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為替・金利トレーディング
2014年4月30日みずほ銀行
宇都宮 稔
みずほフィナンシャルグループ寄付講座「金融機関のリスクマネジメント」 第4回
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【目次】
1.為替相場の仕組みと市場構造 1-1.為替レートとは 1-2.為替市場の参加者と市場構造 1-3.拡大を続ける為替市場 1-4.24時間眠らない市場 1-5.為替レートが決まる仕組み 1-6.為替レートが変動するメカニズム 1-7.為替レートの合成 1-8.実需取引と投機的取引 2.為替トレーディングの実際 2-1.トレーディングツール 2-2.トレーディング対象通貨の特徴 2-3.ストップロスオーダー 3.円金利スワップマーケットの概要 4.円金利スワップの代表的なヘッジツール 5.金利トレーディング手法 6.基礎知識・演習問題3
1 .為替相場の仕組みと市場構造
■為替レートとは
・Foreign Exchange Rateの名のごとく(外貨)を(交換)する(比率)のこと ・国の数だけ通貨があるとすれば為替レートは無数に存在 ・元来は、貿易取引(=実需取引)に不可欠な要素 ⇒為替レートがなければ「モノの値段」が付かない ⇒ 決済不能 ・現在の為替取引は、実需取引を投機的取引が圧倒的に凌駕する世界へ ⇒2013年発表の国際決済銀行(BIS)レポートでは、 世界の一日の為替取引量は5.3兆ドルに上るが、このうち非金融事業法人等 (≒貿易取引)の占めるシェアは8.7%に過ぎない ■通貨ペアという概念 ・通貨ペア = 2つの通貨の組み合わせ 例)ドル円(USD/JPY)、ユーロドル(EUR/USD)、豪ドル円(AUD/JPY)etc… ・為替レートは2つの通貨間の相対価値を表すもの ⇒ 1つの通貨が上昇すれば、反対側で必ずもう一方の通貨は下落している ⇒ 上昇する通貨と下落する通貨を上手く組み合わせることが肝要
1 -1.為替相場とは
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1 .為替相場の仕組みと市場構造
1 -2.為替市場の参加者と取引構造
通貨当局 (財務省・日銀) 外為銀行 ブローカー 外為銀行 機関投資家 商社 事業会社 個人 外為銀行 インターバンク市場 対顧客市場5 1998年 2001年 2004年 2007年 2010年 2013年 ロンドン 685 542 835 1,483 1,854 2,726(40.9%) ニューヨーク 383 273 499 745 904 1,263(18.9%) 東京 146 153 207 250 312 374(5.6%) シンガポール 145 104 134 242 266 383(5.7%) 香港 80 68 106 181 238 275(4.1%) 全体 2,099 1,692 2,609 4,281 5,043 6,671(100.0%)
1 .為替相場の仕組みと市場構造
1 -3.拡大を続ける為替市場
○1営業日あたり為替取引高 (※BIS2013年調査) (単位:10億ドル) ■名実ともに最大の参加者と取引規模を誇る市場 ・規模の大きさ、参加者の多さ、透明性の高さから自分しか知らない情報はほ とんど存在しない。 ⇒ 情報の優位性がほとんどなく、裁定機会の余地がない ⇒ 為替相場の予測はあらゆる相場の中でも最も難しいと言われる所以6
1 .為替相場の仕組みと市場構造
1 -4.24時間眠らない市場
ロンドン ニューヨーク シドニー 東京 香港 シンガポール フランクフルト 日付変更線 ■外国為替市場に証券取引所のように参加者が一箇所に集まる所は存在しない ・世界中のインターバンクディーラーがネットや電話で同時に繋がっている ・そのため、対顧客市場も(最近は個人でも)24時間好きなときに取引可能 ■世界中のディーラーが向き合う為替レートはただ一つ ⇒ 東京時間の夕方に東京のディーリングルームで見えるドル円のレートと同 時刻のロンドン朝にロンドンのディーラーが見るドル円レートは同一7
1 .為替相場の仕組みと市場構造
1 -5.為替レートが決まる仕組み
USD/JPY30 35
102. 102. Apr-234
5
BID OFFER インターバンクディー ラーの見る「電子ブロー キング」画面 ■BID(買い値)とOFFER(売り値) ・BIDとは、世界中で買いたい人が提示する一番良い(ベストな)値段 ・OFFERとは、世界中で売りたい人が提示する一番良い(ベストな)値段 ⇒今すぐに買いたければ102円35銭、売りたければ102円30銭で取引成立 ■Two Way Quotation・顧客の求めに応じインターバンクディーラーが買い値と売り値両方を提示
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1 .為替相場の仕組みと市場構造
1 -6.為替レートが変動するメカニズム(1)
USD/JPY32 35
102. 102. Apr-2310
5
BID OFFER①
USD/JPY32 36
102. 102. Apr-235
2
BID OFFER USD/JPY32 37
102. 102. Apr-233
4
BID OFFER USD/JPY34 37
102. 102. Apr-235
4
BID OFFER②
④
③
9
1 .為替相場の仕組みと市場構造
1 -6.為替レートが変動するメカニズム(2)
(1)あなたはA銀行のディーラーです。今、ドル円を10本買いたいならば、その方法は 「ビッドを指す」か、「オファーを叩く」かのどちらかになる。 (2)「ビッドを指す」場合には、既にB銀行が置いている102円30銭に並べて10本指 すか、少しだけ妥協してもう少し内側の102円32銭にビッドを指す。-① (3)しかし、いつまで経っても誰も102円32銭のビッドをヒットして来なかったので止む を得ずベストオファーである102円35銭を叩いて5本買った。すると、画面は②に。 (4)A銀行は残り5本を102円32銭でビッドしていたが、待っていてもやはり買えそう にないので102円37銭のオファーも叩くことにした。すると、画面は③に。 (5)元々、102円30銭にビッドを置いていたB銀行はこれを見て、このままドルが上昇 してしまうのではないかと不安になり102円34銭にビッドを指すことにした。-④ ⇒ こうしてドル円レートが上昇していく。需給の強弱が為替レートを動かす!10
1 .為替相場の仕組みと市場構造
1 -7.為替レートの合成
■基軸通貨としての米ドル(USD) ① 米国の経済規模は世界No.1 ② 全為替取引のシェア87%(2013年)に及び、世界の通貨の中心(最大の流動性) ③ 基軸通貨ⅰ.基準通貨 (各国通貨の価値の基準となる) ⅱ.決済通貨 (国際取引の決済に広く使われる) ⅲ.準備通貨 (各国の中央銀行が外貨準備として保有する) ■為替レートの表し方(クロスレートの計算方法) ① 自国通貨建て通貨 = 「1通貨当たり○○ドル」 (EUR、GBP、AUD、NZDなど) 例)EUR/USD=1.3780、USD/JPY=102.50 ⇒EUR/JPY=(102.50×1.3780=)141.24 ② 他国通貨建て通貨 = 「1ドル当たり○○ドル」 (JPY、CHF、CAD、HKD、SGDなど) 例)USD/CAD=1.1040、USD/JPY=102.50 ⇒CAD/JPY=(102.50÷1.1040=)92.84通貨 USD EUR JPY GBP AUD CHF CAD MXN CNY
ランク 1 2 3 4 5 6 7 8 9 シェア 87.0 33.4 23.0 11.8 8.6 5.2 4.6 2.5 2.2
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1 .為替相場の仕組みと市場構造
1 -8.実需取引と投機的取引(1)
■実需取引の特徴 (1)実需取引とは、貿易など経済取引の裏づけのある外国為替取引 (2)実需取引の抱える為替リスク ⇒輸出企業の抱える為替リスク =海外で稼いだドル建て売上げが円高進行により円価ベースで目減りすること (例)売上げ額10百万ドルは、<1ドル110円→11億円>、<1ドル90円→9億円> ⇒輸入企業の抱える為替リスク =外貨建て輸入代金の支払い額が円安進行により外貨ベースで増加すること (例)支払い額10百万ドルは、<1ドル110円→11億円>、<1ドル90円→9億円> (3)「売り切り」と「買い切り」の威力 ⇒ 実需企業はビジネスに添った一方通行の取引(輸出:ドル売り円買いetc) ⇒ 日本は長年の経常黒字国 ⇒円高圧力に常に晒される歴史 ⇒ 取引が一方向だけに纏まった金額が入るとかえって為替レートに大変動12
1 .為替相場の仕組みと市場構造
1 -8.実需取引と投機的取引(2)
■投機的取引の特徴 (1)投機的取引とは、経済取引の裏付けがなく自身の判断で機会を捉えて利益を 得ようと短期売買を繰り返す取引行為⇒ 最近は、HFT(High Frequency Trade)取引が問題に ⇒ 外国為替市場での取引主体の大半を占有 (2)投機的取引主体は悪者か ・「相場の秩序を乱すならず者」、「自分の利益しか考えない悪者」のイメージ ⇒有名な例は、1992年のジョージ・ソロス VS イングランド銀行の「ポンド危機」 (3)一方で、市場とって重要な流動性供給者としての側面も ・短期間で売買を繰り返し利益を稼ぐのが目的 ⇒必ず、利益確定の反対取引を行なう ⇒売りも買いも大量に市場に湧き出る、活発な取引 ⇒外国為替市場全体の厚み増加、為替取引の円滑化 → 相場安定要因 (4)日本の個人投資家による投機的取引の注目度アップ(=Mrs. Watanabe)
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2 .為替トレーディングの実際
2 -1.トレーディングツール
■トレーディングを実際に行なう時のツール(何をやって儲けるか) (1)為替スポット取引 ・為替取引の中で最もメジャーな取引、取引規模も最大 ・2営業日後に決済するシンプルなトレーディングツール ・上昇する通貨と下落する通貨を上手く組み合わせることで利益を追求 (2)為替フォワード取引 ・2営業日以降のいずれかの日(10年程度まで)に2通貨の交換を行なう取引 ・対象となる2通貨(通貨ペア構成)の金利差の動きに賭けて利益を追求 (3)通貨オプション取引 ・通貨ペアの「買う権利」と「売る権利」を売買するする取引 ・オプションの価値を表す「プレミアム」の価値の増減に賭けて利益を追求 ・「プレミアム」を決定する市場要素は、為替スポットレート、両通貨の金利動向、 ボラティリティーと多岐に渡る ⇒利益の源泉が多様なトレーディングツール14
2 .為替トレーディングの実際
2 -2.トレーディング対象通貨の特徴
(1) メジャー通貨とマイナー通貨 ・メジャー通貨(国際的な市場で取引される通貨、いわば先進国通貨) (例)米ドル、ユーロ、円、英ポンド、スイスフラン、豪ドル、加ドルなど ・マイナー通貨(限られた地域の市場で取引される通貨、いわば規制通貨) (2)コモディティー通貨 ・鉱物資源などの市況商品を産出し、それを主な輸出品としている国の通貨 (例) 豪ドル、加ドル、南アランド、メキシコペソなど (3)逃避(避難)通貨 ・戦争や政治・経済体制の混乱などの際に、安全資産として買われ易い通貨 (例)圧倒的な大国(米ドル)、守秘義務の徹底している永世中立国(スイスフラン) (4)高金利通貨 ・高金利であるが故にキャリートレードの運用対象になり易い通貨 (例)豪ドル、ニュージーランドドル、ブラジルレアル、南アランド15
2 .為替トレーディングの実際
2 -3.ストップロスオーダー
■ストップロスオーダーが為替相場に与える影響 (1)ストップロスオーダーとは ・損失を確定するための反対取引の執行依頼オーダー。損切りオーダー ・ドル円を10百万ドル102円50銭で購入 =ロングポジション保有 ⇒万が一のドル円スポット急落した場合の損切りポイントを100.00円に設定 ⇒実際に急落し、100.00円でストップロスオーダーが執行されたときの損失額、 10,000,000×(100.00-102.50)=▲25,000,000(円) (2)ストップロスオーダーを預かったドル円ディーラーは? ・100.00円を下抜けてストップロスオーダーを執行したら ⇒ドル円ディーラーのポジションはロング(ドル買い持ち)10百万円に ⇒ドル円ディーラーにとっては意図せざるポジション⇒ 市場で売却行動 (3)為替相場への影響 ・同じ水準にオーダーが集まっているとディーラーが一斉に市場で売却 ⇒急激に売りが加速、為替相場の下落に歯止めがかからない ⇒ヘッジファンド(投機筋)は、ストップロスオーダーを狙いに仕掛けてくる16 A銀行 (マーケット メイカー
)
B銀行 C証券 ブローカー 事業法人 金融法人 ヘッジファンド 等 エンドユーザー レート提示 取引約定インターバンク市場
3.円金利スワップマーケットの概要(1)
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3.円金利スワップマーケットの概要(2)
■マーケットメイカー
オファー/ビッド収益を追求
例)銀行、証券会社等
■エンドユーザー(マーケットユーザー)
・リスクテイカー
積極的なポジションテイク(リスクテイク)により収益を追求
例)ヘッジファンド、銀行、証券会社等
・ヘッジャ-
金利リスクヘッジに活用
例)事業法人、金融法人等(銀行・保険会社等)
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●標準的な取引形態
・期間
1年~40年
・想定元本
50億円~100億円程度
・オファー/ビッド幅
0.5~1bp程度 (1bp=0.01%)
(オファー:固定金利受け、ビッド:固定金利払い)
3.円金利スワップマーケットの概要(3)
A銀行
B銀行
固定金利
6ヶ月LIBOR
LIBOR:ロンドン銀行間取引金利
(外銀中心 外銀9 邦銀4)
TIBOR:東京銀行間取引金利
(邦銀中心 外銀3 邦銀12)
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3.円金利スワップマーケットの概要(4)
●標準的な取引のイメージ(期間2年の金利スワップの場合)
取引約定
6ヶ月後
6ヶ月後
6ヶ月後
取引終了
B銀行
A銀行
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3.円金利スワップマーケットの概要(5)
BPV(Basis Point Value)
⇒価格(金利)が1bp(0.01%)変動した場合のPV(現在価値)の変化額
金利デルタ
⇒金利が1bp(0.01%)上昇した場合のPV(現在価値)の変化額
・プラスの場合:デルタショート(債券売り持ち方向)
・マイナスの場合:デルタロング(債券買い持ち方向)
【例】期間10年、想定元本100億円、固定金利払いのポジションを保有し
ている場合、金利が1bp(0.80%から0.81%へ)上昇した場合の損益
⇒約9.83百万円の収益(100億円x10年x0.01%の現在価値)
このポジションを、デルタショート9.83百万円という。
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3.円金利スワップマーケットの概要(6)
金利変化によるポジションの損益
ポジション デルタ 金利上昇 金利低下 固定(金利)払い ショート 利益 損失 固定(金利)受け ロング 損失 利益円金利スワップレート
(出所)THOMSON REUTERS22
3.円金利スワップマーケットの概要(7)
●マーケットメイカー(「MM」)
マ
ーケ
ッ
ト
メ
ーカ
ー
顧客①
顧客②
6ヶ月
LIBOR
6ヶ月
LIBOR
MMの
ビッド
レート
0.80%
0.79%
マーケット(市場金利)が動かなくても、オファー/ビッドスプレッドによ
り収益を計上(上記例では1bp相当の収益)。
マーケットが動くことへの備え⇒ヘッジの必要性
MMの
オファー
レート
23
3.円金利スワップマーケットの概要(8)
●リスクテイカー
リ
ス
ク
テ
イ
カ
ー
マ
ーケ
ッ
ト
メ
イ
カ
ー①
マ
ーケ
ッ
ト
メ
イ
カ
ー②
6ヶ月
LIBOR
6ヶ月
LIBOR
リスクテイカーの予想通りマーケット(市場金利)が動くことにより、収益
を計上。
上記例では、金利低下により、1bp相当の収益を計上。
市場変動0.80%
0.79%
24
●ヘッジャー
3.円金利スワップマーケットの概要(9)
ヘ
ッ
ジ
ャ
ー
マ
ーケ
ッ
ト
メ
イ
カ
ー
銀行
6ヶ月
LIBOR
6ヶ月
LIBOR
0.80%
変動金利借入に対する、金利上昇リスクをヘッジ。(将来に亘る借入コ
ストの固定化を実現)。
MMの
オファー
レート
資金
変動金利借入
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4.円金利スワップの代表的なヘッジツール(1)
ユーロ円金利先物(金先):東京金融取引所
3ヶ月物TIBORレートの先物(フォワードレート)
先物レート(%)=100-先物価格
1枚(元本1億円相当)当りのBPVは2,500円
金利上昇=価格下落、金利低下=価格上昇
(出所)THOMSON REUTERS26
4.円金利スワップの代表的なヘッジツール(2)
長期国債先物(債先):東京証券取引所
期間10年、クーポン6%の標準物
実質的なリスクは残存期間約7年の国債と同等
1枚(元本1億円相当)当たりのBPVは約9万円
⇒金利が1bp変化すると、価格が約9銭変化
金利上昇=価格下落、金利低下=価格上昇
(出所)THOMSON REUTERS27
4.円金利スワップの代表的なヘッジツール(3)
●債先を用いたヘッジ例
【問】期間10年、想定元本100億円、固定金利払いの円金利スワッ
プのポジションを債先を用いてヘッジする場合、何枚の債先を売買す
ればいいか?
【答】円金利スワップのポジションはデルタショート9.83百万円
⇒金利上昇で収益、金利低下で損失発生
⇒ヘッジするためには、債先の買い
債先1枚当たりのBPVを0.09百万円とすると、
ヘッジ枚数=9.83M/0.09M≒109枚
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4.円金利スワップの代表的なヘッジツール(4)
JGBイールドと円金利スワップレートの比較
0.00 0.20 0.40 0.60 0.80 1.00 1.20 1.40 1.60 1.80 2.001Y 2Y 3Y 4Y 5Y 6Y 7Y 8Y 9Y 10Y 15Y 20Y 30Y
SWAP(%) JGB(%)
同じ「金利」でも、中味は別物。
⇒アセットスワップスプレッド
(後述)
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5.金利トレーディング手法(1)
ファンダメンタルズ系 政治・経済状況や経済指標等に着目 マクロ系ファンド等 テクニカル系 主に先物のチャートに着目CTA(Commodity Trading Advisor:商品投資顧問)等 Relative Value系 イールドカーブや商品間市場等の相対的関係に注目 RV系ヘッジファンド アウトライト 債券価格上昇(金利低下)、下落(金利上昇) イールドカーブプレイ(スプレッド、バタフライ) カーブのスティープニング、フラットニングや凹凸 ボラティリティ 価格・金利等の変動幅 ⇒オプション スプレッド 複数商品間の価格・金利差
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ファンダメンタル分析
景気動向
経済指標 等
テクニカル分析
チャート
需給分析
投資家動向等
ポジション
相場観
トレーディング手法
収益
5.金利トレーディング手法(2)
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5.金利トレーディング手法(3)・・・・・・アウトライト取引
金利変動により収益を生むポジション(まとめ) 商品 金利上昇 金利低下 金利スワップ 固定(金利)払い 固定(金利)受け 債券先物(債先) 又は債券現物 売り 買い 金利先物(金先) 売り 買い 金利の上下変動の予想に基づき行う、一本の取引 金利上昇を予想 ⇒ 固定金利払い 金利低下を予想 ⇒ 固定金利受け (例)10年 0.80%払い アウトライト取引(ポジション)の損益 = BPV x 金利変動幅
アウトライト取引32
イールドカーブスプレッド取引(カーブの傾き度合い)
イールドカーブの傾きの変化に対する予想に基づいて行う取引。
長短2本の金利スワップ取引を、受け・払い同時に行う。
スプレッドの価格 =「長期」スワップ金利 - 「短期」スワップ金利 (例) 2Y:0.20% 10Y:0.80% ⇒ 2Y-10Yスプレッド:60bp スプレッド 短期 長期 狙い 買い 受け 払い スティープニング(傾斜化) 売り 払い 受け フラットニング(平坦化)5.金利トレーディング手法(4)・・・・・・イールドカーブスプレッド取引①
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円スワップイールドカーブ(2007/4~2008/3)
・3つのパターンのブル(債券強気)ポジションの比較
10Yアウトライト受け
2Y-10Yスプレッド売り
2Y-5Y-10Yバタフライの売り
0.70 0.90 1.10 1.30 1.50 1.70 1.90 1Y 2Y 3Y 4Y 5Y 6Y 7Y 8Y 9Y 10Y 2007/4/2 2008/3/315.金利トレーディング手法(4)・・・・・・イールドカーブスプレッド取引②
34 10Yスワップ(アウトライト) 1.40 1.50 1.60 1.70 1.80 1.90 2.00 2.10 2.20 2007/4/2 2007/4/16 2007/4/30 2007/5/14 2007/5/28 2007/6/11 2007/6/25 2007/7/9 2007/7/23 2007/8/6 2007/8/20 2007/9/3 2007/9/17 2007/10/1 2007/10/15 2007/10/29 2007/11/12 2007/11/26 2007/12/10 2007/12/24 2008/1/7 2008/1/21 2008/2/4 2008/2/18 2008/3/3 2008/3/17 2008/3/31 10Y 2Y-10Yスプレッド (=「10年」-「2年」) 45.00 50.00 55.00 60.00 65.00 70.00 75.00 80.00 85.00 90.00 95.00 2007/4/2 2007/4/16 2007/4/30 2007/5/14 2007/5/28 2007/6/11 2007/6/25 2007/7/9 2007/7/23 2007/8/6 2007/8/20 2007/9/3 2007/9/17 2007/10/1 2007/10/15 2007/10/29 2007/11/12 2007/11/26 2007/12/10 2007/12/24 2008/1/7 2008/1/21 2008/2/4 2008/2/18 2008/3/3 2008/3/17 2008/3/31 2Y-10Y
5.金利トレーディング手法(4)・・・・・・イールドカーブスプレッド取引③
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6-1.基礎知識
・通貨ペア [3] ・インターバンク市場 [4] [16] ・ビッドとオファー [7] [8] ・為替レートの計算方法 [10] ・実需と投機 [11] [12] ・ストップロスオーダー [15] ・LIBOR、TIBOR [18] ・マーケットメイカー [17] [22] ・リスクテイカー [17] [23] ・ヘッジャー [17] [24] ・BPV [20] ・ヘッジツール [25] [26] ・ユーロ円金利先物(金先) [25] ・長期国債先物(債先) [26] ・アウトライト [29] [31] ・スプレッド [32] ・イールドカーブスプレッド [32] [33] [34] ・スティープニング、フラットニング [29] [32]6.基礎知識・演習問題
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【問題】
X銀行のインターバンク為替ディーラーであるYさんは、相場見通しとして円(
JPY)の下落とスイスフラン(CHF)の上昇シナリオをもとにスイスフラン/円のロン
グポジション(買い持ち)を10本(10百万フラン)保有することにした。その時の、イ
ンターバンクで取引できる為替レートは以下のようにクウォートされていた。
① Yさんの取引できるスイスフラン/円のレートはいくらか。
② その後、見通しが見事に的中し、スイスフラン/円相場が118.00まで上昇し
たので反対取引を行い、利益を確定することにしました。その時の利益額
はいくらか。
6-2.演習問題・・・・・・(1)
6.基礎知識・演習問題
BID OFFER USD/JPY 102.40 102.50 USD/CHF 0.8810 0.882037
(1)の【解答】
①
CHF/JPYの買い=CHFの買い+JPYの売り
=USDCHFの売り+USDJPYの買い
=0.8810と102.50の組み合わせ
=102.50÷0.8810≒116円35銭
【答え】 116円35銭
② Yさんの享受した値幅は118.00-116.35=1円65銭
よって、利益額は10,000,000×1.65=16,500,000円
【答え】 16,500,000円
6.基礎知識・演習問題
BID OFFER USD/JPY 102.40 102.50 USD/CHF 0.8810 0.8820 1USD=0.8810CHF 1USD=102.50JPY 0.8810CHF=102.50JPY38
【問題】
A銀行のディーラー(リスクテイカー)であるBさんは、短期的な金利上昇シナリオ
に基づき、マーケットメイカーであるC銀行との間で円金利スワップ(期間:10年、
想定元本:500億円、A銀行の固定払い)を約定し、新たなポジションテイクを行っ
た。その後、当初予想通り金利が上昇したため、C銀行との間で再び円金利スワ
ップ (期間:10年、想定元本:500億円、A銀行の固定受け)を行い、ポジションをク
ローズした。この取引に伴うBさんの損益はいくらか。
ただし、マーケットメイカーC銀行の提示レートは以下の通りで、BさんはC銀行
の提示レートで取引を約定したものとする。また、10年円金利スワップのBPVは
9.83百万円(想定元本100億円あたり)とする。
C銀行提示レート(%)
オファー ビッド
ポジションテイク時 0.80500 0.79500
ポジションクローズ時 0.84500 0.83500
6-2.演習問題・・・・・・(2)
6.基礎知識・演習問題
39
(2)の【解答】
リスクテーカーがマーケットメイカーの提示レートで取引を行う場合、「固定払
い」の取引の場合はマーケットメイカーのオファーレート、
「固定受け」の場合はビッドレートでの約定となる。よって、今回の
ケースでは、ポジションテイク時の約定レートは0.805%、ポジションクローズ時
の約定レートは0.835%となる。
つまり、Bさんはこのポジションにより、0.805%と0.835%の差である3.0bp分の
収益を得たことになる。
収益額は、
9.83百万円/bp x 3.0bp x 500億円/100億円 = 約147百万円。
6.基礎知識・演習問題
40
【問題】
次の文章の空欄①~④に当てはまる適当な語句・数字を埋めよ。
A銀行のディーラー(リスクテイカー)であるBさんは、この先イールドカーブはステ
ィープニングすると考え、その相場観に基づき5Y-10Yスプレッド( ① )のポジシ
ョンを構築した。その際、Bさんが約定したスワップ取引は以下の2本である。
ただし各年限のBPV(想定元本100億円あたり)は以下の通りと仮定する。
5年
7年
10年
BPV
4.93
6.88
9.83
期間
受払区分 想定元本
5Y
( ② ) ( ③ )億円
10Y
( ④ )
300億円
(単位:百万円)6.基礎知識・演習問題
6-2.演習問題・・・・・・(3)
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【解答】
①買い、②受け、③約598億円、④払い
【解説】
イールドカーブのスティープニングを狙った5Y-10Yスプレッドの買いは、期間5Y
のスワップの受けと、期間10Yのスワップの払いを同時に行う取引である。
またスプレッド取引は、長短2本のスワップ取引のBPVがマッチするように想定
元本を決定する。
従って期間5Yのスワップの想定元本は、
9.83百万円÷4.93百万円×100億円×(300億円/100億円)=約598億円
6.基礎知識・演習問題
(3)の【解答】
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