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ビッグデータ時代の情報活用

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Academic year: 2021

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あ ら ま し 企業内外に存在する多種多様で膨大なデータ,いわゆる「ビッグデータ」をうまく活用 し,多様化する消費行動を読み解くことで,新たな商品・サービスの開発や顧客の効率 的な獲得や育成といった企業活動に大きな価値をもたらすことが期待されている。 本稿では,富士通が行っている二つの業種におけるビッグデータの取組みを紹介する。 一つ目は,多様な接点情報(オムニチャネル)による消費者囲込みが急務になっている小 売業の取組みである。爆発的に増加する多様でアドホックな顧客の消費行動情報を解析 し,ある顧客群のニーズを可視化するICT基盤と,現場が情報を活用し施策につなげる場 (ワークショップ)を提供するサービススキームについて説明する。二つ目は食品メーカー のマーケティング領域での取組みである。前述したように,小売業のオムニチャネル化 も絡めてネット購入層が拡大し,それに伴ってテレビCM中心のプロモーションからネッ ト広告などへプロモーションチャネルが多様化している。このように,食品流通業は,ビッ グデータをキーワードに激しく変わろうとしている。その上流に位置している食品メー カーでは,これまで以上に精緻なターゲッティングによる効果的なマーケティングを目 指し,データとデータ解析を活用する機運が高まっている。 Abstract

Making good use of massive amounts of various data that exist in and outside enterprises, or so-called big data, to analyze consumption behaviors that are becoming increasingly diverse is expected to bring significant value to corporate activities including the development of new products and services and efficient acquisition and development of customers. This paper presents Fujitsu s activities related to big data in two categories of business. First it covers the retail industry, in which corralling consumers through various types of contact information (an omni-channel approach) is urgently needed. It describes an information and communications technology (ICT) platform for analyzing the consumption behavior information of the exploding number of diverse and ad-hoc customers to visualize the needs of certain customer groups, and a service scheme for providing an opportunity (workshop) to use information on the front line to formulate measures. Second, activities by food manufacturers in the marketing area are explained. As mentioned above, the Internet buyer group is expanding along with the omni-channeling in the retail industry, and this has caused a diversification of promotion channels from promotion based on TV commercials to a type that includes Internet ads. In this way, the food distribution industry is undergoing a sea change with big data as the keyword. Among food manufacturers, which are in the upstream of the industry, there is increasing momentum to utilize data and data analysis for effective marketing by having more finely focused targeting than ever.

● 宮澤哲也   ● 鈴木飛龍   

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くされ,自社販売チャネルの強化と連携によって 補完されるチャネルとの最適な組合せによって, 消費者を「場所」「時間」の両面で囲いこむ必要が 生じた。 このようにチャネルを戦略的に展開し,的確な マーケティング施策につなげる時代が到来してい る。一方,ICTの進歩によりチャネルを通じて得ら れる情報は爆発的に増えてきている。 小売業は,これらを上記のチャネルの強化と最 適な組合せ戦略に沿って,有効なデータを取得す るとともに,その組合せにより分析評価する必要 がある。 これらの背景から,富士通は小売業の多様なチャ ネルを統合的にサポートするビジネスプラット フォームCHANNEL Value(注1)(図

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)を定義する。 更に,多様なチャネルを利用する消費者をより鮮 明に読み解くために,統合的名寄せにより一元管 理できる顧客統合基盤を提供する。そして,その 基盤を利用しながらチャネルの組合せを行い,得 られたチャネル戦略に有効な情報の可視化,およ び施策への展開を支援する分析基盤サービスを提 (注1) 小売業を中心に消費者・生活者・取引先との組合せる べき価値あるチャネルをビジネスプラットフォーム(BP) 上に集め運営する富士通のサービスである。国内ではネッ ト事業者が先行して推進しており,そのBP上にどれだけ の魅力的な企業が参加するかでBPの価値に影響する。 ま え が き モバイルデバイスやセンサーなど,データを生 成し収集する機器が増加している。これらの機器 によって収集された膨大なデータをうまく分析す ることで,今まで企業が知り得なかった消費者の 行動や関心が明らかになり,顧客の効率的な獲得 や育成といった施策などのマーケティングに活用 する期待が大きくなってきている。しかしその反 面,ビッグデータの大半は業務オペレーションで 副次的に発生する情報であるため,価値密度は薄 くなる。したがって,これらの副次的情報をう まく組み合わせて価値化するための技術が必要と なってきている。 本稿では,流通業における商品・サービスの発 生元であり顧客への最終提供元(顧客接点)でも あると同時に,ビッグデータをマーケティングに 活用する需要が高いメーカー(食品)・小売業にお ける富士通の取組みについて紹介する。 小売業における情報活用 ● オムニチャネル時代のデータ活用 スマートフォンなど携帯端末の普及とSNS利用 の広がりは,消費者の消費情報の入手と購買ルー トの選択肢の幅を格段に広げた。これに対して小 売業は「顧客接点(チャネル)」の見直しを余儀な ま え が き 小売業における情報活用 図-1 CHANNEL Value グループ ポイント サービス 積立型 電子マネー サービス 決済 サービス 流通BMS 統合顧客基盤  サービス 分析基盤 サービス 取引先 サイト サービス 街マネー 小売業 CHANNEL Value Little Data

取引先

Little Data Little Data Little Data Little Data Little Data ECサイト サービス Little Data 販促 オファーリング サービス Little Data

生活者

顧客

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これらの情報可視化を支える分析基盤のポイン トを以下に示す(図

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)。 (1) CHANNEL Valueを と お し て 得 ら れ る 多 種 多様な情報をフラットデータ形式で格納する ODS(注2)基盤を提供する。フラットデータ形式で 格納すれば,データ形式にこだわらず一時的なア ドホックな付加情報(注3)や情報活用のプロセス(後 述)で利用ごとに付加される価値ある情報(注4)を, その未来価値をそぎ落とすことなく管理するこ とができる。 (2) 使うたびに価値ある情報が増加するフラット な大量データをHadoopで高速並列処理し,見た い形で柔軟に表現できるインメモリ型のADV(注5) ツールを活用する。

(注2) Operational Data Storeの略。

異なる業務システムのデータ(オペレーショナルデー タ) を統合的に集約管理する仕組みである。従来はマス ター化された情報をデータベースで管理していたが,フ ラットデータ処理技術の発展により,多様な形式のデー タを統合的に管理する仕組みとして活用されている。 (注3) 商品DNAや顧客DNAなど,従来のマスターでは捉える ことのできない商品や顧客の価値・趣向性情報である。 (注4) 購買商品の類似性での分類されたグループ情報,および 顧客マスターから取得できないライフステージ情報(独 身,DINKS,専業主婦,働きママなどの情報を消費行 動から推定)である。

(注5) Advanced Data Visualizationの略。

ビッグデータの分析結果を視覚的に表現し,重要なパ ターン性や洞察を得るための高度な可視化の仕組みで ある。近年は,人間の思考(ニーズ)に即した瞬間的な 可視化が求められ,インメモリ型のADVが活用されて いる。 供する。 2011年から,接点情報を分析するサービスを先 行実証実験として推進し,2013年に実証実験によっ て得られた知見を分析シナリオとして体系化と基 盤の整備を行い,サービス事業として立上げた。 以下に,オムニチャネル時代に必要なリトルデー タの組合せの活用とその分析スキーム,ならびに ICT基盤について説明する。 ● 戦略展開・施策立案に情報活用を定着させる ためのサービス提供のポイント~「モノ」から 「コト」への転換~ 従来,情報分析は現場部門から提供されたニー ズを基に,情報システム部門とITベンダーが中心 となり「モノ」づくりを推進していた。ニーズに則っ てデータを正規化し,可視化のビューを定型化し ていた{図

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(a)}。その結果,正規化と定型化に より将来の柔軟性を大きく失い,「時間」と「モノ」 を通してえん曲的に提供されるため,現場のニー ズとのギャップが広がってしまう。 これに対し,富士通は情報の形式にこだわらず (内部・外部の混在),現場のニーズ(イメージ) に近い可視化を提供する。ICT基盤と可視化された 情報を戦略・施策まで展開する疑似体験のワーク ショップ(WS)を通じて,この課題の解決を図る。 すなわち,情報活用における劇場型「コト」づく りの場の提供である{図-2(b)}。 ● 可視化を支える情報技術 分析結果は,WSを通じて共有化したテンプレー トを使って提供される。 図-2 情報活用「モノ」から「コト」への転換 システム(基盤/アプリケーション) 現場で情報を活用する人 モノづくり モノづくり 主体 主体 システム(基盤/アプリケーション) 現場で情報を活用する人 事務局・ 調整 データ提供 劇場型 劇場型 コトづくり (ワークショップ)コトづくり (ワークショップ) (a) 従来(「モノ」づくりの情報活用) (b) 今後(「コト」づくりの情報活用) 富士通 現場 ITベンダー 情報 システム 部門 現場 情報 システム 部門 ニーズ ニーズ

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による顧客のグループ分けによって,それらの特 徴が可視化される。更に,グループを読み解くた めに従来の定量的なセグメンテーション(デシル・ RFMなどの分析手法)を用いて特徴を探り当て, その特徴を取り上げる。 こうしたグループ化とセグメンテーションを繰 り返し,情報可視化基盤をどのように活用し,戦 略展開・施策立案に適用したのか,そのプロセス を4点述べる(図

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)。 ● 情報活用のプロセス 次に,戦略展開・施策立案に情報活用を定着さ せるための,WSをとおした情報活用のプロセスに ついて述べる。情報を可視化した消費行動の解析 において,重要なことはグループ化とセグメンテー ションを繰り返すことである。消費行動というの は一人十色であり,様々な場面で,多様なチャネ ルが利用されるため,一人ひとりを理解すること は難しい。様々な場面における消費行動の類似性 図-3 情報可視化基盤 図-4 情報活用のプロセス グループ ポイント サービス 積立型 電子マネー サービス 決済 サービス 流通BMS 取引先 サイト サービス 街マネー 小売業 CHANNEL Value Little Data 取引先 Little Data Little Data Little Data Little Data Little Data ECサイト サービス Little Data 販促 オファーリング サービス Little Data 生活者 顧客 CHANNEL Value 整理する 抽出する 理解する 不揃いなデータを 統合 データに潜む傾向を数値化 発想を助けるための視覚化 集める 多種多様なデータを 収集 【データ蓄積基盤(ODS)】 情報可視化基盤(クラウド) 可視化(ADV) データ保管・高速処理 【データ加工基盤】 【データ可視化基盤】 メモリ ・・ ・ DATA DATA DATA 【データ抽出基盤】 可視化目的に合わせた 最適データ抽出 (グループ化) グラフィック クレンジング マスタ結合 分析軸追加 【セキュリティ基盤】 データ価値化 意味付け 外部情報 グループ化の 付加情報付け (意味ある  情報を付加) データ質量のUP グルーピング ODS (非正規化データ) (価値のある  情報との組合せ) セグメンテーション 活用できるデータへ可視化 業務への活用 一時的な商品カテゴリー 一時的な商品カテゴリー (スーパー) 売上情報 (百貨店) 一時的な会員情報 会員情報 商品マスタ (商品DNA) ワークショップ テンプ テンプレート

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がった。 【今後の主力展開を計画しているナチュラルテイストを キーコンセプトとしたショップ群の顧客育成層を取り 出し,専門雑誌の送付により定着化を狙った施策】 (1) キーコンセプトに合ったショップを選定後, 一時的に商品DNA(テイスト)を付与し,テキ スト情報としてODSに格納する。これと,組織 横断の感性的な情報との組合せにより,趣味嗜好 を鮮明にする高付加価値情報への変換を行う。 (2) 全館の購買傾向の類似性でグループ化する。 ナチュラルテイストショップの購買傾向の異なる グループ(特定ショップのファン,広くナチュラ ルテイストのショップを購入)が生成される。 (3) ADVを使い,グループごとの購買力(RFM), ライフステージ,どのようなショップで購入し ているのか(買い回り傾向)を可視化し,グルー プ特性の理解を深める。また施策ターゲットとし て,伸び代がある未成熟なグループを抽出する。 こうした施策の効果として,ターゲットグルー プの特性に合わせた専門雑誌の企画・送付により, 送付者の50%が3か月以内に来店し,該当のショッ プで購入した。今後のキーコンセプトを支える顧 客の育成に貢献できた。 ● 今後の予定 現在,プライベート型で提供している分析サー ビスをコミュニティ化し,分析を通じて蓄積した セグメンテーションのテンプレートやデータの価 値を向上させるための付加情報をライブラリ化す る。それを参加する企業間で共有し成長させるサー ビス(テンプレートイニシアチブ)を立上げ,参 加企業が場を常に活性化する成長型サービスの立 上げを推進していく。 食品メーカーにおける情報活用 ● マーケティング領域 食品メーカーのビッグデータ活用は,ここ数年で 始まったばかりであり,活用領域は主としてマーケ ティング領域とサプライチェーン領域に大別できる (食品メーカー向けユーザ会討議より)。しかし, 元々マーケティング領域から始まっていることから, 現在も主としてマーケティング領域で取り組まれて いる。 食品メーカーのマーケティングでは,従来より対 食品メーカーにおける情報活用 (1) 価値あるデータへの変換 価値ある情報の組合せ,およびグループを読み 解くために有効で一時的な付加情報(商品DNA) をフラットデータとしてODSで統合管理する。 (2) グループの生成 全体母集合をセグメンテーションしグループ化 を解析し,表面化した観点や購買傾向の類似性に よってグループを生成する。 (3) グループの最適化 セグメンテーションによりグループを評価する。 セグメンテーションとグループ化,必要に応じた データの修正・改善(粒度調整など)を繰り返し, 特徴の近い最適なグループを生成する。 (4) グループ化による価値ある情報の蓄積 グループ化によって得られた販促に効果的な情 報(顧客DNA)をODSに蓄積する。 ● 施策の事例 グループ化とセグメンテーションの繰返しにお いて,戦略展開・施策立案に適用した事例を紹介 する。 【百貨店食品売場から上層階(ブーツ売場)へ噴水効果を 狙った施策】 (1) 食品売場の購買情報に曜日・時間帯(午前・ 午後・夕方・休日)を組み合わせ,データの価 値(注6)を上げ,ODSに格納する。 (2) 食品の購買傾向の類似性とライフステージ(年 代)によりグループ化する。これにより,ブーツ 購入のポテンシャル(購買率)に特徴のあるグ ループが生成可能となる。 (3) ADVを使い,グループごとの購買力(RFM), ブーツの購買傾向の特性(購入時期・スタイル・ グレード)を可視化し,グループ特性の理解を深 める。また施策ターゲットとして,特定グループ に類似した未成熟(ブーツ未購入)なグループを 抽出する。 これら施策の例として,ターゲットグループの 特性に合わせた商品展開・販促媒体の送付により, 20%の顧客(通常の反応3 ∼ 5%)が対象の売場で 購入したという結果が得られた。つまり,食品売 場から上層階への買い回り新規顧客の獲得につな (注6) 購買商品×時間帯により単純な購買情報からライフ スタイルをより鮮明にする高付加価値情報への変換を 行う。

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手く機能している例はほとんどない。ソーシャル メディアデータを活用するためには,ネットユー ザーの代表性やサンプルとしての特性を分析アル ゴリズムに組み込む必要があり,中心マーケット の代表として捉らえることは難しい。また,デー タとして購買行動に位置づけられるのか,あるい は消費行動に位置づけられるのかを明確にする必 要がある。 では,ソーシャルメディアデータに代わって利 用されるデータとしては,例えば,富士通が提供 している電子レンジのログデータ「レンジPOU」 が挙げられる。このデータは,これまで食品メー カーがリーチできていなかった家庭の消費行動を 詳細なデータとして取得している(図

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)。 今後も,このように調理家電や冷蔵庫といった 消費者の消費行動の実態が分かるログの活用が進 んでいくであろう。 (2) プロモーション これまで,営業企画部門が中心になって行って きた個別のプロモーションについてもビッグデー タを使ったプロセスに変革していく。ここでもキー ワードは消費者への直接リーチである。従来,食 品メーカーのプロモーションは卸・小売を経由し て行っており,消費者の反応を詳細に確認するこ とは困難であった。そこで,ビッグデータを活用 象を絞り込むターゲティング・セグメント・母集 団・デモグラフィック・サイコグラフィックなど のデータ網羅性よりも代表性の要件が大きい中で (スモールデータではあるが)データ活用がされて きた。それに対し,サプライチェーンの領域では データの網羅性が要求されるため,依然として基 幹システムのデータが活用されており,ビッグデー タ活用が進まない要因になっている。つまり,ビッ グデータはその特性上,母集団の特性を代表的に 抽出したデータを活用し,構成要素を分析してい くことに活用されているのである。今後は,サプ ライチェーン領域においても代表性を用いた分析 が進んでいくと考えられる。 ● マーケティングイノベーション 食品メーカーのマーケティング領域において, ビッグデータを活用した場合,どのようなイノベー ションが期待できるのか整理してみる。 (1) 商品開発 食品メーカーでは,従来,新商品開発や定番商 品のリニューアルといった商品企画・開発段階に おいて,アンケートやサンプルによる嗜好調査な どを行ってきた。この領域では,今後は「SNSな どのソーシャルメディアデータが利用できる」と まことしやかに語られる場合が多い。しかし,ソー シャルメディアデータを活用した新商品開発が上 図-5 レンジPOU活用例 ①お客様商品に絞って  傾向を確認 ②お弁当利用が多い中,  夕食利用に着目 ③何を食べてるか確認 ④冷凍食品を利用している  食卓写真を確認 ⑤冷凍食品を利用していない日 の食卓の写真から冷凍食品に  置き換えられるモノを検討

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してプロモーション効果を把握し,効果のあるプ ロモーションを企画・実施することで,高いコス トパフォーマンスが発揮できる(図

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)。 この場合,まずはPOSデータを中心とした消費 者の購買行動を把握できるデータを活用し,更に, SNSなどのソーシャルデータや,スマートフォン なども活用して消費者に直接働きかけることにも 取り組んでいく。 む  す  び 本稿では,小売と食品メーカーにおける富士通の ビッグデータ活用に対する取組みについて述べた。 ビッグデータ活用というと,大量データの分析 を通じてデータにモノを語らせる傾向もあるが, データ量に振り回されることが多い。したがって, まずは人の考える力を補完し,意思決定に寄り添 む  す  び う形での利用形態が効果的であると考える。つま り,仮説検証型での情報活用である。そのために, 企業側も情報を活用し,消費者にどのような価値 を提供していくのか仮説検証を繰り返しながら推 進していくビジネススキームが必要になってきて いる。 前述したような流通業の変革を推進していく富 士通も同様に変革していく必要がある。従来の情 報分析のシステム(モノ)の提供から,情報収集 からアプローチまでをお客様の仮説検証プロセス を支援するスキームと,それを実現する柔軟なICT 基盤を提供するサービス(コトづくりの場の提供) への変革である。 将来的には各企業個別に提供しているサービス を業界共通のパブリックサービスへ発展させ,業 界全体の活性化にも貢献していく。 図-6 プロモーション実施プロセス 内部データ 高度データ 解析 ①Plan & 戦略立案 プロモーション企画 プロモーション 実施 実施結果 プロモーション効果分析 ②Do ③Check :データ分析でプロセス改善が見込まれる業務 ・SNSデータ ・POSデータ など 外部データ ・営業活用データ (売上・訪問件数など) ・売上データ (出荷ベースの売上) 次企画 フィードバック ④Action 宮澤哲也(みやざわ てつや) 産業・流通システム事業本部流通業ソ リューション統括部 所属 現在,食品業向けビッグデータビジネ ス構築に従事。 鈴木飛龍(すずき ひりゅう) 産業・流通システム事業本部流通業ソ リューション統括部 所属 現在,小売業向けの消費行動分析サー ビスに従事。 著 者 紹 介

参照

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