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教育・学習を軸とした「大学と地域連携」―第38回全国国立大学生涯学習系センター研究協議会 : フォーラムの記録―-香川大学学術情報リポジトリ

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――第38回全国国立大学生涯学習系センター研究協議会:フォーラムの記録――

 以下は、2016(平成28)年9月26~27日に香川大学にて開催された、第38回全国国立大学生涯学習系セ ンター研究協議会のうち、初日のフォーラムの様子をテープ起こししたものである。 パネリスト 香川大学四国危機管理教育・研究・地域連携推進機構 副機構長・特任教授 白木  渡 前香川県環境森林部環境管理課水環境・里海グループ 課長補佐・グループリーダー 大倉 恵美 香川大学瀬戸内地域活性化プロジェクト 地域連携コーディネーター(東かがわ市) 長尾 敦史 コーディネーター 香川大学生涯学習教育研究センター准教授 山本 珠美 司会 香川大学経済学部3年 須原 沙紀 【パネリスト紹介】 須原  それではフォーラムに移ります。ここからは、教育・学習を軸とした大学と地域連携のテーマの 下、事例発表と意見交換を行います。   はじめにパネリストの皆様をご紹介します。まず、最初に発表されますのは香川大学四国危機管理教 育・研究・地域連携推進機構副機構長、白木渡特任教授です。 白木  白木です。よろしくお願いします。 須原  続いて2番目に発表されますのは前香川県環境森林部環境管理課水環境・里海グループ課長補佐・ グループリーダーの大倉恵美様です。 大倉  大倉です。よろしくお願いします。 須原  最後に発表されますのは、香川大学瀬戸内地域活性化プロジェクト、長尾敦史地域連携コーディ ネーターです。 長尾  長尾です。よろしくお願いします。 須原  なお、ここからの進行は、香川大学生涯学習教育研究センター、山本珠美准教授が務めます。 山本  皆さん、こんにちは。ここからの進行は私山本が務めさせていただきます。さきほどの記念講演 は、研究を通した地域貢献というテーマでお話をいただきましたけれども、ここからの90分間は教育・ 学習を軸に地方国立大学の実情を考えていく、そのようなテーマで進めてまいります。   進め方ですが、これから3人のパネリストの皆様に15分間ずつ事例発表をしていただきます。そのあ とでまとめて質疑応答というかたちを取らせていただきます。時間の関係上、一人ひとりのご発表のあ とに質疑応答を入れることができませんので、その点ご了承ください。   それから資料ですけれども、先ほどの徳田先生の記念講演の発表資料がこちらのバインダーの中に 入っておりました。それに続きまして最初の白木先生のPowerPoint資料がございますので、あわせて

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ご覧ください。また、2番目の発表の大倉さんの発表につきましては、バインダーとは別に、「かがわ 里海づくりビジョン」というこちらのほうに一式まとめて入っています。さらに本日机上配布で「かが わ里海大学」のパンフレットがございました。こちらもお手元に準備をお願いいたします。(注:資料 の掲載は割愛した。)   これからのフォーラムにつきましては、香川大学生涯学習教育研究センターが毎年3月に発行してお ります『研究報告』にテープ起こしをしたものを掲載する予定となっております。発表のあとの質疑応 答も含めて掲載いたしますので、質疑応答の際には、ご所属、お名前を言っていただきますようにお願 いいたします。それでは白木先生からよろしくお願いいたします。 【第1発表】 白木  渡 香川大学四国危機管理教育・研究・地域連携推進機構 副機構長・特任教授 タイトル:「防災士養成講座」の開講~地域防災力の向上を目指して~  ご紹介いただきました白木です。よろしくお願い致します。香川大学では1年生を対象に全学共通教育 として、また社会人を対象に地域防災力の向上を目指して、「防災士養成講座」を実施しています。社会 人を対象とした講座では、四国危機管理教育・研究・地域連携推進機構、工学部、生涯学習教育研究セン ターが地域と連携して取り組んでいる教育講座でございます。  講座を始めたきっかけから申し上げますと、平成16年に日本列島に多くの台風が来襲して各地で風水害 発生しました。香川県でも死亡者がでる大災害になりました。このときに大学を上げて被害調査を実施し て報告書を取りまとめ、平成17年3月に報告会を実施しました。  その報告会では、地域の防災力を高める必要性についてお話させていただきました。そのためには、大 学が学生はもちろん地域の方々にも防災教育を実施し、地域と連携して防災力の向上に努める必要があり ます。香川大学に当時防災に関係するセンターというのがございませんでしたので、防災に関連する教育 研究センターをつくりたいという思いを強く致しました。それから3年後の平成20年4月に、香川大学に 危機管理研究センターが設置されました。しかし名称に「旧」がついていますのは、本年平成28年4月に 危機管理研究センターが機構化されまして、現在はその機構の中の1つのセンターとして「危機管理先端 教育研究センター」という名称に変更され、防災や危機管理に関する教育研究を行っています。  危機管理研究センターが設置された平成20年に、学内公募の教育改革推進事業に、危機管理研究セン ターが申請した「コンピテンシー分析に基づく防災リーダー養成プログラム」が採択されました。コンピ テンシーと申しますのは、適切な日本語が無いようですが、対応能力という解釈されています。ヨーロッ パでは、「ナレッジ(知識)」、「スキル(技能)」、「コンピテンシー(対応能力)」が教育の柱になっていま す。日本の場合はどうしても「ナレッジ」、「スキル」、特に「ナレッジ」に重きを置いた教育が主で、防 災についてもコンピテンシーという考え方はございませんでした。しかし、突発的に発生する災害によっ て危機的状況になった場合には対応能力をきちんと身に付けていなければなりません。香川大学ではコン ピテンシーを育成する防災教育研究を実施する目的で、このプログラムを開始しました。  平成20年は危機管理研究センターが設置されたばかりで、学内措置で少しですが予算をいただいていま したが、新たな取り組みをするための予算はほとんどございませんでした。しかしちょうど平成20年度か

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ら公募が開始された文部科学省の防災教育支援推進事業に応募して採択されました。こちらをご覧いただ くと集中豪雨防災教育プログラムとあります。これ、第一次の募集のときに集中豪雨に関する防災教育プ ログラムに採択された事業がなくて、第二次募集が行われ香川大学が提案した事業が採択されました。審 査会では「香川って雨降らないのに、なんで集中豪雨の防災教育が必要なんだ」っていう話になったんで すが、逆に大雨になれば大災害になるので防災教育が必要ですと訴えました。そういう観点から必要性が 理解され採択されたと思っています。  ここに教育カリキュラムとかプログラムの開発とあります。どのようなカリキュラムやプログラムで教 育していますというより、このような人材を育てましたという証拠となるものが必要です。それは資格で すね。防災に関する資格というのは、国家資格はありませんので、民間資格である防災士の資格取得を目 指しました。当時はまだ全国で3万人の時代です。今は10万人近くの方が防災士として活躍されておられ ます。  平成16年の台風災害調査を香川大学の全学部が協力して実施しました。この時に気付いたんですが、災 害調査は教育、経済、農業、インフラ、それから医療、公衆衛生等々のテーマで調査をしないといけませ ん。調査会社が1社ではできない業務ですが、多くの学部を持っている大学であれば1大学で実施できる んだということに気付きました。各分野の専門家の人材が豊富で、やり方によっては創意工夫ができると いうのを、この調査を通して学びました。  危機管理研究センターという名称ですが、ほかの国立大学、私立大学も含めて、防災研究センターとい う名称は多くありますが、危機管理研究センターはほとんどありません。なぜ危機管理にしたかといいま すと、これまでの防災は工学部の土木・建築系の学科とか、インフラを扱う分野、自然災害を扱う分野の 教員が担当することがほとんどでしたが、危機というのは一部の分野だけではなく、教育、経済、農業、 医学など様々な分野が関係する状況に既になっております。全学を上げて防災・危機管理に関する教育・ 研究・地域貢献に取り組むために危機管理研究センターという名称にさせていただきました。8つの研究 領域、セキュリティ科学から健康危機管理、防災教育までいうかたちで進めてまいります。  現在はこの4月からセンターから機構に組織替えを致しました。ちょっと名前が長いので、われわれ略 称して危機管理推進機構というふうに呼んでいますが、この機構の中に危機管理先端教育研究センターと 地域強靭化研究センターを設置しています。ちなみに、地域強靭化研究センターは地域の各機関・組織と の連携事業を実施しています。  少し前に戻りますが、防災教育支援事業については、集中豪雨のプログラムからスタートし、教材づく りと人材育成を実施しています。まず防災の基礎知識修得研修ですが、防災リテラシー、防災の基本を学 んでもらう。2番目が災害への対応能力、防災コンピテンシーを身に付けてもらう。それから3番目がス テップアップということで、実践力の習得、ということで防災リーダーの研修をする。当初は学生だけを 対象にしておりましたが、地域の皆さんが科目等履修生として、あるいは生涯学習の一環として防災教育 を学びたいという要望に応えようということになり、社会人を対象とした講座を開講することになりまし た。  学生さんと一緒に1週間1回の授業で、1年間学んでもらうということは、社会人の方には負担が非常 に大きいので、生涯学習教育研究センターと連携して、土曜日ごとに10月から翌年の2月まで5ヵ月間、 1ヵ月に1回、朝の10時から夕方の5時頃まで、5コマの講義を実施することに致しました。今年の受講 生を募集しましたところ、募集初日の9月1日、受付け開始から2時間で130名の定員が埋まってしまい、 どうしてもという要望があったので、最終的には162名受け入れることにしました。一方、大学1年生対

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象のプログラムについては4月から開始していますが、受講生は240名を超えています。  地域からは防災面でリーダーになっていただく人を育てて欲しいという要望が強く、その方々にマルチ メディア防災マップづくりとか、防災マップを活用した防災訓練だとか、防災マップを更新するといった 専門性の高いスキルを身に付けていただくために、フォローアップ教育を実施させていただいています。  防災士養成プログラムに関しましてはこのような内容で、本来学生さん用の講義なんですが、これをコ ンパクトにした形で地域の皆さんに提供させていただいています。実際に防災士の資格を取得された方と 一緒に防災マップづくりを実施しました。紙ベースじゃなくてパソコンを使って作成するデジタル防災 マップと呼ばれているものを地域の自主防災会の方と一緒に作成させていただきました。このマップは地 域で活用されています。大学のすぐ近くに地域コミュニティセンターがありますので、そのセンターと連 携して次のステップとして実際にマップを使って指定された避難所にどのように避難するか、どの道を 通っていくのか、老人の方や車椅子を必要とされる方の避難をどのように実施するか、などにつきまして も危機管理研究センターのほうで支援をしていただいております。  防災士につきましてはお手元の資料にございますように、各県で防災士をいかに活用するかということ が考えられるようになっています。香川大学でも平成21年に30人だった防災士の方が、平成27年度(平成 28年3月現在)では、延べトータルで919名の防災士の方を養成して現在活躍していただいています。  そのほかネクストプログラムというのを平成25年度から始めておりますが、ここでは実践的な人材育成 ということで、防災士の資格を取得した学生を対象に災害ボランティアの講義及び実習を実施していま す。この講義や実習には地域の防災士の方に協力していただいています。このような連携により学生が地 域の防災の担い手となることが期待できます。  東日本大震災が起こって以降、より高度な防災や減災、危機管理の専門家の養成が必要になってきてい ます。香川大学では2011年6月に防災意識を高める、ハザードマップの積極活用、長期の被災生活への対 応、メンタルヘルスケア、災害ボランティアの養成、防災・危機管理専門家の養成ということを掲げて、 防災・危機管理の人材の育成に努めています。  危機的な状況に直面した場合の人間の行動というのはアメリカで明確にされています。死を意識するよ うな危機に直面したときに、まず頭の中が真っ白になって目の前の状況を否定する「否認」の状態に陥り 危険な状態になる、この状態から早く抜け出して目の前の状況をきちんと理解しどのような状況下に置か れているかを「思考」できるようにしないといけません。しかし「思考」できてもそれを「行動」に移せ るとは限りません。「行動」できるようにするためには、日ごろの訓練が必要です。危機的な状況におい て「否認」→「思考」→「行動」というプロセスを経て危機的な状況から脱出するためには、危機管理の 教育・訓練が必要です。これを実施していたのが釜石の中学生で、「釜石の奇跡」として取り上げられて います。大きな揺れが長く続くと津波がやってくるので、すばやく高台に避難することを訓練していたと のことです。  想定を超える事態を訓練で実際に実施することは困難ですので、シミュレーションを活用します。想定 を超える豪雨災害が発生した場合に大学の本部キャンパス周辺がどのような事態になるかを再現したシ ミュレーションを紹介します。これは先の述べた文科省の防災教育支援事業に採択された防災教育プログ ラムの開発の際に作ったものです。大学がこの近く、ここにありますが、この周辺に時間雨量50mmの雨 が、5分降った状況が右の図、その横、左の図が時間雨量100mmの雨が、5分降った状況です。これが 10分後、20分後。30分後。大学周辺は水浸しです。鉄道線路下のアンダーパスの箇所が1m以上の水深に なるという、こういう状況になるということを想定していただきながら、防災マップづくりとか避難経路

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を確認するというよう防災教育を実施してきました。  さらにこれは工学部キャンパスに設置している3次元シミュレーターの装置です。文科省の予算いただ いて開発した想定外災害を3次元のシミュレーターで再現可能です。これは学校の室内を再現したもので すが、生徒が座っている向こうの画面はバーチャル、教卓が置かれている手前はリアルな空間です。バー チャルとリアルの融合で、実際に地震が起きたときの先生の言動によって、子供たちが避難行動をとりま すが、先生の指示に従わない状況や避難途中で突然余震が発生する状況等、通常学校で実施している訓練 とは異なる想定外の状況を再現して訓練してもらいます。  先ほど紹介しました防災士養成のネクストプログラムですが、学部の1年生から4年生まで、一貫して 防災教育が受講できるようにカリキュラムが組まれています。これが2年次での防災ボランティア講座、 ボランティア実習風景です。地域の防災士の方、あるいは地域の防災リーダーの方が講師として協力して いただいています。  さらに高度な防災教育を受講できるプログラムとして、文部科学省平成24年度大学間連携共同教育推進 事業に採択され、香川大学と徳島大学が連携して大学院で特別プログラムを開設しています。「行政・企 業防災・危機管理マネージャー養成コース」、「学校の防災・危機管理マネージャー養成コース」、「救急救 命・災害医療・公衆衛生対応コーディネーター養成コース」という、専門家の養成コースを開設して実施 しています。これは合宿実習の状況を示したものです。現在61名の修了生を輩出しております。来年3月 に42名の修了生が加わり103名になる予定です。  この修了生をさらにフォローアップするために「災害・危機対応支援センター」というNPO法人を立 ち上げています。香川大学と徳島大学が共同で「災害・危機対応マネージャー」の資格を認定することに しました。これは日本特許庁の商標登録を済ませており、この資格を授与することにより特別プログラム 修了生の能力の担保とステータスの確保を行っています。  最後になりますが、香川大学と地域連携ということで、香川県・県下17市町、防災士会、自主防災会の 皆さんと共に防災士養成の講座を実施しています。この講座の受講生に対して行政から受講料の支援を実 施していただいています。また大学院の特別プログラムに関しては講師派遣や職員の受講等にご協力いた だいています。さらに香川県教育委員会に協力して学校防災アドバイザー派遣事業を実施しております。 この事業につきましても地域の関連団体と連携して実施いたしております。国土交通省四国地方整備局と は、大規模水害に関するワークショップ等、全国に先駆けて大学と地域が連携して実施しております。そ の他、香川県下17市町や企業の事業継続計画(BCP)の策定についても香川県と連携して実施しています。  冒頭申し上げましたように、社会人を対象とした防災士養成講座は、香川大学生涯学習教育研究セン ターと連携して実施しており、地域と連携した人材育成の目的が明確化され、地域の行政の支援が受けや すい形になっています。今後ともこの枠組みを維持しながら地域防災力の向上のために頑張っていきたい と思っております。私のほうからは以上です。ご清聴どうもありがとうございました。 【第2発表】 大倉 恵美 前香川県環境森林部環境管理課水環境・里海グループ 課長補佐・グループリーダー タイトル:かがわ里海大学

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 皆さんこんにちは。県庁の大倉と申します。よろしくお願いいたします。今日は、かがわ里海大学の話 をということですけれど、まずは里海とか里海づくりの話をしないと何のことだか分からないので、その 辺りからちょっと進めていきたいと思います。  お手元に、先ほど山本先生からご紹介いただきました、里海づくりビジョンのパンフレットや里海大学 のパンフレットをご準備いただけたらと思います。  さて、香川県は皆さんご存知の方も多いかと思いますけども、北は瀬戸内海に面していて、南側は讃岐 山脈、山に囲まれて、その間に平地が広がっているという地域です。ですから瀬戸内海に面したこの香川 県は、山と海に囲まれた地域です。これは香川県の地図なんですけれども、一番海側のところから一番山 側の徳島との県境まで、直線距離を測ってみましたらせいぜい30kmぐらいしかない。ですから山側だと 思っていてもすぐ海と、意外とどこでも海に近い地域なんですね。ですから昔から瀬戸内海との関わりは 切っても切れない。括弧のところに道とか畑とか庭とか書いていますけれども、交通手段として当然使わ れておりましたし、それから畑、漁業ですね、そういった食べ物を生産する場でもありましたし、庭、国 立公園第一号は瀬戸内海ですね。昭和9年に指定された第一号の国立公園でもあるわけですけれども、昔 から風光明媚なところということで、庭としての機能を果たしてきた、そういうところです。  けれども今は、ここからでも歩いて10分、15分も行けば海に行くんですけれども、私たちは海に行かな くなっていますし、海と関わること、生業としてやってらっしゃる方も高齢化したり減ったりしてきてい ますし、当然私たちが普通にレクリエーションとして、海水浴に行ったりすることもすごく減ってきてい ます。昔のように船で本州側に渡っていくことも少なくなりましたので、瀬戸大橋の上を、高速道路の上 をシュッと、少し景色のいい高速道路を走っているような感じで過ぎてしまいます。このように、海との 関わりは非常に希薄化しています。あまり関心もなくなってきているというのが現状です。  海の実情について詳しいことは、このビジョンを見ていただいたら分かるんですが、そんなにいい状況 ではないんですね、実は。なので、これからは、単に美しい海というのではなくて、どちらかというと豊 かな海を目指していこうという大きな流れもあります。そういう豊かな海にしていくために人と自然、そ れも海は海だけで成り立っているのではなくて、山からの栄養であったり、里(まち)からのある意味汚 れであったり。山や里(まち)とつながって海があるわけですから、そういった繋がりとしっかりと関わ りながら再構築していこうというのが「かがわの里海づくり」という取り組みです。私たちの里海である 瀬戸内海を人と自然が共生する持続可能な豊かな海としていくために、どういうふうにやっていこうかと いうことで、全県民みんなで、山、川、里(まち)、海を繋げる、ということを取組方針に掲げています。  私の肩書き、これは前の職場ですけれども、環境管理課というところです。環境というと、環境保全活 動をしなければいけないみたいな感じに、ある意味なってしまいがちなんです。ですが、そういうことで はなくて、私たちの暮らしや社会構造が結果として環境に影響を与えているわけですから、みんなが当事 者なんですね。そのことをもう一度ちょっと考え直していかないと、この問題は解決していかないんじゃ ないかと。とにかく当事者を増やす、それが香川での里海づくりの特徴だと思います。  それをしていくためにですね、実際に動かなければいけないのは私たち一人ひとりですから、いろんな 立場であったり、それから個人であったりっていうのはありますが、それを支えていくために官・民・学 が連携してサポートをしていくということをしながら、この繋げるという活動をしていく。その先に自然 共生型の新しい社会のライフスタイルをつくっていこうというふうに捉えています。  実際にやっていることは、人をつくり、仕組みをつくって、繋がりをつくる。そのベースにある理念の 共有、それから管理的な話もありますけども、こういうたくさんのことをいろいろやっているんだなって

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いうことだけ、ちょっとこちらで見ていただければと思います。  ここから取り組みのご紹介なんですけれども、まずはお配りしている「かがわ里海づくりビジョン」で すね。こちらは、とにかくいろんな方に関わっていただかなくてはいけないので、とりあえず旗振りとな る、共有理念となるビジョンです。これをつくるために協議会であるとか、ワーキングであるとか、ヒア リングをしたりワークショップをしたりということを、4ヵ月ですね、里海づくりを始めて4ヵ月の間に これだけのことをやって、皆さんの意見を取り入れながらつくっていったわけですけれども、この中で赤 く書いてあるところが大学に関わっていただいたことです。  ワークショップのところから矢印が出ていますけれども、ワークショップに参加してくれた香川大学の 学生さんが、里海づくりに是非自分たちも何か関わりたい、動いていかなければと思ってくれてですね、 漫画が得意だったので、子どもたちに漫画で伝えることだったらできるんじゃないかと。お手元にある漫 画の原案を、そうですね、すごく早く、ワークショップが終わって本当にそんなにしないうちに、1月も しないうちに持ってきてくれたと思います。そこからいろんな方のお力も借りて、この冊子にしていった わけですけれども、そういった動きに少しずつ繋がっていくのかなと思っています。  こちらは協議会です。里海づくりを推進していくためのものですけれども、円卓で会議をしているだけ ではなく、こんな感じで、これは実際女木島っていう、高松港から10分、15分ほどフェリーで行けばすぐ 近くにある島でやりました。島で地元の方と一緒になってやっています。構成なんかはこのビジョンの 最後のページにも載っていますけれども、座長は香川大学の先生にしていただいて、あと本当に海、山、 川、いろんなところに関係する方であったり、子供に関係するPTAであったり、それから環境であった り経済であったり自治会であったり、結構いろんな団体さんに関わっていただいて、その中でやっていき たいのは、とにかく繋がりをつくっていくことで、そこからそれぞれのところで何ができるかっていうこ とに結び付けていただきたいと思って、こういういろいろな方が、対話ができる場というのをつくって いっています。  こちらは王越という、過疎高齢化が進んでいる地域なんですけれども、こういうふうにすぐ前には海が あって、山があってっていう、非常にいいところです。ここでやろうとしているのは子供たちを中心に里 海体験、子供のときの体験というのを重視してやっていこうということで、その機会を増やすための拠点 づくりを進めています。右のほうにありますけれども、実行委員会をつくって取り組んでいるんですけれ ども、その中にも香川大学さんに入っていただいて一緒になってやっております。  こちらはネットワーク化ということです。山は山の活動、里(まち)で川の活動をしてらっしゃる方、 海の辺りで活動していらっしゃる方、それぞれにはいらっしゃるんですけど繋がりがないんですね。それ をちょっと皆さんで連携して活動をしてもらおうということで、今一緒になってネットワーク化を進めて います。これは鴨部川というちょっと東のほうの地域のところの事例の写真を入れていますけれども、そ ちらの地域にある徳島文理大学の学生さんが関わっている事例です。こうやって繋がりづくり、地域間を 繋げていく取り組みです。  こちらが「聞き書き」プロジェクト、里海名人、里山名人といったお年寄りからその知恵をいただいて 次の世代に繋げていこうという、世代間を繋ぐようなプロジェクトです。こちらは参加者として、学生さ んたち、例えば香川大学や香川高専の学生さんや高校生など、多くの若い方が参加してくださいました。  こちらは「離島の海ごみツアー」というものですけれども、海ごみの溜まりやすいところにはとにかく すごい量が、何トンも溜まるわけですね。島に溜まりやすいんですね。島は少子高齢化などいろんな悪条 件が重なって、なかなか処理も進まないんですけれども、そこを逆に皆さん楽しみながら島に行っても

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らって、ちょっとスポーツ大会的な要素も入れながら、島そのものを楽しんでいただく。食とか地元の人 の交流とか、そういった里海体験もしながら海をきれいにしようというプロジェクトでした。こういった ところでも香川大学の「またたび」といって、観光ツアーで地域活性化していこうというグループがあっ て、そちらのほうにお話を持っていって一緒にやっていただきました。こちらは、昨年、この取り組みで 賞をいただいたということでご報告をいただいたところです。日本観光振興協会主催の「産学連携ツーリ ズムセミナーin関西」で最優秀賞を取られたということですね。  こちらがシンポジウムで、この3月にしましたが、写真を見ていただきますと、実は真ん中のところに 子どもたちが座ってるんですね。その周りに参加者といいますか、大人の方たちがぐるっと囲んで座って います。真ん中にいるのは香川大学の附属小学校の子供たちです。里海をテーマに、研究授業など、授業 の中で取り組んでいただきました。子どもたちの発想とか取り組みが良かったので、是非これは大人にも 聞かせたいと思って、ちょっと公開授業のようなかたちでしたものです。参加型で、子供たちとそれから 周りの大人たちが後半戦は一緒になってですね、どうやって里海づくりを進めていくかっていうことをみ んなで話し合いました。このときも先ほどの「聞き書き」のプロジェクトのお兄さんたちがここにゲスト スピーカーとして話に来て、小学生、それから大学生、それから大人、社会人っていうことで、皆さんが いろいろ出会いながらやっています。これは調査研究です。大学が一番得意とされているところだと思い ます。  今お話ししてきたことは、この3年間の取り組みです。本年度からやろうとしているのが、「かがわ里 海大学」です。この4月に開校したばかりです。「知る・楽しむ」「仕事に活かす」「つながる」この三つ をテーマにやっています。左が一般コース、真ん中が専門コースとありますけど、専門コースで育成した 人間を一般コースの講師にと、そういった繋がりを持ったつくりとなっています。  こちらが一般コースの風景ですね。左上に清國先生がいらっしゃいますね。こちら(香川大学)の奥の 建物でやったときの様子ですね、香川大学の先生に講師になっていただいたりしています。こちらは専門 コースのほうですね。子供たちに里海体験をしてもらうためにも、きちんとしたプロガイド、危機管理も きちんとできる人間を養成していかないと、海にさあ行きましょう、山に行きましょうと言っても、それ はある意味無責任なので、きちんとプロとしてやっていける人材を養成しています。あとはですね、ファ シリテーター養成だったり、食から入っていこうとか、いろんな多様性を持ったコースになっています。  この「知る・楽しむ」「仕事に活かす」「つながる」という3つのテーマをもって、ここ里海大学からい ろんな人材を輩出していって、そこから化学反応していってどんどん広げていこうという、一応作戦なん ですけれども。ですから、ここはプラットフォームとしてつくりあげていきたいということでやっていま す。  今まで県が中心となって、香川大学さんやほかの大学さんにお声掛けをしながらやってきたんですけれ ども、里海大学は香川大学さんと一緒に立ち上げることにしました。やはり教育の場としての大学、研究 の場としての大学、いろんな資源を持っていらっしゃるので、県だけではやれないことを香川大学さんと 組んでやりたい、ということで一緒に設立というかたちにさせていただきました。  これまでの連携した取り組みはざっとこんな感じですね。いろんなかたちで関わっていただいていま す。関わり方はいろいろあるんだなと、今回まとめながら改めて思ったところです。こういったことで、 今、里海人をどんどんどんどん増やしていっているところで、この中にも学生さんがたくさん入ってきて くれています。先生方もいろいろ関わっていただいています。去年はお陰様で、環境省などから賞をいた だくことができました。こういった取り組みをどんどん広げていきたいなと思っております。どうもご清

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聴ありがとうございました。 【第3発表】 長尾 敦史 香川大学瀬戸内地域活性化プロジェクト 地域連携コーディネーター(東かがわ市)  タイトル:瀬戸内地域活性化プロジェクト~東かがわ市の事例を中心に~  香川大学で、知の拠点整備事業といいまして、いわゆるCOC事業ですが、そこで主に東かがわ市での コーディネート業務に携わっております長尾といいます。  最初に簡単ではありますが、香川大学におけるCOC事業のご説明から始めさせていただきたいと思い ます。本学のCOC事業は、基本的には自治体と連携しながら進めております。高松市を始めとする県 内の5市、三木町、宇多津町の2町が中心となってCOC事業を進めています。教育面では学生が実際に フィールドワークに行きながら地域に入っていって、様々な活動をしております。研究面では先ほど徳田 雅明先生のほうからお話がありましたように、希少糖関連ですとか、医療・福祉関連ですとか、ものづく り事業に関して行っております。そして、生涯学習機能ですが、サテライト事業を展開しております。現 在、県内4市1町で開設しております。サテライトオフィスでは月1回から2回のペースで先生方が講座 を開いていただいている状況であります。  ここでちょっと詳しく、瀬戸内地域活性化プロジェクトを紹介します。どこの県でもそうだと思います が、香川県は特に人口減少や高齢化が進んでいて、様々な地域課題を抱えております。解決策は何かなっ ていうのを自治体職員さんとか県の担当者さんとお話ししていく中で、定住促進、観光、商店街振興、離 島振興、コミュニティ活性化、等々、具体的に考え出していけば何か解決策に繋がるんじゃないのかなと いうのが、この取り組みのきっかけです。このように香川大学では自治体と連携しながら、地域活性化策 の検討と地域で実践活動を行うことで、地方創生に関わっていく取り組みを行っています。大学は地域コ ミュニティを繋ぐ拠点になれればいいのかな、という感じで始まったのが瀬戸内地域活性化プロジェクト です。  瀬戸内地域活性化プロジェクトを中心とする教育カリキュラムの体系を少しご説明したいと思います。 全学共通科目で、瀬戸内地域活性化政策という科目を設けております。この科目はいわゆる座学型講義で して、大学院の地域マネジメント研究科の先生が、公共政策としての瀬戸内地域活性化はどういうものな のか講義をしています。その下に、1年生から4年生まで対象ではありますが、プロジェクト型科目とし て瀬戸内地域活性化プロジェクトという科目と、あとフィールドワークの科目として地域インターンシッ プ、地域活動という科目もあります。これらフィールドワーク型の活動と、さらに合わせまして学部の専 門科目の中でフィールドワークを行っている授業もありますので、それらと連携しながら教育体系を構築 しております。  次に、活動エリアです。東かがわ市、高松市、三豊市、観音寺市、そして離島と、こんな感じで県内全 域をエリアとして活動しています。今日お話させていただくのは、特に東かがわ市に関することです。東 かがわ市はこの四つのエリアで活動しています。  東かがわ市には平成25年度から入ってきました。一番はじめに入ったのが相生地区でして、次に丹生、 五名、三本松、現在4地区、それとプラスアルファ「笠屋邸」というところでも学生が主体となってカ

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フェの運用を行っております。基本的にですけど、この4地区ともおおむね旧小学校単位です。  実を言いますと、それぞれの地区すべて、今残っている小学校は統廃合になっています。ですので、か なり人口減少が顕著なエリアです。各地区特徴がありまして、複数の自治会が存在しているので、決して 1個の自治会だけとやりとりしている感じではないのが特徴です。東かがわ市の考えている地域コミュニ ティのあり方について一緒に議論していく中で、複数のコミュニティをどういうふうにしてより強固に形 成していくかという話があります。あと小学校がなくなるということはふるさとがなくなるということで はないのかなということが、私たちの問題意識としてあり、それらを踏まえて、これらの地区に携わって おります。  コーディネート業務のちょっと簡単な説明ですが、大学と地域と自治体と三つのそれぞれのステイクホ ルダー、それぞれ思惑がいろいろありますので、その思惑とかやりたいこと、やってみたいことを、上手 にわれわれが話を聞きながら、いろいろ調整をしていくことです。  次に実際に取り組んでいる研究手法についてお話させていただきます。コミュニティデザインという研 究手法をわれわれは取っています。それはプロジェクト統括の先生である経済学部の原直行先生と連携し ながら進めています。人が繋がる仕組みを設計し、地域の課題を地域で解決することができるようにする 手法で、山﨑亮さんという方が、このコミュニティデザインというものを提唱し始めました。われわれも 実際の地域に入っていくときに、どういうふうにすれば地域の方が解決できるようになるのかなと考え、 この手法を取らせていただきました。  次に一つの事例として相生地区に関する簡単な説明をいたします。香川県の東の端にあたって、先ほど 大倉さんからお話がありましたように、里山、里海、里地っていう三つの要素がある地区です。具体的に 相生地区活性化についてちょっと書きましたが、まず初年度、平成25年度は少しずつフィールドワークを 行ったり、そのエリアには地域産品というのがもともとなかったところでしたので、まずは学生と一緒に 地域産品をテーマとした商品開発を行いました。実際には和三盆を使ったカフェを開設させていただきま した。9月には相生ふるさと祭りに参加したり、11月には「笠屋邸」というアンテナショップでの営業を 開始したりしました。  こんな感じで1年目を始めながら、昨年度の活動としましては、少しずつ高度化をさせています。実際 にフィールドワークに入っていく際に、いきなり場をつくるという感じではなくて、はじめは一緒に学生 と地域の方とゆるりと話をしながら、「何かいいものないかな」っていうのを探していく中で、「地域でい ろいろ探してきたらいいものあるよね」って話になっていきました。その中で一つ何かしら記録を残した いっていうのが地域の方から要望がありました。  次に考えたのが、学生ができることなんだろうかってことです。学部の1年生、2年生っていうのは何 かしら大きなものをつくったり、あと何か製造したりすることが基本的に難しいので、学生ができること は何だろうかと考えると、マップがいいのではないかということになりまして、マップづくりをしまし た。具体的なマップっていうのが、こんな感じです。「カダイ女子が巡る噂の相生ふるさとMAP」をつく りました。学生が地域の方々にインタビューをしていく形式をとり、この時期から地元の方との意見の交 換が活発になっていきました。ワークショップでは、マップの具体的な体裁を作り、地域資源に関する噂 を軸とするコンセプトで地元の方々の思い出や言い伝えなど、地域のソフトな部分を中心にまとめていき ました。その後はマップ掲載の許可などを各方面と交渉を行い、掲載内容について地元の方と推敲を重 ね、マップを完成することができました。  こんな感じで相生地区で最初にマップができたことが、その後の活動に繋がっていくことになっていき

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ます。「相生むらあるき」、これは平成26年から実施しました。もちろん相生地区のむらあるきも学生から の提案でした。地域の方と一緒に街中をめぐる活動を行いました。また実際に地域の方が自分たちでこの マップをつくったことをきっかけに、何かしら自分たちも活動できないのかなっていうふうに自主的なか たちで看板をつくりました。次に取り組んだのが、マップをさらに活用すべく、相生でのCMづくりを行 いました。学生はこういうCMつくったりするのが結構好きな子たちが多かったりするので、今はiPhone とかで動画を簡単に撮れたりしますので、身近な感じで学生がCMをつくってくれました。  今の話は相生の話ですが、2年目、3年目になってくると、学生の視点から地域課題に取り組んでくれ るようになりました。その1つ目が寺子屋です。寺子屋っていうのは、地域に住んでいる子どもたちには 地元愛がなかなかなかったりするので、地元愛を育てるために地域の方と子どもと、あとお父さんお母さ んの交流できるような場所をつくってはどうかなっていうのを、学生のほうから提案してくれました。内 容としては、バターでシャボン玉をつくったり、現在10回ぐらいやっています。9回目には親子で餅つき をしたり、里海体験をしたりしました。  五名地区では「五名ええとこ感謝祭」ですね。五名地区は地域創生といいましょうか、割と全国的にも うまくいっている地域事例と言われているところです。しかし、取り組みが多くなりすぎて自分たちがも てなすばっかりになっているという話を伺いました。そこで、学生のほうが何かできないかと考えて、学 生の自分たちが五名地区の方をもてなしてみようということになり、この取り組みを行いました。そのほ か、また、三本松では20年ぐらい前まで販売していたガリベンを当時の創業者さんと一緒に復活させまし た。昔から知っている人は当時を懐かしんでいただき、初めて知った方には当時の三本松を知ってもらう 機会になりました。また、三本松では同時に地域の方とまち歩きをしてMAP作りにも取りくんでいます。 また、丹生では、ジオサイトや里山などをめぐることを目的としたサイクリングマップを作っておりま す。  この古民家は、「笠屋邸」といいますが、ここでは、先ほどお話したスイーツを提供したりしています。 月1回はイベントを行ったり、あとひな祭りなどにはわれわれでケーキを出したりしています。  次に地域から出てきたものを学生と共に課題解決しましょうということでやりました。代表的なのがこ の二つです。一つがコミュニティビジネスの支援です。コミュニティビジネスは、自治会が自分たちの活 動費を稼ぐために行っています。相生地区では、ミシマサイコの薬草を栽培しています。ミシマサイコと いう薬草は全量買い取りしてくれる制度があります。自治会がどういうふうにお金を集めてファンディン グして次何に使うかというような事業計画をつくったり、栽培を手伝ったり、それらの活動を香川大学と してご支援させていただくというかたちを取っています。もう一つが、ふるさと村まつりの企画です。地 域のお祭りですが、われわれもステージ企画でのダンス、出店での飲食の販売を行いました。このような かたちでご支援させていただいています。  次に自治体とのコラボレーションのお話を少しさせていただきます。東かがわ市では、昨年度「東かが わ市総合戦略」といって、今、人口ビジョンと総合戦略を全国の自治体が策定しています。その総合戦略 づくりを学生と自治体職員さんとで一緒に行いました。具体的には、人口減少対策に向けて、今年度から 5年の間に取り組まれる総合戦略の事業内容について本当な必要な取り組みなのか、他に必要な取り組み はないのか学生の視点から考え、提案させていただきました。戦略づくりのために学生たちがいろいろ聞 き取り調査に行って、その成果を最終的には市長さんの前で学生がプレゼンテーションさせていただきま した。学生にとっては、自治体、行政の用語はなかなか難しいですが、難しい行政用語を勉強したり、あ るいはどういうふうなかたちで今の自治体が戦略を立てて戦術をつくっているか、大変勉強になったと話

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しています。実際に東かがわ市の一つ一つの事業内容には目的がしっかり定められ、その上で市の行政が 働いているということを学生は実感したようです。  また、自治体側も、最近は若者をどのようにして定住させていくかということが、これ結構大きなテー マになっていまして、それらを一緒に話していく中で、いろんなヒントが聞けて良かったですという意見 をいただきました。さらに、これらの取り組みの成果、対外的な成果出てきています。二つ賞を取ること ができました。一つ目が教育旅行研究大会で最優秀賞を受賞することができました。実際に東かがわ市で ジオサイトツアーというのを学生たちが計画して提案したもので、受賞することができたのがうれしかっ たです。もう一つは、全国学生討論大会の地域経済部門で1位を取ることができました。  最後に、大学が地域へ貢献できたことをちょっと書かせていただいております。一つは実際に学生が地 域に入っていろいろ活動できたことは非常に良かったのかなと思っています。それぞれの地域の良さの再 確認って書いていますが、これは地域の方は意外に自分が住んでいるところの良さを知らなかったり、気 付いていなかったりするので、そこにわれわれが入っていくことで、地域ってこういうところがいいとこ ろだよねっていうようなことが再確認してもらえたことです。さらに学生のメリットといたしましては、 地域の年配の方は非常にご経験が豊富ですので、本当にいろんなお話をしてくださいました。学生って普 段は自分たちだけのコミュニティしか持っていないのですが、違った年代からなるコミュニティの方々と お話しすることによって、自分たち自身も成長しているのかなと思っています。最初は、なかったのです が、地域での主体的な活動も生まれるようになりました。大学生と地域社会がかけあわせることによっ て、相互に成長する関係がうまれたと考えています。  このようなかたちでコミュニティの主体的な活動を継続的に支援させていただいています。大学生と地 域社会が相互に成長する関係ができているというふうに私としては実感しています。このようなかたちで 東かがわ市の域学連携というかたちでプロジェクトが進んでおりますが、今後は、東かがわ市内のソー ス、技術を使いながら、地域間、ほかの地域との連携も現在は考えています。現在は四つテーマを設けて いますが、商品開発とか、商工連携ですとか、観光振興とか、定住対策というのを中心にプロジェクトを 進めているところです。以上、簡単にですがお話させていただきました。ご清聴ありがとうございまし た。 【質疑応答】 山本  ありがとうございました。以上3点の事例発表を以上行いました。簡単に私のほうで改めてまと めますが、3点とも香川大学の特徴的な取り組みです。1点目の白木先生からのご報告は、防災に焦点 を当てています。防災士養成、これはもともと大学の学部学生向けにやっていたものに一般の方々も 入っていただいたんですけれども、それが社会人向けの取り組みにも発展をしていった。さらには、よ り専門性の高いものということで大学院の取り組みというようなところにまで広がったと、そのような 取り組みでした。   2番目の大倉さんの発表は、香川県は瀬戸内海に面しているということで、里海づくりを改めて地域 課題として県民挙げて実施していこうという取り組みです。それを香川県単独ではなく香川大学と提携 しながらやっています。   そして3番目の取り組み、これはCOCの取り組みとしてここ数年力を入れている地域活性化事業で す。学生が地域に入っていって様々な取り組みをしています。

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  そのような三つの事例を皆様にご紹介させていただきました。いずれの発表も短い時間だったので、 詳しいところでまだまだ聞き足りないというところもあるかと思いますので、ここで質疑応答の時間に 入りたいと思います。   冒頭にも申し上げましたとおり、研究報告にこの成果を掲載いたしますので、質問のある方は挙手い ただいて、ご自身のご所属とお名前、どなたへの質問かということも合わせて言っていただいた上でご 発言をお願いいたします。それではいかがでしょうか。はい、村田先生。 村田  和歌山大学の村田と申します。今日は香川大学の三つのプロジェクトのご報告で勉強させていた だきました。ありがとうございました。質問を少し、生涯学習センターに特化した質問をさせていただ きたいんですが、お三方にそれぞれの実践における生涯学習センターの役割、あるいは関与なら、具体 的にどういったことであったとかについて少しご説明をいただければありがたいと思っているんです。   それから、白木先生のほうには、今コーディネーターの山本先生がまとめられたんですが、先ほど学 生教育としての防災士養成から始まって、科目等履修で成人が学生教育に参画した段階があると。のち に地域からの要望もあって週末に生涯学習教育研究センターでプログラムが展開されていったというご 説明がありました。学生教育も一方で継続されていて、現行のプログラムとして生涯学習教育研究セン ターで地域を対象とした防災士教育が同時になされたのか、あるいはそこが融合されてなされたのか、 最後に今後とも生涯学習センターとの共同を進めていきたいとおっしゃっていたので、もう少し1点目 の質問と関係しますが、具体的な関係性などについて補足いただければありがたいです。 山本  それでは白木先生から順番にお願いします。 白木  ご質問有り難うございます。学生用のものは当然継続しています。これはスタートのときから共 通教育科目として実施するということでスタートしておりまして、東日本大震災の発生する2年前から 実施しています。東日本大震災が起こって以降は全学部から非常にたくさんの学生さんが受講するよう になりました。残念なことに学生さんについては受験料3千円と登録申請料5千円が別途かかりますの で(注:防災士になるためには、講義を受けるだけではなく、防災士資格取得試験を受験して合格する こと、救急救命講習の受講が必須であり、さらに登録が必要になる)、単位だけ取得して防災士の資格 取得試験を受験しない学生さんが多いのが現状です。防災士になってもらう学生さんを増やしたいので すが、現状は200数十人受講して防災士になるのは50人ぐらいです。地域の方は受講生130名程度全て受 験されて、全員合格して資格取得をされています。資格取得された方全員が登録申請されているかまで はわかりませんが、ほぼ全員がされていると思います。   生涯学習教育研究センターの関わり方についてですが、大学が科目等履修生として認めた場合は手続 き等担当学部を中心的にやってもらえますが、別途、公開講座とし実施する場合は実施する主体の窓口 は生涯学習教育研究センターとなります。そうすると学生用の対応と一般の方への対応も別途実施する 必要があります。一般の方に対する事務的な扱い等については生涯学習教育研究センターの支援が必要 になります。地域も行政が支援する場合、この生涯学習教育研究センターで対応していただく方が今回 のプログラム上では有効でございます。今後、大学が防災士会や自主防災会等、地域で活動される団体 と連携して活動することを考えますと、生涯学習の一環として実施することが、非常に有効なのではな いかと考えます。それでよろしかったでしょうか。   大学院でのプログラム展開について補足です。一般の方が防災士養成講座を受講して防災士の資格を 取得された後、次のステップって先生ないんですか、大学が何か用意していただけるんですかっていう お話しがありまして、ステップアップをしたいっていう方が多くいらっしゃいます。香川大学では、徳

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島大学と連携して防災・危機管理の専門家を養成するプログラムを大学院修士課程の特別プログラムと して、平成25年度から実施しています。このプログラムは平成24年度文部科学省大学間共同教育推進事 業に採択され、平成28年度までの5年間実施することで開始しています。ステップアップしたい社会人 の方には、そのプログラムへの参加を勧めています。この取組は香川大学と徳島大学の連携で実施して いまが、香川県と徳島県も連携組織として参加していただいています。連携組織である行政関係の方に ついては、受講料等は無料にさせていただいています。一般の社会人の方については有料です。   このプログラムへの参加者数についてですが、両大学合わせて大体四十数名で、学生さんがそのうち 二十数名、社会人の方は医療コース、学校教育コースの受講者は少ないですが、行政・企業コースはか なりの数になります。学校教育コースの受講者数が少ないというのは、夜6時半から8時が開講時間に なりますので、学校の先生方は勤務の関係で参加しにくいのかもしれません。その辺がちょっとコース によっては偏るような問題があります。以上です。 大倉  里海大学のほうは、パンフレットを開いていただけたらと思うんですけれども、先ほどご説明し たように、専門コースと一般コースという二つがございます。専門コースのほうは何万とかっていうお 金を受講生からいただいて、かなり本気の方を養成していくコースで、認定制度とかもつくっていこう ということでやっているものなんですけれども、もう一つの一般コース、これは県民向けのコースで す。ですからこちらのほうは、特に生涯学習センターの講座の中とか、そういったところでも是非やっ ていただきたいということを、実は最初にご相談をした際にお話させていただいたので、そういった取 り組みの仕方を是非お願いしたいと思っています。   あとは生涯学習センターの先生方にですね、大学内との繋ぎ役といいますか、大学内でどういったこ とができるか、事業化を先ほどしていくというお話もちょっとさせていただきましたけれども、ある意 味コーディネーター役をしていただいているというところもあります。大学内にいろんな学部とかいろ んな先生方いらっしゃる中で、私どももお一人お一人と芋づる的にお話をしていただくことはあるんで すけれども、やはりじゃあこんなところのこんな先生であればこういう話を持っていけばいいんじゃな いか、とか、そういうところをやっていただけるっていうのは、大学内で生涯学習センターの先生とい うのは非常にありがたい存在だなと思っております。そういったところで非常に期待しているところで す。 長尾  COC事業と生涯学習センターとの関係性なんですけれども、香川大学ではサテライトオフィス というものをCOC事業で協定を結んでいる各市町村のところで一応展開しています。香川大学の場合、 サテライトオフィスを設置する前まではどうしても高松地域だけに香川大学の名前が知れ渡っていると いいましょうか、東讃、東のほうとか西のほうとか、遠いところの人たちからしてみたら香川大学って 何やっているところなのかなというようなイメージを持たれてたんです。ですが、サテライトオフィス を設置することで、そこで生涯学習的な科目も提供させていただいておりますので、香川大学としては 地域貢献事業ができてるのかなとは考えています。   また、自治体と普段から密に連携していく中で、自治体と香川大学との関係性の向上といいましょう か、今まで国立大学が法人化する前までは国と大学との関係だけだったんですけれども、各自治体との 関係性が密にできることによって、自治体さんたちも長寿大学とかなんとか大学っていうの結構つくっ てたりするんで、その生涯学習の一環としてもネットワークづくりがうまくいっているのかな、という ふうに考えております。 山本  私のほうから一つだけ補足させていただきます。かがわ里海大学につきましては今年の4月に開

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校したばかりですが、一番右に協議会というのがございまして、メンバーの一人に清國センター長が 入っています。協議会の下に実際の講座の運営に関する運営委員会というのがあるんですが、そちらの ほうのメンバーに私が入っております。そのようなかたちで、組織の中にメンバーとして入っていると いうことです。組織としてというよりは、どちらかといえば今のところは個人としてというようなとこ ろではございますが、将来的にはというか、先々プランとしては先ほど大倉さんがおっしゃったよう に、大学との繋ぎ役というようなところが期待されているのかなと考えております。   それではほかにいかがでしょうか。はい、どうぞ。 西川  連続ですみません、和歌山大学の地域連携・生涯学習センターの西川と申します。よろしくお願 いします。   2点ございまして、白木先生には人材活用のところで災害・危機対応支援センターを別途NPO法人 としておつくりになったと。そのとき事業計画とか理事構成、大学はその法人にどれくらい関与するの かっていうところを事実確認として教えていただきたいのが一つ。   二つ目はお三方に聞きたいんですけども、白木先生と長尾さんにはですね、いろんな取り組みはお聞 かせいただきましたけれども、よくある大学の中からの批判といいますか、意見の中で、「それ大学が すべきなんですか」「それ自治体がやるべきちゃうの」っていうそもそも論を突き付けられたときに、 多分突き付けられるんだろうと思うんですけれども、それをどうさばいたかっていうのを教えてほしい です。そして大倉さんのほうには人材育成のところで、香川県庁の中で里海大学という取り組みをされ てますけれども、一方で教育委員会も社会教育で人材養成の部局があると。そことのセッションがある のかないのか、教育委員会とですね、県庁の中でセッションがあるのかないのかというのをちょっと教 えていただければと思います。よろしくお願いします。 山本  それではまず白木先生に1点目のNPO法人のことを、お願いします。 白木  NPOにつきましては、この6月に正式に発足しました。当初は修了生に理事を務めてというふ うに考えていましたが、スタートはやはり大学が責任を持とうということで、私が理事長を務めてい ます。副理事長は徳島大学の先生と香川大学の先生です。NPO活動が軌道に乗るまでは大学が責任を 持って支援するということでやっています。   これはもともとこのプログラムを始めるときに、修了証を渡すだけではない、修了生の皆さんが名刺 に書ける肩書きみたいなものを授与できるように、ということをスタートから考えていました。そこ で、まず資格として「災害・危機対応マネージャー」を日本特許庁に商標登録しました。次に彼らのフォ ローアップということでNPOをつくっています。それでいろんな情報共有やフォローアップ研修とか 実施していますが、今後、行政が大学と関係するような事業についてもNPOが関わっていくことを考 えています。   もう1点は、大学がすべきかどうか、ということですね。東日本大震災が起きてから5年過ぎました けども、10年ぐらい前からこういうプログラムを実施したいということでずっと言い続けていました が、東日本大震災が起こるまではこれは行政の仕事で、大学がやる仕事じゃないですね、言われまし た。これはどこの大学でも同じだと思いますが、防災は行政の仕事という考え方があり、大学で防災教 育をするという視点はなかったですね。研究の一環としてこれまでも防災とか危機管理に関する研究を 行政と連携して実施してきましたが、これから実際に重要なのは教育で、教育は大学の本来の役割です ので学生さんにはきちんとした危機管理知識と意識をもって行動できるように教育しないといけないと 思います。今後四国では南海トラフ巨大地震の発生が想定されていますので、大学生はもちろん、もっ

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と幼稚園児、小学校生の教育で、理科とか数学と同様に防災を学ぶ科目、時間が必要なんじゃないかと 思っています。そうすると小学校や中学校に防災を専門とする先生が必要になります。そのような状況 になれば社会の防災意識が高まり、地域の防災力の向上に繋がると思います。大学がもっと積極的に関 与すべきだというふうに思います。   その手始めとして、小学校の先生方の教員免許状更新のときに、今年から防災関係の研修を取り入れ てもらうようにしています。その研修に先ほど紹介しました防災教育訓練シミュレータを活用していま す。このシミュレータは文部科学省からいただいた予算で香川大学が開発したものです。既に千数百人 の方がこの3年ぐらいで体験に来られています。一度体験していただけたらよい気づきが得られると思 います。学校の先生方が来られてシミュレータによる訓練を体験された後に必ず「このような事態は想 定していなかった。このような事態が起これば自分だけでは対応ができない。事前にどうするか学校全 体で考えておく必要がある」と感想を述べられています。気づきをもとに対応を検討するという機会を つくっていかないと、防災意識を変えることは難しいと思います。そのため、防災教育は大学の仕事か ということではなく、いや大学しかできない、大学がやらないといけないというふうに思っています。 大学は特許が取れるような研究とか、予算獲得に繋がる事業だけでは私はだめだと思っています。 山本  続いて大倉さんに。はい、お願いします。 大倉  教育委員会との絡みということなんですけれども、このビジョンの最後にですね、実は推進体制 というところ、協議会の下側にですね、庁内検討会っていう組織を立ち上げています。その中には教 育委員会も当然入っていただいてということで、県庁内の横の連携といいますか、なるべく取れるよ うにということにはしておりますけど、なかなか教育委員会から入っていくのは難しいなというのが、 ちょっと実感しているところではあります。   先ほどご紹介した中に、お配りした資料の中にもあるんですけど、香川大学の附属小学校のお話をさ せていただきました。附属小学校は香川で里海づくり始めたっていうことで、いち早く興味を持ってい ただいて、昨年度もその前の年も学習のテーマとして取り上げていただきました。なかなか普通の公立 の学校では、新しいことに挑戦しづらいと現場のほうからも聞いたりもしておりまして、こういった少 しリードするような学校からまず取り組んでいただいて、そこから広げていくとかですね。   あと王越で里海ツアーというのをやっていますけれども、第1回目は実は坂出市内の中学校の生徒会 の子供たちに来てもらってやりました。そのときに、各学校の先生方等に知っていただく機会もいただ きました。現場のほうからですね、是非必要性を感じていただきたいですね。 長尾  大学がすることかどうかという批判は、当然上がりました。地域地域ばっかり言って、国立大学 がすることじゃないんちゃうかみたいな議論も起こったりしておりました。その中でわれわれが特に意 識したところは、まず香川県は特になんですけれども、18歳になったときに皆さん県外のほうに大学進 学します。関西ですとか関東地方ですとか、18歳人口がガクンと減ってしまいます。現実的に香川大学 は出身県で一番多いのは岡山県でして、香川大学は香川県にありながら、香川県民が一番じゃないとい うようなことです。こういった中でどういうかたちで地域の高校生たちを大学に呼び込むかっていうと ころで、われわれがこういう活動を通して、まずは高校生にも、大学ってこういうので地域にいろいろ 入って頑張ってやってるんだぞというのをちょっとアピールしたい。そして、より大学の色づくりって いうことを意識した中で当然批判というのをかわしたり、あるいは自治体から頑張って予算をいただい て、予算の中で頑張りますのでっていう感じで、なるべく公費がかからないようなかたちで進めさせて いただいております。

参照

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