DOI: http://dx.doi.org/10.14947/psychono.35.13
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日本基礎心理学会2015年度第2回フォーラム
脳イメージングで探る3次元の知覚世界
Neuroimaging of human 3D perception
日 時: 2016年3月17日(木)14 : 00∼17 : 00
会 場: 東北学院大学土 キャンパス8号館5階 押川記念ホール 講 演 者: Mark W. Greenlee (University of Regensburg)
「Functional and structural MRI studies of multisensory integration underlying self-motion perception」 番 浩志(情報通信研究機構) 「ヒトはなぜ3Dを見ることができるのか?」 北田 亮(生理学研究所) 「触覚による物体認識に関わる脳内ネットワーク: 階層性と並列処理」 指定討論者: 栗木一郎(東北大学) 企画・司会: 櫻井研三(東北学院大学) 共 催: 東北大学電気通信研究所共同プロジェクト研究 国際共同研究推進型共同プロジェクト研究会 「多感覚統合への自己身体運動の寄与」 企画の趣旨 今世紀に入ってからの脳イメージング研究の隆盛は目 を見張るものがある。しかし,fMRIに代表される多く の脳イメージング技術では参加者の身体が拘束されると いう,実験上の大きな制約から逃れられない。その点 で,空間的広がりや身体運動に関わる現象を体験してい る最中の脳活動を記録しようとする試みは,極めて困難 な挑戦であるといえよう。そこで本フォーラムでは,前 庭覚,視覚,触覚による3次元の知覚に対応する脳活動 を研究されている3人の講演者をお招きし,「脳イメー ジングで探る3次元の知覚世界」と題して,最新の知見 と今後の展望について講演していただいた。 レーゲンスブルク大学の Mark W. Greenlee先生には, 自己運動知覚の基盤となる多感覚統合に関する脳イメー ジングの成果について解説していただいた。特にPIVC が自己運動の前庭覚の情報処理を,PICが視覚と前庭覚 の情報統合を行っており,それぞれが自己運動知覚の多 感覚統合において異なる役割を担っているという知見は 興味深いものであった。同時に,fMRIのように極端に 制限された環境下で有効なカロリック刺激の新技法も紹 介していただいた。 情報通信研究機構の番浩志先生には,ヒトの脳内背側 視覚経路に沿った階層的な3D情報処理過程の解明の成 果を紹介していただいた。一連の研究は,両眼視差手が かりと単眼性の3D手がかりが統合される過程や,脳内 の3D情報処理機構の発達過程,そして局所的な両眼視 差情報が物体の大局的な傾き平面へと変換されていく過 程のそれぞれをヒトのfMRIで調べたものであり,当該 過程の解明に大きく近づいていることが実感できた。 生理学研究所の北田亮先生には,触覚による物体認識 における脳の各部位の役割分担についてご講演いただい た。物体の素材情報と空間情報が並列分散処理されるこ と,その後それらの物体情報が高次視覚野を含むネット ワークで統合され認識されるプロセスが存在すること, そして触覚でも初期感覚野が物体表面の意識的知覚に関 与していること,の3点についてのわかりやすい解説で あった。またその実験装置は独創的であり,今後の触覚 研究の展開を期待させるものであった。 最後に,東北大学の栗木一郎氏に指定討論者として, 各講演者に対する質問とコメントをいただき,脳イメー ジングによる様々な感覚の情報処理過程の解明と今後の 展望について議論した。 (東北学院大学 櫻井研三)
The Japanese Journal of Psychonomic Science 2016, Vol. 35, No. 1, 53