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半世紀展望 : デザインに何が可能か(50周年記念シンポジウム)

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(1)

50

周 年 記念

  

世紀 展 望

ザ イ

何 が

か 」

The

 SOth AnniverSary Memorial 

SympOsium

A

 Prospect ot Half a 

Century…−What

 can 

DESIGN

 do ?

部 】 OrganiZer 黒 川

人 氏

panelist

【第二部 】 organizer

panelist

日本 デ ザイ ン学 会 副 会 長

金沢美 術工芸 大 学 教 授 坂 村

 

健 氏 :東 京 大 学 教 竹 村 真

 

東北芸 術工 科 大 学 教 授 原田  昭 氏  筑 波 大 学 教 授 川

和男 氏 :名 古 屋 市 立 大 学 教 授 河 北 秀 也 氏 :東 京 藝 術 大 学教 授 栄久庵祥二氏 :本 大 学 教 授 黒川

人 氏 :本 デザイ学会副会

       

金沢美 術工芸 大学教授 金 明錫氏 韓国科 学 技 術 院 教 授 原 田

 

昭 氏 :

学 会 会

         筑 波 大 学 教 授 川 崎 和男 氏

 

名 古屋

立大 学 教 授 河 北 秀 也 氏

 

東 京

術 大 学 教 授

ネ リか ら ッセ

ユ ビキ タス

コンピュ

テ ィングの立場から   坂 村   健  ユ ビキ タスは 近 代ラ テ ン語か ら来た英語で 「は)あ ま ね く しろ し めす」 とい う意 味の宗教用 語

れ に 「コ ン ピュ

ティ ング」 をつけて 「コンピュ

タ の能 力があらゆ る場 所に浸 透し ている」 とい う意 味に な る

すで に直 径 1 ミ リ以下の超 小型コ ンピュ

タ を

電 力 を送っ て動 作さ せ ること も可 能。 超 小 型コ ンピュ

タ が あ ら ゆ る とこ ろに組み 込 ま れ

そ れ らが ネッ トワ

クによ り交 信し

散協調して人々 の生活 を 影 か ら攴える

そ うい う

まった く新 しいパラダイム の情 報シス テ ム が出現し よう と してい る

この よ う な情 報 環 境 は従 来の コ ン ピュ

タシ ステムを 越えて よ り リ ア ル ワ

ル ド に密着して いる た め

よ り多く の ものに影 響を与えること が 考 え ら れる

 

ではデザインには どの よ う に影 響す るのか

ユ ビキタ ス

コ ンピュ

ィ ングのキ

ドは 「lnvisible:ン ビ ジブル (見 えな く なる)」 そ し て 「Context Awareness : コ ンテクスト

アウェアネス (状 況を意識する こと)」

コ ンピュ

タ は見え な く な る

操 作 を意 識 さず に最 適のサ

ビス を行え る

多くの機 器で操 作 部 が 簡 単 になる ことは ト分 考え ら れ る

複数の機 器 や 設 備が連 携 するの で

の モ ノ で 機能を完結す る必 要 が な くなる

む しろ それ ぞ れのモ ノ は単能化し そ の役 割に特 化 する

ユ ニバ

サ ル

デ ザイ ン につ いて も新しい解 決 法が可 能になるだろ う

マ ル チプルの否 定といっ た側 面も考 え られ

  今回の シ ンポジュ ウ ム で はエ ビキタス

コ ンピュ

ティ ングが与え る影響

そして どん な 新 しい 口能 性が あ る の か 述べてみ たい

文 科 人 類 学の立 場 か ら   竹 村 真

  た と え ば20世 紀の産 業と文化の象 徴 と しての

ク ルマ

を考 えてみよ う

  いま

そのデ ザイ ン 課題の基軸は

いか に (HOW )よ い ク ル マをデザイ ンする か ?よ り も

今後の社 会に おい て ク ルマ とは何か (WHAT )?ク ルマ のザ インでな く

ク ルマ 社 会

をどうデ ザ インするか ? とい う ことに移 行しつ つあ る

 

1

ク ルマが相互 にネッ トワ

クで接 続 され

都 市 的 有 機 体の

細胞と して協調

連 動 する よ うなコ ン テ クス トに おいて は

ク ルマは他のクル マや道 路 環境か ら切り離 して

単体と して設 計 すべ き もの では ない

 

第2に

こう し た共 時 的なフェ ズで の人 工環境のネッ

トワ

ク 化 と同 時に

LCM (Life 

Cycle

 Management ) や

部品

素材の トレ

サビリティといっ た

通 時 的なフェ イ ズに お け る社会の物 質 循 環の神経 系 化 とい う課 題がある (も ち ろ んエ ネ ル ギ

の生産 / 消費にお け るLCM もある)

 

3

そ う し た全 体 観の 可視 化とい う テ

マ も含め

ク ルマ がいか に私た ちの社 会像と世 界 経験 を

ブロ

ドバ ン ド化

するッ

ル と な り う る か ?ク ル マ という まだ幼 年 期の道 具

これか ら 人 間 に とっ ていか なる メディ ア と し て進化 し う るのか ?

単に便 利なだけの現 行のカ

ナ ビ や

ブラックボックス的な 「自動i安 全 化」 の ビ ジョ ンをこえて

生き た

社 会 経 験のデ ザイ ン

とい う視 点 か

8  SPEC匸AL ISSUE  OF JSSD Vol

12No

12004  デ ザ イン学研究特集 号

(2)

ら の ク ルマの再定義 (メタ

デザ イン) が 必 要 だろう

 それ は当然

人 間」 のに何を残す か ?人間とい う主 体 を 人 間

道 具

環 境の ト

タル システムのな か でいか な る存 在 と して位 置づけ るのか? とい う第

4

の根 本 的な課題 を逆照射する

中 心 主 義」 の顔 をした 「人 間 蔑 視 と い う近代文明の本質を超 えてい く強い思 想 と意 志 が

い まデザ インに求め ら れ ている

 そして第

5

クルマが

種の

メディ ア ス

と し て ロボッ ト/サイボ

グ技 術の延 長で構想さ れ る時

そ の 最 前 線におい て (機 械 技 術 が 人間と共 生し う る柔らか さ と 強さ

適応性を求め る過 程で) 必 然 的 に ゲノ ム科 学 や 再 生 医学と収斂し て く る口∫能性がある

それは単 にハ

ドウエ ア と ウエ ッ トウエ ア の融解に とどま らず

よ り根 本 的な モ ノ づ く り (人工物デザイン)のパ ラダイム転換を予感 させ る

 実際

分解し たクルマ のバックミラ

1個 からクルマ 全体を再生し う る

よ うな 魔 法を当 た り前に やっているの が

「生命」 と い う超 機 械の本 質 だ (そ れ を 可 視化し た の が クロ

ドリ

ー”

)。 そう した 発生的 /創発 的パ ラダイ ム がモ ノづ く りの世 界に浸 出し て く る時 代に は

人 間の 「デ ザイ ン的 知 性」 の り方 を 再 測 量せ ざる を得 なく なる はず だ

  と もあれ

ク ルマは

つ のシ ンボ リックな例にす ぎない が

これら

5

つのメタ

デザイン の課 題 が

今後あ らゆる 領 域で顕 在化してくることは 間違い な いだろ う。発 表で は

こうしたビ ジョ ンを踏 まえつ つ

む しろ具 体 的にいま私 た ち が 何 を し うるか

私 自身の さ さや か な 実 践 例 を紹 介 しつ っ 話 して みたい

デザイン学の立 場から   原田  昭   人 間は

理 性 と感 性を併せ持つ存 在である が

、20

世 紀 ま で は

理性を は た らか せ て自然 の中に潜む ル

ル を発 見 する自然 科 学 技 術の推 進に総 力 を あげてき た。

方 現 代 日 本では

産 業シス テムが 疲 弊し閉塞 感に覆 われ ている

そ の

因 は

情報

技 術

物 質が人 間の 「こ ころの豊か さ」 に結びつい て いないにある

いか に高度 な情報戦 略 と科 学技術を駆使して生産さ れ た 人 工物も 人間の感 性が それを 受 け 入 れ な ければ購 入されず

人 間 を 満 足さ せ る事は出 来 ない

現 代 社 会の産 物 は

人 間の感 性 を 満 たさないが 故に 人 間 に ス トレ ス を与 えて い る もの も少な く ない

こ のよ う に

現 代 社 会の抱 える諸 問 題 は

従 来のよ うに細 分 化さ れ

専門的に特化 した 分 野のみによっ ては な か な か 解 決 策が見 出せ な い事が多く なって き た

こ のよ うな 問 題 を解くデザ インの確 立の た め に は

これ までのデ ザ インのよ うに

造 形 面での創 造 力のみ で は対 処で きない。 デザイン学が

社 会 的 問 題の関 連 領 域 間の横断型 研究協 力体 制のも とに

社 会や 人間の関 連 問 題に協 同して取 り組 む 必 要が あ る

現代 の が直面する産 業の疲 弊 やこ こ ろ の 閉塞 感は

情 報

技術

物質が人間の 「こ ころの豊 か さ」 に結 びつ いていな い事に起 因し て お り

こ れ ら を打開するデ ザイ ン学の確 立 のため に も

人 間の ここ ろのきや感性発現のメカニ ズム をデザイン実 践 者 が 知る事が求め られ て い る

  現 代の諸 問 題 を解 決 するための専 門 分 野を横 断す る 共通 基 盤技術に は 「デ ザイ ン 以 外 に も感 性 科 学 「モ ル学」 「設 計学」 「制 御科 学」 「シ ス テ ム学」 「認 知 科 学」 「広 義の情 報 学」 「技 術 倫 理」 な ど が あ る。

21

世紀に おいて はこ のよ うな 基 盤 技 術と し ての デザインが期待さ れ て い る

これらの共 通 基 盤 技 術 を 総 称して 「横 断 型基幹 と よ ぶ

 上述の趣 旨に沿っ て これか らのデザ イン教 育 プログラ ム と し て

これ ま での縦 割り型専 門教育と 並 列 し て

自然科 学 や 人 文 科 学の専 門 的 知 識 と技 術 を 分 野 横 断 的に学 生に修 得さ せ

人間

自然

社 会

環 境

産 業にお ける複 雑 な技 術課題を発見し解決に導く た めの全く新しい志向の横 断型 基幹教育プロラ ム を提案し た い

こ れ に よ り

共 通基盤 技 術 を提 供して

異 種 分 野を横 断し

クロ スディ シプ リ ナ リ

な視 点 か ら

新 た なソリュ

ションを導 き 出す 能 力 を 持った 人 材 を 産 学 連 携 して育 成 し

人 間 を 中 心 と し た産 業

社会を実現すること が で き る

プロダク トデ ザインの立 場か ら   川 崎 和 男   デザイ ン は

手法で あ り実務で あ り

そ し て 思想の表 現で ある。  しかし

わ が 国におい て

デザイ ンとい う職 能 は

望を刺 激 する装 置」 と して

職 能の成 立 と と もに

産 業 経 済の領域で の効 用 と効 果を求め られて き た

  私 自身も

わ が 国 のデ ザイ ン教 育に おいて

「産業美術 学科」 と い う実 務 学 を身体 化さ せ ら れ てき た 世 代である。  果 たし て

わが 国 は 「デザンで豊 かさを築いてき たの だろうか」 というこ とを思い起こされる状 況 下にある

ま して

時 代は

工業 社 会から情 報 社 会へ と大 きな 変 革 を遂 げてしまった

あ らためて

私 た ちは職 能 と してのデ ザイ ン

教育と し てのザ イ

社会運動と し てのザイ ン

学 問と して のデザ イン

思想と し て のデザ イン を再考し な け ればな らない

 私は

デザ イナ

と して

のイン ハウスデ ザイ ナ

ー、

カ ル か ら の活 動

伝 統工芸へ のデ ザ イン導 入

様々な企業でのデザイ ンコンサ ル タン ト

コ ンピュ

タに よ るデザ イン

そ してデ ザイン教 育

デザイン研 究という 立場での経 歴 というコン テクス トで

これ か らのデ ザイ ン

デ ザ イン学 研 究 特 集 号 SPECtAL 正SSUE OF JSSD Vo1

12No

12004   9

(3)

を概 観で き る と考え ている

  特に

デ ザイ ン教 育と研究に 関 し て は

他の先端 的学 問 領 域と の学 際 的な 関係に よ り

新しいデ ザイン学の可能 性 を再 考 しな けれ ば なら ない と実感し て い る

それ は

これ まで のデザイ ン領 域を逸 脱 すること に な るだろ う

  これ まで のよ う なプロ ダク ト系

ビ ジュ ア ル系

環 境 系 な どの区分は時 代 遅れ で あ る

お そ ら く

私は次の よ う な 新 た な 革 新に対 応で き う るデ ザイン育を再 編さ ら に は創 成し な け ればな らないと 提 案 したい

  まず

コ ン ピュ

テ ィング技 術

これ も ノイマ ン型 から 解 放さ れ た 人 工知能構築へ のデザ イン参 画

さ ら に はナノ テ クロジ

か ら遺 伝 子

バ イ オ

人工知 能な ど先 端 技 術と の学 際的なデザイ ン学が求め られ な け れ ば な ら ない

また こう し た世界での空 間

すで にユ

ク リッ ド幾 何 学 的 な 乎 法 か ら位 相幾何学での空間 論で

新た な形 態 論 や 身体 論をデザ イン に取り込ま なけれ ば な ら なくなる と予 測して いる

  し か し な が ら

もっ と も深 刻と なる問題は

エネルギ

問 題

宗 教と民 族 文 化 問 問 題

人口問 題 な ど国 際 的 な 政治 とデ ザ インとの関係 学の構 築も 重要と なるはずである

  人 間 は

誰も が十 分に心 豊か な 生涯を 生 き抜 き たい

地 球と い う場での幸 運かつ幸 福である統 合 的 な 生 と死 を 見つ め な け ればな らないだろう

  私た ち は さ ら に革 新 的かつ共 有で きるデザイン学を創 出 す る 立場で あ ることを 本 学 会50年の経 緯 と歴 史から

次 世 代デザ イン学へ の方 向 を確 認しあいたい もの である

グ ラフィ ックデ ザ イン の立 場 か ら   河 北 秀 也  

500

年に

度の大 転 換の時 期 を

我々はつ いに迎 えた よ うだ

後ちょ とで

何も か も が過 去の前 例に関 係な く大き く変わ る だろう

そ ん な時 代に

体 制に)r「頁応しなが らの技 術 者 的 態 度のデザインな ど

な んの意 味 もない

人 間の存 在の根 本か ら

発 想し なければ

何も生れ ないだろ う

 最 近の 口本に話をするな ら ば

日本はこ の50 数年間 間 違っ た考え で国 を作っ てき たの では ないだろうか

産 業 重 点 政 策とい うのが

凵本の国家 方 針 だが

こ の方針ですべ て の ものが 組 み 立 て られ て き た

教育も 政治も街も

デザ イン教 育 ももちろ ん そ うだ

日本で行わ れ たデザイン教 育 は

本 来のデザイン教 育ではない

我々が 受 け たデ ザ イン 教 育は産業重点 政 策の国 家 方 針の も と の

産 業 デザイ ン 教 育で あ る

 しか し

日本と 同 じ よ う に戦争に負け た ドイツ (旧西ド イツ)の国家 方 針 は 「な 国民 は 国る 」

この方 針 で すべて の もの が組み立て られた

1970 年 代に は

教 育も 医療も福 祉も国 民の大部 分 が 満 足で き る

と答

lU  SPF

CIAL ISSUE OF JSSD  Vol

12No

12004  デ ザ イン学研究 特集号

える まで完 成 する

いくつ かの都 市に省月

や役 所を分散さ せ

食料や花 な どは その都 市の近郊か ら 調達す る

 

方凵本は産 業 効 率を考え

巨 人都市東京にすべ て を集 中さ せ

川 を 高 速 道 路で寒 ぎ

電 柱を林 立さ せ

満員 電車 で人を運ぶ

土 地は投 資の対象と な り

銀行マ ン は 本 来の 仕 事を し ない

コ ンビニエ ンスス ト ア が もっ と も進んだ 店 だ など とい う人の意 見が悲 しい

世 界に はコ ン ビニ などな い国 がいっ ぱいある

そ れで も 円本よ り豊か な 国 もいの で ある

 デザ インは産 業のた め で はなく

自分自身が もっ と幸せ になるため に

自分 自身を と り ま く社 会が もっ と 豊 か で幸 せ になるた めに行うべ である

その

人間の た めの 産 業 世 界になる

過 去と何のつ なが り の ない

だかっ て 経 験したこと が ない時 代に 我々はデ ザイ ナ

と して 生 き よ う と して い る の である

〈 黒川〉 【第

部 】

 

記念シ ンポジ ウ ム でございます

半 世 紀 展 望

ザイン に何が可能か」 といさ さ か大上 段 に構え て お り ま す

少 し お時 間をいただ き まして趣 旨を説明さ せ て いただき ます

こ の シ ンポジ ウ ム を 企画す る に あ た り ま しては ど ん な形がい い の だろ う と栄 久 庵理 事と 五 十嵐理事と私の

3

人で相談いた し ま し た

そ こ で今 までの 半 世 紀デ ザイン学の歩みと到 達 点は 美 術 館の 陳 列館で見ていた だ くことにし ま して

こ の シ ンポジウム では これか らの

50

を展望 し よ うで はないか

というこ と に な り ま し た

 

21

世 紀 に 入っ た ば か りでさ ま ざ ま な ところ か ら さ ま ざ ま な2ユ世 紀のビジ ョン が 示 さ れ てい る わけです が

我々ザ イン学に関 係の と し ま しては 日

(4)

本 学 術

議に 「人 工

設 計生 産 研 究 連 絡 委 員 会 と いう ところ が ございま して

そ こ の 「設 計工学 専 門 委 員 会」 という ところ が か な り時 間を か け て 「

21

紀の

ザ イン展」 という ものを さ れて い るの です。 そ こで は

21

世 紀のビジョンを明確に してお り ま し て

必 要な ものは何で あ る か を う たっ て あ り ます

提 言 が

5

つ あ り ま して

例 え ば

目 はス ト工業 化 社 会では

デザ イン概 念の 質 的 転

を 図 るべ であ る」 と

そこではいかにつ く るかと い う よ り も

何 をつ くるか が問わ れる と

二 つ 目は 「

イ ン は 『つ くる こと』 と 『

使

うこと』が密 接に関係づけ られ た

持続

的なプロセス であ り

その関 心は 『つ く るこ と』から 『て る こと』へ がっていく」 な どと

5

項 目に わ たっ て あ り ます

これ は

21

世 紀とい う大き な視野 に立っ てお り ますので

か な り大々的に言っ て いる わけで す

 

そ こで

私 ど もはこ の

5

人のパ ネ リス トを選 ばせ て い だ き ま し た

そ れぞれ独 自の哲 学と手法に基 づい て

新しい時 代を 切 り 開 きつ つ る方 たち なの では ないか と思い ます

そ れぞれご専 門は違います し

実 績も自信も お あ りの方たちです。 そ れぞれの 立場 か ら

とにか くこれ か ら先デザイン に何が可 能 なのかということ を語っていただき たいと 思います

  

少し

則に なっ て お り ますのは

恐 ら くそれ ぞ れのスタン ス が違 うで しょうから

それ が収

す る こと は ないと思いま し て

は そ れぞれ が 明 ら か に違うスタ ン ス を述べ て いただ き たいと思い ます。 それ ぞれを 何 がつ なぐのか は み な さ ん に お考えにな っ て いただき たい と思い ます

第二 部はいわ ゆ る パ ネル

ィ スカ ッシ ョ ン形式で

私 ども がデ ザイン と 呼ん でい る分野 に関 わ りの深い

3

人の方に前 半で聞 いた

5

人のお話 を 基に

ザ イン を やっ ている立 場の 人 間に構 造 化を図っ ていただ く

ま とめて いた だく

とそ ういっ たこと を期 待いたし て お り ま す

時 間のない中で変 則 的な二 部 構 成に なっ て います。 第

先 生 方に は た った

15

分ですが

エ ッセ ンス を 語っ てい た

き たい と思います

 

そ れでは

トッ プバ ッタ

坂 村 健先生お願い いた します

 〈坂 村 〉

 

ど う も坂 村で す

昨日 も少し お話し し たので す け ど

私が専 門と し ていま すのは

小 さな、 機 械の 中 に 入ってお ります

TORON

と書き まし て 「トロ ン 」

デ ザ イン学 研究 特集号 SPECIAL

 

ISSUE

 

OF

 

JSSD

 

Vol

12No

12004  11

(5)

と読む

いわゆる 「コ ン ピュ

」 をつ くっ て お り ま す

これ は大 変いろい ろな ものに使 わ れてお りまして例えば

車のエ ン ジ ンの コ ン トロ

ル で す とか

プ リンタ

ですと か

みなさ ん お使い の フ ァ ックスやデジ タ ル ビデオやカメラ とか

帯電 話とか い ろ い ろなも の に入っ て お り ます

 

左に写って いるの はボ

ドコ ンピュ

(図

1

) で す が

こういっ たものが携 帯 電 話に 入ってい ます

こ のボ

ドの中に乗っ かっ ている黒い点 が

いわ ゆ る マ イクロ プロセ ッサ

といわ れ ている もので す

こ の マイクロプロセ ッサ

は 今

全 世界で

53

億 個 ぐ らい生 産さ れ ていま し て

パソ コ ンに入っ て い る も の も、 携 帯 電 話に入っ て い る ものも ほ と ん ど 全部 同 じ もので す

違いは

機 能 は 同じなの ですが消 費 電 力で

携 帯に 入っ ている ものはスピ

ド も遅い けれ ど も消 費電 力も少な くて長 持 ち する ものに なっ てい ます

そのう ち

パ ソコ ンに入っ てい る ものは

L3

億 個く らい ですか ら

98

% の も のは 組 み込み と呼 ばれる コ ン ピュ

です

デ ザイ ン の視 点 ら い

図1  トロ ンコ ン ピュ

12 SPEC 【A凵 SSUE ⊂)1, JSSDVoL12No

120D4  デ ザ イ

ン学研究 特集号 組み込みコ ンピュ

とは 機 械の中に入っ て いる わ けですか ら 目立た ない もの が いい とい うこと にな っ て います。 これは

PC

用コ ン ピュ

の 「どん ど ん速く」 という流れ と は断 然別な わけです。

 

ど んどん 小 さ く し てい っ た

がい い というこ と ですが右 から二 番 目の もの (図)は

500

円 玉ぐらい の も の で

、今一

小 さい もの は

番 右の もの です。 これ が世 界で

番小 さいコ ン ピュ

になって い ます

も う見え ない く らい で爪に貼る ことが で き る く らい小さい もの です

こ うい った もの が 先端の研

究所

で で き ていま す

 つ ま り何が言いたいか とい う と

コ ンピュ

は ど ん ど ん ど ん ど ん 小 さくなっ て

見え な く なって いく ということ なので す

そ れで

デ ザ イン に何が 可 能か」 とい うこと で

結 論か ら言う と も う

な ん で も で き ます。 今まで は 機 械の制 約で どう し て も条 件があっ て でき な かった い ろい ろなことが な くな り ま す

機 械がわ き役になる こと に よって

ザ インは 自 由

フリ

に なって いっ て しまいます

そ うい っ た 制 約 を な く して い くこ と が

、私

はひ とつ に はある と 思 い ま す

技 術 的な制 約 はど んどんなく なっ てい く ということ です

 

も うひ とつ

、 15

分 しかあり ま せ んの で細かい話は で き ま せ ん が

こ の ぐらい小 さいと 自立 電 源を持た せ るのが苦し く なっ て き ま す

そこ で外 部 か ら

例 えば電 波で もっ て電 源を供 給し ます

た め に く られ ている ものが

今 私 が 持っ て います

ユ ビ キ タスコ ミュニ ケ

(図

2

)といわ れて い る もの で す

携 帯 電 話 が 非 常に進 化し た もの と思って い 図2 ユ ビ キ タス コ ンピュ

(6)

た だい てかまいま せ ん

。PDA

のよ う な電 話のよ うな もので

ま あ 動 画 も映る電 話 なの です が微 弱 電 波が で て いまして

小さ なチップに近 づけ ていただく と エネルギ

を (チッ プに) 供 給して

チッ プの中に 入っ ている内容を読み とるこ とができるのです

こ れが最 近 話 題になっ て いるユビキタス コ ン ピュ

テ ィ ングですね

ユ ビ キ タスと は ラ テ ン 語 か ら で きて いる英語 で し て

神 様はどこ に で もい る、 「神はあま ね くしろ し めす」 とい う意 味なの で す が

、簡単

い ま す と

こ で も ある 」 と い う意 味で

そ の後ろ にコ ンピュ

テ ィ ングがつ き ま すの で

「い つで もど こ で もコ ンピュ

ティ ング」 という意 味にな ります

まあ

どこで もコ ン ピュ

ということです。 こ れ は 勘 違いさ れや すい のです けど

どこで もコ ン ピ ュ

と いいますと み な さ ん携 帯 電 話や ノ

トパ ソコ ン を持っ て い る の で、 そういう社 会 現 象の ひ と つ の こと を い うのだろ う と言わ れ るのですが

そ う い うのは勘 違い で して

こ の ようにみなさ ん が見 た ことも ないような 小さなコ ンピュ

をい ろい ろ なモ ノの に入れ てい ろいろ なこ と を や ろ う とい う

そ うい う分野 なの です

 

例えばこ こ に 「風 邪 薬 と書い てあ り ますが

こ れ ら は 「モ ノ 」ですよ ね

食品 があっ た り

医 薬 品 があっ た り

洋 服 が あったり

こういっ たモ ノの中 に超 小型 チ ップを 埋 め込み ま す

そ こにコ ミュ ニ ケ

を 近 づ け て の で

コ ミ

が チプ を 認 識 す

近 づけ る

今 風 邪 薬の箱にコ ミュ ニ ケ

を近づ け ます よ

ほ ら音

れ ま し た ね

これは

近づけ た だ け ですが

超小型チ ッ プの内容 を機 械 が 認 識し て音 声を流 したの です。 では

今 度こっ ち は

鼻炎薬

なの です が

近づけて み ま す (図

3

よく聞こえ なかっ た か も しれ ませ ん 献 要するに 「風 邪 薬

炎 薬 両方 飲 むのは薬の飲 み過 ぎだか らや め なさ い 」 と言った わ けです

そ ういっ た警 告な ん か もできるわ けです

 

技 術

ザ インを

放 する1 というお話 を先ほ ど し ま し た が

、 2

番 目に言いたい のは

「応 用 は 上 に広 がる 」 という話で す

最 近のイ ンダス トリアル

ザ インはどんどん変わって き て

ものづ く りの仕 方 が コ ンピュ

のある とき と ない と き と 全 然 違っ て 図 3 1Cチッ プ 実演 き たとい うこと です。 モノ にコ ンピュ

こと に よっ て

ま で な かっ たディスプレイ がつ い て

そのデザイ ン をどうしよ う かという話 がで てき たわ けです。 そん なのは 昔のものづ く り に は な かった わ け で す

コ ンピュ

タ な ん て ないわ け ですか ら

わゆる

GUI

Graphical

 

User

 

lnterface

) な んて概 念は

な かっ たわけです。 今はコ ンピュ

が あ る か ら そ うい うこ と ができ る

これ か ら超小 型コ ンピュ

が広まる と

もっ と可 能 性がいっ ぱい広まっ て い ろん なことができる のです

  例えばこ こ に

ペ ラペ ラのうすいマ ッチ 棒 ぐらい の モ ノが あり ます。 これ は水につ けて も大 丈 夫で

服につ け て も

っ て も大 丈 夫

し か もこれに は セ ン サ

がつ い て い る の です ね

センサ

がつ いている ということ は

世の 中のい ろ ん な状況 をコ ンピュ

が わ か る言 葉に変えて くれるの です。 いわゆる、 アナログ デ

タ を デジタルデ

タに変え て く れ るの ですね。 センサ

で採っ た温

ですと か

光の強 さ で す と か

風 の 通 り と か

そうい った ものをデジタ ル に変えて くれるわ けですね。 そ う す る と

例えば この コンピュ

を 服につ ける と

体 温が直 接わ か り ますから

そ の情 報をエ ア コ ンに送る と

今は リモコ ンで

作し ていますが

リモコ ンがい ら な い とい うことになります

そ う す る とコ ン ピュ

とのつ き あい方も変 わってき ます。   も ちろん

そ うい うこ と を や る た めにはセキュ リ ティ

やプライバシ

の 守り方

自分の情 報をど う い う と き に 出し入れする のか とい っ たこ と も

も ち ろ ん ちゃ ん とデ ザイ ンし ない といけ ない の ですが

デ ザ イン学 研 究 特 集 号 SPECIAL ISSし兀 OF JSSDVoL12No

12004   13

(7)

そ う い うこと をやった上で周りの環 境にコ ン ピュ

タ が 入 り込 ん で 状況を認 識して くれ ます。 これをユ ビキ タス

コ ンピュ

ティングの世 界で は 「コ ンテ クス ト

アウェアネス」 といっ て 「状 況を認

する」 という意 味で と ら えて い ます こにいるのか と か

モ ノがどこ にあ るの か と か

モ ノ の情 報

い つ つ く ら れ た と か どこ でつ く ら れ た と か

モ ノだ け じゃ なく て光と か 風の流れ と か

そうい うも のをコ ンテクス ト (context )

状況

と呼 び

そ れ をアウェ ア ネス (awareness )= 認 識 す

と な

。 自

動 的に そ う いっ たこと ができる

これが未 来 の

21

世 紀の ものづ く り に影

を 与え な い わ け が な く て

今 研 究 室で で きるよ うになっ た段 階です

です か らふつ う に み な さ ん が こういっ たことを使おうと 思 う と

10

年 ぐらいは か か り ますが

いき な りモ ノ は で き ま せ んから準 備 をしておかないといけ ま せ ん

携 帯電話な んて

20

年 以上前か らやられてい

こ の小 さ なコ ンピュ

タ も基 礎の研

か ら

20

年 ぐらい の歴史が あるわ けです

 

デ ザイ ン や る 人 に 言いたい の は

これ は

ザイン じゃな くてコ ンピュ

の人 間 もみ んな 感じ てい るのですが

これ か らのものづ く り は ト

タ ル な意 味で アプロ

チ を かけ ないとでき な く なっ て き てい て

、今

ま でのよ う に機 械つ くる人

デ ザイ ンの 人

売る人

では な く て

緒に や ら な い と ものづ く りが で き な くなっ てきて いると思います

。私

は大 学で電 子 工学を専 攻し たのです が

住 宅の設計 も しますし

建 物のデザイ ン もする し

パ ッケ

ジや グラ フ ィッ ク

ザ インと かい ろ いろ し ますが

デ ザイ ン は すべ て を制して い る の です

逆にいえ ば

デザイ ナ

は 積 極 的にコ ンピュ

タを使う よ う な こ とを し た ほ う がい い です

GUI の デ ザインな んて既にそ うですよ ね

私がデ ザイ ン学 会を見て驚 きま し たの は

だい ぶweb

ザインと かの話もで てき ていま す よ ね

こん なこ とは

50

年 前にはデザイン学 会と して は思い も よ ら なか っ たの では ない ですか。

50

年 前は ちょ う ど 「エ ニ アック」 とい うコ ンピュ

が で き た ばっ か り ですか ら

web ザインなんて想像もつかなか った で しょ う

タル にデ ザイ ン す る

と なるとデ ザ イ ナ

が下 (技 術 側 )に 行 く か下が デ ザ イン に行く

14  SPECIAL 9SUE OF JSSDVol

12N {,

1200vL デ ザ イン学研究 特 集 号

そ れ し かない の ですよ

そ ういっ た ト

タ ルデ ザイ ンカみ たいな ものが 今ほ ど要 求 され ている時 代 はない ので は ないか と思い ま す。 その時 デ ザイ ンと は 何 かと考 えると

や は り想

力じゃないか と思 う ので す

こうい うモ ノ があっ た らどう な るのか

と い うのをいろいろ と ものす ご く考え ないとデ ザイン はで き ない の で はないか と 思います

な言い方 をすればいく ら考えて もダメ な人 もいますが

や は り考える と いうこと が非

に重 要で機 械と人 間との 関 係や

社 会との関 係で た くさん

き わ たっ た と き にどう な るの か などと

と にか く あ らゆる こ とを

た くさん 想像 力を働か せ て考え ない といけ ない の です

 さ て

も うすぐ時 間と な りま すが

結局デ ザイン も技 術も是 非 考え

いろいろ なこと を考えて

21

世 紀 に ふ さ わ しい良いデザ イン を やっ て いただき たいと 思います

  15

分とい う非 常に短い時 間で し た が 「ユ ビキ タス コ ンピュ

テ ィングで制 約がなく な る よ

」 という お 話と

タ ル にい ろい ろしな きゃ いけ ない

とい う こ と で是非いろいろ な とこ ろ に目を向 けられるデ ザイ ナ

に なっ て い ただきたい

」 と い うこと を お話 しさせて いただき ま し た

あ りが と うございま し た

  〈 黒 川 〉

 

あ りがと うござい ま し た

ぴっ た り

15

分で した

さすが はコ ンピュ

学 者です

。本

当 は もっ と聞 か せ ていただきたい の です が

坂 村 先 生は著

も た く さ ん ござい ま し て

今のお話 は 著 書であり ます 「 ン ピ

ティング」 とい う本に大 概の こと は

か れ ていたかと思います。

 

それでは引き続き ま し て

竹 村 先生 お願い いた し ま す

  〈 竹 村〉

 

こん に ち は

私 紹 介のパ ン フ レッ トに は文化 人 類 学とあり ま し て

い わ ゆる文 化 系の 化 と して書 か れ てい ま して

これ は文化 系 を 代表して語れ

と いうこ と か な と思いま し て 坂村 先生 と はある意 味で 対 照的な分野を ベ

ス に して い ま して

そ こか らデ ザイン につ い て何が 言 える の か と い うこ と を お話し

(8)

し て いき たい と思い ます

 と はいえ

坂 村 先 生は非 常に重 要 な お話 を 提 供し て くださっ て私 な りに理 解しますと

例えば 今ま で はパ ッケ

ジデザインで す とハ

ドの制 約があっ た か ら最 低限の ハ

ドの上 にのるようなパ ッケ

ジの デザイ ン を して いたというのが ど ち ら か という と メ ジャ

だっ た か と 思いますが

これ か らハ

ドの制 約が な く なっ て く る と 「HOW のデザイン 」 では な く 「WHAr のデ ザ イン 」 に なっ て く る と思います

いか に

ど う

美し く

ザイ ンするかで は な く

そ もそ も

をデ ザインする の か

、デ

ザ イン の対

と は何な の か

ということ に なっ て く る と思います

その時 にい わゆる従 来の モノ とか 機械と か道 路と か で は な くて

そういっ た既 存のwhat の

念を はず してか か ら ないと

ザイ ンの領 域が見えて こない の です。 そ の

つ の例として 「のデ ザ インよ り も車 社

ザインを」 みたいな もの を レ ジュ メ にあ げたわ けで す

そ う い う 「what のデ ザイ ン」が 大 事 だな と ま

思いま し た

 

それか ら も うひ とつポイ ン トだと 思っ たのは

コ ンピュ

タ がどん どん見 えな くなる

不 可 視に な る

そ れ で 「可 視になっ たコ ンピュ

タの力を 通 じて 何 を可 視 化 するのか 」 と い う こ と です

ど んどんブ ラッ クボック スになっ て いくばか り で は ます ま す 個 人と社 会

人 間と世 界のか かわりが見に く く なっ て き ます

ただでさ え

こ の

100

、200

年の 工業 化 社 会の 中で人 間と

会の関係はブラックボッ クス化 し て き たの です。 さ ら にコ ンピュ

微 少に な り 全く意 識せずに使え る ように なっ てくる

し かし

そ こ で止 まっ てはい け ませ ん

不 可視化 さ れ たコ ン ピュ

タ をベ

ス に何を 可視 化 するの

か。

個 人 と社 会の有 機 的な関 係を もっ と ビ ジュ ア ルにしたい

自 分と世 界とのか かわりをもっ と センシ ティ ブに実 感 できるよ う な構 造を作っ ていき たい。 それ がこれ か らのデザイ ンの仕 事ではないかと思い ます

ですか ら 不可視 なこと と可 視 化の バ ラ ンス

そし て 坂 村 先 生 か ら 「

技術1

いう命題をいた

き ま し たので

わ せて いただき ますと

技 術の上 にいか な るコ ン テ ンツ

コ ン テクス トを

ザイ ンするのか

そこに お いて文化学

デ ザイ ン学

美 術

タル な アプロ

チ が必 要か と

 

私な りの

ザイ ン は何か と申 します と 「る種の 世界の見方を組み変 える装 置」 「世 界と自分のか か わ り方や世 界との距 離 感を計り直す メ

ィ ア」 であろ う と思い ま す

そ う な る と世 界を見る解 像 度 を上げ る仕 組み をど うつ くるかとか、 最 近 ブロ

ドバ ン ド 化 が 言わ れ てい ますが動 画が

れ る といっ た狭い意 味での

ドバ ン ド化で はな く 生活全体のブロ

ドバン ド化は ど う する のか

例えばわ れわ れは 日々 地

べ てい ます

天ぷ らそば を食べ ればエビ は マ レ

シアから き ている か も し れ ない

で も そ うい うこと を わ れ わ れ は実 感できない

そ ういうこと に 関 し て何で もか んでもわ かれ ばい い という もので は あ り ませ ん が

もっ と自分た ち が 日々食べ

飲み

町を歩く ということ に関 して世 界との関わ りをもっ と もっ と向

ヒして いっ てほ しい です

「世 界の

解像度

を上げる」 とか

「生 活全 体の ブロ

バ ン ド化」 と いうこと で私がい いたい のは そうい うこと で す

 

さて、 抽 象 論はこ の く らい にし まし て

具 体 的に 私の 場 合はどう なのかと いうのをご紹

し たい と 思 います

これ は

7 〜8

年 前に仲 間とつ っ たweb サイ ト (図

4

)ですが

インタ

ネッ トを通じ てこん な こ と ができるよ

というこ と を 示 し た

例です。 地 球が で て き て ところどころボコボコと泡 立っ ていま すが

世 界 中で起き ている 地震計のデ

タ を集めて ラ イブ的 に見える ように し た ものです

世界 中に地 震 計は あ り ま す が

今ま で は ほぼバ ラ バ ラに研 究さ れて い まし た

ところ がいま や インタ

ネッ ト を通 じて

地 球 大の

デー

タ がす ぐに集め られ ま す

その

デー

タ をコ ンパイル して画像 に して います。 実 際は

デ ザ イ ン 学 研 究 特集号 SPECIAL ISSUE OF JSSD  Vol

12No

12004  15

(9)

図4 地 震 計の 可視化web サイ ト ネッ トのライ ブ 映 像ですの で、 画 面の

ドに は時計 が あり まして

2

週間 く らいでこん なこと が起こっ て い る とい うことをル

プで示 しています

これ を見る こ と によっ て 「あ あ

地 球っ てものはこんなにボコ ボコ と 日々 これだけの こ とが 起 こっ てい るの だな。」 と初め て わ かっ た わ けです

  これはインタ

ネッ ト時 代に おいて できる ように なった わ け で す が

私はこれを 「感 性の 社 会イ ン フ ラ」 と呼んで います

水 と か電 気がインフ ラと して 社 会に提 供さ れるようになったのと 同 じ よ う に

地 球 自体が 地

な ら で はの形で 「地 球に生きて いる」 という実 感を広く提 供し よ う と い うことです

 

今ビ

オ を見て いた だ きま し た が

こういっ た形 で先ほど 「what のデザイ ン 」 と申し ま した けれ ども

術と してインタ

ネッ トやパ ソコ ン が あ る

その 上で どの よ う な表現 を通じて どのような 社 会 的イ ン フラ を構 築して い くか

どの よ う な社 会 的な感 性の 回路をデザインしてい く か

ひ とつ の さ さや か な例 ですけ れ ど も示させ て いただき ま し たD な お

お台 場では

1m

の立体の リ ア ル な地 球 儀の上で先ほ ど見 ていた だいたよ うな 状 態が 再 現 さ れ ていま すの で

是 非ご興 味のあ る 方 は 見 に行か れて くださ い

そ う い った地 球全 体 を 可視 化し

実 感 する よ う な こと も こういう時 代は 可能だ とい う こ とを 示 した事 例です

 

同時に 現実に豊か な地 球を歩く とい うの は どう な の か ということですが

私は文 化 人 類 学 者で すので も と も と はフ ィ

ル ドワ

で山に登っ た り歩い た りす るのが 大好き な人 間 なの です

先 ほ どの もの は衛星 時 代

インタ

ネッ ト時 代

こういっ た時 代

16 SPECIAL  ESSUEOFJSSDVel

12N【)12eO4  デ ザ イン学研究 特集号

20

世 紀 後 半か らの人類にのみ可 能な地 球 認 識ですよ ね

し か し もう

方で現 実に地

を歩く というアナ ロ な行 為も

ジ タ ルネッ トワ

クにオ

ギュ メ ン トさ れる ことによっ て

もっ と豊か なプロセスにな るので は ないか とい うこと を考 えて

、私

方で は 「地 球 博 物 館 構 想 いうのを進めて います。 これは 何も建 物 を造っ て地 球を展示する

と い う わけでは な くて

逆に あ りのままの地 球を生き た博

物館

に し てやろ う

と いう ものです

そ こでイン フラを提 供 し て くれる のが坂 村 先生の トロ ンが 入っ た携 帯 電 話 などの ツ

ル なの です

それ を使っ て例えばこん な こと が で き る とい う例を それで は

ドさい

  〈

VTR

 

尾道は街 全体が博 物 館のよ うなところ

。観光名

所 は もと よ り ちょっ と し た坂 道 や 名もない路 地にもい っ ぱい 物 語 が 詰 まっ て います

そ れ な ら本 当に街 全 体を

に し て し ま お うとい うのが こ の プロ ジェ ク トのね ら いなの です

 

街を歩いて いて

「あ れ

こ こは どこだろ う

不 思 議な坂 道 だ な」 と 思った ら

目印を探して くださ い

こ の梟のアイコ ンを 目印にして ください (図

5

そ して ア イコ ン が持つ番 号を

携 帯 を使って 入 れ ます

そうするとこ の場 所の観 光

報 や 街の記 憶 が 自 由に 引 き 出 せ るの です

 

例えば 歌

舞伎

や美術 館な どでイ アホンガイ ド を 聴き ながら見るとよ く理

で き る とい うこと があり ます

そ れ と同じでそ れぞ れの場 所の記

や物 語が あなたのケ

タ イ を 通 し て読む こと ができ る という 図5  梟のア イコ ン

(10)

わ け なのです

 

尾道という街に は隠れ た 魅 力 がいっぱいあります

その 魅力 を もっ ともっ と伝 え たい。 そ れ を 可能にす るのが

モバイル時 代の新し い ナ ビ シ ス テ ム

こ でも博 物館」なのです

  ガイ ドブッ ク を調べ る の って結 構 大 変で す よ ね

その場でほ しい情 報が すぐに見つ か らないというこ と が あ り ます

ま た

看 板を見て も自分の位 置を確 認 する のが 大 変です

さ ら に

板は景

を損ねて し ま う とい うこ と が あ るの です

そこ で こ の 「ケ

タ イ ナ ビ 」 を使えば

街 全 体も 生 き た 歴

博物

館に 変え

それぞれの場所の隠れ た情 報を必 要 なときに 必要な とこ ろで簡 単に引 き 出せ ます。 例えば 観光 情 報 やバス停の位 置 や トイレの場

など

これ ら は自 己中マ ッ プを使う とす ぐに見つ かる の です。 便 利で すね。

 

タイナ ビ システ ムの い い ところ は それ だ けで は ない のです

実は私が今 歩い てい る坂 道は志 賀 直 哉が同 じよ うに歩い ていた とい うの です

。彼

は その 体 験を暗夜 行 路につ づって います

(図

6

) (中略 )   見晴らし の良い と こ ろ にやって き ま した

そ し て

こ こ にもいま し た

梟の ア イコ ンです

こ の梟は ど んな 情 報を持っ て い る の で しょ う か

番 号を

帯に 入 力し て み ま す

空 中 美 術 館 いうのがで てき ま し た

これ は

私が今 見て い る風 景 を画 家が どのよ う に描いたのか

その場です ぐに見ること が で き る の です

  〈竹 村 〉

 

すみ ま せ ん

実は

こ の プロモ

ショ ンビデ オは か な り初 期につ っ たもの ですの で梟がずいぶ ん 小 さ かったですけれ ど も

仮オ

プン し て か ら大人気 で た ち ま ち盗ま れて し ま ったの で

、今

は 設営が大 変 なの ですが 人間の頭く らい の簡 単に は運べ い大き さ に し て いま す

街に

200 〜300

箇 所設 置す る予 定で

既に

200

箇 所 以上設置し てい ますが

まだ 盗 まれるも ので行か れ て もある はずのところ に ない ということ もあるか も しれ ま せ ん

と も か く

こ の シ ス テ ムの ポイン トは 「場 所に番 号をつ け た

その番 号を入 力 するだ けで情 報 が と れ る 」 とい うコ ロ ンブス のタマ 図 6  「暗 夜 行 路」配 信 ゴ み たいな発 想で す ね

 技

術の成 熟や普及 を待つ よ りも

では文 化 系 なら文 化 系の考え方でコ ン テ ン ツやコン テ ク ス トを 作る ところ か ら

め てい く

そ して技 術の普 及

成 熟とうまく合 流して いけ ばい い のだと思い ま す

。今

の 日本は ど ち らか とい う と も

術主導で

「どこ で も ドア」だと

っ て いますが

「どこ で も ドア 」 を

っ て もドア の先には何も ない とい う状 態が

い の では ない か と 思い ます

ドア を開 け た らちゃんといろい ろな ものがあるよ

とい う世 界を先 取り していろい ろ

ザ インし てい くぐらい の

技 術を追い越して い くぐらい の感 じでデ ザ イ ナ

やコ ン テ ン ツを持っ て い る方が ク リエイテ ィブワ

ク を して いただ くと

そのく らいで ちょう ど 良い

バ ラン ス の良い

ザ イ ン社 会が実 現 する の で は ないか とので は ないか とそ う思っていま す

 先 ほど尾道の例をお 見せ しましたが江 戸 版で は

自分 が 中心の地 図が で るのですが

それ をもう

度 ク リック し ますと

150

年 前の江 戸 時代の地 図 が 再現さ れ るとい う もの も あ り ます

そういっ たいろんな形 で 場所の 記 憶を引 き出して い く といっ た こと を し て います。

 

これ も時間の制 約でお 見せ でき ま せ ん が

の ト レ

サビリティ

」 と今いわ れ て います。 例 えば店 頭で お肉を 買 うと

IO

桁の番 号が あっ て 「お う ち で検 索し て ください 」な どとありま す

。一

部で は その に テ ンキ

が あ るこ と もあ りま す が

要す る に情 報 とモ ノ が分 離し ているの です

もっ と もっ と情 報と モ ノ を 体 化させなければいけ ない

そういっ たと

デ ザ イン学 研 究 特集号 SPECIAL  ISSUE OF JSSD  Vol

T2 No

1 2004  17

(11)

き に

チ ップを埋め込んで のユ ビキタ ス も あ り ま す が、 例 え ば 紙 媒 体で

携帯

と か とインタ

ネッ トがダ イレ ク トに連 動して いる

これ も

私来

月 か ら あ る雑 誌でや り ま す け ど

本を め くっ て い て素 晴ら しい 真が あっ た

もっ とこの 写 真の 舞 台 裏 を知 りたい

その絵に

号がつ い て い て

携 帯で 入力す る と その ヒロインの話と か その

作家

の ライ

な話が情 報と し て取り出せ る の です

  そ う いっ た よ う な紙 媒 体と か

食 品と か衣 類と か を含 めた モ ノ

そ れ か ら都 市空間と情 報 空 間 を ダイ レ クトにつなげて い く。 そ れ に よっ て

最 初か ら申 し 上げた よ う に世 界の解 像 度 を上げて い く。 私た ち が日常 生 活で経 験 する 世界 構

を もっ と もっ と深め て い く

生活 全 体 を ブロ

ドバ ントに し ていく

そ うい う こ とが 可

なの では ないか と思い ます。

 

し か も

知 識を提 供 するだけでは な くて モ ノの 後に作り 手 が あ る と か

場 所の背 後にある何かの記 憶な どのそ ういっ たモ ノの背 後へ の想

力を高めて い く という メ

ィアデザインが 大 事 なの では ない か と思います

  レ ジュ メで書いたような 他の いろいろ な 展 開 につ い て

お 話し し ている と他の先生の時 間 を 食っ て し まいますの で

それは次の会に さ せ ていただき ま し て

ドだ けお話し させ て いただく と

コ ン ピュ

がどんどん 小 さ く なっ てユ ビキタスが進 ん で便 利に なる。 車もネッ トワ

ク 化 し てい く

そ れはオ

なの です が

そ れ に よっ てブラックボ ッ クスが よ り進 行してしまっ てはし ょう が ない

主 体は人 間 なの ですか ら 人間と社 会

人間と車を 通 じ ての体験 をブラ ッ クボッ クス になる方 向で自動化し て はいけ ないと 思 います

そ う で は な くて 「感 性の イ ンフラ」 とい い ますか

私た ち が 世界と か か わる 「か か わ り

ヒ化 ま し う か 、 そ ういう 意 味で私は こ れを 「義 デ ザイ ン と 呼 ん お ります

ブラ ックボックス 型の デ ザ インとい うこと で ござい ま す

  〈黒川〉  はい

あ りが と う ご ざい ました

時 間 が や や オ

し て い ま すの で これまでに さ せ ていた だ きます。

18 SPEC ]A凵 SSUE OF JSS

 D VoL12 No

12004  デ ザ イ究 特 集 号

竹 村 先 生には大 変具体 的な提 案を し ていた だ き ま し た

あ る意 味 デ ザ イ ナ

よ りデ ザイ ナ

ら しい提 案 で した

ありが と うございま した

 そ れでは、 原田 昭先 生お 願いし ま す

〈原田〉

 

私がこれから お話しいた し ますの は

横 断型科 学 技術 デザイ ン につ いて で ご ざいます。

 

私は横 断 型 基 幹 科 学 技

術教

育とい う ものを考えて おり ます

現代

会は

これ ま で 人類が遭遇 し な か っ た非 常に複 雑で高 度 な問題に満ちて い ま す

これ らの問 題 は

専 門 的

垂直 型の従 来の学 問で は

解決

が 得 られ ないと 思います

産 業 や 社 会の複 雑 問 題を 解 決 する た め には

異 なる分野 をつ なぎ 合わ せ る共 通基 盤 技

を駆 使し て

横 断 型 基 幹 科 学 技 術 教 育を 行い

問 題 発 見や 問 題

決 能 力を養い

創 造 的ソ リ ュ

シ ョンを導き出す 方 法を学ぶ教

が不可 欠です

これ が横 断型基

科 学 技 術 教 育という考え方です

こ の よ う な教 育の実 現に は

、産官

学が協 力して実 施 する

そのよ う な 必要が あると考 えて います

 

横 断型基 幹 科 学 技 術と は何かです が

現 代 技 術の 根 幹と な る学 問領 域と して

ル学 やシ ス テ ム学

並 び に管 理工学 等が フ ォ

カス を浴びて いま す

同 じよう な 分 野 にデザイン学

制 御科学

神経 認 知 科 学

感 性科 学

計 測 科 学

環 境科 学

経 営 学

広 義 の 情 報 学

技 術 者 倫

な ど が

れ ら を 総 称し て 「横 断基 幹 科 学 技 術 と 呼 んで い 。 つ ま りどん な 専 門分野 に お い ても使わ れて い る技 術 です

シス テ ムはい ろん な 分 野で使わ れて い る

モ デル も そ うです

最近 はデザイ ンも

教 育デ ザ

図 4   地 震 計 の 可 視 化 web サ イ ト ネ ッ ト の ラ イ ブ 映 像 で す の で 、 画 面 の 一 ド に は 時 計 が あ り ま し て 2 週 間 く ら い で こ ん な こ と が 起 こ っ て い る と い う こ と を ル ー プ で 示 して い ま す 。 こ れ を 見 る こ と に よ っ て 「 あ あ 、 地 球 っ て も の は こ ん な に ボ コ ボ コ と 日 々 こ れ だ け の こ と が 起 こ っ て い る の だ

参照

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19 世紀前半に進んだウクライナの民族アイデン ティティの形成過程を、 1830 年代から 1840

Ross, Barbara, (ed.), Accounts of the stewards of the Talbot household at Blakemere 1392-1425, translated and edited by Barbara Ross, Shropshire Record series, 7, (Keele, 2003).

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このいわゆる浅野埋立は、東京港を整備して横浜港との一体化を推進し、両港の中間に

明治 20 年代後半頃から日本商人と諸外国との直貿易が増え始め、大正期に入ると、そ れが商館貿易を上回るようになった (注