アマチュア無線のための
インターネット通信の基礎
JR1OFP
1.インターネットとは
AT&T OCN AOL KDDI Yahoo 世界中のISPのネットワークが相互接続された巨大なネットワークのこと。(ISP: Internet Service Provider
AT&T , AOL, OCN, KDDIなど)
家庭や企業は何処かのISPに接続 することで、インターネットに接続で きる。
ティアワン プロバイダー
2.
IPパケット通信
ネットワーク#1 ネットワーク#2 ネットワーク#3 ネットワーク#4 ルータ ルータ ルータ ヘッダー データ IPパケット 1.送りたいデータは「IPパケット」と呼ばれる小包にしてネットワークに送り込む。 2.IPパケットには、「ヘッダー」と呼ばれる荷札が付いている。 この中には、 「宛先IPアドレス」、「送信元IPアドレス」等の情報が入っている。 3.ネットワークとネットワークを接続するルータは、この宛先IPアドレスを見て次にどの ネットワークに送るかを判断して、IPパケットを中継し、目的の装置(PCやサーバ) まで届けられる。 4.通常IPパケットの大きさは最大1,500バイトで、それより大きなデータは複数の IPパケットに分割して、運ばれる。 ルーティング テーブル ルーティング テーブル ルーティング テーブル3.IPパケットの構造
NI ヘッダー IPヘッダー トランスポート ヘッダー AP ヘッダーデータ
ヘッダー
1.NIヘッダー: ネットワーク・インターフェース ヘッダー 一つのネットワーク内通信に使われる。 宛先MACアドレス、 送信元MACアドレス 等の情報が入っている。 2.IPヘッダー: インターネットプロトコル ヘッダー 複数のネットワークを経由したEnd to End通信に使われる。 宛先IPアドレス、送信元IPアドレス 等の情報が入っている。 3.トランスポート ヘッダー 装置(PC、サーバ)内で、目的のアプリケーション (プログラム)にパケットを届ける。 宛先ポート番号、送信元ポート番号 等の情報が入っている。 4.APヘッダー:アプリケーション ヘッダー アプリケーション間通信に必要な情報が入っている。4.
IPアドレス (1)
1 1 0 0 0 0 0 0 1 0 1 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 1
例:192.168.0.5 / 24
192 168 0 5 0 31 ネットワークアドレス部 ホストアドレス部 1. IPアドレスは32bitで、8bitずつピリオドで区切って10進数で表記する。 2. 「/24」は ネットワークアドレス部が 24bitであること示す。 通常は、ネットワークアドレス部24bit、ホストアドレス部 8bitで使われている。 3. ネットワークアドレス部は、ネットワークの存在する住所を表す。 ホストアドレス部は、ネットワーク内のホスト(PC,サーバ)の番号を表す。5.
IPアドレス (2)
<IPアドレスの種類>
1. グローバルIPアドレス
インターネットで使われるIPアドレスで、世界中でユニークな番号が、PCやサーバ に割り当てられる。2. プライベートIPアドレス
家庭内や企業内、組織内の閉じたネットワークでのみ有効なIPアドレス 一般家庭では、 192.168.xxx.xxx のIPアドレスが多く使われている。 プライベートIPアドレスは、インターネットでは使えない。6.
MACアドレスとポート番号
ベンダーコード
シリアル番号
0 23 24 471. MACアドレス (例: 44-37-E6-46-63-B5)
MACアドレスは各装置のネットワーク接続部に書き込まれている48bitの番号で、 世界中でユニークな番号が工場出荷時に書き込まれる。 1つのネットワーク内通信で、宛先 / 送信元 を識別する番号として使われる。2. ポート番号 (例: HTTP=80)
0 15 装置(PC、サーバー)内には複数のプログラムが動いており、ネットワーク通信を 行う各プログラムにポート番号が割り当てられる。 装置が受信したIPパケットを どのプログラムに渡すかを判断するためにポート番号が使われる。 代表的なプログラムには、固定のポート番号が割り当てられている。 Webサーバー:HTTP = 80 、メール送信:SMTP = 25 、メール受信:POP3 = 110 ( 0 ~ 65535 )7.家庭からのインターネット接続
ISP BB ルータ LANケーブル LANケーブル ONU/ADSL /CATV モデム 光ファイバー 電話回線 ケーブルテレビ LAN ケーブル 無線LAN 家庭内LAN インターネット :プライベートIPアドレスが 設定される。 :グローバルIPアドレスが設定される。8.ネットワークアドレス変換
(NAT)
家庭内ネットワーク (プライベートIPアドレス) インターネット (グローバルIPアドレス) PC 192.168.0.10 Webサーバー 123.4.5.6 BBルータ IPパケット IPパケット 宛先IP: 123.4.5.6 送信元IP: 192.168.0.10 111.1.1.1 宛先IP: 123.4.5.6 送信元IP: 111.1.1.1 家庭内のPC(プライベートIP)からインターネットアクセスするには? BBルータでプライベートIPとグローバルIPを相互変換する。 192.168.0.1 IPパケット IPパケット 宛先IP: 192.168.0.10 送信元IP: 123.4.5.6 宛先IP: 111.1.1.1 送信元IP: 123.4.5.69.ネットワークアドレスポート変換
(NAPT)
PC#1 192.168.0.10 (PORT:40000) Webサーバー 123.4.5.6 (PORT:80) BBルータ 家庭内に複数のPCがあるとNAT機能ではアドレス変換ができない。 そこで、通常は複数PCに対応できるNAPT機能が使われている。 PC#2 192.168.0.20 (PORT:50000) 宛先IP:123.4.5.6 宛先PORT: 80 送信元IP:192.168.0.10 送信元PORT: 40000 宛先IP:123.4.5.6 宛先PORT: 80 送信元IP:192.168.0.20 送信元PORT: 50000 宛先IP:192.168.0.10 宛先PORT: 40000 送信元IP:123.4.5.6 送信元PORT: 80 宛先IP:192.168.0.20 宛先PORT: 50000 送信元IP:123.4.5.6 送信元PORT: 80 宛先IP:123.4.5.6 宛先PORT: 80 送信元IP:111.1.1 送信元PORT: 40000 宛先IP:123.4.5.6 宛先PORT: 80 送信元IP:111.1.1 送信元PORT: 50000 宛先IP:111.1.1 宛先PORT: 40000 送信元IP:123.4.5.6 送信元PORT: 80 宛先IP:111.1.1 宛先PORT: 50000 送信元IP:123.4.5.6 送信元PORT: 80 (192.168.0.1) (111.1.1) (変換表) (PORT) (IP) 40000 =>192.168.0.10 50000 =>192.168.0.20 ・ ・ ・ (家庭内ネットワーク) (インターネット) パケット送信を行うと BBルータ内に一時的 に変換表が作られる。10.ポート開放とは(1)
NAPT機能があるので、家庭内のPC(プライベートIP)から、外部(グローバルIP)の装 置(PC,サーバー)には、パケットを送信し、応答パケットを受信することができます。 しかし、いきなり外部(グローバルIP)の装置から家庭内のPC(プライベートIP)にIP パケットを送信することはできません。 家庭内PC 192.168.0.10 外部PC 123.4.5.6 BBルータ 111.1.1.1 192.168.0.1 宛先IP:123.4.5.6 OK 宛先IP:192.168.0.10 NG (インターネット) (インターネット内では、グローバルIPしか指定できない) 家庭内LAN (プライベートIP)11.ポート開放とは(2)
外部(グローバルIP)の装置から家庭内のPC(プライベートIP)にパケットを送信で きる様にする機能が、ポート開放です。 この機能を使うと、家庭内に各種サーバーを立ち上げ、外から使うことができます。 家庭内PC 192.168.0.10 (ポート:2461) 外部PC 123.4.5.6 BBルータ 111.1.1.1 192.168.0.1 宛先IP:111.1.1.1 宛先ポート:2461 (インターネット) (ポート開放表) (PORT) (IP) 2461 =>192.168.0.10 ・ ・ ・ 宛先IP:192.168.0.10 宛先ポート:246112.ポート開放設定の例
BBルータ 111.1.1.1 192.168.0.1 (インターネット) IP: 192.168.0.121 TCPポート: 20021 UDPポート: 2461 IP: 192.168.0.110 UDPポート: 40000 AMBEサーバー ID-51P ターミナルモード AMBEサーバー用ポート開放 ID-51P ターミナルモード用ポート開放 宛先IP:111.1.1.1 宛先PORT: 4000013.
TCP と UDP (参考)
インターネットを使った通信(TCP/IP)には、 TCP通信 と UDP通信がある。 これはトランスポート層の機能で、アプリケーション毎にどちらの通信方法を使うか 決めることになっている。 TCP通信 : 送信パケットに番号を付け、受信側でパケットエラーやパケット抜けを検出 した場合、パケットの再送を行うことで、信頼性が高い通信ができる。 パケット再送を行うので、音声や映像等のリアルタイム通信には使えない。 UDP通信: パケットの送達確認は行わない、シンプルな通信方法なので信頼性は低い。 音声や映像等のリアルタイム通信に使われる。14.
MACアドレスの使い方 (参考)
(1) MACアドレスはネットワーク内の通信に使われる。 (2) PCやルータは、宛先MACアドレスが自分宛の時にパケットを受信する。 (3) 従ってネットワーク内通信では、送りたい装置のIPアドレスからその装置のMACアド レスを求めて、宛先MACアドレスに設定してネットワーク内にパケットを送信する。 PC#1 IPアドレス: 192.168.1.1 MACアドレス: PC1 PC#2 IPアドレス: 192.168.1.2 MACアドレス: PC2 宛先IP 192.168.1.2 宛先MAC PC2対応付けが必要
(ARP処理で求める) 宛先IP:123.4.5.6 宛先MAC: PC215.IPパケットデータの例
(参考)
宛先ポート番号(AMBEサーバー) 送信元ポート番号(BlueDV for Windows)
宛先IPアドレス(AMBEサーバー) 送信元IPアドレス(PC) 送信元MACアドレス(PC) 宛先MACアドレス(AMBEサーバー) ヘ ッ ダ ー