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思春期の口腔内細菌数に関連する因子の検討 利用統計を見る

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Academic year: 2021

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(1)

学 位 論 文 内 容 の 要 約

氏名 岡安 こずえ

論文題目

思春期の口腔内細菌数に関連する因子の検討

The total number of oral bacteria and related factors in adolescence

学位論文内容の要約 (研究の目的) う蝕や歯周病に代表される歯科疾患はその原因菌による感染、および、日々の口腔衛生習慣、さらに、 その他の様々な因子が重なり発症する生活習慣病の一つである。近年、子どものう蝕罹患率に減少傾向 が認められる一方で、成人期以降の罹患率は高い現状があり、生涯を通した取組の重要性が課題となっ ている。歯科疾患の発症や重症化予防には自身の健康状態を把握し、より良好な口腔内環境を維持する ことが不可欠であり、適切な生活習慣を身に付ける時期でもある思春期における歯科保健教育の充実が 大切である。しかしながら、現在まで学校歯科健診のような若年者の集団を対象とする現場において、 簡便かつ安価に口腔内の衛生状態を把握し定量的なリスク判断を下すための手技は未だ確立されてい ない。 そこで、永久歯列完成直後である思春期の口腔内細菌数の状況を把握するとともに口腔衛生の指標と して活用できるかについてその妥当性を口腔内所見や生活習慣など、その他の因子との関連について検 討を行った。 (方法) 山梨県の甲州市立中学校5校に在籍する全ての生徒を対象とし、学校歯科健診時に口腔内細菌数測定 装置を用いて舌背から検体を採取し細菌数の測定を行った。また、毎年実施されている「甲州市 児童 生徒の心の健康と生活習慣に関する調査」から歯磨きに関する回答結果を抽出し、健診による口腔内所 見(う蝕、歯垢、歯肉、歯列)と合わせて、細菌数との関連について検討を行った。得られた細菌数を 対数変換し、その分布を男女別、学年別に検討し、さらに、歯科医師による口腔内所見や歯磨き習慣と の関連について検討を行った。 (結果) 参加者は男子498人、女子494人で計測された総菌数の平均値は7.25(標準偏差 0.32)であった。女 子において、学年が上がる毎に有意な細菌数の増加が認められた(p=0.02)。細菌数と口腔内所見との 間には一貫した関連は認められなかったが、1日3回歯磨きをしていない群において細菌数が有意に高か った。

(2)

学 位 論 文 内 容 の 要 約 ( 続 紙 ) 氏名 岡安 こずえ (考察) 口腔内所見の内、う蝕と歯肉所見については細菌数との間に関連性が認められなかった。う蝕や歯肉 所見と口腔内細菌数との間に関連がなかった理由として、診断バイアスと細菌の種類の同定ができなか ったことが考えられる。 また、歯科疾患の発症が生活習慣と関係があることから、細菌数と歯磨き習慣との関連について検討 を行ったが、朝、昼の歯磨き習慣とはそれぞれ単独では細菌数との関連が認められず、夜の歯磨き習慣 と細菌数との間には関連が認められた。さらに、1日に3回(朝、昼、夜)、歯磨きをしているかどうか、 すなわち1日3回の歯磨き習慣が身についていることと細菌数との間に有意な関連が認められた。 日常の歯磨き習慣と口腔内所見(歯垢、歯肉、歯列咬合)との間には正の線形傾向が認められた。細 菌数と歯磨き習慣、さらに歯磨き習慣と口腔内所見との間に関連が認められたことから、思春期の子ど もの口腔内細菌数が日常の口腔衛生習慣を的確に反映していることが明らかとなった。本研究の限界は 5校の学校歯科健診を計8名の歯科医師が担当しており、各歯科医師による診断バイアスが存在する可能 性があることと菌種の同定ができていないことである。本研究の長所は、ある地域の全学校を対象とし て比較的大規模に調査を行い、これまで検討されていなかった永久歯列完成後の口腔内細菌数の分布を 明らかにし、さらにに細菌数について口腔内所見や生活習慣との関係を検討したことである。思春期に 通常の学校歯科健診項目に加えて、定量的に結果を示すことが可能な口腔内細菌数の計測を用いること で個人のリスクに合わせた将来の歯科疾患の発症及び重症化予防につながる効果的な健康教育の手段 の一つと成りえる可能性が示された。 (結論) 口腔内細菌数が口腔内環境を反映している可能性が示唆された。よって学校歯科健診の口腔内所見に 加え、口腔内細菌数を用いて口腔内環境の把握を行うことによりさらに効果的な歯科保健指導につなが ることが期待される。

参照

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