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(1)

平成29年度 埼玉県保育士会 特別研修会Ⅳ(午前)

保育所保育指針改定のポイントと

養護と教育が一体となった保育の言語化

-第2章保育の内容を中心に-

大妻女子大学 阿部和子

(2018.2.21 コルソホール)

(2)

2

今日の目次

Ⅰ言語化の基礎:保育所保育指針を理解する 1.改定のポイント-第2章の保育の内容を中心に 2.どのように改定されたか・引き継がれたか (1)指針の章構成に関して (2)養護及び教育が一体的に行われる (3)保育の内容に関して Ⅱ改定後の保育実践 1.最初の確認:指針における子ども観 2.改定のポイントの具体的な理解ー実践に即して (1)3歳未満児 ①信頼感の形成 ②生涯にわたる学びの基礎(学びの芽生え) (2)3歳以上児 ①積極的な幼児教育 Ⅲ 保育を言語化する 1.なぜ言語化するのか 2.何を言語化するのか ①乳児保育に関して ②1歳以上3歳未満児に関して ③3歳以上に関して 2

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Ⅰ言語化の基礎:保育所保育指針を理解する

1.改定のポイント

-第2章の保育の内容を中心に

(1)乳児・1歳以上3歳未満児の保育に関する記載の充実

乳児・1歳以上3歳未満児の保育の重要性

○ 乳児から2歳児までは、他者との関わりを初めて持ち、その中で自我が 形成されるなど、子どもの心身の発達にとって極めて重要な時期である。 ○ また、近年、国際的にも、自尊心や自己制御、忍耐力といった社会情動 的スキルやいわゆる非認知的能力を乳幼児期に身に付けることが、大人 になってからの生活に大きな差を生じさせるといった研究成果などから、 乳幼児期、とりわけ3歳未満児の保育の重要性への認識が高まっている。 ○ 1、2歳児の保育所の利用率は、平成20 年度は27.6%であったが、平 成27 年度には38.1%(平成29年4月で45.7%注)に上昇しており、多くの3 歳未満児が保育所保育を利用するように変化してきていることから、保育 所におけるこの時期の保育の在り方について、保育指針においても、より 積極的に位置づけていくことが必要である。 保育所保育指針の改定に関する議論のとりまとめ 社会保障審議会児童部会保育専門委員会(2016.12)より

(4)

基本的信頼感の形成

○ 乳児から2歳児までの時期には、 保護者や保育士など特定の大人との間で愛着関係が形成され、 食事や睡眠などの生活リズムも形成されていく。 また、周囲の人や物、自然など様々な環境との関わりの中で、 自己という感覚や、自我を育てていく時期でもある。 ○ 乳児期からの保育の積み重ねは、 その後の成長や生活習慣の形成、社会性の獲得にも大きな影響を与える ものであり、子どもの主体性を育みながら保育を行うことが重要である。 また、保育士等との信頼関係の構築により基本的信頼感を形成すること は、生涯を通じた自己肯定感や他者への信頼感、感情を調整する力、粘り 強くやり抜く力などの、いわゆる非認知的能力を育むことにもつながるもの であり、 保育士等が子どものサインを適切に受け取り、子どもたちの自己選択を促 しつつ、温かく応答的に関わっていくことが重要である。

(5)

5

学びの芽生え

乳児期

から、子どもは、生活や遊びの様々な場面で、主体的に周囲 の人や物に興味を持ち、直接関わっていこうとする。このような姿は「学 びの芽生え」といえるものであり、生涯の学びの出発点にも結びつくもの である。 ○ また、

1歳児から2歳児にかけて

は、歩行の始まりから完成、言 葉の獲得が見られる時期であり、 人や物への興味・関わりを更に広げ、気づいたり、考えたり、主張するこ とを繰り返しながら自己を形成していく。 簡単な言葉なども用いた子ども同士の関わりの中で、他者と関わる力の 基礎も育まれていく。 ○ 乳児から2歳児までの時期においては、子どもの発達が飛躍的に進 み、様々な成長の段階の姿が見られるという特徴があることから、 専門職である保育士によって、それぞれの子どもの発達過程に応じた 「学び」の支援が、生活や遊びの場面で、適時・適切に行われることが重 要である。また、その際、発達の連続性を意識するとともに、3歳以降の 成長の姿についても意識して、保育を行うことが重要である。

(6)

(2)保育所保育における幼児教育の積極的な位置づけ

幼児教育の一翼としての保育所保育

○ 乳幼児期は、生活の中で、自発的、主体的に、環境と関わりながら、生 涯にわたる人格形成の基礎を築いていく時期である。 そのために適切な環境を整え、乳幼児の心身の調和のとれた発達を支援し ていくことは、幼児教育の充実という観点からも強く求められている。 ○ 保育所保育においては、子どもが現在を最も良く生き、望ましい未来をつ くり出す力の基礎を培うために、環境を通して、養護及び教育を一体的に 行ってきており、保育所は認定こども園・幼稚園とともに、幼児教育の一翼を 担っている。 ○ 保育所保育における教育について、保育指針では、いわゆる5領域に 沿って、幼稚園教育要領の教育内容との整合性が図られてきた。 また、幼保連携型認定こども園の特性を配慮して、平成26 年に策定された 幼保連携型認定こども園教育・保育要領においても、5領域に関するねらい 及び内容等が示されており、いずれの施設に通う子どもについても、同等の 内容での教育活動が確保されることが示されている。

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7

教育内容についての記載の在り方

○ 幼児教育において育みたい資質・能力については、各学校段階を通じ た教育課程の全体像等も踏まえた幼稚園教育要領改訂の議論において、 「知識や技能の基礎」「思考力・判断力・表現力の基礎」「学びに向かう力、 人間性等」の三つの柱に整理されている。 保育所保育においても、5領域の教育内容を踏まえ、子どもたちの自発 的な活動である遊びや生活の中で、こうした資質・能力を一体的に育んで いくことが必要である。 ○ 今回の改定において、教育内容の5領域の「ねらい及び内容」の構成 について、幼保連携型認定こども園、幼稚園との更なる整合性を図り、各 施設における教育内容が同等のものであることをより明確に示すことが適 当と考えられる。 ○ また、特に、小学校との接続に関しては、平成22 年に取りまとめられ た「幼児期の教育と小学校教育の円滑な接続の在り方について」等を踏 まえた、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を念頭におき、卒園後の 学びへの接続を意識しながら、5歳児後半の幼児の主体的で協同的な活 動の充実を、より意識的に図っていくことが重要である。

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意識的な教育的活動の展開

○ 保育所保育における教育に関しては、子どもの発達や成長を援助す ることを意図して、主体的な遊びを中心とした活動の時間の設定を行うな ど、より意識的にした保育の計画等において位置づけ、実施すことが重 要である。 また、保育所での長時間の生活という特性に配慮した時間の過ごし方 が重要である。 ○ 保育の計画や保育内容の評価については、保育士の専門性の向上 や保育実践の改善、教育の質の向上という観点からも重要である。 育みたい資質・能力についての三つの柱を踏まえつつ、各保育現場の 子どもの実態や子どもを取り巻く状況の変化などに即した質の高い保育 が展開されるよう、保育の計画や評価の在り方について記載を充実する ことが必要と考えられる。 ○ 乳幼児の主体的な活動の展開は、保育士による環境の構成が大きく 影響する。保育士による教材及び環境の構成の検討について、継続的な 取組が重要である。また、保育士自身も、乳幼児にとって重要な環境で あることを十分に意識し、言葉遣い、まなざし、姿勢等に配慮して保育に 当たることが重要である。

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保護者との子どもの姿や学びの共有、卒園後の学習の

接続への配慮

○ 保育所での保育の過程や子どもの成長の様子を保護者と共有するこ とは、家庭との連携の下で、子どもたちの育ちを支援していく上でも重要 である。このため、日々の記録などを通じて、子どもの内面の育ちや一人 一人のよさ、学びの状況を保護者とともに、肯定的な視点で共有する取 組を進めていくことが有効と考えられる。 ○ 特に5歳児以降については、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」 のイメージを幼児教育を行う各施設において共有しつつ、卒園後の学習 への接続にも配慮していくことが重要である。なお、保育所児童保育要録 等において、子どもたちの成長を評価、記録する際などにはその際、他 の幼児との比較や一定の基準に対する達成度についての評定ではなく、 一人一人ひとりのよさや学びの状況等を捉えて行うべきものであることに 留意が必要である。 ○ 保育所児童保育要録については、幼保連携型認定こども園園児指導 要録、幼稚園幼児指導要録との整合性をより図るなど、小学校での活用 が更に進むよう工夫をしていくことも必要である。

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10 章 現行指針 改定(指針新) 1 総則 総則 *保育の内容の養護の 部分(養護の理念-新) *保育の計画及び評価 (保育の全体の計画として) 2 子どもの発達 保育の内容 *子どもの発達が内容に *内容が3つの区分に分け て記述 *ねらい・内容・ 内容の取扱い(新) 3 保育の内容 健康及び安全 4 保育の計画及び評価 子育て支援 5 健康及び安全 職員の資質向 上 6 保護者に対する支援 7 職員の資質向上

2.どのように改定されたか・引き継がれたか

(1)指針の章構成に関して

10

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(2)養護及び教育が一体的に行われる

○養護と教育が一体となった保育とは、保育士等が「子どもを一人の人間」として尊 重し、その命を守り、情緒の安定を図りつつ、乳幼児期にふさわしい経験が積み重ねられ ていくよう丁寧に援助することを指す。 子どもは自分の存在を受け止めてもらえる保育士等や友達との安定した関係の中で、 *自ら環境に関わり、 *興味や関心を広げ、 *様々な活動や遊びにおいて *心を動かされる豊かな体験を重ねながら、新たな能力を獲得していく。 子どもの傍らに在る保育士等が *子どもの心をしっかりと受け止め、 *応答的なやり取りを重ねながら、 *子どもの育ちを見通し援助していくことが大切である。 その際、 *身体の発育とともに、 *心の育ちにも十分に目を向け、 *子どもの気持ちに応え、手を携え、言葉をかけ、共感しながら、 *一人一人の存在を認めていくことで、 子どもはありのままの自分を受け止めてもらえることの心地よさを味わい、 保育士等への信頼を拠りどころとして、心の土台となる個性豊かな自我を形成していく。 11

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◆養護と教育が一体となった保育➡見えないところも意識する保育 養護的側面 が前面に 教育的側面が 前面に この時の保育者の働きかけの見 え方は、養護的側面が強調され て(図)見える。 養護が図 教育が図 ルビンの盃 (地と図) 養護と教育の一体化を考える概念モデル この時の保育者の働きかけの 見え方は、教育的側面(図)が強 調されて見える。 生命の保持や情緒の安定を図り(養護的側面:存在そのものの受容)、望ましい発 達の経験(教育的側面:よりよく生きる上で必要な力の獲得)を支えるために、 ※創意工夫する。 ※知恵を絞り適切な方法を考える。 ※子どもの内面にも深く気を配り、子どもとやり取りや発達過程に関心を持ち続ける。

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(3)保育の内容に関して

①保育内容の新旧対照表

②乳児保育に関わるねらい及び内容

③1歳以上3歳未満児の保育に関わるねらい及び内容

④3歳以上児の保育に

関わるねらい及び内容

フレーベル第1恩物(6球)

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現行指針 改定新指針 1.保育のねらい及び内容 (1)養護の関わるねらい及び内容 ア生命の保持 イ情緒の安定 (2)教育に関わるねらい及び内容 ア健康 イ人間関係 ウ環境 エ言葉 オ表現 2.保育の実施上の配慮事項 (1)保育に関わる全般的な配慮事項 (2)乳児保育に関わる配慮事項 (3)3歳未満児の保育に関わる 配慮事項 (4)3歳以上児の保育に関わる 配慮事項 1.乳児保育に関わるねらい及び内容 (1)基本的事項 (発達過程に関する基本的な事項を踏まえて) (2)ねらい及び内容 「健やかに育つ」「気持ちが通じ合う」「感性 が育つ」 (内容の取扱い) (3)保育の実施に関わる配慮事項 2.1歳以上3歳未満児の保育に関わる ねらい及び内容 (1)基本的事項 (2)ねらい及び内容 「健康」「人間関係」「環境」「言葉」「表現」 (内容の取扱い) (3)保育の実施に関わる配慮事項 3.3歳以上児の保育に関わるねらい及び内容 1,2歳と同様の記載 4.保育の実施に関して留意すべき事項 (1)保育全般に関わる配慮事項、(2)小学校との接続 (3)家庭及び地域社会との連携

①保育内容の新旧対照表

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(15)

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■ 乳児保育に関するねらい及び内容 生活や遊びを十分にすることを通して 子どもの身体的・社会的・精神的発達の基礎を培う 乳児を主体にして3つの視点からねらい及び内容を記載 3つの視点 方向 健やかに伸び伸び育つ (身体的発達に関する視点) 健康な心と身体を育て、自ら健康で安全な 生活を作りだす力の基礎を培う 身近な人と気持ちが通じ合う (社会的発達に関する視点) 受容的・応答的関わりの下で、何かを伝え ようとする意欲や身近な大人との信頼関 係を育て、人と関わる力の基礎を培う 身近なものと関わり感性が育つ (精神的発達に関する視点) 身近な環境に興味や好奇心をもって関わ り、感じたことや考えたことを表現する力 の基礎を培う 16

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乳児保育のねらい 1歳以上3歳未満児の保育に関わるねらい 健やかに伸び伸びと育 つ 健康 健康な心と体を育て、自ら健康で安全な生活をつくり 出す力を養う。 身近な人と気持ちが通 じ合う 言葉 経験したことや考えたことなどを自分なりの言葉で表現 し、相手の話す言葉を聞こうとする意欲や態度を育て、 言葉に対する感覚や言葉で表現する力を養う。 人間関係 他の人々と親しみ、支え合って生活するために、自立心 を育て、人と関わる力を養う。 身近なものと関わり感 性が育つ 環境 周囲の様々な環境に好奇心や探究心をもって関わり、そ れらを生活に取り入れていこうとする力を養う。 表現 感じたことや考えたことを自分なりに表現することを通 して、豊かな感性や表現する力を養い、創造性を豊かに する。 ■ 3歳未満児の保育のねらいの連続性(生活や遊びを捉える視点や側面が分化していく) 17

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③1歳以上3歳未満児の保育に関わるねらい及び内容

■ 保育内容の考え方 1歳以上の保育内容記載のイメージ ※ 1歳以上の子どもたちは養護を土台にして、その発達を捉える視点とし て5つの領域を構成する。この5つの領域はそれぞれに独立してあるのではな く、重なり合い・繋がりあうもの(未分化な部分を持つ)である。5領域は子ど もに経験してほしい内容であり、その内容を経験するために、実際に展開され る活動と区別されるものである。

健康

人間関係

言葉

表現

環境

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五 領域 方向 改定 改定前 健康 健康な心と体を育て、自ら健康で安全 な生活をつくり出す力を養う。 健康な心と体を育て、自ら健康で安全 な生活をつくり出す力を養う。 人間 関係 他の人々と親しみ、支え合って生活す るために、自立心を育て、人と関わる 力を養う。 他の人々と親しみ、支え合って生活す るために、自立心を育て、人と関わる 力を養う。 環境 周囲の様々な環境に好奇心や探究心 をもって関わり、それらを生活に取り入 れていこうとする力を養う。 周囲の様々な環境に好奇心や探究心 を持って関わり、それらを生活に取り入 れていこうとする力を養う。 言葉 経験したことや考えたことなどを自分 なりの言葉で表現し、相手の話す言葉 を聞こうとする意欲や態度を育て、言 葉に対する感覚や言葉で表現する力 を養う。 経験したことや考えたことなどを自分 なりの言葉で表現し、相手の話す言葉 を聞こうとする意欲や態度を育て、言 葉に対する感覚や言葉で表現する力 を養う。 表現 感じたことや考えたことを自分なりに 表現することを通して、豊かな感性や 表現する力を養い、創造性を豊かにす る。 感じたことや考えたことを自分なりに 表現することを通して、豊かな感性や 表現する力を養い、創造性を豊かにす る。 ■ 1歳以上3歳未満児の保育に関わるねらい及び内容 19

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④3歳以上児の保育に関わるねらい及び内容

※ 1歳以上、3歳未満児のねらい及び内容の示し方と同様である。 ※ 五領域の方向も同じである。 4 幼児教育を行う施設として共有すべき事項 ⑴ 育みたい資質・能力 ア保育所においては、生涯にわたる生きる力の基礎を培うため、1の⑵に 示す保育の目標を踏まえ、次に掲げる資質・能力を一体的に育むよう努め るものとする。 (ア) 豊かな体験を通じて、感じたり、気付いたり、分かったり、できるように なったりする「知識及び技能の基礎」 (イ) 気付いたことや、できるようになったことなどを使い、考えたり、試したり、 工夫したり、表現したりする「思考力、判断力、表現力等の基礎」 (ウ) 心情、意欲、態度が育つ中で、よりよい生活を営もうとする「学びに向 かう力、人間性等」 イアに示す資質・能力は、第2章に示すねらい及び内容に基づく保育活動 全体によって育むものである。 総則の4より ねらいを子どもの姿から捉 えものであり、すべての子ど もの保育において意識する ものである 20

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■ これまでのねらい「心情・意欲・態度」と「育みたい資質・能力」の関係 方向 心情 意欲 態度 健康な心と体を育て、自ら健康で 安全な生活をつくり出す力を養う。 ① 明るく伸び伸びと生活し、 自分から体を動かすことを楽 しむ。 ② 自分の体を十分に動かし、 様々な動きをしようとする。 ③ 健康、安全な生活に必要な習慣 に気付き、自分でしてみようとする 気持ちが育つ。 人 間 関 他の人々と親しみ、支え合って生 活するために、自立心を育て、人 と関わる力を養う。 ① 保育所での生活を楽しみ、 身近な人と関わる心地よさを 感じる。 ② 周囲の子ども等への興味 や関心が高まり、関わりをもと うとする。 ③ 保育所の生活の仕方に慣れ、 きまりの大切さに気付く。 周囲の様々な環境に好奇心や探 究心をもって関わり、それらを生 活に取り入れていこうとする力を 養う。 ① 身近な環境に親しみ、触 れ合う中で、様々なものに興 味や関心をもつ。 ② 様々なものに関わる中で、 発見を楽しんだり、考えたりし ようとする。 ③ 見る、聞く、触るなどの経験を通 して、感覚の働きを豊かにする。 経験したことや考えたことなどを 自分なりの言葉で表現し、相手の 話す言葉を聞こうとする意欲や態 度を育て、言葉に対する感覚や 言葉で表現する力を養う。 ① 言葉遊びや言葉で表現す る楽しさを感じる。 ② 人の言葉や話などを聞き、 自分でも思ったことを伝えよう とする。 ③ 絵本や物語等に親しむとともに、 言葉のやり取りを通じて身近な人 と気持ちを通わせる。 感じたことや考えたことを自分な りに表現することを通して、豊か な感性や表現する力を養い、創 造性を豊かにする。 ① 身体の諸感覚の経験を豊 かにし、様々な感覚を味わう。 ② 感じたことや考えたことな どを自分なりに表現しようとす る。 ③ 生活や遊びの様々な体験を通 して、イメージや感性が豊かになる。 ・健康で安全な力を作り出す力 ・人と関わる力・自立心 ・探究心とそれを生活の中に生か す力 ・言葉に対する感覚や言葉での 表現力 ・豊かな感性・創造性 身近な環境に親しみをもち、 周囲の人や物に興味・関心 を向け、感じる心が育ち、積 極的に行動したり言葉で表 現する楽しさを感じ、直接に 外界と関わり様々に生活し、 その感覚を味わう。 体を動かすことに快さを感じ、 周囲の子どもに関心をもった り、ものと関わり、発見したり 考えようとしたことを自分なり に表現しようとし、言葉や行動 で思ったことを伝えようとする。 人と共に生活するうえでの必要な 知識(見る・聞く・触るなどしてモノ の性質などに対する)や技能(生活 習慣などを自分でしてみようとす る)に対する感覚、また、豊かに生 きるうえでの感性や想像力を働か せ、人と心を通わせようとする。ま た、通わせる。 1歳以上3歳未満児のねらい 21

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方向 心情 意欲 態度 健康な心と体を育て、自ら健 康で安全な生活をつくり出す 力を養う。 ① 明るく伸び伸びと行動 し、充実感を味わう。 ② 自分の体を十分に動か し、進んで運動しようとする。 ③ 健康、安全な生活に必要な習慣 や態度を身に付け、見通しをもって 行動する。 人 間 関 他の人々と親しみ、支え合っ て生活するために、自立心 を育て、人と関わる力を養う。 ① 保育所の生活を楽しみ、 自分の力で行動すること の充実感を味わう。 ② 身近な人と親しみ、関わ りを深め、工夫したり、協力 したりして一緒に活動する 楽しさを味わい、愛情や信 頼感をもつ。 ③ 社会生活における望ましい習慣 や態度を身に付ける。 周囲の様々な環境に好奇心 や探究心をもって関わり、そ れらを生活に取り入れていこ うとする力を養う。 ① 身近な環境に親しみ、 自然と触れ合う中で様々 な事象に興味や関心をも つ。 ② 身近な環境に自分から 関わり、発見を楽しんだり、 考えたりし、それを生活に 取り入れようとする。 ③ 身近な事象を見たり、考えたり、 扱ったりする中で、物の性質や数量、 文字などに対する感覚を豊かにする。 経験したことや考えたことな どを自分なりの言葉で表現し、 相手の話す言葉を聞こうとす る意欲や態度を育て、言葉 に対する感覚や言葉で表現 する力を養う。 ① 自分の気持ちを言葉で 表現する楽しさを味わう。 ② 人の言葉や話などをよく 聞き、自分の経験したこと や考えたことを話し、伝え 合う喜びを味わう。 ③ 日常生活に必要な言葉が分かる ようになるとともに、絵本や物語など に親しみ、言葉に対する感覚を豊か にし、保育士等や友達と心を通わせ る。 感じたことや考えたことを自 分なりに表現することを通し て、豊かな感性や表現する 力を養い、創造性を豊かに する。 ① いろいろなものの美しさ などに対する豊かな感性 をもつ。 ② 感じたことや考えたこと を自分なりに表現して楽し む。 ③ 生活の中でイメージを豊かにし、 様々な表現を楽しむ。 整 理 ・健康で安全な心と体 ・人と関わる力・自立心 ・探究心とそれを生活の中に 生かす力 ・言葉に対する感覚や言葉 での表現力 ・豊かな感性・創造性 周囲の人や物に興味・関 心をもち、感じる心が育ち、 積極的に行動したり言葉 で表現したりするなど自分 の力でその生活をする充 実感を味わう。 積極的に行動し、人に対す る愛情や信頼感をもち、人 やモノやことに関わり、発見 したり考えたことを自分なり に表現し、言葉や行動で伝 え合おうとしたり、喜び合っ たりする。 人と共に生活するうえでの必要な知 識(モノの性質・ものや数への興味) や技能(生活習慣など生活の基底を なす行動)に対する感覚、また、豊か に生きるうえでの想像力や言葉を働 かせ、人と心を通わせようとする。ま た、通わせる。 五領域のねらい(3歳以上)の整理

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(2) 幼児期の終わりまでに育ってほしい姿 次に示す「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」は、第2章に示すねらい及び 内容に基づく保育活動全体を通して資質・能力が育まれている子どもの小学校就 学時の具体的な姿であり、保育士等が指導を行う際に考慮するものである。

ア健康な心と体

イ自立心

ウ協同性

エ道徳性・規範意識の芽生え

オ社会生活との関わり

カ思考力の芽生え

キ自然との関わり・生命尊重

ク数量や図形、標識や文字などへの関心・感覚

ケ言葉による伝え合い

コ豊かな感性と表現

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Ⅱ改定後の保育実践

1.最初の確認:指針における子ども観

2.改定のポイントの具体的な理解ー実践に即して

(1)3歳未満児

①信頼感の形成

②生涯にわたる学びの基礎(学びの芽生え)

(2)3歳以上児

①積極的な幼児教育

フレーベル第2恩物 (円、球、立方体)

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1.最初の確認:指針における子ども観

( 保育所保育に関する基本原則から)

保育の方法:

保育の目標を達成するための保育士等の留意事項 ア一人一人の子どもの状況や家庭及び地域社会での生活の実態を把握する とともに、子どもが安心感と信頼感をもって活動できるよう、子どもの主体とし ての思いや願いを受け止めること イ子どもの生活のリズムを大切にし、健康、安全で情緒の安定した生活ができ る環境や、自己を十分に発揮できる環境を整えること。 ウ子どもの発達について理解し、一人一人の発達過程に応じて保育すること。 その際、子どもの個人差に十分配慮すること。 エ子ども相互の関係づくりや互いに尊重する心を大切にし、集団における活動 を効果あるものにするよう援助すること。 オ子どもが自発的・意欲的に関われるような環境を構成し、子どもの主体的な 活動や子ども相互の関わりを大切にすること。特に、乳幼児期にふさわしい体 験が得られるように、生活や遊びを通して総合的に保育すること。 カ一人一人の保護者の状況やその意向を理解、受容し、それぞれの親子関 係や家庭生活等に配慮しながら、様々な機会をとらえ、適切に援助すること。 25

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保育の環境

保育の環境には、保育士等や子どもなどの人的環境、施設や遊具などの物的 環境、更には自然や社会の事象などがある。保育所は、こうした人、物、場などの 環境が相互に関連し合い、子どもの生活が豊かなものとなるよう、次の事項に留 意しつつ、計画的に環境を構成し、工夫して保育しなければならない。 ア子ども自らが環境に関わり、自発的に活動し、様々な経験を積んでいく ことができるよう配慮すること。 イ子どもの活動が豊かに展開されるよう、保育所の設備や環境を整え、 保育所の保健的環境や安全の確保などに努めること。 ウ保育室は、温かな親しみとくつろぎの場となるとともに、生き生きと活動 できる場となるように配慮すること。 エ子どもが人と関わる力を育てていくため、子ども自らが周囲の子どもや 大人と関わっていくことができる環境を整えること。 子どもはその最初から、 主体的で・自発的に、 積極的に周囲(人やもの、できごと)に 働きかけている存在 自らの働きかけを 周囲に共感的に受け止められ 働きかけ返してもらうことで 主体として存在し、 主体の内実を豊かにしながら 自ら育とうとする存在

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2 改定のポイントの具体的理解-実践に即して

(1)3歳未満児の保育の重要性

①信頼関係の形成:信頼関係はどのように形成されるか

生まれながらにして持っている力を使って生活を始める

泣く

不快

読み取り(不快なことを取り除 いてあげたい) 「お腹が空いたのかな」

授乳

・抱く(触覚・嗅覚) ・顔をみる(視覚) ・話しかける(聴覚) 吸飲反射(味覚)

満足

子どもの 持ち合わせている力 子どもは内と外を渾然と経験する 人とかかわる経験の積み重ね ➡人は快いということ学習する ➡学びの側面 養護的側面(生命の保持・情緒の安定) ➡子どもの内面を理解し受け入れ関わる

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信頼関係が形成される関わり(養護と教育が一体的に)の基本

❶ 子どもが欲求する(不快) ❷ 子どもの欲求を的確に読み取る ❸ タイミング良く応答する ❹ 子どもの欲求が満たされる(満足=快) この状態は不十分(泣く) あるいはもっと快を。 何が不快なのか。もっと 何を欲求しているのか。 子どもが欲求していることに できるだけ早く対応する。 あまり待たせない。 たとえば、授乳:抱いて、対面で、 やさしく声をかけて ★欲求がほどよく満たされる経験 ・ある程度思うように周囲が動く (有能感=自己肯定感覚) ・生きるに値する世界 (生きる社会に対する信頼感覚) ※生きる世界・社会を代表する 「特定の人」への信頼感を形成する。 主体としての子ども(かかわりのイニシャティヴ)の 願いを受け止めることから保育を展開することが 重要である(保育指針総則 保育の方法)。

(29)

29

信頼関係の形成

•「特定の人群」の獲得=情緒の安定 •子どもの行動が活発になる(探索活動:保育の核) •周囲のものや人との関わりが盛んになる 一人で遊ぶ (黙々とあそぶ) 大人と一緒にあ そぶ(人と一緒は 楽しい) •多様に変化するものの経験 •多様に変化する人の経験 (多面性=柔軟性)

自分でしようとする(自立への欲求)

子どもの探 索活動を引 き出す環境 構成 保育者の遊びを作 り出す力(子どもに あわせて作り出す 名もない遊び)

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安全基地

確実な

避難場所

・受け止めて ・…してほしい ・・・見守る肯定的に) ・・手伝う ・・・一緒に楽しく遊ぶ (働きかけて、 働きかけられて) ・・一人で遊ぶ(見ててね) ・・待つ ・欲求の受容と対応 ・守って ・慰めて ・受け止めて ・気持ちを落ち着かせて

特定の人の獲得(信頼関係の形成-人見知り

➡ 安全基地(信頼関係の深まり)

安全の環(Circle of security)

Web page:Circle of security.org 2000

Cooper,Hofman,Marvin & Powell 北川訳(2008)よ り改変

(31)

31

安全基地(信頼関係の深まり)

➡この時期(1,2歳ごろ)のかかわりの基本

※「自立への欲求(しようとしたがる)」に基づく行動を十分に経験する たとえば、食事

(32)

②生涯にわたる学びの基礎(学びの芽生え)

32

0歳児後半から1歳前半ごろまでに大切にしたい経験

:ものとじっくりとかかわる・自分のペースで行動する経験

ものがただのものではなく、 気持ちの込められたものになる (所有意識:お気に入りの玩具になる) おもちゃ 遊び込む 保育者と一緒に遊ぶ 一人で遊ぶ 経験の広がり 経験の深まり ※ 身近な人と気持ちが通じ合う 身近なものと関わり感性が育つ 健やかに伸び伸びと育つ

(33)

33

1歳~2歳にかけて大切にしたい経験

※「ものとじっくりとかかわる・自分のペースで行動する経験(1歳)」

から「ものや経験を介して他の子と関わる経験(2歳)」へ

Aちゃん ※ 気持ちの共有 (共同性-おんなじ・一緒 ➡ みんな・集団へ) Bちゃん おもちゃ 楽しい経験 Aちゃん Bちゃん Dちゃん Cちゃん Aちゃんの好きなおもちゃ(経験) =Bちゃんの好きなおもちゃ(経験) Aちゃん=Bちゃん 仲良しへ ・みんなの ・みんなへ

(34)

■ 学びの芽生え(事例) <としひろ君の学び> ① 好きな遊びを探す(いつも遊んでいて、 遊び込んだ玩具を記憶している) ②トーマスの機関車(楽しい経験と結びつ いている)を見つけ、遊び出す(記憶が再 生される)。今、持ち合わせているとし君の 力を使って、やりたいこと(欲求)を実現す る(身体機能の発達-手指の操作)。 ③ものの性質(機関車に砂を積むことがで きる)の理解,器と砂の関係(たくさん入れ るとこぼれる)の感覚的な理解。 ④積んだ砂と機関車を走らせる速度の関 係の感覚的な理解(思考へとつながって 行く)。 ⑤保育者の言っていることの理解(言葉) とまだ遊びたいという自己の主張。 ⑥保育者とイメージの世界を共有する (トーマスも一緒に帰るよ)。 いつも遊んでいる公園について、としひ ろ君(2歳11ヶ月)は、しばらくあたりを見な がらフラフラしている①。砂場に大好きな トーマスの機関車(人気の玩具でいつも誰 かが使っている)が空いているのを見つけ それで遊びだす②。 機関車と機関車をつないで砂を積んで、 ゆっくりと走らせ、砂がこぼれ落ちるとまた 砂を積んで走らせる③。機関車を走らせて 車輪の後ができると、今度は、その溝をな ぞるように走らせることに熱中している④。 そうしている内に、帰る時間になり、保育 者の「もう終わりよ」の声掛に、いやいやと 頭を振りながら、なおも熱心に走らせてい る⑤。 周囲の遊具を片付け終って「とし君、トー マスも一緒に帰るよ」と遊具入れの袋の口 を開けて声をかけると「ねんね」と言って片 付ける⑥。

(35)

35

気持ちのズレ(個別性)-違う、私とあなた ➡ 自己の獲得へ

ものに込められた気持が 意識化される ものの取り合い 思うようにいかない 他の気持ちが あることに気づく

他でもない

この気持ちを

持った私

自己の獲得

(3歳前後から3歳半ごろ)

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みかちゃん(2歳6ヶ月)はミルクをあげ たり、おんぶしたりと世話をする人形遊び が好きです①。クラスには、赤ちゃんのお 人形が何体もあるが、お気に入りの赤 ちゃんがいます。 今日は、まゆみちゃん(3歳3ヶ月)が先 にみかちゃんのお気に入りの人形で遊ん でいます。みかちゃんが「先生、赤ちゃん ほしい」と伝えてきた②ため保育者が「ま ゆみちゃんが使ってるね。かしてって言っ てみようか」③と、 一緒にまゆみちゃんに「かして」と言うが 「だめ」と断わられる④。様子を見ながら 何回か頼んでみるが断られる。 みかちゃんが泣き始める④と、それを見 ていた周りの友だちが「はい、どうぞ」と自 分の使っていた人形やおもちゃをみか ちゃんに手渡す⑤。 まゆみちゃんは、部屋のすみでその様子 をじっと見た後で、みかちゃんに「はい! もう使わないから」とみかちゃんに赤ちゃ んを手渡した⑥。 <子どもたちの学び> ① 好きな玩具・遊びがある(いつも遊んでいて、 遊び込んだ玩具-気持と結びついた玩具➡所有 意識) ②やりたいこと(欲求)を実現するために他者に 手伝ってもらう(欲求が共感的に受け止められ る➡自他(保育者)に対する信頼感の深まり。) ③自分とは異なる欲求があることへの気付きと 欲求をかなえるために方策➡手続きが必要らし い(人との間で自分の欲求をかなえるための手 段-人との関係の結び方をサポートする) ④自分と異なる欲求を持つ他の存在への気付 き、自己主張➡自他の区別➡自己の獲得へ ⑤みかちゃんとまゆちゃんのやり取りの中のみ かちゃんの気持と同化(共振)➡その気持ちに 応えようと「自分の使っている人形」を自分(み かちゃん)に渡す。 ⑥自分とは異なる気持ち(みかちゃん)に添って 人形を渡す➡他者の気持への気付き(自分の 欲求が叶えられると、他者の欲求も受け入れら れるのかもしれない)。 ■ 学びの芽生え(事例)

(37)

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この時期の対応の基本2

◆ あまえ ・基本的には受け入れる(関係の確認) ◆ かんしゃく ・自分でこうすればこうなるという見通しを持って取り組むが うまくできない。取り組むことへのエネルギーが爆発 ➡なぐさめ ◆ こだわり ・それまで、大好きな大人の目を通して周囲を感じたり、見たりして いたが、自分の目でものを見始めた(私にはこう見える・こうしたい) ➡ 自己の獲得へ ◆ とりあい ・自己を獲得する時期にあっては、そのものへ向かう欲求が誰のもの かあいまいである ➡ 裁くのではなく「誰の気持ちであるかに気づ くような大人の子どもへの共感と言葉を添える。ルールそのものを 教えることを急がない。 ◆ 子ども同士で遊ぶ ・大人と一緒も楽しいが、子ども同士で遊ぶのも楽しいことの経験 をたくさんする(一緒に遊んだり、大人が仲立ちしたり …)。

(38)

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(2)3歳以上児の保育

① 養護と教育が一体となって行われる保育所保育の中で 積極的に幼児教育を位置づけるとは? 検討会で討議された ■意識的な教育的活動の展開 (3歳以上の保育において検討された点,スライド8参照) ○ 保育所保育における教育に関しては、子どもの発達や成長を援助すること を意図して、主体的な遊びを中心とした活動の時間の設定を行うなど、より意 識的にした保育の計画等において位置づけ、実施すことが重要である。 ■ 保育所保育の基本原則 4 幼児教育を行う施設として共有すべき事項 ⑴ 育みたい資質・能力 ⑵ 幼児期の終わりまでに育ってほしい姿 3 保育の計画及び評価 …保育の内容が組織的・計画的に構成され、保育所の生活の全体を通して、 総合的に展開されるよう、全体的な計画を作成しなければならない

(39)

39

(40)

※ 遊ぶことは学ぶこと-生活や遊びを通しておこなう 遊び 遊びにおける学びを捉える側面 遊びにおける学びの具体 遊びの 創出 遊びへ の没頭 遊びの 振り返 り 遊びの 創出へ と循環 深 い 学 び 直接的・具体的な体験の中で 「見方・考え方」を働かせて対 象と関わって心を動かし、幼児 なりのやり方やペースで試行錯 誤を繰り返し、生活を意味ある ものとして捉える *感触・感覚・感動 *試行錯誤・気付き・発見の喜び *予想・予測・比較・分類・確認 *規則性・法則性・関連性の発見 対 話 的 な 学 び 他者とのかかわりを深める中で、 自分の思いや考えを表現し、伝 えあったり、考えを出し合った り、自らの考えを広げ深める *依存と自立(信頼関係) *自己表現(相手への感情・意識) *思いの伝え合い(イメージの共有・ 共感・刺激のしあい) *葛藤(内省・折り合い) *対話や話し合い(目的の共有・協力) 主 体 的 な 学 び 周囲の環境に興味や関心を持っ て積極的に働きかけ、見通しを 持って粘り強く取り組み、自ら の遊びを振り返って期待を持ち ながら次につなげる *安定感・安心感 *興味や関心 *自発性 *自己肯定感 *好奇心・探求心 *持続性・粘り強さ *必要感 *振り返り・見通し

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41 事例(1) 保育者の意図 発達経験 種があるから果物だ 保育者「リンゴとなしの似ているところは?」 子ども「まるいとこ」「棒(柄)がある」 「食べられる」「種がある」という答えは割合 少ない。「果物だ」という答えはめったにない。 知識教育ではなく 知的な育ちの形成の機 会を作る。 なじみのもの同士の 比較(考える) けれど、実物のなしやリンゴを見せて、どち らにも種のあることを確認をした後で 「なしにも種があったでしょう。それではなし のことをなんていうか知ってる?」 ・実物を見せて種のある ことを確認させる。 ・それから、なしのこと をなんというかを聞く。 実際に見ることから 類推(なしに種があっ た-果物というなし を抽象した分類へ): 考える・逆説 子ども「うん、果物でしょう」 保育者「そうよ。さっき、りんごにも種があっ たでしょう」 子ども「リンゴも果物だね」と答える。 *こうして、数日後に、以下の事例「果物と は何か」という論争が展開されていく。 ・りんごにも種があった でしょう(気付きを促す 問いかけ) 類推(りんごにも種が ある-果物・種があ るから)

事例(5歳児クラス)

(事例:勅使千鶴他「知的な育ちを形成する保育実践」引用抜粋,新読書社、2013 p.87~p.91)

(42)

事例(2-1) 保育者の意図 発達経験 山形から柿が送られてきた。それを食 べた後で、「知っている果物をたくさん 挙げてみよう」といって、画用紙を渡し て絵を描いてもらう。絵に描いた果物 を挙げてもらいながら、黒板に書いて いく。描いているうちに次々に思い付 き24種類にもなった。その中にくるみ が出てきた。 ※具体的なバラバラの経験の蓄 積の中から共通項をみつけて一 つの筋(法則)をたてる ※対話(友だちの話を聞いて)を 通して気付いて欲しい。 (物事の考え方と態度と能力を 育てたい) ※果物と言えるモノの集合(果物 の概念化) ・これまでの経験から 知っている果物 と言えるモノを思い 出す。 ・それを絵にかく。 ・友だちの答えに 触発されて、知って いる果物を思い出す。 保育者「くるみは果物かしら?」 けんじ「くるみはしいの実みたいに木の 実だから、果物じゃないよ」 けいこ「でも、果物屋に売ってるじゃな い」 やよい「そうよ、果物よ」 のぶお「栗だって売ってるじゃない」 みつこ「しいの実は売ってないし」 果物だ、果物じゃないとワイワイ、ガヤ ガヤ、どちらも譲らない。 ※考えるための方向づけを する。 ※「なぜだろう」「どうしてだろ う」「どうなっているのだろう」と 子どもの不思議心を掻き立て、 「道すじ(=法則性)」を発見でき るように働きかける。 ・果物であるための 理由を考えて、果 物かそうでないか の分類を試みる。 「くるみは木の実 だから果物ではな い」「果物屋に 売っているから果 物である」 ・なかなか結論が出 ないという経験(興 味の持続)

(43)

43 事例(2-2) 保育者の意図 発達経験 そこで、次の日、 保育者「先生も確かにくるみが果物屋で売って いたのを見たけど、果物かしら?」というと、ま た、昨日の続きでワイワイ言い出す。 ・昨日の続きを考える ように問いかける(果 物とは何かを考えるこ とを通して、ものごと を抽象することを経 験してほしい-法則の 発見) 保育者「じゃ、くるみの中に種は入ってるの?」 子ども「はいってない」保育者「リンゴは?」子ど も「はいってる」 けいこ「あーわかった。種なのかな。だから種を 食べるのかな」 保育者「じゃ、果物はどこを食べるの?」のぶこ 「種のまわり、食べるの」 保育者「種のまわりを食べるのが果物なの?」 子ども「そうだよ」保育者「しいの実も木になる わね。じゃ、果物?」子ども「違う。種」 きょうすけ「じゃ、バナナ、果物じゃないよ。種な いから」子ども「でも、バナナだって木になるよ」 まさひこ「スイカ、種のないのもあるよ」 ・種を手掛かりに問い かける(スライド40の 事例1で、種があるか ら果物だということを 確認しているのを思い 出すように) ・けいこ「あーわかった。 種なのかな。だから種を 食べるのかな」(種を食 べるくるみと、種のまわ りを食べる果物に気付 いていく) ・ナシ、リンゴの抽象化 (果物) ・法則の発見とそれに類 似したものへ疑問や興 味の拡大 ・バナナは種がないから 果物ではない? ・まさひこ「スイカ、種の ないのもあるよ

(44)

日常的なやりとりの中に養護的側面の積み重ねがある

(かかわりの蓄積:時間)

以下のことが、 すべてのかかわりの前提になっている養護的側面である。 ①子どもの気持ちを理解する ②子どもの存在をまるごと受け入れる 以上のような日常があり、 5歳児の事例の子どもたちがいる。「果物とは何か」の実践は、 そのような日常の上に、知的にものを考える機会を設けたということである。 (知識を伝える知的教育ではない) 子どもが、保育士に受け止 められていると確信すること (信頼関係の形成・深化) *日常の中でありのままの自分でいられること。 *大人からみたらわがままと言えるようなことも表現できること。 *そして、それが否定されないこと(子どもの発達の過程や、 様々な要因を考えられて、時間をかけて、適切なあり方や方法を 獲得するよう導かれる - 保育内容であり、方法である)

(45)

改定指針に「積極的な幼児期の教育」を位置づけたことの意味

※ 2030年(現在では予想も つかない知識基盤社会)を 見据えた時に、その未知の 世界を生きる人に要求される 資質・能力の柱は3つ ①知識・技能 ②思考力・判断力・表現力等 ③学びに向かう力、人間性等 乳幼児期においては、 これらの資質・能力の 基礎を培う時期である 乳幼児期の学び(教育)は、情 緒の安定・生命の保持を基盤 にして、子どもの興味関心や 必要感を基本にした、生活や 遊びを通して行われる 乳幼児はまだ年少であるから、 その乳幼児の心身発達に応じた教育は、 児童生徒とは異なり、一定の養護や世話が 必要となる。さらに、乳幼児期の教育が、 小学校以上のように教育内容を体系的に 分類した教科を中心にして内容の修得を 行わせるのとは異なり、幼児の具体的な 生活経験に基づいた総合的指導を行うもの である➡養護と教育が一体的に行われる (参照枠:鈴木勲編 逐条学校教育法第8 次改訂版 ) 従って、小学校以上の教育方法を 先取りすることではないことに 細心の注意が必要になる。

(46)

Ⅲ 保育を言語化する

1.なぜ言語化するのか

2.何を言語化するのか

フレーベル第7恩物 (正方形と三角形の色板) フレーベル第6恩物 (積み木)

(47)

47

1.なぜ言語化するのか

・保育士は国家資格 ・名称独占をする専門職 ・保育所の持つ社会的な使命を遂行する 公共性を持った資格 ・保育士は、その役割を倫理観に裏付け られた専門的知識、技術及び判断を もって保育(保護者の支援も含めて) に当たらなければならない ・保育士の行動の指針 すべての子どもは、豊かな愛情のなかで心身ともに健やかに育てられ、 自ら伸びていく無限の可能性を持っています。 私たちは、子どもが現在(いま)を幸せに生活し、未来(あす)を生きる力を 育てる保育の仕事に誇りと責任をもって、自らの人間性と専門性の向上に 努め、一人ひとりの子どもを心から尊重し、次のことを行います。 私たちは、子どもの育ちを支えます。 私たちは、保護者の子育てを支えます。 私たちは、子どもと子育てにやさしい社会をつくります。 (全国保育協議会・全国保育士会倫理綱領前文より) 平成15年(2003)2月に全国保育士会委員会で採択

(48)

2 何を言語化するのか

◆ 保育所の目的 (1)保育所は、児童福祉法(昭和22年法律第164号)第39条の規定 に 基づき、保育を必要とする子どもの保育を行い、その健全な心身の発達を 図ることを目的とする児童福祉施設であり、 入所する子どもの最善の利 益を考慮し、 その福祉を積極的に増進することにもふさわしい生活の場でなければなら ない。 保育所の特性 (2)保育所は、その目的を達成するために、 保育に関する専門性を有する 職員が、 家庭との緊密な連携の下に、子どもの状況や発達過程を踏まえ、 保育所における環境を通して、 養護及び教育を一体的に行うことを特性 としている。 ■ 保育所の役割 (保育所保育指針2017告示 第1章総則1の(1)保育所の役割)

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49 ■ 子育て支援 (3)保育所は、入所する子どもを保育するとともに、 家庭や地域の様々な 社会資源との連携を図りながら、 入所する子どもの保護者に対する支援及び地域の子育て家庭に対する 支援等を行う役割を担うものである。 ■ 保育士の専門性 (4)保育所における保育士は、児童福祉法第18条の4の規定を踏まえ、 保育所の役割及び機能が適切に発揮されるように、 倫理観に裏付けられた専門的知識、技術及び判断をもって、 子どもを保育するとともに、 子 どもの保護者に対する保育に関する指導を行うものである。 ※※ (2)保育所保育の特性(養護と教育が一体的に行われること:保育士の 専門性)を、説明する言葉を持つことが必要 ➡保育者間の情報の共有を図りながら 家庭や地域の様々な機関と連携を図りながら 子どもの最善の利益を保障する上で、 自らの保育を他者に語る言葉が必要である。

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子どもの豊かな育ちのために「子どもに子どもの生活を」

参照

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