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シンポジウム 論 考 投稿原稿 会務報告 大会報告 9 月 29 日（土），30 日（日）明治大学駿河台校舎で 第 28 回経済教育学会全国大会が開催された。 ちょうど台風が日本列島を直撃し，出席者は例年よ りも少なく心配されたが，参加者の熱気ある議論が交 わされ，学術交流の場としての学会の本来の目的は達 成できた。 まず第 1 日目の 29 日のシンポジウムは，「経済教育 の新しい地平を求めて」をテーマに行われた。コー ディネータを宇佐見義尚先生（亜細亜大学）にお願い し，基調報告を飯田泰之先生（駒澤大学），パネラー スピーチを八木紀一郎（摂南大学），藤岡惇（立命館 大学），樋口雅夫（文部科学省初等中等教育局教育課 程課教科調査官）の各先生にお願いした。 飯田先生は，基調報告で，「注目される企業の業務 を取り上げ，経営者を招き，体験学習を通じてビジネ スの現場に触れさせるという授業計画のない大学はな いのではないか。しかし，これ以上実務型・即戦力型 の教育が増えることに，私は，全く反対である。」と いう刺激的な考え方を示し，大学生の論理性を養うの に経済学でなくてもよいという考えも示された。こう したお考えが問題提起となり，パネラー，フロアの 方々と様々な議論がなされた。熱いシンポジウムを行 うことができた。 29 日は，シンポジウム以外に，会員総会（16 時 10 分〜 17 時 10 分・リバティタワー 2 階 1022 教室），懇 親会（17 時 30 分〜 19 時 明治大学リバティアカデ ミー 17F）も行われた。特に，懇親会では，基調報告 者の飯田先生のご出席もあれば，先ほどの議論の続き ができたのにという声が聞かれた。それだけ中身の濃 いシンポジウムだったようである。 9 月 30 日（日）は 6 つの分科会での分科会報告だっ た。分科会 1 は経済学と経済教育，分科会 2 は経済リ テラシーの国際比較，分科会 3 は中学校・高等学校に おける経済教育⑴，分科会 4 はキャリア教育，分科会 5 はゼミナール・少人数教育，分科会 6 は中学校・高 等学校における経済教育⑵だった。台風のため出席が 少なかったが，前述のとおり，今後の経済教育のあり 方を見据えながらどの分科会も活発な議論がなされた。 台風のエネルギーを逆に熱気に変えて活発な議論が なされた大会になったことと思う。これも，中谷武雄 会長をはじめとした理事の皆さん，実行委員会の皆さ ん，そして会員の皆さんの多大なるご協力のおかげだ と思う。心より感謝申し上げる。 次年度の第 29 回全国大会は滋賀大学で行われる予 定である。ご成功をご祈念して筆をおくこととする。経済教育学会
第 28 回大会について
The Journal of Economic Education No.32, September, 2013水野 勝之
（第 28 回大会開催実行委員長） The Japan Society for Economic Education191
プログラム
2012 年 9 月 29─30 日（土・日）／明治大学駿河台校舎リバティタワー（東京都千代田区神田駿河台 1-1， JR 中央線御茶ノ水駅徒歩約 3 分） 9 月 29 日（土） シンポジウム「経済教育の新しい地平を求めて」 10:30-12:50 明治大学研究棟 4 階第 2 会議室 理事会 13:00-リバティタワー 2 階 1022 教室 受付開始 13:20-13:30 開会 開会挨拶：水野勝之（明治大学） 開催校挨拶：伊藤光（明治大学副学長） 全体司会者：八木尚志（明治大学） 13:30-14:20 飯田泰之（駒澤大学）基調報告 14:20-14:50 コーディネータ：宇佐見義尚（亜細亜大学） パネラー：八木紀一郎（摂南大学） 藤岡惇（立命館大学） 樋口雅夫（文部科学省初等中等教育局教育課程課教科調査官） （3 名各 10 分） 15:00-16:00 パネルディスカッションフロアからの質疑応答 16:10-17:10 総会 17:30-19:00 明治大学 リバティアカデミー 17F 懇親会 9 月 30 日（日） 〈午前〉10:00-12:00 会 場 テーマ 座 長 第 1 分科会（1163 教室） 「経済学と経済教育」 新里泰孝（富山大学）・藤岡 惇（立命館大学） 第 2 分科会（1165 教室） 「リテラシーの国際比較」 淺野忠克（山村学園短期大 学）・山岡道男（早稲田大 学） 第 3 分科会（1166 教室） 「中学校・高等学校における 経済教育（1）」 新井明（東京都立小石川中 等教育学校）・あんびるえつ こ（子供のお金教育を考え る会） 報告 1 10:00-10:40 「アダム・スミスと現代」 中谷武雄（元京都橘大学） 「フィリピン・スタディツアーと経済教育」 佐々木謙一（北海道教育大 学） 「国際通貨体制の歴史を高校 生に教える」 箕輪京四郎（元横浜商業高 等学校） 報告 2 10:40-11:20 「マクロ経済学に内在するキ ャリア教育的側面の一考察」 糸井重夫（松本大学松商短 期大学部） 「PersonalFinancialLiteracy among High School and UniversityStudentsinJa-pan」 阿 部 信 太 郎（ 城 西 国 際 大 学）・山岡道男（早稲田大 学）・淺野忠克（山村学園短 期大学）・高橋桂子（新潟大 学） 「中高生を経済好きにさせる 経済教育指導実践」 高橋勝也（東京都立桜修館 中等教育学校）The Japan Society for Economic Education
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シンポジウム 論 考 投稿原稿 会務報告 大会報告 報告 3 11:20-12:00 「教養教育としての経済学教 育の方法─行動経済学をベ ースとした経済学の授業─」 古田俊吉（富山大学） 「中国の大学生におけるマク ロ経済学理解力の特徴とパ ス解析─認知レベルの軸を 中心に─」 林潔梅（北京城市学院）・尹 秀艶（北京城市学院）・陳怡 （北京城市学院） 「対話と討論による中学経済 の授業」 河原和之（立命館大学・関 西大学中等部） 12:00-13:00 理事会 12:00-13:20 昼食 〈午後〉13:20-15:20 会 場 テーマ 座 長 第 4 分科会（1163 教室） 「キャリア教育」 泉美智子（四国学院大学）・ 加納正雄（滋賀大学） 第 5 分科会（1165 教室） 「ゼミナール・少人数教育」 橋本勝（岡山大学）・長谷川 義和（大月短期大学） 第 6 分科会（1166 教室） 「中学校・高等学校における 経済教育（2）」 大谷和海（関西大学・高等 部）・高橋勝也（東京都立桜 修館中等教育学校） 報告 1 13:20-14:00 「就職力育成を目指した科目 の授業設計」 田中淳（東京都立産業技術 高等専門学校） 「震災復興コミュニティビジ ネスの実践教育」 水野勝之（明治大学）・井草 剛（明治大学） 「教科書と経済教育─ 1960 年代の高校教科書の分析か ら─」 新井明（東京都立小石川中 等教育学校） 報告 2 14:00-14:40 「学生の企業研究発表を中心 に位置づけた経営学の授業 実践」 横田数弘（富山高等専門学 校） 「ゼミナールにおける実践的 マーケティング活動による 教育効果」 金子能呼（松本大学松商短 期大学部） 「商業高校科目 「マーケティ ング」 と大学の経済・経営 系科目との接続性」 金子浩一（宮城大学） 報告 3 14:40-15:20 「女性公務員の継続就業意思 の決定要因」 中嶌剛（千葉経済大学） 「ロシアモスクワにおける日 露関係ゼミの実態報告」 川西重忠（桜美林大学北東 アジア総合研究所） 「原発事故問題から考える経 済 学 習 ─ 高 等 学 校 公 民 科 「現代社会」 での試み」 松井克行（大阪府立旭高等 学校）The Japan Society for Economic Education
