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東京急行電鉄 5050 系 5576 号車次世代ステンレス車両 sustina ま 真 なべ鍋 ひろつぐ宏嗣 写真 1 外観 ( 中央の一両が sustina 隣接車両は従来工法の車体 ) 要旨東京急行電鉄株式会社 ( 東急電鉄 ) では これまで 5000 系 5050 系 5080 系車両を始め

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東京急行電鉄 5050 系 5576 号車 次世代ステンレス車両“sustina”

※真

なべ

 宏

ひろ

つぐ

 

写真 1 外観(中央の一両が“sustina”、隣接車両は従来工法の車体) 要旨 東京急行電鉄株式会社(東急電鉄)では、これまで、5000 系、5050 系、5080 系車両を始めとする軽量オールス テンレス構体車両を各路線に順次導入している。また、これらの車両の導入と並行して、東急電鉄と株式会社総 合車両製作所(総合車両製作所)は、共同で技術開発を進め、軽量・高剛性・高強度・低コストを実現する次世代 のステンレス車両の開発に取り組んできた。そして今般、この技術開発の要素を採用した次世代ステンレス車両 “sustina(サスティナ)”の第一号車が完成し、東急東横線用 5050 系 5176 編成の中間付随車 5576 号車として 2013 年 5 月に導入した[“sustina”は、総合車両製作所が製造するステンレス車両のブランド名(写真 3 参照)であ る]。5576 号車次世代ステンレス車両“sustina”は、構体・ぎ装・内装について、構造及び構成部品、材料、材質、 接合方法、工法などを含めた抜本的な見直しを図った車両としている。以下に、その概要を紹介する。 (編集部注:5000 系電車は本誌 224 号 2002 年 9 月参照) 1 はじめに 次世代ステンレス車両“sustina”は、レーザによる連続 溶接の積極的な採用、骨組の軽量化などの構体構造の変更 によって、アルミニウム合金製車両と同等の車体軽量化を 実現している点が大きな特徴である。車体軽量化によっ て、従来の車両に比べて走行時の消費電力量が削減され、 省エネルギー性の向上が図られているだけでなく、車両外 観及び内装においても、これまでのステンレス車両のイメ ージを覆す、フラットですっきりとしたデザインを実現し

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会社・車両形式 東京急行電鉄㈱・5050 系 5576 号車 使用線区 東横線 軌間(㎜) 1 067 基本編成 8 両(Tc1-M1'-M2)-T1-(T2-M1-M2'-Tc2) 使用線区の最急勾配 35 ‰ 用途 通勤用 電気方式 直流 1 500 V 車体製作会社 ㈱総合車両製作所 製造初年 2013 年 台車製作会社 ㈱総合車両製作所 1 次製作両数 1 主回路装置製作会社 - 車両技術の掲載号 246 凡例 ○;付随軸 CP;空気圧縮機  連結器 -;永久 個別の車種形式 サハ 5550 車種記号(略号) T1 空車質量(t) 25.5 定員(人) 153 うち座席定員(人) 54 特記事項 車体軽量化・安全性向上などを図った、次世代ステンレス車両 車両性能 最高運転速度(㎞/h) 120 加速度(m/s2 0.92(3.3 ㎞/h/s) 減速度 (m/s2 常用 0.97(3.5 ㎞/h/s) 非常 1.25(4.5 ㎞/h/s) ユニット 当りの定格 ユニット構成 - 出力(kW) - 速度(㎞/h) - 引張力(kN) - ブレーキ制御方式 電気指令式電空併用ブレー キ(回生付き)、遅れ込め付 き、フラット防止装置付き 制御回路電圧(V) DC 100 抑速制御 - 運転保安装置 - 列車無線 - 非常時運転条件 - その他 - 電気駆動系主要設備 集電 装置 形式/質量(㎏) - 方式 - 制御 装置 形式/質量(㎏) - 制御方式 - 仕様 - 主電動機 形式/質量(㎏) - 方式 - 1 時間定格(kW) - 回転数(min-1) 特記事項 - 主回路標 準限流値 力行(A) - ブレーキ(A) - 電気ブレーキの方式 - ブレーキ 抵抗器 形式/質量(㎏) - 補助電源設備 補助電 源装置 形式/質量(㎏) - 方式 - 出力 - 蓄電池 種類/質量(㎏) - 容量(Ah) - 主な用途 表 1 東急電鉄 5050 系 5576 号車 次世代ステンレス車両“sustina” 車両諸元

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車体の構造・主要寸法 構体材料/構造 ステンレス鋼/軽量ステン レス構体 車両の前面形状 - 運転室 - 長さ(㎜) 先頭車 - 中間車 19 500 連結面間 距離(㎜) 先頭車 - 中間車 20 000 心皿間距離(㎜) 13 800 車体幅(㎜) 2 808 高さ(㎜) 屋根高さ 3 640 屋根取付品上面 4 050(空調装置上面) 床面高さ(㎜) 1 130 車体特性・構造及び主要設備 相当曲げ剛性(MNm2 相当ねじり剛性(MNm2/rad) 曲げ固有振動数(㎐) ねじり固有振動数(㎐) 内装材 メラミン化粧板、高硬度塗装板 側窓構造 下降式、固定式 妻引戸 片引戸 側扉 構造 両引戸、開口幅 1 300 ㎜ 片側数 4 箇所 戸閉め装置 形式 DPV-40BU-HPI 方式 電磁空気式ベルト連動 腰掛方式 片持ち式ロングシート 車体連結 装置 先頭車 - 中間車 棒状連結器 空調換気 システム 冷房方式 屋根上集中式 暖房方式 シーズ線式 換気方式 - 送風方式 天井ダクト 室内灯 照明方式 直接照明 灯具方式 LED 式室内照明 移動制約者設備 - 便所 主要設備 - 汚物処理 - その他の主要設備 主幹制御器 形式/質量(㎏) - 方式 - 速度計装置 - 車両情報制 御システム モニタ装置 - モニタ表示器 - 非常通報装置 通話機能付き非常通報装置 前面 - その他の主要設備 空調装置 形式/質量(㎏) HRB504-2A / 725 方式 ON/OFF 制御方式、全自 動モード付き 容量(kW) 61.05 暖房装置 容量(kW) 0.75 形式/質量(㎏) HF265 / 7 標識灯 前部標識灯 - 後部標識灯 - その他 - その他 - 空気ブレーキ設備 電動空気圧 縮機 形式/質量(㎏) MBU1600YG-1 / 533 圧縮機容量 1 600 ㍑/min 圧縮機方式 スクロール式 空気タンク 元空気タンク 220 ㍑× 2 供給空気タンク 39.5 ㍑ ブレーキ制 御装置 形式/質量(㎏) E83-T / 279 台     車 形式 動台車 - 付随台車 TS-1020A 車体支持装置 ボルスタレス方式 けん引装置 Z リンク 枕ばね方式 空気ばね 上下枕ばね定数/ 台車片側(N/㎜) 動台車 - 付随台車 373 軸箱支持方式 軸はり式 軸ばね方式 コイルばね 上下軸ばね 定数/軸箱 (空車時) (N/㎜) コイルばね 動台車 - 付随台車 ゴムばね 動台車 - 付随台車 総合 動台車 - 付随台車 軸距(㎜) 2 100 台車最大長さ(㎜) 3 014 車輪径(㎜) 860 基礎 ブレーキ 動台車 - 付随台車 片押し式ユニットブレーキ ブレーキ倍率 3 制輪子 動台車 - 付随台車 増粘着合成制輪子 ブレーキシリ ンダ×個数 動台車 - 付随台車 4 駆動方式 -

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1 形式図

写真

3 sustina

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見直しを図ることで、従来車の質量と比較して、トータル で 0.5 t の軽量化を図り、アルミニウム合金製構体と同等 の軽量化を実現している。 ・台枠、屋根構体:構体材料及び骨組配置の適正化。 ・ 妻構体:ビード付き外板材の採用によって、内部の骨 組を低減。 ・ 室内ぎ装の取付方法:つり溝を利用した構造に変える ことで内部の骨組を低減。 これらの軽量化によって、走行時の消費電力量を削減 口枠の表面とが、ほぼ同じ面となるように突き合わせ て並べ、枠の外周を連続溶接している(写真 5 参照)。 ・ 妻外板の組立:外板同士を突き合わせて、連続溶接で “せぎり”のない一枚の外板にしている(図 4 参照)。 ・ 妻ほろ枠部:妻外板と妻ほろ枠の外周とを重ね合わせ て、連続溶接している(図 4 参照)。 ・ 妻構体の取付:屋根構体及び側構体の折り曲げた外板 部分と妻構体外板とを重ね合わせた箇所を連続溶接で 取り付けている(図 4 参照)。 レーザによる連続溶接は、次のメリットがある。 a)メンテナンス性の向上 従来の抵抗スポット溶接構造で組み立てた車体外板は、 “せぎり”を設けて、重ね合わせたステンレス鋼板を点で 写真 5 レーザ溶接の適用箇所(側窓枠取付部) せぎり シーリング材 a)抵抗スポット溶接 b)レーザによる連続溶接 図 2 溶接構造の比較 図 4 レーザ溶接の適用箇所(妻構体) 図 3 レーザ溶接の適用箇所(側外板) 写真 4 Sustina と従来車の外板比較

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ナンス性も向上できる[図 2 の b)参照]。 b)外観デザインの向上 レーザによる連続溶接を採用することで、従来の抵抗ス ポット溶接構造で必要であった“せぎり”部をなくすことが でき、さらに、側窓及び側出入口部の周囲に設けた枠表面 をほぼ側外板の表面と同じにすることで、外観の凹凸が少 なくなり、これまでのステンレス車両のイメージを覆し、 フラットですっきりした外観デザインを実現できる。 2.3 車体断面 これまで、側構体の外側に張り出していた雨どいの構造 を見直して、側構体と屋根構体との結合構造を変更し、側 構体を台枠から垂直に立上げることとした。その結果、す っきりした外観デザインを実現しただけでなく、室内有効 スペースの増加が図られ、従来車よりも定員が 1 名増加し た(図 5 及び 6 参照)。 3 室内の特徴 3.1 室内安全性の向上 室内には、構体剛性向上及び車両の側面衝突時などの万 一の事故における乗客の安全性の向上を図るため、“内装 ロールバー構造”の補強を側出入口上部に設置した。この 補強は、インテリアデザインの観点も考慮したもので、左 右の側構体を天井付近で車体断面方向に連結する補剛材 (車体の剛性を補う部材)と荷棚受、スタンションポール (縦手すり)及び袖仕切とが融合するような連続的な曲線 でロールバー(Rollover bar)を構成して室内空間を保持 するため、衝突安全性の向上と内装デザインとの両立を実 現している(図 5、写真 6 及び写真 7 参照)。 3.2 室内ぎ装の簡略化 室内ぎ装は、次の構造を導入することで、製作工程の簡 略化及びコストの低減を図っている。 ・ 室内ぎ装の取付方法は、つり溝を利用したボルトナッ ト固定方式及びねじ座が動くフローティングボルト・ ナット方式を採用している。この結果、製作上の多少 のずれにも対応・調整ができるようになるとともに、 現車での穴開け作業を廃止して、車両内で切粉を発生 させるリスクを排除している(写真 8 及び 9 参照)。 ・ 風道及び天井部、妻部、配線関係などの主要な室内構 写真 8 及び写真 9 フローテイングボルト・ナット方式の施工例 写真 6 内装ロールバー構造の補剛材 写真 7 補剛材の取付部

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a) 屋根上機器配置 J 形 ち りこ し b) 床下機器配置 7 屋根上・床下機器配置

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8 付随台車 (TS1020A) 台車枠 車体支持装置 ブレ ー キ 配 管 ブレ ー キ 装 置 写真 10

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成要素は、極力モジュール化を図り、アウトワーク化 による現車作業の削減及びリードタイムの短縮を実現 している。 ・ 荷物棚上の側天井部は、車体全長に沿って開閉が可能 な点検ふた及び広告用のポスターレールの機能を一体 化した構造を採用し、側天井部の機器取付及び配線作 業を容易にするとともに、将来的な機器交換作業や配 線追加工事などへの対応についても考慮している(写 真 11 及び 12 参照)。 3.3 内装デザインの向上 内装デザインの向上を図るため、荷棚受・つり手棒受な どの大形の設備品を取り付けるねじの頭は、乗客からでき るだけ見えないように工夫をこらし、さらに、点検用ふた や非常通報器などの表面を内壁面とフラット化することに よって、シンプルですっきりとしたデザインとしている。 3.4 LED 式車内照明の採用 室内灯は、高輝度の直管形 LED 照明を採用し、従来の 蛍光灯照明と同等の明るさを保ちながら、消費電力量を約 40%削減するとともに、灯体の長寿命化によって、廃棄物 の削減にも寄与し、環境負荷の低減を図っている。また、 従来の蛍光灯を用いた中間車は、1 両当たり 24 灯を配置 しているが、高輝度 LED 照明の採用によって、2 灯減ら した 22 灯を配置することで、室内照度を落とすことな く、省エネルギー性に配慮するといった工夫も行ってい る。 3.5 ユニバーサルデザインへの対応 荷物棚は、ユニバーサルデザインにも配慮した構成とし た。従来車の荷物棚の高さは、床上面から 1 748 ㎜として いたが、この車両では、53 ㎜低くして、1 695 ㎜とするこ とで、高齢者のお客様や身長の低いお客様にも配慮してい る。 3.6 妻引戸装置の変更 従来車の妻引戸には、傾斜式(重力式)戸閉め装置を採用 していたが、傾斜式戸閉め装置は、妻引戸を開くときに、 扉本体が傾斜しながら上昇する構造のため、操作が重いと いう意見もあった。そのため、この車両では、ばねの巻取 力で作動する水平式の戸閉め装置を採用し、妻引戸の操作 性を向上している(図 9 参照)。 4 おわりに 東急電鉄では、今後も鉄道をご利用されるお客さまにと って魅力的であり、かつ、安全性の向上、製作コストの低 減、メンテナンス性の向上、省エネルギー性の向上などを 見据えた次世代車両の開発・導入に引続き取り組んでいき ます。 最 後 に、5050 系 5576 号 車 次 世 代 ス テ ン レ ス 車 両 “sustina”の製作・導入に当たり、多大なるご協力をいた だいた関係各位に対し、誌上を借りて改めて厚く御礼申し 上げます。 写真 11 荷物棚及び側天井部 写真 12 側天井部を開いた状態 図 9 水平式戸閉め装置

図 5 車体断面(赤色着色部は、内装ロールバー構造部を示す。)

参照

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