温泉療養ネットワーク事業推進委員会
事業代表 社団法人 民間活力開発機構1.背景
2.目的
2.目的
箱根町は、国立公園の豊かな自然環境の中に位 置し、箱根十七湯と呼ばれる豊富な温泉資源と東 京から1時間半という立地にも恵まれ、国内外か ら毎年約 2,000 万人の観光客が訪れる日本を代表 する観光地です。しかし近年の経済社会環境の影 響等から観光需要は大幅に減少しており、その打 開策として、強羅温泉郷では温泉地を健康産業拠 点と位置づけ、温泉を中心とする自然資源、文化 資源を活用し、質の高い健康環境づくりに取り組 んでいます。その一環として、平成 15 年、観光協 会を中心に「温泉療養アドバイスプラザ」を開設 し、医師・専門家による療養相談を開始したほか、 旅館では、食事のリクエストへの対応、カロリー 表示等に本格的に取り組み、さらに地域の環境を 取り入れたウォーキングプランを提供するなど、 従来の宿泊業とは異なるサービスの確立による健 康・観光サービス産業の振興および雇用の創出を 目指しています。 健康面での温泉の機能は、慢性疾患に対する 治療、リハビリテーション、生活習慣病の予防、 保養、休養、健康づくりなど広範囲にわたって います。これらを合せた概念である「温泉療養」 は、温泉浴や飲泉等による温泉療法だけでなく、 森林、海洋等の地域の自然環境を活かし、運動 療法、食事療法、環境療法などを効果的に組み 合わせて行うもので、生体の自然治癒力を高め る健康増進、健康維持に最も適しており、特に 高齢者の健康づくり、疾病予防、治療に利用す ることにより、医療費の抑制を図ることが期待 されています。そのためには、医学的根拠に基 づいた質の高い総合健康サービスとしての温泉 療養サービスを提供する必要があることから、 日本温泉気候物理医学会と協力し、箱根強羅地区の 泉質および地域資源に適合した温泉療養効果判定シ ステムおよび健康増進プログラム構築の方策を検討 するとともに、強羅温泉地域における新たな健康サ ービス産業の創出を促進し、地域産業の活性化を図 ることを目的として具体的な研究実施計画を立案し ました。 本システムでは、以下の効果をあげることを目標 とします。 (1)温泉療養効果判定システムの確立 (2)医療費の削減 (3)地域産業の活性化 (4)国内健康サービス産業の育成 (5)日本発の国際健康サービス産業の創生 湯めぐり手形 強羅大文字焼きFeedbackによるプログラムの改良 温泉療養効果判定基準 データバンク (民間活力開発機構内)
Evidence
効果測定・判定 (温泉療養アドバイスプラザ事務局) 『温泉療養 指示書』 全国の地域情報 温泉・食事・運動・環境 個人情報 症状・体調・本人希望など 滞在型健康PGMの実践 温泉・食事・運動・環境の4療法を 組み合わせたプログラム 日常生活の健康管理 滞在型健康PGMの提案 個人別効果を予測3.
温泉療養効果判定システムの概要と特徴
【 温泉療養効果判定システムと健康産業の関係図 】 (1)目的 1 人ひとりの症状・体調に合った最善の温泉療 養情報(温泉・食事・運動・環境の4療法を組み 合わせた情報)を提供するシステムを構築します。 (2)概要 (A)システム化 IT 上でこの温泉療養プログラムを表現、実現、 展開するために EBKA(証拠に基づいた電子知識ア ーキテクチャー)を利用し、データ評価はさまざま な統計手法を用い RCT(無作為化比較試験)の実 現を目標とします。RCT に耐えうる数の症例が集 まった段階で、効果判定のためのプログラムの標 準化を行い、標準化に伴って、しかるべき英文誌 において論文発表を行います。また個人情報に関 しては個人情報保護および倫理管理についての外 部評価委員会を設け、客観的かつ最善の手法をと っていることを確認しながらデータ収集を行うこ とにより、プライバシーが保護されます。 (B)標準温泉療養プログラム作成 栄養、運動、入浴、飲泉などの要素に分類して、 要素ごとにプログラムを作成し統合できるような システムを作成します。 (C)標準化プログラムの個別化(地域化) 標準療養プログラムに地域毎の特性(栄養にお いては特産食材、運動においては地形、入浴にお いては泉質と温度、飲泉においては成分)を考慮 して地域化を行うことにより、地域毎療養プログ ラムとします。地域毎の療養プログラムに、個人 ごとの特性(背景疾患、生活環境、ライフスタイ ル、嗜好など)を考慮してさらに個別化を行いま す。これによって個人毎地域毎療養プログラムが 作成されます。 (3)特徴 このシステムが構築されれば、他の温泉地でも 最善の温泉療養を提供することが可能となり、こ こから派生する新たな健康サービス産業の創出と 地域産業の活性化が期待できます。 ICカード OR 健康産業のサポート 地域産業+大手企業 国際DB連携による 世界標準化 温泉療養ノート4.強羅地区の滞在型健康プログラム
【 温泉療養効果判定システムと滞在型健康プログラム(PGM)の関係図 】 箱根強羅温泉での滞在型健康プログラムの提案と して、自然環境・観光資源が豊富に点在している周 辺地域状況から、温泉・環境・食事・運動の面で下 記のような特性を活かすことができます。 滞在型温泉療養プログラムの充実をはかること は、療養客の滞在の長期化やリピーターの増加につ ながるものと考えられ、温泉地の地域経済の活性化 に貢献します。 (1)温泉 5 種類の多様な泉質、源泉所有が多く、湯量が豊 富、多様な料金設定や「湯めぐり」企画等の療養客 向けサービスが充実しており、長期滞在が可能 (2)環境 首都圏より 100km 以内に位置し交通至便であるこ と、かつ森林に囲まれた標高 500∼700m の静寂な高 原気候の環境は心身に適度な刺激を与えてくれる ことから、首都圏近郊でも非日常的な体験が可能 (3)食事 山、海共に近く旬の食材が豊富にあり、また注 文食や自炊対応など、療養客向け食事サービスも 充実しており、各種ヘルシーメニューの提供が可 能 (4)運動 地域特性である坂を利用したウォーキングや森 林浴、また健康増進施設「さくら館」を活用した 水中運動、フィットネスなど、多面的な運動環境 の提供が可能 このほか、美術館や名所旧跡も点在しており、 各種文化体験が可能であることも注目されます。 PGM実践支援 ・移動サポート ・ 案内・情報サポート ・ 休息サポート など 水中運動 森林浴 湯めぐり ウォーキング 文化施設めぐり 温泉療養アドバイスプラザ・箱根事務局 箱根強羅観光協会、強羅旅館組合、 小田原商工会議所箱根支部 など 運営 実施前 健康診査 ○日常の健康管理 ○ 各地の温泉・運動・食事 ・環境情報の取得 ○ eラーニング 実施後 健康診査 滞在型健康PGM の効果測定 ・温泉療法 ・運動療法 ・食事療法 ・環境療法 強羅地域を選択、 現地で実践温泉療養効果判定システム
前後の記録を比較 体験学習 ヘルシーメニュー バーチャルアドバイスプラザ 個人 DB ポータル サイト 地域 DB 症状・体調・ 本人希望など PGM提案 A温泉地 B温泉地 C温泉地1 温泉療養効果判定システムを構築する産業 1人ひとりの症状・体調に合った最善の温泉療養 情報(温泉・食事・運動・環境の4療法を組み合せ た情報)を提供するシステムを構築します。 (1) 温泉療養アドバイスプラザ事務局 生活者へのアドバイス拠点として温泉療養アド バイスプラザ事務局を設置し、アドバイザーの育成 などを図ります。 (2) 温泉療養効果判定基準データバンク 全国の地域情報(温泉・食事・運動・環境)、個 人情報(症状・体調・本人希望など)、温泉療養効 果測定・判定結果などを格納するデータバンクを設 置します。 (3)資格・研修・教育事業 健康産業の担い手の育成のため、療養アドバイザ ー講習会、療養プラザ運営員講習会、温泉療法講習 会、運動療法講習会、食事療法講習会、環境療法講 習会、地域アドバイザー講習会などを実施します。 2 滞在型健康プログラムの実践を支援する産業 強羅を訪れるあらゆる人々が、滞在型健康プログ ラムを安全かつ快適に消化できるように補助する システムを構築します。 (1)運動サポート ウォーキングサポート、トレーニングジムおよび 機器、歩行運動のできるプール、パークゴルフ等野 外スポーツ施設の整備などを図ります。
5.3つのカテゴリから創出される新規産業
(2)案内・情報サポート 携帯端末機、大型プロジェクター等によるナビゲ ーションなどを図ります。 (3)休息サポート 商店街、文化施設、食事・オープンカフェなどの コミュニティー環境の整備などを図ります。 (4)宿泊サポート 客室、浴室、寝具などの再整備、食事療法への対 応、健康管理支援機器の導入などを図ります。 (5)移動サポート 温泉地⇔地域文化施設⇔商店街などを結ぶ電動 2・3・4 輪車等の導入などを図ります。デジタルTV・インターネット 携帯電話・プロジェクタ画面 観光客・地域住民 温泉効能情報 ・観光情報 療 養 情 報 ・ 予 約 受 付 etc 3 情報ネットワーク産業 IT 技術を活用し、1、2を包括的に結び付ける ネットワークを構築します。また、日常生活での健 康管理を支援する機能を付加します。 なお、ネットワークに蓄積した情報の生活者への 提供は、高齢者になじみやすい紙媒体も併用するほ うが望ましいと考えられます。温泉療養の効果が広 まることによって、療養客の増加が期待できます。 (1)ポータルサイト 温泉療養に関する複数のメニュー(Web サイト、 機能)がシームレスに連携し、ユーザーの状況に合 せてどこからも共通の情報が入るとともに、強羅箱 根地域全体の活性化を目指したポータルサイトの設 置を図ります。 <主な機能> (A)健康増進ナビゲーション機能 (B)温泉情報提供 (C)地図情報サービス機能 (D)ニュース配信機能 (E)掲示板機能 (F)イベント情報配信機能 (G)e ラーニング (2)バーチャルアドバイスプラザ 温泉療養生活の実施前や実施後に、適切かつ 継続的な学習型情報提供を行うために、ポータ ルサイト内にバーチャルアドバイスプラザの設 置を図ります。 (3)IC カードシステム(当初は「温泉療養ノート」) IC カードの持つ大容量データ保持・拡張性等 を活かし、個人の固定情報管理だけでなく、診 療時や運動、入浴時データ管理の統一によって、 データ収集の容易化だけでなく、療養プログラ ム提供等でリアルタイムな各種医療アドバイス 対応が可能なIC カードの導入を図ります。 ただし、当初は高齢者にもなじみやすい手帳 型の「温泉療養ノート」に記入していく方法か らはじめ、状況に応じてICカードに移行する 手法が現実的であると考えられます。 <主な機能> (A)行動履歴データ管理機能 (B)ポイントデータ機能 情報の検索/活用/交流