JICA
いちおし
9 月号
(2014 年 9 月 1 日発行) 今月の各国ホットライン 国名 掲載記事 ページ チリ 中南米の貧困・格差の是正のために 2 ドミニカ共和国 「おらが村が一番だべ!」中米・カリブ大会 3 ニカラグア ブラジル人専門家がやってくる 4 パラグアイ 「身体障害と人権」国際会議 5 ブラジル 官民連携! 動き始める「プレサル」開発のための造船人材育成 6 ペルー アマゾンのフルーツが世界を救う!? 7 メキシコ 乾燥地でアクアポニックスによる水の有効利用と持続 的食料生産をめざす!! ~日本とメキシコが国際科学技術協力~ 8 青字部分には更に詳細な情報を記載したリンクを張っておりますので、 あわせてご確認ください。2 チリ いちおし! 中南米の貧困・格差の是正のために 9 月 29 日(月)から 10 月 24 日(金)までの 4 週間、第三国研修「身体障害者リ ハビリテーション自立支援における人材育成」最終回コースが、サンティアゴ 市のペドロ・アギレ・セルダ国立リハビリテーション研究所(INRPAC)で実施 されます。ラテンアメリカ、カリブ諸国から 12 名の研修員が参加し、域内各国 のリハビリ分野及び自立支援の取組や知見を共有し、障害者や高齢者の支援体 制強化のための人材育成を目指します。 また、9 月 30 日(火)から 10 月 3 日(金)には国際セミナー「社会的弱者のため の金融教育に重点を置いたファイナンシャル・インクルージョン」がチリ社会 開発省社会連帯基金(FOSIS)との協力で開催されます。中南米地域は一般的に 経済発展が進んだ地域と言われますが、依然として所得格差が大きく、貧困削 減が大きな課題となっています。貧困対策の一環として、金融システムへのア クセス拡大を促進するために、チリを含むペルー、コロンビア、メキシコ等で はファイナンシャル・インクルージョンの取り組みを行ってきましたが、本セ ミナーでは各国の事例の紹介と教訓を共有し、中南米地域においてファイナン シャル・インクルージョンが普及されることが期待されます。
3 ドミニカ共和国 いちおし! 「おらが村が一番だべ!」中米・カリブ大会 またまたやって来ました。中米統合機構(SICA)(注 1)と JICA が共催する一 村一品(注 2)域内セミナー。これまで中米地域各国で順次開催されてきました が、第三回大会は、ここカリブの地、ドミニカ共和国で 9 月 18-19 日の 2 日間 開催されます。 今回は、各国政府から、中小企業振興などを担当する省庁のハイレベル高官 も参加。これらハイレベルの方々が、JICA が支援する一村一品の取組の神髄を 現場で実感していただくことで、各国における取組の加速化、ハイレベルのコ ミットメントを引き出そうと企んでいます。 開催国であるドミニカ共和国では、大きな声では言えませんが、政府として の取り組みはまだ始まったばかり。しかし、商工省の中小企業支援担当次官が、 指揮を執り、「他国に追いつけ!追い越せ!」と奮闘しているようです。この域 内大会が、他国の成功事例や「頑張り!」を共有する機会ともなり、ドミニカ 共和国での次のステップへつながることを期待しています。 (注1):1991 年 12 月 13 日,中米機構憲章改定議定書(テグシガルパ議定書)により設立し 1992 年 7 月 23 日に発効した、地域の経済社会統合を図り,和平・自由・民主主義・開発を達成 させることを目的とする枠組み。加盟国はエルサルバドル、グアテマラ、コスタリカ、ニカラ グア、パナマ、ベリーズ、ホンジュラス、ドミニカ共和国。最近の主要テーマは,経済圏とし ての地域の発展,治安悪化に伴う地域一体の治安対策,気候変動対策。 (注2):村ごとに特産品を育てることでマーケットを形成し、地域経済の活性化につなげよう という、日本の大分県発祥の試み。
4 ニカラグア いちおし! ブラジル人専門家がやってくる 2014 年 9 月下旬に、ブラジル国サンパウロ州の上下水道公社(SABESP)から 無収水対策のブラジル人専門家がマナグア市を訪れます。 マナグア市は、給水カバー率が 90%を超えているものの、市内の 6 割の地区 において一日の給水時間が 10 時間を下回っています。その理由として挙げられ るのが、全体給水量の約 5 割を超えるといわれる漏水・無駄水(無収水)の存 在です。マナグア市の上下水サービスを管理するニカラグア上下水道公社 (ENACAL)は、この問題に対応するために取り組んでいますが、状況の改善に 向け更なる取り組みが求められています。 2013 年より、マナグア市において無収水の第三国個別専門家派遣スキームを使 った無収水対策プロジェクトが実施されています。本プロジェクトでは、埼玉 市水道局の協力で無収水管理プロジェクトを実施した SABESP からブラジル人専 門家が年に数回マナグア市を訪れ、ENACAL 職員に対して無収水対策にかかる研 修を計画実施し、職員の能力強化に取り組んでいます。また、今後は研修と並 行して水量・水圧管理による漏水対策(ミクロセクター化)も実施する予定と なっています。日本の無収水対策の知見が、ブラジル人専門家を通じてニカラ グアに伝播されている三角協力の好事例となります。 写真: ENACAL 職員に対して水量管理に関する研修を行うブラジル人専門家のリネオ・アルメル ダ氏
5 パラグアイ いちおし! 「身体障害と人権」国際会議 9月12日(金)から9月13日(土)にかけて、第一回「身体障害と人権」 国際会議がアスンシオン国立大学のコンベンションセンターで実施されます。 イベントは国家障害者権利庁(SENADIS:Secretaría Nacional por los Derechos Humanos de las Personas con Discapacidades)、JICA、厚生省 (MSPyBS Ministerio de Salud Pública y Bienestar Social)、が主催し、嚢 胞性線維症対策プログラムを通じてUNICEF及びアスンシオン国立大学が 支援します。会議への参加は無料です。 会議のテーマとして人権に関する条約で言及された、人権、教育、健康、雇 用、スポーツ、アクセシビリティ、正義、高等教育および小児に関する議題が 取り上げられます。 また、会議はスペイン語及び手話で行われ、チリ、アルゼンチン、北米の講 師 の 他 、 パ ラ グ ア イ の 専 門 家 、 政 府 機 関 代 表 者 及 び 市 民 社 会 組 織 ( OSC: Organizaciones de la Sociedad Civil)が参加します。
国際会議の主要目的は、SENADIS を始めとした政府機関による障害者支援の方 向性が関係者及び一般市民に共有され、各機関の具体的な取組みが合意される ことです。
6 ブラジル いちおし! 官民連携!動き始める「プレサル」開発のための造船人材育成 埋蔵量 1,000 億バレルともいわれる伯国南東部沖の深海油田「プレサル」。2005 年より発見が相次ぐこの油田の開発により、2020 年には伯国が世界第 4 位の産 油国になるとも言われています。この油田の開発に向け、伯国は必要な船舶の 製造を伯国内で行うこととしたため、伯国内での需要が急速に高まる一方、造 船業の技能者や技術力が不足しています。伯国政府は、全国工業職業訓練機関 (SENAI)等を通じた 40 万人の技術者の育成を 2017 年までに行う計画であるも のの、造船企業が求めるレベルの人材が育成されていないのが現状です。 この課題解決に向け、JICA では「造船業及びオフショア開発人材育成プロジ ェクト」を 2014 年 10 月下旬から開始します。SENAI で提供される造船業向けの 職業訓練の質の向上を目指し、4 年間の協力を実施します。 プレサルの開発に必要な船舶の製造には、高い技術を有する外国の造船企業 の進出が不可欠であり、実際に日系造船企業も進出しています。本プロジェク トの対象地域は Bahia、Pernambuco、Rio de Janeiro 及び Rio Grande do Sul ですが、当該地域には日系造船企業の造船所もあるため、本プロジェクトによ る技術者の育成を通じ、日本と伯国双方に裨益する協力となることが期待され ます。
7 ペルー いちおし! アマゾンのフルーツが世界を救う!? ペルーのアマゾン北部の玄関口、イキトスには老若男女問わず人気の「アグ アヘ」というピンポン玉ほどの大きさのヤシ科の果物がある。赤紫色で魚の鱗 のような皮と、白い種との間にある黄色の薄い実を食べる。実際に食べてみる と、柔らかい食感で味はあまりせず、噛んでいるうちにわずかな酸味と苦みを 感じる。値段は 7 つで 1 ソル(約 40 円)。現地の住民の貴重なビタミン源とな っている。また、アグアヘには女性ホルモンと似た性質の「植物エストロゲン 」や、アンチエイジング効果がある「トコフェロール」を含んでおり、実から 取った油は育毛剤にもなり、フランスの化粧品会社が関心を寄せていると聞く 。 しかし現在、そのアグアヘの木が減少している。アグアヘの木は成長すると 20 メートル以上になり、実を収穫するために木を伐採するのが現地の通例。そ の結果、集落近くのアグアヘの木の多くが伐採され、集落によっては収穫のた めに片道 3 時間歩かなければならない。あまりに時間と労力がかかるため、ア グアヘの収穫を断念した集落もある。アグアヘの伐採による問題はそれだけで はない。アグアヘは泥炭地に生息しており、炭素蓄積能力が優れている。その ため、アグアヘの木の伐採は多量の炭素を空気中に放出することになり、地球 温暖化に直結する。 COP20 を前に、JICA もこの問題に注目している。地球温暖化を防ぐため、「森 林の減少・劣化の防止による温室効果ガス排出の削減(REDD+)」が現在重要な テーマとして掲げられており、JICA は REDD+の推進を目指すペルー政府の要請 に応じ、現地住民が熱帯雨林を乱伐するのを防ぐための現地調査に日本から専 門家を派遣している。その中で、アグアヘを伐採せずに収穫する方法など現地 住民が自然を守りながら生活できる集落づくりに向けた調査を行っている。現 地住民がより自然に寄り添った生活を取り戻せれば、アグアヘをはじめとする 熱帯林を守り、ひいては地球環境を守ることにもつながるのだ。
8 メキシコ いちおし! 乾燥地でアクアポニックスによる水の有効利用と持続的食料生産をめざす!! ~日本とメキシコが国際科学技術協力~ 世界の陸地の約 40%が乾燥地、その 90%が開発途上国に集中しています。乾 燥地では、水資源が乏しい上に過剰な潅漑や施肥により土壌の塩類化が進行し、 同時に地下水の塩分濃度が上昇し作物の生産性が急速に低下しており、人口増 加とも相まって深刻な食料不足が懸念されていて、乾燥地における革新的な食 糧生産技術の開発が必要となっています。 鳥取大学農学部とメキシコ北西部生物学研究センター(CIBNOR)は、水産養 殖(aquaculture)と農業(水耕栽培 hydroponics)を結合させたアクアポニック ス法(aquaponics)を乾燥地に導入することにより、環境保全と食料生産の一 石二鳥を目指す5年間の共同研究プロジェクトの実施に向けて、現在詳細計画 策定調査を行っています。注 本プロジェクトでは、まず塩分を含む地下水を用いてその塩分濃度に適した 魚種の養殖を行い、次にその排水を利用して、塩分を吸収する特性をもつ作物 を栽培することにより水質浄化を図り、最後に浄化された水を作物露地栽培に 利用します。このような乾燥地に適した新しいアクアポニックス法により、水 資源の量・質の改善と農水産物の安定的な生産を同時に実現することが期待さ れています。 ---注:地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS):JICA と科学技術振興機構(JST)
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以上
が共同で実施している、地球規模課題解決のために日本と開発途上国の研究者が共同で研究を 行うプログラム