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アモルファスGd??Ni??合金の局所構造 : シンクロトロン放射光によるEXAFS測定

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(1)

アモル ファスGd67Ni33合 金 の局所構造

― シ ンクロ トロ ン放射光 による

EXAFS測

定―

鳥取大学教 養部物 理 中 井 生 央

(1991年6月29日受理)

Abstract

ヽ│「e report studies on an amorphous Gd67Ni33 a■ Oy using extended X― ray absorption fine

structure(EXAFS)measurements The foHow″ing results about the local structure around a Gd atom are obtained from analysis for EXAFS spectra of LIH absorption edge of Gd. The Gd atom has 13.6 nearest neighbor atoms which consist of 9。 2(3d atoms and

4.4 Ni neighbors.The number of neighbors is shghtly larger than 12 atoms in the face centered cubic structure.T、 vo sorts of Ni atoms,wltich show different inter‐

atomic distance,are located arOund Gd.

§

1.

は じめに

物質 は

,温

度が下が るに従 って

,気

,液

,固

体 とその相状態 を変化 させ る。 そして通常固体 の状態 にある物質 は ミクロに見 ると

,そ

の原子配列 は広い範囲にわたって一定 の周期性 を持 った構 造 を示す。 これを長距離秩序

(LRO:Long Range Order)と

い う。 ところが団体 の状態 にあるガ ラスには

LROは

存在 しない。しか し狭 い範囲で見 ると原子間距離 とか配位数 はある程度一定 してい る。 この狭 い範囲での規則性 を短距離秩序 (SRO i Short Range Order)と 呼ぶ。 この

LROと

SRO

の観点か らいうと,気体 には

LROも SROも

存在せず,液体 には

LROは

存在 しないが

SROは

存在する。 すなわち,ガラスは液体 と同 じ原子配置の状態 にある。このような固体 の状態 をアモルファス(amor_

phous)ま

たは)F晶質 とい う。

アモル ファス状態のGd67Ni33合 金の磁気的性質 は

,ア

モルファスGdxY68 XCu32合 金 と同様 に,1)

その局所構造

,す

なわち配位数

,原

子間距離

,テ

バイ・ ワーラー因子 と密接 に関係 していると考え られる。 それ故 アモル ファス状態での この合金の磁気的性質 を理解す るためには

,そ

の局所構造 に

(2)

96 に,

ついての情報 を得 ることが重要である。

物質の局所構造 を調べ る手段 として,広域

X線

吸収微細構造(EXAFS:Extended X ray absorp‐

tion fine structure)がある。

EXAFSと

は物質の

X線

吸収 スペ ク トルにおいて

,内

殻準位 の電子の 励起 による吸収端 よ り高エネルギー側約30∼1000eVに 見 られ る微細 な振動構造の ことである。この 微細構造 は次のような理 由で現れ る。物質中の原子が内殻電子 の結合エネルギー (吸収端 のエネル ギー)β。よ り大 きいエネルギーβの

X線

を吸収す ると

,図

1(a)に

示す ように

,電

子 は運動エネル ギー△β

―E。を持 った光電子 としてその原子か ら飛び出す。この光電子 は周 りの原子 によって 散乱 される。電子 は物質波であるか ら

,図

1(b)に

示す ように

,X線

を吸収 した原子か ら飛び出 し た光電子波 と周 りの原子 によ り散乱 された電子波 とが干渉す ることによ り微細構造が現れ る。それ 故 この微細構造 は

X線

吸収原子 の周 りの局所構造 を反映 してお り

,物

質 の構造解析 の手段 として注 目されている。更 に

EXAFSは

,結

晶のみな らず

LROを

持たないアモル ファス

,液

,気

体 な ど

,原

理的にはあ らゆる状態の物質 の局所構造解析 に適用で きるとい う特徴 を持 っている。 ここではシンクロ トロン放射光 を用いてアモルファスGd67Ni33合金 の

EXAFSを

測定 し,その局所 構造 を調べたので報告す る。 △E tt β ―ど。

: 図

1.EXAFSの

現われ る模式的説明

(a)内殻準位 の電子エネルギー

E=カ

フの

X線

を吸収 してエネルギー △

Eを

持 った光電子 として 原子か ら飛び出す。(b)その光電子の進行波 (実線)は隣の原子で散乱 され る。その散乱波 (破線)

と進行波が干渉 して

EXAFSが

観淑!される。

§

2.試

料 と実験 方法

合 金濃度

67at%Gd 33at%Niの

試料 用母合金 は,純 度

99,9%の

Gdと

99.99%の

Niをアー ク溶解 し作 製 した。 この母合金 か ら単 ロール法 によ リリボ ン状 のアモル フ ァス試料 Gd67Ni33合金 (以後, a―Gd67Ni33と 表 す)を作製 した。Gd―Ni合金 系 は

,Gd濃

度67at%に共 晶点 が あ るた め

,良

質 のアモ

(3)

アモル ファスGdc7N433合 金 の局所構造

97

ルファス状態の試料 を得 ることがで きる。得 られた試料 の幅 は約2 null,厚さは20μ

mで

ある。

X線

回 折のパ ター ンに特定の結晶方位 を示す ピークが見 られない ことか ら

,こ

の リボン状 の試料 はアモル ファスであると確認 された。また このアモル ファス試料 の標準試料 として

,結

晶質の

Gd金

属(以後,

x―Gdと 表す

)と GdNi2結

晶質合金 (以後,x一GdNi2と表す

)を

作製 した。

EXAFS測

定 は高エネルギー物理学研究所

(KEK)放

射光実験施設 (PF I Photon Factory)の 実 験ステーシ ョン

BL 7Cで

,シ

ンクロ トロン放射光 を用い透過法 によ り行 った。り 図2に

PFで

の透 過法の測定装置の概略 を示す。2 5GeVのエネルギーで加速 された陽電子 は楕円状 のス トレイジ リン グの中をほば光速で運動す る。 この楕円軌道か ら放射 され る連続

X線

,図

の細線矢印で示 した経 路 を通 り

,ス

リッ トで絞 られ

,Si単

結昌のモノクロメーターにより単色化 され

,一

定 のエネルギー

E=力

ε/九 (こ こで は

,

力はプランク定数

,

θは光速

,え

は波長 を示す

)を

持つ

X線

となる。 この

X線

が試料 を透過す ると

,図

1で

説明 したように

,一

部 は試料 によって吸収 され る。 この入射

X線

の強度 (フォ トン数)r。と透過後の

X線

の強度 」をイオンチェンバーで同時に測定す る。

X線

のエ ネルギー (フォ トンエネルギー

)Eは

,Si単

結晶の角度 を変 えることによ り変化 させ る。 シンクロ トロ ン (2 5GeV) イオ ンチェンバー モノクロメー ター 図

2.PFの EXAFS測

定 装 置 (透過 法)

Niの

K吸

収端(β。=8.332keV)は

Gdの

LI吸収端(β。=8,386keV)に極めて近 く両吸収端の

EXAFS

が重なっているので,Niの

K吸

収端 のみの

EXAFSを

分離 し解析することはで きない。そ こで本稿で

Gdの

LIⅢ吸収端 についてのみ測定 し

,Gd原

子か ら見た局所構造 について議論する。測定温度 は

300K

である。イオ ンチェンバーのガス として は, r。測定用 にアルゴン (Ar)を

,」

測定用 にアル ゴン75

%と

窒素

25%の

混合ガス

(75%Ar+25%N2)を

使用 した。 また入射

X線

Eは ,Cuの

K吸

収端直前

(4)

98 Fト §

3.EXAFSの

解析 この節で はx―

Gdの

Lm吸収端のデータを例 に とって

,EXAFSの

解析方法 を述べ る。9 試料 の厚 さをグとす ると

,X線

の吸収係数μは μプ

=In[r。

/r] (1)

で与 えられ る。図3に GdのLⅢ吸収端でのフォ トンエネルギー

Eに

対する全吸収量μプの測定結果 を 示す。β。よ り高エネルギー側 に見 られ る振動が

EXAFSで

,この

EXAFSの

振動 よ り高エネルギー側 の ピー クは

Gdの

LⅡ吸収端である。図4の太 い実線 は図3のL皿収端近 くを拡大 した もので

,細

い実 線 はβに対す る微分係数 を表 している。

Gdな

どの希土類金属の吸収端で は

,図

3,図

4に示す よう に

,鋭

い ピーク (white line)が 現れるのが特徴である。 図3.x一 Gdの Gdの Lm吸 収端 の

X線

吸収 スペ ク ト ル。点線 はバ ックグラウ ン ド吸収 を示す。 図

4.図

3の吸収端 付近 の拡大図(太い実線)。 細 い実 線 は微 分 係 数 を表 す。 72 45 72 55 ど/10kev 央 〇 〇 ‘O ω ∞ 恩 ミ ︵ ヽ ミ ︶ ヽ ︵い HZ D 四 α く ︶ ヽ く 〇 〇   〇 〇   〇 〇   〇 H ︲︲   〇 〇   〇 引 淵 ︲︲ 質υ ︵仲 ︻ Z D m ∝ く ︶ ヽ \ 7 30 7

(5)

アモルファスGd67N433合金の局所構造

99

この実測 したμは

,次

の式で表 され る。 μ=μvttμ

o(1+χ

) (2)

ここでμvは他の吸収端や共存原子 によるバ ックグラウンド吸収である。

Slで

説明 したように

,EXAFS

X線

吸収原子の周 りの他 の原子 による光電子の散乱 によって起 こるので

,周

りに他 の原子がない 場合

,す

なわち

X線

を吸収 したのが狐立原子の場合

,EXAFSは

現れない。 この ときの吸収係数が μ。である。 この式でχが

EXAFSの

振動部分 を表す。 図

5,実

測 したμか らバ ックグラウン ド吸収 μvを 差 し引いた残 り。細 い実 線が

EXAFSの

振動部分, 太 い実線 がμ。を示す。 μvは吸収端 より低エネルギー側 の吉[分をVictoreenの 多項式 (Cλ

3+Dぇ

4)に より外挿 し求める。 それが図3の点線である。μか らμvを差 し引いた残 りを図5に示す。この図の細 い実線が

EXAFSの

振動部分であ り

,太

い実線がCubic Spline法で決めたμ。である。 これ までχは

Eの

関数 と考 えて き たが

,波

数ベ ク トル カ

=[2η

△E/h2]I″ (ここで

,例

は陽電子 の質量

,h=力

/2πである

)を

用い て 々の関数χ(乃)に書 き換 える。このようにして求 め られたχ(々)を図6に示す。この図で見 ると, 力の小 さい部分 の振幅 は大 き く

,

力が大 き くなるほど振幅 は小 さ くなっている。 そ こで 々の大 きな 部分の振幅 を強調す るために,図 7のように縦座標 を 々3χ (々)で表 し,これ を

EXAFSス

ペ ク トル と して以後の解析 を行 う。 蒋 令 ミ ー ミ ︶ E/keV

(6)

100 中 央 常 大 ミ ︶ k 図

6,波

数ベクトルカの 関数 として描いたx―Gdの Gd LⅢ 吸収端の

EXAFS

振動χ(拷)。 図

7,x,Gdの

Gd LⅢ吸収 端 の

EXAFSス

ペ ク トル ヵ3π (々)。 ︵ じ く 聰

とのがχ

(々)を

次の式に従ってフーリエ変換し

,動

径構造関数

(RSF:Radial Structure Function)

φ

(買)を

求める。

φ

)■

IXЩ

exp[■

dカ

=井

1杉

∽が

ぷか

2々

F isin2々

dカ

=Re

φ

(R)十

ilmφ

(父) . 0         ⇔ 0 , 瀾         〇 〇 . 〇   ︲   0 0 ﹁ = ︱     ⇔ ∞ ・ 々/A―│

(7)

アモル ファスGd67N433合 金の局所構造 101 ここで″(々)は Hannillg窓関数で

,有

限の 々の範囲(力

mm∼

力m ax)でフー リエ変換 を打 ち切 る効果 を少な くす るために用いられ る。このようにして求め られた図7の 力3χ(々)の

RSFφ

(■)を図 8に 示す。図中の太い実線がφ(R)の絶対値 (lφ (■

)│)で

,細

い実線がφ(■)の虚部 (Im φ(■)) である。 この

Im

φ

(R)が

極大 となる矢印の位置買=3.51Åが

,吸

収原子である

Gdの

周 りの最近接 の

Gd原

子の位置である。ただ しここに示 した3.51Aと い う値 は

,位

相 シフ トによる補正 を行 つてい ないので

,後

で述べ る最小二乗法 によ り得 られ る実際の最近接

Gd Gd原

子間距離 よ りも小 さい値で ある。 図8.図 7の

EXAFSス

ペ ク トル カ3χ(々)をフー リ エ変換 して得 られ る動径 構 造 関 数(RSF)φ (■)。 太い実線がその絶対値 を, 細 い実線 が その虚部 を示 す。虚部 が極 大 を示 す矢 印の位置 に最近接 のGd原 子が ある。 次 に

RSFの

絶対値 のピークを含 む父mmから資maxまで を(図8のx―Gdの場 合,買

mm=2.25A,Rmax=

3.95Å),フー リエ フィル ター法で逆 フー リエ変換 す る。そ うして得 られた 乃3χ(々)を,図 9の丸 印 で示す。 図

9.フ

ー リエ フ ィルタ ー法で図8のRSFを逆 フ ー リエ 変 換 して 求 め た 々3χ (ヵ)(丸 印)。太 い実 線 は

EXAFSの

式 は)に最 小二乗法 を適 用 した計 算 値 を

,細

い実線 は実測値 (丸印)と計 算値 との差 を 示す。 ミ ︶ ミ 聰 〇 〇 , 〇 ︲, ヵ/Aコ

(8)

102 中

EXAFSか

ら配位数

,原

子間距離 な どの局所構造パ ラメータを求めるために

,次

に示す

EXAFSの

式 を用いて

,40

図9に丸印で示す実測値 々3χ(ヵ)を最小二乗法 により解析す る。

3χ (ヵ

)=B4す

(力)Sin[2滝

賀ブ

十δメカ

)]

) また振幅4す(々)は次のように表 され る。

4メ

D=¥Fメ

D Slble郡

卜 獄 加 α

p卜 2恥

これ らの式は

,X線

を吸収 した原子か ら飛び出した光電子が周 りの原子によって

1回

だけ散乱され ると仮定することにより得 られる。ここで資プは

X線

吸収原子 とノ番目の近接原子 との原子間距離, 舟(々)は位相 シフ ト,NJは 配位数,舟2はデバィ.ワーラー因子(あるいは

MSRDと

いう :mean square relat e displacement),Fす(々)は後方散乱振幅,S(ん )は振幅の減衰因子,λプ(力

)=々

/7(7は

定 数)は電子の平均 自由行程である。最小二乗法を用いて解析 した結果が図 9に 示す太い実線である。 またこの図には

,

この計算値 と実測値 (丸印

)と

の差 を細い実線で示 している。 このようにして, 式(4ら 低)の局所構造パラメータが求められる。 §

4.結

果 と考察 この節で はx GdNi2と a Gd67Ni33を 比較 しなが ら議論 を進 める。

図10にx―

GdNi2の

,図

11にa―Gd67Ni33の

EXAFSス

ペ ク トル カ3χ(ヵ)を示す。

図10。 x―GdNi2の

Gdの

LⅢ吸収端 で の

EXAFSス

ペ ク トル カ3χ(ヵ )。 8 00 カ

/AI

央 ︵ ミ ︶ ミ o ミ

(9)

アモルファスGd67N433合金の局所構造 103

図■.a―Gd67Ni33のGdの LⅢ吸収端 での

EXAFSス

ペ ク トル カ3χ

(力)。

図10,図 11の

EXAFSス

ペクトル 乃3χ(々)をフーリエ変換 して得 られるx―GdNi2とa Gd67Ni33の

RSF

φ(資)を各々図

12,図

13に示す。x―GdNi2の場合

,図

12の

RSFの

虚部 (細い実線

)の

第1のピーク の位置 (矢印

)が

Gd原

子 の周 りの最近接Ni原 子の位置であ り

,第

2のピー クの位置 (矢印

)が

最近 接

Gd原

子の位置である。 またa Gd67Ni33の場合

,図

13の

RSFの

虚部 (太い実線

)の

1,第 2,第

3のピーク位置 (矢印)力

S,各

Gd原

子の周 りの最近接Ni原子

,第

2近

接 のNi原子

,最

近接 の

Gd

原子の位置 を表 している。ただし両図 とも位相 の補正 は行 っていないので

,買

の値 は実際の ものよ り小 さ くなってい る。 図 12.x―GdN12のGdの Lm吸収端 で の

EXAFSス

ペ ク トル (図10)をフー リエ 変 換 して得 られ る RSFφ(■)。 太 い実線 は 絶対値

,細

い実線 は虚部 を示 す。矢 印で示 す虚部 の第1のピー クの位置 に Ni原子 が,第2のピー ク 位 置 にGd原子が あ る。 Φ O ⇔   .   〇 〇 ¨ ︱ 頁 ∝ ︶ 一  ぃ倉 ︶ s E H 削 ぶ 3 F 〇 ヾ 〇       〇 W O I     O ¨ F l     o o . ¨ ︱ ミ ︶ ミ 聰

(10)

104 中 図13.a―Gd67Ni33のGdの

Lm

吸収端での

EXAFSス

ペク ト ル (図11)をフー リエ変換 して得 られるRSFφ(■)。 細 い実線 は絶対値

,太

い実 線 は虚部 を示す。矢 印で示 す虚部 の第

1,第

2ピー ク の位置 にNi原 子 が,第3の ピーク位置にGd原子がある。 3 00

P/A

この

RSFを

フー リエフィルター法で逆 フー リエ変換 して得 られ る 々3χ (乃)を,x―GdNi2について は図14に,a一Gd67Ni33に ついては図15に

,丸

印で示す。 図14.図12に示 すx―GdN12 のRSFを逆 フー リエ変換 し て 得 られ る 力9χ(力

)(丸

E「 )。太 い実線 は最小二乗法 に よる計算値 を

,細

い実線 は計算値 と実測値 (丸印) との差 を示す。 央 一 ︵区 ︶ 一  ズ 館 ︶ 日 ︼ ︵ さ く ヽ

(11)

アモルファスGd67N499合金の局所構造 105 図15。 図13に示 すa― Gd。7 Ni38のRSFを逆 フー リエ変 換 して得 られ る 力3χ(ヵ) (丸印)。 実線 は最小二乗法 に よる計算値 を示す。

EXAFSの

式(4),(5)を用いて

,図

14,図15に丸印で示す

EXAFSス

ペ ク トル 々3χ(々)に対 して最小 二乗法 を適用す ると

,表

1に示す局所構造パ ラメー タが得 られ る。 この表 に は

,前

節 で得 られ た x―

Gdの

値 もあわせて示す。これ らの局所構造パ ラメータを式 (4),G)に 代入 して求 めた計算値が図

14,図

15の太い実線である。

x―

Gdは

hcp構造で (hexagonal close packed structure),Gd原 子 は12個の最近接

Gd原

子 に囲 ま れている。

X線

回折か ら決 められた格子定数 は

,=3.6360A,θ

=5,7826Åである。つ これか ら最近 接のGd―

Gdの

原子間距離 を求 めると買

=3.573Aと

なる。一方

EXAFSか

らは

,表

1に示す ように, 資=3.57±0.01Åが得 られ る。この値 は

X線

回折の値 と良い一致 を示す。この ことか ら

EXAFSで

は 約0.01Åの精度で原子間距離が決 まることになる。 x―

GdN12の

結晶構造 は

Cu2Mg型

C15Laves構

造であ り

,X線

回折か ら決 め られた格子定数 は α=7.2056±0.0009Åである。め これか ら

Gd原

子 の周 りには,■

=2.987Aの

位置 に12個の最近接

Ni

原子

,賀

=3.120Aの

位置 に

4個

の最近接

Gd原

子があることが分かる。 力

/AJ

(12)

106 中

1.EXAFSか

ら決 め られ る局所構造パ ラメー タ

ここに は最小二乗法で決 め られた吸収端 のエネルギーβ。も示 してあ る。 括弧 内の数字 は最小桁 での誤差 を表 す。

試 料 A一Bω E。/keV 資

/A

σ2/A

央 x―

Gd

x―GdN12 a―Gd。7Ni33 Gd―

Gd

Gd―Ni Gd―

Gd

Gd―Ni Gd―Ni Gd―

Gd

7.241 7.241 7 241 35質

1) 0.01以

1) 2,9質動

o.02Ж

動 3.1質り

o.01駅

D

2.8且動

0.01項

り 3.4Ⅸ

0 0 01Ⅸ

l) 36Ⅸ

4) 0.02α

0

2.Д

0

2.ズリ 9.29rDl

a)Aは

X線

吸収原子を

,Bは

散乱原子を示づ。

b)最

小二乗法による解析のとき固定されていた

,結

晶での値を示す。

一方

EXAFSの

解析では

,12個

の最近接Ni原子が

R=2.97± 0.02Aの

位置 に

,4個

の最近接

Gd原

子 が 資三3.17±

0.01Aの

位置 にある。最近接

Gd NIの

距離 は

X線

回折 の結果 と一致す るが

,最

近接

Gd一

Gdの

距離 は幾分

EXAFSの

結果が大 きくなっている。

a―Gd67Ni33の

EXAFS測

定か ら得 られた主な結果 は次の3つである。その第1は

,Gd原

子が4.4個

の近接Ni原子 と9.2個の近接

Gd原

子合わせて13.6個の最近接原子 を持つ ことである。 この個数 は,

結晶 において最密構造であるfcc構造 (face centered cubic structure)の 場合 の12個よ りわずかに 多い値である。第2の結果 は

,表

1に示す ように

,最

近接Ni原子の位置 に

2種

類 あることである。 しか し,す べての

Gd原

子の周 りに距離の異なる

2種

類 のNi原子が存在す るのか

,Ni原

子 に

2種

類す なわち

Gd原

子 との原子間距離

R=2.83Å

を持つものと

R=3.40Aを

持つものがあるのかは,この

EXAFS

の結果のみか らは判断で きない。同様 のことはa―Ni67Y33の

EXAFSに

おいて も観測 されている。

9

3の結果 はデバイ・ ワーラー因子 σ2についてである。 σ2は

σ2=σD2+σT2

のように,構造 の乱れに起因す る項 σD2と熱振動 による項 σT2から成 る。表1のGd―

Gdの

σ2を見 ると, 300Kでの測定なので熱振動 によるσT2の寄与で,x―Gdとx―GdNi2でもある程度大 きな値0.012Å2と

0.013A2と なっているが,a―Gd67Ni38で は0・026Å2と更 に大 きな値 を示す。これ は,a―Gd67Ni33に お

いて は熱振動 によるσT2の他 に,ア モル ファス とい う構造の乱れによるσD2がヵ口ゎっているためであ る。

(13)

アモルファスGd67N499合金の局所構造 107 §

5.結

論 a Gd67Ni33合 金 の局所構造 を調べ るために

,Gdの

Lm吸

収端の

EXAFSを

測定 した。比較 のために x―Gdとx―GdNi2について も

,Gdの

LⅢ吸収端 の測定 を行 った。 その結果,a Gd67Ni33合金 の局所構 造について

,次

3点

が明 らかになった。

(1)最

近接 のNi原子 と

Gd原

子 をあわせた個数 は,結晶の最密構造の場合 に比べて多 くなっている。 鬱

)Gd原

子 とNi原子 との距離 には

, 2種

類 の異なる値がある。

0)ア

モルファス とい う構造の乱れのために

,デ

バ イ 。ワーラー因子 は結晶の場合 よ りも大 きな 値 を示す。 謝辞 本稿 は

,岡

山大学理学部前田裕宣氏 (現在米国

Washington大

学 に留学中)との共同研究 の一部で ある。アモル ファス試料 は英国

Southampton大

学B.D.Rainford教 授 と共同で作製 されたものである。 標準試料であるGdと

GdN12結

晶の作製 と

EXAFSの

測定のときは鳥取大学教育学部安藤 由和氏の協力

を得たので,ここに謝意 を表する。

EXAFS実

験 はPF Program Advisory Committeeの 承認 (PrOposal

No.88141)の

下 に行われた。

参 考 文献

1)I.Nakai,C A Cornelius,S,H.Kilcoyne,Eヽ V Lee and B D Rainford:」 Phys Soc Jpn 57(1988)2506.

2)H,Oyanagi,T,MatsuShita,M Ito and H Kuroda:KEK Report 83-30(1984) 3)H h/1aeda:」 Phys SOC Jpn 56(1987)2777

4)E A Stern:Phys.Rev B10(1974)3027

5)CA,Ashley and S Doniach:Phys Rev Bll(1975)1279

6)P A Lee and」B Pendry:Phys Rev Bll(1975)2795

7)F H Spedding,A H Daane and KヽV.Herrmannt Acta Cryst 9(1956)599 8)N C Baenziger and」 L MOriarty,Jr.:Acta Cry載 14(1961)948

図 10に x― GdNi2の ,図 11に a― Gd67Ni33の EXAFSス ペ ク トル カ 3χ (ヵ )を 示す。
表 1.EXAFSか ら決 め られ る局所構造パ ラメー タ

参照

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