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役員の債務保証料 1. 概要オーナー社長の場合は 自社の銀行借入金に代表者個人が連帯債務保証をしている場合があります このような場合は 法人からオーナー個人に債務保証料 ( 信用保証料 ) を支払うことが出来ます 当然 会社では法人税の計算上で損金計上することが出来ます 2. 注意点 (1) 債務保

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UP!Consulting

 役員の債務保証料

 保証債務を履行した場合の特例

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役員の債務保証料

1.概要 オーナー社長の場合は、自社の銀行借入金に代表者個人が連帯債務保証をしている場合があります。この ような場合は、法人からオーナー個人に債務保証料(信用保証料)を支払うことが出来ます。当然、会社では 法人税の計算上で損金計上することが出来ます。 2.注意点 (1)債務保証料を役員給与として増額すれば、一定条件を満たさないと定期同額給与等に該当せず、損金不算入と なります。書面を作成して、明確に区分して保証料として支払えば法人側で損金算入が可能です。 (2)債務保証料は、保証金額×保証料で計算します。この保証料は、信用保証協会の責任共有外の保証料率表に よるものが合理的です。民間金融機関の系列保証会社(●●ギャランティ、●●信用保証等)の保証料率表では 営利行為を目的とするため高額に設定されています。代表者が個人保証するのは経営責任の明確化を目的と するので、信用保証協会の保証料率表によるものが適正です。実際に 20 億円以上の債務につき消費者金融会 社の代表取締役会長へ年利 2.0%の債務保証料を損金計上したが、信用保証協会の最高保証料率である 1.0%が適正だと否認された事例があります(宮崎地裁 平成 12 年 11 月 27 日判決)。 (3)法人に不動産担保や有価証券担保があってオーナーの個人保証が不要と判断される場合や、保証予約念書・ 経営指導念書等の保証類似行為では、保証債務の履行とは認められないケースがあります。 3.役員個人の課税関係 合理的な理由に基づき相当な金額を受け取った役員等の所得税の取り扱いは、雑所得区分となり総合課税され ます。オーナーの所得が給与所得だけでその額が 2,000 万円以下の場合は、受け取った信用保証料が 20 万円以下 ならば確定申告は不要です。 損金計上額について 法人が信用保証協会等の債務保証を受けて金融機関から融資を受ける場合、保証期間の最初から最後までの保証料全額を前払 いすることになります。保証料率や保証期間によっては、保証料がかなり大きな金額になることもあります。分割納付が認められる場合 を除いて、全額前払いが一般的です。 全額前払いした保証料は、支払事業年度の損金として税務処理することは出来ません。法人は信用保証協会から保証というサービ スを保証期間の始期から満了時まで受けており、翌事業年度以降の期間に係る保証料相当額は支払った事業年度の費用とすべきで はないからです。会計上も、翌事業年度以降の期間に係る保証料は「長期前払費用」として会計処理します。

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保証債務を履行するために個人資産を譲渡した場合の特例

1.概要 非上場企業では会社に担保となる不動産や有価証券が無いため、オーナーや代表者個人が銀行に連帯債務保 証をしているケースがあります。個人の資産背景が豊富なら、金融機関も担保提供や連帯保証を条件に融資に応じ てくれます。任意整理のために自分の個人資産を売却し、その譲渡代金で返済に充てた場合には譲渡所得・配当 所得等が非課税になる特例があります。譲渡所得や山林所得に限らず、自社に金庫株した場合の配当所得でも利 用できます。これが、「保証債務を履行するための資産の譲渡の特例」です(所法 64②)。 これは保証債務を履行するために、個人資産を譲渡した場合の課税の特例です。例えば会社の借入金 2 億円を弁 済するために個人所有の不動産を 2 億円で売却した場合に、譲渡所得税が売却益部分に課されると資金不足にな ります。あまりに酷なので、非課税とするものです。 必要書類は、 ・「保証債務の履行のための資産の譲渡に関する計算明細書」 ・債務保証契約書 他です(所規 38)。ただし税務の取扱いは厳しく、適用要件も細かく定められています。この特例を受けるには次の全 ての要件に該当する必要があります。 ①譲渡代金が債務保証の履行(借金の返済)に充てられていること。 ②保証債務の履行によって生じた求償権の行使ができなくなったこと。 ③求償権が客観的に行使不能であること。 ①「保証債務」であるかどうか 資産の譲渡時には保証債務契約が存在していたこと。仮に倒産ギリギリになった段階で債務保証した場合は、「保 証」の形式を利用した「贈与」とみなされますので注意が必要です。飲食店オーナーや従業員等、特殊関係にある債 務者に対して、事前に求償権の行使は不可能と認識して債務保証する場合は、贈与とみなされます。また、銀行等 の金融機関は保証人より債務者本人からの回収形式を好みます。連帯保証人が土地を売却して、債務者名義の口 座にその売却代金を入金して回収できるようにリクエストします。その場合は、銀行の出す領収書は債務者本人宛の ものとなります。当然、保証人が債務者に貸付をしたことになるので特例の適用は不可になります。この特例を適用す るためには、保証人の口座から直接銀行への資金移動が必要です。そして、保証人宛の「債務保証履行につき」と いう名目の領収書を金融機関から入手するべきです。 ②「保証債務を履行するための譲渡」であるかどうか この特例は、保証債務を履行するために資産を譲渡することが要件になっています。よって手持ちの余裕資金や定 期預金を解約して保証債務の履行にあて、その後に不動産を売却しても認められません。原則として、不動産の売 却→その売却代金で保証債務の履行、という事実関係・手順が必要です。逆に、保証債務を履行→不動産の売却

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銀行や親族から借入をして債務保証の履行をして 1 年以内に不動産を売却した場合は、実質的に保証債務を履行 するための売却と認定される可能性があります(所基通 64-5)。 また保証債務履行の為に土地を売却したが、当面は銀行借入金で債務保証を履行して銀行の営業上の要求によ り土地の売却代金を1年間定期預金として運用してから借金返済にあてた場合には、これは債務保証のための譲渡 ではなく預金のための譲渡になりますので認められません。実際にあった事例のため、注意が必要です(国税不服 審判所 平成 2 年 6 月 22 日裁決事例)。 ③「求償権の行使が不能」であるかどうか 保証債務を履行しただけでは、この特例は適用できません。社長(オーナー)が自社の保証債務を履行すると、社 長は自社に対して求償権を有することになります。つまり自社に対して、保証債務を履行した分について金銭返還の 請求権を持つことになります。求償権の行使が不能であるかどうかの判定についても細かく規定されていますが、債 務者の資産状況・支払能力等からみて、その債務者に対する債権の全額が回収できないことが明らかになったときに は、その債務者つまり自社に対してもっている求償権の全額が行使不能として取り扱われます。 具体的には以下の ケースです(所基通 64-1、51-11)。 A:会社更生法や民事再生法の規定で債権の切捨てが行われた場合。 B:債権者集会の決定で求償権も含めて債権の切捨てが行われた場合。 C:債務者の債務超過状態が継続して求償権の放棄を書面で通知した場合。 D:保証債務履行後 1 年経過しても弁済の無い場合。 つまり実質的には、自社を倒産させないと社長が自社から回収不能とは認められない運用となっています。単に会 社が 10 年間債務超過の状態では、回収不能とは言えないでしょう。この③の条件について中小企業庁が平成 14 年 に厳格すぎると照会し、国税庁が以下の内容の回答文書を出しました。 ・代表取締役の会社への求償権が、他の債権者の有する債権と同列に扱うことが困難である等の事情により放棄せざるを得ない ・その求償権の放棄後でも、全ての資産を時価評価すると債務超過になる (=つまり、代表取締役が債権放棄することで債務免除益が計上されるが、その場合でも債務超過であること) しかし、実務の運用基準としては未だ不透明です。この特例の適用を考えるなら、まずは上記のポイントや金融機 関との調整を含め慎重に検討することが必要です。

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2.保証債務特例と相続税の債務控除の関係

個人経営の会社の借入金=個人事業主の借入金は、返済見込みが無い場合は相続人が債務控除できます。そ して個人財産の不動産を処分して、保証債務特例を適用することも出来ます。理論的には矛盾していますが、相続 税と所得税の計算でダブル適用できます(所基通 64 の 5-3)。

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本レターに掲載している情報は、一般的なガイダンスに限定されています。この文書は、個別具体的ケースに対する会計・税務のア ドバイスをするものではありません。会計上の判断や税法の適用結果は、事実認定や個別事情によって大幅に異なることがありえます。 また、解説の前提となる会計規則や税制が変更されている可能性もあります。実際に企画・実行される場合は、当事務所の担当者にご 確認ください。

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