研究の方法論を問う
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(2) デザイン学研究特集号 Vol.27-2 No.102. に生み出され、実践の新しい意味が保育カンファレンスで発見されていくよ うになった。これは、保育実践において同時多発的に起こる出来事をどのよ うな事実(場面)の組み合わせでエピソードとして語るかによって、実践の 可能性は複数のストーリーとして開かれており、どのような筋(糸 string). で出来事を拾い出すか[注3]によって、次なる新しい実践の可能性も変わ ることを明らかにした。. 新しいエピソード:「話の筋」で出来事(Event)の拾い直し(佐伯,2010[注3]). この研究は、後に著書『ビデオによるリフレクション入門:実践の多義創 発性を拓く』[注4]にまとめられた。。 現在、デザイン学会においても、デザイン学研究特集号「共創・当事者デ ザイン」[注5]にみられるように、当事者と共にデザインすることの意味 が問われるようになってきている。筆者の専門領域は、保育学、発達心理学 ではあるが、このような共創・当事者デザインに近い内容や方法を含んだ論 文であったことから、情報デザイン研究部会では、とくに方法論について話 をしてほしいということだった。. 2.学術研究を進める上でのよく聞かれる3つの心配事 当時、情報デザイン研究部会では、若手の研究者たちが博士論文に挑んで 3)佐伯胖:いま、あらためて、カンファレンスを問う, 子どもと保育実践研究会第14回夏季全国大会講演資 料,2010 4)佐伯胖,刑部育子,苅宿俊文:ビデオによるリフレク ション入門:実践の多義創発性を拓く,東京:東京大 学出版会,2018. おられ、研究論文をどのような方法論でどのように書けばよいのかといった ところで模索されているようだった。その模索の中で悩みになっているの が、よくある論文の方法論としての3つの心配事、「この論文の結果は量的 に表せていない」ので、「主観的な(客観的ではない)論文と思われはしな. 5)岡本誠:共創と当事者デザイン,デザイン学研究(特. いか」、「結果で示している事例は一つであるがそれで大丈夫か」があるよう. 集号:共創・当事者デザイン),26(12),34-37,2019. であった。筆者の論文[注6]は、修士論文時代の研究も、いわゆる従来の. ける相互作用の関係論的分析,東京大学教育学部紀. 発達心理学のような仮説 ─ 検証型の論文ではなく、データの解析も数量的. 要,34,21-30,1995. ではなく(一部、修士論文では数量的にデータをグラフ化したりしていた. 過程に関する関係論的分析,発達心理学研究,9 (1) ,. が)、心理統計法を使ったものでもなかった。また、事例も一人の園児に焦. 1-11,1998. 点をあてたフィールドワークによる研究であった。方法論が独自であったた. メント,発達心理学研究,11,226-227,2000. め、のちにこの論文が発達心理学会の学術論文[注7]として認められたと. 6)刑部育子:子どもの「参加」を支える他者:集団にお. 7)刑部育子: 「ちょっと気になる子ども」の集団への参加. 8)麻生武:「ちょっと気になる」論文:刑部論文へのコ 9)須田治:関係性の変化についての研究が,発信したも のについて,発達心理学研究,11,223-224,2000. 10)倉持清美:保育的視点から刑部論文(1998)を読ん. いうのは当時としては画期的なことであった。そしてこの論文は発達に関す る大きな議論を巻き起こし、3名の著名な発達心理学研究者によるこの論文. で,発達心理学研究,11,224-226,2000. についての意見論文[注8,9,10]が掲載され、それにまた筆者の回答論. えて,発達心理学研究,12(2),150-152,2001. 文[注11]が掲載されることになった。また、その後、この論文は多くの著. 11)刑部育子:刑部論文(1998)に対する意見論文にこた. 57.
(3) 58. 特集:社会実践のデザイン学. 作物に引用されて、質的研究の代表のように語られた[注12,13]。 さらに、博士論文[注1]においても、保育学と学習科学の交差したとこ ろで進められ、方法についても上述した3つの心配事にとらわれることなく 独自なやり方で進めてきた。情報デザイン研究部会では、筆者の研究の方法 論についてヒントを得たいという関心があるようだった。そこで、筆者が学 術論文を書く上でよくある心配事をどのように考えているのかを語った。. 2.1. 主観か客観かを心配する. 学術論文を書くときに、「論文は主観的に書いてはいけない、客観的にし. ないと…」と心配する声がよく聴かれる。心理学は見えない心を科学しよう と、主観を排除し客観的に研究することで科学であろうとして研究が行われ てきた。しかし、近年、心の科学として学問になろうとした心理学も、心の 様態を一般化するだけでは人それぞれの心の真実には向き合えないのではな いかというもう一つの物語が生まれ始めている。. J. ブルーナー(1915−2016)の知覚心理学実験による『思考の研究』[注. 14]は、認知革命を起こした重要な3つの論文の一つとされている[注15]。 また、ブルーナーは、教育心理学者、発達心理学者としても有名であり、ア メリカの教育界にも大きな影響を与えてきた[注16]。しかし、晩年はもう 一つの人間の心のあり様を「意味の行為」[注17]として描き出し、ナラ ティブ論を展開した[注18,19]。 また、現在、日本の発達心理学や認知科学では、三人称的アプローチでな されてきた研究に対して疑問が呈され、一人称研究[注20]や二人称的アプ 12)白石敏行:エントリー・モデル5:実証された理論を 別領域に応用する,大野木裕明・中澤潤(編) ,心理. ローチ[注21]が議論されている[注22,23]。発達心理学者レディ[注21]. 学マニュアル:研究法レッスン,京都:北大路書房,. は、三人称的研究では「客観性」を重視するが、「客観性」というとき、そ. 80-89,2002. の背後には文脈や状況に関わらず、どんなときにでも結果が同じとする一般. を,発達心理学研究,15(2),243-245,2004. 化が想定されていると指摘する。レディは三人称的アプローチが文脈から切. 13)松嶋秀明:質的研究に、もっと研究プロセスの探究 14)Bruner, J. S., Goodnow, J. J., et al.: A study of thinking, New. York: John Wiley & Sons, 1956(ブルーナー,J.S. 岸本. 弘,他(訳),思考の研究,明治図書,1969). 15)ガードナー,H.:佐伯胖(監訳) ,海保博之(監訳) , 認知革命 ── 知の科学の誕生と展開,産業図書,1987. (Gardner, H.: The mind’s new science: a history of the. り離して(detached)出来事を記述していることを批判的に問い、関わる中. (engagement)で見えてきた出来事を記述する二人称的アプローチを提唱し ている。. 現在、デザイン学会で議論されている当事者と関わる中で明らかにされる. cognitive revolution, Basic Books, New York, 1986). 新しいデザインの知見[注5]は、二人称的アプローチに近い方法論なので. Harvard University Press, 1960(ブルーナー,J.S. 鈴木. はないかと筆者は考えている。一人称的アプローチ、二人称的アプローチ. 16)Bruner, J. S.: The process of education, Cambridge, MA: 祥蔵・佐藤三郎(訳),教育の過程,東京:岩波書店, 1963) 17)Bruner, J.: Acts of meaning, Cambridge, MA: Harvard. は、当事者の人々の「主観」が文脈込みで価値のあるものとして研究の中で も位置づけられている。. University Press, 1990. 18)横山草介: 「意味の行為」とは何であったか? ─ J.S. ブ. ルーナーと精神の混乱と修復のダイナミズム ─ ,質 的心理学研究,17(17),205-225,2018. 19)横山草介:ブルーナーの方法,広島:渓水社,2019 20)諏訪正樹:一人称研究だからこそ見出せる知の本質, 諏訪正樹・堀浩一(編),一人称研究のすすめ知能研 究の新しい潮流,東京:近代科学社,2015 21)レディ,V.:驚くべき乳幼児の心の世界 ─ 「二人称的. アプローチ」から見えてくること ─ (佐伯胖,監訳), 京都:ミネルヴァ書房,2015(Reddy, V.: How Infants. Know Mind, Massachusetts, Harvard University Press, 2010). 22)佐伯胖(編著) : 「子どもがケアする世界」をケアする─ 保育における「二人称的アプローチ」入門,京都:ミ ネルヴァ書房,43,2017 23)諏訪正樹:二人称的(共感的)関わり ─ 共創現象を 解く鍵 ─ ,共創学,1(1).39-43.2019. 2.2. 結果が数量的に示されていないとダメなの?. 筆者の研究領域の発達心理学でも、数量的に結果が示されていない研究. は、未だに論文として評価されにくいという現状がないわけではない。とい うのも、実証主義的な実験・調査研究のように数量的に結果を示す論文は、 因果関係(結果を導く原因を特定する考え方)によって説明でき、読者には 論文の主張の根拠が理解しやすいのと、その結果を既存の統計処理手法に よって統計的妥当性があることが示せるので、評価者(査読者)は安心して 結果を妥当と判断し、評価しやすいからである。 しかし、量的に示そうと質的に示そうと、図化して示そうと、実際に起き ている事実や情報を正確にとらえ、根拠を持って示す試みが説得力をもって 表現され、記述されていれば、意義のある研究論文となるはずである。質的.
(4) デザイン学研究特集号 Vol.27-2 No.102. な事例から説得力をもって示すには、どのような具体的事実があったのかを丁 寧で正確な「厚い記述(thick description) 」 [注24]で書くことが必要である。 例えば、社会学のエスノメソドロジーでは、ビデオに映し出された出来事を. 0.1秒単位でマイクロに正確に再現する記述方法を工夫しているし、場面、出 来事の全体性や動的変化を図として示す技法であるダイアグラム化も説得力 をもたせる表現方法と言えるだろう。デザイン学の研究者は図化については 得意であり、積極的に図によって表現・記述方法を工夫できると考えられる。 さらに、心理学でもっとも権威のあるアメリカ心理学会 APA によって発刊. された2012年のハンドブック APA Handbook of Research Methods in Psychology. (全3巻約2000貢)で、編集代表の Cooper[注25]がその序において質的心 理学を明確に位置付け、第一章では、Willing[注26]が「質的研究の認識. 論的基礎に関する多様な視点」と題する論文を執筆している。また、第2巻 の第Ⅰ部では、13章(約200貢)に渡る質的研究の諸技法が解説されている。 さらに、2018年の American Psychologist ではこれまでの議論を踏まえつつ質. 的研究論文の執筆基準が示されている[注27]。ここで興味深いのは、この ような新しい方法論をもちいた研究について、従来の評価だけにとらわれず に新たな方法論の挑戦を価値あるものとして評価できる人を増やすために も、査読の評価基準を詳しく論じていることである。現在、日本質的心理学 会がこれを議論しているところである[注28]。今後は、研究結果が数量的 に示せていないから単純に駄目だということは、評価者としても言いにくい 状況になり、評価する側の見識やスキルも問われることになるだろう。. 2.3. 一つの事例(ケース)で論文を書いたらダメなの?. 論文査読者の中には、「一つの事例だけでは、一般化できる知見が示せて. いない。だからこの論文はダメである」と指摘する人がいる。この査読者の 頭には、研究の成果は全てどの事例にも適応されるべく、一般化されなけれ ばならないことが想定されている。しかし、論文の論証では反証という方法 もあり、従来一般化され妥当と考えられてきたことが、一つの反例によって 覆されることもある。その場合、一つの事例研究でも価値のある研究とな る。筆者の修士論文はまさにこれにあたる[注6]。従来、発達は「何かが 24) Geertz, C.: Thick description: Toward an interpretive. できるようになること」として個人能力獲得を前提に語られてきた。ところ. cultures: Selected essays, New York, NY: Basic Books,. が、筆者の研究の結果からは、個人能力として何かができるようになったわ. , The interpretation of theory of culture, In C. Geertz(Ed.) 37-126, 1973. けではないにもかかわらず、子どもの行為が社会的諸関係の中で変容するの. research and their relations to research methods. In H.. である。それは、周りの様々な関係性の変化とともに起こり、誰が原因とい. 25) Cooper, H.: Introduction: Objectives of psychological. , APA Handbook of research methods Cooper, et al.,(Eds.). うわけではなく起こる。このようなことは、個人能力獲得論では説明がつか. Association, Vol. 1, xxiii-xliv, 2012. ない。つまり、従来の個人能力獲得による発達観が覆されることになる。発. in psychology, Washington, D. C.: American Psychological. 26)Willing, C.: Perspectives on the epistemological bases for. 達をどのように見るかということの発達観(理論的枠組)の問い直しが提起. of research methods in psychology, Washington, D. C.:. される。発達論の問い直しとして、文化人類学の知見である『正統的周辺参. , APA handbook qualitative research, In H. Cooper(Eds.) American Psychological Association, Vol. 1, 5-21, 2012. 加論』[注29]を援用して新たに別の理論的枠組である関係論的視点が生み. standards for qualitative primary, qualitative meta-analytic,. 出される。このように、研究には研究者自身の理論的枠組みやものの見方. 27)Levitt, H. M., Bamberg, M., et al., Journal article reporting. and mixed methods research in psychology: The APA. publications and communications board task force report. American Psychologist, 73, 26-46, 2018. 28)能智正博:質的研究の評価をどう考えるか,質的心理 学フォーラム,11,45-55,2019. 29) Lave, J. and Wenger, E., Situated learning: Legitimate. peripheral participation, Cambridge, England: Cambridge. University Press, 1991(佐伯胖,訳,状況に埋め込まれ た学習 : 正統的周辺参加,東京:産業図書,1993). (視点)が関わっているのである。方法論は世界や人間に対するものの見方、 認識論、理論と深く関係している。特に新しい方法論を提示する研究では、 どのような理論的枠組から世界を見ているのか、対象を分析しているのかと いうことを明らかにして提示する必要がある。. 59.
(5) 60. 特集:社会実践のデザイン学. 3.3つの心配事は筆者にとってどうだったのか? 3つの心配事について、筆者が最初から上述した考えのもとに研究を進め てこられたわけではない。研究をしている渦中でそのような批判を何度も聞 いたし、問われることもあった。しかし、そのような批判は研究の本質では ないと、心配せずに研究に取り組んでこられたのは、筆者の研究を指導して 下さった佐伯胖先生のおかげである。 佐伯胖先生は、アメリカのワシントン大学で博士号を取られ、日本で認知 科学という学問を拓いたパイオニアであり、2012年には日本の認知科学の発 展に多大なる功績のあった者に顕彰される日本認知科学会フェローの称号を 授与されている。認知科学会が発足したころは、心理学、工学、言語学、哲 学、情報学など理系、文系という枠を超えて「人間の知」について活発に議 論されていたようだ。佐伯先生の博士論文の研究は、経済学、心理学、倫理 学、数学などの当時の最先端の知見との批判的対話を通して、決定の合理 性、倫理性、自由を論じている。その成果はその後、著書『決め方の論理』 [注30]にまとめられ、40年以上にもわたって未だに読者を魅了し、出版さ れ続けているのである。佐伯先生は、学部時代は管理工学という理科系出身 であり、実験・心理学や統計手法にも詳しく統計を学ぶ人を対象にした著書 『実践としての統計学』[注31]を書かれているが、筆者に「数量的に結果を 出しなさい」とか「統計的処理をしていないと論文にならない」などと指導 されたことは一度もない。筆者には「あなたは勉強しない方がいい」とまで 言ったほどである。これは今にして思えば、既存の方法をよく考えもせずに わかったような気になって安易に当てはめて結果を出すだけでは本当の研究 にはならない。本当に問うべきことをよく考えて、その問いに迫る方法を考 えなさい、という意味だったのではないかと思う。このような先生の下で筆 者は学んだので、上述した3つのよくある心配事について心配することな く、研究では本当に問いたいことを問うことができ、そのための方法論を考 えることに集中することができた。. 4.新たな理論的枠組み(視点)を論文の中で提示する 筆者の論文は、従来にない新しいモノの見方(方法論)で起きていること を見るという挑戦でもあったと言える。博士論文[注1]では、ビデオとい う表象についても議論した。. Mead[注32]の映像人類学の研究では、ビデオのフレームを誰がどのよう. に切り取るのかによって、表象としてのビデオは偏見に満ちた物語ができて. しまう危険性を指摘している。Goldman[注33]は、ビデオは固定化された 30)佐伯胖:「きめ方」の論理: 社会的決定理論への招待 ,. 表象とは異なり、プロセスとしての表象となる可能性を秘めていると述べて. 31)佐伯胖,松原望(編):実践としての統計学,東京 :. いる。プロセスにおいてビデオが多義的観点を包み込む(embracing diverse. 東京:東京大学出版会,1980 東京大学出版会,2000. 32)Mead, M.: Visual anthropology in a discipline of words, In. , Principles of visual anthropology, The P. Hockings(Ed.). Hague, The Netherlands: Mouton, 3-10, 1973. points of viewing)認識論的枠組になりうるかどうかが問われている[注34]。. そうであるならば、ビデオ研究の妥当性を高めるものとして、プロセスの開 示性と共有性が鍵を握っている。筆者の博士論文研究では、多様な意見を尊. 33)Goldman, R.: Video Representations and the Perspectivity. 重することを目指した保育カンファレンスが、なぜ収束する会話構造に陥っ. , Video Research Ethics, In R. Goldman, R. Pea, et al.,(Eds.). てしまうのかという問題について、加工された表象としてのビデオ利用で起. Framework: Epistemology, Ethnography, Evaluation, and. in the Learning Sciences, NJ: Lawrence Erlbaum Associates,. こる権力性があることを指摘した。そして、ビデオ記録の場面の提示が、従. 34)Erickson, F.: Ways of seeing Video: Toward a phenomenology. 来のビデオ利用では撮影者の視点からビデオフレームが切り出されて、固定. Inc., 3-37, 2007. of viewing minimally edited footage, In R. Goldman, R.. 化された表象としてのビデオを利用することしかできなかったためであるこ. NJ: Lawrence Erlbaum Associates, Inc., 145-155, 2007. とを指摘し、それを解決する、多くの手掛かりを撮影時から映像記録に埋め. , Video Research in the Learning Sciences, Pea, et al.,(Eds.).
(6) デザイン学研究特集号 Vol.27-2 No.102. 込むことができ、再生時にも他の人の意見をもとに映像を見せられるプロセ スとしての表象を可視化するビデオツールが可能になることで、多様な考え が出てくるように変わることを論じた。. 5.デザイン学の知の解明 デザイン学の研究は、新しいデザインの知や実践の解明であると筆者は感 じている。そうだとしたら、上述した3つの心配事に囚われてしまうと、本 来問うべきデザインの知や実践が十分に問えなくなることが懸念される。実 践で起きていることを学術研究で表すことは、予め想定したことを証明する 仮説 ─ 検証型の研究に比べると、表現方法が難しい。実践で起きることは 想定外のことに満ちているからである。しかし、デザインの現場はそれなく して、新しいアイデアは生まれないのではないか。そうだとしたら、新しい アイデアを生む現場を研究するということは、想定外の出来事をどのような 視点から理解して、表現し、記述するかも研究者自身が模索し、創造しなけ ればならない。既存の枠組みを超えた新しい方法論を立てることは至難の業 であるが、方法論自体を探究することもまたデザイン学では必要だろうと考 える。. 61.
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