※ 遊ぶことは学ぶこと-生活や遊びを通しておこなう
遊び 遊びにおける学びを捉える側面 遊びにおける学びの具体 遊びの
創出
遊びへ の没頭
遊びの 振り返 り
遊びの 創出へ と循環
深 い 学 び
直接的・具体的な体験の中で
「見方・考え方」を働かせて対 象と関わって心を動かし、幼児 なりのやり方やペースで試行錯 誤を繰り返し、生活を意味ある ものとして捉える
*感触・感覚・感動
*試行錯誤・気付き・発見の喜び
*予想・予測・比較・分類・確認
*規則性・法則性・関連性の発見
対 話 的 な 学 び
他者とのかかわりを深める中で、
自分の思いや考えを表現し、伝 えあったり、考えを出し合った り、自らの考えを広げ深める
*依存と自立(信頼関係)
*自己表現(相手への感情・意識)
*思いの伝え合い(イメージの共有・
共感・刺激のしあい)
*葛藤(内省・折り合い)
*対話や話し合い(目的の共有・協力)
主 体 的 な 学 び
周囲の環境に興味や関心を持っ て積極的に働きかけ、見通しを 持って粘り強く取り組み、自ら の遊びを振り返って期待を持ち ながら次につなげる
*安定感・安心感
*興味や関心
*自発性
*自己肯定感
*好奇心・探求心
*持続性・粘り強さ
*必要感
*振り返り・見通し
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事例(1) 保育者の意図 発達経験
種があるから果物だ
保育者「リンゴとなしの似ているところは?」
子ども「まるいとこ」「棒(柄)がある」
「食べられる」「種がある」という答えは割合 少ない。「果物だ」という答えはめったにない。
知識教育ではなく 知的な育ちの形成の機 会を作る。
なじみのもの同士の 比較(考える)
けれど、実物のなしやリンゴを見せて、どち らにも種のあることを確認をした後で
「なしにも種があったでしょう。それではなし のことをなんていうか知ってる?」
・実物を見せて種のある ことを確認させる。
・それから、なしのこと をなんというかを聞く。
実際に見ることから 類推(なしに種があっ た-果物というなし を抽象した分類へ):
考える・逆説
子ども「うん、果物でしょう」
保育者「そうよ。さっき、りんごにも種があっ たでしょう」
子ども「リンゴも果物だね」と答える。
*こうして、数日後に、以下の事例「果物と は何か」という論争が展開されていく。
・りんごにも種があった でしょう(気付きを促す 問いかけ)
類推(りんごにも種が ある-果物・種があ るから)
■ 事例(5歳児クラス)
(事例:勅使千鶴他「知的な育ちを形成する保育実践」引用抜粋,新読書社、2013
p.87~p.91)
事例(2-1) 保育者の意図 発達経験
山形から柿が送られてきた。それを食 べた後で、「知っている果物をたくさん 挙げてみよう」といって、画用紙を渡し て絵を描いてもらう。絵に描いた果物 を挙げてもらいながら、黒板に書いて いく。描いているうちに次々に思い付 き24種類にもなった。その中にくるみ が出てきた。
※具体的なバラバラの経験の蓄 積の中から共通項をみつけて一 つの筋(法則)をたてる
※対話(友だちの話を聞いて)を 通して気付いて欲しい。
(物事の考え方と態度と能力を 育てたい)
※果物と言えるモノの集合(果物 の概念化)
・これまでの経験から 知っている果物 と言えるモノを思い 出す。
・それを絵にかく。
・友だちの答えに 触発されて、知って いる果物を思い出す。
保育者「くるみは果物かしら?」
けんじ「くるみはしいの実みたいに木の 実だから、果物じゃないよ」
けいこ「でも、果物屋に売ってるじゃな い」
やよい「そうよ、果物よ」
のぶお「栗だって売ってるじゃない」
みつこ「しいの実は売ってないし」
果物だ、果物じゃないとワイワイ、ガヤ ガヤ、どちらも譲らない。
※考えるための方向づけを する。
※「なぜだろう」「どうしてだろ う」「どうなっているのだろう」と 子どもの不思議心を掻き立て、
「道すじ(=法則性)」を発見でき るように働きかける。
・果物であるための 理由を考えて、果 物かそうでないか の分類を試みる。
「くるみは木の実 だから果物ではな い」「果物屋に 売っているから果 物である」
・なかなか結論が出 ないという経験(興 味の持続)
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事例(2-2) 保育者の意図 発達経験
そこで、次の日、
保育者「先生も確かにくるみが果物屋で売って いたのを見たけど、果物かしら?」というと、ま た、昨日の続きでワイワイ言い出す。
・昨日の続きを考える ように問いかける(果 物とは何かを考えるこ とを通して、ものごと を抽象することを経 験してほしい-法則の 発見)
保育者「じゃ、くるみの中に種は入ってるの?」
子ども「はいってない」保育者「リンゴは?」子ど も「はいってる」
けいこ「あーわかった。種なのかな。だから種を 食べるのかな」
保育者「じゃ、果物はどこを食べるの?」のぶこ
「種のまわり、食べるの」
保育者「種のまわりを食べるのが果物なの?」
子ども「そうだよ」保育者「しいの実も木になる わね。じゃ、果物?」子ども「違う。種」
きょうすけ「じゃ、バナナ、果物じゃないよ。種な いから」子ども「でも、バナナだって木になるよ」
まさひこ「スイカ、種のないのもあるよ」
・種を手掛かりに問い かける(スライド40の 事例1で、種があるか ら果物だということを 確認しているのを思い 出すように)
・けいこ「あーわかった。
種なのかな。だから種を 食べるのかな」(種を食 べるくるみと、種のまわ りを食べる果物に気付 いていく)
・ナシ、リンゴの抽象化
(果物)
・法則の発見とそれに類 似したものへ疑問や興 味の拡大
・バナナは種がないから 果物ではない?
・まさひこ「スイカ、種の ないのもあるよ
日常的なやりとりの中に養護的側面の積み重ねがある (かかわりの蓄積:時間)
以下のことが、
すべてのかかわりの前提になっている養護的側面である。
①子どもの気持ちを理解する
②子どもの存在をまるごと受け入れる
以上のような日常があり、
5歳児の事例の子どもたちがいる。「果物とは何か」の実践は、
そのような日常の上に、知的にものを考える機会を設けたということである。
(知識を伝える知的教育ではない)
子どもが、保育士に受け止 められていると確信すること
(信頼関係の形成・深化)
*日常の中でありのままの自分でいられること。
*大人からみたらわがままと言えるようなことも表現できること。
*そして、それが否定されないこと(子どもの発達の過程や、
様々な要因を考えられて、時間をかけて、適切なあり方や方法を 獲得するよう導かれる - 保育内容であり、方法である)
■ 改定指針に「積極的な幼児期の教育」を位置づけたことの意味
※ 2030年(現在では予想も つかない知識基盤社会)を 見据えた時に、その未知の 世界を生きる人に要求される 資質・能力の柱は3つ
①知識・技能
②思考力・判断力・表現力等
③学びに向かう力、人間性等
乳幼児期においては、
これらの資質・能力の 基礎を培う時期である
乳幼児期の学び(教育)は、情 緒の安定・生命の保持を基盤 にして、子どもの興味関心や 必要感を基本にした、生活や 遊びを通して行われる
乳幼児はまだ年少であるから、
その乳幼児の心身発達に応じた教育は、
児童生徒とは異なり、一定の養護や世話が 必要となる。さらに、乳幼児期の教育が、
小学校以上のように教育内容を体系的に 分類した教科を中心にして内容の修得を 行わせるのとは異なり、幼児の具体的な 生活経験に基づいた総合的指導を行うもの である➡養護と教育が一体的に行われる
(参照枠:鈴木勲編 逐条学校教育法第8
次改訂版 ) 従って、小学校以上の教育方法を
先取りすることではないことに 細心の注意が必要になる。