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権利能力のない社団の総有不動産に対する強制執行の方法 (第三者名義の場合)

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説 〕

権利 能力 のない社 団 の総有 不動産 に対 す る

強制執行 の方法(第 三者 名義 の場合)

目次 1.は じめ に II.問 題 の 所 在 1.所 有 権 登 記 の あ る不 動 産 に 対 す る強 制 執 行 実 務 2.権 利 能 力 の な い 社 団 所 有 不 動 産 に対 す る強 制 執 行 の 問 題 点 皿.最 判 平 成22年6月29日 民 集64巻4号1235頁 1.事 案 2.裁 判 の 流 れ (1)1審(東 京 地 判 平20年11月17日 判 時2036号88頁) (2)原 審(東 京 高 判 平21年4月15日 金 法1904号118頁) 3.最 高 裁 判 決 4.田 原 睦 夫 裁 判 官 補 足 意 見 5.関 連 訴 訟 事 件 6.関 連 民 事 保 全 事 件 IV.検 討 1.最 判 平 成22年6月29日 の意 義 2.権 利 能 力 の な い 社 団 を債 務 者 とす る 金銭 債 権 の債 務 名 義 を有 す る債 権 者 の 強 制 執 行 申 立 て 方 法 (1)総 説 (2)強 制 執 行 を す る こ とは で き な い とす る見 解

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(3)民 事 執 行 法23条3項 の 規 定 を拡 張解 釈 す る見 解 (4)原 審 の見 解 (5)最 判 平 成22年6月29日 の 見 解 (6)検 討 V.最 判 平 成22年6月29日 の実 務 に与 え る影 響 (1)強 制 執 行 の 具 体 的 方 法 (2)証 明 文 書 と して 認 め られ る文 書 と は何 か (3)差 押 え の競 合 の問 題 (4)民 事 保 全 の 申 立 要 件 1.は じ め に 権 利 能 力 の な い社 団 は、 民 事 訴 訟 法 及 び民 事 執 行 法 上 、 当 事 者 能 力 を 有 す る か ら(民 事 訴 訟 法29条 、 民 事 執 行 法20条)。 債 権 者 は、 社 団 を 債 務 者 とす る金 銭 債 権 の債 務 名 義 を取 得 す る こ とが で き、 社 団 の 構 成 員 全 員 の 総 有 に属 す る財 産 に対 して 強 制 執 行 を す る こ と もで き る。 本 稿 は 、 権 利 能 力 の な い社 団 を 債 務 者 とす る金 銭 債 権 の 債 務 名 義 を有 す る債 権 者 が 、 社 団 の構 成 員 全 員 の 総 有 に属 して い る が、 登 記 名 義 人 が 第 三 者 で あ る不 動 産 に対 して 、 ど の よ う に して 強制 執 行 の 申 立 て をす る こ とが で き るか にっ き考 察 す る もの で あ る。 II.問 題 の 所 在 1.所 有 権 登 記 の あ る 不 動 産 に 対 す る 強 制 執 行 実 務 強 制 執 行 を 実 施 す る に は、 原 則 と して、 確 定 判 決 な どの 債 務 名 義(民 事 執 行 法22条 。 以 下 、 括 弧 内 に お い て 条 数 の み を 記 載 して い る場 合 に は、 民 事 執 行 法 の 条 文 を意 味 す る こ と とす る)を 得 て 、 執 行 力 が 及 ぶ 者(23条) を 債 務 者 とす る執 行 文 の付 与 を 受 け た上 で、 申 し立 て る必 要 が あ る(25条)。 金 銭 執 行 に お い て、 執 行 対 象 財 産 が 執 行 債 務 者 の責 任 財 産 に属 す るか ど うか は、 執 行 対 象 財産 の 外 観 に よ り判 断 さ れ る。 登 記 が され た不 動 産 に対 す る 強 制 執 行 の 申 立 て に お い て は、 登 記 事 項 証 明 書 の 添 付 が 要 求 さ れ る (民 事 執 行 規 則23条1号 。 以 下 、 括 弧 内 に お い て 規 と と も に条 数 を併 記 し て い る場 合 に は、 民 事 執 行 執 行 の 条 文 を 意 味 す る こ と とす る)。 た だ し民 事 執 行 規 則23条1号 に は明 記 さ れ て い な い が、 実 務 上 は 、 所 有 権 の登 記 が され て い る場 合 に は、 登 記 記 録 上 の 所 有 名 義 が 債 務 者 で あ る こ とを要 す る

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と解 さ れ て い る。 目 的 不 動 産 が債 務 者 の責 任 財 産 に帰 属 して い な け れ ば 強 制 執 行 は で き な い か ら、 所 有 権 の 登 記 が 債 務 者 名 義 に な って い な い場 合 は、 強 制 競 売 の 申 立 て は却 下 され る。 この 場 合 に、 登 記 事 項 証 明 書 以 外 の 文 書 で 、 不 動 産 が 債 務 者 の 所 有 で あ る こ と を証 明 して 、 これ に 代 え る こ と はで き な い。 これ は、 登 記 名 義 に よ り一 律 に判 断 す る の が手 続 の 安 定 に か な う し、 他 人 名 義 の ま ま で は差 押 え の 登 記 が で きな いか らで あ る。 した が って 、 こ の場 合 に は、 債 権 者 は、 ま ず、 債 権 者 代 位 権 に基 づ い て 登 記 名 義 を 債 務 者 に変 更 した 上 で(民 法423条 、 不 登 法59条7号 参 照)、 変 更 後 の登 記 事 項 証 明 書 を 添 付 しな け れ ば な らな い の 。 2.権 利 能 力 の な い 社 団 所 有 不 動 産 に 対 す る 強 制 執 行 の 問 題 点 権 利 能 力 の な い社 団 にお い て、 社 団 財 産 に 属 す る不 動 産 は構 成 員 全 員 に 総 有 的 に 帰 腐 す る。 権 利 能 力 の な い社 団 の構 成 員 が 多数 で あ り、 か っ、 構 成 員 が変 動 す る例 が 多 く、 こ の場 合 に は、 当該 社 団 構 成 員 全 員 の名 義 で 登 記 す る こ と は い た ず ら に登 記 手 続 を 煩 雑 に す る こ と に な る。 しか し、 権 利 能 力 の な い社 団 の 財産 に属 す る不 動 産 の公 示方 法 と して 、 社 団 名 義 の 登 記 や 社 団 代 表 者 と して の 肩 書 き を付 した個 人 名義 の登 記 は判 例 上 認 め られ て い な い(2)。 判 例 に お い て は、 権 利 能 力 の な い社 団 財 産 に属 す る 不 動 座 の 登 記 方 法 と して は、 社 団 の 代 表 者 の 個 人 名 義(3)や 規 約 等 に定 め られ た 手 続 に よ り登 記 名 義 人 と さ れ た構 成 員 の個 人 名 義 で の 登 記 ㈲ が認 め られ て い る。 こ の よ う に、 判 例 実 務 上 、 権 利 能 力 の な い 社 団 名 義 の 所 有 権 登 記 はあ り え な い。 そ の た め 、債 権 者 が 権 利 能 力 の な い 社 団 を債 務 者 とす る債 務 名 義 に よ って 、 権 利 能 力 の な い社 団 所 有 の 不 動 産 に対 して 強制 執 行 を開 始 しよ う と して も、(1.で 述 べ た)実 務 を 前 提 とす る と、 登 記 事 項 証 明 書 に よ り執 行 対 象 不 動 産 が 当 該 社 団 財 産 に属 す る こ と を証 明 す る こ とが で きな い た め、 執 行 申 立 に 困難 を き た して い た。 す な わ ち、 ま ず 債 権 者 代 位 訴 訟 で 、 社 団 の代 表 者 な ど の 登 記 名 義 人 か ら社 団 全 員 名 義 へ と登 記 を 変 更 した上 で 、 執 行 申立 て を す る必 要 が あ る とい う こ と に な って い た の で あ る。 注II.問 題 の 所 在 (1)最 高 裁 判 所 事務 総 局 民 事 局 監 修 「条解 民 事 執 行 規 則[第3版]』[2007]99頁 ・

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100頁 。 (2)最 判 昭 和39年10月15日 民 集18巻8号1671頁 。 (3)最 判 昭 和47年6月2日 民 集26巻5号957頁 。 (4)最 判 平 成6年5月31日 民 集48巻4号1065頁 。 皿.最 判 平 成22年6月29日 民 集64巻4号1235頁 1.事 案 X(株 式 会 社 整 理 回 収 機 構 。 原 告 、 控 訴 人 、 上 告 人)は 、 権 利 能 力 の な い社 団 で あ るA(在 日本 朝 鮮 人 総 聯 合 会)を 債 務 者 とす る金 銭 債 権 を表 示 した債 務 名 義 を得 た 。 債 務 名 義 で あ る確 定 判 決 の 主 文 は、X及 び権 利 能 力 な き社 団 で あ るAを 当 事 者 と して、AがXに 対 し金627億3418万1985円 及 び これ に対 す る遅 延 損 害 金 を支 払 う こ と を命 ず る も の で あ る。 本 件 不 動 産 は 、Y(合 資 会 社 朝 鮮 中央 会 館 管 理 会 。 被 告 、 被 控 訴 人、 被 上 告 人)が 所 有 権 の 登 記 名 義 人 に な って い るが 、YはAの 構 成 員 で は な い。 しか し、YはAが 使 用 す る 土 地 建 物 を所 有 ・管 理 す る た め に 設 立 され 、A が 使 用 す る土 地 建 物 の 所 有 権 はYに 帰 属 す る こ と とな って い る。 Xは 、 本 件 不 動 産 は、Aの 構 成 員 全 員 に総 有 的 に帰 属 して お り、 本 件 不 動 産 の登 記 名 義 人 で あ るYは 、 民 事 執 行 法23条3項 所 定 の 「請 求 の 目的 物 を所 持 す る者 」 に 準 ず る者 で あ る と主 張 し、 上 記 債 務 名 義 に っ き、Yを 債 務 者 と して 本 件 不 動 産 を 執 行 対 象 財 産 と す る法27条2項 の 執 行 文(以 下 「本 件 執 行 文 」 と い う)の 付 与 を求 め 訴 え を 提 起 し た。 こ の訴 え で 求 め ら れ た 判 決 主 文 は 「XとAと の 間 の 東 京 地 方 裁 判 所 平 成17年(ワ)第24399 号 譲 受 債 権 請 求 事 件 の 判 決 に っ い て 、 東 京 地 方 裁 判 所 書 記 官 は、 被 告 に対 し別 紙 物 件 目録 記 載 の 不 動 産 に対 す る強 制 執 行 の た め原 告 に執 行 文 を 付 与 す べ き こ とを 命 ず る。」 とい う も の で あ る。 2.裁 判 の 流 れ (1)1審(東 京 地 判 平20年11月17日 判 時2036号88頁) 以 下 の 様 に 判 示 し て 、Xの 請 求 を 棄 却 し た 。 「金 銭 債 権 の 債 務 名義 を 有 す る債 権 者 は、 第 三 者 が債 務 者 の所 有 す る財 産 を 所 持 す る に っ き固 有 の利 益 を 有 しな い 場 合 に は 、 債 権 者 代 位 権 に よ り債 務 者 の 当該 第 三 者 に対 す る特 定 物 の 給 付 請 求 権 を 代 位 行 使 して 、 当該 財 産 に対 して 強 制 執 行 す る こ とが で き るの で あ る か ら、 法23条3項 を類 推 適 用 して 当 該 第 三 者 に 対 す る執 行 文 を 74-189

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付 与 す る必 要 性 は乏 しい(な お 、Xは 、 別 途 、Aに 代 位 して、Yに 対 し、 本 件 不 動 産 にっ いて 、A代 表 者Bへ の真 正 な登 記 名義 の 回 復 を 原 因 とす る所 有 権 移 転 登 記 手 続 等 を 求 め る訴 訟(当 庁 平 成19年(ワ)第34812号 所 有 権 確 認 等 請 求 事 件)を 提 起 して い る。)。… … も っ と も、 権 利 能 力 な き社 団 の 資 産 で あ る不 動 産 に っ いて 、 当該 社 団 の 規 約 等 に 定 め られ た 手 続 に よ り、 当該 社 団 の 代 表 者 又 は構 成 員 の 名 義 で 所 有 権 の登 記 が な さ れ て い る場 合 に は、 法23条3項 を 類 推 適 用 し、 権 利 能 力 な き社 団 を 債 務 者 とす る金 銭 債 権 の債 務 名 義 に よ り当 該 登 記 名 義 人 に 対 し当 該 不 動 産 に対 す る限 度 で 強制 執 行 す る こ とが で き、 強 制 執 行 を す る こ と が で き る範 囲 を 当 該 不 動 産 に 対 す る 強制 執 行 に限 定 した 上 で 当 該 登 記 名 義 人 を 債 務 者 とす る執 行 文 を 付 与 す る こ とが で き る と解 す るの が 相 当 で あ る。」 第1審 は 、 当 該 社 団 の 規 約 等 に 定 め ら れ た 手 続 に よ り 、 当 該 社 団 の 代 表 者 ま た は 構 成 員 の 名 義 で 所 有 権 の 登 記 が な さ れ て い る 場 合 と そ れ 以 外 と で 場 合 分 け を し、 後 者 の 事 例 で あ る 本 件 で は 、27条2項 に よ る 執 行 文 を 付 与 す る こ と は で き な い と し た の で あ る 。 (2)原 審(東 京 高 判 平21年4月15日 金 法1904号118頁) 原 審 は、 第1審 と ほ ぼ 同 様 の理 由 で 、 本 件 不 動 産 の 登 記 名 義 人 で あ るY は、 そ も そ もAの 代 表 者 で も構 成 員 で もな いか ら、Xは 本 件 執 行 文 の付 与 を求 め る こ と は で きな い と して、Xの 控 訴 を 棄 却 した。 原 判 決 に対 して、Xは 上 告 受 理 申立 て を した。 3.最 高 裁 判 決 本 最 高 裁 判 決 は 、(原 審 の 結 論 自 体 に は 影 響 が な い た め)上 告 は 棄 却 し た が 、 本 判 決 は 、23条3項 の 規 定 を 拡 張 解 釈 す る こ と を 否 定 し、 原 判 決 の 理 由 を 差 し替 え て 、 以 下 の 通 り述 べ た 。 「権 利 能 力 の な い社 団 を 債 務 者 とす る金 銭 債 権 を表 示 した 債 務 名 義 を 有 す る債 権 者 が 、 構 成 員 の総 有 不 動 産 に対 して 強 制 執 行 を しよ う とす る場 合 に お いて 、 上 記 不 動 産 に っ き、 当該 社 団 の た め に 第 三 者 が そ の 登 記 名義 人 と さ れ て い る と き は、 上 記 債 権 者 は、 強 制 執 行 の 申立 書 に 、 当 該 社 団 を 債 務 者 とす る執 行 文 の 付 さ れ た上 記 債 務 名 義 の正 本 の ほ か 、 上 記 不 動 産 が 当該 社 団 の 構 成 員 全 員 の総 有 に 属 す る こ とを 確 認 す る 旨 の 上 記 債 権 者 と当 該 社 団 及 び上 記 登 記 名 義 人 との 間 の確 定 判 決 そ の他 これ に準 ず る文 書 を添 付 して 、 当該 社 団 を債 務 者 とす る 強 制 執 行 の 申 立 て を す べ き も の と解 す る の が 相 当 で あ って 、 法23条3項 の 規 定 を 拡 張 解 釈 して 、 上 記 債 務 名義 にっ き、 上 記 登 記 名 義 人 を 債 務 者 と して 上 記 不 動 産 を執 行 対 象 財 産 とす る法27条2項 の 執 行 文 の付 与 を求 め る こ と は で きな い と い うべ きで あ る。 そ の理 由 は、 次 の とお り

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で あ る。 権 利 能 力 の な い社 団 の 構 成 員 の総 有 不 動 産 に っ いて は 、 当 該 社 団 が 登 記 名 義 人 と な る こ と はで きな い か ら(最 高 裁 昭 和45年(オ)第232号 同47年6月2日 第2小 法 廷 判 決 ・民 集26巻5号957頁 参 照)、 権 利 能 力 の な い社 団 を 債 務 者 とす る金 銭 債 権 を 表 示 した債 務 名 義 を有 す る債 権 者 が 、 構 成 員 の 総 有 不 動 産 に対 して 強 制 執 行 を し よ う とす る場 合 、 債 務 名 義 上 の債 務 者 と強 制 執 行 の 対 象 とす る上 記 不 動 産 の登 記 名 義 人 とが 一 致 す る こ と は な い 。 そ うで あ る に もか か わ らず 、 債 務 名義 上 の 債 務 者 の 所 有 財 産 に っ き、 当該 債 務 者 を そ の 登 記 名 義 人 とす る こ とが で き る 通 常 の 不 動 産 に 対 す る強 制 執 行 と全 く同 様 の 執 行 手 続 を 執 る べ き もの と解 した な らば、 上 記 債 権 者 が 権 利 能 力 の な い社 団 に 対 して 有 す る権 利 の実 現 を 法 が拒 否 す る に等 し く、 か か る解 釈 を 採 る こ と は相 当 で な い 。 上 記 の場 合 に お い て 、 構 成 員 の 総 有 不 動 産 につ き、 当 該 社 団 の た め に第 三 者 が そ の登 記 名 義 人 と さ れ て い る と き は、 登 記 記 録 の表 題 部 に債 務 名 義 上 の 債 務 者 以 外 の 者 が 所 有 者 と して 記 録 さ れ て い る不 動 産 に 対 す る 強制 執 行 を す る場 合 に準 じて、 上 記 債 権 者 は、 上 記 不 動 産 が 当 該 社 団 の 構 成 員 全 員 の総 有 に 属 す る こ とを 確 認 す る 旨 の上 記 債 権 者 と 当該 社 団 及 び上 記 登 記 名義 人 と の 間 の 確 定 判 決 そ の他 これ に準 ず る文 書 を 添 付 して、 当 該 社 団 を 債 務 者 とす る強 制 執 行 の 申立 て を す る こ とが で き る と解 す るの が 相 当 で あ る(民 事 執 行規 則23条1号 参 照)。 これ に対 し、 法23条3項 の規 定 は、 特 定 物 の 引 渡 請 求 権 等 に つ い て の 強 制 執 行 の 場 合 を予 定 して い る もの で あ る し、 法27条2項 に規 定 す る執 行 文 付 与 の 手 続 及 び執 行 文 付 与 の 訴 え に お い て 、 強 制 執 行 の対 象 と な る 財産 が 債 務 名 義 上 の 債 務 者 に 帰 属 す るか 否 か を 審 理 す る こ と も予 定 され て い な い こ と か らす る と、 法23条3項 の 規 定 を 金 銭 債 権 につ い て の 強 制 執 行 の場 合 に ま で 拡 張 解 釈 す る こ と は許 され な い もの と い うべ きで あ る。」 4.田 原 睦 夫 裁 判 官 補 足 意 見 以 下 の よ う な 田 原 睦 夫 裁 判 官 の 詳 細 な 補 足 意 見 が あ る(岡 部 喜 代 子 裁 判 官 も 同 調)。 「1法23条3項 の 拡 張解 釈 の可 否 に っ い て 権 利 能 力 の な い社 団 を 名 宛 人 とす る金 銭 債 権 を 表 示 した 債 務 名義 に 基 づ い て 、 そ の 構 成 員 の 総 有 に属 し、 そ の所 有 権 に係 る登 記 名 義 が 社 団 の た め に 代 表 者 等 の 名 義 とな って い る不 動 産 に対 して 強 制 執 行 を す る場 合 に は、 法23条3項 を拡 張 解 釈 して 、 登 記 名義 人 を 名 宛 人 とす る執 行 文 を 取 得 して 行 う こと が で き る と す る見 解 が、 こ れ まで 学 説 上 有 力 で あ った。 と こ ろ で 、 法23条3項 は、 法 廷 意 見 に て 指 摘 す る と お り、 特 定 物 の 引 渡 請 求 権 等 につ い て の 強 制 執 行 の 場 合 に 関 す る規 定 で あ って 、 同 項 を金 銭 債権 につ い て の 強 制 執 行 の場 合 に も類 推 適 用 し得 る と解 す る こ とは 、 条 文 の 趣 旨 か ら大 き く外 れ る も の で あ る と こ ろ、 上 記 の 有 力 説 が 主 張 さ れ た の は、 構 成 員 の総 有 不 動 産 に対 して 強 制 執 行 を な す に っ き他 に適 切な 方 法 が な い との理 由 に よ る もの で あ った。 74-187

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しか し、 法 廷 意 見 で 述 べ る とお りの 方 法 に よ り、 権 利 能 力 の な い 社 団 を 名 宛 人 と す る金 銭 債 権 を表 示 した 債 務 名義 に 基 づ い て 、 構 成 員 の 総 有 不 動 産 に対 す る強 制 執 行 を な し得 る以 上 、 法23条3項 を 同 条 本 来 の 規 定 の趣 旨 を大 き く離 れ て 拡 張 して 解 釈 す る上 記 有 力 説 の 見 解 は 、 実務 上 採 用 す るべ きで な い と考 え る。 ま た、 上 記 の執 行 手 続 に お け る本 来 の執 行 債 務 者 は権 利 能 力 の な い社 団 で あ る に もか か わ らず 、 上 記 有 力 説 に よ れ ば 、 そ の 執 行 債 務 者 は登 記 名義 人 と な らざ るを 得 な い の で あ って 、 金 銭 債 権 の執 行 手 続 と して は異 例 の形 態 と な る の に加 え て、 そ の 執 行 手 続 中 に、 当該 登 記 名 義 人 を 本 来 の 名 宛 人 と す る債 務 名義 を 有 す る第 三 者 が 配 当 加 入 して き た場 合 に 、 それ を 排 除 す る こ とが 極 め て 困 難 で あ る等 、 付 随 す る様 々 な 問 題 が生 じ得 る の で あ って 、 そ れ らの 困 難 な問 題 を 抱 え て ま で 上 記 有 力 説 を 採 用 す べ き必 要 はな い もの とい うべ きで あ る。 2構 成 員 の 総 有 不 動 産 の 登 記 名 義 人 と金 銭債 権 に基 づ く強制 執 行手 続 に つ い て 金 銭 債 権 を 表 示 した 債 務 名 義 に基 づ い て 不 動 産 に対 す る強 制 執 行 を 申 し立 て る に 際 して は、 本 来 、 執 行 債 務 者 と当 該 不 動 産 の 権 利 に 関 す る登 記 名 義 人 と が一 致 して い る こ とが 必 要 と さ れ る。 と ころ で 、 権 利 能 力 の な い社 団 は、 社 団 自体 が 権 利 の 主 体 と な れ な い以 上 、 構 成 員 の総 有 不 動 産 に 係 る権 利 の 登 記 は、 社 団 を代 表 す る者 の 氏 名 等 で な され る こ とに な る(前 掲 最 高 裁 昭 和47年6月2日 第2小 法 廷 判 決 参 照) と こ ろ、 か か る不 動 産 に対 して も、 権 利 能 力 の な い社 団 を名 宛 人 とす る金 銭 債 権 を 表 示 した債 務 名 義 で も って 強 制 執 行 をす る こ とが で き て しか る べ きで あ る。 そ の 場 合 に如 何 な る要 件 が 整 え ば そ の 強制 執 行 を す る こ と が で き るか が 本 件 で 問 わ れ て い る。 そ こ で、 以 下 で は、 登 記 名 義 人 と権 利 能 力 の な い社 団 との 関 連 性 が 、 証 明 力 の 強 い文 書(債 務 名 義 、 当 該 社 団 の 規 約 等 、 後 記3を 参 照)に よ り明 確 に認 め られ る場 合 と、 そ の 関 係 が 必 ず し も明 らか で は な い 場 合 とに 分 けて考 察 す る こ と とす る。 (1)登 記 名 義 人 が 権 利 能 力 の な い 社 団 の代 表 者 で あ る等 そ の 関連 性 が 債 務 名 義 、 当 該 社 団 の 規 約 等 か ら明 らか な場 合 執 行 対 象 不 動 産 が 、 構 成 員 の 総 有 不 動 産 で あ る こと が 当 該 権 利 能 力 の な い社 団 と の 関 係 で証 明 され 、 か っ 、 そ の 登 記 名 義 人 と権 利 能 力 の な い社 団 との 関 連 性 が 文 書 に よ り明確 に証 明 さ れ る場 合 に は 、 登 記 手 続 上 そ れ以 上 の証 明 の 方 法 が 存 しな い こ とか ら して 、 執 行 対 象 不 動 産 の 登 記 名 義 人 と執 行 債 務 者 の名 義 とが 一 致 して い る場 合 に 準 じて 執 行 手 続 を 行 う こ とが 許 され る と考 え る。 具 体 的 に は 、 登 記 名 義 が 権 利 能 力 の な い 社 団 の 代 表 者 名 義 の場 合 、 権 利 能 力 の な い社 団 を構 成 す る者 の 全 員 の共 有 名 義 の場 合 、 権 利 能 力 の な い 社 団 の 規 約 等 に 定 め られ た手 続 に よ り登 記 名 義 人 とな るべ き者 と され た者 の 名 義 の場 合(最 高 裁 平 成3 年(オ)第1724号 同6年5月31日 第3小 法 廷 判 決 ・民 集48巻4号1065頁 参 照)等 で あ る。 か か る場 合 に は、 当 該 不 動 産 が権 利 能 力 の な い社 団 の 構 成 員 の総 有 に属 す る も の で あ る こ とが 証 明 さ れ る以 上 、 当 該 登 記 名 義 人 は そ の 執 行 手 続 を 受 忍 す べ き立 場 に あ る と い え る。 ま た 、 こ の よ う な登 記 名義 人 と権 利 能 力 の な い 社 団 との 関 連 性 を 示

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す 証 明 力 の 強 い文 書 が 提 出 さ れ て い る以 上 、 当 該 登 記 名 義 人 が 権 利 能 力 の な い 社 団 との 関 連 性 を 争 う場 合(例 え ば 、 権 利 能 力 の な い社 団 との 関 係 で は 、 当 該 不動 産 が 当 該 社 団 の 構 成 員 の 総 有 に属 す る こ と を確 認 す る確 定 判 決 等 が あ り、 か っ 、 当 該 社 団 と登 記 名 義 人 と の 上 記 の よ うな 関 連 性 を 示 す 文 書 が 存 す る に もか か わ らず、 当 該 登 記 名義 人 が そ の 固 有 財 産 で あ る こ と を主 張 す る場 合 等)に 、 当該 登 記 名 義 人 に第 三 者 異 議 の 訴 え を提 起 す る負 担 を 負 わ せ て も衡 平 に反 す る も の で な い と い うべ きで あ る。 (2)登 記 名 義 人 が 権 利 能 力 の な い 社 団 の1日代 表 者 で あ る等 、 現 在 の 登 記 名義 人 と 権 利 能 力 の な い社 団 との 関 連 性 が 債 務 名 義 等 か らは 明 らか で な い場 合 権 利 能 力 の な い社 団 を 名 宛 人 とす る金 銭 債 権 を 表 示 した 債 務 名 義 で も っ て、 構 成 員 の 総 有 不 動 産 を執 行 対 象 財 産 と して 強 制 執 行 をす る以 上 、 そ の執 行 手 続 の 明 確 さ の 観 点 か ら して 、 当 該 不 動 産 の 登 記 名 義 人 と当 該 権 利 能 力 の な い 社 団 と の 関 連 性 が (1)で 述 べ た よ うに 具 体 的 に 明 らか に さ れ る こ とが 望 ま し くは あ る。 と こ ろ で、 登 記 名 義 人 が 権 利 能 力 の な い社 団 の 旧代 表 者 で あ っ た り、 権 利 能 力 の な い社 団 が 構 成 員 の 総 有 不 動 産 で あ る こ とを 対 抗 す る こ とが で き る第 三 者 で あ る場 合 等 に は、 当 該 社 団 の 現 在 の代 表 者 等 当該 社 団 に お い て 登 記 名 義 人 と な る べ き立 場 にあ る者 は 、 自 らの 登 記 名 義 へ の 移 転 登 記 手 続 を求 め る こ とが で き る(前 掲 最 高 裁 昭 和47年6月2日 第 二 小 法 廷 判 決 参 照)。 そ して 、 執 行 債 権 者 が、 権 利 能 力 の な い社 団 を 名 宛 人 とす る金 銭 債 権 を表 示 し た債 務 名 義 に基 づ く強 制 執 行 の 申 立 て に 当 た っ て 、 登 記 名 義 人 と執 行 債 務 者 た る権 利 能 力 の な い社 団 と の関 連 性 を 明 確 に 示 す こ と が で き な い 不 動 産 を執 行 対 象 と して 選 択 す るの は、 他 に適 切 な執 行 対 象 財 産 が 存 し な い場 合 で あ るか ら、 執 行 債 権 者 は 、 当該 権 利 能 力 の な い社 団 に代 位 して(権 利 能 力 の な い社 団 自体 に 登記 請 求 訴 訟 の原 告 適 格 が 認 め られ な い とす る な らば、 さ ら に、 当 該 権 利 能 力 の な い 社 団 に お い て 登 記 名 義 人 た る こと が 定 め られ て い る者 を代 位 し て)、 当 該 権 利 能 力 の な い社 団 に お い て登 記 名 義 人 た る こ と と さ れ る名義 人 へ の 移 転 登 記 手 続 を請 求 し、 そ の 移 転 登 記 手 続 を経 た うえ で 、(1)に 述 べ た方 法 に よ り執 行 手 続 を な す こ とが 望 ま しい とは い え る。 しか し、 執 行 対 象 不 動 産 が 、 権 利 能 力 の な い社 団 との 関 係 で そ の 構 成 員 の 総 有 に 属 す る こ とが 認 め られ 、 ま た、 当 該 登 記 名 義 人 と の 関 係 に お い て も当 該 事 実 が 証 明 度 の 高 い文 書 に よ って 認 め られ る場 合 に は、 執 行 裁 判 所 に お い て 執 行 債 務 者 と登 記 名 義 人 との 具 体 的 な 関 連 性 を認 定 す る こ と が で き る の で あ って 、 か か る場 合 に 、 当 該 不 動 産 に 対 して 強 制 執 行 手 続 を 開 始 して も、 登 記 名 義 人 を 始 め、 当 該 不 動 産 に係 る利 害 関 係 人 の権 利 を 侵 害 す るお それ は小 さ い もの とい う こ とが で き る と こ ろか ら、 (1)の 場 合 に準 じて 、 当 該 不 動 産 に対 して 強 制 執 行 手 続 を開 始 す る こ とが で き る も の と解 す る こ とが で き る。 そ して、 か か る 当 該 登 記 名義 人 が 、 権 利 能 力 の な い 社 団 との 関 連 性 を 争 う場 合 に は、 当 該 登 記 名義 人 に第 三 者 異 議 の訴 え を 提 起 す る負 担 を 負 わ せ て も、 関 係 者 間 の衡 平 を 害 す る もの で は な い とい う こ とが で きる の で あ る。 私 は、 以 上 に述 べ た と こ ろ か ら して 、 法 廷 意 見 の 見 解 を肯 定 す る こ と が で き る と 考 え る。 74-185

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3証 明 文 書 の 意 義 にっ い て 権 利 能 力 の な い社 団 を 名 宛 人 とす る金 銭 債 権 を 表 示 した 債 務 名 義 に 基 づ い て、 構 成 員 の総 有 不 動 産 に 対 す る強 制 執 行 を 申 し立 て る に際 して は、 当該 不 動 産 が執 行 債 務 者 た る権 利 能 力 の な い 社 団 との 関 係 に お い て 、 当該 社 団 の構 成 員 の 総 有 に 属 す る こ とが 証 明 され る と と も に、 当 該 不 動 産 の 登 記 名 義 人 との 関 係 に お い て も、 そ の 事 実 が 文 書 に よ って 証 明 さ れ る必要 が あ る(民 事 執 行規 則23条1号 、2号 イ参 照)。 そ の 具 体 例 と して は、 権 利 能 力 の な い社 団 及 び登 記 名 義 人 と の 関 係 で 、 そ れ ぞ れ を 名 宛 人 とす る確 定 した 確 認 判 決 や 判 決 理 由 中 の 判 断(い ず れ か 一 方 を名 宛 人 とす る も の で あ って も、 例 え ば、 債 権 者 代 位 に よ る権 利 能 力 の な い社 団 の 代 表 者 名 義 へ の 移 転 登 記 手 続 請 求 の 認 容 判 決 の よ う に、 当 該 不 動 産 が 構 成 員 の 総 有 不 動 産 で あ る こ とが 判 決 理 由中 か ら明 らか な場 合 等 を含 む。)、和 解 調 書 、 当 該 不 動 産 が権 利 能 力 の な い社 団 の 構 成 員 の 総 有 に属 す る こ と を 記 載 した公 正 証 書 、 登 記 名 義 人 を 構 成 員 の 特 定 の者(個 人 又 は 一 定 の役 職 者 等)と す る こ と を定 め た 規 約(公 正 証 書 又 は そ れ に 準 ず る証 明 度 の 高 い 文 書 に よ る。)な どが 考 え られ る。 4保 全 手 続 にっ い て 構 成 員 の総 有 不 動 産 の 登 記 名 義 人 が 、2(1)に て検 討 した よ う に、 権 利 能 力 の な い社 団 の 代 表 者 で あ る等 、 権 利 能 力 の な い 社 団 と の 関 連 性 が 明 らか な 場 合 に は、 当 該 不 動 産 が そ の構 成 員 の総 有 に 属 す る こ とを 証 明 して 仮 差 押 え の 申 立 て を す る こ とが で き る こ とに 問 題 は な い。 しか し、2(2)に て 検 討 し た よ うに現 在 の 登 記 名 義 人 と権 利 能 力 の な い社 団 と の 関 連 性 を 文 書 に よ って 直 ち に は 立 証 す る こ とが 困 難 な 場 合 に、 そ の 登 記 名 義 人 を 相 手 方 と して 仮 差 押 え の 申立 て を す る こ とは 、 実 務 上 は そ の立 証手 段 の点 か ら して 中 々 困 難 で あ り、 か か る場 合 に は、2(2)に 述 べ た よ う な債 権 者 代 位 権 に 基 づ く 処 分 禁 止 の 仮 処 分 手 続 の 方 が 、 実務 上 親 和 性 が あ る と い え る。 か か る観 点 か ら も、 2(2)で 述 べ た よ うな代 位 訴訟 が 肯 定 され て しか るべ きで あ る と考 え る。」 5.関 連 訴 訟 事 件 本 件 関 連 訴 訟 と して 、Xは 、 ①AとYを 被 告 と して 、 本 件 不 動 産 がAの 構 成 員 の 総 有 に属 す る こ と の確 認 を 求 め る と と も に、 ② 債 権 者 代 位 権 に基 づ き、Yに 対 して 、 本 件 不 動 産 に つ い て真 正 な登 記 名 義 の 回 復 を原 因 とす る、Aの 代 表 者Bへ の所 有権 移 転 登 記 手 続 を求 め た 。 第1審 判 決(東 京 地 判 平21年3月26日 判 タ1314号237頁)は 、 ① の請 求 にっ い て 、 本 件 不 動 産 はAの 構 成 員 の 総 有 に属 す る と して 、Xの 請 求 を 認 容 した。 また 、 ② の請 求 にっ い て 、 権 利 能 力 の な い社 団 に 対 す る債 権 を 有 す る者 は 、 自 己 の債 権 を 保 全 す るた め 、 社 団 の 代 表 者 が 有 す る、 社 団構 成 員 の総 有 不 動 産 に っ い て の登 記 請 求 権 を代 位 行 使 す る こ とが で き る と して 、 Xの 請 求 を認 容 した 。

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Aお よ びYか ら控 訴 が提 起 さ れ た 。 控 訴 審 判 決(東 京 高 判 平22年12月24 日金 法1918号122頁)は 、 前 掲 最 判 平 成22年6月29日 判 決 の 判 旨を 示 した 上 で、 「当 該 不 動 産 が 当 該 社 団 の構 成 員 全 員 の 総 有 に属 す る こ とを 確 認 す る 旨 の 当該 社 団 の債 権 者 と当 該 社 団 及 び上 記 登 記 名 義 人 との 間 の確 定 判 決 そ の他 これ に準 ず る 文 書 を添 付 して 、 当該 社 団 を債 務 者 とす る強 制 執 行 の 申立 て を す る こ とが で き」、 本 件 不 動 産 の 登 記 手 続 請 求 は こ の た め の請 求 と理 解 で き る と して、Aお よ びYの 控 訴 を棄 却 した 。 6.関 連 民 事 保 全 事 件 Xは 、 平 成22年7月9日 に 、 本 件 不 動 産 に っ き仮 差 押 え 申 立 を し た 。 こ の 時 点 で は 、 関 連 訴 訟 事 件 の 第1審 判 決 が 言 い 渡 さ れ て い た が 、 こ の 判 決 は ま だ 確 定 し て い な い 。Xは 、 本 件 申 立 書 に 、 本 件 不 動 産 が 相 手 方 の 構 成 員 全 員 の 総 有 に 属 す る こ と を 証 す る 書 面 と し て 、 関 連 訴 訟 事 件 に お い て 提 出 さ れ た 主 な 書 証 及 び 関 連 訴 訟 第1審 判 決 の 判 決 書 等 の 各 写 し を 添 付 し た 。 こ の 不 動 産 仮 差 押 命 令 申 立 て は 却 下 さ れ た 。 こ の 決 定 に 対 す る 抗 告 が な さ れ た 。 原 審 は 、 前 掲 最 判 平 成22年6月29日 判 決 の 判 旨 を 示 して 、 本 件 申 立 書 に 添 付 さ れ た 書 面 は 確 定 判 決 等 に は 当 た ら な い か ら 、Xが 本 件 申 立 て を す る こ と は 許 さ れ な い と 判 断 し て 、 本 件 申 立 て を 却 下 す べ き も の と して 、 抗 告 を 棄 却 し た 。 こ の 決 定 に 対 し て 、Xは 許 可 抗 告 事 件 を 申 立 て た 。 最 決 平 成23年2月9日 裁 時1527号1頁 判 タ1343号108頁 は 、 以 下 の よ う に 述 べ て 、 「本 件 申 立 書 に 添 付 さ れ た 書 面 は 、 本 件 不 動 産 が 相 手 方 の 構 成 員 全 員 の 総 有 に 属 す る 事 実 を 証 明 す る に 足 る も の と み る 余 地 が 十 分 に あ る も の 」 で あ る と し て 、 原 決 定 を 破 棄 し事 件 を 原 審 に 差 戻 し た 。 「上 記 書 面 は、 強 制 執 行 の場 合 と は異 な り、 上 記 事 実 を証 明 す る も の で あ れ ば 足 り、 必 ず し も確 定 判 決 等 で あ る こ と を要 しな い と解 す るの が 相 当 で あ る。 な ぜ な ら、 上 記 債 権 者 が 、 当該 社 団 の た め に第 三 者 が そ の 登 記 名 義 人 と さ れ て い る構 成 員 の 総 有 不 動 産 に 対 して 仮 差 押 え を す る場 合 に、 上 記 不 動 産 に対 して 強 制 執 行 を す る場 合 と同 様 に、 確 定 判 決 等 を 添 付 す る こ と を要 す る と解 す る と、 上 記 債 権 者 は、 確 定 判 決 等 を取 得 す る ま で は 、 上 記 不 動 産 に対 して 仮 差 押 え を す る こ と が で きず 、 上 記 金 銭 債 権 の実 現 を保 全 す る こ と が 著 し く困 難 に な る一 方 、 上 記 不 動 産 に対 して 仮 差 押 え が さ れ た と して も、 上 記 不 動 産 に対 して 強 制 執 行 が され た 場 合 と は異 な り、 当 該 社 団 の構 成 員 が 権 利 を 喪 失 す る こ と も、 上 記 登 記 名義 人 が 登 記 を 抹 消 さ れ る こ と も な い の で あ って 、 これ ら の者 の利 益 に配 慮 して 、 仮 差 押 命 令 の発 令 を 、 上 記 不 動 産 の 権 利 関係 が 確 定 判 決 等 に よ って証 明 さ れ た よ う な場 合 に限 る こ と まで は必 要 で な いか らで あ る。」 74-183

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IV.検 討 1.最 判 平 成22年6月29日 の 意 義 前 掲 最 判 平 成22年6月29日 は、 民 事 執 行 法23条3項 は 特 定 物 の 引渡 請 求 権 等 の 強制 執 行 の場 合 を 予 定 して い る こ と、 執 行 文 付 与 の 手 続 お よ び訴 え に お い て は対 象 財 産 が 債 務 名 義 上 の 債 務 者 に帰 属 す る か 否 か を 審 理 す る こ とが 予 定 され て い な い こ と を理 由 に、 法23条3項 類 推 適 用 の 余 地 を 否 定 し た。 この部 分 が 前 掲 最 判 の 「レイ シオ デ シデ ンダ イ」 で あ ろ う。 さ ら に述 べ た部 分 は前 掲 最 判 の 「傍 論 」 に と ど ま る が 、 そ の傍 論 部 分 に重 大 な意 義 が あ り、 今 後 の民 事 執 行 実 務 に及 ぼ す 影 響 は大 き い と思 わ れ る(5)。 傍 論 部 分 で 前 掲 最 判 は、 債 権 者 の 権 利 実 現 が 不 可 能 で あ るべ き で はな い と い う認 識 の 下 、 民 事 執 行 規 則 規 則23条1号 類 推 適 用 とい う途 を示 した 。 す な わ ち 、 同 条1号 の 場 合 に準 じて 、 債 権 者 は、 社 団 を 債 務 者 とす る単 純 執 行 文 に 加 え 、 不 動 産 が 当 該 社 団 の 構 成 員 全 員 の総 有 に 属 す る こ とを 確 認 す る 旨 の 債 権 者 と当該 社 団 お よ び 登 記 名 義 人 と の間 の確 定 判 決 そ の他 これ に準 ず る文 書 を添 付 して 、 当 該 社 団 を 債 務 者 とす る強 制 執 行 の 申立 て を す る こ とが で き る もの と した。 これ は前 掲 判 決 に よ り、 従 来 の 民 事 執 行 法23 条3項 類 推 適 用 の議 論 にお い て、 承 継 執 行 文 の 付 与 の 問題(執 行 力 の拡 張 の 問 題)と して 捉 え られ て い た もの を 、 強 制 執 行 申立 時 の 添 付 書 類 の 問 題 (目 的 不 動 産 が 債 務 者 の 責 任 財 産 で あ る こ との 証 明 の 問 題)と して 捉 え る と い う転 換 を なす もの で あ る ㈲ 。 2.権 利 能 力 の な い 社 団 を 債 務 者 と す る 金 銭 債 権 の 債 務 名 義 を 有 す る 債 権 者 の 強 制 執 行 申 立 て 方 法 (1)総 説 不 動 産 に対 す る 強制 執 行 に お い て は、 一 般 に、 債 務 名 義 上 の 債 務 者 と強 制 執 行 の 対 象 とす る不 動 産 の登 記 名 義 人 とが一 致 す る こ とを 前 提 に、 申 立 て に 際 し、 登 記 事 項 証 明 書 の添 付 が 必 要 と され て い る(民 事 執 行 規 則23条 1号)。 そ の理 由 と して 、 手 続 の安 定 ・他 人 名 義 の ま ま 差 押 登 記 が で き な い こ とが 挙 げ られ て い る。 登 記 名 義 に よ り一 律 に判 断 す るの が 手 続 きの 安 定 に か な う し、 他 人 名 義 の ま ま で は差 押 え の 登 記 が で きな い た め、 解 釈 論 と して は 、 登 記 事 項 証 明 書 以 外 の 文 書 を も って 代 え る こ と はで き な い と さ れ て い た(II.1.参 照)。

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と ころ が 、 権 利 能 力 の な い社 団 は法 人 で な い た め、 実 体 法 上 は社 団 自身 に帰 属 す る財 産 は存 在 しな い建 前 で あ る か ら、 実 質 的 に 「社 団 財 産 」 と観 念 す べ き財 産 も、 構 成 員 全 員 に帰 属 す る共 同 財 産 の一 種 で あ る。 した が っ て 、 社 団 を 債 務 者 と した 金 銭 債 権 の 債 務 名 義 に基 づ き、 「社 団 財 産 」(=構 成 員 全 員 の 財 産)で あ る財 産 、 特 に不 動 産 を執 行 対 象 財 産 と して強 制 執 行 しよ う に も、 「執 行 債 務 者 ≠・執 行 対 象 財 産 の 所 有 名 義 人 」 で あ る限 り、 執 行 申立 て は却 下 さ れ る。 しか し、 権 利 能 力 の な い社 団 が 執 行 債 務 者 で あ る 場 合 は通 常 、 「執 行 債 務 者 ≠執 行 対 象 財 産 の 所 有 名 義 人 」 の 関 係 に な るか ら(II.2.参 照)、 こ の 結 論 は社 団 債 権 者 が 権 利 を実 現 す る 途 を 閉 ざ す に等 し く、 説 得 的 で はな い。 そ こで 、 権 利 能 力 の な い社 団 を 債 務 者 とす る金 銭 債 権 の 債 務 名 義 を 有 す る債 権 者 が 、 権 利 能 力 の な い社 団 の 構 成 員 全 員 の総 有 に 属 し第 三 者(当 事 者 以 外 の者 の 意 で あ り、 社 団 の代 表 者 、 構 成 員 を含 む)を 登 記 名 義 人 とす る不 動 産(未 登 記 の不 動 産 の場 合 は、 民 事 執 行 規 則23条2号 参 照)に 対 し て 、 ど の よ う に して 強 制 執 行(強 制 競 売 、 強制 管 理)の 申 立 て をす る こ と が で き る方 途 が あ る か にっ い て検 討 され て きた 。 (2)強 制 執 行 を す る こ と は で きな い と す る 見 解 この 見 解 は、 登 記 事 項 証 明 書 以 外 の 明 確 な証 明 書 の添 付 で 足 る とす べ き で あ る と しな が ら も、 これ を可 能 とす る立 法 上 の手 当 て が な い以 上 、 強 制 執 行 を す る こ と はで きな い とす る の 。 前 掲 最 判 も指 摘 す る よ うに(皿. 3.参 照)、 権 利 能 力 の な い社 団 に対 す る権 利 行 使 を難 し くす るか ら、 こ の 結 論 は妥 当 で な い と思 わ れ る。 (3)民 事 執 行 法23条3項 の規 定 を 拡 張 解 釈 す る見 解 民 事 執 行 法23条3項 の 規 定 を拡 張 解 釈 して、 社 団 の構 成 員 の 総 有 不動 産 にっ き社 団 の 代 表 者(又 は構 成 員 全 員)が そ の 登 記 名 義 人 と さ れ て い る と き は、 債 権 者 は、 登 記 名 義 人 を債 務 者 と して上 記 不 動 産 を 執 行 対 象 財 産 と す る 同法27条2項 の い わ ゆ る承 継 執 行 文 の付 与 を求 め る こ とが で き、 そ の 上 で 、 強制 執 行 の 申立 て をす る こ とが で き る とす る 見解 が 有 力 に主 張 され て い る ㈲ 。 しか し、 前 掲 最 判 平 成22年6月29日 の 多数 意 見(皿.3.参 照)及 び 田 原 裁 判 官 の 補 足 意 見(III.4.参 照)が 指 摘 す る よ うに 、 以 下 の難 点 が あ

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る。 す な わ ち、 そ もそ も民 事 執 行 法23条3項 の 規 定 は特 定 物 の 引渡 請 求 権 等 に っ い て の 強 制 執 行 の 場 合 を予 定 して い る も ので あ る。 ま た、 執 行 文 付 与 の 手 続 及 び執 行 文 付 与 の 訴 え に お け る審 理 の 対 象 は 限 られ て い る(9)0 ま た、 この 見 解 に基 づ く執 行 手 続 にお い て は、 執 行 債 務 者 は登 記 名 義 人 と な り、 当該 登 記 名 義 人 を 本 来 の 名 宛 人 とす る債 務 名 義 を 有 す る第 三 者 が 配 当 加 入 して き た場 合 に 、 それ を排 除 す る こ とが 極 め て 困 難 で あ る。 この 見 解 に は無 理 が 大 き く、 他 に適 当 な 方 途 が 見 当 た らな い とい うの で な い 限 り、 採 用 し難 い と思 わ れ る(1% (4)原 審 の 見 解 本 件 の 原 審 は、 民 事 執 行 法23条3項 の一 般 的 解 釈 論 と して は、 金 銭 債 権 の 債 務 名 義 に基 づ く強 制 執 行 の場 合 に同 項 を類 推 適 用 す る こ と を否 定 しな が ら も、 権 利 能 力 の な い 社 団 の 資 産 で あ る不 動 産 に っ い て は、 当該 社 団 の 規 約 等 に 定 め られ た手 続 き に よ り、 当 該 社 団 の 代 表 者 の 名 義 で 所 有 権 の 登 記 が さ れ て い る場 合 に 限 り、 強 制 執 行 の範 囲 を 当 該 不 動 産 に対 す る もの に 限 定 した うえ 、 法23条3項 を類 推 適 用 し、 当該 登 記 名義 人 を 債 務 者 とす る 執 行 文 を付 与 す る こ とを 例 外 的 に認 めて い る(そ の点 で は(3)説 に 近 い)。 しか し、 原 審 は、 権 利 能 力 の な い 社 団 とは別 個 独 立 の法 人 格 を有 す る会 社 が 登 記 名 義 人 と な って い る ケ ー ス にお い て は、 第 三 者 で あ る当 該 会 社 に対 す る執 行 文 を 付 与 す る こ と は で きな い と判 示 した。 そ の理 由 と して、 原 審 は、 便 宜 上 登 記 名 義 を 管 理 す るた め の 形 式 的 存 在 にす ぎな い第 三 者 が 登 記 を保 有 す る場 合 で あ って も、 債 権 者 代 位 権 に よ り 当 該 社 団 の 代 表 者 個 人 へ の真 正 な 登 記 名 義 の 回 復 を原 因 とす る所 有 権 移 転 登 記 手 続 きを 経 た うえ で これ を差 し押 さ え る方 法 に よ り、 権 利 能 力 の な い 社 団 を債 務 者 とす る 金 銭 債 務 に係 る債 務 名 義 に基 づ く権 利 実 現 が可 能 で あ る こ と、 当 該 第 三 者 の 登 記 が 公 示 機 能 を果 た す も の と は 認 め られず 、 強 制 執 行 手 続 きを 行 う こ とを 許 容 す る と、 権 利 変 動 の過 程 を如 実 に反 映 す る と い う不 動 産 登 記 制 度 の 趣 旨 に反 して 相 当 で な い こ と を あ げ て い る。 こ の見 解 に対 して は下 記 の よ うな 難 点 が 指 摘 され て い る(ID。 (ア)登 記 名 義 人 で あ る代 表 者 に 対 して執 行 す る場 合 と、 便 宜 上 ま た は差 押 え を 回 避 す る な ど の 目的 を も って 当 該 不 動 産 の名 義 人 と な っ て い る法 人 に対 して 執 行 す る場 合 と を区 別 す る根 拠 が 不 明 で あ る。 (イ)債 権 者 代 位 権 の 行 使 が 執 行 債 権 者 の権 利 実 行 手 段 と して 両 立 す る と

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考 え て も背 理 で は な く、 債 権 者 代 位 権 を利 用 で き る こ とが 、 執 行 力 の拡 張 を否 定 す る決 定 的 な理 由 に な るか は疑 問 で あ る。 (ウ)登 記 が 公 示 機 能 を 果 た さ な いの は代 表 者 名 義 の場 合 も同 じで あ る し、 社 団 以 外 の 名 義 とな って い る登 記 が そ もそ も形 式 的 ま た は 仮 装 的 な意 味 し か もた な い の で あ れ ば 、 それ を本 来 の 登 記 名義 に戻 す とい う プ ロセ ス を 省 いて 執 行 を 認 め て も、 不 都 合 は生 じな い とい う説 明 も十 分 成 り立 ち 得 る。 (エ)権 利 能 力 の な い 社 団 に対 す る債 務 名 義 の 執 行 力 を 代 表 者 名 義 の 不 動 産 に対 して 拡 張 す る こ とが 、 承 継 執 行 文 付 与 機 関 に よ る証 明 文 書 の 審 査 、 及 び執 行 文 付 与 の訴 え の 審 理 を通 じて 手 続 的 に可 能 で あ る とす れ ば、 第 三 者 の登 記 名 義 が 形 式 の み ま た は仮 装 の もの で あ る と い う事 実 を確 定 した う え で 執 行 力 の 拡 張 を認 め る こ と も、 執 行 手 続 上 可 能 で あ る。 (5)最 判 平 成22年6月29日 の 見 解 前 掲 最 判 平 成22年6月29日 は、 「法23条3項 の規 定 を 金 銭 債 権 に っ い て の 強 制 執 行 の 場 合 に ま で 拡 張 解 釈 す る こ と は許 され な い」 と して、 原 審 の よ うに登 記 名 義 人 が代 表 者 で あ るか 否 と で 区 別 をせ ず、 民 事 執 行 法23条3 項 の類 推 適 用 に よ る解 決 を否 定 す る立 場 を 明 らか に して い る。 不 動 産 に対 す る 強制 執 行 に お い て も、 そ の対 象 と す る不 動 産 が未 登 記 の 場 合 の ほ か 、 表 示 に 関 す る登 記 だ けが さ れ、 登 記 記 録 の 表 題 部 に債 務 者 以 外 の者 が 所 有 者 と して 記 録 さ れ て い る場 合 も予 定 さ れ て お り、 そ の よ う な 場 合 に は 、 申 立 て に 際 し、 上 記 不 動 産 が 債 務 者 の所 有 に 属 す る こ とを証 す る文 書 を 添 付 して 強制 執 行 の 申立 て を す る こ とが で き る もの と さ れ て い る (民 事 執 行 規 則23条1号)。 そ して 、 権 利 能 力 の な い社 団 の 構 成 員 の総 有 不 動 産 に対 す る強 制 執 行 の 場 合 、 上 記 で 述 べ た とお りの登 記 手 続 上 の制 約 が あ る こ とか らす る と、 上 記 の場 合 に準 じて考 え る こと が で き る。 そ うす る と、 社 団 を 債 務 者 とす る金 銭 債 権 の 債 務 名 義 を 有 す る債 権 者 は、 一 定 の 証 明 文 書 を 添 付 して、 社 団 の構 成 員 全 員 の総 有 に属 し第 三 者 を 登 記 名 義 人 と す る不 動 産 に対 して 強 制 執 行 の 申 立 て をす る こ とが で き る こ と に な る。 こ の 場 合 の証 明 文 書 は、 既 に第 三 者 名 義 で 権 利 に関 す る登 記 が さ れ て い る こ と に照 らせ ば 、 基 本 的 に、 上 記 不 動 産 が 社 団 の 構 成 員 全 員 の 総 有 に 属 す る こ と を確 認 す る 旨 の債 権 者 と社 団 及 び登 記 名義 人 と の 間 の 確 定 判 決 の よ う な証 明力 の 強 い もの で あ る こ とが 必 要 で あ る と解 さ れ る。 以 前 か ら同 様 に解 す る 見解(12)も あ っ た。 ま た、 本 判 決 の 結 論 に賛 成 す 74-179

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る見 解 は 、 登 記 事 項 証 明 書 の記 載 に よ らな い所 有 権 の証 明 が 認 め られ て い る上 記 規 則 の 趣 旨 に鑑 み れ ば、 当 該 不 動 産 が 甲 の所 有 に 属 す る こ とを証 す る文 書 を 添 付 して不 動 産 執 行 を 申 し立 て る こ とが で き る と解 さ れ る べ き も の で あ る とす る の が、 理 論 的 も無 理 が 少 な く、 実 体 ど お り に社 団 が債 務 者 と な る点 で 執 行 手 続 上 も無 理 が な い とす る('3)O (6)検 討 強 制 執 行 の 申立 て に は、 債 務 者 名 義 の登 記 事 項 証 明書 の 添 付 が 必 要 で あ り(民 事 執 行 規 則23条1号 前 段 、73条)、 登 記 名 義 に よ り一 律 に判 断 ず る の が 手 続 きの 安 定 に か な う し、 他 人 名 義 の ま まで は差 押 え の 登 記 が で き な い た め、 実 務 上 は、 登 記 事 項 証 明 書 以 外 の文 書 を も って 代 え る こ と はで き な い とさ れ て い た(II.1.参 照)。 も し執 行 債 務 者 名義 と登 記 名義 の 一 致 の原 則 に例 外 を 認 め る と、 以 下 の よ うな 問題 点 が 生 じ る と いわ れ て い る(14)。 第1に 、 執 行 対 象 不 動 産 が 執 行 債 務 者 の責 任 財 産 に属 す る こ とを、 登 記 に基 づ い て 判 断 す る こ とが で きな いの で 、 執 行 機 関 が実 質 的 所 有 者 を認 定 す る必 要 が 出 て くる。 第2に 、 執 行 債 務 者 名 義 の差 押 え の 登 記(48条1項)お よ び(強 制 競 売 に お い て は)売 却 に よ る所 有 権 の 移 転 の登 記(82条)が な され 、 この こ と が 登 記 名 義 人 の利 益 を 害 す る お そ れ が あ る。 例 え ば、 第 三 者 が 権 利 能 力 の な い社 団 か ら売 買契 約 に よ り不 動 産 を 取 得 し登 記 の移 転 を 受 け た が、 そ の 売 買 契 約 が 無 効 で あ る場 合 、 第 三 者 は登 記 を 社 団 の代 表 者 ま た は所 定 の 構 成 員 の 名 義 に戻 す 義 務 を 負 って い る と して も、 支 払 済 み の 売 買 代 金 の返 還 と の 同 時 履 行 の抗 弁 権 を 有 す るは ず で あ り、 こ の利 益 が 害 され る お そ れ が あ る(16)。 第3に 、 登 記 名 義 人 で あ る第 三 者 の 債 権 者 に よ る強 制 執 行 の 申立 て が な され る可 能 性 も あ り、 こ の場 合 に 同 一 の不 動 産 に対 して 、 異 な る執 行 債 務 者 に対 す る強 制 執 行 が 競 合 す るお そ れ が あ る。 前 掲 最 判 平 成22年6月29日 の第1審 ・原 審 は、 こ れ らの 問 題 点 を意 識 し て 、 登 記 事 項 証 明 書 以 外 の文 書 で 不 動 産 が 債 務 者 の所 有 で あ る こ とを証 明 して 申立 す る こ とは で き な い こ とを 前 提 と して 、 権 利 能 力 の な い社 団 にお いて は、 民 事 執 行 法23条3項 を類 推 適 用 して、 例 外 的 に 執 行 文 の付 与 を 認 め た。

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こ れ に 対 して 、 前 掲 最 判 平 成22年6月29日 は、 当 該 社 団 を 執 行 債 務 者 と す る執 行 文 の 付 さ れ た 債 務 名 義 に 、 当 該 不 動 産 が 当 該 社 団 の 構 成 員 全 員 の 総 有 に属 す る こ とを確 認 す る 旨 の 上 記 債 権 者 と当 該 社 団 及 び上 記 登 記 名 義 人 と の 間 の 確 定 判 決 そ の 他 これ に 準 ず る文 書 を 添 付 す れ ば 、 強 制 執 行 の 申 立 て が で き る と して、 こ の原 則 の 例 外 を認 め た 。 民 事 執 行 法23条3項 を 類 推 適 用 を す る見 解 の 下 で は、 執 行 文 が 付 与 され なか った場 合 に は、 債 権 者 が 執 行 文 付 与 の訴 え(33条)を 提 起 す る こ と に な り、 執 行 文 が 付 与 され た場 合 に は、 登 記 名 義 人 が 執 行 文 付 与 に対 す る異 議 の訴 え(民 執34条)を 提 起 す る こ と に な る。 民 事 執 行 規 則23条1号 を類 推 適 用 す る 見解 の 下 で は、 債 権 者 が証 明 文 書 に よ って証 明 で き な い 場 合 に は、 債 権 者 が証 明 文 書 を入 手 す べ く別 訴 を 提 起 す る こ と に な り(皿.5.参 照)、 証 明 が な され た と して 手 続 が 開始 さ れ た場 合 に、 そ れ に よ り利 益 を害 され た場 合 に は、 登 記 名 義 人 が 第 三 者 異 議 の訴 え(38条)を 提 起 す る こ と に な る。 目 的不 動 産 の社 団帰 属 性 の判 断 にっ い て は、 債 権 者 に も登 記 名 義 人 に も、 判 決 手 続 にお い て争 う場 が 用 意 され て い る と い う意 味 で は 、 両 者 に手 続 保 障 の面 で の 違 い は な い 葡 。 そ こで 、 民 事 執 行 法23条3項 を 類 推 適 用 を す る見 解 も民 事 執 行 規 則23条 1号 を 類 推 適 用 す る見 解 も、 「いず れ に して も、 所 要 の 証 明 文 書 は 同等 の もの で あ るか ら、 両 者 の 実 際 上 の 違 い は、 そ の 文 書 の用 意 が 執 行 文 付 与 を 受 け る段 階 で す で に要 求 され るの か 、 強 制 執 行 申立 て の 段 階 で 足 り るの か 、 と い う点 に集 約 さ れ るよ うに思 わ れ る。 そ うす る と、 判 例 の 見 解 の ほ うが 、 執 行 力 拡 張 を 要 しな い 体 系 的 簡 明 性 、 執 行 正 本 を形 成 す る まで の簡 便 性 に お い て 優 れ て い る よ う に思 わ れ るが 、 ど うか 。」 と の指 摘 もで て く るの で あ ろ う 〔17)。 しか し、 従 来 は、 社 団 所 属 の財 産 で あ りな が ら、 代 表 者 ・管 理 人 の所 有 名 義 で登 記 され た不 動 産 そ の他 、 社 団 ・財 団 以 外 の者 の 所 属 財 産 た る外 観 を具 え る もの にっ い て は、 執 行 手 続 の 技 術 的要 請 に基 づ き、 そ れ に対 応 し て 、 登 記 され た名 義 人 に対 す る執 行 文 の付 与 を 受 け な い と、 差 し押 さえ で き な い と考 え られ て きた(18)。そ こ で 、 民 事 執 行 規 則23条1号 を 類 推 適 用 す る 見 解 に対 して、 「裁 判 機 関 と執 行 機 関 を 分 離 し権 利 判 定 手 続 と執 行 手 続 を峻 別 す る現 行 民 事 執 行 法 の基 本 体 制 の も とで 、 執 行 裁 判 所 が 執 行 処 分 の た め に 執 行 債 権 者 だ けか ら執 行 裁 判 所 に提 出 され た資 料 に基 づ い て、 登

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記 記 録 上 の 一 般 に 公示 され て い る第 三 者 の所 有 権 を侵 す 執 行 処 分 を す る の は、 理 論 上 直 ち に首 肯 し難 い。」 と の評 もあ る(191。 この点 につ き、 権 利 能 力 の な い 社 団 の登 記 につ き判 例 実 務 を前 提 に す る 限 り、 裁 判 機 関 と執 行 機 関 と の分 離 の 原 則 に拘 泥 す る よ り も、 例 外 的 な 場 合 と して 、 申 立 文 書 に よ る証 明 を 認 め る こ と に よ る手 続 の 簡 便 性 を重 視 す べ き で あ る と思 わ れ る。 ま た、 執 行 裁 判 所 はそ の任 に十 分 に対 応 す る こ と が で き る と思 わ れ る。 注IV.検 討 (5)滝 澤 孝 臣 「判 批 」 金利1357号9頁 ・11頁[2011]。 (6)園 田 賢 治 「判 批 」 ジ ュ リ1420号(平 成22年 重 要 判 例 解説)170頁[2011]。 (7)秋 山 幹 男 ほか 「コ ン メ ン ター ル 民事 訴 訟 法1〔 第2版 〕』[2006]310頁 。 (8)中 野 貞 一 郎 「民 事 執 行 法 〔増 補 新 訂 第6版 〕」[2010年]142頁 、 伊 藤 眞 「民 事 訴 訟 法 〔第3版4訂 版 〕』[2010]96頁 、 同 「民 事 訴 訟 の 当事 者 』[1978]32頁 、 新 堂 幸 司 「新 民 事 訴 訟 法 〔第4版 〕』[2008年]142頁 、 兼 子 一 ほ か 「条 解 民 事 訴 訟 法 」[1986]122頁[新 堂 幸 司]、 三 宅 省三 ほか 「注 解 民 事 訴 訟 法 」[2002]299 頁[藪 口泰 夫]、 北 川 善 太 郎 「民 法 総 則(民 法 講 要1)〔 第2版 〕」[2001]96頁 、 裁 判 所 書 記 官 研 修 所 「執 行 文 に 関 す る書 記 官 事 務 の 研 究(下)』[1992]544頁 ∼ 546頁 、 園 部 厚 「一 般 民 事 事 件 論 点 整 理 ノ ー ト 法 令 ・判 例 ・文 献 な ど (民 事 訴 訟 手 続 編)』[2008]30頁 、 吉 村 徳 重 ほ か 編 「講 義 民 事 訴 訟 法 』[2011] 124頁[佐 上 善 和]、 山 本 弘 「当 事者 能 力」 法 教251号18頁[2001]。 (9)最 判 昭52年11月24日 民 集31巻6号943頁 。 (10)榎 本 光宏 「時 の 判 例」 ジ ュ リ1418号118頁[2011]。 (11)横 木 雅 俊=星 知 矩 「判 批 」 み ん け ん642号24頁 ・25頁[2010]。 (12)星 野 英 一 「い わ ゆ る 「権 利 能 力 な き社 団 』 に っ いて 」 同 「民 法論 集 第1巻 』 [1970]290頁 、 新 堂 幸 司 ほ か 編 「注 釈 民 事 訴 訟 法(1)裁 判 所 ・当事 者(1)」 [1991]439頁[高 見 進]、 大 場 民 男 監 修 ・法 人 化 研 究 会 編(編 集 代 表 福 島 啓) 「法 人 格 な き団 体 の 実務 〔3訂 版 〕』[1998年]175頁[鈴 木 雅 雄]、 土 谷 茂 「権 利 能 力 な き社 団 との 取 引 」 手形 研 究395号57貞[19987]。 (13)榎 本 ・前 掲 注(10)119頁 、 滝 澤 ・前 掲 注(5)9頁 ・10頁、 川 嶋 四郎 「判 批 」 法 セ ミ672号124頁[2010]。 そ の ほ か理 由 を 付 さず に最 判 を 引用 す る もの と して 、 福 永 有 利 「民 事 執 行 法 ・民 事 保 全 法 〔第2版 〕』[2011]27頁 注6、 上 原 敏 夫 ほ か 「民 事 執 行 ・保 全 法 〔第3版 〕』[2011]104頁[山 本 和 彦]、 岡 口 基 一 「要 件 事 実 マ ニ ュ ア ル 第1巻(第3版)総 論 ・民 法1』[2010]77頁 。 な お 、 名 津 井 吉 裕 「判 批 」 速 報 判 例 解 説 民 訴28は 、 こ の見 解 を 、 従 来 の 実 務 の前 提 を 崩 した 「無 理 を 通 した」 もの と評 す べ き とす る。 (14)青 木 哲 「権 利 能 力 の な い社 団 に お け る構 成 員 の 総 有 不 動 産 に対 す る金 銭 執 行

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の 方 法 最 三 小 判 平22.6.29を め ぐ って 」 金 法1918号79頁[2011] (15)青 木 ・前 注79頁 注11。 (16)園 田 ・前 掲 注(6)170頁 。 (17)下 村 眞 美 「法 人 で は な い 社 団 の 当 事 者 能 力 」 法 教363号13頁[2010]。 (18)中 野 ・前 掲 注(8)128頁 。 (19)中 野 ・前 掲 注(8)143頁 。 V.最 判 平 成22年6月29日 の 実 務 に 与 え る 影 響 (1)強 制 執 行 の具 体 的 方 法 前 掲 最 高 裁 判 決 の判 示 に よ れ ば 、 権 利 能 力 の な い社 団 を 名 宛 人 とす る金 銭 債 権 の 債 務 名 義 を有 す る債 権 者 が 、 同債 務 名 義 に基 づ い て 第 三 者 名 義 の 不 動 産 に対 す る強 制 執 行 を行 う場 合 、 実 務 上 、 具 体 的 に は 以 下 の よ うな 方 法 に よ る こ とが 考 え られ る。 まず 、 強 制 執 行 を行 う た め に は 、 強 制 執 行 の 申立 書 に 、 執 行 対 象 不動 産 が 社 団 構 成 員 の総 有 不 動 産 で あ る こ と を確 認 す る 旨 の債 権 者 と社 団 及 び 登 記 名 義 人 との 間 の確 定 判 決 そ の他 これ に準 ず る文 書 を添 付 す る必 要 が あ る。 田原 裁 判 官 の補 足 意 見 に よ れ ば 、 こ こで い う添 付 文 書 の 具 体 例 と して は、 執 行 対 象 不 動 産 が 社 団 の 構 成 員 全 員 の 総 有 に 属 す る こ とを 確 認 す る 旨の 債 権 者 と社 団 及 び登 記 名 義 人 と の 問 の 確 定 判 決、 執 行 対 象 不 動 産 が社 団 の 構 成 員 全 員 の 総 有 に属 す る こ と を 明 らか に した判 決 理 由 中 の 判 断 、 和 解 調 書 若 し くは 公 正 証 書 、 ま た は、 登 記 名 義 人 を構 成 員 の特 定 の 者(個 人 ま た は 一 定 の役 職 者 等)と す る こ と を定 め た社 団 の 規 約(公 正 証 書 ま た は そ れ に 準 ず る証 明 度 の高 い 文 書)等 が あ る(皿.4.参 照)。 そ こで 、 社 団 の規 約 所 定 の者 が 登 記 名 義 人 で あ る場 合 は 、 債 権 者 は、 強 制 執 行 の 申 立 書 に 当該 規 約 を添 付 す る こ とに な る ⑳。 これ に対 して 、 社 団 の 規 約 所 定 の 者 以 外 の者 が 登 記 名 義 人 で あ る場 合 は、 新 た に添 付 文 書 を 取 得 す る必 要 が あ る(2//。た とえ ば、 債 権 者 は 、 権 利 能 力 の な い 社 団 を名 宛 人 とす る金 銭 債 権 にっ い て 債 務 名義 を 取 得 す る の と並 行 して、 強 制 執 行 申立 書 の添 付 文 書 を 用 意 す る た め に、 権 利 能 力 の な い 社 団 に代 位 して 、 登 記 名 義 人 に対 して 、 不 動 産 が 権 利 能 力 の な い社 団 の 構 成 員 全 員 の 総 有 に属 す る こ と の確 認 を 求 め る確 認 訴 訟 や、 社 団 の 規 約 等 にお いて 登 記 名 義 人 た る こ と と さ れ る者 へ の移 転 登 記 手 続 請 求 訴 訟 を提 起 す る こ と に な る と思 わ れ る(22)。そ の 結 果 、 執 行 対 象 不 動 産 が社 団 の 構 成 員 全

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員 の総 有 に属 す る こ とを 確 認 す る 旨の 確 定 判 決 や 和 解 調 書 を 得 る こ とが で きれ ば、 これ を添 付 文 書 と して用 い る こ とに な る。 ま た 、 この よ うな場 合 に は、 登 記 名 義 人 が別 の 第 三 者 に 登 記 名 義 を移 転 して しま う こ とを 防 ぐた め、 債 権 者 と して は、 登 記 名 義 人 に対 して、 執 行 対 象 不 動 産 の 処 分 禁止 の 仮 処 分 の手 続 き を採 る こ と もあ り得 る。 そ の場 合 は、 本 案 訴 訟 と して、 上 記 の移 転 登 記 手 続 請 求 訴 訟 を提 起 す る こ とが 必 要 に な る。 そ して 、 申 立 て が認 め られ る と、 第 三 者 名 義 の所 有 権 登 記 が な さ れ て い る不 動 産 に、 権 利 能 力 の な い社 団 を 債 務 者 とす る差 押 登 記 が な さ れ る こ と に な る。 (2)証 明 文 書 と して 認 め ら れ る 文 書 と は 何 か 前 掲 最 判 平 成22年6月29日 は、 証 明 文 書 と して 認 め られ る文 書 に っ い て 、 「確 定 判 決 そ の他 これ に準 ず る」 と い う限 定 を付 して い る。 田原 裁 判 官 の補 足 意 見 は、 強制 執 行 の 申立 書 に添 付 す べ き文 書 の 具 体 例 と して 、 「権 利 能 力 の な い社 団 及 び 登 記 名 義 人 との 関 係 で 、 そ れ ぞ れ を 名 宛 人 とす る確 定 した確 認 判 決 や判 決 理 由 中 の判 断(い ず れ か 一 方 を 名 宛 人 とす る もの で あ って も、 例 え ば、 債 権 者 代 位 に よ る権 利 能 力 の な い社 団 の 代 表 者 名 義 へ の移 転 登 記 手 続 請 求 の 認 容 判 決 の よ うに、 当 該 不 動 産 が構 成 員 の総 有 不 動 産 で あ る こ とが 判 決 理 由 中 か ら明 らか な 場 合 等 を 含 む)、 和 解 調 書 、 当 該 不 動 産 が 権 利 能 力 の な い社 団 の構 成 員 の総 有 に属 す る こ と を 記 載 した 公 正 証 書 、 登 記 名 義 人 を 構 成 員 の特 定 の者(個 人 ま た は一 定 の 役 職 者 等)と す る こ とを定 め た規 約(公 正 証 書 ま た は そ れ に準 ず る証 明 度 の) 高 い 文 書 に よ る。)な ど」 とす る。 この 「な ど」 の 中 に 、 ど の範 囲 の 文 書 まで 含 ま れ る の か に つ い て は、 今 後 の 裁 判 例 の 集 積 が待 た れ る。 (3)差 押 え の競 合 の 問 題 第 三 者 で あ る登 記 名 義 人 の債 権 者 が 目的 不 動 産 の差 押 を した場 合 に 、 そ れ ま で な され て い た、 権 利 能 力 無 き社 団 の債 権 者 の差 押 は ど うな る の か と い う問 題 が あ る。 両 手 続 が 並 行 す る との 見 解 も あ る ⑳ 。 しか し、 この 場 合 に は、 裁 判 所 に と って 、 目 的不 動 産 は権 利 能 力 無 き社 団 の 所 有 物 で あ る こ と が職 務 上 顕 著 で あ る と して、 第2の 差 し押 さえ は却 下 す べ き で あ ろ う。 こ の場 合 に は、 登 記 名 義 人 の債 権 者 が 、 権 利 能 力 無 き社 団 の 債 権 者 の 差 押 を 争 う方 法 が 問 題 に な る。 責 任 財 産 の 範 囲 に っ いて の争 い で あ る か ら、 執

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行 抗 告 で はな く、 第 三 者 異 議 の訴 え で 争 わ れ るべ き で あ る。 こ の場 合 、 債 権 者 が所 有 名 義 人 に代 位 して この 訴 え を提 起 で き る と す べ きで あ ろ う。 (4)民 事 保 全 の 申 立 要 件 本 判 決 の 帰 結 と して 、 田原 裁 判 官 の 補 足 意 見 が 指 摘 す る とお り、 権 利 能 力 の無 い 社 団 を債 務 者 とす る金 銭 債 権 を有 す る債 権 者 は 、 社 団 の構 成 員 全 員 の総 有 に属 し第 三 者 を 登 記 名 義 人 とす る不 動 産 に対 して 仮 差 押 え を す る こ と が で き る こ とが 明 確 に な った 。 こ の場 合 に は、 前 掲 した よ うな確 定 判 決 を添 付 す る こ とは で き な い か ら、 上 記 不 動 産 が 社 団 の 構 成 員 全 員 の総 有 に属 す る こ と を証 す る書 面 を添 付 す る こ とに な る と思 わ れ る(民 保 規20条 1号 イ 参 照)。 そ の場 合 の 立 証 の程 度 に つ い て は、 本 執 行 の場 合 と 同程 度 の もの を要 求 して債 権 者 の権 利 の 実 現 を拒 否 す る に等 しい よ う な解 釈 を 採 るべ きで な く(24>、(皿.6.で 紹 介 した)前 掲 最 決 平 成23年2月9日 裁 時 1527頁1頁 判 タ1343号108頁 は妥 当 な結 論 を 示 して い る と思 わ れ る。 注V.最 判 平 成22年6月29日 の 実務 に 与 え る影響 (20)横 木=星 ・前 掲 注(11)号30頁 。 (21)横 木=星 ・前 掲(11)30頁 。 (22)榎 本 ・前 掲 注(10)119頁 は 、 債 権 者 と社 団 と の 間 に お い て 社 団 の構 成 員 の 総 有 不 動 産 で あ る と認 め られ て も、 そ の 間 で の 馴 れ 合 い の お そ れ も あ り、 登 記 名 義 人 の手 続 保 障 の必 要 性 もあ る こ と に照 らせ ば 、 原 則 と して、 登 記 名 義 人 も 当 事 者 と して 関 与 した もの と解 す る のが 相 当 で あ る指 摘 す る。 上 田竹 志 「判 批 」 法 セ ミ657号126頁[2009]も 想 定 して い る事 案 は異 な るが 同 様 な指 摘 を して い る。 しか し、 本 文 で述 べ た 登 記 名義 人 に対 す る訴 訟 に よ り登 記 名義 人 の 手 続 保 障 の 要 請 は 満 た され て い る と思 わ れ る。 (23)渡 退 健 司 「強制 換 価 法 にお け る外 観 と実 体 人 格 な き社 団 事 例 の 具 体 的 検 討 」 金 法1918号65頁[2011]。 (24)榎 本 ・前 掲 注(10)119頁 。 【追 記 】 本 稿 脱 稿 後 校 正 中 に、 中 野 貞 一 郎 「権 利 能 力 な き社 団 の 不動 産 に対 す る強 制 執 行 」 判 タ1341号4頁[2011]が 公 表 さ れ た が 、 そ の 内 容 を 本 稿 に反 映 す る こ と はで き な か った 。 74-173

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