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高等学校職業学科の専門教科による共通教科情報科代替の妥当性

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(1)

高等学校職業学科の専門教科による共通教科情報科

代替の妥当性

著者

深谷 和義

雑誌名

椙山女学園大学研究論集 社会科学篇

49

ページ

105-117

発行年

2018-03-01

URL

http://id.nii.ac.jp/1454/00002434/

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高等学校職業学科の専門教科による

共通教科情報科代替の妥当性

深 谷 和 義*

The Validity of Alternative Subjects for Information Studies by Specialized Subjects

in Vocational High Schools

Kazuyoshi F

UKAYA あらまし  高等学校職業学科では,共通教科情報科の開設前から設定されている専門教科 の情報に関する科目の履修により共通教科情報科に代替可能となっている。職業 学科の専門教科には,農業,工業,商業,水産,家庭,看護,情報,福祉の 8 教 科ある。本論文では,専門教科における情報科の代替科目に対して,学習内容を テキストマイニングにより分析し,共通教科情報科と比較する。学習内容は,各 科目の学習指導要領解説に記載されている目標・内容の語を扱う。分析の結果, 共通教科情報科に比べて,代替科目で使われている語がかなり少ないことが分 かった。また,共通教科情報科では「情報セキュリティ」「問題解決」等の情報 の基本語が,代替科目では「生活産業」「情報産業」等の職業に関する語が使わ れているなど,記載語の傾向に違いが見られた。これらより,代替科目において は情報科の学習内容同様の成果が期待できない可能性が示唆された。 キーワード:テキストマイニング,職業学科,代替科目,情報科,学習指導要領 1 はじめに  高等学校において,情報に関する科目(以下,情報科目)は,専門教科の工業及び商業 では古くから設定されていたが,1994 年度から実施の学習指導要領において,すべての 職業学科において設けられることになった。当時の職業学科には,工業,商業の他に,農 業,水産,家庭,看護で,合わせて 6 教科に関する学科がそれぞれあった。  2003 年度から共通教科1)情報科が設定され,すべての生徒に対して 2 単位履修させるこ とが必修になった。その際,前述の職業学科においては,以前から設けられていた専門教 * 教育学部 子ども発達学科

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科の情報科目が共通教科情報科に関する科目の履修に代替することが可能な科目(以下, 代替科目)とされた。なお,この年に新設された専門教科の情報,福祉についても同様の 扱いとなった。  2013 年度から実施の現学習指導要領においても継続して共通教科情報科が 2 単位必履修 である。専門教科における代替科目についても継続されている。文部科学省調査の高等学 校学科別生徒数によると,共通教科情報科を代替科目で履修可能な職業学科の生徒数は, 2016 年現在で全体の 18.5%を占めている[1] 。  職業学科における代替科目履修状況の例は次の通りである。2013 年度の愛知県立高等 学校においては,全日制課程 146 校中,職業学科のみの学校が 35 校あった。筆者の調査に よると,そのすべての学校において,共通教科情報科ではなく専門教科の代替科目を履修 させている[2]。  しかし,学習指導要領解説総則編において,代替が可能とされるのは,「同様の成果が 期待できる場合」となっている[3] 。また,「専門教科・科目と必履修教科・科目相互の目 標や内容について」「十分な検討を行うことが必要である」とされている[3]。すなわち, 単に,専門教科の情報科目を履修させればよいのではなく,目標・内容が代替として不足 なく教育されていることが必要である。  高等学校における代替科目に関する研究は多くはなされていない。その中で,古くは 1994 年度に家庭が男子にも必修とし,すべての生徒が履修する教科となった際に,加地 らが文献[4]において,4 単位中 2 単位を体育かいくつかの専門科目で代替している現状 を調査している。  共通教科情報科が,職業学科において履修させている専門教科の情報科目を代替科目と していることを扱った研究には,次のものがある。まず,亀山は文献[5]で,同一校に おいて,職業学科の代替科目履修の現状を普通科の情報科履修内容と比較している。ここ では,家庭と福祉の学科における代替科目の年間指導計画等から共通教科情報科に代替さ せる必要性に欠けることを指摘している。また,筆者は文献[6]で,代替科目の学習指 導要領における記載用語が共通教科情報科の用語とは,かなり異なっていることを指摘し ている。しかし,ここでは,用語出現の有無だけで比較しており,語数の定量的な評価は していない。  本論文では,以上を踏まえて,職業学科での情報科代替科目と共通教科情報科との学習 内容を比較し,代替に充分な学習内容が扱われているか否かを調査する。各科目の学習内 容として,学習指導要領解説に記載されているそれぞれの科目に関する記述を取り上げ, テキストマイニングにより語数を定量的に評価し語の特徴を分析する。学習指導要領は各 学校で教育課程を編成する際の基準であるため,学習指導要領の記述を調査することで, 使用語レベルでの学習内容の比較ができると考えられる。その結果から,職業学科で代替 科目を履修させていることで,共通教科情報科を履修させていない状況が適切か否かを判 断できる指針を示すことを目的とする。 2 職業学科における情報科目  専門教科の情報科目の履修により,共通教科情報科の科目「社会と情報」または「情報

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の科学」のいずれかの代替科目として学習指導要領解説に明記されている科目は,表 1 に 示す 8 科目である[7]―[14] 。工業の科目「情報技術基礎」は「情報の科学」,それ以外の専門 教科における 7 科目は「社会と情報」の履修にそれぞれ代替することが可能であるとされ ている[7]―[14] 。なお,本論文においては,以下で,代替科目名を記載する代わりに該当の 専門教科名を記載している。  代替科目以外にも職業学科において,情報科目を設定している専門教科がある。まず, 情報では 13 科目(代替科目を含む。以下,同様)すべてが情報科目である。また,工業 には,「電子情報技術」等の 6 科目,商業には,「ビジネス情報」等の 5 科目の情報科目が ある。しかし,これらを除く 5 教科においては,代替科目以外に情報科目は 1 科目もない。 したがって,農業,水産,家庭,看護,福祉に関する職業学科では,共通教科情報科を履 修していなければ,代替科目での学習だけが共通教科情報科の内容に関する教育の機会と なっている。 表 1 専門教科ごとの代替科目 教科 代替科目 教科 代替科目 教科 代替科目 農業 農業情報処理 水産 海洋情報技術 情報 情報産業と社会 工業 情報技術基礎 家庭 生活産業情報 福祉 福祉情報活用  商業 情報処理   看護 看護情報活用 3 学習内容の調査方法  本論文では,共通教科情報科の各科目及び代替科目におけるそれぞれの学習内容を比較・ 分析する。学習内容は,学習指導要領解説[7]―[14]における各科目の目標・内容の記述を扱う。 手順は次の通りである。 1 .共通教科情報科 2 科目と代替科目 8 科目の学習指導要領解説の目標・内容を科目ごと に計 10 科目扱う。 2 .情報科に関する語を適切に扱うために,各科目に対して,語に関する取捨選択を次 のようにする。 ●「情報通信ネットワーク」のような複合語は一つの語として扱う。 ● 学習指導要領解説における「ア」「イ」「ウ」や「第 1 目標」「第 2 内容とその 取扱い」等の見出しは語として扱わない。 ● 学習内容を調査するために抽出する語の品詞は名詞のみとする。これは,教科書 の索引が名詞の語を扱っているためである。 3 .各科目での出現語及びその語数を知るために,各科目の抽出語のリストを作成する。 4 .2 科目ごとでの語の出現パターンを知るために,比較したい 2 科目に対する共起ネッ トワークを描く。その際,語と語との関係ではなく,二つの科目名と頻出語とがどの ように結びついているかが読み取れる共起ネットワークとする。 5.10 科目における語の出現傾向の特徴を知るために,全科目に対して対応分析を行う。

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 分析には,テキストマイニング用ソフトウェアの一つである「KH Coder[15] (Ver. 2.00)」 を用いる。また,複合語の検出には KH Coder に同梱されている日本語形態素解析ツール「茶 筌[16]」を使用する。 4 結果と考察 4.1 科目ごとの記載語  共通教科情報科の各科目及び代替科目の学習指導要領での記述量を表 2 に示す。ここで の記述量は,各科目における記載の改行を含めた文字数で示している。なお,「社会と情報」 は「社会」,「情報の科学」は「科学」と記載している。本論文において,以下でも一部で 同じ記載をする。  表 2 より,共通教科情報科の記述量がいずれも 10,000 文字を大幅に超えているのに対し て,代替科目の記述量は農業を除いて 5,000 文字に満たなく,圧倒的に少ないことが分かる。 表 2 情報科及び代替科目の学習指導要領記述量 科目 記述量 科目 記述量 科目 記述量 科目 記述量 科目 記述量 社会 12,968 農業 5,324 商業 4,803 家庭 4,403 情報 3,604 科学 15,613 工業 4,447 水産 4,317 看護 2,800 福祉 3,394  また,科目ごとで求めた抽出語のリストにおける記載語数を積み上げ横棒グラフで図 1 に示す。ここでの語は,3 章で示した名詞を基本とする語のみである。1 回だけ記載,2 回 だけ記載,3 回以上記載されている語に分けて示している。科目ごとでのグラフ内の数値 は回数別の語数で,グラフの右端には科目における語数の合計を記載している。  図 1 より,共通教科の 2 科目が 500 を大幅に超えているのに比べて,代替科目の記載語 数は 152 ∼ 288 で,ほとんど半分にも満たなく,かなり少ないことが分かる。学習指導要 領解説に記載されていない語については,教科書への記載がなかったり,授業での扱いが なされなかったりすることがあるため,代替科目においては,必要な語の学習ができてい ない可能性がある。 0 100 200 300 400 500 600 700 社会と情報 情報の科学 農業 工業 商業 水産 家庭 看護 情報 福祉 語数 3回以上 2回 1回 146 164 91 65 70 64 63 52 60 53 79 102 46 30 30 44 28 21 25 24 328 409 151 139 110 146 125 79 95 95 553 216 152 180 210 234 288 675 254 172 図 1 科目ごとの記載語数

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 次に,共通教科情報科において記載されている語を詳しく見る。ここでは,「社会と情報」 及び「情報の科学」において,それぞれ 10 回以上記載されている語を記載回数の多い順 で表 3 及び表 4 に示す。該当の語は,「社会と情報」では 35 語,「情報の科学」では 46 語あっ た。これらの語が各代替科目において,1 回のみの記載語はノイズである可能性を否定で きないため扱わず,2 回以上記載されている場合は,表 3,表 4 において該当科目の欄に○ 表 3 「社会と情報」での記載回数の多い語 語 回数 農業 商業 水産 家庭 看護 情報 福祉 科学 情報 102 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 理解 75 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 方法 37 ○ ○ ○ ○ ○ 活用 35 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 情報通信ネットワーク 35 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 情報社会 25 ○ ○ ○ ○ ○ 情報システム 23 ○ ○ ○ ○ 特徴 22 ○ ○ 情報セキュリティ 22 ○ ○ 社会 21 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 習得 21 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ コミュニケーション 18 ○ 内容 18 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 影響 18 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 解決 18 ○ 活動 18 ○ ○ 知識 16 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 基礎的 16 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 情報機器 16 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 表現 15 ○ ○ ○ ディジタル化 15 ○ ○ 情報化 15 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 技能 14 ○ メディア 13 確保 12 ○ ○ 個人情報 12 ○ ○ ○ ○ ○ 個人 11 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 仕組み 11 ○ ○ ○ ○ ○ 配慮 11 ○ ○ 利用 11 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 電子メール 11 ○ ○ 人間 10 ○ 態度 10 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 効果的 10 ○ ○ ○ 信頼性 10 ○ ○ 25 17 20 14 16 18 18 32

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を記している。なお,参考のため,共通教科情報科の科目同士についても,語の記載状況 を代替科目同様に示している。  まず,表 3 より,「社会と情報」での記載回数の多い語に対して考察する。代替科目中 で最も記載されている語が多いのは「農業」の 25 語で,逆に少ないのは「家庭」の 14 語 である。一方,「情報の科学」はどの代替科目よりも多い 32 語が記載されている。次に,「社 会と情報」での情報に関する基本語2)と考えられる語から「メディア」「個人情報」「電子 メール」の 3 語を取り上げる。表 3 より,これらの語が記載されていない代替科目がある。 特に,「メディア」においては,すべての代替科目で記載がない。また,「個人情報」は「農 業」「水産」「家庭」で,「電子メール」は「農業」「水産」「家庭」「看護」「情報」「福祉」 でそれぞれ記載がない。  次に,表 4 より,「情報の科学」での記載回数の多い語に対して考察する。ここでも, 代替科目の「工業」が 23 語であるが,「社会と情報」の方が 40 語と多く記載されている。 「情報の科学」での基本語から「データベース」「シミュレーション」「モデル化」の 3 語 を取り上げると,代替科目でありながら「工業」に「データベース」「シミュレーション」 「モデル化」のいずれも記載されていない。 表 4 「情報の科学」での記載回数の多い語 語 回数 工業 社会 回数 工業 社会 理解 102 ○ ○ 活動 16 ○ 情報 94 ○ ○ モデル化 16 情報社会 52 ○ 基礎的 16 ○ 情報技術 46 ○ ○ 方法 15 ○ ○ 活用 42 ○ ○ 発展 15 問題解決 41 ○ 利用 15 ○ ○ 情報通信ネットワーク 34 ○ ○ 情報システム 15 ○ 人間 29 ○ 生徒 14 ○ ○ コンピュータ 28 ○ ○ 処理 13 ○ ○ 習得 27 ○ ○ 生活 13 ○ 役割 26 ○ ○ 提供 13 ○ 社会 25 ○ ○ 評価 12 ○ 影響 22 ○ ○ 主体的 12 ○ ○ 内容 21 ○ ○ 情報化 12 ○ ○ サービス 20 ○ 進展 11 ○ ○ データベース 18 具体的 11 ○ ○ 考え方 18 処理手順 11 仕組み 18 ○ 情報機器 11 ○ ○ 態度 18 ○ ○ 能力 10 ○ ○ 知識 18 ○ ○ 育成 10 ○ シミュレーション 17 配慮 10 ○ 技能 16 ○ ディジタル化 10 ○ 解決 16 ○ 学習活動 10 ○ 23 40

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 更に,「社会と情報」「情報の科学」における出現語のうち,各代替科目でも扱われてい る語の割合(以下,再現率)を考察する。ここでも,1 回しか記載されていない語はノイ ズとみなして,2 回以上使われている語を対象とした。各代替科目における再現率を表 5 に示す。なお,再現率はそれぞれ代替している情報科目に対して求めている。ただし,共 通教科情報科は,もう一つの情報科の科目に対して求めている。  表 5 より,情報科科目同士では,50%前後の再現率であるのに対して,代替科目では 20%前後の再現率が多く,30%を超えている科目は農業だけである。このことから,共通 教科情報科で扱う語が代替科目ではあまり扱われていないといえる。 表 5 各代替科目における再現率 科目 再現率 科目 再現率 科目 再現率 科目 再現率 科目 再現率 社会 47.0% 農業 30.2% 商業 24.9% 家庭 21.3% 情報 24.9% 科学 55.6% 工業 18.4% 水産 24.0% 看護 22.2% 福祉 21.8% 4.2 情報科と代替科目との共起ネットワーク  共通教科情報科とその代替科目における語の出現パターンを見るために,比較する 2 科 目ごとでの共起ネットワークを用いて考察する。なお,本論文においては,二つの別の語 が一つの段落の内部で同時に用いられる共起現象を扱う。  3 章で述べたように,本論文における共起ネットワークでは,科目名と頻出語との関係 を表している。そのため,語と語との共起ネットワークと異なり,科目ごとに結びついて いる語がスター状に描かれている。4.1 節で示したように科目ごとで使われている語数が 大きく異なるが,同じ基準で見ることを可能にし,恣意的な結果にならないようにするた め,すべての共起ネットワークを次の設定とした。 ● 頻度に関わらず使われている語を比較できるようにした。ただし,ここでも 1 回しか 記載されていない語はノイズとみなして,2 回以上使われている語を対象とした。 ● 描画する共起関係の絞り込みのための Jaccard 係数を 0.2 以上とする。Jaccard 係数とは, 語が共起しているかどうかを重視する係数で,文書中の出現回数に関係なく語と語の 共起をカウントするので,一つの文書に含まれる語の数が少ない場合に有効である。 本論文においては,出現を重視するため,Jaccard 係数を小さめに設定している。 ●強い共起関係ほど太い線で描画する。 ●出現回数の多い語ほど大きい円で描画する。  まず,代替科目との比較のため,共通教科情報科同士である「社会と情報」と「情報の 科学」の共起ネットワークを図 2 に示す。図 2 より,「社会と情報」と「情報の科学」では, 出現数が多く大きい円で描画されている「情報」「理解」の他,「情報通信ネットワーク」「情 報社会」「情報システム」「解決」等の 19 語が両科目と線で結ばれている。  次に,「社会と情報」とその代替科目との関係を見る。「社会と情報」と「農業」「商業」 「水産」「家庭」「看護」「情報」「福祉」とのそれぞれ共起ネットワークを順に図 3 ∼図 9 に示す3)。図 3 ∼図 9 のすべてにおいて,両科目と線で結ばれている語は,「情報」「理解」「内

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容」の 3 語のみである。「情報セキュリティ4)」「コミュニケーション5)」等の基本語は,「社 会と情報」とは結ばれているが,いずれの代替科目とも結ばれていない。各図において, 両科目と線で結ばれている語は,「農業」9 語,「商業」10 語,「水産」13 語,「家庭」10 語, 「看護」10 語,「情報」6 語,「福祉」13 語で,いずれも片方の科目のみと結ばれている語 よりも少なかった。代替科目のみと結ばれている語には,「農業」の「環境情報」,「水産」 の「船舶運航」,「家庭」の「生活産業」,「情報」の「情報産業」のように職業に関する語 が見られた。  更に,共通教科情報科「情報の科学」とその代替科目である「工業」との関係を見るた め,両科目との共起ネットワークを図 10 に示す。図 10 より,「情報」「理解」等の 8 語が 両科目と線で結ばれているのみで,片方の科目のみと結ばれている語よりも少ない。「情 報の科学」のみと結ばれている語には,「問題解決」等の基本語があり,「工業」のみと結 ばれている語には,「コンピュータ制御」「産業社会」等,職業に関する語が見られること 情報 社会と情報 内容 方法 知識 特徴 社会 コミュニケーション 役割 仕組み 技能 個人 生徒 責任 課題 理解 活用 習得 影響 活動 解決 表現 確保 配慮 利用 情報通信ネットワーク 情報社会 情報システム 情報セキュリティ 基礎的 情報化 情報機器 ディジタル化 効果的 信頼性 電子メール 利便性 農業 態度 能力 コンピュータ 技術 取扱い 農業 目的 事例 環境 関心 学習 処理 収集 進展 発信 育成 実習 構成 情報技術 農業情報 環境情報 重要性 情報モラル 情報 社会と情報 方法 内容 特徴 知識 社会 コミュニケーション 役割 技能 責任 個人 仕組み 課題 生徒 理解 活用 習得 表現 影響 活動 解決 確保 配慮 利用 情報通信ネットワーク 情報社会 情報システム 基礎的 情報セキュリティ 情報機器 ディジタル化 情報化 電子メール 効果的 信頼性 利便性 商業 ビジネス 技法 プレゼンテーション 技術 ソフトウェア 意義 事例 グラフ 画像 文章 範囲 概要 程度 作成 構成 分析 諸活動 具体的 情報モラル 知的財産 セキュリティ管理 表計算ソフトウェア ビジネス情報 ビジネス文書 収集・処理・分析 表 図 3 社会・農業の共起ネットワーク 図 4 社会・商業の共起ネットワーク 情報 社会と情報 方法 社会 内容 役割 知識 技能 仕組み 特徴 個人 コミュニケーション 責任 課題 理解 活用 習得 影響 解決 活動 利用 表現 配慮 確保 情報社会 情報通信ネットワーク 情報システム 基礎的 情報セキュリティ 情報化 情報機器 ディジタル化 効果的 利便性 電子メール 信頼性 情報の科学 人間 コンピュータ 態度 生徒 データベース 考え方 サービス 処理 提供 進展 発展 情報技術 問題解決 具体的 学習活動 有用性 図 2 社会・科学の共起ネットワーク

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情報 社会と情報 内容 方法 知識 社会 特徴 仕組み コミュニケーション 役割 技能 個人 生徒 責任 課題 理解 活用 習得 影響 解決 活動 表現 利用 確保 配慮 情報通信ネットワーク 基礎的 情報機器 情報社会 情報システム 情報化 情報セキュリティ ディジタル化 電子メール 効果的 信頼性 利便性 水産 海洋 技術 水産 ソフトウェア 進展 収集 構成 基本的 情報技術 情報モラル 各分野 セキュリティ管理 船舶運航 情報 看護 内容 社会 態度 役割 取扱い 意義 能力 分野 プライバシー 科目 事例 ルール 価値 現場 範囲 セキュリティ 概要 程度 理解 活用 利用 看護 発信 収集 進展 処理 生活 管理 分析 構成 情報通信ネットワーク 情報機器 情報化 個人情報 具体的 主体的 情報モラル 基本的 重要性 体験的 セキュリティ管理 保健医療福祉 活用分野 社会と情報 方法 特徴 コミュニケーション 知識 技能 個人 責任 仕組み 生徒 課題 習得 影響 解決 活動 表現 確保 配慮 情報システム 情報社会 情報セキュリティ 基礎的 ディジタル化 効果的 電子メール 信頼性 利便性 情報 家庭 内容 仕組み 役割 システム 意義 産業 事例 範囲 程度 理解 活用 利用 進展 収集 処理 発信 分析 CAD 情報通信ネットワーク 情報機器 生活産業 情報化 具体的 情報モラル 情報手段 セキュリティ管理 各分野 重要性 コンピュータ等 データベース化 社会と情報 方法 社会 特徴 知識 コミュニケーション 技能 個人 責任 生徒 課題 習得 影響 解決 活動 表現 確保 配慮 情報社会 情報システム 情報セキュリティ 基礎的 ディジタル化 電子メール 効果的 信頼性 利便性 情報 社会と情報 社会 方法 内容 知識 特徴 コミュニケーション 技能 理解 活用 習得 影響 活動 情報通信ネットワーク 情報セキュリティ 情報社会 情報システム 基礎的 情報機器 情報 役割 責任 技術 法規 業務 事例 発展 情報産業 情報技術 情報化 情報モラル 業務内容 重要性 図 5 社会・水産の共起ネットワーク 図 7 社会・看護の共起ネットワーク 図 6 社会・家庭の共起ネットワーク 図 8 社会・情報の共起ネットワーク 情報 社会と情報 方法 内容 知識 社会 特徴 仕組み コミュニケーション 役割 技能 個人 責任 生徒 課題 理解 活用 習得 利用 影響 解決 活動 表現 確保 配慮 情報通信ネットワーク 情報機器 情報社会 情報システム 情報セキュリティ 基礎的 情報化 ディジタル化 効果的 電子メール 信頼性 利便性 福祉 技術 取扱い 事例 福祉 科目 範囲 セキュリティ 程度 発信 進展 収集 管理 個人情報 福祉サービス 具体的 情報モラル 各分野 セキュリティ管理 情報活用 利用状況 情報 工業 コンピュータ 内容 知識 技術 基礎 データ オペレーティングシステム 理解 活用 習得 進展 収集 演算 情報技術 情報化 基本的 産業社会 コンピュータ制御 情報の科学 社会 人間 役割 考え方 仕組み 方法 技能 影響 利用 サービス 処理 活動 解決 発展 提供 情報社会 問題解決 情報通信ネットワーク 基礎的 情報システム 図 9 社会・福祉の共起ネットワーク 図 10 科学・工業の共起ネットワーク

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は,図 3 ∼図 9 と同様である。  図 2 ∼図 10 より,共通教科情報科の 2 科目で学んでいる内容で,代替科目では充分に学 べない内容がいくつもあるといえる。したがって,職業学科の生徒に対しても共通教科情 報科を学ばせる必要がある。 4.3 情報科と代替科目と合わせた対応分析  共通教科情報科の 2 科目及びその代替科目 8 科目の計 10 科目を一括して対応分析した。 分析に際して次の設定としている。 ● 10 科目での特徴的な語をできるだけ比較しやすくするために語数を増やすことと, 視覚的に分かる図で描くために語数を減らすことのトレードオフの兼ね合いに考慮 し,6 回以上出現している語に絞る。 ● 10 科目で互いに他の科目との差異が顕著な語を分析に使用する。 ●他の科目との違いが見られない原点付近の語は表示させず○のみで示す。  対応分析の結果を図 11 に示す。図 11 において,(a)では科目名と抽出語を示している。 また,10 科目の位置を分かりやすくするため,科目名のみを(b)で示している。なお,(b) では(a)と同じ縮尺で科目名部分だけをトリミングしている。図中の□が科目の位置で ある。  対応分析では,原点から見て,科目名の方向で,なおかつ原点から大きく離れた位置に ある語が特徴的に出現している。図 11 では,「社会と情報」「情報の科学」のいずれに対 しても原点から見て同じ方向で,かつ原点から大きく離れた位置に「情報社会」「問題解決」 「情報セキュリティ」という語がある。これらは,共通教科情報科の各科目に特徴的であ るといえる。同様に,「工業」に対する「コンピュータ制御」,「商業」に対する「ビジネス」, 「家庭」に対する「生活産業」,「情報」に対する「情報産業」等が代替科目に対する特徴 的な語だと分かる。  したがって,共通教科情報科とその代替科目とでは,学ぶ内容の特徴がかなり異なると いえる。つまり,代替科目の学習だけでは,共通教科情報科の学習が充分とはいえない。 5 まとめ  職業学科において,専門教科の情報科目の履修により,共通教科情報科と代替すること が認められている 8 科目と共通教科情報科 2 科目の計 10 科目の学習内容を,学習指導要領 解説を用いてテキストマイニングにより分析した。その結果,具体的に見られた傾向を以 下に示す。 ●共通教科情報科に比べて,代替している専門科目では,使われている語が少ない。 ●共通教科情報科で使われている基本的な語においても,記載がまったくない代替科目 がある。 ●共通教科情報科及び専門教科の代替科目では,それぞれ特徴的な語が見られる。共通

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-1 0 1 2 3 4 -2 -1 0 1 2 成分1(19.79%) 成分 2( 16.04% ) 情報産業 生活産業 ビジネス 福祉サービス 海洋 技法 諸活動 水産 業務内容 福祉 プレゼンテーション 作成 法規 基礎 産業社会 コンピュータ制御 演算 船舶運航 コンピュータ等 問題解決 ビジネス情報 業務 各分野 表計算ソフトウェア ビジネス文書 収集・処理・分析 プログラミング 分野 コンピュータシステム オペレーティングシステム 情報セキュリティ 利用状況 コミュニケーション セキュリティ管理 情報社会 画像 グラフ 人間 表 学科 メディア 表現 発展 方法 サービス セキュリティ シミュレーション考え方 特色 解決 モデル化 ネットワーク 文章 概要 情報処理 データベース コミュニケーション手段 技能 処理手順 ディジタル化 社会と情報 情報の科学 農業 工業 商業 水産 家庭 看護 情報 福祉 (a) 科目名と抽出語 (b) 科目名のみ -1 0 1 成分 2( 16.04% ) 社会と情報 情報の科学 農業 工業 商業 水産 家庭 看護 情報 福祉 図 11 共通教科情報科及び代替科目の対応分析

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教科情報科では,情報に関する基本的な語が多く,専門教科においては,職業に関す る語が多い。  したがって,専門教科の情報科目で共通教科情報科を代替している学校では,共通教科 情報科の内容の教育が充分に行われず,同様の成果が期待できない可能性がある。特に, 代替科目の他に情報科目がない農業,水産,家庭,看護,福祉の生徒に対してはこのこと が懸念される。職業学科の生徒に対しても全員共通教科情報科を履修させることが望まれ る。  本論文においては,学習指導要領の内容で調査した。更に詳しく調査するために,職業 学科に関する専門教科の情報科目における実際の授業内容を調査する必要がある。 付記  本論文の一部は,日本情報科教育学会第 6 回研究会(2016 年 3 月 5 日,大阪府)で発表した[17] 1 ) 2013 年度から実施の現学習指導要領より前では普通教科と称していたが,本論文では共通 教科に統一している。 2 ) 2016 年現在,8 種類発行されている「社会と情報」の教科書の多くで索引に記載されている ことから,筆者が基本語と位置付けている。「情報の科学」の場合にも,5 種類発行されてい る教科書の索引の記載が多いことで筆者が基本語としている。 3 ) 「社会と情報」と代替科目の配置は,KH Coder により自動的に決められる。そのため,図に よって,2 科目の左右の配置が統一されていない。 4 ) 情報セキュリティではなく,看護,福祉のようにセキュリティと表記している科目が若干あ る。本論文では語として名詞のみを扱っていることからこのような表記揺れは多くないと判断 し,特別な対処をしていない。 5 ) コミュニケーションという語は人間同士なのかコンピュータ同士なのかによって別の意味に なるような多義語であるが,本論文においては,他の多義語も含めて比較する 2 科目において 別の意味で使われている多義語の影響はなかった。 参考文献 [ 1 ] 文 部 科 学 省:“ 高 等 学 校 学 科 別 生 徒 数・ 学 校 数 ”,http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/ shinkou/genjyo/021201.htm(参照日 2017.8.10) [ 2 ]深谷和義:“学習指導要領改訂後の共通教科及び専門教科情報科の実施状況―愛知県立高等 学校における現状―”,愛知淑徳大学教志会研究年報,vol. 1,pp. 153―162(2015) [ 3 ]文部科学省:“高等学校学習指導要領解説 総則編”,pp. 44―46,株式会社東山書房(2009) [ 4 ]加地芳子,榊原典子,中仁士,吉岡幸司:“高等学校必修家庭科の開設準備の実態と問題点 ―近畿圏の男子生徒の比率が高い学校を対象として”,京都教育大學紀要,Ser. A,no. 85,pp. 69―90(1994) [ 5 ]亀山弘:“情報科代替履修の現状と課題―本校の代替履修状況から―”,日本情報科教育学

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会第 8 回全国大会,pp. 69―70(2015) [ 6 ]深谷和義:“専門科目による共通教科情報科の科目代替の現状―学習指導要領による分析を 中心に―”,日本情報科教育学会第 5 回研究会,vol. 5,pp. 11―14(2015) [ 7 ]文部科学省:“高等学校学習指導要領解説 農業編”,海文堂出版株式会社(2010) [ 8 ]文部科学省:“高等学校学習指導要領解説 工業編”,実教出版株式会社(2010) [ 9 ]文部科学省:“高等学校学習指導要領解説 商業編”,実教出版株式会社(2010) [10]文部科学省:“高等学校学習指導要領解説 水産編”,海文堂出版株式会社(2010) [11]文部科学省:“高等学校学習指導要領解説 家庭編”,開隆堂出版株式会社(2010) [12]文部科学省:“高等学校学習指導要領解説 看護編”,株式会社東山書房(2010) [13]文部科学省:“高等学校学習指導要領解説 情報編”,開隆堂出版株式会社(2010) [14]文部科学省:“高等学校学習指導要領解説 福祉編”,海文堂出版株式会社(2010) [15]樋口耕一:“社会調査のための計量テキスト分析―内容分析の継承と発展を目指して―”, 株式会社ナカニシヤ出版(2014) [16]奈良先端科学技術大学大学院自然言語処理学研究室(松本裕治研究室):“ChaSen―形態素 解析器”,http://chasen-legacy.osdn.jp/(参照日 2017.8.10) [17]深谷和義:“高等学校職業学科における情報科代替科目での学習内容の計量テキスト分析”, 日本情報科教育学会第 6 回研究会,vol. 6,pp. 40―45(2016)

参照

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