U 込 町 M

国10 0 10 ・10 0 10 O / O y (a) 2D充填・ダイアプラム無し (C2D-u) (b) 2D充填・夕、イアブラム有り (C2D-8) 図 11 コンクリートの水平変位ー鉛直ひずみ曲線 始め、座屈の進展とともに耐荷力が低下した。また、夕、、 イアフラムを設置した供試体 (-8シリーズ)は座屈の 進展が遅く耐荷力の低下も緩やかで、あった。 コンクリートの破壊状況は、写真2(a)に示すようにコ ンクリート上端部にダイアブラムを持たない供試体 (C2D-U)は、鋼管の座屈発生位置で曲げ引張りにより コンクリートが完全に切断されていた。その他について は目立った破壊が見られず、形状を維持していた。これ に対し、写真2(b)に示すダイアブラムを設置した供試体 は、軸方向圧縮力により載荷方向の鋼管接触面から内部 に向かつて破壊が進展していた。しかし、ひび割れ、切 断は見られないことから最後まで合成部材として機能し ていたと思われる。 4園7充填コンクリートのひずみ履歴 充填コンクロートに埋め込んだモールドゲージの水平 変位一鉛直ひずみ履歴曲線の一例 (C2D-U,C2D-8) を図 11に示す。充填高さが2Dの場合、ダイアプラムが 無いC2D-Uでは、とくに引張侭!Jにおいてひずみにばら つきがあり、全体のひずみは小さい。ダイアフラムを有 する C2D-Sは、圧縮倶JIに対して引張倶,Ijも同じようにひ ずみが生じていることからダイアフラムが合成効果を高 めていると言える。 4'8鍋管のひずみ分布 各供試体合成断面部の鋼管材の圧縮側と号

l

張側それぞ れのひずみ分布を図 12に示す。同図よりダイアブラム の無い供試体

(-U

シリーズ)では、座屈の生じる

60

p から圧縮・号

i

張側とも急激に圧縮ひずみが増大している ことから(同図 (a)~(f)参照)、座屈が急速に進展し、そ れ に 従 い 耐 荷 力 が 低 下 し て い る こ と が 分 か る ( 図 6(b), (c),(d)参照)。これに対し、ダイアブラムを設置した 供試体 (-8シリーズ)は、引張側のひずみが座屈発生 後も圧縮側に移行することがなく(同図(h), (j)参照)、圧 縮側も圧縮ひずみの増大が顕著でない。これは、ダイア フラムが軸圧縮力をコンクリートに分散させ、鋼管のひ ずみ増加を軽減し、その結果、供試体の変形性能が向上 したと考えられる。

(9)

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劃 C : 柱 p b 100 45000 55口口o

(10)

74 n u n u n u 口 口 0 0 0 0 5 5 5 -1 2 (三位恥。 愛知工業大学研究報告,第35号B,平成 12年, Vo1.35-B, Mar.2000 25000 C2D-S圧縮 一一帯一一1dF ...A...2dF 一一也←-3dF ーー・②・..4dF ー-4同一-5dF ...6dF ω--,Irーー7dF ー@匂.8dF 15000 5000 -35000 -45000 ー55000 0 200 400 600 柱基部からの距離 (mm) (i) C2D-S 圧縮 自00 25000 15000 5000

50

母ー15000 't

-。

-25000 ー35000 -45000 -55000 ..司⑧戸.8dF 200 400 600 800 柱基部からの距離 (mm) (j) C2D-S 号│張 図12 鋼管のひずみ分布(つづき) 4・9補側材による供試体の強度増の影響 2.1で前述したように、本研究で実験したダイアフラ ムを有する供試体 (-8シリーズ)は、一度鋼管を切断 して再び溶接し、補剛しているため(写真1参照)、この 部分の曲げ剛性の増大が考えられる。しかし、本研究で は補剛材の溶接を腐肉溶接としているため、写真 l に 示す補強効果はさほど大きくなく、CID-Sでは実験中 に最大荷重付近で割れを生じた。よって、今回の補強に よる強度増の影響は少ない。 5.まとめ 本研究では、コンクリート充填円形鋼管校の繰り返し 載荷実験を行い、コンクリートの充填高さとコンクリー ト上部に設置したダイアフラムが鋼管の耐荷カと変形 性能に及ぼす影響を調べた。実験によって得られた結論 を以下に示す。 1)充填したコンクリートは、鋼管柱の耐荷力を向上させ、 最大樹荷カは充填高さに従ってわずかずつ上昇する。 最大耐荷力はコンクリートを充填しない場合と比較 してダイアフラムの無いものでも平均で 13%、ダイ アフラムが有る場合には33%上昇した。 2)コンクリートの充填高さが2Dよりも1.5Dの方がや や良い性能を示した。これは、1.5Dが合成断薗部と 鋼断面部で効率良くエネルギーを吸収していたのに 対し、 2Dはエネルギーの吸収個所が柱基部の合成断 面部に集中したためと思われる。また、1Dの場合、 変形性能は高いが、鋼管部で座屈を発生する可能性が あり、コンクリートを柱基部にのみ充填する場合、充 填高さが橋脚の変形性能に与える影響は大きいと言 える。 3)ダイアフラムを設置した供試体は、ダイアフラムの無 い供試体と比較して最大荷重点に達した後、荷重低下 が極めて少なく、変形能力に優れた構造特性を示した。 これは、ダイアフラムがコンクリートに勅圧縮力を伝 達し、銅とコンクリートの合成効果を高めているから と考えられる。本実験結果では、コンクリート充填鋼 管の場合、ダイアフラムのじん性向上に対する効果は 充填率に関わらず著しく大きいと言える。 謝辞:本研究では、岐阜大学土木工学科の天谷公彦君、 本学土木工学科 4年生の、?工問康人君、岡村英明君を 始めとする多くの方々に協力していただいた。ここに記 し感謝の意を表します。 参考文献 1)日本道路協会:道路橋示方書図 V耐震設計編, 1996 年12月, 2)葛漢彬,宇佐美勉,寺田昌弘:コンクリートを充填し た銅製箱型短柱の圧縮カに関する実験的および理論 的研究,構造工学論文集, Vo1.38A, pp.1l9 -132, 1992年 3月. 3)宇佐美勉,葛漢彬,水谷慎吾:コンクリートを部分的 に充填した無補剛断面箱型鋼柱の繰り返し弾塑性挙 動,構造工学論文集, Vo1.39A, pp.249-262, 1993 年3月. 4)中井博,北田俊行,吉川紀,中西克佳,尾山達巳・ コンクリートを充填した長方形箱型断面柱の耐荷力 と変形性能に関する実験的研究,構造工学論文集, VoL39A, pp.1347-1360, 1993年3月 5)葛漢彬,宇佐美勉,戸谷和彦:繰り返し荷重を受ける コンクリート充填鋼管柱の強度と変形能に関する研 究,構造工学論文集, Vo1.40A, pp.163-176, 1994 年3月 6)北田俊行,中井 博,中西克佳・銅製箱型断面を有す る橋橋脚の耐震性向上法に関する実験的研究,土木学 会論文集, No.591/1-43, pp.219-232, 1998年4 月.

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コンクリート充填円形鋼管柱の耐震性能に関する基礎的研究 75 7)中西克佳:銅製・合成橋脚柱の耐震性に関する実験的 研究,大阪市立大学学位論文, 1998年4月. 8)前野裕文,宇佐美勉,葛漢彬,岡本隆,水谷慎吾,魚 井啓次:コンクリート部分充填銅製八角形断面橋脚の 強度と変形能に関する実験的研究,構造工学論文集, Vol.44A, pp.189-199, 1998年3月. 9)水谷慎吾,宇佐美勉,青木徹彦,伊藤義人,岡本降: パイプ断面鋼圧縮部材の繰り返し弾塑性挙動に関す る実験的研究,構造工学論文集, Vo1.42A, pp.105-114, 1996年 3月. 10)井浦雅司,熊谷洋司,小牧理:横カと一定軸カを受 ける円筒シェルの終局状態に関する研究,土木学会論 文集, No.556/1-38, pp.107-108, 1997年1月. 11)安波博道,寺田昌弘,青木徹彦,山田将樹:高張力 鋼(SM570Q)鋼管柱の繰り返し弾塑性挙動に関する 実験的研究,土木学会論文集,No.591/1 -43, pp.233 -242

1998年 4月. 12)井浦雅司,熊谷洋笥,小牧理:繰り返し横カを受け る円形銅製橋脚の強度と変形能に関する研究,土木学 会論文集, No.598/1-44, pp.125-135, 1998年 7 月. 13)村田清満,安原真人,渡漫忠朋,木下雅敬:コンク リート充填円形鋼管柱の耐荷カと変形性能の評価,構 造工学論文集, Vo1.44A, pp.1555-1564, 1998年 3 月. 14)折野明宏,井浦雅司:部分的にコンクリートを充填 した円形銅製橋脚の挙動,第3回鋼構造物の非線形数 値解析と耐震設計への応用に関する論文集, pp.83-88

2000年l月.

(受理平成

12年

3

月18

日)

図 6 水平荷重一水平変位履歴曲線

参照

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