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2016/4/27 応用言語学演習 Ⅱa 人文学類 4 年 R.M. 論文紹介 Plakans, L. (2009). The role of reading strategies in integrated L2 writing tasks. Journal of English for Acad

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2016/4/27 応用言語学演習Ⅱa

人文学類 4 年 R.M.

■論文紹介

Plakans, L. (2009). The role of reading strategies in integrated L2 writing tasks. Journal of English for

Academic Purposes, 8, 252–266.

概要  本研究では、統合型 reading-writing タスク1に取り組む 12 人の EFL2学習者の書き手の読解スト ラテジー3を明らかにするため、発話プロトコル4と、インタビューの手法を用いた。  高得点の書き手と、低得点の書き手の使用するストラテジーの種類との間で差が見られた。  結果から、リーディングは統合型 reading-writing タスクのプロセス、パフォーマンスにおい て役割を果たしていることが分かり、これは、学習や評価にこのタスクを使用する際に重要な 考慮すべき点である。 導入

・言語学習において、academic writing task は reading、listening、speaking と統合され、より 真正性5の高い統合的な言語使用を引き出そうとしている。しかし、そのようなタスクのパフォーマ ンスを解釈する際、各技能の役割やそれらの相互作用についての疑問が生じている。 ・学習者のこれらのタスクへのアプローチ法について理解を深めるため、本研究では、書き手が統 合型 reading-writing タスクを遂行する過程における読解ストラテジーの役割に焦点を当て、発話 プロトコル、インタビュー、書かれた作文から調査した。 背景 L2 タスクにおけるリーディングとライティングの関係 ・L2 のリーディングとライティングがどのように結びつくのかについては未解明の点が多い。 ・これまでの研究から、L1 では、ライティングとリーデイングが互いに影響しあっており、良い読 み手は良い書き手となる傾向があると示されている。 ・L2 の reading-writing 統合型タスクについて、リーディングとライティングの関係を調査した研 究は少ない。 ・また、見解も分かれており、reading-to-write タスクにおいて、ライティングの能力のみが影響 していてリーディングの能力は大きな要因ではないという主張もあれば、リーディングの能力が重 要な役割を果たしているという主張もある。 1 リーディングとライティングの技能を組み合わせて行う課題。(例)英文を読んで、感想文を書く 2 外国語としての英語 (English as a Foreign Language; EFL)

3 テキストを効果的に理解するために、読み手が意識的に使用する方略のこと。

4 課題を達成する間に、考えたことや頭に浮かんだことをすべて声に出して語るという手法のこと。 5 実生活でその言語を使用する状況とどれほど似ているかの程度。

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L2 の読解ストラテジー ・これまでに L2 の読解モデルを発展させるため、読解ストラテジーについての調査が様々な分類の 仕方により、行われてきた。 ・例えば、トップダウン型の読解ストラテジーには、テキストのメインアイディアや談話構造に注 目する、背景知識を利用する等があり、ボトムアップ型のストラテジーには、語の意味や文の構造、 詳細な情報に注意を払う等がある。 「書くために読む」における読解ストラテジー ・多くの研究から、テキストを読む目的が読解の処理やストラテジーに影響することが分かってい る。 ・ライティングとの関係により、読みの目的が読解のみのタスクと異なり、「自分の書く文章を向上 させるために読む」ことになるため、ストラテジーの使用も変わる可能性がある。 Research Questions 1. 統合型 reading-to-write タスクに解答する際、書き手からはどのようなリーディングに関係す るストラテジーが報告されたのか? 2. 書き手の作文過程の各段階において、ストラテジーの使用にどのような違いがあるか? 3. タスクの高/低得点の書き手によって、使用するストラテジーにどのような違いがあったか? 方法  協力者 ・12 人のアメリカの大学生 ・EFL 学習者(L1:スペイン語、日本語、中国語、韓国語、ベンガル語) ・専攻は多岐に渡った。(コンピュータ科学、外国語教育、ビジネス、心理学、都市計画など)  Reading-to-write tasks ・あるトピック(cultural borrowing/technology)について、賛否両方の立場の主張と根拠が書 かれたテキストを読んだ後、自分の立場(賛成・反対)を明らかにし、具体例を用いて主張の根拠 を書く課題であった。 ・また、テキストで述べられている、関連する情報を組み合わせることが求められた。ただし、盗 用は禁止され、著者の引用をするように指示された。 ・4 人を対象とした予備実験を行い、修正を行った。 ・3 人の ESL ライティング教師が修正、指示の考案を行った。  発話プロトコルとインタビュー ・タスクに取り組んでいる間の書き手の考えを知るため、発話プロトコルを収集した。 ・タスク前の練習:サンプルの録音を聞き、2 つの短めのタスクで発話しながらタスクを行う練習を した。 ・時間制限を設けないこと、書き手が沈黙したら「話し続けること」を思い出させること、自分の 考えを解釈しないでそのまま声に出すこと、等を注意した。 ・タスク後、タスクやトピックの難易度、source text の使用度、タスク全体についてのコメントに

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ついて、インタビューを行った。

・作文の採点は 2 人の採点者が TOEFL iBT の Rating Scale を用いて行い、内容、構成、文法・語彙、 時制の一致・スペリングによって評価された。 結果 L2 統合型タスクで使用された読解ストラテジー <発見された5つのストラテジー分類 + 発話例> (a) テキストを読む目標を設定する  Source を統合するタスクを確認する

「この文章を読んで、エッセイを書くんだな。よし。それで、この文章は New York Times の記者の 書いた、Lexus and the Olive Tree についての文章だね。」

 適切な引用のためにタスクを確認する 「著者の主張を引用しないといけない」 (b) 認知ストラテジー  読む速度を落とす(止まる) 「[最後の句で速度を落とす] ten…hours…old」  単語を音韻的手がかりから分割する 「com-pu-ter-i-za-tion、 computerization」  語を再読する  句や文を再読する  文章を再読する (c) 全体ストラテジー  要点をスキミングする

「[すべての単語を読まず]news, knowledge, money, ….shows in…」  自問する 「つまり彼の考えは何だ?」  テキスト構造/修辞的手がかりを認識する 「つまり、これらはトピックセンテンスで、続く文は主題についての詳細だ」  メインアイディアを識別/要約する 「第二パラグラフは基本的に…、この新技術の経済的な影響について語っている」  個人的経験・意見とともにテキストに反応する 「理想を押し付ける…理想の押し付けは確かに時々あるな…、直接…押し付けてくる」 (d) メタ認知ストラテジー  理解不足な点を認識する 「スターウォーズ…。彼がスターウォーズについて話していることがわからない」

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 理解できているか確認する 「あぁ・・・彼はこの考えを支持しているんだね。OK。」 (e) マイニング(テキスト中からライティングで使うデータを取り出す)  ライティングで使う考えをスキャニング6する 「[source text を見る]創造的な方法について語っている文を見つけよう。・・・わからないなぁ。 [スキミング]7コミュニケーション革命と結びついた技術的な発展について考えると・・・」  ライティングで使用するために再読する  パラフレーズ(言い換える) 「つまり、これが彼の考えだ。政治的・経済的崩壊は…」  盗用がないか確認するために再読する 作文の各段階において使用が多かった読解ストラテジー  prewriting stage(書く前の段階) ・内容を理解するためのストラテジー(読みの速度を落とす、語を分割する) ・タスクの目標を確認する ・全体ストラテジー (メインアイディアを抜き出す、個人的意見とともに反応する)  writing stage(書いている間) ・パラフレーズ ・盗用がないか確認するために再読する ・マイニング(テキスト中からライティングで使うデータを取り出す)  revising(修正) ・パラフレーズ ・盗用がないか確認するために再読する パフォーマンスのレベルごとのストラテジーの違い ・12 人の書き手は TOEFL iBT のスコア(0~5)のうち、3~5 のスコアであった。 ・ライティングのスコアがレベル 5 の書き手と 3、4 の書き手とでは、5 の書き手の方がより高い TOEFL スコアをもっており、ストラテジーの数(レベル 5 の方が 1/3 ほど多かった)、種類にも違いが見ら れた。 レベル5の書き手 ・より全体ストラテジー(タスク確認によるゴール設定、要点をスキミングする、自問する)、マイ ニング(特に source text をライティングに使用するための再読、考えのスキャニング)を用いて いた。 ・読解の際にも、目標の設定や、メタ認知ストラテジーにより注意を払っていた。 ⇒これらのことから、レベル5の書き手はタスクの目的に合わせた読みに集中し、彼らにとって語 6 必要な情報のみ、すばやく読み取ること。 7 英文の大意をすばやく把握すること。

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レベルの理解は主要な優先事ではなかった。 ・レベル 3、4 の書き手には大きな違いはなかった。レベル 4 の読み手は理解するために読む速度を 落とし、メインアイディアをスキミングしていたことから、レベル 5 の書き手よりも理解するのが 難しかったといえる。 考察 統合タスクにおけるボトムアップ型ストラテジー ・全体として、語の意味を理解するストラテジーは最も多く使われたが、低得点の書き手は特にそ の使用が多かった。 ・L2 の初学者は読みの過程において、より語の意味理解を行う傾向がある。 統合のための有効なストラテジー使用 ・高得点の書き手はより多くのストラテジーを用いており、より全体ストラテジーを使用していた。 ・低得点の書き手は語の意味を分析するストラテジーをより多く使用し、マイニングはほとんど使 用しなかった。 ⇒全体ストラテジー、マイニングが reading-to-write のタスクにおいて有効なストラテジーである ことが示唆された。 統合型ライティングタスクの作文過程における読解 ・最も読解ストラテジー使用が多かったのは prewriting の段階であった。書き手がテキストやトピ ックの理解を向上させるため、prewriting においては読解が重要な過程であった。

・writing の段階でも読解に戻った書き手は source texts をより使用していた。 統合型 reading-writing task についての示唆

・本研究の結果から、統合型タスクにおける方略的能力は、読解だけでなく、読んでいる間のマイ ニングのストラテジーを含むことが示された。

・読解は特に prewriting において重要であり、academic writing の過程と並行して行われる。 ・統合型タスクの成功には、作文過程において、マイニング、目標の設定、局所的/全体ストラテ ジーの使用が必要である可能性がある。

参照

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