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「スウェーデン企業におけるワーク・ライフ・バランス調査 」報告書

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Academic year: 2021

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第 3章 ス ウ ェ ー デ ン 企 業 の 従 業 員 の 育 児 休 業 へ の 対 応

― 「 ス ウ ェ ー デ ン 企 業 に お け る ワ ー ク ・ ラ イ フ ・ バ ラ ン ス 調 査 」 か ら ―

第 3章 第 1節 調 査 の 目 的 ・ 方 法 ・ 時 期

1 . 調 査 の 目 的 少 子 化 対 策 の 柱 の 一 つ と し て 、国 際 的 に も 、ま た 、国 内 に お い て も ワ ー ク ・ラ イ フ ・ バ ラ ン ス( 仕 事 と 生 活 の 調 和1)が 重 要 で あ る と 言 わ れ て い る 。2004 年 12 月 に 取 り ま と め ら れ た「 少 子 化 社 会 対 策 大 綱 に 基 づ く 重 点 施 策 の 具 体 的 実 施 計 画 に つ い て 」で も 、 こ の 点 は 強 調 さ れ て お り 、2005 年 4 月 以 降 、 5 年 間 で 大 企 業 100% 、 中 小 企 業 25% が 次 世 代 育 成 支 援 対 策 推 進 法 に 基 づ く 一 般 事 業 主 行 動 計 画 を 策 定 す る と い う 目 標 値 が 設 定 さ れ て い る 。 他 方 で 、 わ が 国 の 経 営 者 の 中 に は ワ ー ク ・ ラ イ フ ・ バ ラ ン ス は 負 担 を 伴 う と い う 認 識 は 根 強 く 残 っ て お り 、 行 動 計 画 は 政 府 が そ の よ う に 決 め た か ら 策 定 す る と い う 消 極 的 な 姿 勢 の 企 業 も 少 な く な い 。 し か し な が ら 、 出 生 率 が 回 復 し て い る 欧 米 諸 国 で は 、 生 産 性 の 向 上 、 人 材 確 保 の 観 点 か ら 企 業 が 積 極 的 に ワ ー ク ・ ラ イ フ ・ バ ラ ン ス に 取 り 組 ん で い る 。そ の 中 で も ワ ー ク ・ ラ イ フ ・ バ ラ ン ス の 先 進 国 の 一 つ で あ る ス ウ ェ ー デ ン で は マ ク ロ 的 に み る と 高 負 担 に も か か わ ら ず 、 順 調 に 経 済 成 長 が 推 移 し て お り 、 ミ ク ロ 的 に み て も 、 国 際 的 に 活 動 す る 競 争 力 の 高 い 企 業 が 立 地 す る な ど 経 済 は 比 較 的 好 調 で あ る 。 ス ウ ェ ー デ ン の 企 業 で は 、 従 業 員 の 育 児 休 業 取 得 は 、 企 業 の 業 績 に 大 き な 支 障 は な い の か 、 な い と す る と ど の よ う な 仕 事 と 育 児 を 両 立 さ せ る 制 度・職 場 環 境 が 整 備 さ れ て い る の で あ ろ う か 。 上 記 の 点 を 解 明 す る た め 、 ス ウ ェ ー デ ン 企 業 ( 公 的 機 関 を 含 む ) お よ び 、 従 業 員 を 対 象 に ア ン ケ ー ト 調 査「 ス ウ ェ ー デ ン 企 業 に お け る ワ ー ク・ラ イ フ・バ ラ ン ス 調 査( 従 業 員 調 査 、 企 業 等 調 査 )」 を 行 な う こ と と し た 。 本 調 査 で は 、 次 の 3 つ の 点 を 目 的 と し て い る 。 第 一 に 、 高 い 出 生 率 と 高 生 産 性 を 実 現 し て い る ス ウ ェ ー デ ン に お い て 、 育 児 休 業 の 取 得 に 関 す る 企 業 お よ び 従 業 員 の 意 識 と 実 態 を 探 る 。こ こ で は 、育 児 休 業 の 取 得 状 況 、 取 得 に 対 す る 意 識 、 育 児 休 業 取 得 中 の 職 場 の 対 応 、 人 事 評 価 の 方 法 を 含 め た 人 事 労 務 管 理 制 度 、 公 的 機 関 と 民 間 営 利 企 業 の 相 違 等 に つ い て 取 り 上 げ る 。 第 二 に 、 育 児 休 業 と 企 業 利 益 と の 相 関 、 育 児 休 業 が 子 ど も 数 に 与 え る 影 響 な ど 、 育

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第 三 に 、 以 上 2 点 の 考 察 を 踏 ま え て 、 今 後 、 日 本 の 企 業 が ワ ー ク ・ ラ イ フ ・ バ ラ ン ス を 充 実 さ せ つ つ 、 同 時 に 経 済 成 長 し て い く た め の 日 本 の と る べ き 対 応 策 を 示 す 。 2 . 調 査 の 方 法 、 時 期 等 本 ア ン ケ ー ト 調 査 の 実 施 は 、Demoskop 社 に 委 託 し た2 調 査 に 先 立 ち 、2004 年 11 月 24 日 か ら 30 日 ま で の 7 日 間 に 、富 士 通 総 研 の 担 当 者 2 名 が ス ウ ェ ー デ ン お よ び フ ィ ン ラ ン ド の 10 企 業 に 対 し 、そ れ ぞ れ 約 1 時 間 の ヒ ア リ ン グ を 行 な っ た 。 ヒ ア リ ン グ で は 主 に 、 事 前 に 作 成 し た ア ン ケ ー ト 調 査 の 仮 説 お よ び 調 査 項 目 が ス ウ ェ ー デ ン の 実 情 に 照 ら し て 無 意 味 あ る い は 回 答 不 能 な も の に な っ て い な い か を 確 認 し た 。 そ れ を 踏 ま え て 、 本 調 査 の 質 問 項 目 を 再 検 討 し 、 巻 末 に 掲 載 し て い る 調 査 票 を 作 成 し た 。ま た 、ア ン ケ ー ト 調 査 を 実 施 中 の 2005 年 1 月 31 日 か ら 2 月 4 日 ま で の 5 日 間 に 、 同 じ く 富 士 通 総 研 の 担 当 者 2 名 が ス ウ ェ ー デ ン 調 査 会 社 を 訪 問 し 、 回 答 票 の チ ェ ッ ク を 行 な う と と も に 、 オ ン ブ ズ マ ン や 社 会 保 険 庁 な ど 政 府 機 関 の 担 当 者 に 対 し て 、 ヒ ア リ ン グ を 行 な っ た 。 本 章 で 引 用 し た 具 体 例 は い ず れ も ス ウ ェ ー デ ン に お い て の ヒ ア リ ン グ の 結 果 に 基 づ く も の で あ る 。 本 調 査 の 調 査 方 法 、 時 期 等 に つ い て は 、 下 記 の 仕 様 で 実 施 し て い る ( 図 表 3 - 1 -1 )。 ( 図 表 3-1-1) 本 調 査 の 調 査 方 法 等 項 目 内 容 調 査 地 ス ウ ェ ー デ ン 抽 出 方 法 Micromediabanken か ら の ラ ン ダ ム サ ン プ リ ン グ に よ っ て 調 査 対 象 者 を 抽 出 調 査 方 法 コ ン ピ ュ ー タ ー を 用 い た 電 話 ア ン ケ ー ト ( 注 ) 調 査 時 期 2005 年 1 月 企 業 等 調 査 民 間 企 業 お よ び 公 的 機 関 の 経 営 者 調 査 対 象 従 業 員 調 査 民 間 企 業 お よ び 公 的 機 関 の 従 業 員 企 業 等 調 査 507 デ ー タ 数 ( 調 査 完 了 者 数 ) 従 業 員 調 査 1000 回 収 状 況 上 記 デ ー タ 数 を 得 る ま で の 回 答 率 は 55.0% ( 注 )調 査 会 社 に よ れ ば 、コ ン ピ ュ ー タ ー を 用 い た 電 話 ア ン ケ ー ト は 同 国 で は 最 も 一 般 的 に 行 な わ れ て い る 調 査 方 法 で あ る こ と か ら 、電 話 ア ン ケ ー ト 法 を 採 用 し た( 郵 送 調 査 や W E B 調 査 は さ ほ ど 一 般 的 で は な い )。 2 富 士 通 総 研 が ス ウ ェ ー デ ン 産 業 連 盟 か ら「 企 業 調 査 の 経 験 が 豊 富 な 調 査 会 社 」と し て 紹 介 を 受 け た 。

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第 3 章 第 2 節 対 象 者 の 基 本 属 性

( 1 ) 企 業 等 調 査 本 調 査 に 回 答 し た 経 営 者 の 属 性 は 以 下 の と お り で あ る 。 本 調 査 は ス ウ ェ ー デ ン 国 内 の 企 業 ・ 機 関 の 分 布 に 照 ら し て 、 民 間 企 業 が 7 割 ( こ の う ち 50 人 ま で の 小 企 業 が 3 割 、50 人 以 上 の 中 堅 ・ 大 企 業 が 4 割 )、公 的 機 関 が 3 割 に 近 い 数 値 と な る よ う に 設 定 し た 。 ( イ ) 民 間 企 業 回 答 者 の 役 職 に つ い て は 、 社 長/CEO が 36.3% 、 人 事 管 理 者 が 37.4% 、 そ の 他 の 管 理 者 が 18.1% で あ っ た ( 図 表 3-2-1)。 企 業 の 業 種 は 、 製 造 業 が 43.0% を 占 め 、 次 い で サ ー ビ ス 業 が 34.4% 、 卸 売 /小 売 が 17.6% で あ っ た ( 図 表 3-2-2)。 図表3-2-1 役職(民間企業雇用主のみ) 36.3 37.4 18.1 8.2 0 20 40 60 80 100 % 社長/CEO 人事管理者 その他の管理者 その他 【企業等調査】

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図表3-2-2 業種(民間企業雇用主のみ) 32.8 10.2 34.4 5.0 17.6 0 20 40 60 80 100 % 製造(機械) 製造(機械以外) サービス 金融 卸売/小売 【企業等調査】 企 業 の 所 有 形 態 は 、79.4% が 個 人 所 有 で あ り 、 株 式 会 社 は 20.6% に 過 ぎ な い ( 図 表 3-2-3)。企 業 の 資 本 は 、75.2% が ス ウ ェ ー デ ン 資 本 で 、外 国 資 本 は 24.8% で あ っ た( 図 表 3-2-4)。 従 業 員 数 で み る と 、「50 人 未 満 」の 企 業 が 47.0% を 占 め 、「51− 100 人 」が 22.6% 、 「101− 200 人 」 が 13.3% 、「 201 人 以 上 」 の 大 企 業 は 17.0% で あ っ た ( 図 表 3-2-5)。 図表3-2-3 会社の所有形態(民間企業雇用主のみ) 20.6 79.4 0 20 40 60 80 100 % 株式会社 個人所有 【企業等調査】 図表3-2-4 会社の資本(民間企業雇用主のみ) 75.2 24.8 0 20 40 60 80 100 スウェーデン資本 外国資本 【企業等調査】

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図表3-2-5 従業員数(民間企業雇用主のみ) 7.6 39.4 22.6 13.3 17.0 0 20 40 60 80 100 % 10人以下 11∼50人 51∼100人 101∼200人 201人以上 【企業等調査】 役 員 に つ い て は 、民 間 企 業 の 36.8% で 女 性 の 役 員 が 1 人 も い な い 状 況 と な っ て い る 。 2 人 以 上 の 男 性 役 員 が い る 企 業 は 約 8 割 あ る の に 対 し 、 2 人 以 上 の 女 性 役 員 が い る 企 業 は 3 割 強 と 大 き な 差 が あ る ( 図 表 3-2-6)。 過 去 数 年 間 の 企 業 の 事 業 収 入 の 推 移 に つ い て 聞 い た と こ ろ 、70.6% の 企 業 が 増 加 傾 向 に あ り 、 減 少 傾 向 の 企 業 は 10.2% に と ど ま っ て い る ( 図 表 3-2-7)。 同 様 に 、 過 去 数 年 間 の 企 業 の 経 常 利 益1の 推 移 に つ い て は 、59.6% の 企 業 は 、「 利 益 が 増 加 し て い る 」と 回 答 し て お り 、減 少 傾 向 の 企 業 は 14.1% と な っ て い る( 図 表 3-2-8)。 15.7 27.6 16.0 13.2 10.8 15.0 6.8 9.0 11.1 36.8 2.0 4.3 1.7 10.5 2.3 9.6 4.6 2.6 0 20 40 60 80 100 男性 女性 % 0人 1人 2人 3人 4人 5人 6∼10人 11∼20人 21人以上 図表3-2-6 役員の人数(民間企業雇用主のみ、性別) 【企業等調査】

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10.2 19.2 70.6 0 20 40 60 80 100 減少している 変化なし 増加している 図表3-2-7 過去数年間の事業収入の推移(民間企業雇用主のみ) 【企業等調査】 14.1 26.3 59.6 0 20 40 60 80 100 減少している 変化なし 増加している 図表3-2-8 過去数年間の経常利益の推移(民間企業雇用主のみ) 【企業等調査】 ( ロ ) 公 的 機 関 公 的 機 関 の 規 模 は 、 民 間 企 業 と 比 べ る と 小 規 模 の と こ ろ が 多 い 。33.8% が 10 人 以 下 の 小 規 模 機 関 で 、101 人 以 上 の 大 規 模 機 関 は 22.7% に 過 ぎ な い ( 図 表 3-2-9)。 公 的 機 関 の う ち 、女 性 の 幹 部 が 1 人 以 上 い る と の 回 答 は 84.9% と な っ て い る 。こ れ に 対 し て 、男 性 の 幹 部 が 1 人 以 上 い る と 回 答 し て い る 公 的 機 関 は 75.0% で あ る 。民 間 企 業 と 比 べ て 、 公 的 機 関 内 で は 幹 部 と し て も 女 性 の 進 出 が 進 ん で い る こ と が わ か る ( 図 表 3-2-10)。

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図表3-2-9 職員数(公的機関の責任者のみ) 33.8 31.1 12.2 7.8 14.9 0 20 40 60 80 100 % 10人以下 11∼50人 51∼100人 101∼200人 201人以上 【企業等調査】 25.0 29.6 36.2 12.5 11.2 10.5 5.3 5.3 8.6 7.2 15.1 0.7 6.6 5.9 5.3 5.3 2.6 7.2 0 20 40 60 80 100 男性 女性 % 0人 1人 2人 3人 4人 5人 6∼10人 11∼20人 21人以上 図表3-2-10 幹部職員の人数(公的機関の責任者のみ、性別) 【企業等調査】

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( 2 ) 従 業 員 調 査 回 答 者 の 男 女 比 率 は 、 や や 女 性 の ほ う が 多 い ( 図 表 3-2-11)。 年 齢 は 「 30 歳 代 」 が 27.5% で 最 も 高 く 、「40 歳 代 」の 25.6% 、「50 歳 代 」の 23.1% 、「20 歳 代 」の 14.7% 、 「60 歳 代 」 の 9.2% が 続 き 、「 30 歳 代 」 を ピ ー ク に 分 布 し て い る ( 図 表 3-2-12)。 職 業 に 関 し て は 、ブ ル ー カ ラ ー が 49.5% 、ホ ワ イ ト カ ラ ー は 37.6% 、中 間 管 理 職 は 10.2% 、 役 員 は 2.6% と な っ て い る ( 図 表 3-2-13)。 図表3-2-11 従業員の性別 43.4 56.6 0 20 40 60 80 100 % 男性 女性 【従業員調査】 14.7 27.5 25.6 23.1 9.2 0 20 40 60 80 100 % 20歳代 30歳代 40歳代 50歳代 60歳代 図表3-2-12 従業員の年齢 【従業員調査】 図表3-2-13 職業 2.610.2 37.6 49.5 0 20 40 60 80 100 % 役員 中間管理職 ホワイトカラー ブルーカラー 【従業員調査】

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就 業 先 を み る と 、 回 答 者 の ほ ぼ 半 数 ず つ が 民 間 企 業 、 公 的 機 関 で 就 業 し 、 非 営 利 団 体 2.2% と な っ て い る ( 図 表 3-2-14)。 民 間 企 業 で 働 く 人 の 業 種 を み る と 企 業 等 調 査 と 同 様 に 、 製 造 業 、 サ ー ビ ス 業 が そ れ ぞ れ 約 3 割 と 多 く 、 小 売 ・ 卸 売 業 が 15.7%と な っ て い る ( 図 表 3-2-15) 職 種 は 、サ ー ビ ス 職 が 39.5%と 最 も 多 く 、次 い で 生 産・製 造 職 14.0% 、管 理 職 9.2 % 、 研 究 ・ 分 析 ・ 調 査 6.5% 、 販 売 ・ 営 業 職 6.1% の 順 と な っ て い る ( 図 表 3-2-16)。 通 常 の 一 週 間 の 労 働 時 間 は 、40 時 間 以 上 と の 回 答 が 61.6% と 最 も 多 い( 図 表 3-2-17)。 図表3-2-14 就業先 50.3 12.0 35.5 2.2 0 20 40 60 80 100 % 民間企業 国レベルの公的機関 地方レベル公的機関 非営利団体 【従業員調査】 22.2 7.5 30.8 3.3 15.7 20.6 0 20 40 60 80 100 % 製造 (機械) 製造(機械以外) サービス 金融 小売&卸売 その他 図表3-2-15 業種(民間企業と回答した人に対して) 【従業員調査】

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7.0 14.0 39.5 6.1 6.5 9.2 17.6 0 20 40 60 80 100 % 経営 生産/製造 サービス 販売・営業 研究・分析・調査など 管理 その他 図表3-2-16 職種(民間企業と回答した人に対して) 【従業員調査】 図表3-2-17 週の労働時間 9.4 26.9 61.6 2.0 0 20 40 60 80 100 % 1∼19時間 20∼29時間 30∼39時間 40時間以上 【従業員調査】 家 族 構 成 を み る と 、「 結 婚 し て い る 」 人 が 46.7%と 最 も 多 く 、 次 い で 「 独 身 ・ 一 人 暮 ら し 」、「 結 婚 は し て い な い が パ ー ト ナ ー と 住 ん で い る 」 が そ れ ぞ れ 26.6%、 25.8% で あ っ た ( 図 表 3-2-18)。 子 ど も の 数2は 、2 人 が 36.7%と 最 も 多 く 、次 い で 子 ど も が い な い 人 が 25.8%、1 人 、 3 人 が そ れ ぞ れ 約 16%で あ る ( 図 表 3-2-19)。 2 子 ど も は 血 縁 関 係 の あ る 自 分 の 子 ど も の 他 、 ス テ ッ プ フ ァ ミ リ ー で あ る 場 合 の パ ー ト ナ ー の 子 ど も を 含 ん で い る 。

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図表3-2-18 家族構成 26.6 46.7 25.8 0.9 0 20 40 60 80 100 % 独身、一人暮らし 独身、家族と同居 結婚している 結婚はしていないが、パートナーと住んでいる 【従業員調査】 図表3-2-19 子どもの数 25.8 16.6 36.7 16.5 4.4 0 20 40 60 80 100 % 子供がいない 1人 2人 3人 4人以上 平均 1.6人 【従業員調査】 最 終 学 歴 は 、 後 期 中 等 教 育 ( 日 本 の 高 等 学 校 に 相 当 ) 卒 が 46.9%と 最 も 多 く 、 次 い で 大 学 卒 が 36.4%、 中 学 校 卒 15.3%、 大 学 院 卒 1.4% で あ る ( 図 表 3-2-20)。 去 年 の 家 族 全 体 の 収 入 は 、「250,000-399,000 ク ロ ー ナ (約 3,750,000-5,999,000 円 )」、 「400,000 ク ロ ー ナ 以 上 ( 約 6,000,000 円 以 上 )」 が そ れ ぞ れ 約 4 割 を 占 め 、 249,000 ク ロ ー ナ ( 約 3,749,000 円 以 下 ) が 2 割 弱 で あ る ( 図 表 3-2-21)。 結 婚 し て い る 相 手 、 も し く は パ ー ト ナ ー と 同 居 し て い る 人 に 、 パ ー ト ナ ー と の 収 入 の 高 低 を 聞 い た と こ ろ 、「 パ ー ト ナ ー よ り も 収 入 が 高 い 人 」の 割 合 は 、男 性 で は 72.0% で あ る の に 対 し 、 女 性 で は 21.8% で あ る 。 ま た 、「 パ ー ト ナ ー と ほ ぼ 同 額 の 人 」 の 割 16.0%、 女 性 で は 22.0% 、「 パ ー ト ナ ー よ り も 収 入 が 低 い 人 」 の 割 合

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図表3-2-20 最終学歴 15.3 46.9 36.4 1.4 0 20 40 60 80 100 % 中学校卒 後期中等教育(高等学校に相当)卒 大学卒 大学院卒 【従業員調査】 図表3-2-21 家族収入 18.1 41.4 40.5 0 20 40 60 80 100 %

25万SEK未満 25万SEK以上40万SEK未満 40万SEK以上 【従業員調査】 図表3-2-22 パートナーとの収入の高低(結婚している、もしくはパー トナーと同居しているを選択した場合)(性別) 33.3 6.8 38.7 15.0 16.0 22.0 10.7 37.8 1.3 18.4 0 20 40 60 80 100 男性 女性 % あなたの収入はパートナーの収入よりもかなり多い あなたの収入はパートナーの収入よりも多い あなたの収入とパートナーの収入はほぼ同じぐらいである パートナーの収入の方があなたの収入よりも多い パートナーの収入の方があなたの収入よりもかなり多い 【従業員調査】

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第 3 章 第 3 節 育 児 休 業 の 取 得 状 況

( 1 ) 子 ど も の 有 無 、 人 数 ( 従 業 員 調 査 ) 子 ど も の 有 無 お よ び 人 数 に つ い て 分 析 す る 。回 答 者 の う ち 、「 子 ど も が い な い 」と 回 答 し た 者 の 割 合 は 女 性 で 20.4% 、 男 性 で 32.7% で あ っ た 。 ま た 、 平 均 子 ど も 数 は 女 性 1.7 人 、 男 性 1.5 人 で あ っ た ( 図 表3-3-1)。 勤 務 先 の 経 営 形 態 別 に み る と 、子 ど も が い な い 回 答 者 は 、民 間 企 業 28.0% 、公 的 機 関 22.8% 、 非 営 利 団 体 36.4% と な っ て お り 、非 営 利 団 体 で は 子 ど も の い な い 割 合 が や や 多 い 。民 間 企 業 と 公 的 機 関 で は「 2 人 」の 割 合 が 最 も 多 く 、民 間 企 業 33.5% 、公 的 機 関 40.3% と な っ て い る 。公 的 機 関 に 勤 務 す る 従 業 員 の 平 均 子 ど も の 数 は 1.7 人 で あ り 、 民 間 企 業 1.5 人 、 非 営 利 団 体 1.5 人 と 比 べ て や や 多 く な っ て い る ( 図 表 3-3-2)。 図表3-3-1 子どもの有無と人数(回答者の性別) 32.7 20.4 15.2 17.7 30.4 41.5 17.7 15.6 3.9 4.8 0 20 40 60 80 100 %

子供がいない

1人

2人

3人

4人以上

女性 男性 平均 1.5人 1.7人 【従業員調査】 13.6 14.7 27.3 40.3 33.5 17.5 36.4 22.8 28.0 18.7 16.2 13.6 3.6 4.7 9 非営利団体 公的機関 民間企業 問3-3-2 子どもの有無と人数(経営形態別) 平均 1.5人 1.5人 1.7人 【従業員調査】

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子 ど も の 有 無 と 人 数 を 役 職 別 に み る と 、子 ど も が い る 人 の 割 合 が 、役 員 84.6% 、中 間 管 理 職 80.2% 、 ホ ワ イ ト カ ラ ー 76.3% 、 ブ ル ー カ ラ ー 71.0% と な っ て お り 、 い ず れ の 役 職 で も 子 ど も を 持 っ て い る 人 が 大 多 数 を 占 め る 。い ず れ の 役 職 で も「 2 人 」の 割 合 が 最 も 多 く 、役 員50.0% 、 中 間 管 理 職 43.6% 、 ホ ワ イ ト カ ラ ー 38.4% 、 ブ ル ー カ ラ ー 33.3% と な っ て い る ( 図 表 3-3-3)。 15.9 18.5 33.3 38.4 43.6 16.1 15.4 19.8 23.7 29.0 7.7 15.8 50.0 16.7 14.9 23.1 5.1 3.3 6.0 3.8 0 20 40 60 80 100 ブルーカラー ホワイトカラー 中間管理職 役員 % なし 1人 2人 3人 4人以上 平均 1.9人 1.7人 1.6人 1.5人 図表3-3-3 子どもの有無と人数(役職別) 【従業員調査】 ( 2 ) 育 児 休 業 の 取 得 状 況 ( イ ) 育 児 休 業 の 取 得 率 ( 従 業 員 調 査 ) 前 章 で 述 べ た よ う に 、ス ウ ェ ー デ ン の 育 児 休 業 制 度 は 、導 入 か ら 30 年 以 上 も 経 過 し て い る 。 従 業 員 調 査 で 、子 ど も が い る 従 業 員 の う ち 育 児 休 業 を 取 得 す る 権 利 が あ っ た 者 の 割 合 を み る と 、 男 性 96.2% 、 女 性 98.7% と な っ て お り 、 大 多 数 が 育 児 休 業を 取 得 す る 権 利 を 持 っ て い た 。 そ こ で 、育 児 休 業 を 取 得 す る 権 利 が あ っ た 者 の 中 で 、実 際 の 育 児 休 業 の 取 得 状 況 を 分 析 す る 。 育 児 休 業 を 取 得 し た 子 ど も の 数 ( 何 人 の 子 ど も の た め に 育 児 休 業 を 取 得 し た か ) が ゼ ロ 、 す な わ ち こ れ ま で ま っ た く 育 児 休 業 を 取 得 し な か っ た 人 の 割 合 は 、男 性 で 21.7% 、女 性 で 13.1% に と ど ま る 。「 2 人 以 上 の 子 ど も 」 の た め に 育 児 休 業 を 取 得 し た 人 の 割 合 は 男 性 で 49.5% 、 女 性 で 62.5% と な っ て い る ( 図 表 3-3-4)。 勤 務 先 の 経 営 形 態 別 に 育 児 休 業 を 取 得 し た 人 の 割 合 を み る と 、 女 性 で は 約 8 割 ∼ 9 割 、 男 性 で は 約 8 割 の 取 得 率 と な っ て お り 、 大 き な 差 は な い( 図 表 3-3-5)。ま た 、役 職 別 に 育 児 休 業 を 取 得 し た 人 の 割 合 を み て も 、 や は り 大 き な 差 は な い ( 図 表 3-3-6)。

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13.1 21.7 24.4 28.8 44.5 32.0 14.7 14.6 3.4 2.8 0% 20% 40% 60% 80% 100% 女性 男性 0人 1人 2人 3人 4人以上 図表3-3-4 育児休業を取得した子どもの数(何人の子どものために、 育児休業を取得したか)(回答者の性別) 平均 1.5人 1.7人 取得していない 取得した 【従業員調査】 80.0 75.7 79.2 75.0 89.3 84.0 0 20 40 60 80 100 非営利団体 公的機関 民間企業 非営利団体 公的機関 民間企業 男性 女 性 % 図表3-3-5 育児休業を取得した人の割合(性別・経営形態別) 【従業員調査】 76.7 79.5 78.7 90.9 83.4 90.1 87.5 90.9 ブルーカラー ホワイトカラー 中間管理職 役員 ブルーカラー ホワイトカラー 中間管理職 役員 男性 女 性 図表3-3-6 育児休業を取得した人の割合(性別・役職別) 【従業員調査】

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次 に 、職 種 別 に 育 児 休 業 の 取 得 率 を み る と 、い ず れ の 職 種 に お い て も 7 割 以 上 と い う 高 い 割 合 を 示 し て い る 。 ま た 、 男 女 間 で も 大 き な 差 は な い ( 図 表 3-3-7 )。 83.3 88.2 72.2 85.7 80.6 73.7 72.7 91.5 92.0 100.0 75.0 83.4 73.9 100.0 0 20 40 60 80 100 その他 管理 研究・分析・調査 販売・営業 サービス 生産・製造 経営 その他 管理 研究・分析・調査 販売・営業 サービス 生産・製造 経営 男性 女 性 % 図表3-3-7 育児休業を取得した人の割合(職種別) 【従業員調査】

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( ロ ) 育 児 休 業 の 取 得 期 間 ( 企 業 等 調 査 ) 育 児 休 業 の 取 得 期 間 は 性 別・官 民 別 で み る と 、女 性 で は 、民 間 企 業 と 公 的 機 関 と の 間 で 差 は ほ と ん ど な く 、民 間 企 業 と 公 的 機 関 と も に 、約 7 割 の 女 性 が 1 年 以 上 育 児 休 業 を 取 得 し て い る 。 半 年 以 上 取 得 し て い る 女 性 は 、 約 9 割 に 上 る 。 男 性 の 場 合 は 、 取 得 期 間 が 半 年 以 下 で あ る 場 合 が 大 多 数 で あ る 。半 年 以 上 取 得 し て い る 男 性 は 、民 間 企 業 で 1 割 強 、公 的 機 関 で 2 割 強 で あ る 。 ま た 男 性 で は 、 公 的 機 関 の 方 が 民 間 企 業 よ り も 育 児 休 業 取 得 期 間 が 長 い 傾 向 が 見 ら れ る(図 表 3-3-8)。 ま た 、性 別 ・役 職 別 に 見 る と 同 じ 性 別 の 中 で は 、役 職 に よ る 差 は 大 き く な い 。女 性 で は い ず れ の 役 職 で も 1 年 以 上 取 得 す る 人 が 最 も 多 い が 、 そ の 割 合 は 管 理 職 に つ い て 就 い て い な い 従 業 員 の 方 が 長 い 傾 向 が あ る(図 表 3-3-9)。 6.0 70.1 69.4 16.4 11.6 20.6 22.1 38.8 30.2 6.2 19.4 19.4 1.4 2.7 22.9 1.0 1.6 33.9 2.1 4.3 0% 20% 40% 60% 80% 100% 公的機関 民間企業 公的機関 民間企業 男性 女性 1年以上 6-11ヶ月 3-5ヶ月 2ヶ月 1ヶ月 1年以上 6-11ヶ月 3-5ヶ月 2ヶ月 1ヶ月 図 表 3-3-8 育 児 休 業 の 取 得 期 間 ( 性 別 ・ 官 民 別 ) 【 企 業 等 調 査 】

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74.4 67.1 58.3 13.6 10.8 8.7 18.3 23.3 31.0 30.6 33.3 26.8 21.7 24.2 23.9 33.6 30.0 37.7 0.4 1.7 2.9 3.2 1.4 2.4 1.4 2.7 1.2 2.7 5.5 7.1 0% 20% 40% 60% 80% 100% その他の男性社員 男性中間管理職 男性役員 その他の女性社員 女性中間管理職 女性役員 民間企業 1年以上 6-11ヶ月 3-5ヶ月 2ヶ月 1ヶ月 1年以上 6-11ヶ月 3-5ヶ月 2ヶ月 ( ハ ) パ ー ト ナ ー の 取 得 割 合 ( 従 業 員 調 査 ) 従 業 員 の パ ー ト ナ ー の 育 児 休 業 の 取 得 状 況 を み る と 、 女 性 の 取 得 率 ( 取 得 日 数 / 取 得 権 利 の あ る 日 数 ) が 圧 倒 的 に 高 い こ と が 分 か る 。 男 性 の パ ー ト ナ ー (=女 性 ) の 8 割 近 く が 、 70% 以 上 育 児 休 業 を 取 得 し て い る の に 対 し て 、 女 性 の パ ー ト ナ ー (=男 性 ) で は 2 割 弱 し か 70% 以 上 育 児 休 業 を 取 得 し て い な い 。な お 、女 性 の パ ー ト ナ ー で は 、半 数 近 く が 10% 以 下 し か 取 得 し て い な い ( 図 表 3-3-10)。 図表3-3-10 パートナーの育児休業取得割合(性別) 38.8 16.9 39.9 13.1 9.1 19.5 46.3 2.3 5.9 3.8 2.2 2.2 0 20 40 60 80 100 男性 女性 % ほぼ100% 70∼89% 50∼69% 30∼49% 10∼29% 10%以下 【従業員調査】 図 表 3-3-9 育 児 休 業 の 取 得 期 間 ( 性 別 ・ 役 職 別 ) 【 企 業 等 調 査 】

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( ニ ) 育 児 休 業 の 取 得 回 数 ( 従 業 員 調 査 ) 前 章 で 述 べ た よ う に 、ス ウ ェ ー デ ン で は 、育 児 休 業 を 分 割 し て 取 る こ と が 可 能 と な っ て い る 。 そ こ で 、子 ど も の い る 人 に 、育 児 休 業 を 取 得 し た 回 数 を 聞 い た と こ ろ 、「 2 回 」が 43.6%と 最 も 多 く 、次 い で「 1 回 」が 29.7% 、「 3 回 」が 16.1%、「 4 回 」が 4.0% 、5 回 以 上 が 6.6%と な っ て お り 、 子 ど も の 数 が 女 性 平 均 1.7 人 、 男 性 平 均 1.5 人 で あ っ た こ と を 考 え る と 、 数 回 に 分 け て 取 得 す る 傾 向 が う か が わ れ る ( 図 表 3-3-11)。 図表3-3-11 育児休業の取得回数 29.7 43.6 16.1 6.6 4.0 0 20 40 60 80 100 % 1回 2回 3回 4回 5回以上 【従業員調査】 ( 3 ) 取 得 に 関 す る 意 識 ( 従 業 員調 査) ( イ ) 取 得 に 対 す る 不 安 従 業 員 の 育 児 休 業 を 取 得 す る こ と へ の 不 安 を 聞 い た と こ ろ 、9 割 以 上 が「 不 安 が な い 」と 回 答 し て お り 、 ほ と ん ど の 従 業 員 が 育 児 休 業 を 取 得 す る こ と に 対 す る 不 安 を 抱 い て い な い こ と が 分 か っ た 。 ま た 、 男 女 差 も ほ と ん ど な い ( 図 表3-3-12)。 役 職 別 に み る と 、 ブ ル ー カ ラ ー 、 ホ ワ イ ト カ ラ ー 、 役 員 、 中 間 管 理 職 い ず れ も 不 安 を 感 じ る 割 合 は 10% 前 後 と 大 差 な い ( 図 表 3-3-13)。 経 営 形 態 別 に は 、 非 営 利 団 体 で は 不 安 を 感 じ る と い う 回 答 は な く 、 民 間 企 業 、 公 的 機 関 で は 6 ∼ 7 % の 人 が 不 安 を 感 じ て い る ( 図 表 3-3-14)。 育 児 休 業 を 取 得 す る こ と に 不 安 を 感 じ て い る 人 は 少 な い も の の 、 そ の 不 安 の 理 由 を み る と 、 「 技 術 的 進 歩 に 遅 れ を と る た め 」 が 25.5% 、「 昇 進 が 遅 れ る た め 」 が 17.0% と 多 く 、 仕 事 上 で 遅 れ を と る こ と に 対 す る 不 安 が 大 き い 。そ の 他 の 理 由 と し て は 、「 子 ど も が 小 さ い と き は 仕 事 と 家 庭 の 両 立 が 難 し い た め 」 は 、17.0% で あ っ た ( 図 表 3-3-15)。

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7.2 6.2 6.6 92.8 93.8 93.4 0 20 40 60 80 100 男性 女性 総数 % はい いいえ 図表3-3-12 「育児休業」取得への不安(性別) 【従業員調査】 4.6 7.7 11.1 9.1 95.4 92.3 88.9 90.9 0 20 40 60 80 100 ブルーカラー ホワイトカラー 中間管理職 役員 % はい いいえ 図表3-3-13 「育児休業」取得への不安(役職別) 【従業員調査】 6.7 7.0 100.0 93.3 93.0 0 20 40 60 80 100 非営利団体 公的機関 民間企業 % はい いいえ 図表3-3-14 「育児休業」取得への不安(経営形態別) 【従業員調査】

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48.9 10.6 10.6 17.0 17.0 25.5 0 20 40 60 その他 代替従業員の方が自分よりも 高い能力をもっているかもし その他の育児休業を取らない 従業員(同僚)のほうが早く昇 子供が小さいときは仕事と家 庭の両立が難しいため 昇進が遅れるため 技術的進歩に遅れをとるため 図表3-3-15 (育児休暇を取得することに不安はあると回答した場 合)不安をもっている理由(複数回答、N=47) % 【従業員調査】 ( 4 ) ス ピ ー ド プ レ ミ ア ム の 取 得 状 況 ( 従 業 員 調 査 ) 前 章 で 述 べ た よ う に 、 2 年 6 ヶ 月 以 内 に 次 の 子 ど も が 生 ま れ た 場 合 、 先 の 子 の 休 業 直 前 の 所 得 の 8 割 が 、 育 児 休 業 中 に 再 び 補 償 さ れ る 「 ス ピ ー ド プ レ ミ ア ム 」 と い う 制 度 が あ る 。 ス ピ ー ド プ レ ミ ア ム が「 2 年 以 内 」と な っ た の は 1980 年 で あ り 、比 較 的 新 し い 制 度 で あ る 。た だ し 、 前 述 の と お り 従 業 員 調 査 の 回 答 者 は 、20 歳 代 ∼ 50 歳 代 が 90.8%( 女 性 の 中 で は 90.0% )で あ る た め 、 大 半 の 回 答 者 が ス ピ ー ド プ レ ミ ア ム の 利 用 が 可 能 な 年 齢 と 考 え ら れ る 。 そ こ で 以 下 で は 、 子 ど も が 2 人 又 は 3 人 以 上 い る 従 業 員 全 体 に 対 し て 分 析 を 行 な う 。 「 ス ピ ー ド プ レ ミ ア ム 」を 利 用 し た 人 は 24.0%に 過 ぎ な い 。「 ス ピ ー ド プ レ ミ ア ム」は 、男 女 と も に 取 得 が 可 能 で あ る が 、 性 別 に み る と 男 女 関 係 な く 取 得 さ れ て い る ( 図 表 3-3-16)。 役 職 別 に み る と 、 役 員 の 利 用 は な く 、 中 間 管 理 職 の 利 用 率 も 2 割 で あ る ( 図 表 3-3-17)。 経 営 形 態 別 に み る と 、 非 営 利 団 体 で 利 用 率 が 高 い ( 図 表3-3-18) ま た 、ス ピ ー ド プ レ ミ ア ム の 利 用 回 数 を 聞 い た と こ ろ 、1 回 が 約 7 割 を 占 め て い る も の の 、2 回 利 用 し て い る 者 が 2 割 強 、 3 回 以 上 利 用 し て い る 者 も 約 1 割 い る ( 図 表 3-3-19)。

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20.5 26.1 24.0 79.5 73.9 76.0 0 20 40 60 80 100 % はい いいえ そ 総数 女性 男性 図表3-3-16 「スピードプレミアム」利用の有無  (子どもが2人又は3人以上いる場合)(性別) 【従業員調査】 25.9 25.3 20.0 0.0 74.1 74.7 80.0 100.0 0% 20% 40% 60% 80% 100% ブルーカラー ホワイトカラー 中間管理職 役員 はい いいえ 【従業員調査】 図表3-3-17 「スピードプレミアム」利用の有無 (子どもが2人又は3人以上いる場合)(役職別) 23.0 24.8 37.5 77.0 75.2 62.5 0 20 40 60 80 100 非営利団体 公的機関 民間企業 はい いいえ % 図表3-3-18 「スピードプレミアム」利用の有無  (子どもが2人又は3人以上いる場合)(経営形態別) 【従業員調査】

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図表3-3-19「スピードプレミアム」利用回数  (子どもが2人又は3人以上いる場合) 69.2 21.5 9.4 0 20 40 60 80 100 % 1回 2回 3回以上 【従業員調査】 ( 5 ) 従 業 員 ・ 企 業 経 営 者 の 取 得 を め ぐ る 意 識 ( 企 業 等 調 査 ) 育 児 休 業 を 取 得 す る こ と に 対 し て 、「 非 常 に 肯 定 的 」、「 肯 定 的 」と す る 従 業 員 の 合 計 は 、ど の 役 職 で も 大 き な 差 は な く 、 い ず れ も 9 割 以 上 で あ る と 企 業 ・ 機 関 は と ら え て い る 。 特 に 女 性 従 業 員 の 育 児 休 業 取 得 に 対 す る 評 価 は 高 い と と ら え ら れ て い る ( 図 表 3-3-20)。 経 営 形 態 別 に み て も 、 い ず れ に お い て も 「 肯 定 的 」 な 回 答 が 9 割 以 上 を 占 め て い る ( 図 表 3-3-21)。 図表3-3-20 育児休業取得に対する評価(役職別) 19.9 35.1 23.2 25.3 74.5 63.8 70.8 68.6 5.2 1.0 5.2 5.4 0.4 0.0 0.8 0 20 40 60 80 100 男性従業員 女性従業員 中間管理職 役員 % 非常に肯定的 肯定的 否定的 非常に否定的 【企業等調査】

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17.2 26.7 33.8 38.0 20.6 30.3 21.0 35.4 75.6 71.8 64.7 62.0 72.0 67.4 72.2 60.4 7.0 6.9 0.8 1.1 6.3 2.8 1.5 0.0 0.4 1.1 0.6 1.4 0.8 0.3 0 20 40 60 80 100 男性従業員(民間企業) 男性従業員(公的機関) 女性従業員(民間企業) 女性従業員(公的機関) 中間管理職(民間企業) 中間管理職(公的機関) 役員(民間企業) 役員(公的機関) % 非常に肯定的 肯定的 否定的 非常に否定的 図表3-3-21 育児休業取得に対する評価(役職別、経営形態別) 【企業等調査】 ( 6 ) 取 得 目 標 の 設 定 ( 企 業 等 調 査 ) 育 児 休 業 を 取 得 す る 権 利 を 有 す る 従 業 員 の う ち 、 実 際 に 何 % が 育 児 休 業 を 取 得 す る か に つ い て 目 標 を 設 定 し て い る 企 業 は 1 割 未 満 で あ る 。 育 児 休 業 を 取 得 す る 場 合 が 大 多 数 で あ る た め 、 目 標 を 設 定 す る 必 要 性 を 企 業 が 感 じ て い な い と 推 測 さ れ る ( 図 表 3-3-22)。 9.3 90.7 0 20 40 60 80 100 % はい いいえ 図表3-3-22 育児休業の取得目標の有無 【企業等調査】

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第 3 章 第 4 節 育 児 休 業 取 得 に 対 す る 職 場 の 雰 囲 気

( 1 ) 就 労 状 況 が 出 産 計 画 に 与 え る 影 響 ( 従 業 員 調 査 ) 子 ど も の い る 女 性 に 対 し て 、 自 身 の 職 場 状 況 が 出 産 時 期 に 影 響 を 与 え た か ど う か に つ い て 聞 い た と こ ろ 、影 響 が あ っ た と 回 答 し た 人 は 10.2% で 、職 場 状 況 が 出 産 時 期 に 影 響 を 与 え る こ と は 少 な い ( 図 表 3-4-1)。 10.2 89.8 0 20 40 60 80 100 % はい いいえ 図表3-4-1 職場状況による出産時期の影響の有無 (子どものいる女性のみ) 【従業員調査】 ( 2 ) 育 児 休 業 の 取 得 に よ る 同 僚 や 雇 用 主 と の 人 間 関 係 上 の 困 難 ( 従 業 員 調 査 ) 育 児 休 業 を 取 得 す る こ と で 子 ど も を 持 つ 女 性 が 同 僚 や 雇 用 主 と の 間 で 人 間 関 係 上 の 困 難 に つ い て は 、困 難 は な か っ た と い う 人 が 87.9% と 大 多 数 で あ っ た 。困 難 が あ っ た と い う 人 の 中 で は 、 同 僚 か ら よ り も 雇 用 主 と の 間 で 感 じ る 人 の 方 が 多 い ( 図 表 3-4-2)。 87.9 9.9 3.2 0 20 40 60 80 100 % はい、同僚との間で 図表3-4-2 育児休業取得による同僚や雇用主との人間関係上での困難 の有無(複数回答可) はい、雇用主との間で いいえ 【従業員調査】

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( 3 ) 同 僚 か ら の 不 満 、 同 僚 に 対 す る 不 満 ( 従 業 員 調 査 ) ( イ ) 同 僚 か ら の 不 満 育 児 休 業 を 取 得 し た 経 験 の あ る 人 が 、 育 児 休 業 を 取 得 す る こ と に よ り 、 同 僚 や 上 司 に 新 た な 仕 事 が 発 生 し た た め 、 負 担 に な っ た と 考 え る か ど う か に つ い て は 、 同 僚 の 負 担 は 増 え な か っ た と 考 え る 人 が 68.4% を 占 め る 。育 児 休 業 を 取 得 し た こ と に よ り 、同 僚 の 負 担 が 増 え た と 感 じ る 人 も 約 3 割 い る も の の 、 実 際 に 同 僚 か ら 不 満 を 言 わ れ た 人 は 3.4% と ご く わ ず か で あ る 。 性 別 に み る と 女 性 は 75.6%、男 性 は 55.9%と 、「 同 僚 の 負 担 は 増 え な か っ た 」と 感 じ る 人 の 割 合 は 男 性 よ り も 女 性 の 方 が 高 い ( 図 表 3-4-3)。 役 職 別 に み る と 、「 負 担 が 増 え た 」 と 感 じ る 人 の 割 合 は 、 中 間 管 理 職 が 45.2% と 最 も 高 く 、 役 員 で は 27.8% と な っ て い る ( 図 表 3-4-4)。 経 営 形 態 別 に み る と 、民 間 企 業 、非 営 利 団 体 、公 的 機 関 の 順 で 、「 同 僚 の 負 担 が 増 え た 」と 感 じ る 人 の 割 合 が 高 い ( 図 表 3-4-5)。性 別 、職 種 別、経 営 形 態 別 、い ず れ で み て も 、実 際 に 同 僚 か ら 不 満 を 言 わ れ た 人 の 割 合 に 大 き な 相 違 は な く 、 数 % に 過 ぎ な い 。 41.7 20.4 28.2 55.9 75.6 68.4 3.4 2.5 3.9 0 20 40 60 80 100 男性 女性 総数 % はい、同僚が不満を言っていた 誰も不満を言っていなかったけれども、負担は増えただろうと思う いいえ、同僚の負担は増えなかった 図表3-4-3 育児休業取得による同僚や上司への負担(性別) 【従業員調査】

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24.2 28.1 45.2 27.8 72.6 68.0 51.6 72.2 3.2 3.9 3.2 0 20 40 60 80 100 ブルーカラー ホワイトカラー 中間管理職 役員 % はい、同僚が不満を言っていた 誰も不満を言っていなかったけれども、負担は増えただろうと思う いいえ、同僚の負担は増えなかった 図表3-4-4 育児休業取得による同僚や上司への負担(役職別) 【従業員調査】 33.3 19.5 38.5 66.7 75.9 59.2 2.3 4.6 0 20 40 60 80 100 非営利団体 公的機関 民間企業 % はい、同僚が不満を言っていた 誰も不満を言っていなかったけれども、負担は増えただろうと思う いいえ、同僚の負担は増えなかった 図表3-4-5 育児休業取得による同僚や上司への負担(経営形態別) 【従業員調査】 ( ロ ) 同 僚 に 対 す る 不 満 育 児 休 業 取 得 経 験 者 に 、 同 僚 や 上 司 が 育 児 休 業 を 取 得 し た こ と に よ り 、 自 分 自 身 に 新 た な 仕 事 が 発 生 し 、 負 担 を 感 じ た こ と は あ る か ど う か に つ い て 聞 い た と こ ろ 、 負 担 は 増 え な か っ た と 考 え る 人 が 64.2% を 占 め た 。同 僚 が 育 児 休 業 を 取 得 し た こ と に よ り 、自 分 の 負 担 が 増 え た と 感 じ る 人 も 33.8% い る も の の 、 実 際 に 同 僚 か ら 不 満 を 言 っ た 人 は 2.0% と ご く わ ず か で あ る 。 性 別 に み る と 、 男 性 の 方 が 負 担 を 感 じ て い る も の の 、 実 際 に 不 満 を 口 に し た 割 合 は 女 性 の 方 が 高 い ( 図 表 3-4-6)。役 職 別 に み る と 、中 間 管 理 職 、ホ ワ イ ト カ ラ ー 、役 員 で は 負 担 を 感じ た 人 の

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0.5 2.9 2.0 43.3 28.5 33.8 56.3 68.6 64.2 0 20 40 60 80 100 % はい、同僚に不満を言ったことがある はい、負担を感じましたが、育児休暇を取得することは必要なことなので、不満は言いま せんでした いいえ、感じたことはありません 総数 女性 男性 図表3-4-6 (子供がいて、育児休業の取得経験がある場合のみ)同僚や上司が育児 休業を取得したことにより、新たな仕事が発生したことで負担を感じた経験(性別) 【従業員調査】 28.8 38.2 39.7 35.0 69.4 59.2 58.7 65.0 1.8 2.5 1.6 0 20 40 60 80 100 ブルーカラー ホワイトカラー 中間管理職 役員 % はい、同僚に不満を言ったことがある はい、負担を感じましたが、育児休暇を取得することは必要なことなので、不満 は言いませんでした いいえ、感じたことはありません 図表3-4-7 (子供がいて、育児休業の取得経験がある場合のみ)同僚や上司が両親休 暇を取得したことにより、新たな仕事が発生したことで負担を感じた経験(役職別) 【従業員調査】 経 営 形 態 別 に み る と 、 非 営 利 団 体 以 外 は 負 担 を 感 じ て い な い と 答 え た 回 答 者 の 割 合 が 最 も 高 く 、 民 間 企 業 60.3% 、 公 的 機 関 68.0% と な っ て い る 。 非 営 利 団 体 は 、「 負 担 を 感 じ た も の の 、 不 満 は 言 わ な い 」 と 回 答 し た 割 合 が 70.0% と 他 の 経 営 形 態 に 比 べ 、 非 常 に 高 い ( 図 表 3-4-8)。

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70.0 29.0 38.6 30.0 68.0 60.3 1.1 3.0 0 20 40 60 80 100 非営利団体 公的機関 民間企業 % はい、同僚に不満を言ったことがある はい、負担を感じましたが、育児休暇を取得することは必要なことなので、不満 は言いませんでした いいえ、感じたことはありません 図表3-4-8 (子供がいて、育児休業の取得経験がある場合のみ)同僚や上司が育児休 業を取得したことにより、新たな仕事が発生したことで負担を感じた経験(経営形態別) 【従業員調査】 ( 4 ) 雇 用 差 別 ( 従 業 員 調 査 ) ( イ ) 雇 用 前 の 差 別 雇 用 さ れ る 以 前 に 、出 産 予 定 に つ い て 質 問 さ れ た こ と が あ る か ど う か に つ い て は 、質 問 さ れ た こ と の あ る 女 性 は 全 体 の 16.4% に と ど ま り 、女 性 の 雇 用 に あ た っ て 出 産 予 定 を 質 問 す る こ と は 少 な い ( 図 表 3-4-9)。 16.4 83.6 0 20 40 60 80 100 【従業員調査】 はい いいえ (%) 図表3-4-9 (女性のみ)雇用される以前に、出産予定 について質問された経験 ( ロ ) 雇 用 後 の 差 別

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た 、 子 ど も の い る 男 性 で 、 パ ー ト ナ ー が 妊 娠 し た と き に 雇 用 主 か ら 不 利 な 取 り 扱 い を さ れ た こ と が あ る と 回 答 し た の は 、7.9% と や は り 少 な い 。妊 娠 に よ っ て 雇 用 主 か ら 不 利 な 取 り 扱 い を さ れ る こ と は 少 な い よ う で あ る ( 図 表 3-4-10)。 7.9 7.2 92.1 92.8 0 20 40 60 80 100 男性 女性 % ある ない 図表3-4-10 本人、又はパートナーが妊娠したときに雇用主から不利な 取り扱いをされた経験(性別) 【従業員調査】 さ ら に 、育 児 休 業 取 得 に あ た っ て の 雇 用 主 か ら の 差 別 の 有 無 と 、育 児 休 業 を 取 得 し た 女 性 が 差 別 を 受 け た と い う 話 を 聞 い た 経 験 の 有 無 で は 、差 別 を 受 け た こ と の あ る 人 は 2.9% に 過 ぎ ず 、 話 を 聞 い た こ と が あ る 人 も 8.5% に 過 ぎ な い 。 性 別 で み る と、 男 女 と も に 約 90% が 、 育 児 休 業 取 得 に よ る 雇 用 主 か ら の 差 別 を 受 け た こ と は な い と 回 答 し て い る 。 差 別 を 受 け た こ と が あ る 割 合 と 、 差 別 を 受 け た こ と は な い が 、 差 別 を 受 け た 女 性 従 業 員 の 話 を 聞 い た こ と が あ る と 回 答 し て い る 割 合 は と も に 、 わ ず か な が ら 男 性 よ り も 女 性 の 方 が 高 い ( 図 表 3-4-11)。 役 職 別 に 大 き な 相 違 は な い が 、ブ ル ー カ ラ ー よ り も ホ ワ イ ト カ ラ ー 、管 理 職 の 方 が 自 分 は 差 別 を 受 け た こ と は な い が 、 差 別 を 受 け た 女 性 従 業 員 の 話 を 聞 い た こ と が あ る と 答 え て い る 割 合 が 高 い ( 図 表 3-4-12)。 経 営 形 態 別 で も 大 き な 相 違 は な い が 、公 的 機 関 の ほ う が 民 間 企 業 、非 営 利 団 体 よ り も 差 別 を 受 け た こ と が あ る 又 は 差 別 を 受 け た と い う 話 を 聞 い た こ と が あ る と 回 答 し て い る 割 合 が や や 高 い ( 図 表 3-4-13)。

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93.0 85.2 88.6 1.9 3.6 2.9 5.0 11.1 8.5 0 20 40 60 80 100 % はい、私と私のパートナーが差別を受けたことがあります はい、差別を受けた女性従業員の話を聞いたことがあり ますが、個人的には私は差別をうけたことがありません いいえ 図表3-4-11 育児休業取得による雇用主からの差別の経験(性別) 総数 女性 男性 【従業員調査】 92.8 83.5 87.8 84.0 1.9 4.7 1.0 4.0 5.3 11.8 11.2 12.0 0 20 40 60 80 100 % はい、私と私のパートナーが差別を受けたことがあります はい、差別を受けた女性従業員の話を聞いたことがありますが、 個人的には私は差別をうけたことがありません いいえ 役員 中間管理職 ホワイトカラー ブルーカラー 図表3-4-12 育児休業取得による雇用主からの差別の経験(役職別) 【従業員調査】

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90.5 86.8 90.0 4.8 3.5 2.3 7.6 9.7 4.8 0 20 40 60 80 100 % はい、私と私のパートナーが差別を受けたことがあります はい、差別を受けた女性従業員の話を聞いたことがありますが、 個人的には私は差別をうけたことがありません いいえ 民間企業 公的機関 非営利団体 図表3-4-13 育児休業取得による雇用主からの差別の経験(経営形態別) 【従業員調査】

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第 3 章 第 5 節 育 児 休 業 取 得 中 の 職 場 の 対 応

(1)所 得 補 償 上 乗 せ 制 度 の 導 入 状 況 ( 企 業 等 調 査 ) 各 企 業 に 対 し 、育 児 休 業 取 得 中 の 従 業 員 へ 公 的 保 険 か ら 支 払 わ れ る 80% の 所 得 補 償 へ の 上 乗 せ 制 度 の 有 無 に つ い て は 、75.6% の 企 業 が「 所 得 補 償 の 上 乗 せ を し て い な い 」も の の 、 「 上 乗 せ し て い る 」 企 業 も 24.4% あ っ た 。 経 営 形 態 別 に み る と 、 従 業 員 が 50 人 以 上 の 民 間 企 業 と 公 的 機 関 に お い て は 、「 上 乗 せ を し て い る 」 割 合 は そ れ ぞ れ 31.2%、 29.5%と 高 く な っ て お り 、従 業 員 数 の 多 い 民 間 企 業 お よ び 公 的 機 関 で の 導 入 が 進 ん で い る( 図 表 3-5-1)。 所 得 補 償 上 乗 せ 制 度 を 導 入 し て い る 企 業 の う ち 、「 最 大 で 90% に な る よ う に 上 乗 せ す る 」 企 業 が 81.0% と 、大 多 数 を 占 め た 。こ の ほ か 、「 最 大 で 100% ま で 」保 障 す る 企 業 が 8.6% 、 「 100% 以 上 」補 償 す る1企 業 は 10.5% あ る な ど 、手 厚 い 補 償 が な さ れ て い る( 図 表 3-5-2)。 29.5 31.2 9.8 24.4 70.5 68.8 90.2 75.6 0 20 40 60 80 100 公的機関 民間企業(50人以上) 民間企業(10-49人) 全体 はい いいえ % 図表3-5-1 育児休業中の所得補償(80%)への上乗せ(経営形態別) 【企業等調査】 図表3-5-2 80%以上の上乗せ補償の割合 81.0 8.6 10.5 0 20 40 60 80 100 % 最大で90%まで 最大で100%まで 最大で100%以上 【企業等調査】

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(2)人 員 の 空 き へ の 対 処 方 法 、 引 継 ぎ 、 訓 練 ・ 研 修 育 児 休 業 に よ り 生 じ る 人 員 の 空 き へ の 対 処 方 法 を み る と 、「 臨 時 契 約 社 員 を 雇 う 」 が 74.4% 、「 業 務 を 分 担 す る 」 が 54.2% で 多 い 。「 他 の セ ク シ ョ ン か ら の 異 動 」 で 対 応 す る 場 合 も 21.9%あ り 、 空 席 を 現 在 い る 人 員 で 対 応 す る よ り は 、 社 外 あ る い は 他 部 署 か ら の 新 し い 人 員 で 対 応 す る 場 合 が 多 い ( 図 表 3-5-3)。 次 に 、引 継 ぎ の 期 間 に つ い て 見 る と 、83.5% の 企 業 が 、「 前 任 者 と 後 任 者 の 引 継 ぎ に 十 分 な 期 間 が あ る 」 と 回 答 し て い る ( 図 表 3-5-4)。 ま た 、 引 継 ぎ は ほ と ん ど の 場 合 、 対 面 で 行 な わ れ て い る ( 図 表 3-5-5)。 74.4 19.2 2.1 21.9 54.2 0 20 40 60 80 100 他のセクションからの異動 臨時契約社員を雇う 他の従業員の一時的昇進 業務を分担する その他 % 複数回答 図表3-5-3 育児休業のための人員の空きへの対処 【企業等調査】 83.5 16.5 0 20 40 60 80 100 % はい いいえ (注)育児休業のための人員の空きへの対処法は、「他のセクション からの移動」、「臨時契約社員を雇う」、「他の従業員の一時的昇進」 と回答した場合のみ。 図表3-5-4 前任者と後任者との引継ぎの十分な期間の有無 【企業等調 査】

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24.4 7.5 10.2 99.0 0 20 40 60 80 100 対面 書面 Eメール 電話 % 複数回答 図表3-5-5 後任者への引継ぎの方法 【企業等調査】 ま た 、「 後 任 者 へ の 訓 練 や 研 修 な ど は 十 分 に 行 な わ れ て い る 」 企 業 が 約 7 割 に 上 る ( 図 表 3-5-6)。 具 体 的 な 方 法 に つ い て は 、「 後 任 者 へ の 訓 練 や 研 修 は 専 門 家 に よ る 」 が 76.8% と 非 常 に 多 く 、続 い て「 書 類 」が 41.9% 、「 e− ラ ー ニ ン グ 」が 11.1% と な っ て い る( 図 表 3-5-7)。業 務 分 担 を 決 め て い る の は 、「 育 児 休 業 取 得 従 業 員 の 上 司 」が 61.6% 、「 管 理 部 門 」 が 38.1% 、「 本 人 」が 19.8% と な っ て お り 、直 属 の 上 司 が 行 な う 場 合 が 多 い( 図 表 3-5-8)。 69.9 30.1 0 20 40 60 80 100 % はい いいえ (注)育児休業のための人員の空きへの対処法は、「他のセクションから の移動」、「臨時契約社員を雇う」、「他の従業員の一時的昇進」と回答し た場合のみ。 図表3-5-6 後任者への訓練や研修などは十分か 【企業等調査】 11.1 76.8 41.9 書類 e-ラーニング 専門家による訓練 複数回答 図表3-5-7 後任者への訓練、研修方法 【企業等調査】

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61.6 38.1 3.5 19.8 0 20 40 60 80 100 本人 上司 管理部門 その他 % 複数回答 図表3-5-8 育児休業中の業務分担の決定 【企業等調査】 (3)雇 用 主 や 同 僚 と 育 児 休 業 中 の 従 業 員 と の 連 絡 育 児 休 業 中 の 従 業 員 と 臨 時 従 業 員 が 通 常 連 絡 を 取 り 合 う か ど う か に つ い て は 、「 通 常 連 絡 を 取 り 合 う 」 企 業 が 、 69.1%と 多 い ( 図 表 3-5-9)。 具 体 的 な 連 絡 方 法 は 、「 電 話 」 85.5% 、 「 対 面 」 56.2% 、「 E メ ー ル 」 30.6% 、「 書 類 」 14.9% と 、 電 話 と 他 の 方 法 を 併 用 し て い る 場 合 が 多 い と 考 え ら れ る ( 図 表 3-5-10)。 69.1 30.9 0 20 40 60 80 100 % はい いいえ 図表3-5-9 育児休業中の従業員と臨時従業員との通常連絡の有無 【企業等調査】 14.9 30.6 56.2 85.5 0 20 40 60 80 100 対面 書類 Eメール 電話 % 複数回答 図表3-5-10 育児休業中の連絡方法 【企業等調査】

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第 3 章 第 6 節 育 児 休 業 取 得 者 に 対 す る 人 事 評 価

( 1 ) 人 事 評 価 制 度 ( 企 業 等 調 査 ) 人 事 評 価 の 際 に 最 も 重 要 な 要 素 は 、「 職 場 の 同 僚 と の 協 調 性 」と 答 え た 企 業 が 71.3% と 最 も 多 く 、次 に「 達 成 結 果 」(64.9%)、「 職 業 上 の 姿 勢 」(42.3%)が 続 く( 図 表 3-6-1)。 ま た 、 育 児 休 業 中 の 従 業 員 に 対 す る 評 価 に つ い て は 、72.0% の 企 業 が 「 育 児 休 業 中 の 従 業 員 に 対 し て の 評 価 は 行 わ な い 」と し て い る 。「 育 児 休 業 を 取 得 し て い な い 従 業 員 と 同 様 に 評 価 す る 」 企 業 は 18.1% 、「 育 児 休 業 を 取 得 し て い る こ と に 対 し て プ ラ ス の 評 価 を 行 な う 」 企 業 も 9.5% あ る 。 こ れ に 対 し て 、「 育 児 休 業 を 取 得 し て い る こ と に 対 し て マ イ ナ ス の 評 価 を 行 な う 」 企 業 は 0.4% と ほ と ん ど 存 在 し な い ( 図 表 3-6-2)。 13.6 71.3 4.8 64.9 42.3 0 20 40 60 80 100 達成結果 仕事に対する熱意 職場の同僚との協調性 職業上の姿勢 その他 % 図表3-6-1 人事評価の際に最も重要な2つの要素 (複数回答) 【企業等調査】 図表3-6-2 育児休暇中の従業員に対する評価 18.1 9.5 72.0 0.4 0 20 40 60 80 100 % 育児休暇を取得していない他の従業員と同様に扱う 育児休暇を取得しているということに対しての特別な考慮が払われる 育児休暇中の従業員に対しての評価は行なわない 育児休暇を取得していることに対してマイナスの評価がされる 【企業等調査】

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( 2 ) キ ャ リ ア 形 成 上 の 影 響 育 児 休 業 取 得 者 の キ ャ リ ア 形 成 上 の 影 響 に つ い て は 、 育 児 休 業 を 取 得 し て も 昇 進 ・ 昇 格 等 で の 差 は な い と 考 え る 人 は 、 企 業 等 調 査 、 従 業 員 調 査 の い ず れ を み て も 多 数 派 で あ る 。 た だ し 、「 非 常 に そ う 思 う 」、「 そ う 思 う 」 を 合 計 し た 割 合 は 、 企 業 等 調 査 が 86.3% で あ る の に 対 し て 、 従 業 員 調 査 で は 65.4% と な っ て お り 、 従 業 員 の 方 が 昇 進 ・ 昇 格 で 差 が あ る の で は な い か と 、 危 惧 し て い る よ う で あ る ( 図 表 3-6-3)。 同 様 の こ と は 、 育 児 休 業 取 得 後 に 仮 に 昇 進 ・ 昇 格 等 で 遅 れ た と し て も 、 後 で 取 り 戻 す 機 会 が あ る か ど う か に 関 す る 意 識 に つ い て も 言 え る 。「 非 常 に そ う 思 う 」、「 そ う 思 う 」 を 合 計 し た 割 合 は 、 企 業 等 調 査 で も 従 業 員 調 査 で も 多 数 を 占 め る が 、 企 業 等 調 査 が 88.3% で あ る の に 対 し て 、 従 業 員 調 査 で は 73.4% と な っ て い る ( 図 表 3-6-4)。 図表3-6-3 育児休業を取得しても昇進・昇格等での差はない 34.6 50.5 30.8 35.8 12.8 7.4 14.1 4.2 7.7 2.1 0 20 40 60 80 100 % 非常にそう思う そう思う どちらともいえない そう思わない 決してそう思わない 企業等調査 従業員調査 32.9 51.1 40.5 37.2 15.2 7.4 6.3 3.1 5.1 1.2 0 20 40 60 80 100 % 非常にそう思う そう思う どちらともいえない そう思わない 決してそう思わない 図表3-6-4 育児休業取得後に仮に昇進・昇格等で遅れたとしても、後で取り戻す 機会がある 企業等調査 従業員調査

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第 3 章 第 7 節 育 児 休 業 取 得 後 の 職 場 復 帰

( 1 ) 復 職 後 の 配 属 先 ( 企 業 等 調 査 、 従 業 員 調 査 ) 育 児 休 業 を 取 得 終 了 後 の 従 業 員 の 配 属 先 を み る と 、企 業 等 調 査 で は 99.0% の 企 業 が「 元 の 配 属 先 」 で あ っ た 。「 他 の 部 署 」、「 支 社 、 関 連 企 業 、 子 企 業 な ど 」 と い っ た 回 答 は ほ と ん ど な い 。 従 業 員 調 査 で も 同 様 で あ り 、 育 児 休 業 を 取 得 し た 従 業 員 の 復 職 後 の 従 業 員 の 配 属 先 は 、「 元 の 配 属 先 」 が 95.8% で あ っ た ( 図 表 3-7-1)。 図表3-7-1 育児休業取得終了後の従業員の配属先 (複数回答) 1.7 1.4 2.7 5.4 95.8 99.0 2.0 1.2 0 20 40 60 80 100 % 元の配属先 あまり業務がハードではない部署への配属 支社、関連会社、子会社など その他 従業員調査 企業等調査 ( 2 ) 時 間 の 柔 軟 性 − 勤 務 時 間 短 縮 制 度 、 フ レ ッ ク ス タ イ ム ( 従 業 員 調 査 、 企 業 等 調 査 ) ま ず 、1 歳 半 ∼ 8 歳 ま で の 子 供 を 持 つ 従 業 員 に 対 す る 「 勤 務 時 間 短 縮 制 度 」 (労 働 時 間 を 通 常 の 4 分 の 3 に 短 縮 で き る )の 取 得 状 況 に つ い て は 、従 業 員 調 査 に よ る と 、27.1% の 従 業 員 が 利 用 し た こ と が あ る 。性 別 に み る と 、男 性 の 勤 務 時 間 短 縮 制 度 の 利 用 率 は 7.4% で あ る の に 対 し て 、 女 性 は 40.2% と 高 く な っ て お り 、 性 別 に よ り 大 き な 差 が あ る 。( 図 表 3-7-2)。 勤 務 時 間 短 縮 制 度 の 利 用 率 は 全 般 的 に 高 く は な い と い え る が 、 女 性 を 中 心 に 活 用 し て い る 人 が 約 4 割 見 ら れ る こ と か ら 、 必 要 と す る 者 に と っ て は 、 就 業 継 続 の 一 助 に な っ て い る と 考 え ら れ る 。な お 、後 述 の フ レ ッ ク ス タ イ ム 制 度 が 普 及 し て い る こ と も 、 勤 務 時 間 短 縮 制 度 の 利 用 者 が 必 ず し も 多 く な い 要 因 と し て 考 え ら れ る 。

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7.4 40.2 27.1 92.6 59.8 72.9 0 20 40 60 80 100 男性 女性 全体 % はい いいえ 図表3-7-2 「勤務時間短縮制度」の利用経験(性別) 【従業員調査】 次 に 、 フ レ ッ ク ス タ イ ム 制 度 に つ い て 見 て み る 。「 フ レ ッ ク ス タ イ ム 制 度 が あ り 、 よ く 利 用 さ れ て い る 」 と 回 答 し て い る 割 合 は 52.6% で あ り 、 制 度 の な い 職 場 は 、 20.2% に 過 ぎ な い 。 経 営 形 態 別 に み る と 、 民 間 企 業 は 従 業 員 数 が 多 く な る ほ ど フ レ ッ ク ス タ イ ム 制 度 の 普 及 率 お よ び 従 業 員 の 利 用 率 は 高 く な り 、 従 業 員 数 が 100 人 以 上 の 民 間 企 業 で は 普 及 率 は 86.8% 、 利 用 率 も 67.9% と な っ て い る 。 ま た 、 公 的 機 関 で も 普 及 率 は 87.8% 、 利 用 率 は 63.9% に の ぼ る ( 図 表 3-7-3)。 ま た 、 残 業 制 限 制 度 に つ い て は 、「 残 業 制 限 制 度 が あ り 、 よ く 利 用 さ れ て い る 」 と 回 答 し て い る 企 業 は 24.3% に 過 ぎ な い 。 こ れ は 、 そ も そ も ス ウ ェ ー デ ン で は 残 業 は 少 な い た め に 、 残 業 制 限 制 度 が 必 要 な い と 判 断 さ れ て い る 場 合 が 多 い と 推 測 さ れ る 。 経 営 形 態 別 に み る と 、 民 間 企 業 の 方 が 公 的 機 関 よ り も 普 及 率 及 び 利 用 率 が 高 い 点 で フ レ ッ ク ス タ イ ム 制 と 異 な る 。 ま た 、 フ レ ッ ク ス タ イ ム 制 度 と 同 様 に 、 民 間 企 業 は 従 業 員 数 が 多 く な る ほ ど 残 業 制 限 制 度 の 普 及 率 お よ び 従 業 員 の 利 用 率 は 高 く な っ て い る ( 図 表 3-7-4)。 32.1 52.6 33.3 34.6 15.2 13.2 12.2 20.2 63.9 67.9 53.2 23.8 18.9 31.6 27.1 0 20 40 60 80 100 民間企業(1∼49人) 民間企業(50∼99人) 民間企業(100人以上) 公的機関 総数 % 制度があり、よく利用されている 制度はありますが、あまり利用されていない 制度がない 図表3-7-3  フレックスタイム制度の有無と従業員の利用状況 【企業等調査】

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図表3-7-4  残業制限制度の有無と従業員の利用状況 40.5 24.3 25.9 33.5 32.9 28.6 66.9 59.0 19.0 48.0 39.7 14.1 23.5 27.4 16.7 0 20 40 60 80 100 民間企業(1∼49人) 民間企業(50∼99人) 民間企業(100人以上) 公的機関 総数 % 制度があり、よく利用されている 制度はありますが、あまり利用されていない 制度がない 【企業等調査】 ( 3 ) 場 所 の 柔 軟 性 − テ レ ワ ー ク ( 企 業 等 調 査 、 従 業 員 調 査 ) 育 児 休 業 を 取 得 中 の 従 業 員 が 電 子 メ ー ル や 社 内 イ ン ト ラ ネ ッ ト へ の ア ク セ ス 等 の 情 報 通 信 技 術 (ICT) を 通 じ て 、 仕 事 に つ い て の 情 報 を 得 る こ と が で き る よ う に し て い る 企 業 は 42.6%で あ っ た ( 図 表 3-7-5)。 次 に 、 ネ ッ ト ワ ー ク 上 の 情 報 の 共 有 が ど の 程 度 進 ん で い る か を 見 る と 、 企 業 等 調 査 で は 61. 8%の 企 業 で 全 社 的 に ネ ッ ト ワ ー ク 上 の 情 報 共 有 が 進 ん で お り 、 部 門 内 の 情 報 共 有 も 含 め る と 77. 6%の 企 業 で ネ ッ ト ワ ー ク 上 の 情 報 共 有 が 進 ん で い た 。 こ の 傾 向 は 、 従 業 員 調 査 で も 同 様 で あ る ( 図 表 3-7-6)。 テ レ ワ ー ク 制 度 ( 情 報 通 信 技 術 を 利 用 し た 場 所 ・ 時 間 に と ら わ れ な い 働 き 方 ) の 導 入 率 は 、 企 業 等 調 査 で は 56.0%、 従 業 員 調 査 で は 40.5% で あ っ た ( 図 表 3-7-7)。 そ の 利 用 率 を 見 る と 、「 勤 務 先 の 企 業 が テ レ ワ ー ク を 導 入 し て い る 」と 回 答 し た 従 業 員 の う ち 、実 際 に 利 用 し て い る 人 の 割 合 は 49.4% と 約 半 数 で あ っ た 。な お 、利 用 率 は 男 女 間 で 大 き な 差 は な い ( 図 表 3-7-8)。

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42.6 57.4 0 20 40 60 80 100 % 仕事の情報を得ることができる できない 図表3-7-5 育児休暇取得中の従業員による、情報通信技術(ICT)へ のアクセス 【企業等調査】 図表3-7-6 ネットワーク情報の共有状況 71.2 61.8 10.1 15.8 18.7 22.4 0 20 40 60 80 100 % 全社的に情報の共有は進んでいる 部門内の情報の共有は進んでいる 情報の共有は行なっていない 企業等調査 従業員調査 図表3-7-7 テレワーク制度の有無 40.5 56.0 59.5 44.0 0 20 40 60 80 100 % はい いいえ 企業等調査 従業員調査

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図表3-7-8 テレワーク制度の利用経験の有無(性別) 48.1 50.5 49.4 51.9 49.5 50.6 0 20 40 60 80 100 % はい いいえ 全体 男性 女性 【従業員調査】 従 業 員 が テ レ ワ ー ク を 行 な う 場 所 に つ い て は 、「 自 宅 」 が 企 業 等 調 査 で 94.3% と 大 多 数 を 占 め て い る 。「 顧 客 先 」、「 自 社 の 他 オ フ ィ ス ・ 工 場 」、「 自 社 の サ テ ラ イ ト オ フ ィ ス ・ テ レ ワ ー ク セ ン タ ー 」、「 レ ン タ ル デ ス ク 」 は わ ず か で あ る ( 図 表 3-7-9)。 6.6 0.4 5.2 6.6 14.4 94.3 0 20 40 60 80 100 その他 レンタルデスク 自社のサテライトオフィス・テレワークセン ター 自社の他オフィス・工場 顧客先(事務所、開発や作業現場等) 自宅 (%) 図表3-7-9 テレワークを行なっている場所 【企業等調査】 (複数回答) テ レ ワ ー ク を 実 施 し て い る の は 、 経 営 職 と 回 答 す る 企 業 が 32.1%と 最 も 多 く 、 次 い で 管 理 職 21.1%、 販 売 ・ 営 業 職 14.6%と な っ て い る ( 図 表 3-7-10)。 テ レ ワ ー ク の 利 用 時 間 に つ い て 見 る と 、「 1 ヶ 月 の う ち 10 時 間 以 内 」 と い う 人 が 63.4% を 占 め て お り 、多 く の 人 は 短 時 間 し か テ レ ワ ー ク を 利 用 し て い な い( 図 表 3-7-11)。 さ ら に 、 テ レ ワ ー ク 以 外 で ICT 関 連 の 制 度 に つ い て み る と 、「 社 外 で 利 用 で き る パ ソ コ ン や モ バ イ ル 機 器 を 提 供 す る 」 が 51.4% と 最 も 多 く 、「 自 宅 で 利 用 可 能 な イ ン タ ー ネ

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図表3-7-10 テレワークを実施している職種 32.1 6.1 10.6 14.6 7.2 21.1 8.3 0 20 40 60 80 100 経営 製造/生産 サービス 販売・営業 研究・分析・調査 管理 その他 % 【企業等調査】 図表3-7-11 テレワークシステムを利用して社外で仕事を する時間(1ヶ月) 41.9 21.5 36.6 0 20 40 60 80 100 % 5時間まで 6∼10時間 11時間以上 【従業員調査】 40.0 11.2 51.4 17.5 15.1 0 20 40 60 80 100 社外で利用できるパソコンやモバイル機器 を提供する インターネット接続料金の負担 自宅で利用可能なインターネット接続設備 を提供する その他 ない % (複数回答) 図表3-7-12 情報伝達技術(ICT)関連 【企業等調査】

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第 3 章 第 8 節 生 産 性 と 企 業 業 績 へ の 効 果

(1) 従 業 員 の 生 産 性 向 上 育 児 休 業 を 取 得 し た 後 、 時 間 内 に 処 理 す る 仕 事 量 が 増 え 、 仕 事 の 生 産 性 ( 能 率 ) が 上 が っ た か ど う か に つ い て 、 取 得 者 の 意 識 を み る と 、 7 1 . 6 % の 大 多 数 が 「 変 わ ら な い 」 と 回 答 し て い る も の の 、「 仕 事 の 生 産 性 が 上 が っ た 」 と い う 従 業 員 も 2 4 . 0 % お り 、「 下 が っ た 」 と い う 人 は 4 . 5 % に 過 ぎ な か っ た 。 性 別 に み る と 、「 仕 事 の 生 産 性 が 上 が っ た 」 と い う 人 の 割 合 は 、 女 性 で は 2 9 . 4 % を 占 め て お り 、 男 性 の 1 5 . 1 % よ り も 高 い ( 図 表 3 - 8 - 1 )。 ま た 、役 職 別 に み る と 、「 仕 事 の 生 産 性 が 上 が っ た 」と い う 人 の 割 合 は 、役 員 の 3 5 . 3 % が 最 も 高 く 、続 い て 中 間 管 理 職 、ホ ワ イ ト カ ラ ー 、ブ ル ー カ ラ ー の 順 で 高 い( 図 表 3 - 8 - 2 )。 1 週 間 の 就 業 時 間 別 に み て も 、 就 業 時 間 の 長 短 に 関 わ り な く 、 2 割 前 後 の 人 は 「 生 産 性 が 上 が っ た 」 と 回 答 し て い る ( 図 表 3-8-3)。 育 児 休 業 の 取 得 は 、 従 業 員 個 人 の 生 産 性 に 影 響 し て い な い 場 合 が 多 く 、 少 な く と も 生 産 性 の 低 下 に は つ な が っ て い な い と 言 え る 。 図表3-8-1 育児休業取得後の仕事の生産性向上(性別) 15.1 29.4 24.0 80.0 66.4 71.6 4.9 4.2 4.5 0 20 40 60 80 100 % 上がった 下がった 変わらない 全体 男性 女性 【従業員調査】

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18.6 27.7 28.3 35.3 78.1 65.0 71.7 64.7 3.4 7.3 0 20 40 60 80 100 % 上がった 下がった 変わらない 中間管理職 役員 ホワイトカラー ブルーカラー 図表3-8-2 育児休業取得後の仕事の生産性向上(役職別) 【従業員調査】 24.3 26.1 16.7 9.3 72.0 69.4 74.1 3.7 4.5 0 20 40 60 80 100 40時間以上 30∼39時間 1∼29時間 % 上がった 下がった 変わらない 図表3-8-3 育児休業取得後の仕事の生産性向上(就業時間別) 【従業員調査】 (2) 企 業 業 績 の 向 上 仕 事 と 家 庭 の 両 立 を 図 る こ と は 企 業 の 業 績 に 対 し て プ ラ ス で あ る か ど う か に つ い て 見 る と 、「 非 常 に そ う 思 う 」、「 そ う 思 う 」 を 合 わ せ て 8 7 . 5 % の 企 業 に お い て 、 プ ラ ス に な る と 考 え て い る ( 図 表 3 - 8 - 4 )。 ま た 、「 従 業 員 が 休 暇 を 取 得 す る こ と 」 は 企 業 の 業 績 に 対 し て プ ラ ス で あ る と い う 意 識 は 、 従 業 員 、 企 業 と も に 強 い 。 企 業 等 調 査 で 「 非 常 に そ う 思 う 」、「 そ う 思 う 」 と 回 答 し て い る 割 合 は 7 4 . 4 % 、 従 業 員 調 査 で は 6 2 . 4 % と な っ て い る ( 図 表 3 - 8 - 5 )。

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46.0 41.5 7.9 2.6 2.0 0 20 40 60 80 100 % 非常にそう思う そう思う どちらともいえない そう思わない 決してそう思わない 図表3-8-4 仕事と家庭の両立を図ることは企業の業績に対してプラスである 【企業等調査】 29.6 37.2 32.8 37.2 17.4 15.3 11.1 5.5 9.1 4.8 0 20 40 60 80 100 % 非常にそう思う そう思う どちらともいえない そう思わない 決してそう思わない 図表3-8-5 「従業員の休暇取得」は企業の業績に対してプラス 企業調査 従業員調査

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第 3 章 第 9 節 そ の 他 の 諸 制 度

(1)父 親 休 暇 制 度 子 供 が 生 ま れ た 際 、 父 親 は 10 日 間 の 父 親 出 生 休 暇 手 当 が 補 償 さ れ て い る 。 男 性 自 身 の 利 用 状 況 、 若 し く は 女 性 の パ ー ト ナ ー の 利 用 状 況 に つ い て は 、「 あ る 」 と 答 え た 回 答 者 の 割 合 は 77.6% と 8 割 に 近 く 、大 多 数 の 父 親 が 利 用 し て い る こ と が 分 か る( 図 表 3-9-1)。ま た 、日 数 に つ い て た ず ね た と こ ろ 、「6∼ 10 日 間 」 と 答 え た 回 答 者 の 割 合 が 52.7% で 最 も 高 く 、 過 半 数 を 超 え て い る 。「11 日 間 以 上 」 と 手 当 が 補 償 さ れ て い る 日 数 以 上 に 取 得 し て い る 人 も 43.5% と 半 数 弱 い る 。 休 暇 を 取 得 し た 人 の 中 で 、6 日 以 上 取 得 し た 回 答 者 の 割 合 は 全 体 の 9 割 以 上 を 占 め て い る ( 図 表 3-9-2)。 77.6 22.4 0 20 40 60 80 100 % はい いいえ 図表3-9-1 父親休暇取得経験の有無(本人、又はパートナーに子ども がいる場合のみ) 【従業員調査】 3.8 52.7 43.5 0 20 40 60 80 100 % 1∼5日間 6∼10日間 11日間以上 図表3-9-2 父親休暇の取得日数(本人又はパートナーが父親休 暇を所得した場合のみ) 【従業員調査】 (2)有 給 休 暇 制 度 ( 企 業 等 調 査 ・従 業 員 調 査 ) 法 定 の 25 日 を 超 え る 有 給 休 暇 制 度 の 上 乗 せ 部 分 が あ る 企 業 は 約 半 数 で あ っ た ( 図 表 3-9-3)。 独 自 の 有 給 休 暇 制 度 が あ る 場 合 、 そ の 上 乗 せ 日 数 に は ば ら つ き が あ る が 、 平 均 で は 9.3 日 、す な わ ち 上 乗 せ 部 分 が あ る 企 業 は 法 定 分 と 合 計 で 平 均 34.3 日 の 有 給 休 暇 を と っ て い る ( 図 表 3-9-4)。

表 4 育児休業取得対象子ども数の推定結果  3.  まとめ   本章では、育児休業に関して 2 つの計量分析を行った。最初の分析は、育児休業と企業利益の関係 である。企業を、従業員が育児休業を取得することに対して肯定的な企業とそうでない企業とに分け ると、図 3 に示されるように、利益が減少した企業の割合は前者の方が低い。しかし、両者の違いは、 統計的には有意ではない。  図3 育児休業に肯定的な企業と否定的な企業の業績変化  育児休業に肯定的(275社) 業績悪 化 14% 業績悪 化なし 86% 育児
図表 5-1 テレワークの普及率と出生率の相関関係  (出所)各種資料に基づき、富士通総研が作成。  (ハ)  代替要員の確保を促進する施策が必要    育児休業を取得した際、他の従業員が負担を感じないようにするためにも、代替要員 を確保することが必要と考えられる。例えば、育児休業代替要員確保等助成金の拡大、 活用促進も考えられる。  (ニ)  従業員が育児休業を取得することを前提とした人事労務管理制度の見直しが必要  人事労務管理制度、研修制度、さらには組織業務の進め方を全般的に見直していくこと が必要と

参照

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