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2013/10/11 FA/Tohoku_U 「応用電気通信工学」 1

無線伝送工学

2013年後期

通信工学専攻

安達文幸

デ ィ ジ タ ル 通 信 の 基 盤 技 術 で あ る デ ィ ジ タ ル 変 調 , 誤 り 制 御 , 等 化 , 多 重 化 , マ ル チ ア ク セ ス に つ いての基礎理論を学びます.そして,最近の無線通信で広 く 用 い ら れ る よ う に な っ た 符 号 分 割 マ ル チ ア ク セ ス (CDMA)を用いる移動通信システムについて概説します. 2013/10/11 FA/Tohoku_U 「応用電気通信工学」 3

内容

第1章:ディジタル変調理論 第2章:信号検出理論 第3章:誤り訂正符号化理論 第4章:多重化とマルチアクセス理論 第5章:フェージング理論 第6章:フェージング対策技術 第7章:セルラー理論 第8章:DS-CDMA 第8.1節:原理 第8.2節:Rake受信 第8.3節:リンク容量 第9章:OFDMとMC-CDMA 第10章:次世代移動通信

1章

ディジタル変調理論

電気・通信工学専攻 安達文幸 参考書 ・ 斎藤:ディジタル無線通信の変復調,電子情報通信学会,1996年 ・ 山本,加藤:TDMA通信,信学会,1989年 ・ 安達著:通信システム工学,朝倉書店,2007年

「無線伝送工学」

目次

1.1 序論 1.2 シャノンのチャネル容量定理 1.3 ディジタル変調 1.4 電力スペクトル密度 1.5 帯域制限

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2013/10/11 FA/Tohoku_U 「応用電気通信工学」 6

1.1 序論

FA/Tohoku_U 「応用電気通信工学」 7

通信の目的

通信とは何か?それは勿論,私たちの意思を伝達するこ とであろうが,最近ではコンピュータ間通信のように人間 を介さない通信も多くなってきた. 遠くの人と会話したい 送る情報:音声 電話,携帯電話 遠くの情報を知りたい,見てみたい(あるいは遠くの人へ 情報を送りたい) 送る情報:音声,データや画像 ラジオ・テレビ放送,遠隔監視,インタネット 遠くの機械を操作したい 送る情報:制御データ 遠隔操縦(無人飛行機,衛星),宇宙探査機 2013/10/11

通信技術の歴史(その1)

電話の発明 G.Bell(ベル) 1876年*1 無線電信の発明と実験 G.Marconi(マルコーニ) 1895年発明,1897年特許,1897年英仏海峡横断実験*2,1901年 大西洋横断実験 テレビ技術の開発 1926年12月25日,高柳健次郎(浜松高等工業学校)が受像機に「イ」 の字を映し出すのに成功(20世紀放送史(NHK編)による) 周波数変調(FM)方式の発明 E.H.Armstrong(アームストロング)1933年*1 トランジスタの発明 W.B.Shockley(ショックレイ)1951年*1 参考文献: 若井登監修,無線百話,クリエイト・クルーズ * 1 科学技術史,直川一也著,東京電気大学出版局

* 2 R. Jordan and C.T.Abdallah, “Wireless communications and networking: an overview,”

IEEE Antennas and Propag. Mag., vol. 44, pp. 185-193, 2002.

通信技術の歴史(その2)

AMラジオ放送 本放送1925年 米国では,1920年に開始 FMラジオ放送 実験放送1957年 本放送1969年 TV放送 実験放送1939年(走査線441本,毎秒25枚) 本放送1953年 商用移動通信サービス 船舶電話:1953年(世界で最初の公衆移動通信) 携帯電話:1979年12月(世界で最初の本格的セルラー移動通 信) 商用インターネットサービス 1993年 参考文献:無線百話,若井登監修,クリエイト・クルーズ

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FA/Tohoku_U 「応用電気通信工学」 10

通信情報と通信形態

通信情報は,インターネットの普及に伴い,音声からデー タ(テキスト情報など)や静止画像や動画像へと移ってい る. 音声 データ 画像 通信形態は以下のように3つに分類できよう.インター ネットの普及前は人から人への通信が主であったが,最 近ではコンピュータが介在する通信が増えてきている. 人 対 人 人 対 コンピュータ コンピュータ 対 コンピュータ 2013/10/11 2013/10/11 FA/Tohoku_U 「応用電気通信工学」 11

1.2 シャノンのチャネル容量定理

通信システムのモデル

送信機 送信メッセージ(例えば音声)を0, 1の系列に変換(情報源符号化とい う). 符号化:伝送路で生ずる誤りを検出,訂正する符号化 変調:通信路で伝送するのに適した周波数帯の信号波形へ変換. 受信機 増幅器で処理しやすい電圧まで増幅し,受信フィルタで雑音を低減. 復調:0, 1の受信系列に変換 復号:伝送路で生した誤りを検出,訂正 送信メッセージを復元. 通信路 情報源 変調 復調 受信者 送信信号 受信信号 雑音 受信メッセージ メッセージ 同軸ケーブル 光ファイバー 空間 電気信号 光,電波 通信路 符号化 通信路 復号 送信機 受信機

通信システムの評価基準

通信では,できるだけ狭い周波数帯域幅で,かつできるだ け少ない送信電力で伝送できることが要求される. 評価基準 単位時間当たりどれだけ多くの情報を伝送できるか(通信速度), どれほど忠実に伝送できるか(通信品質) 通信速度 単位時間あたりに伝送するビット数(bits/sec) 通信品質 伝搬路の歪み,伝送路途中で加わる干渉や雑音の影響で送信さ れたビット系列と異なる系列が受信される. ビット誤り率が品質を計る尺度として良く用いられている.

(4)

FA/Tohoku_U 「応用電気通信工学」 14

通信路の最大情報伝送速度(

1秒あたりのビット

数)を知る

通信路の帯域幅がW(Hz)で,信号対雑音電力比がS/N のとき,誤りなく伝送できる通信路の最大情報伝送速度 (ビット/秒)には限界がある. これを通信容量と呼ぶ. 帯域幅W(Hz)の通信路 雑音 信号 2013/10/11 FA/Tohoku_U 「応用電気通信工学」 15

シャノンのチャネル容量

通信路の帯域幅がW(Hz)で,信号対雑音電力比がS/N のとき,通信路の最大情報伝送速度(ビット/秒)はいくつ か? これに答えを与えるのが,白色雑音チャネルで誤りなく通 信できる最大通信速度を示したシャノンの通信容量であ る. 通信容量は次式で与えられる. 0 W (Hz) -W 周波数 通信路伝達関数 2013/10/11 帯域幅1MHzのチャネル容量を考える チャネル容量に近づける有効な手段が通信路符号化で ある.

通信限界

周波数利用効率(bps/Hz)の定義 周波数利用効率C/Wの式で,ビットレートを一定のまま で帯域幅を無限大にしたとき(C/W→0)のEb/N0の極限

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2013/10/11 FA/Tohoku_U 「応用電気通信工学」 18 Eb/N0と周波数利用効率の関係 2013/10/11 FA/Tohoku_U 「応用電気通信工学」 19

周波数利用効率と電力効率

出典:斎藤:ディジタル無線通信の変復調,信学会,1996年 BER=10-4を 確 保 す る ために必要なEb/N0. PSK,QAM で は ロ ー ルオフファクタ0.5の ルートナイキスト送信 フィルタを仮定 GMSKでは正規化帯 域 幅BbT=0.25 で 帯 域 制 限 し た と き の 99.9%帯域幅.

周波数利用効率と電力効率のどちらを

を優先させるか

C/W>1の領域 周波数利用効率が重要視される帯域制限領域で,送信 電力効率を犠牲 C/W<1 電力効率が重要視される領域で,周波数利用効率を犠 牲

1.3 ディジタル変調

(6)

等価低域表現

変調 基底帯域(ベースバンド)伝送の信号波形は零周波数付近の スペクトルを持っている. しかし,現実の大部分の通信路は零周波数付近を殆ど伝送す ることができない帯域通信路とみなされる.無線通信路はまさ にそういう通信路である. ベースバンド信号を通信路に最適な周波数帯域へ移す技術が 変調である. 変調された信号(被変調信号)の表現 2013/10/11 FA/Tohoku_U 「応用電気通信工学」 22 搬送波周波数に依存しない信号表現がよく用いられる. 2013/10/11 FA/Tohoku_U 「応用電気通信工学」 23 送信するデータに応じて,(t) と(t),またはI(t)と Q(t) を変化させる. I Q (t) (t) I(t)+jQ(t) 振幅,位相,または周波数,すなわち(t),振幅,位相, または周波数,すなわち(t),(t),またはd(t)/dtを 変化させる3つの方法がある. I(t)とQ(t)を変化させても良い. 振幅変調 Amplitude modulation 位相変調 Phase modulation

OOK (On-Off keying) ASK (Amplitude shift keying)

PSK (Phase shift keying)

FSK (Frequency shift keying)

AM

PM ディジタル(Digital) アナログ(Analog)

周波数変調

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2013/10/11 FA/Tohoku_U 「応用電気通信工学」 26

アナログ振幅変調

:両側波帯搬送波抑圧

(DSB-SC:Double sideband suppressed carrier) 被変調信号の時間領域表現 周波数領域表現 -fc +fc 0 f ベースバンド信号 振幅変調波 位相 G(f)

アナログ位相変調

被変調信号 2013/10/11 FA/Tohoku_U 「応用電気通信工学」 27 周波数領域表現 -fc 0 +fc

(8)

ディジタル被変調信号の表現

2013/10/11 FA/Tohoku_U 「応用電気通信工学」 31 T 0 1 t hT(t) 送信 フィルタ HT(f) T t フィルタ入力 T t フィルタ出力 +1 -1 +1 -1

ディジタル変調器の構成

送信2値(0,1)データ系列に対応したI(t)とQ(t)の波形 を生成し,搬送波成分cos(2fct)とsin(2fct)とに乗積 する. データ シンボル 生成 2値(0,1) データ 系列 cos(2fct) - sin(2fct) I(t) Q(t) s(t) 送信フィルタ HT(f) 送信フィルタ HT(f) {an} {bn} /2 ~ 発振器 電力増幅器 2013/10/11 FA/Tohoku_U 「応用電気通信工学」 32 位相シフト

ディジタル変調方式の分類

周波数利用効率と送信電力効率 MSK 多値FSK OQPSK QPSK MQAM MPSK ASK系列 PSK系列 定振幅 変動振幅 周波数利用効率の向上 変調方式 線形変調 AM,ASK,PSK 非線形変調 PM,FM,FSK スペクトル ベースバンド信号のスペク トルが保存される 高調波成分が発 生する 包絡線 変動する 一定 2bits/symbol log2M bits/symbol

多値PSKと多値QAM

2~16PSKの信号点配置(sn= an + jbn) (c) 8PSK 111 110 010 011 001 000 100 101 (a) 2PSK (b) 4PSK an bn 1 0 10 11 00 01 1 (d)16PSK 1111 1100 0101 0110 0011 0000 1001 1010 1110 1101 0100 0111 0010 0001 1000 1011

(9)

2013/10/11 FA/Tohoku_U 「応用電気通信工学」 35

QAM (Quadrature amplitude modulation)

(e) 16QAM (d) 4QAM “10” “11” “00” “01” (d) 2ASK “1” “0” QAM 4ASK 4ASK 信号点配置 “11” “11” “10” “00” “01” “10” “00” “01” 2013/10/11 FA/Tohoku_U 「応用電気通信工学」 36 16QAMの信号点配置(sn= an + jbn) 16QAMでは直交する2つの搬送波を振幅変調(ASK)す る. “1111” “1100” “0101” “0110” “0011” “0000” “1001” “1010” “1110” “1101” “0100” “0111” “0010” “0001” “1000” “1011” 1 16PSK “11” “11” “10” “00” “01” “10” “00” “01”

多値PSKのI(t)とQ(t)の波形(その1)

帯域幅一定のまま伝送レートを高速化 I Q 1 0 111 110 010 011 001 10 11 00 01 11 01 00 110 100 I(t) Q(t) (b)4PSK 1 1 0 1 0 0 I(t) (a)2PSK 送信する2値データ I(t) Q(t) (c)8PSK t +1 -1 Q(t) t 高速伝送

多値PSKのI(t)とQ(t)の波形(その2)

伝送レート一定のまま帯域幅の狭帯域化 I Q 1 0 111 110 010 011 001 10 11 00 01 11 01 00 I(t) Q(t) (b)4PSK 1 1 0 1 0 0 送信する2値データ t t I(t) Q(t) (a)2PSK 110 100 I(t) (c)8PSK 狭帯域

(10)

伝送レート一定の場合には多値レベルを大きくすると狭 帯域スペクトルになる 2013/10/11 FA/Tohoku_U 「応用電気通信工学」 39 (b)4PSK (a)2PSK (c)8PSK W W/2 W/3

ディジタル被変調信号の表現

2013/10/11 FA/Tohoku_U 「応用電気通信工学」 40 T 0 1 t hT(t) 送信 フィルタ HT(f) T t フィルタ入力 T t フィルタ出力 +1 -1 +1 -1 2PSK被変調信号の表現 T 0 1 t hT(t) 矩形インパルス応答hT(t) I Q “1” “0” +1 -1 -1 +1

1.4 電力スペクトル密度

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2013/10/11 FA/Tohoku_U 「応用電気通信工学」 43

自己相関関数と電力スペクトル密度

決定論的信号

決定論的信号の周波数領域での表現としてフー

リエ変換と電力スペクトル密度が存在する.

不規則信号

送信データ“0”と“1”の発生が不規則(ランダム)であ るようなディジタル伝送のような場合,ディジタル被変 調信号を不規則信号とみなして統計的に扱うことしか できない. 不規則信号の周波数領域での表現として電力スペク トル密度が用いられる. 電力スペクトル密度は自己相関関数のフーリエ変換 である. 2013/10/11 FA/Tohoku_U 「応用電気通信工学」 48

演習問題1.1

信号x(t)の電力スペクトル密度P(f)は,その自己相関関数 Rxx()のフーリエ変換であることを示せ.

ディジタル被変調波の自己相関関数と

電力スペクトル密度

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2013/10/11 FA/Tohoku_U 「応用電気通信工学」 51 2013/10/11 FA/Tohoku_U 「応用電気通信工学」 52

矩形パルス応答をもつ送信フィルタのと

きの電力スペクトル密度

0 f 1/T -1/T fc f fc+1/T fc-1/T PT(f) メイン ローブ 0 サイド ローブ PT T |HT(f)| T 0 1 t hT(t)

1.5 帯域制限

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ディジタル変調器の構成

2値(0,1)データ系列に対応したI(t)とQ(t)の波形を生成し, 搬送波成分cos(2fct)とsin(2fct)とに乗積する. データ シンボル 生成 送信 2値(0,1) データ 系列 cos(2fct) - sin(2fct) I(t) Q(t) s(t) 送信フィルタ HT(f) 送信フィルタ HT(f) {an} {bn} /2 ~ 発振器 電力増幅器 2013/10/11 FA/Tohoku_U 「応用電気通信工学」 55 位相シフト

被変調波の帯域制限

矩形パルス応答hT(t)を持つ送信フィルタ 2PSK(bn=0)のとき 0 T 1 t hT(t) 送信 フィルタ HT(f) T t フィルタ出力 1 1 0 1 0 0 送信 データ I(t) Q(t) t 送信データ T T t フィルタ入力 +1 -1 +1 -1 2013/10/11 FA/Tohoku_U 「応用電気通信工学」 56 T秒ごとに振幅 (2P)1/2のディジタル被変調波パルスを 送信する時の電力スペクトル密度P(f)は次式のように広 がってしまう. 無線通信では他チャネルへ干渉を与えることになるので 好ましくない.そこで用いられるのがナイキストフィルタで fc f +1/T -1/T T 0 1 t hT(t) 矩形パルス応答hT(t) 電力スペクトル密度P(f)

送信信号の占有帯域幅を最小化し,かつ受信

フィルタ出力S/Nを最大化するには?

送信データを表す正負のインパルスをT秒毎に送信する とき,総合(送信+受信フィルタ)の伝達関数をどんな関 数にすればよいか? T秒ごとに標本化された標本を送信+受信低域通過フィ ルタを通したとき,受信フィルタ出力波形のT秒ごとの標 本値が元の値と完全に等しくなる(すなわち他の送信 データからの影響を受けない)ようにすればよい. このような伝送系をナイキスト伝送系と呼ぶ. 送信+受信 フィルタ T t フィルタ出力 +1 T t フィルタ入力 +1 -1

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2013/10/11 FA/Tohoku_U 「応用電気通信工学」 59

ナイキスト基準

第1基準 総合インパルス応答h(t)はt=0を除いて等間隔零交差 するための条件.すなわち,h(t)をt=nTで標本化した標 本値をhnとすると 第2基準 標本点間の中点t=(2n-1)T/2においてインパルス応答 が零交差するための条件.(自乗余弦フィルタで=1の とき) 第3基準 インパルス応答の1標本区間の積分値が入力信号振幅 に比例するための条件.(Sinc(fT)の逆数を伝達関数と するフィルタ)

参考文献:W.R.Bennet and J.R.Davey(甘利省吾監訳):データ伝送,ラティス刊,1966.

2013/10/11 FA/Tohoku_U 「応用電気通信工学」 60

1基準を満たすフィルタの条件

フィルタの伝達関数をH(f) 周波数領域表現 無数の解があり得る. H(f)が|f|<1/(2T)でのみ値を持つのが理想矩形フィル タであり,H(f)=T, |f|<1/(2T).

自乗余弦フィルタ

理想矩形フィルタは作りにくい.なぜなら,インパルス応 答が無限に続くからである. 実際の通信システムでは自乗余弦フィルタが良く用いら れる. 自乗余弦フィルタの伝達関数 理想矩形フィルタ H(f) 0 f T

送受信フィルタの設計

最適伝送系のフィルタ伝達関数HT(f)とHR(f)

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2013/10/11 FA/Tohoku_U 「応用電気通信工学」 66

ナイキスト自乗余弦フィルタ伝送系のとき

2013/10/11 FA/Tohoku_U 「応用電気通信工学」 67 理想低域通過フィルタ伝送系のとき -1/(2T) 0 1/(2T) HT(f) f T

ディジタル変調器の構成

2値(“0”, “1”)データ系列に対応したI(t)とQ(t)の波形を生 成し,搬送波成分cos(2fct)とsin(2fct)とに乗算する. データ シンボル 生成 2値(“0”, “1”) データ系列 cos(2fct) - sin(2fct) I(t) Q(t) s(t) 送信フィルタ HT(f) 送信フィルタ HT(f) {an} {bn} /2 ~ 発振器 電力増幅器 位相シフト 入力パルス系列に応じたI(t)およびQ(t)波形を読み出し

専用メモリ(ROM: Read Only Memory)に記憶させ, それを読み出して変調することもできる. ROM シフト レジスタ cos(2fct) - sin(2fct) I(t) Q(t) s(t) 波形メモリ 波形メモリ /2 ~ 発振器 電力増幅器 2値(“0”, “1”) データ系列

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2013/10/11 FA/Tohoku_U 「応用電気通信工学」 70

演習問題

1.2

問1(1)ナイキスト自乗余弦フィルタのインパルス応答h(t)が次式とな ることを示せ.ロールオフファクタをαとする. (2)=0, 0.5と1.0のときのh(t)を描け. 問2(1)ナイキスト自乗余弦フィルタ伝送系の送信フィルタHT(f)のイン パルス応答hT(t)が次式で与えられることを示せ. (2)=0, 0.5と1.0のときのh(t)を描け. 2013/10/11 FA/Tohoku_U 「応用電気通信工学」 71

演習問題

1.3

問1:線形帰還シフトレジスタ(LFSR: linear feedback shift register)に 全1の初期値を与えることにより周期31ビットの周期系列が生成できる.これ に“0”の値をもつ1ビットを追加し周期32ビットの系列を生成せよ. 問2:周期32ビットの系列で生成される2PSK波形の周波数スペクトル密度を 求め,得られた結果を考察せよ. ロールオフファクタのナイキスト自乗余弦フィルタを用いる. =0, 0.5 と1.0を考えよ. スペクトルの計算には256ポイントの離散フーリエ変換(DFT)を用いよ. 比較のため矩形パルス応答を有するフィルタを用いる場合についても検 討せよ. x5 x4 x3 x2 x1 x0 周期31のLFSR 帰還結線は101001で多項式表現はx5 + x3+1

文献

参考書 ・ 斎藤:ディジタル無線通信の変復調,電子情報通信学会, 1996年 ・ 山本,加藤:TDMA通信,信学会,1989年

次回

第2章信号検出理論 2.1 整合フィルタ 2.1.1 ディジタル通信システムのモデル 2.1.2 S/Nを最大とする整合フィルタ 2.1.3 整合フィルタの伝達関数 2.1.4 整合フィルタの実現法 2.1.5 符号判定 2.1.6 最大事後確率判定 2.1.7 最尤判定 2.2 最適送受信系 2.2.1 伝送系の基底帯域モデル 2.2.2 ナイキスト伝送系 2.2.3 ナイキスト基準 2.2.4 ナイキストフィルタ 2.2.5 伝達関数の送受信フィルタへの最適配分 2.3 誤り率 2.3.1 ディジタル伝送における判定誤り 2.3.2 ASKの誤り率 2.3.3 BPSKの誤り率 2.3.4 FSKの誤り率 2.3.5 C/NとEb/N0との関係

参照

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