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個別質問対応例 Ⅰ <ご質問 > 分割確定前の賃料収入は合意があれば法定相続割合以外での申告も可能か最高裁の判例では 相続発生後遺産分割協議が固まるまでの不動産家賃収入については 相続人の共同財産との解釈で各相続人に法定相続割合で家賃収入が帰属するということになっています 私も実務上は これに従い遺

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税理士法人チェスター

審査部

相続税実務

質疑対応事例 Sample

税理士法人チェスター 審査部 (注)次ページ以降の各事例の[質問]は過去にいただいたご質問内容から、マスキング等を施 した上で抜粋して記載しているものであり、実際には、これだけで<審査部の回答例>が導か れるものとは限りません。 また、税理士法人チェスター審査部による回答内容のイメージをご覧いただく目的に限定して 記載したものであり、その回答内容を保証するものではありません。

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【個別質問対応例Ⅰ】 <ご質問>分割確定前の賃料収入は合意があれば法定相続割合以外での申告も可能か 最高裁の判例では、相続発生後遺産分割協議が固まるまでの不動産家賃収入については、 相続人の共同財産との解釈で各相続人に法定相続割合で家賃収入が帰属するということに なっています。 私も実務上は、これに従い遺産分割協議確定前は法定相続割合で家賃収入が各相続人に帰 属、遺産分割協議確定後は確定した相続人の収入として、所得税の申告をしてきました。 ただ、とある弁護士のサイト(省略)では「相続人間で合意をすれば、これと異なる取扱 いをすることも可能です。」という記載があり、合意があれば相続日から特定の相続人のみ に家賃収入を帰属させそのように所得税の申告をすることができるのか不安になりました。 上記解釈による申告はリスクあるような気がしますがご意見いただけますと幸いです。 <審査部の回答例> ご案内の弁護士事務所ホームページ(省略)の記載は、最高裁平成 17 年9月8日第一小法 廷判決(本件最高裁判決)前に、下級審で当事者間の合意を尊重する裁判例(東京家審昭 和 55 年2月 12 日家月 32 巻5号 46 頁・東京高決昭和 56 年5月 18 日家月 35 巻4号 55 頁 など)があることを根拠になさっていると推察します。 しかし、本件最高裁判決はあくまで私法(民法)上のもので、税法までの検討がなされて いるようには読めません。 これが、税法判決(例えば、更正の請求に対して更正すべき理由がない旨の通知処分の取 消しを求めた訴訟など)であれば、そのまま尊重すべきですが、税法は、大量回帰的に課 税処分がなされるという性格上、そもそも遡及的な課税関係の見直しに消極的で、そんな 中で本件最高裁判決が下されたことで、ご存知のとおり、国税庁の取扱いが発遣されてい ます。 仮に、当事者間の合意を認めた下級審判決を根拠に、特定の相続人に賃料収入を帰属させ る申告をした場合、「本件判決の射程」について、原処分庁と(ガチンコで)最高裁まで争 わないと結論が出ないという事態になりかねません。 そこまでしていただける納税者(弁護士、補佐人税理士)がおられたら、将来の納税者・ 税理士にとって参考になる判決が期待できるのですが、通常は、そこまでされる方はいな いでしょう。 本件のご質問の回答としましては、課税庁が本件最高裁判決を根拠として否認する可能性 を意識せざるを得ず、訴訟で本件最高裁判決の射程の検証がなされない限り、覆すのは難 しいというところだと考えます。

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【個別質問対応例Ⅱ】 <ご質問>評価対象地(傾斜地)の評価で「10%評価減」、「側方路線の未考慮」は可能か 評価対象地(住宅地図・写真等は省略)は角地であり、東側(間口はABを結ぶ線分で 20 mとします)と南側(間口はBCを結ぶ線分で 10mとします)が道路に接していますが、 その地域の道路は、北東方向から南西方向に向かって傾斜する傾向にあり、評価対象地に ついてはAが最も高く、B→Cに向かうに従って一貫して低くなっています。 これによって、評価対象地の間口(合計 30m)は、Bで一旦折れているものの、傾斜とし ては一貫しています。 著しく利用価値が低い宅地であるとして 10%の評価減をしてよいでしょうか? また、評価対象地は角地としての効用が発揮できないと思うのですがいかがでしょうか? <審査部の回答例> いただいた資料やストリートビューで確認する限りなのですが、結論としては、「10%評価 減」も「側方路線を認識しないこと」も難しいと考えられます。 判断基準としては、「付近にある宅地と比べて、評価対象地のみが不利な影響を受けている かどうか」によって決まるものと考えられます。 ご説明の都合上、評価対象地の東側の路線を A 路線、南側の路線をB路線と仮定しますが、 ストリートビューで拝見する限り、A路線もB路線も一貫して傾斜しているようであり、 評価対象地以外の宅地もおおむね同様の影響を受けているように見受けられました。 本件の評価対象地が酷であるのは、敷地の2方(東側・南側)ともに(計 30mにわたって 一貫して)傾斜の影響を受けているところであり、道路との高低差がより際立っているよ うにお感じになるものと推察しますが、たとえば、「評価対象地の効用は、傾斜のある一方 路線(たとえば A 路線)のみに 30mの間口で接している宅地と同程度しかないか」と言う とそのようにも言えない(一貫して傾斜していても角地としての効用はある)と思います。 例えば、本件事案が国税不服審判所に係属したと仮定した場合の判断の見込みを推察しま すと、「付近の宅地もおおむね同様の影響を受けており、その場合には路線価自体にその傾 斜影響は織り込まれていると考えるべきであって、個別の宅地の評価において更なるしん しゃくを認めるべきではない」との判断になるのではないかと考えています。

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【個別質問対応例Ⅲ】 <ご質問>回収が見込めない同族会社への貸付債権 5000 万円の相続税評価について 同族会社に対する 5,000 万円の金銭債権をどのように評価するかで困っています。 細々と営業は継続していますが、そもそも債務超過の状態が継続しており、とても 5,000 万円の債権を満額回収できる見込みはありません。 評価通達 205 の「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に該 当するとして相続税の課税価格に算入しなくてもよいですか? <審査部の回答例> 「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」の法令解釈について は、平成 23 年3月 24 日大阪高裁判決に「評価通達 205 の(1)から(3)が、貸付金債 権等の回収の見込みがない場合として。債務者の経済状態等が破綻していることが客観的 に明白である事由を掲げていることに鑑みれば、これと並列的に並べられている『その他 その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき』とは、上記事由と同視できる 程度に債務者の経済状態等の悪化が著しく、その貸付金債権等の回収の見込みがないこと が客観的に明白であることをいうものと解するのが相当である。」とありますので、最高裁 で覆らない限りは確立された規範です。 「債務超過・営業赤字の継続がある場合に評価通達 205 に該当するのではないか」という ご意見をいただきます。 これは、裁決などで「債務超過・営業赤字が継続していないから、評価通達 205 に該当し ない。」という趣旨の説示を部分的に切り取られて独り歩きしているからでしょうが、これ らは 205 該当の必要条件であって十分条件ではなく、これらをもって(1)から(3)と 同視できる事由にはならないと考えます。 なかなか(1)から(3)と同視できる(かつ、客観的に明白な)判例・裁決事例がない のですが、敢えて例を作り出すとすれば、前述の大阪高裁判決で「存続困難であったと認 めるに足りる具体的な事情」という表現をしており、これを具体化すると、債務超過・営 業赤字の継続では足りず、課税時期の時点で「経営者が行方不明」「営業に従事する従業員 が全員退職(解雇)している」「事業に不可欠な固定資産(工場やその機械)に対して強制 執行がなされている」といった外部からも識別可能な事実関係が必要であると考えられま す。 評価対象会社は債務超過のようですので、更に(1)から(3)と同視できる事実関係が あるか否かを、上記視点からご検討いただきたいのですが、該当しそうなものがない場合 は、酷というご意見は承知ながら、債権額全額を課税価格に算入せざるを得ないと思料し ます。

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【個別質問対応例Ⅳ】 <ご質問>携帯電話の基地局として貸している敷地について借地権を認識しても良いか 被相続人が評価対象地を携帯電話会社に賃貸し、同社が建物(登記済)を建築した上で、 基地局として使用しています。 相当の地代以上を収受しているので、地代水準としては問題ないと考えているのですが、 添付の写真のグレード(省略、プレハブ建築で取り壊しも容易な印象)で、借地権を認識 してよろしいでしょうか。 <審査部の回答例> 借地権とは、第三者の土地を借りてその土地に自己所有の建物を建てられる権利で、借地 権の登記は民法上可能ですが、所有者の同意が必要であり通常は、自己の権利が制約され るような登記を必須ではしたくないので借地権の登記を同意することはなく、実務上は借 地権の登記はなされません。 しかし、それでは、借地権者の保護が疎かになるということで、借地借家法 10 条1項は、 「借地権は、その登記がなくても、土地の上に借地権者が登記されている建物を所有する ときは、これをもって第三者に対抗することができる」旨規定しています。 これは、通常、ある所有者の土地に別の所有者の建物が登記されて建っていれば、借地権 が存在するであろうと第三者が信頼することはやむを得ないと考えているからです。 そして、本件は、建物のグレード感はともかく、登記されている建物を借地権者である携 帯電話会社が所有しています。 本件は、「借地権に第三者対抗要件があるか」ではなく「税務上借地権が設定されていると 認識して良いか」の話ですが、税務上も私法(民法及び関連法)の取引を基礎として成り 立っていることに変わりはなく、対抗要件のあるかつ賃料水準を満足する借地権を、建物 のグレード感だけで否認するということは難しいのではないかと思います。 それは、登記ができるだけの建物であると登記官(と表示登記を作成した土地家屋調査士) が認めているものを、グレード感という人によって捉え方が異なる主観的な側面で否認す るのは無理があると考えるからです。 おそらく登記までしているのは、携帯電話会社のリスクヘッジのためでしょうが、これが、 評価対象地の使用に制約がある(対抗要件がある)証拠であり借地権を認識していただい て問題はないでしょうし、建物の所有が関係同族会社でもありませんので、賃貸借取引の 恣意性の介入という視点でも問題があるようには見受けられないと考えます。

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【個別質問対応例Ⅴ】 <ご質問>区分所有登記と状況が類似している 2 世帯住宅への小規模宅地の特例適用 被相続人の所有する宅地の上に、2階建ての建物があり、1階は、被相続人の建物で登記 されているが、増築した2階については未登記の状態です。 1階は被相続人と長女が同居し、2階は長男夫婦が別生計で住んでいました。 固定資産税は、1階が被相続人、2階は長男夫婦にそれぞれ課税明細が送付され各々が支 払っています。 本件の場合、2階は区分所有登記なされていないため、措令 40 条の 2⑩Ⅱに該当すると考 えて、2階部分を含めた敷地全体について小規模宅地特例を適用してよいでしょうか。 2階の固定資産税を長男夫婦が支払っていることを根拠として、区分所有登記しているの と同じという認定がなされてしまい、措令 40 条の 2⑩Ⅰによって1階のみが対象になって しまわないかどうか不安です。 <審査部の回答例> 2階も含めて対象になると考えられます。 措令 40 の2⑩Ⅰに「建物の区分所有等に関する法律第1条の規定に該当する」という文言 がありますが、措通 69 の4-7の3によると「『区分所有建物である旨の登記がされてい る建物』をいうことに留意する。」とあります。 これについて、財務省ホームページの平成 25 年度の「税制改正の解説」の P588~589 部 分の特に(注1)をご覧いただくと、「・・・ただし、構造上区分所有しうる建物が当然に 区分所有建物に該当するわけではなく、区分所有の意思を表示する必要があると解されて いることから、通常は区分所有建物である旨の登記がされている建物となります。・・・」 とあり、立法者意思は登記による意思表示を重視していることが読み取れます。 P588~589 の表現を使いながら説明しますと、25 年改正によって、二世帯住宅であれば内 部の行き来ができるか否かにかかわらず、この特例の適用が可能とされましたが、納税者 が、独立した部分ごとに所有権の目的とすることができる区分登記をあえて選択したので あれば、それまでも二世帯住宅と同視できないということで対象から除外したと考えます。 本件では2階が未登記であり、結果的に、上記の「区分所有建物である旨の登記がされて いる建物」に該当しないので、適用条文は措令 40 の2⑩Ⅱに移って適用可能という結論に なるのではないかと考えられます。 固定資産税との平仄について指摘されることは想定できますが、固定資産税は小規模宅地 の課税要件とは関係がなく、その旨を調査官に強調しておくことは有効であると考えます。

参照

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