クローン病
ステラーラ®を使用される患者さんへ
による
クローン病治療
について
ク ロ ー ン 病 の 患 者 さ ん サ ポ ー ト 情 報 の ご 案 内
クローン病に関する情報サイトIBD LIFE
https://www.ibd-life.jp/ ステラーラⓇを使用されている クローン病患者さん向けウェブサイトステラーラ.jp
http://www.stelara.jp/ 医療機関名 患者さん向けアプリIBDサプリ
https://ibd-supli.welby.jp/ ※IBDサプリ紹介サイトにリンクします。クローン病は、小腸と大腸を中心に口から肛門までの消化管のいたると ころに炎症や潰瘍ができる慢性の炎症性疾患です。 現在、クローン病の患者さんは国内にすでに約4万人以上いると考えら れ、男性に多く(男女比2:1)、10~20代で発症する方が多いという特徴 があります。その主な症状は、腹痛、下痢、発熱、体重減少、肛門の痛みな どです。 クローン病が起こる原因は明らかにされていませんが、近年、免疫(外敵 から体を守るための作用)の異常が関係していると考えられています。 そのため、免疫や炎症を適切な治療でコントロールすることで症状がな い状態(寛解)を長く維持することができます。クローン病の治療には、栄 養療法や薬物療法などの内科的治療や、手術などの外科的治療がありま す。これらの中からあなたにピッタリの治療方法に出会うこと、これがと ても大切です。 治療と病気について正しく理解し、病気と上手につきあっていきましょう。
クローン病とは
ステラーラ
®による
クローン病治療をはじめるにあたって
ステラーラ®による クローン病治療をはじめるにあたってクローン病とは
生物学的製剤ステラーラ®とは
ステラーラ®の投与方法
ステラーラ®の適応となる患者さん
ステラーラ®を投与できない患者さん
期待される効果
気をつけるポイント1治療中の注意点
気をつけるポイント2ステラーラ®の副作用
気をつけるポイント3対処方法
日常生活で気をつけたいこと
よくある質問①
よくある質問②
クローン病の患者さんサポート情報のご案内
目 次
3 2 5 6 7 8 9 11 12 13 10❶ステラーラ®はIL-12とIL-23を抑えます。 クローン病の原因については、まだはっきりとはわかっていませんが、クロー ン病の患者さんの腸管では免疫に異常がみられ、マクロファージが炎症に関 与する“インターロイキン(IL)”や“腫瘍壊死因子(TNF)α”などの物質を作る ことにより、炎症が起きることがわかってきました。それらの物質のうち、ILは 重要な役割を果たしていると考えられており、特にIL-12とIL-23がクローン病 の発症に深く関わっているといわれています。IL-12とIL-23は炎症を起こす細 胞を活性化させることにより消化管に炎症を起こし、その結果クローン病が 発症すると考えられています。 ステラーラ®は、炎症や免疫反応を引き起こしているIL-12とIL-23の働きを弱 めることによって消化管の炎症を抑え、腹痛や下痢などの症状を改善する生 物学的製剤です。
生物学的製剤
ステラーラ
®
とは
❷ステラーラ®は免疫原性の低いヒト型抗体です。 生物学的製剤には、薬剤そのものが体内で「抗原(異物)」として作用し、その 薬剤の働きを低下させる「抗体」を産生するものがあります(免疫原性とい います)。生物学的製剤は4種類に分類されますが、その種類により免疫原性 は異なります。ステラーラ®を含むヒト型抗体は免疫原性が低いといわれて います。 マウス抗体 マウス由来部分 ヒト由来部分 キメラ型抗体 ヒト化抗体 ヒト型抗体 腸管粘膜 マクロファージ 炎症を起こす 細胞の活性化 クローン病の炎症 腸管粘膜ステラーラ®は、最初に点滴注射にて投与します。 その8週後の2回目の投与からは皮下注射となり、その後は12週間隔で投与し ます。効果が弱くなれば8週間隔に短縮します。 ステラーラ®は、医療機関で医療従事者により投与されます。
ステラーラ
®
の投与方法
ステラーラ®は、適応となる患者さんと投与できない患者さんがいます。ステラーラ
®
の適応となる患者さん
ステラーラ
®
を投与できない患者さん
□既存治療(栄養療法やサラゾスルファピリジン、 メサラジン、ステロイド、アザチオプリンによる 薬物治療)を行ってもクローン病の症状が残る方 □中等症から重症の活動期にあるクローン病に 対して、過去の生物学的製剤による治療で 効果が不十分な方 □肺炎などの重い感染症をわずらっている方 □治療が必要な結核にかかっている方 □ステラーラ®に含まれている成分で過去に アレルギー反応を起こしたことがある方投与できない患者さん
適応となる患者さん
ス テ ラ ー ラ
®の 投 与 ス ケ ジュー ル
初回のみ 点滴注射 8週 8週 8週 8週 12週 12週 12週 導入療法 維持療法 8週 12週または8週間隔で皮下注射 通常 効果減弱の場合ステラーラ®による治療中は、体の中で免疫(病原菌やウイルスと闘う力)の 働きが弱まります。そのため、かぜやインフルエンザなどの感染症が重症化する ことがありますので、十分に注意してください。
気をつけるポイント
1
治療中の注意点
●かぜやインフルエンザなどの感染症 を予防するために、外出先から戻った ら、うがい・手洗いをしましょう。 ●主治医にご相談の上、流行期の前に インフルエンザワクチンを接種しま しょう。 感染症対策を しましょう! ●継続的な投与によって、長期にわたり症状を抑える 効果が期待できます。 ステラーラ®は ●ステラーラ®を注射した当日は、注射 部位への刺激を避けてください。 ●ステラーラ®の投与間隔をきちんと守 りましょう。 その他の 注意点 ●免 疫 の 働 き が 弱 まって いる た め 、 BCG、麻疹、風疹、おたふくかぜ、みず ぼうそうなどの生ワクチンの接種は避 けてください。 生ワクチンの 接種は 避けましょう!期待される効果
厚生労働省「重篤副作用疾患別対応マニュアル」平成22年6月 ステラーラ®カード ステラーラ®の投与により下記のような副作用があらわれる可能性があります。 ふだんから体調を管理して、変化に十分気をつけましょう。体調に異常を感じ ることがあったら、主治医に相談しましょう。