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改訂新版にあたって(pdf)

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Academic year: 2021

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改訂新版にあたって

本書,初版は 2003 年刊行以来,10 年が経過しました。この間,医療技術の 高度化,医薬品の適正使用による薬害防止など薬剤師の社会における責任は 益々拡大されました。この背景を踏まえ,次世代の薬剤師の育成には病院・保 険薬局薬剤師,製薬企業など幅広い職域で活躍できる教育が必要とされ,学校 教育法及び薬剤師法の一部改正で,2008 年に 6 年制薬学教育が実施されるに 至りました。 新カリキュラムの大きな特徴はこれまでの基礎薬学中心の教育だけでなく, 医療薬学,臨床薬学に係る広範囲が組み込まれ,その中には医療人としての技 能・態度に関する実践的な教育も含まれました。 本書,改訂新版では初版,改訂版と同様に,医療人としての基本的なあり方 を学ぶ必要性を重視し,法・制度・倫理を中心に,薬剤師のみならず,医薬品 開発関連の業務を志す方々が学べる書となるように,また,従来の専門書とい うイメージを排除し,実務的な内容も加え,やさしく学ぶ書というコンセプト を維持することに努めました。そこで,医療倫理を基盤に安全で有効な医薬品 誕生までの一連の流れを学べる形を残し,最新情報を加えるとともに,薬学教 育モデル・コア・カリキュラムに準拠し,章ごとに一般目標を記載し,学ぶ目 標を明確にしました。 例えば,第 1 章は医療現場・新薬開発等における倫理的問題の理解,第 2 章 は医療制度等の基本的知識・社会的重要性に眼を向ける態度の修得,第 3 章は 世界における日本の製薬をグローバルな視点で考える能力の修得,第 4 章は薬 事行政等の理解,第 5 章は非臨床試験の重要性の理解,第 6 章は治験実施にお ける適切な態度の修得,第 7 章は医薬品製造から販売までのプロセスの理解, 第 8 章は医薬品市販後安全対策の基本的知識の修得,第 9 章は医薬品研究開発 におけるサイエンスと先端技術に関する基本的知識の習得,第 10 章は医薬品 開発領域におけるプロトコル立案・データ解析及び評価に必要な統計学の基本 的知識・技能の修得等を記載しました。

(2)

多くの方々に役立つ書になることを願い,読者の方々からのご意見など賜れ ば幸いに存じます。

最後に本書改訂を快くお引き受け頂きましたこと,さらに終始,ご尽力頂い た共立出版編集制作部 古宮義照氏に心から御礼申し上げます。

(3)

改訂にあたって

2003 年に本書を発刊後,薬科大学や薬学部の教科書として,また企業ある いは薬剤師など幅広い分野の方々の支持を得て,翌 2004 年には 2 刷に至りま した。編集当時は医薬品開発における非臨床試験,臨床試験,さらに市販後の 有効性・安全性確保のための施策に至るまで,一連の流れを通して,医薬品を 知る,また医薬品を理解して,それぞれの立場における役割あるいはその責任 などを学べる書は見あたらなかったように思います。 そこで,編集に当たり,従来の創薬の専門書というイメージを排除し,創薬 から製造販売後の臨床試験までをやさしく学べる書となるよう執筆者一同心が けました。これはかなり,難しいことでした。また,編集時にはすでに法改正 の時期に当たったことから,今後の方向性を示す内容にとどまる部分も多くあ りました。できるだけ新しい情報収集を心がけましたが,その間に医療制度改 革,薬事関連法規の改正など大きな変化が見られました。とくに,2002 年の 薬事法の改正に関連して 2004 年の GVP,GQP,GPSP の省令化とともに, GMP の改正,GPMSP の廃止が行われた点から,発刊からわずかでしたが, 本書の改訂は不可欠と考えられました。 このような社会情勢を踏まえ,今回,医薬品等の製造販売承認制度などの法 規制や市販後の有効性・安全性情報の確保を中心に追加・訂正を行いました。 また,付録として,初版で学生のために薬剤師国家試験問題を収載しています が,今回,新しく 89,90,91 回を追加し,本書の項目に該当する keyword を 含む問題を選定した新体裁としました。さらに,内容を充実するために執筆者 には新しく,寺田勝英氏,齋藤彌氏に加わっていただきました。多くの方々の お役に立つ書となれば幸いですが,一方,大事なことが欠落してはいないかと 案じるところもあります。ご叱正,ご意見などを賜れば幸いと存じます。 最後に,このたびの改訂にあたり,ご尽力をいただいた共立出版(株)編集 部羽生田洋子氏に心からお礼申し上げます。 2006 年 8 月 筆者を代表して 安生紗枝子

(4)

はじめに

医薬品開発は患者自身の利益につながるものであり,社会に対して貢献する ものであるという有用性があるが,そこには臨床試験(治験)が倫理的配慮の もとに行われているという国民の理解が必要不可欠である。1998 年,日米 EU 医薬品規制調和国際会議(ICH)で治験に関する取り決めが世界的レベルでな され,国際的に認められる倫理的,科学的かつ信頼性のある臨床試験を行う環 境整備が求められるようになった。我が国ではこれを受け,薬事法が改正され, 企業,医療機関共に治験業務が新体制で進みつつある。この経過の中で,新し く治験の管理的業務を担う CRC や CRO の役割も求められるようになり,治 験業務における医師以外の職種の役割も拡大した。 一方,日本薬学会薬学協議会モデルカリキュラム案にも「医薬品開発と生産 のプロセス」があげられ,その中には「治験における薬剤師の役割」も含まれ た。ここでは薬学生が将来,医薬品開発に参画できるようになるためには,医 薬品を支えるサイエンスや医薬品開発の各プロセスについて学ぶ必要があると し,それらに関する基本的知識と技能の修得を一般目標としている。 これらの社会的背景を踏まえ,医薬品の有効性と安全性の確保にかかわる基 本的知識の習得を目的に本書を編集した。構成は,医療と倫理,日本の医療, 医薬品産業,日本の薬事行政,特許制度,医薬品を支えるサイエンス,非臨床 試験,臨床試験(治験),医薬品の承認,市販後の有効性・安全性確保,医薬 品の評価法の 11 章からなる。創薬関連の周辺情報として医療事情,医薬品産 業事情,また,医薬品開発業務を担う人々の役割と責任について考える態度を 身に付けることの重要性に鑑み,医療・企業の倫理も含めた。 編集にあたり,従来の創薬の専門書というイメージを排除し,創薬から市販 後臨床試験までの一連の流れが学べるように心がけた。法改正の時期にあたり, できるだけ新しい情報収集に心がけたが,ご意見など賜れば幸いである。 2003 年 夏 著 者

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