発行日 : 2017/6/26
金価格少し反発
週刊ゴールド
金の投資判断に必要な情報がここに凝縮されていま
す。
毎週月夕方発行
先週末6月23日金曜日NY金8月限は+7.0ドル高の1256.4ドル。プラスを維持して買い賛成となったあとも、ドル 安・原油高やテクニカル改善で前日高値を抜いた。ただ、米国株の上昇や米住宅販売の増加で上げ幅を縮小。時間外 取引を1259.1~1250.6ドルのレンジで推移し、前日比8.4ドル高の1257.8ドルとなった。8月限は、高寄りした あと下押されたが、プラスを維持して買い賛成となったあとは、ドル安をはやして前日高値(1256.0ドル)を突破 した。原油反発も強材料。テクニカル買いを誘って上昇が加速した。 立会時間は、戻り歩調を引き継いで時間外取引の高値を突破し、1260.0ドル(10.6ドル高:0.8%)まで値を飛ば した。100日移動平均(1252.5ドル)超えによるテクニカル改善も強材料。ただ、上昇が一服したあと、ドル安加 速や原油反発などの強材料が見られたが、米国株の上値追いで上げ幅を削った。米新築一戸建て住宅販売の増加も弱 材料。これといった新規支援材料も見当たらなかったが、ドル安や原油反発を好感して修正高が継続した。3月の利 上げのあと、米景気指標は景気減速を示唆、インフレは目標の2%を下回ったままの見切り発車で6月に追加利上げに 踏み切った。今年もう一回の追加利上げは理解できるとしても、来年三回、再来年三回の利上げ見通しはいかがなも のか。来年のことでも鬼は笑うのである。さまざまな不透明要因を抱えるなか、米景気がどれだけ回復するか、注目 したい。 引け後に米商品先物取引委員会(CFTC)が発表した6月20日現在の建玉明細によると、大口投機家の金の先物建玉 は15万675枚の買い越しで、前週の19万274枚の買い越しから縮小した。銀の先物建玉は4万6681枚の買い越し で、前週の6万658枚の買い越しから縮小した。 今日の材料 ・6月のドイツ製造業PMI速報値は59.3に低下、予想の59.0を下回る。サービス部門は53.7に低下、予想の55.5を 下回る。総合は56.1に低下。 ・6月ユーロ圏製造業PMI速報値は57.3に上昇、予想の56.8を上回る。サービス部門は54.7に低下、予想の56.2を 下回る。総合は55.7に低下、予想の56.6を下回る。 ・6月の米製造業PMI速報値は52.1、予想の53.0を下回る。サービス部門は53.0、総合も53.0。 ・5月の米新築一戸建て住宅販売は前月比2.9%増加の年率61万戸、予想の59.7万戸を上回る。 ・ドラギECB総裁、経済は拡大し失業率も低下しているが、鈍い物価上昇を踏まえると、金融緩和策は当面維持され るとの考えを示す。 ・米クリーブランド連銀総裁は、米経済は良好に推移しており、雇用やインフレで後手に回らぬよう、利上げを継続 していく必要があるとの見解を示す。TOPICs
インドの金融機関は7月1日の物品税の徴税が始まるまで輸入をストップ
国内価格上昇
日本の消費税は2014年4月にそれまでの6%から8%に引き上げられた。金をそうした消費税が無い海外で購入し、 日本に密輸入すれば、8%の消費税分だけ儲かることになる。香港や韓国で購入した金を日本に密輸することが流行っ ている。輸入方法も様々なようだ。漁船やコンテナを利用して密輸しているようだ。儲かると思えばだれでもなんと かしようとする。警察のレポートでは犯罪組織が関与しているというのは驚くに当たらない。信頼できるチャンネル さえ構築されれば、大きな利益が期待できる。また大手企業のアマチュアもこうした取引にかかわっているという噂 もある。こうした流れを食い止めるのは難しいだろう。2019年10月に再び消費税が10%に上げられるという話も あり、そうなれば、金の密輸はあとを絶たないだろう。 日本では、輸入された金を、価格が高くなったため売却され、スクラップとして輸出されている。下グラフはその 輸出量推移である。町中の貴金属買取商で買い取られた金は、再溶解されて、アジアや欧州の国際市場に輸出された。 2016年は前年比+52%増の161トンが輸出されている。 その4割は英国に輸出され、その他シンガポールや香港にそれぞれ30トン以上が輸出されている。スイス向けも 2016年には14トンと前年の二倍になっている。今年は、4月までに75トンがシンガポールとスイス等に輸出され、 英国向けは4倍以上になっている。合計では前年同期比+80%増である。過去5年平均は年間93トンが輸出されてい る。このうち英国向けの正規の日本の精製業者が扱うラージバーの輸出量は▲8%減となっている。 5月5月のスイスからの金の輸出量が公表され、インド向けが大きく増加している。インド向けは68.1トンだったが、 今年の累計は235.3トンとなった。このままいくとインドのスイスからの輸入量は年間で560トンペースとなる。毎 年欧州からの輸入量の半分をスイスが占めることから、今年のインドの輸入量は1000トンになりそうである。スイスには、Heraeus, Metalor, PAMP、Valcambi という四大貴金属精製業者があり、アジアや中東諸国の求め るサイズに改鋳している。スイスの主な輸出先はインド、中国以外に中近東の貴金属のハブであるトルコや東南アジ アのハブであるシンガポールがある。スイスが輸入しているのは2割が英国である。また金のスクラップはUAEや香 港から入荷する。
TOPICs日本は金の輸出が増えるとともに、
インドで金の輸入権を持つ銀行はGST(物品税)が課税される7月1日まで金の新たな輸入を停止しているため、 ムンバイでは国内金市場は5ドルのディスカウントとなっている。7月1日からインドではGoods & Services Tax が課せられ、金の場合は3%となったが、輸入税は10%であり、海外からの輸入額の33%が税金となる見込み。こ のほかにも金のリースには18%とか労務費に5%等さまざまな税率があり、この実施細目がまだ決まっていない。 当分混乱が続くものと思われる。
米国の株価は、割高観が指摘されて久しい。Bank of America Merrill Lynchの6月の機関投資家調査では、割高 だとの回答が前月の37%から44%に上昇した。またハイテク株はバブルに近いとの回答も75%に上ったという。 84%の期間投資家が「使用市場の中で米国株市場が最も割高だ」と回答している。 米国債についても82%が割高だと回答している。先進国株が割高だと見ている投資家が69%、思考国株は34%が 適正水準、41%が割安と判断している。 トランプ大統領の政治的混迷を受けて、消費者心理が冷却し始めたとの分析もある。仮に米国株が急落すれば、金 へのセーフヘブン投資が進むだろう。 中国のプラチナ宝飾品加工量は3年連続で減少している。2016年は130万オンス(約40.4トン)と▲17%減 だった。金額ベースでは約14億ドルで▲13%減少となった。中国人民元建てのプラチナ価格は+13%上昇してい た。。 また中国のパラジウム宝飾品加工量は▲77%減で、1万2千オンス、(0.4トン)となり、8年連続で減少している。 2016年の中国のGDP成長率は6.7%で、2015年以来成長が鈍化している。その傾向は2016年も続いたが、下 半期には少し回復基調となっている。大企業の製造状態を表す製造業PMIは2016年は3ヵ月50を下回ったが、 2015年は7ヵ月であった。 中小企業の状況を示すCaixin 製造業PMIは、2016年は上半期の6ヵ月50を下回っており、後半には回復基調と なっているが、残念ながらプラチナ宝飾品の需要までは及んでいない。中国の宝飾品市場では金が主流であり、プラ チナはまだそれほど注目されていない。金の方が価格に透明性があり、流動性も高いので、消費者は金を選好する。 また、中国人の財布の紐が固くなっており、宝飾品全体の需要も2013年のピーク以来落ち込んでいる。そのため 加工業者も粗利益が大きい宝飾品の販売にシフトしている。24金の宝飾品の粗利益は2割以下であったが、18金等粗 利益の高いものを作るようになっており、プラチナもその影響を受けている。従来から中国人は金色が好きだったの で、現在の中国宝飾品市場の6割は18金の金色のものとなっている。結婚指輪は宝石の附いたものが8割を占めてい る。また加工技術としては、18金の方が加工しやすく、プラチナは固いので複雑な加工が難しい。
TOPICs
2016年のプラチナの在庫は堅調だったが、次期に減少し始める
by GFMS
TOPICs
NY株価は減税もインフラ投資もないのに過去最高値
TOPICs
中国のプラチナ宝飾品は3年連続で減少
by GFMS
2016年のプラチナ需給は概してバランスした。2年連続の需給バランスだった。そのため、16年末の地上在庫は 630万オンス(約195トン)だったが、GFMSはこの3年間の予測で、今年は供給が大きく不足して、プラチナ在庫 が減少すると予想している。プラチナ在庫は2019年までに過去20年で最も少なくなると思われる。100,240枚 151,586枚 ▲45,535枚 $1,241.0 までの週 取組高 買い残 売り残 ネット買い残 増減 価格 +17,296枚 $1,255.0 4月11日 681,606枚 253,798枚 76,667枚 177,131枚 +15,948枚 $1,271.2 4月4日 628,054枚 241,650枚 80,467枚 161,183枚 +23,212枚 $1,291.7 4月25日 667,987枚 280,182枚 83,923枚 196,259枚 ▲4,084枚 $1,265.6 4月18日 725,021枚 277,499枚 77,156枚 200,343枚 ▲11,253枚 $1,255.1 5月9日 637,559枚 222,393枚 81,007枚 141,386枚 ▲43,620枚 $1,214.3 5月2日 656,510枚 269,482枚 84,476枚 185,006枚 ▲21,130枚 $1,235.0 5月23日 697,601枚 239,655枚 80,045枚 159,610枚 +39,354枚 $1,254.8 5月16日 640,232枚 210,705枚 90,449枚 120,256枚 +12,198枚 $1,262.1 6月6日 728,589枚 319,033枚 104,932枚 214,101枚 +42,293枚 $1,294.4 5月30日 625,626枚 253,634枚 81,826枚 171,808枚 ▲16,980枚 $1,265.8 6月13日 682,626枚 300,066枚 102,945枚 197,121枚 ▲68,747枚 ▲$50.7 2ヶ月前比 ▲74,863枚 ▲25,673枚 +23,084枚▲48,757枚 ▲28,555枚 ▲$24.8 前週比 ▲32,468枚 ▲48,240枚 ▲2,705枚 ▲45,535枚 6月20日 650,158枚 251,826枚 6月20日までの週のNY金に対するファンドのネット買い残は2週 連続して減少市15万1,586枚となった。
TOPICsファンドの建て玉
6月13日 78,182枚 45,697枚 31,330枚 14,367枚 ▲5,414枚 $923.0 6月20日 77,571枚 44,086枚 32,384枚 11,702枚 ▲2,665枚 $920.6 5月30日 71,365枚 43,348枚 26,750枚 16,598枚 +576枚 $939.3 6月6日 71,453枚 44,798枚 25,017枚 19,781枚 +3,183枚 $962.1 5月16日 76,374枚 46,465枚 34,746枚 11,719枚 +2,507枚 $934.5 5月23日 72,343枚 45,208枚 29,186枚 16,022枚 +4,303枚 $946.9 5月2日 73,346枚 44,446枚 27,561枚 16,885枚▲10,203枚 $923.6 5月9日 78,258枚 46,249枚 37,037枚 9,212枚 ▲7,673枚 $898.4 4月18日 67,176枚 44,955枚 15,565枚 29,390枚 +3,299枚 $975.8 4月25日 66,788枚 43,354枚 16,266枚 27,088枚 ▲2,302枚 $954.6 4月4日 64,385枚 42,364枚 15,757枚 26,607枚 ▲879枚 $961.2 4月11日 65,530枚 43,408枚 17,317枚 26,091枚 ▲516枚 $965.9 前週比 ▲611枚 ▲1,611枚 +1,054枚 ▲2,665枚 +2,749枚 ▲$2.4 2ヶ月前比 +10,395枚 ▲869枚 +16,819枚▲17,688枚 ▲5,964枚 ▲$55.2 までの週 取組高 買い残 売り残 ネット買い残 増減 価格 株式会社コモディティー インテリジェンス4東京都中央区日本橋蛎殼町1丁目11-3-310 会社電話: 03-3667-6130 会社ファックス 03-3667-3692 メールアドレス: [email protected] 発行元 : 掲載される情報は株式会社コモディティー インテリジェンス (以下「COMMi」という) が信頼できると判断した情報源をもとにCOMMiが作 成・表示したものですが、その内容及び情報の正確性、完全性、適時性について、COMMiは保証を行なっておらず、また、いかなる責任を持つも のでもありません。 本資料に記載された内容は、資料作成時点において作成されたものであり、予告なく変更する場合があります。 本文およびデータ等の著作権を含む知的所有権はCOMMiに帰属し、事前にCOMMiへの書面による承諾を得ることなく本資料およびその複製物に 修正・加工することは堅く禁じられています。また、本資料およびその複製物を送信、複製および配布・譲渡することは堅く禁じられています。 COMMiが提供する投資情報は、あくまで情報提供を目的としたものであり、投資その他の行動を勧誘するものではありません。 本資料に掲載される株式、債券、為替および商品等金融商品は、企業の活動内容、経済政策や世界情などの影響により、その価値を増大または減 少することもあり、価値を失う場合があります。 本資料は、投資された資金がその価値を維持または増大を補償するものではなく、本資料に基づいて投資を行った結果、お客様に何らかの障害が 発生した場合でも、COMMiは、理由のいかんを問わず、責任を負いません。 COMMiおよび関連会社とその取締役、役員、従業員は、本資料に掲載されている金融商品について保有している場合があります。 投資対象および銘柄の選択、売買価格などの投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いします。 以上の点をご了承の上、ご利用ください。 米国株価はバブル気味であり、いずれ急落することがあればドル安となり金価格は上昇するだろう。インドや 中国の実需は未だ回復には程遠いが、こうした現物需要は増加が認識された後に価格は上がる傾向にあったので、 今のところこうした需要の動向に金価格が動かされることは無いだろう。 年初から金価格は上昇しており、昨年初めからみても上昇傾向にあるが、まだまだ下落する気配はない。利上 げを乗り越え、次の利上げまでは向かい風は収まり、ゆっくりと上昇していくのではなかろうか。