月例経済報告等に関する関係閣僚会議資料
平成30年4月16日
内閣府
<現状>
景気は、緩やかに回復している。
<日本経済の基調判断>
<先行き>
先行きについては、雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種
政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待される。た
だし、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響に留意す
る必要がある。
<政策の基本的態度>
政府は、東日本大震災からの復興・創生及び平成28年(2016年)熊本地震からの復旧・復
興に向けて取り組むとともに、デフレからの脱却を確実なものとし、経済再生と財政健全化
の双方を同時に実現していく。このため、「経済財政運営と改革の基本方針2017」、「未来
投資戦略2017」、「規制改革実施計画」、「まち・ひと・しごと創生基本方針2017」及び
「ニッポン一億総活躍プラン」を着実に実行する。さらに、人づくり革命と生産性革命を車
の両輪として少子高齢化という最大の壁に立ち向かうため、昨年12月に閣議決定した「新し
い経済政策パッケージ」を着実に実行する。働き方改革については、今国会において関連法
案の成立を図る。また、平成29年度補正予算及び平成30年度予算を迅速かつ着実に実施す
る。
好調な企業収益を、投資の増加や賃上げ・雇用環境の更なる改善等につなげ、地域や中
小・小規模事業者も含めた経済の好循環の更なる拡大を実現する。
日本銀行には、経済・物価情勢を踏まえつつ、2%の物価安定目標を実現することを期待する。
-40 -30 -20 -10 0 10 20 2012 13 14 15 16 17 18 (%ポイント)
非製造業
製造業 全産業 -60 -50 -40 -30 -20 -10 0 10 20 30 2005 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 (%ポイント) (年) 製造業 非製造業全産業
(備考)1.日本銀行「全国企業短期経済観測調査」により作成。全規模ベース。直近は2018年3月調査。DI(各種判断項目を回答した企業の割合の差分)をプロット。 2.景況感は業況判断DI(「良い」-「悪い」)、価格に対する見方は仕入・販売価格判断DI(「上昇」-「下落」)、人員の過不足感は雇用人員判断DI(「過剰」-「不足」)。 3.業種別の景況感は、業況判断DI(全規模・全産業)の前回調査からの変化幅に対する寄与度(上位・下位それぞれ4業種を掲載。電気・ガスを除くベース)。○景況感の推移
今月のポイント(1)-景況感は改善、原材料価格や人手不足感の動向に留意-
3月の日銀短観でも、景況感の改善が確認されている。
製造業では、生産用機械や自動車等が堅調なものの、素材業種等では原材料価格の上昇を受け
て景況感がやや低下している。
非製造業については、景況感は良好な水準を維持しているものの、人手不足感の高まりには留
意する必要がある。
○製造業の景況感と価格に対する見方
○非製造業の景況感と人員の過不足感
(年) -50 -30 -10 10 30 50 2012 13 14 15 16 17 18 (%ポイント)仕入価格
販売価格 (年)景況感(業種別寄与度)
価格に対する見方
景況感(業種別寄与度)
人員の過不足感
「良い」超 「悪い」超 「上昇」超 「下落」超 「過剰」超 「不足」超 -0.3 -0.2 -0.1 0.0 0.1 0.2 (%ポイント) -0.3 -0.2 -0.1 0.0 0.1 0.2 (%ポイント)7
9
19
17
12
15
18
11
20
-5 0 5 10 15 20 25 北海道 東北 関東 甲信越 東海 北陸 近畿 中国 四国 九州・ 沖縄 「良い」超 「悪い」超 (「良い」-「悪い」、%ポイント)今月のポイント(2)-各地域の景況感は堅調に推移-
地域別の景況感を日銀短観でみると、すべての地域で「良い」が「悪い」を上回っている。
こうした中、各地域のインバウンド需要をみると、外国人宿泊数は、過去5年でそれぞれ大き
く増加しており、全国計では3倍となっている。
また、商業地の地価をみると、3大都市圏のみならず、地方圏でも26年ぶりに前年比プラスに
転じた。
○外国人延べ宿泊数の変化(2012年→2017年)
○商業地の地価変動率(前年比)
○各地域の景況感(2018年3月)
3.0
3.7 3.7
2.8
2.3
4.1
2.9
3.5 3.3
2.8
4.3
3.4
5.9
1 2 3 4 5 6 7 全国計 北海道 東北 北関東 南関東 甲信越 東海 北陸 近畿 中国 四国 九州 沖縄(倍)
(備考)1.日本銀行「企業短期経済観測調査」、観光庁「宿泊旅行統計調査」、国土交通省「地価公示」により作成。 2.左図について、景況感を表すDIは「良い」と回答した企業数の割合から「悪い」と回答した企業数の割合を引いた値。 3.右上図について、外国人延べ宿泊数の2017年は速報値。 4.右下図について、3大都市圏とは、東京圏、大阪圏、名古屋圏。地方圏は、それ以外の地域。 +1.9% +3.9%+0.5%
-30 -20 -10 0 10 20 30 1990 92 94 96 98 2000 02 04 06 08 10 12 14 16 18 (%) (年) 3大都市圏地方圏
全国1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13
個人消費は持ち直している
100 102 104 106 108 110 112 1 4 7 10 1 4 7 10 1 4 7 10 1 4 7 10 1 4 7 10 2 2013 14 15 16 17 18 (2011年=100) 3MA(3か月移動平均) 3MA 12月 ▲1.0% +0.1% 1月 ▲0.2% +0.1% 2月 +0.5% ▲0.2% 消費総合指数 前月比 (備考)消費総合指数は内閣府試算値(季節調整値)。 (月) (年)○インターネットを利用した消費
(備考)1.総務省「家計消費状況調査」により作成。 2.総世帯の値。2015年から調査内容の変更が行われている。○消費総合指数(実質)
○総雇用者所得(実質)
+1.9% -3 -2 -1 0 1 2 3 4 5 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ 1 2 2015 16 17 18 (前年比寄与度、%) 物価要因 雇用者数 要因 名目賃金 要因 (期、月) (年) 実質総雇用者所得 (備考)内閣府「国民経済計算」、総務省「労働力調査」、「消費者物価指数」、厚生労働省「毎月勤労統計」等により作成。 9,307円/月 0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000 8,000 9,000 10,000 2012 13 14 15 16 17 (円)品目別の内訳(2017年平均)
(年)一世帯当たりの消費額(月平均)
サービス (32.2%) 財 (46.0%) 食料品・飲料 12.1% 衣料品 10.5% 家電 6.9% その他財(書籍・医 薬品・化粧品等) 16.5% 宿泊料、運賃、 パック旅行費 21.6% 保険 3.8% チケット 4.2% デジタル コンテンツ等 2.5% その他 21.9%0 1 2 3 4 5 6 2010 11 12 13 14 15 16 17 (万戸) 新築マンション 販売総戸数 (年) 中古マンション 成約件数 15 20 25 30 35 40 45 50 0 20 40 60 80 100 120 1 4 7 10 1 4 7 10 1 4 7 10 1 4 7 10 1 4 7 10 2 2013 14 15 16 17 18 (年率:万戸) (月) (年) 持家(目盛右) 貸家(目盛右) 分譲(目盛右) 総戸数 利用関係別 2月 前月比(3MA) 総戸数 ▲ 1.3% 持家 ▲ 0.6% 貸家 ▲ 0.9% 分譲 ▲ 5.6% (年率:万戸) 1.2 1.4 1.6 1.8 2.0 1 4 7 10 1 4 7 10 1 4 7 10 1 4 7 10 1 4 7 10 1 4 7 10 1 4 7 10 1 2011 12 13 14 15 16 17 18 (兆円) 前月比 11月 12月 1月 (3MA) ▲ 0.4% ▲ 0.0% + 0.2%
○住宅着工戸数
○公共工事出来高
住宅建設は弱含んでいる
(備考)国土交通省「住宅着工統計」により作成。季節調整値。3か月移動平均。 (月) (年)○中古・新築マンション販売(首都圏)
(備考)1.公益財団法人東日本不動産流通機構公表資料、株式会社不動産経済研究所資料により作成。 2.首都圏とは、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県を指す。 3.新築マンション販売総戸数には、投資用物件や非分譲住戸を含まない。 (備考)1.国土交通省「建設総合統計」により作成。3か月移動平均。 2. 参考数値を用いて内閣府で季節調整。 (備考)1.日本銀行「全国企業短期経済観測調査」により作成。 2.全規模・全産業ベース。設備投資額は、ソフトウェア・研究開発を含む、土地投資額を含まない。○設備投資計画(日銀短観)
設備投資は緩やかに増加している
公共投資は底堅く推移している
+1.5% +4.2% +2.0% 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 2017年度 (年度初計画) 2017年度 (実績見込み) 2018年度 (年度初計画) (前年度比、%) (上方修正)75 80 85 90 95 100 105 110 115 120 125 130 50 60 70 80 90 100 110 1 4 7 10 1 4 7 10 1 4 7 10 1 4 7 10 1 4 7 10 2 2013 14 15 16 17 18 (2010年=100) アジア (目盛右) アメリカ (目盛右) EU(目盛右) 全体 (2010年=100) (月) (年) 80 90 100 110 120 130 140 60 70 80 90 100 110 1 4 7 10 1 4 7 10 1 4 7 10 1 4 7 10 2 4 2014 15 16 17 18 電子部品・デバイス (目盛右) はん用・生産用・業務用機械 (目盛右) (2010年=100) 輸送機械 (目盛右) 予測調査 (2010年=100) 鉱工業生産全体 【2月(3MA):前月比▲0.0%】
生産は緩やかに増加している
○業種別の鉱工業生産
(備考)1.経済産業省「鉱工業指数」により作成。季節調整値。3か月移動平均値。 2.3~4月の数値は製造工業生産予測調査の値(経済産業省作成)。 3.グラフに掲載している各業種の鉱工業生産全体に占める付加価値ウエイトは以下のとおり。 輸送機械:19.1%、はん用・生産用・業務用機械:12.7%、電子部品・デバイス:8.2%。 (月) (年)輸出は持ち直している
前月比 (3MA) 全体 アジア アメリカ EU 2月 ▲0.5% ▲2.3% +0.5% +0.7% (備考)財務省「貿易統計」により作成。内閣府による季節調整値。3か月移動平均値。○地域別の輸出数量
1.58 1.07 2.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 4.5 0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6 1 4 7 10 1 4 7 10 1 4 7 10 1 4 7 10 1 4 7 10 2 2013 14 15 16 17 18 (1974年1月以来約44年ぶりの高水準) 有効求人倍率 完全失業率(目盛右) 正社員の有効求人倍率 (1993年8月以来約25年ぶりの低水準) (%)
○完全失業率と有効求人倍率
(倍) (備考)総務省「労働力調査」、厚生労働省「職業安定業務統計」により作成。季節調整値。 (月) (年)○2017年の年末賞与の支給状況(事業所規模別)
(備考)1.厚生労働省「毎月勤労統計調査」により作成。 2.2017年11月~2018年1月の「特別に支払われた給与」のうち、賞与として支給された給与を集計したもの。○消費者物価指数
98.5 99.0 99.5 100.0 100.5 101.0 101.5 102.0 4 7 10 1 4 7 10 1 4 7 10 1 4 7 10 2 2014 15 16 17 18 (2015年=100) 生鮮食品を除く総合 2月 0.1% 生鮮食品及びエネルギーを除く総合 2月 0.1% 総合 2月 0.1% (月) (年) ※数値は前月比 -1.0 -0.5 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 4 7 10 1 4 7 10 1 4 7 10 1 4 7 10 2 2014 15 16 17 18 (前年比、%) 生鮮食品を除く総合 2月 1.0% 生鮮食品及びエネルギーを除く総合 2月 0.5% 総合 2月 1.5% (月) (年)○消費者物価上昇率(前年比)
(備考)1.総務省「消費者物価指数」により作成。連鎖基準方式。 2.上図は、季節調整値。 3.下図は、内閣府で消費税率引上げの影響を除いたもの。消費者物価はこのところ緩やかに上昇
雇用情勢は着実に改善している
+2.8% +4.2% +4.1% +0.9% +1.5% 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 合計 5~29人 30~99人 100~499人 500人以上 (前年比、%)1.8 2.0 2.2 2.4 2.6 2.8 3.0 2015 16 17 18 (前年比、%) 18年3月 2.7% (月) (年) (備考)1.アメリカ労働省より作成。 2.賃金の伸びは全雇用者の時間当たり賃金の前年比。 3か月移動平均 18年3月 2.7%
【実質GDP成長率見通し】
17年
(実績)
18年
19年
今回 18年3月
2.7%
2.4%
(前回 17年12月)
(2.5%)
(2.1%)
今回 18年3月
2.9%
2.8%
(前回 17年11月)
(2.5%)
(2.1%)
2.3%
FOMC
OECD
(備考)1.FRB、OECDより作成。 2.FOMCの値は、参加者による見通しの中央値(10-12月期の前年同期比)。 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 4.5 2008 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 (%) (月) (年) 政策金利 3月21日 引上げ 1.25~1.50%→1.50~1.75% (備考)1.FRBより作成。 2.18年及び19年の利上げ回数見込みは、3月会合におけるFOMC参加者による各年末の政策金利見通しの中央値 から毎回の利上げ幅を0.25%と仮定して試算した値。アメリカ経済:景気は着実に回復が続いている
○実質GDP成長率
(※)
-4 -2 0 2 4 6 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ 2015 16 17 (※前期比年率、%) (期) (年) 在庫投資 設備投資 個人消費 住宅投資 純輸出 政府支出 (備考)アメリカ商務省より作成。17年10-12月期 2.9%※
○経済見通し:各種機関において18年、19年を上方改定
○FOMC:3月に0.25%の利上げを決定
○時間当たり賃金の伸び:やや高まっている
17年 (実績) 18年 (見込み) 19年 (見込み) 利上げ回数 3回 3回 3回○鉱工業生産:ハイテク産業の伸びが高い
○実質GDP成長率:投資主導から消費主導の経済へ
中国経済:景気は持ち直しの動きが続いている
(備考)中国国家統計局より作成。○輸出:ハイテク製品等をアメリカ、EUに輸出
アメリカ 19% EU 17% ASEAN 12% 香港 12% 日本 6% 韓国 5% その他 29% EU 13% ASEAN 13% 韓国 10% 日本 9% 台湾 9% アメリカ 8% その他 38% (備考)中国海関総署より作成。 -5 -3 -1 1 3 5 7 9 11 13 15 200001 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ 17 最終消費 資本形成 純輸出 実質GDP成長率 10-12月期 6.8% (期) (年) (前年同期比、%) (四半期系列) (備考)中国国家統計局より作成。○輸入:近隣アジア地域から部品等を輸入
輸出(2017年):2.3兆ドル
輸入(2017年):1.8兆ドル
80 100 120 140 160 180 200 220 240 2010 11 12 13 14 15 16 17 (年) (2010年=100) 鉄 金 属 加工 ( 鉄 鋼 等) コ ン ピ ュー タ ・通 信 等 電 気 機 械 輸出品目 電気機器等 (携帯電話等) 26.3% 機械類等 (コンピュータ等) 16.8% 繊維製品 11.3% 卑金属・同製品 (鉄鋼、アルミ等) 7.3% 家具、玩具等 7.1% 輸入品目 電気機器等 (集積回路等) 24.8% 鉱物性燃料等 (石油等) 20.5% 機械類等 (産業機械等) 9.2% 化学製品 (医薬品等) 7.2% 車両、航空機等 5.9%95 100 105 110 115 120 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ 2015 16 17 (2015年=100) ユーロ圏 英国 (期) (年) (備考)1.ユーロスタット、英国統計局より作成。 2.設備投資は、ユーロ圏は公共部門を含む機械設備投資、英国は民間の設備投資(住宅は含まない)。