特産果樹生産情報第2号 平成25年5月2日発表 (5月3日~6月4日) 青森県「攻めの農林水産業」推進本部 結実確保に向け人工授粉を積極的に行う! 樹の生育にあわせて適期の作業を!! 低温が続いているので霜害防止対策を万全に!!! Ⅰ 要 約 ○4月の気温が平年より低く推移したため、特産果樹の発芽日は、平年に比べて五戸 で1~3日程度、黒石で7~8日程度遅れている。 ○各樹種が開花期を迎えるので、人工授粉などを積極的に行い結実確保に努める。 ○ぶどうのべと病、おうとうの灰星病などの病害虫防除や各種管理作業は、樹の生育 にあわせて適期に行う。 ○低温が続き、霜害を受けやすい時期を迎えているので、気象情報に十分注意し、霜 害防止対策に万全を期す。
Ⅱ 生産情報 1 生育概況 4月の気温が平年より低く推移したため、各樹種の生育は平年より遅れている。 五戸(りんご研究所県南果樹部)では、発芽日が平年に比べておうとうの「佐 藤錦」で2日、西洋なしの「ラ・フランス」で2日、「ゼネラル・レクラーク」 で3日、日本なしの「幸水」で2日、ももの「あかつき」で1日それぞれ遅かっ た。 黒石(りんご研究所)では、発芽日が平年に比べておうとうの「佐藤錦」で8 日、ももの「川中島白桃」で7日それぞれ遅かった。 生育ステージ (5月2日現在、りんご研究所県南果樹部) 樹 種 西洋なし 日本なし おうとう もも うめ 年 ゼネラル 品 種 ラ・フランス ・レクラーク 幸水 佐藤錦 南陽 あかつき 豊後 本年 4.14 4.16 4.15 4.26 4.17 3.27 発芽日 平年 4.12 4.13 4.13 4.24 4.26 4.16 3.21 前年 4.24 4.24 4.24 4.27 4.29 4.25 3.30 本年 展葉日 平年 5. 1 5. 1 5. 3 5. 4 5. 5 5. 8 4.27 前年 5. 2 5. 2 5. 4 5. 2 5. 5 5. 8 5. 3 本年 開花日 平年 5. 7 5. 6 5. 7 5. 2 5. 5 5. 4 4.23 前年 5. 8 5. 8 5. 8 5. 2 5. 4 5. 6 4.29 本年 満開日 平年 5. 9 5. 8 5. 9 5. 5 5. 7 5. 7 4.26 前年 5. 9 5. 9 5. 9 5. 4 5. 6 5. 8 4.30 本年 落花日 平年 5.14 5.15 5.17 5.15 5.17 5.15 5. 2 前年 5.16 5.17 5.20 5.14 5.16 5.16 5. 3
生育ステージ (5月2日現在、りんご研究所) 樹 種 おうとう も も 年 品 種 佐藤錦 川中島白桃 本 年 5. 1 4.30 発芽日 平 年 (4.23) (4.23) 前 年 4.27 4.27 本 年 展葉日 平 年 (5. 5) (5.10) 前 年 5. 4 5.11 本 年 開花日 平 年 (5. 2) (5. 5) 前 年 5. 2 5. 5 本 年 満開日 平 年 (5. 4) (5. 8) 前 年 5. 3 5. 8 本 年 落花日 平 年 (5.15) (5.17) 前 年 5.14 5.17 注) ( )内はおうとうが過去13年間の平均値、ももが過去10年間の平均値 露地ぶどうの生育ステージ (5月2日現在、りんご研究所) キャンベル・ 品 種 年 スチューベン アーリー 地 域 五戸 五戸 黒石 本 年 発 芽 日 平 年 4.30 4.30 (4.29) 前 年 5. 1 5. 2 5. 1 本 年 展 葉 日 平 年 5.13 5.13 (5.10) 前 年 5.16 5.15 5.10 注) ( )内は過去13年間の平均値
キャンベル・アーリー(無加温ハウス)の生育ステージ (5月2日現在、りんご研究所県南果樹部、県生観ほ) 品 種 キャンベル・アーリー 年 地 域 五 戸 三 戸 本 年 3.22 3.15 被覆月日 平 年 (3.22) (3.14) 前 年 3.22 3.18 本 年 4.22 4. 6 発 芽 日 平 年 (4.17) 4. 6 前 年 4.24 4.14 本 年 4.14 展 葉 日 平 年 (4.29) 4.14 前 年 5. 2 4.21 本 年 開 花 日 平 年 (5.28) 5.12 前 年 6. 4 5.20 本 年 満 開 日 平 年 (5.30) 5.15 前 年 6. 6 5.22 本 年 落 花 日 平 年 (6. 5) 5.19 前 年 6.11 5.25 注)キャンベル・アーリーの五戸の( )内は過去8年間の平均値、 三戸の( )内は過去11年間の平均値
2 霜害防止対策 仙台管区気象台の発表によると、気温の低い状態は、今後5月7日ころまで持続 することが予想されている。 おうとう、もも、西洋なし、ぶどう(無加温ハウス)、うめなど各樹種が開花期を 迎えるので、気象情報に十分注意し、危険と考えられる場合は対策を必ず行う。 一般に降霜は晴天無風で、午後7時の気温が6℃以下の日の翌朝に発生する危険 性が高い。 (1)防霜ファンによる防止 温度検知器は、地上1.5mに設置し、防霜ファンの始動温度を2℃に設定する。 寒気を伴ったときや著しく低温になったときは、防止効果が小さいので燃焼法を 併用する。 (2)燃焼法による防止 燃焼資材はあらかじめ園地内に配置しておく。 ①霜カット(おがくず:灯油の容量比=2:1) 霜カット2kgを缶又は袋に入れ、10a当たり40~60個配置する。 ②A重油 4ℓ缶を利用する場合、10a当たり30缶以上を配置する。 なお、燃焼法を実施する際は、「火災と紛らわしい煙又は火災を発する恐れ がある行為の届出書」などを所轄の消防署に提出する必要がある。 (3)ハウスぶどうでは、ハウス内に石油ストーブ等を準備する。 3 野ネズミ被害樹の処置 樹幹を食害された場合、程度に応じて塗布剤を塗布するか、植え替える。ただし、 地際付近の樹皮を一周食害された場合は盛土を行い、カルス形成を促すとともに、 可能なものは寄せ接ぎをする。
4 作業の重点 (1)ぶどう ア 露地 (ア) 摘芽、摘梢 ぶどうは、1節から新梢が数本伸びるので、養分の競合を防ぐため、摘芽、摘 梢はできるだけ早めに行う。樹勢が強い場合や降霜の恐れがあるところでは、軽 く行い、結実が確保された後や霜の心配がなくなってから、花穂の発育のよい中 庸な新梢を残して必要な結果枝数を確保する。 結果枝の目標本数は、列間2.5mの場合、キャンベル・アーリー、スチューベ ンとも主枝1m当たり8~10本とする。 ○サニールージュの摘芽・摘梢 「展葉10枚時」に、長さ61~80㎝の新梢割合の高い樹では果実の良品率が高い。 強勢樹では果実の良品率が高い新梢の割合を高めるため、摘芽・摘梢の時期を慣 行より10日程度遅らせる。 開花前の主芽の状態と新梢長、良品率 「展葉3枚時」における 「展葉10枚時」における 果実の良品率 未展葉の主芽の割合 61~80㎝の新梢割合 3割以下 高い 高い 4割以上 低い 低い 「展葉3枚時」:3枚以上展葉した主芽が樹全体の20%以上となった 時期(5月中旬) 「展葉10枚時」:10枚以上展葉した新梢が樹全体の80%以上となった 時期(6月中旬) 図 展葉3枚時における展葉 した主芽(サニールージュ)
(イ) 病害虫防除 ア)薬剤散布 キャンベル・アーリー基準 散布量 散布時期 殺 菌 剤 殺 虫 剤 /10a 新梢伸長期 ポリオキシンAL水和剤 500倍 パダンSG水溶剤 1,500倍 (約20cm) 又はインダーフロアブル 8,000倍 又はアグロスリン水和剤 2,000倍 200ℓ 又はオンリーワンフロアブル 2,000倍 又はアディオンフロアブル 1,500倍 アリエッティC水和剤 800倍 ベストガード水溶剤 1,000倍 開花10日前 又はオーソサイド水和剤80 800倍 又はパダンSG水溶剤 1,500倍 250ℓ (6月上旬) 又はインダーフロアブル 8,000倍 又はアグロスリン水和剤 2,000倍 又はオンリーワンフロアブル 2,000倍 又はアディオンフロアブル 1,500倍 スチューベン基準 散布量 散布時期 殺 菌 剤 殺 虫 剤 /10a 新梢伸長期 ジマンダイセン水和剤 1,000倍 パダンSG水溶剤 1,500倍 (約20cm) 又はポリオキシンAL水和剤 500倍 又はアグロスリン水和剤 2,000倍 200ℓ 又はインダーフロアブル 8,000倍 又はアディオンフロアブル 1,500倍 又はオンリーワンフロアブル 2,000倍 アリエッティC水和剤 800倍 ベストガード水溶剤 1,000倍 開花10日前 又はキノンドー水和剤40 600倍 又はパダンSG水溶剤 1,500倍 250ℓ (6月上旬) 又はインダーフロアブル 8,000倍 又はアグロスリン水和剤 2,000倍 又はオンリーワンフロアブル 2,000倍 又はアディオンフロアブル 1,500倍 注1 アリエッティC水和剤は殺虫剤又は殺ダニ剤と組み合わせる場合、最後に調 合する(物理性の悪化)。 2 EBI剤(インダーフロアブル、オンリーワンフロアブル)は薬剤耐性の懸 念があるので、年1回の使用にとどめる。 イ)べと病対策(スチューベン) 近年、津軽地域で目立ってきたので、発生が見られる園地では次の対策を講 ずる。 ・被害がみられる新梢葉は、見つけ次第、摘除し処分する。 ・排水不良園では、排水溝を掘って、雨水が長くたまらないようにする。 ・発生の多い園地では、「新梢伸長期(約20㎝)」にジマンダイセン水和剤、「開 花10日前(6月上旬)」にアリエッティC水和剤又はキノンドー水和剤40を選 択する。
ウ) 灰色かび病対策 新梢の摘心や誘引を適切に行い、園地内の通風をよくする。また、発病葉、 発病花穂及び発病枝は、できるだけ早く取り除き土中に深く埋める。 スチューベンでは、新梢伸長期に低温多湿の気象条件が予想される場合は多 発生が懸念されるので、「新梢伸長期(約20㎝)」にポリオキシンAL水和剤、 インダーフロアブル、オンリーワンフロアブルのいずれかを散布し、新梢での 被害を防止する。 エ)褐斑病対策(キャンベル・アーリー) 発生の多い園地では、「新梢伸長期(約20cm)」にインダーフロアブル又はオ ンリーワンフロアブル、「開花10日前(6月上旬)」にオーソサイド水和剤80を 選択する。 オ)ツマグロアオカスミカメ対策 発生の多い園地では、「展葉直前(5月上旬)」にマブリック水和剤20 8,000 倍又はモスピラン水溶剤2,000倍を特別散布する。 イ 無加温ハウス (ア) 摘芽、摘梢 摘芽、摘梢は、養分の競合を防ぐため、できるだけ早めに行う。樹勢の強い樹 では、花振るいの心配があるため軽く行い、結実を確保してから最終結果枝数を 決める。 キャンベル・アーリーで、列間2.5mの場合、最終的な結果枝数は主枝1m当 たり8~10本を目安とする。 (イ) 無加温ハウスの管理 高温による花振るいを防止するため、日中の温度は25℃を目標とし、30℃以上 にならないように換気する。 (ウ) 1回目の摘心(実止まりを良くする摘心) 開花1週間前ころに行う。 キャンベル・アーリーは、第1花穂の上位3~4枚で摘心し、上位2本の副梢 を残す。 その他の品種は、第1花穂の上位4~5枚で摘心し、上位1本の副梢を残す。 (エ) 花穂の整形 開花5日前ころから1~2花咲き始める時が適期である。 キャンベル・アーリーは、岐肩切除と花穂先端の切り詰めをする。 サニールージュは、岐肩と上部支梗を切除し、花穂の先端4~5㎝残す。 ルビーオクヤマ、ロザリオ・ビアンコは、岐肩と上部支梗3~4段を切除し、
残った支梗のうち長いものは切り詰め、さらに、花穂先端を切り詰め、花穂の長 さを7㎝程度にする。 ロザリオ・ロッソは、岐肩と上部支梗3~4段を切除し、花穂先端を1㎝程度 切り詰め、花穂の長さを5cm程度にする。 (オ) ジベレリン処理 ○バッファロー(アーリースチューベン) 1回目は無種子化のために満開予定日約14日前に100ppm溶液に花房浸漬する。 2回目は果粒肥大促進のために満開約10日後に100ppm溶液に果房浸漬する。 <参考> サ ニ ー ル ー ジ ュ 図 花穂 の 整形 方法
○サニールージュ ①通常処理の場合 1回目は無種子化のために満開時に25ppm溶液に 花房浸漬する。第2回目は果粒肥大促進のために 満開10日後に25ppm溶液に果房浸漬する。 ②1回処理の場合 満開3日後に25ppm溶液に10ppmのフルメット液剤 を加用した溶液に花房浸漬する。 ③早期処理の場合 摘粒時間を慣行の2割程度に省略化が可能。 1回目は満開予定日14~20日前に25ppm溶液に3 ppmのフルメット液剤を加用した溶液に花房浸漬 する。 2回目は満開10~15日後に25ppm溶液に果房浸 漬する。この場合、満開後から2回目のジベレリ ン処理時期までに果房の先端支梗から8~10㎝の 軸長とし上部の支梗を取り除くように花穂整形す 図 早期処理の花穂整形 る。 (カ) 灰色かび病対策 ハウス内の換気に努め、過湿にならないようにする。 多発生が懸念される場合は、新梢長20cm程度の時にポリオキシンAL水和剤500 倍、インダーフロアブル8,000倍、オンリーワンフロアブル2,000倍のいずれかを を散布する。
(2)おうとう ア 人工授粉 結実を確保するために、毛ばたきやマメコバチ等による授粉を積極的に行う。 毛ばたきによる授粉は、少なくとも5分咲きのころと満開ころの2回は行う。 特に、不順天候の場合は、マメコバチ等だけに頼らず毛ばたき授粉をこまめに 丁寧に行う。 霜害によりめしべが褐変したり欠落した花でも、開花時に花粉がでている場合 は、授粉用花粉に用いることができる。 霜によってめしべが褐変及び欠落した花から採取した花粉の発芽率 品 種 採取時の花の状態 発芽率 佐藤錦 風船状 44.5 開花始め 59.5 南 陽 風船状 29.6 開花始め 58.7 注)平成13年県南果樹研究センター調査。花粉の発芽率が30%以上で あれば正常花粉と同等とみなせる。 イ 適正着果 園地での着果状況を観察し、着果が多すぎて品質の低下が懸念される場合は摘 果を行う。摘果は、生理的落果が終わり、実止まりが確認された後(佐藤錦、南 陽で横径10㎜以上、紅秀峰で横径8mm以上)にできるだけ早く行い、満開後30日 ころまでに佐藤錦と南陽は1花束状短果枝当たり2~3果、紅秀峰は2果に制限 する。 なお、佐藤錦では花束状短果枝当たりの着果数を2~3果とした場合、適正な 葉枚数は、1果当たり3~4枚である。 ウ 病害虫防除 (ア) 薬剤散布 散布量 散布時期 殺 菌 剤 殺 虫 剤 /10a 開花直前 オーソサイド水和剤80 800倍 450ℓ パスワード顆粒水和剤 1,500倍 満開5日後 又はオンリーワンフロアブル 2,000倍 500ℓ 又はラリー水和剤 2,000倍 又はオーシャイン水和剤 3,000倍 満開12日後 オーソサイド水和剤80 800倍 ダイアジノン水和剤34 1,000倍 500ℓ 満開25日後 オーソサイド水和剤80 800倍 ダイアジノン水和剤34 1,000倍 500ℓ アミスター10フロアブル 1,000倍 満開35日後 又はナリアWDG 2,000倍 500ℓ 又はアンビルフロアブル 1,000倍 又はオンリーワンフロアブル 2,000倍 注)「満開35日後」に紅さやかなどの早生種に散布する場合、「収穫前日数」に注意 して薬剤を選択する。
(イ) 灰星病対策 花腐れ防止のため、「満開5日後」の薬剤散布を遅れないように適期に行う。 雨の多い場合は晴れ間を見て散布する。 花腐れや実腐れは、見つけ次第摘み取って処分する。 (ウ) 炭疽病対策 発生が例年多い園地では、「満開35日後」にアミスター10フロアブル、ナリア WDG、オンリーワンフロアブルのいずれかを選択する。 不発芽の枝や枯死した花束状短果枝などは伝染源になるので、切り取って処分 する。 (エ) 幼果菌核病対策 発生の多い園地では、「満開日」にトップジンM水和剤1,000倍、オ-シャイン 水和剤3,000倍、サンリット水和剤2,000倍のいずれかを特別散布する。 被害果は翌年の伝染源になるので、見つけ次第、摘み取って土中深く埋める等 の処分をする。 (オ) ハマキムシ類対策 ミダレカクモンハマキの多い園地では、「開花直前」と「満開5日後」にカス ケード乳剤4,000倍又はアタブロンSC4,000倍のいずれかを連続散布する。 (カ) オウトウハマダラミバエ対策 発生の多い園地では、「満開12日後」と「満開25日後」に基準薬剤のダイアジ ノン水和剤 34の代わりにアディオンフロアブル2,000倍を使用する。アディオン フロアブルを散布すると、この時期のハマキムシ類対策の防除剤は必要ない。 (キ) ショウジョウバエ類対策 発生が懸念される場合は、「満開35日後」にテルスターフロアブル4,000倍又は スカウトフロアブル3,000倍を特別散布する。 (ク) カメムシ類対策 5月末ころから8月上旬まで断続的に成虫が飛来し、葉に産卵するので、卵塊 は見つけ次第、つぶして処分する。 「満開12日後」と「満開25日後」に発生がみられた場合、オウトウハマダラミ バエ対策でアディオンフロアブルを使用すると防除剤は必要ない。また、「満開 35日後」に発生が見られた場合、ショウジョウバエ類対策でテルスターフロアブ ル又はスカウトフロアブルを特別散布すると防除剤は必要ない。 (ケ) コスカシバ対策 薬剤の散布や交信攪乱剤の設置、幼虫の刺殺などの総合防除を行う。
成虫発生前の5月中~下旬に交信撹乱剤のスカシバコンLを40~100本/10a設 置する。30a以上のまとまった面積で取り付けると効果的である。園地周縁部に 多めに取り付ける。また、傾斜のある園地では上部に多めに取り付ける。枝幹部 や地際部に樹脂(ヤニ)又は虫糞がみられる場合は、削り取って幼虫を捕殺ある いは刺殺する。
(3)なし ア 芽たたき (ア)「芽たたき」の適期 花蕾が離れておらず、展葉していない頃(5月上旬) が適期である。適期期間は3日程度である。 「芽たたき」の適期 (イ)「 芽たたき」の方法 なしは2~4番花からの果実が、果形が揃い、品質も良い。このため、1~ 4番花を残すように、指を花蕾に対して垂直に押しつぶすか、指で花蕾を軽く たたいて花梗を折る。 西洋なしの花梗は日本なしより柔らかいので、花そうごと折らないように注 意する。 「芽たたき」の仕方 「芽たたき」後 なしの開花順序 イ 摘花 2~4番花を残し、他の花は摘み取る。 ウ 人工授粉 マメコバチによる授粉を基本とし、開花期間中の天候が不順な場合やマメコバ チの数が不足している園地、霜害を受けた園地は、結実確保のため人手授粉を行 う。その際、果形の揃いや品質がよい2~4番花に授粉する。 エ 摘果 受精が不完全な果実は、落花5日後ころから果柄が黄化し始めるので、予備摘 果は落花5日後ころから開始し、2~4番果のうち肥大、形の良い1果を残す。 主枝、亜主枝の延長枝、枝ずれを起こすような位置や上向きの果実は、全て摘 果する。 仕上げ摘果は、落花15日後ころから始め、遅くとも落花25日後までに終了する。 適正な着果程度は、幸水で3~4頂芽に1果、ゼネラル・レクラークで5.5~ 7頂芽に1果、ラ・フランスで4頂芽に1果とする。
オ 芽かき 芽かきは、5~10cm伸びたころまでの新梢がかきやすいので、5月下旬ころま でに早めに実施する。また、授粉や摘果期にも不要な新梢が伸びだしたら、その 都度かき取る。ただし、側枝として使用できる新梢は残す。 カ 病害虫防除 (ア) 薬剤散布 西洋なし 散布量 散布時期 殺 菌 剤 殺 虫 剤 /10a オーソサイド水和剤80 800倍 エルサン水和剤40 800倍 350ℓ 落花直後 又はEBI剤 オーソサイド水和剤80 800倍 エルサン水和剤40 800倍 350ℓ 落花10日後 又はデランフロアブル 1,000倍 又はダイアジノン水和剤34 1,000倍 落花20日後 オキシラン水和剤 500倍 ダイアジノン水和剤34 400ℓ 又はベフキノン水和剤 1000倍 1,000倍 注1 EBI剤:ルビゲン水和剤 4,000倍、スコア顆粒水和剤 4,000倍、ラリー水 和剤 2,000倍、アンビルフロアブル 1,000倍、トリフミン水和剤 3,000倍 2 エルサン水和剤40は、年間使用回数が「2回以内」であるので注意する。 (イ) 輪紋病対策 発病枝は、伝染源となるので、見つけ次第処分する。 伝染源となる枝幹部のいぼ病斑を胞子飛散の始まる5月下旬までに削り取り、 トップジンMペーストを塗布する。なお、トップジンMペーストの年間使用回数 は3回以内であるので注意する。 (ウ) 胴枯病対策(西洋なし) 主幹や主枝など大枝の病患部は見つけ次第削り取り、トップジンMペースト又 はバッチレートを塗布する。 被害枝は剪去する。小黒点病斑も見つけ次第、枝ごと切り取って処分し、切り 口にバッチレートを塗布する。 発生の多い園地では、「落花20日後」に基準薬剤の他にトップジンM水和剤 1,500倍も使用する。 (エ) 黒星病対策 西洋なしのフレミッシュ・ビューティでは、「開花直前」にEBI剤を特別散 布する。「落花10日後」は基準薬剤に代えて、EBI剤を使用する。発生の多い 園地では、「落花10日後」にジマンダイセン水和剤600倍も使用する。
(オ) 黒斑病対策 西洋なしでは、「落花直後」にスコア顆粒水和剤2,000倍、「落花10日後」にデ ランフロアブル1,000倍を選択する。 ただし、スコア顆粒水和剤2,000倍はエルサン水和剤40と組み合わせない。 (カ) ナシキジラミ対策 発生の多い園地では、「落花直後」と「落花10日後」にエルサン水和剤40 800 倍を選択する。 (キ) ナシミハバチ対策 発生の多い園地では、「落花直後」と「落花10日後」にエルサン水和剤40 800 倍を選択する。被害果は、落花25日後までに集めて水漬けした後、処分する。 (ク) カメムシ類対策 5月末ころから8月上旬まで断続的に成虫が飛来し、葉に産卵するので、卵塊 は見つけ次第、つぶして処分する。
(4)もも ア 人工授粉 川中島白桃など花粉のない品種では、必ず授粉樹と交互に軽くなでる、毛ばた き授粉を行う。 イ 摘果 摘果は、生理的落果を考慮して、満開20~30日後ころとその10~20日後くらい の2回に分けて行う。 1回目の摘果は、横向きから下向きに着生した大きめの果実を残す。残す果数 は、仕上げ摘果終了時の2倍量程度とする。2回目(仕上げ)の摘果は、短果枝4 ~5本に1果、中果枝は1本に1果、長果枝は1~3果とする。 なお、満開50~70日後の硬核期(果実の肥大が鈍化し、核が硬化する時期)に 過度な摘果を行うと、核割れや裂果を起こしやすいので注意する。 ウ 病害虫防除 (ア) 薬剤散布 散布量 散布時期 殺 菌 剤 殺 虫 剤 /10a 落花10日後 アグリマイシン-100 1,500倍 ダイアジノン水和剤34 1,000倍 300ℓ 又はアグレプト水和剤 1,000倍 又はダーズバンDF 3,000倍 チウラム水和剤 500倍 又は水和硫黄剤 500倍 マイコシールド 2,000倍 ダイアジノン水和剤34 1,000倍 400ℓ 落花20日後 (落 花 2 0 日 後 ~ 落 花 4 0 日 後 に 1 ~ 2 回) 又はダーズバンDF 3,000倍 ダコニール1 0 0 0 1,000倍 又はチウラム水和剤500倍 又は水和硫黄剤 500倍 注1 チウラム剤(チオノックフロアブル、トレノックスフロアブル) 2 水和硫黄剤(サルファーゾル、イオウフロアブル) (イ) 縮葉病対策 被害葉は、見つけ次第、摘み取って処分する。 (ウ) せん孔細菌病対策 風を強く受ける地帯で多発するので、防風網の設置などの耕種的対策は必ず行 う。 春型枝病斑は葉や果実への伝染源となるので、見つけ次第、枝ごと切り取って 処分する。 「落花10日後」~「落花40日後」は重要な防除時期なので、遅れないように適 期に薬剤散布を行う。
せん孔細菌病 春型枝病斑(落花後) (エ) ナシヒメシンクイ対策 ナシヒメシンクイの加害による新梢の芯折れは、見つけ次第、切り取って処分 する。 (オ) コスカシバ対策 おうとうに準ずる。 (カ) カメムシ類対策 なしに準ずる。
(5)うめ・あんず ア 摘果 基本的に摘果は必要ないが、着果過多になると、小玉で玉揃いが不良となり品 質低下を招くので、果実が小指大の大きさの時期(満開20~25日後ころ)に、収 穫期に果実が肥大しても、互いに触れ合わない程度の間隔に摘果する。 摘果の間隔は、豊後や節田などで3~5cm、八助などの大玉品種で5~6cmに 1果残す イ 病害虫防除 (ア) 薬剤散布(うめとあんずの複合栽植園対象) 散布量 散布時期 殺 菌 剤 殺 虫 剤 /10a 落花直後 オーシャイン水和剤 モスピラン水溶剤 300ℓ 3,000倍 4,000倍 落花10日後 オーソサイド水和剤80 ダイアジノン水和剤34 1,000倍 350ℓ 800倍 又はファイブスター顆粒水和剤 2,000倍 落花20日後 オーソサイド水和剤80 800倍 ダイアジノン水和剤34 1,000倍 350ℓ 又はスカウトフロアブル 2,000倍 落花30日後 オーソサイド水和剤80 800倍 350ℓ 又はイオウフロアブル 500倍 (イ) 縮葉病対策 被害葉は、見つけ次第、摘み取って処分する。 (ウ) 灰星病対策 花腐れや被害果は、見つけ次第、摘み取り処分する。また、花腐れは枝枯れを 伴っているものが多いので、枯れた枝も必ず除去する。 (エ) かいよう病対策 風当たりの強いところでは、防風対策を強化する。 うめでは、「落花10日後」と「落花20日後」に、基準薬剤の他にマイコシール ド1,500倍も散布する。ただし、マイコシールドはあんずに飛散させない。 (オ) 変葉病対策 被害部を摘み取り、土中に埋めるなどの処分をする。 (カ) コスカシバ対策 おうとうに準ずる。
《 農薬使用基準の遵守 》 農薬を使用する場合、ラベル等によりそれぞれの農薬に定められている使用回 数、使用時期、使用濃度を厳守し、使用状況を記帳する。使用回数については、 含まれる成分によって制限されるので、同一成分が含まれる剤の総使用回数を守 る。また、使用者の責任で最新の「農薬登録情報」を確認する。 農薬の使用前には防除器具が洗浄されているかを確認するとともに、使用後は 十分洗浄する。 なお、薬剤の年間使用回数は、収穫後から翌年の収穫までの1年間に使用でき る回数である。 《 ポジティブリスト制への対応 》 農薬の飛散により、周辺住民及び作物に被害を及ぼすことのないように、散布 情報の提供・交換等地域が連携し、農薬飛散低減対策に留意して散布を行う。 青森県農薬危害防止運動実施中!(5月1日~8月31日) 1 農作物や使用者の安全のため、農薬は使用基準を守って使用しましょう。 2 農薬散布の際は、周辺に農薬を飛散させないようにしましょう。 日本一健康な土作り強化月間(平成25年4月~5月、9月~11月) 安全・安心な農産物を安定して生産するためには、土づくりが重要です。堆肥 の施用や土壌診断などにより、健康な土づくりに取り組みましょう。 青森県農薬危害防止運動実施中!(5月1日~8月31日) 融雪水による園地浸水や土砂災害に注意しましょう! 霜害防止対策を万全に! 山火事など火災の発生防止に努めましょう! 次回の発行は平成25年6月4日(火)の予定です。 報道機関用提供資料 担当課 りんご果樹課 担当者 生産振興グループ 今村総括主幹 電話番号 直通 017-734-9492 内線 3265 報道監 農林水産部 八桁農商工連携推進監 内線 3181