【論 文 】 日本建築学会構造系論文報告 集 第445号
・
1993年3 月 Jeurnal of Struct、
Cons亡r、
Engng、
AIJ,
No.
445,
Mar.
,
1993破 壊
エネ
ル
ギ
ー
の
物 理 的 意 味
と
そ
の
評 価
コ ン ク リ
ー
トの 破 壊エ ネルギー
に関
す る研 究
PHYSICAL
MEANING
AND
ESTIMATION
OF
FRACTURE
ENERGY
Study
onfracture
energy of concrete村
上聖*
,
岸 谷
孝
一
* *,
平 居 孝
之* * *
Kiyoshi
MURAKAMI
,
Koichi
KISHITAIVII
andTakayZtki
HIRAI
The
physical meaning of thefracture
energy (G!)is
an energy release ratefor
a non.
elasticbody.
The
G
!is a su皿 of elastic and non−
elastic energy release rates andis
an app 旦icabSe para・
meter to oneinstead
of theJ
−integral
.
・Experiments
were conducted in order toinvestigate
the propriety of the above considerations.
Then theG
∫was
determined
by
means of measuring a repe・
atedload−displacement
curve with a notched plain concrete beam under three−
pQint bending.
Asthe results the
following
inspects werederived
.
The
G
! agrees reasQnably with the criticalJ −
integral
at thebeginning
of extension of a main crack,
but
during its stable growth theG
/ in−
creases monotonously with the increase of extension area
.
Keywords :∫觚 6惣 θ 覦 y
,
J・
integr
α1,
8Zα ∫齔 翩 卿 release rate,
non・
elastic energy release rate,
lostene 「gy 破 壊エ ネルギ
ー
tJ 積分, 弾性エ ネル ギー
解 放率,
非 弾性エ ネル ギー
解放率, 損失エ ネルギー
1.
はじめに コ ン ク リー
トへ の破 壊 力学の適用 が, 初 期の線形破 壊 力学か ら近 年の非 線 形 破 壊 力学の適 用に至る ま で, そ の 変 遷 とし て金 属に おける破 壊 力 学の歴 史 的 背 景 を追 従す る形で行わ れ て き た ことは言う までもな い。
し か し,
最 近の コ ン クリー
トの 破壊力学の動向におい て新たな展 開 が み ら れ る。
す な わ ち, コ ン ク リー
ト内部で起 こっ てい る破 壊現象の 可視 化 技 術の発展に より, コ ン ク リー
ト と 金属の ひびわ れ進展過 程の違い が広く認 識され る よ うに な り, コ ン ク リー
ト固 有の特 性 を破 壊 力学パ ラメー
タの 評 価に反 映させ る必 要 性が指 摘され てい る。
コ ン ク リー
トの引 張 破 壊 過 程の特 徴は次の 2点に集 約 さ れ る :1) 主ひびわ れの進 展に先 行して, コ ン ク リー
トの非 均 質 性に よ り, マ イクロクラック の累 進 的 発 生・
成長・
合 体 を 伴う破 壊 進 行 域 (fracture
process zone )が形 成され る こと, 2)破 壊 進 行 域の拡 大は, コ ンク リ
ー
トの引 張 軟 化 特 性に より,
ひび わ れ先 端 前 方の幅の狭い領 域に局 所 化さ れ
,
破 壊に要す るエ ネルギー
は,
ほ と ん どこ の局 所 化さ れた破 壊 進 行 域 内 部で消 費される こと。以 上の知 見 を基に, コ ンクリ
ー
トの 引張 軟 化 則 を考 慮し た 仮想ひ び わ れモデル (
fictitious
crack model )にょ るひびわ れ進 展性 状の数 値 解 析IL2L5)や, そ の モ デル の 逆 解 析に よ る引 張 軟 化 則の推 定3}
』
5)・
1°),
さ らに ひび わ れの発 生か ら安 定 成 長の過 程に至る ま で の one parameter
fracture
criterion と して の 破 壊エ ネル ギー
(fracture
energy , 以 下
G
∫と略記す る)概念の導入 と そ の評価5)−
7) が,
コ ン ク リー
ト固有の破 壊 力 学と して注目 され て い る。
仮 想ひ びわ れ モデル のコ ン ク リー
トへ の適用性につ い て は,
そ の妥 当 性 を示 す 研 究 報 告 がこ れま でに多 数なさ れて い る1)−
5}。一
方,
G
∫に関して も,
す でにRILEM
は,
ノ ッチつ き梁の 3点 曲 げ試 験に よるプレー
ン コ ン ク リー
トのG
∫評 価 法 を提 案し てい る 6〕。
そこでのGr
のエ ネル ギー
的 解 釈は,前 述のよ うに破 壊に要す るエ ネルギー
が, 破 断 面 近 傍に局所 化され た破 壊 進 行 域 内部 で集 中 的に消 費され る こ とに基づ き, 破 断に至る まで の損 失エ ネル ギー
(荷 重一
載 荷 点 変 位 曲 線 下の全 面 積 )を破 断 面 積 (リ ガメ ン ト面 積 )で除すことに よ り,
主ひびわ れが単 位 面 積 進展す るの に必 要な平 均 的なエ ネルギー
とし てG
∫ を ’ 熊 本 大 学 工 学 部 建 築 学 科 助 教 授・
工 博 # 日本 大 学 理工学 部建築 学 科 教 授・
工博 * * * 大 分 大 学 工 学 部 教 授・
工 博Assoc
.
Prof.
,
Dept.
of ArchLtecture,
Faculty of Engineering,
Kuma−
moto Univ
.
,
Dr.
Eng.
・
’
.
PrDf
.
,
Dept.
of Architecture,
Faculty of Science and Engineering,
Nihon Univ、
,
Dr.
Eng.
Prof
.
,
Faculty of Engineenng,
Oita Univ.
,
DI,
Eng.
Architectural Institute of Japan
NII-Electronic Library Service Arohiteotural エnstitute of Japan
評 価 して いる
。
こ の ことは,
主ひび わ れの安 定 成 長の過 程でGt
が一
定 値 をと ること を暗 黙の前提と してい るこ と を意 味し,
そ れ が本 当な ら ば,G
∫ は基 本 的に試 験 体 寸 法に依 存し な い はずである。
一
方で,
RILEM 法に ょ り評 価され るG
ノが試 験 体 寸 法に依存す ること が実験 的に示さ れてお り7},
その寸法 依 存 性が評価方 法によ る ものか,
ある い は Grに固有の もの なの か, も し固 有の もの とすれ ば,
それ が何に起 因 す るの かなど,
依 然 とし て そ れ らの疑 問に対し て 明確な コ ン セ ンサス は得 られて い ない。
さ らに,Gr
の物理的 意 味の解明が不十 分な こ と に関 連して, 」積 分とG
ノの 物 理 的 意 味の違いは あい まい の ま ま,J
積分とG
∫の区 別は単に表 現の違いにすぎない と す る考え方が支配的で ある。
こ の ことは, 仮 想ひびわ れ モ デル において引張軟 化 曲 線 下の全 面 積で表され る限 界J
積分をG
ノと称し て’
いる 研 究 者が多い こと か らもわか る。
本研究では,
以 上の よ う なG
!の 適用 性に関し て不 明 な点を明らか にす る た めに,G
!の 物理的 意 味が非 弾 性 体に対するエ ネルギー
解 放 率で あ る とい う解釈か ら,
そ の評 価 法につ い て理論 的 考 察 を行う と と もに、
その妥 当 性を実 験 的に検 討する こと を目的と する。
2.
G∫の物 理 的 意 味 とその評 価に関す る考 察 2.
1 Gノの物 理 的 意 味 弾 性 体の場 合, その可 逆 性により, 負 荷の下で ひびわ れ が微 小 面 積だ け進展 する間の ポテンシャル エ ネルギー
の連 続 的な変 化と,
わずか に ひびわ れ長さの異な る物 体 を負 荷し た ときの ポテンシャ ルエ ネルギー
の差 (以 下,
離 散 的な変化と呼ぶ )に相 違がな い ことか ら,
後 者の解 釈 と して の 」積分 が,
ひ び わ れ を 進展 さ せ る の に必 要 なエ ネル ギー
と し て の物理的意 味を もつ。 しか し,
実 際 の材 料で は,
ひびわ れの安 定 成長の 過程で の不 可逆性に よ り,
ポテ ンシ ャ ルエ ネル ギー
の連 続 的変化 と 離 散 的 変 化は一
致 し ない ことか ら, こ の段 階で 」積分の物理的 意 味は失わ れる。一
方,G
ノは,
この段 階での ひびわ れ 進 展の ク ライテ リオ ンとな り,
そ の物理的 意 味は, 非弾 性 体に対 するエ ネルギー
解 放 率である と解釈さ れ る。 2.
2 既 往のG
!評 価 法の考 察 こ こで, エ ネルギー
解 放 率は,
材料の構成 法則によ ら ない, 「ひびわ れ が単位面積 進展す る間に物体一
外力系よ り失わ れ る力 学 的に有 効なエネル ギー
」と定 義さ れ8 ),
そ のエ ネルギー
が新た な ひびわ れ面を 形成す るの に消 費 され る。 非 弾 性 体の場 合,
除 荷に よりエ ネルギー
の損 失 を伴うの で, ひび わ れ が微 小 面 積だ け進 展する の に必 要 な (力 学 的に有 効な)エ ネル ギー
は,
その間に外力の な し た仕 事と弾性ひずみエ ネル ギー
の 変化の双 方か ら供 給 さ れ, その関係は次 式で表さ れ るe・
G
!dA
=Pdu −
〔IUe ……・
……卜
……・
………・
(1 )一
12
一
IE
PP +dP v u+Citt 載 荷 点 変 位 図一
1 G∫の物理的意味 こ こ に,A
:ひび わ れ面 積,
P :荷 重,
u :載 荷 点 変 位,Ue
:弾 性ひずみエ ネルギー
。 式 (1 )の 右 辺 は,
図一
1に示 す よ うに,
負 荷の下で ひ びわ れ が微 小面積だ け進展す る間の損 失エ ネル ギー
の変 化 (以 下,dU
,。ss と略記す る)を表して いる。 こ こ で,
式 (1)におい てdUe
をひずみエ ネル ギー
の変 化 (dU
) に置き換え れば,
その と き右辺は ポ テ ン シャ ルエ ネル ギー
の変 化 (− dH
>を表し,
」積分の表示 式と な る が,
非弾 性 体の場 合に は U の うちに非弾 性ひずみ エ ネル ギー
が含ま れ,dUe
とdU
は一
致 し な い こと,
また u の う ち に は不可逆変位を含んで いることに注 意 する 必要 が ある。
以下で は, 式 (1 )に 基づ い て,
既 往のG
ノ評 価 法の考 察を行う。
オフ セ ッ ト法 繰 返し荷 重一
載 荷 点 変 位 関 係に おい て, 図一
2に示す PP +dP δ δ+dδ u u+du 載 荷点 変位 図一
2 オフ セ ッ ト法に よる Grの評 価 N工 工一
Eleotronio Libraryよ うに除 荷 お よ び 再 載 荷 経 路 を直線で近似する こ と に よ
.
り,
オフセッ ト法に よ るGr
評価式が以下の ように得 ら れ る9♪ 。 P2d
λd
δ・
・
一・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(2).
G
!=
十P 2dA
dA こ こ に, λ :除 荷・
再 載 荷 直 線の コ ンプライアン ス , δ :残 留 変位。 式 (2 )の右辺第 1項は,
線形弾性体に対す るコ ン プラ イアン ス・
キャリブレー
ショ ン法によるエ ネル ギー
解 放 率の評価式で あ り,弾 性エネル ギー
解 放率 を表して いる。 た だ し, これ ば除荷・
再 載 荷 経 路 を 直線で近 似 して い る ためで あ り, 厳 密に は 」積 分を表 し て い る。 ま た,
第 2項は, ひび わ れの安 定 成 長の過 程で の不 可 逆 変 位に起 因 するもの であり,
非 弾 性エ ネルギー
解 放 率を表してい る。
し たがっ て,
弾 性 体の場 合,
除 荷により不 可逆変 位 を生 じない か ら,
G
! と」積 分は一
致 する。 以 上の よ う.
に,
オフ セ ッ ト法に より,G
∫が弾 性および非 弾 性エ ネ ル ギー
解 放 率の和で あり, 」積 分を非 弾 性体
に まで拡 張 し た パ ラ メー
タに なっ て い る こと が示さ れ た。 RILEM 法 RILEM 提 案のG
ノ評 価 式を以 下に示 す。
∬
・
d
・・
………・
…・
・
…・
・
…・
…・
・
…・
(3
)G
ノ=
Aiig
こ こに,
Umax.
:破 断変位,Aug
;リ ガメ ン ト面 積。 ただ し,
こ こ で は理 論 的 考 察を目 的とし ている ので,.
梁 お よ び載 荷 治具な どの 自 重に関 係す る項は省略して い る。
い ま, 式 (1) を破 断に至る まで積 分す る と (図
一
3 参照〉,
∬
G
…一
却
…一
偽
…
ニ
ー・
一 (・) Ul眄
5巳 OA↓
臥
ひび わ れの安 定 成 長 / Ue 載 荷点変位 図一
3 RILEM 法による Gtの評価 Umax こ こ に, A。 : ノ ッチ 面 積,A
,: ノ ッチ も含 めた全 断 面 積 (=
ん+Ali9),
u。 :主ひび わ れ発 生 時 点で の変位,
Ue。:主ひびわ れ発 生 時 点で の弾 性ひずみエ ネルギー
(た だし,
破 断 時 点で弾 性ひずみエ ネルギー
は 0とな る〉。 こ こ で, 主 ひび わ れの安 定 成 長の過 程でG
!=
const.
と 仮 定すれ ば, 式 (4 )に お い て Gノを積 分の外に出せ る の で,
… 1・
一
£
… + u・
…一・
・
………・
(・) こ こで,
弾 性 体の場 合,
ひび わ れ発生時点まで, 外 力の な し た仕 事は すべて弾性ひずみエ ネル ギー
として蓄えら れ る の で,
吟
一
∫
唆Pd
・…・
…・
・
…・
・
……・
…・
………・
t・
(6 ) したがっ て,
式 (5 )は式.
(3)に示すRILEM
法に よる G∫評 価式 と一
致 す る。
また,
弾 性 体の場 合,
前 述 の ようにG
ノと 」積 分は一
致 し, ひびわれ の安 定 成 長の 過程で J 積分は一
定の限 界 値 (以 下,
Jcと略 記する) をと る の で, 式 (5)を誘
導す る 際のGr
(=
Jc)=
const.
の 前 提 も厳 密に成り立つ 。 し か し,
非 弾駐体の.
場 合に は,
外 力の なし た仕事の一
部は非弾性エ ネル ギー
とし て消 費さ れ るの で,
偏
∫
恥P
・・一
娠 ・一 ……・
………
《・) こ こ に,Ub ,
,
。’
:主 ひび わ れ発 生 時 点で の損 失エ ネル ギー。
したがっ て,
式 (5)は次 式の よ うにな る。
Gx=
1
Umax’
Pdu 一
σめsso.
■
Aiig………・
……
(8>以 上の ように
,RILEM
法に よ るG
,評価式は, 弾性 体に対し て は厳 密に成り立つ が,
非弾性体の場 合には,
式 (8>に示 ずように U,。 、s。の項が考 慮さ れ な け れ ば な らない こと,
た だ し式 (8
)の誘 導に おい て主ひびわ れ の安 定 成 長の過 程でG
!= const,
を前 提に.
.
してい るが, そ れ を保 証する物理的根 拠は な い などの問題 点が ある。3.
実 験 方 法 プレー
ンコ ン.
ク リー
トの使用材 料お よ び 調 合 を そ れ ぞ れ 表一
1,
2に示す。 調 合は, 水セメ ン ト比 (卿C
)を 40,
50,60,70
% の4
種 類と し,
ス ランプ=
18cm を 目 標に試 し練り に よ り 定 め た。
練り 混 ぜに は,容
量 50 リッ トルの強 制 攪はん型ミ キ サー
を使用 し た。
試 験は, 寸 法 φ10×20cm
の円柱 供試体を用い て圧 縮 応 カー
ひずみ関 係を,
ま た寸 法 10× 10×40cm の ノ ッチつ き梁 試 験 体 の 3点 曲 げ 載 荷 (ス パ ン・
高さ比一
3 )によ り, 繰返 し 荷 重一
載 荷 点 変 位お よ び ノッ チ肩口開口 変位 (crackmouth opening displacement
,
以 下CMOD
と 略 記 す る) 関 係を そ れ ぞ れ 測定し た。
圧 縮 試 験に よる圧 縮 強 度およArchitectural Institute of Japan
NII-Electronic Library Service Arohiteotural エnstitute of Japan
表
一
1 使用材 料 セ メ ン ト 普通 ボ ル ト ラ ン ド 細 骨 材 川 砂 裏 乾 比 重・
2.
53 吸 水 率・
2.
7眺 最 大 寸 法・
5阻m 粗 粒 率・
2.
49 実 積 率・
64.
4瓢 粗 骨 材 川 砂 利 裹 乾 比重・
2.
68 吸 水 率・
1,
72% 最 大 寸 法・
20m田 粗 粒 率・
6.
52 実 積 率=
64.
3% 表一
2 使用 調 合 剛C (男1 スランプ 〔。ロ〕 s/a 〔男1 w 〔kg〆田 圧 縮 強 度 〔kgf/c国3〕 ヤン グ係数 (Xlo5 k匡f /cm2 } 4019,
131211 4&8 3.
33 5019.
337195 400 ヨ.
m 6018.
439 廴95 307 2,
95 70L8.
4 42195 234 2.
70 * 躍G;水 セメント比、
s/a;細 骨 材 率、
距 単位 水 量 び ヤン グ係 数 (1/3割 線 弾 性 係数)の 測 定値 (平 均 )は,
表一
2中に併 記して いる。
ま た, 梁ス パ ン中央に設け た ノッチは, 試 験に供す る前に ダ イヤモ ン ド帯の こ (厚さ=
1mm )によ り 入れ, ノ ッチ 深 さは,
梁せい に対す る 比で0.
3とし た。CMOD
は, ノッチ肩口 に ナイフエ ッ ジを介 して取り付け た ク リップ ゲー
ジ に よ り測定し た。 こ こ で,
荷 重一
CMOD
関係は,
既報1°1 の4
等 価 Dug−
dale手 法によ りJc
を評 価す る た め に用い,
G
!とJe
と の関 連につ い て検 討し た。
以 上の 圧縮 供試体お よ び梁 試 験 体は,
同一
条 件ご と に そ れ ぞ れ 3個 ずつ 作 製 し, 材 令 28日 (水 中 養 生)後, 試験時まで気 中に放置し た。
4.
実 験 結 果お よ び考 察 4.
lGr
の評 価 図一
4,5,6,
7に,G
ノ評 価の一
例をw
/C =
40% の 場 合につ いて示す。
図一
4に示す よ うに,
個々 の繰 返 し 荷重一
載 荷点変 位 曲線の測 定 値に おいて除 荷・
再 載荷経 路 を (残 留変位点と除荷・
再載荷経 路の交点を結ぶ)直 線で近似し,
その剛性の初期 剛性に対す る比 (剛性低下 率 〉か ら解析 的に主ひ び わ れ進 展 面 積 (AA
)を推定し た (た だ し,
解 析は線 形 弾 性 解 析による)。 ところで,
こ こ で推定される AA は,
破 壊 進 行 域 内 部の損 傷に よる 剛 性 低 下 分を含ん だ見か けの もの であり,
そ の絶 対 値に つ い ては実際と は異な る が,
損 傷の程 度が主ひび わ れ進 展 長 さに よ らずほ ぼ一
定とみ な せ ぱ,G
!の 評 価に際し一
14
一
む 望〕
畷 1000 50e〔
旨゜
・
』一
x〕
喝
口 15 ie 5 o δ o,
Ol 載 荷 点 変 位 〔cm) o.
02 図一
4 繰 返し荷重一
載荷 点 変 位 曲 線 lo2e304050 △ A 〔cm2 ) 図一
5 ひびわ れ進展 面 積 (AA)と 残留変位 (捌の関 係 0.
03 て必 要な AA の増 分に関して は実 際と大き な差異は な い もの と考えられる9)。
図一
5に示 す よ うに,
すべ て の試 験体につ い て得られ た δ一
AA
関 係の非 線 形 回帰 曲 線 を求めれ ば, 図一
6に示 す ように,
平 均 化され た荷 重一
載 荷 点 変 位 曲 線 上に任 意 のAA
に対 す る 除 荷・
再 載 荷 直 線 を引 くこと が で き る (平 均 化 操 作 }。U
。は, 図一6
中の薄墨部分の 面積と し て近 似 的に求め, ま た, 除 荷 点変位〔Uun)に 至 る ま での 外 力 仕 馴 以 下,f
・du
と略 記す る)か ら 碗 差し 引い ・u
・ess を 求… ただ・,
f
… ・・プ…一
タに よ り測 定 し た。
図一
7に示す よ うに,U
,。
,
,
−
AA 関 N工 工一
Eleotronio Library表
一
3 G∫
の評 価 結 果 (上段か ら,
W /C=
40,
50,
60,
70%) △ A δ P.
n U u四
u。
∫Pdu Ui。
59 Gf (x10疊
3 {x10−
3,
〔c旧2 ) G皿〕 (kgf ) c田)lkgf・
cm } (kgf・
。m) 〔kgf・
cm } 〔kgf/。 冊} 5 0:81 601 4』 o o.
96 1.
39 0.
43 0.
950 lo L24 531「
5.
14 L23 2.
130.
90 o.
o&6 15 L65 519 6、
18 L40 2.
75 L35 0,
111 20 2」 4 580 7.
28 L49 3.
44 1.
95 oユ 34 ン・
昭よ3尸
礁 〕几
u 」
モ;で讐 謄 廐1・
鰻、
覗 囎 囲 響,
三や齢 魯瞑・
簡も凱窺・
L1’
」
1曽
艀
’
弓广
ネP}
宀
、
悉 都 い翻 毒こ气斎1メ みペ ゾ.
醤・
鱗乳≠
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ト
ト
だ軸9
鸞:遍.
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25「
2.
81 529紺『
ぎ,
6ユ此
栴凸
r,
ジ
r,
ン・
β’
rD
こ1
L53 4,
16 2ツ6r
セ脚 L 30 3.
75 464,
川.
2 L50 4.
97 3.
47 0.
175 35 5.
05 389 12.
2 1.
39 5.
83 4.
44 0,
195 40 6.
82 319 14,
9 1.
29 6.
77 5.
48 0.
213 45 9.
15 243 18.
1 LO9 7.
59 6.
50 o,
229 50 ユ2.
1 188 23.
1 1.
03 8.
73 7.
71 o.
244 △ A δ P岫
U UR u。
lPdu U1。
93 Gr (Xlo−
3 〔Xlo−
3 〔cm2 〕 c皿) 〔k已f) c 〕 {kgf・
c冊} {kgf・
c 耐 〔kgf・
cml {kgf /cm ) 5 o』 6 549 4.
09 o.
86 L33 o.
47 0』 48 lo L32 572 5」 2 1.
09 1.
92 0,
84 0」 75 15 1.
72 571 6.
21 1.
28 2.
56 L28 0.
102 20 2.
24 538 7.
35 L38 3,
19 L81 o.
125 ;こ汽2a鞠 溝」
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2.
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・
←
0445 30 3.
93 419 10.
2 L32 4.
53 3.
22 0,
161 35 5.
25 357 12.
3 1.
26 535 440 0,
175 40 7,
,
00 284 14.
7 1.
09 6.
14 5.
05 0.
186 45 9.
25 219 17.
9 0.
95 6、
94 5.
99 0.
、
195 50 12.
1 157 22.
5 0.
87 7,
80 6.
93 o.
200 △ A δ P尸
。“
U un u6lPdu ・
u ■。。
5 Gr 〔x10−
3 {x19ra 〔c旧21 cm ).
幽
(kgfl c皿} 〔kgf・
cm ) 依gf・
cm } (kgf・
c隈} {k酵f/c皿) 5 o.
46 450 3.
15 0、
61 0.
80 0.
19 G.
026 10 0.
87 488 4,
25 0.
83 L31 o.
49 o.
06G 15 L27 514 5.
50 LO9 1.
95 0.
87■
O.
091 20 L78 506 5.
82 L28 2.
61 1.
33 G42G 25 2,
52 458 8.
17 1、
29 3,
28 L99 0.
147 編 爭i
望癖 旨三li
獣 ,i
藁韈 雛 騰 籔 彎1・
鋸韈 葦τ「
厂
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L
{ 盤翼添蜘、
淫 ;・
瑠、
サ・
繋辜終 購麺 蟻 :”
3G3.
61 405 9.
97 1,
29 4.
06 2.
78 o.
171 35 5.
17 348 12.
4 1.
25 4.
97 3.
72 口.
193 40 7.
3L・
283 15.
4 1.
14 5.
92 4.
78 o.
212 45 10.
2 218 19.
2 o,
99 5,
88 5,
89 o.
229 50 13.
8 164 24.
6 o.
88 7.
88 7.
OD o.
244 △ A δ Puπ
U UR u。
!Pdu u155 Gr (× lo
−
3 〔× 10一
ヨ {G旧2 } c皿} {kgf) c ω {kgf・
cm } (kgf・
cm ) 〔kgf・
.
cm ){kgf /c皿)
r
5 0.
70 428 3,
50 0.
60 O、
88 0.
28 0,
044 10 1,
19 450 4.
62 0.
77 1.
36 0.
59 O.
063 15 1,
55 444 5.
67 o.
89 L83畠
0.
94 G」 81 20 2.
21 428 6.
88 LGO 2.
39 L39 0.
100、
35 2.
94 394 呂27 1.
05 2.
94 L89 0.
U8 :1
:饗
轡
こ1
;噸盤
瓢 讐鰻譱欝
舞1庸 搬1套:瀰 ω.
o 瀬鸞 誕繍 演 蠱 1.
06 を覊 聯 難 嶺 3.
59 軈 黷 :粥 鰹 r.
2、
53 漁 担・
t渉1・
鑓射 0,
136 35 5,
41 297 12.
1 LOO 4、
28 3.
28 0.
154 4α 7.
37 244 15.
0 0.
93 5.
03 4.
10 0、
171 45 9.
95 194 18.
8 0,
86 5.
89 5.
04 0.
189 50「
13.
3 151 24.
1 0.
81 6.
7了 5.
95 0.
206 * * * △ A : ひ び わ れ 進 展面 積、
δ: 残 留 変 位、
Pun : 除 荷 点 荷 重、
uun ; 除 荷 点 変 位 Ue ; 弾性 ひ ずみ エ ネ ル ギ ーIPdu
: 除 荷 点 に 至 る ま で の 外 力 佳 事、
U1。
。
.
1 揖 失エ ネ ル ギ r Gf : 破 壊 エ ネ ル ギー。
薄 墨 部 分 は、
弾 性 除 荷 点 (弾 性 ひ ず み エ ネ ル ギー
の 低 下 開 始 点 〕 を 表 す。
15
Architectural Institute of Japan
NII-Electronic Library Service Arohiteotural エnstitute of Japan
篇 巴 10DO 500 Pun o δ 0
.
01 Uu【
0.
02 o.
03 載 荷点 変位tcm) 図一
6 荷 重一
載 荷 点 変 位 曲 線およ び除 荷・
再 載 荷 直 線の平 均 化 操 作〔
葛 芭 細 檸 1000 500 o o.
Ol0.
02o.
03 載荷 点変位 {cm 〕 図一
8 荷 重一
載 荷 点 変 位 関 係の平均 曲線 0.
94(
丘 o・
触 凹 呂}
O
一
口.
。
P,
コ ℃ 店一
10.
0 5.
o o 10 20 30 △A 〔cm ?} 図一
7 G、の評 価 40 50 係の非 線 形 回 帰 曲線の接線勾配 か らG1
が求め ら れ る。
以上の ように し て得られた結果を すべての 卿C
につ い て表一
3に示す。
また,
図一8
に は,
すべ てのW
/C
につ い て の荷 重一
載 荷 点 変 位関 係の 測 定値の平均 曲線を 示す。
表一
3よ り, 本実 験の範囲内で は,
すべ て のW
/C
につ い てG
ノ が一
定の限 界 値 をと る傾 向はみ られ な か っ た。
この こ と は,
RILEM 法に より評 価さ れ る G, 電 図 ど 1000 500 o 0.
Ol0.
020.
03 CMOD 〔cm) 図一
9 荷 重一
CMOD 関係の平 均 曲線 D.
04 の試 験 体 寸 法 依 存 性はG
∫に 固有の もの であ り,G
∫ の う ち非 弾 性エ ネルギー
解 放 率が主ひび わ れ進 展 面 積に依 存して単 調に増加する た め に,
リガ メン面 積 が 大 き く な る ほどRILEM
法に よる Gノ評 価 値は増 加す る という実 験 事 実 を説 明す る。 4.
2 JcとG
∫の関 係 図一
9に, すべてのWIC
につ い て の荷 重一
CMOD
関 係の測 定 値の平 均 曲線を示す。 ま た,
図一
10 に,
荷 重一
CMOD
関 係に基づい て,
」等価Dugdale 手 法によ り推 定さ れ た結 合応 力 (以 下,
σ と略 記 する)一
ひびわ れ開口変 位 (crack opening
displacement
,
以 下COD
と 略 記す る)関係を示す。 こ の図よ り
,WIC
が 小 さ く な る ほ ど全体 的に σ が大き く なる た めに,
σ一
COD
曲線下の全一
16
一
50 40 D
.
3 02 『 日 。 \ 魅 5O ID o 9.
OlCOD 〔cm) 0.
02 図一
10 」 等 価 Dugdale 手法により推 定さ れ た結合 応力 {σ)−
COD 関 係 O.
25 O.
20 510 010(
5
\ ← 望)
薗6
.
。
う O.
05含
ここ
9
・;
7
.t2
こ
X
。 、、、、一
〇−
GF臼一一
△一一
Jc 40 50 6e W /C (%) 70 図一
11 主ひびわ れ発 生時 点で の G! と限 界J 積 分 〔J。
)の関係 面 積で表され るJc
は増 加す るこ とがわ か るb
ここ で,G
! がJ
積 分 を非 弾 性 体, すな わちひび わ れ の安 定成
長の過 程 にまで拡張し たパ ラメー
タに なっ て い る かど うか を調べ る た めに,
主ひびわれ発 生 時 点で の Gr (以 下,
G
,v と 略 記 す る}とJ。
との関 係につ い て検 討 し た。 図一11
は,G
四 とJc
の比 較 を各 WIC に 対 し て示す。 た だ し,
主ひびわ れ発 生 点は,
図一
7に示す よ うに,弾
性 除 荷 点 (弾 性ひずみエネル ギ; の低下開 始 点 ) と して検 出し,
Gn は その 点に お け るU
,。。
。
−
AA 曲 線の 接 線 勾 配と して求め た。 図一11.
よ り,G
!。とJc
の 間に すべ て の WIC につ い て ほぼ妥 当な一
致がみ られ,
こ の こ と か ら Gノ が主ひびわ れ の発生か ら安 定成長の過程に 至るまで の one parameterfracture
criterion と して の 資格 を有して いること が実 験 的に示さ れ た も の と考え ら れ る
6
ところで,
本 手 法にお け る主ひび わ れ 進展 面 積の評 価 に関して,
そ.
の妥 当性を直接実験的に調べ ること は 困難 で あ ること か ら,
その点につ い て多 分に批 判がある と考 えてい る。 しか し,RILEM
法の場合は主ひびわ れ進展 面積の評 価を必 要と し ない (リガメ ン ト面積が主ひびわ れ進 展 面 積 とな る〉点で一
長はあるもの の,
主ひび わ れ の安 定成長の過程でG
!=
const.
の前 提をアプ リオ リに 認 め てい るこ と が一
短であり,
その ために RILEM 法 に よ り評 価さ れ るG
∫が 試 験 体 寸 法 依 存 性 を 有 する こと を合理的に説明する こ とがで き な かっ た。
一
方,オフ セ ッ ト法をは じめ と す る本 手 法の ようなG
!の微 分表 示 (G∫ =dU
,。
ss 〆dA
)に よる評 価.
は,
ひ び わ れの安 定 成 長の過 程で の Gノの変 化を前 提とし て い る点で,G
ノ の試験 体 寸 法 依 存 性を究 明 する手がか り を与え るもの と考え てい る。今 後2
つ の異な る アプロー
チ を併用 する ことに よ り, G!の解 明 を は か る と と もに,
ひびわ れ の安 定 成 長の過 程で の非弾性エ ネル ギー
の消 費を考 慮し た ひびわ れ進 展 の解析と ク ライテ リ オンの評 価が必 要に な る。5.
ま と めG1
が非 弾性体に対す るエ ネルギー
解 放 率で ある とい う解釈か ら,その物理的 意 味につ い て理 論 的 考 察を行い,
その 結 果と し てGr
が ひびわ れ が 単 位 面 積 進 展する問の 損失エ ネルギー
の変 化 と.
して定 式 化 され た。 その定 式に 基づ い て,G
!が弾 性エ ネルギー
解 放 率である 」積 分と 非弾性エ ネル ギー
解 放 率の和で あり,
J積 分 を 非弾性体 に まで拡 張 し た パ ラ メー
タに なっ て い るこ と,
ま た RILEM 法の 問題点と して,
ひびわれ の安 定 成 長の過 程 でGr;
const.
の前 提 を アプリ オ リに認め て い る が,
そ れ を保証 す る物理的 根 拠が ない こと が示された。 以 上の考 察の妥 当性 を検 証 するために,
プレー
ンコ ン ク リー
トにつ いて ノ ッチつ き梁の 3点 曲げ破 壊靱性 試 験 を行っ た。
’
その結果 と して,
G
!の う ち 非 弾 性エ ネルギー
解放 率 が 主ひびわ れ進 展 面 積に依 存して単 調に増 加す る こ と,
ま た主ひびわ れ発 生 時 点で は Gノと限 界 」積 分の 間に妥当な一
致が み ら れ,G
、がJ
積分 を主ひびわれ の 安 定 成長に まで拡張し たパ ラメー
タにな り う ること が示 さ れ た。
最 後に, 本 研 究は平 成3
年 度 文 部 省 科 学 研 究 費 奨 励 研 究 (A
)に よっ た ことを記し,
こ こ に感 謝い た しま す。 参 考 文 献1) A
.
Hillerborg et al.
l Analysis of crack formation and cTack growth in concTete by means of fτacture mechanicsand finite elements
,
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