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本単元における本質的な問い 芭蕉はどのような思いで おくのほそ道 を書いたのだろうか 永続的理解 芭蕉は俳句の芸術性を高めるため旅に出て, 推敲を重ねて虚構を交えることで文学的価値を高めようとした パフォーマンス課題 江戸時代前期, 松尾芭蕉の書いた俳諧紀行文 おくのほそ道 は, 多くの人に愛され,

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Academic year: 2021

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(1)

(1) 単元観 本単元は,学習指導要領国語3年「読むこと」C(1)エ「文章を読んで人間,社会,自然などにつ いて考え,自分の意見をもつこと」「伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項」ア(ア)「歴史的背 景などに注意して古典を読み,その世界に親しむこと」を受けて設定したものである。 「おくのほそ道」は,松尾芭蕉が江戸時代に著した紀行文で,日本の紀行文学の中でも最も優れた作 品の一つとしてよく知られている。構成や表現の特色として,文章と句が効果的に組み合わされてい ることが挙げられる。地の文があることで,芭蕉の思いや考え方を読み取ることができ,句の情景が 具体的にイメージしやすくなっている。また,日程や事情に虚構を交えていることも大きな特色であ り,芭蕉が「おくのほそ道」を単なる旅行記ではなく,格調高い文学作品に仕上げようとしたのではな いかと言われている。 本単元で取り上げられている冒頭部と平泉の場面もこれらの特色が表れており,芭蕉の旅への思い やどのような思いで「おくのほそ道」を書いたのかを深く考えることができる。学習を通して古典を 表面的ではなくじっくりと読み深めることで,古典に対する親しみを高めることが期待できる単元で ある。 (2) 生徒観 本学年の生徒はこれまでに,1年生では「竹取物語」,2年生では「平家物語」の学習を通し,古典 の文章に出会い,音読や朗読を中心に古文に親しんできた。また,古人の生き方やものの見方を読み 取り,古文に対する興味・関心を高めてきた。しかし,古典に対する苦手意識をもっている生徒も多 い。10月に行ったアンケートでは,「古典の学習は好きだ」という問いに対する肯定的回答は49% であった。否定的回答の理由としては,「言葉が難しく,意味が分かりにくい」「なぜ古典を学習しな ければいけないのか分からない」などが挙げられた。この結果から,古典の文章を読んでだいたいの 内容を理解することはできても,文章に表れているものの見方や考え方について自分の考えをもつこ とで,古典を読み味わうことが難しいと考えられる。 (3) 指導観 この単元では,目的をもって主体的に古典を読み深めていくために「おくのほそ道の魅力を説明す る。」というパフォーマンス課題を設定した。より深い読みを促すために,文章を読む前に歴史的背景 や作者の人物像や人生観などについて調べ学習を行う。 冒頭部では,芭蕉の旅への思いを理解させるために,原文の随所に描かれた芭蕉の旅への思いをと らえさせる。この際,「なぜ死を覚悟してまで旅に出たのか」考えさせることで芭蕉の人生観や,俳句 の芸術性を高めたい強い思いを掴ませたい。 平泉の場面では,涙を流す芭蕉の思いを考えさせることで,単に風景を見て詠む俳句だけでなく, 史実をもとに知識も入れた文学性の高い俳句を作ったことに気付かせる。また,「五月雨の」の句につ いては,芭蕉と同行した曽良の旅行記「曽良旅日記」と読み比べることで,「おくのほそ道」の虚構に 気付かせ,文学的な完成度を高めようとした芭蕉の思いに迫りたい。 ○歴史的背景などに注意して古典を読み,その世界に親しむことができる。【国語への関心・意欲・態度】 ○文章を読んで人間,社会,自然などについて考え,自分の考えを深めることができる。【読むこと】 ○歴史的背景などに注意して古典を読み,その世界に親しむことができる。 【伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項】

中学校第3学年 国語科学習指導案

単元名: おくのほそ道

単元について

単元の目標

(2)

【本単元における本質的な問い】 芭蕉はどのような思いで「おくのほそ道」を書いたのだろうか。 【永続的理解】 芭蕉は俳句の芸術性を高めるため旅に出て,推敲を重ねて虚構を交えることで文学的価値を高めよう とした。 【パフォーマンス課題】 江戸時代前期,松尾芭蕉の書いた俳諧紀行文「おくのほそ道」は,多くの人に愛され,その後俳諧は 一大ブームとなりました。なぜ「おくのほそ道」は多くの人に愛され,今も読み継がれているのでしょ うか。この作品の素晴らしさについて,旅に対する芭蕉の思いを踏まえて説明しましょう。 【B評価の基準】 芭蕉の旅への思い,ものの見方考え方や,虚構を交えて「おくのほそ道」の文学的価値を高めようと したことについて,句と地の文から読み取れることや歴史的背景を踏まえて説明している。 ア 国語への 関心・意欲・態度 イ 読む能力 ウ 言語についての 知識・理解・技能 ①「おくのほそ道」を,様々な見 方で読み味わって自分の意見を もとうとしている。 ①文章に表れた松尾芭蕉のものの見 方や考え方について,歴史的背景を 踏まえたり,知識や経験と関連付け たりして,自分の考えをもっている。 ①歴史的背景などに注意し て「おくのほそ道」を読み, その世界に親しんでいる。 【主体性】物事を自分の事として捉え,積極的に関わろうとする。 パフォーマンス課題を自分の課題として捉え,その解決に向けて積極的に関わろうとしている。 【共感力・使命感】互いの意見を尊重しながら,同じ目標に向かって物事を進める。 互いの意見を尊重しながら課題解決に向けて班の話し合いを建設的に進めている。 (全7時間 本時3/7) 次 学習内容 評 価 関 読 知 評価規準 (評価方法) 関連する資質・能力 1 ○パフォーマンス課 題を知り,学習の見 通しをもつ。 ○「おくのほそ道」や 松尾芭蕉について, 疑問に思うことを調 べてまとめる。(2) ○ ア-①「おくのほそ道」や松尾芭蕉に ついて,積極的に調べ学習に取り組 んでいる (行動観察・ワークシート) 【主体性】

単元(題材)の評価規準

本校で育成しようとする資質・能力とのかかわり

指導と評価の計画

課題の設定 情報の収集 (1)

(3)

2 ○冒頭部を通読し, 現代語訳を中心に内 容をつかむ。(1) ○ ア-①作品に関心をもち,作品の表現 の特徴に注意して積極的に音読しよ うとしている。(行動観察) ○芭蕉がどのような 思いでおくのほそ道 への旅に出たのか考 える。(1)(本時) ○ イ-①旅立ちにあたっての芭蕉の思い について,叙述を根拠に自分の考えを まとめている。(ワークシート) 【思考力・判断力・表現力】 【共感力・使命感】 ○「平泉」の場面を通 読し,現代語訳を中 心に内容をつかむ。 (1) ○「平泉」の部分を読 み,芭蕉が平泉で感 じ た 思 い を 理 解 す る。(1) ○ ○ ウ-①歴史的背景などに注意して「お くのほそ道」を読み,その世界に親し んでいる。(行動観察) イ-①歴史的背景を踏まえ,「夏草や」 「五月雨の」の句に込められた思いを まとめている。(ワークシート) 【思考力・判断力・表現力】 【共感力・使命感】 ○芭蕉が「おくのほ そ道」に虚構部分を 作 っ た 理 由 を 考 え る。(1) ○ イ-①「曽良旅日記」と読み比べ,芭蕉 がなぜ虚構の部分を作ったのか自分 の考えをまとめている。 (ワークシート) 【思考力・判断力・表現力】 3 ○パフォーマンス課 題に取り組み,「おく のほそ道」の魅力に ついて,自分の考え をまとめる。(1) ○ イ-①これまでの学習をもとに,「おく のほそ道」の魅力について,自分の意 見をまとめている。(ワークシート) 【主体性】 (1)本時の目標 「おくのほそ道」の冒頭部を読み,叙述を根拠に芭蕉の旅への思いをとらえることができる。 (2)評価規準 【読む能力】旅立ちにあたっての芭蕉の思いについて,叙述を根拠に自分の考えをまとめている。 (3)関連する資質・能力 【主体性】 【共感力・使命感】

本時の学習

まとめ・創造・表現 整理・分析 振り返り 情報の収集(3) 情報の収集(2) 整理・分析 整理・分析

(4)

(4)本時の学習展開 学習活動 指導上の留意事項(○) (◇「特別な支援を必要とする生徒」「◆努力を 要する状況」と判断した生徒への指導の手立て) (□ICTを活用した指導の工夫) 評価規準 ☆観点(評価方法) ※関連する資質・能 力 1 前時の振り返り(2分) 2 単元全体における本時の 位置付けの確認(2分) 3 課題の設定とめあての確 認(3分) ○芭蕉の「人生は旅そのものである。」という人 生観を確認する。 4 芭蕉が旅に出発するとき の思いを考える。(13分) <予想される生徒の反応> 5 当時の旅事情を踏まえ,芭 蕉の旅に対する覚悟を確認 する。(3分) ・交通手段 ・旅の期間や移動距離 ・芭蕉の年齢と当時の平均寿命 ○本文を根拠に考えさせる。 ◇◆現代語訳を参考に,芭蕉の思いが分かる箇 所に線を引かせる。 ◇◆自分が旅行に出るときと比較させて,芭蕉の 強い覚悟に気付かせる。 6 資料も活用しながら,芭蕉 の 旅 に 対 す る 思 い を 捉 え る。(22分) 個人→グループ→全体 <予想される生徒の反応> ○「古人」や旅の目的地に関する資料を提示し,考 える手がかりにする。 ○現代の「旅」のイメージや目的と比較しながら芭 蕉の思いを考えさせる。 ☆ 旅 立 ち に あ た っ て の 芭 蕉 の 思 いについて,叙述 を 根 拠 に 自 分 の 考 え を ま と め て いる。(観察・ワ ークシート) ※【思考力・判断 力・表現力】【共感 力・使命感】 めあて:芭蕉が旅に出発する時の思いをとらえよう ・「旅」は芭蕉にとって人生そのものである。 ・「古人も多く旅に死せるあり。」とあるので,古人に憧れ同じように生きたいという 思い。 ・「そぞろ神のものにつきて心を狂わせ」から,何も手につかなくなるくらいとにか く旅に出たかった。 ・「住める方は人に譲り」とあるので,一生を旅にささげる覚悟だった。 課題:芭蕉はどのような思いで旅に出たのだろうか。 ・「松島の月まづ心にかかりて」とあり,歌枕の地を多く訪れている。観光とい うよりも,実際に目で見てその感動を句にしたかったのではないか。 ・自分たちの旅の目的は観光であることが多いが,芭蕉は「住める方は人を譲り」 とあり,死を覚悟する強い思いで旅に出ている。 ・「古人」とは,杜甫や李白のことを指しており,これらの古人のように文学を 確立させたいという思いがあった。

(5)

※太線囲みは言語活動 7 本時の振り返り(5分) ○本時の学習をもとに,芭蕉の旅への思いや旅 の目的について,自分の言葉でまとめて振り返 りをさせる。 ◇◆命をかけてまで旅をする芭蕉の思いに共感 できるか考えさせる。 芭蕉は旅は人生そのものであると考えていた。詩歌の道の先人のように旅に生 きようと強い覚悟で旅に出た。旅の中で歌枕の地を多く訪れて俳句を詠んでいる。 実際に見聞したことをもとに,よりよい俳句を作りたいという思いで芭蕉は「お くのほそ道」への旅に出たのだろう。

参照

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