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豊田隆著, 『果樹農業の展望』, 農林統計協会, 1990年

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THE AGRICULTURAL MARKETING SOCIETY OF JAPAN

NII-Electronic Library Service THE  AGR 工CULTURAL  卜IARKE エ エNG SOC 工ETY  OF JAPAN

62

て そ れ以 降の諸 経 過は日本国 独資の形 成 過程であ り

かつ 戦 時 国独 資 体 制の構 築 過 程で も あっ た。 米穀法 か ら

管法 まで は, こ の よ う な日本 資 本 主 義 体 制の歴史的 画 期 に対 応 し てい る こ と は明 ら か である。 そ して そ の こ と は

支 配 体 制の側か らの 構 築だ けで は な く

勤 労 諸 段階の側 か らの働 きか けを

部 吸 収する とい う

複雑 な 性 格 をは ら んだ 体 制 構 築とい う基本 性 格を有してい る。 こ の こ と を 明 らか に す る こ と が近年の食 管不 要論へ の 有 効 なア ンチ ラ

ゼに は ならない の で は ない だ ろ う か ?  これ らの こ とを 明か にして初め て, 著 者が本 書 で強 調 してい る よ う な, 過去の政 策と切り離し た 食

論が,

管 制 度の全 面 的理解を妨げて い る, とい う主 張が十 分に活きて く る よ うに思 わ れ る

言い 換え る な ら ば, 穀 物の 「 公 的 管理」 の本 質 的 性 格を特 殊歴 史 的 段階の中に位 置づけ た展 開が必 要にな る とい うこ とにな ろ う。 そ れによっ て欧 米 諸国の政 策 との共 通性がさ ら に鮮 明に浮かび上 っ て く る で あ ろ う し, 他 方では異 質 性 も同 時に明 ら か になる か も し れ ない   すで に紙 数がつ き たの で筆 を止めざる を え ない が, 冒頭で述べ た よ うに

本 書は食 管論 に お ける 類 書にあ ま りみ ら れ ない 「 制 度 論」 を詳 細に展 開 し た 好著である こと を再 度 強 調した上で

本 書の 刊 行を機 会に, 食 管 制 度 研 究の 方法論に つ い て の, 意 味のある論争が組 織さ れ る こ と を期 待し た い

      [東 北 大 学  河 相

成 ] 豊 田   隆 著 『

果樹農業

展望

』 (農林 統 計 協 会  1990年 )      

1

 

本 書は, わが国の 二大果実で ある みか んと りん ご を素 材と し た 本

的 な 果樹 経 済論であると同 時 に 果 樹 農 業を素 材とし た体 系 的な 日本 農 業 論の 構 築を指 向して い る    とい うのが

,一

読し た後 の評者の感 想で あ る。  わ れ わ れの先 達は, かつ て 「 日本 農 業 論」 に類 す る多くの書 物を著してい る。 しか し, 「 地 主制」 や 「生 産 力 構 造 」 を 分 析 すれば, 「日本 農 業 論 」 と銘 打つ こ とがで きた時 代と違い, 現 代の 日本 農 業は資 本主義 的 商 品 経 済の グロ

バ ル な浸透の中 で複 雑さ を増し

本 農 業 論 」 の体 系化 は容易 で は な い

日, 時 た ま 刊行さ れ る 「 日本 農 業 論」 が, 専 門 分 野 を異にす る多くの研 究 者による 共 同 著 作と して構 成されてい る所 以である。  こ うし た

般 的に は困難な課 題に挑 戦し た著 者 の意 気 込み とそ れ を可 能に し た博 識に は, 評者と して 心 底か ら畏敬のを覚える次第で ある。 「は し が き 」 で著 者が言う よ うに, 「 本 書 は, 現 代 果 樹 農 業に お け る生 産構 造の分 析を基 礎に踏ま え な が ら 更にマ

ケ ティ ング

・市

場 流 通

消 費 とい っ た流通構造お よ び自由 化も と で変化激 しい 貿 易 構 造を ト

タル に分 析し, 併せ て その将 来方向を展望 し よ う と努 力し た もの である」e そ うし た全 面 的でパ

スペ ク テヴ な課 題 ん だ動機に つ い て 者は 「れ ま 我 が 国の 農 業 経 済研 究は

主と し て稲 作のそ れ も生 産構造 の研究に 限 定され すぎて きた

……。

現 状 分析の課 題に とっ て

もっ と積 極的に畑作等の商品 生 産農 業を 対象と し た 総 合 的 な 実 証 研究が 不 可 欠で あ り, ま た生産 過程を 基礎に踏ま えつ つ , 流 通過程の分 析にも踏み込み, グロ

バ ル な視 角か ら再 生 産 過 程を ト

タル に解明 す る 研 究が求 め ら れて い るの で はない であ ろ うか」

と述べ てい る

。一

こ う し たこ と を

貫 して主張してき た評 者として は, 溜飲を 下げる思い がする

 以 上のよ う な ト

タル な視 点と方 法の

端は, 次の 目次 構 成に も表れて い る

1

部 現 代 果 樹 農 業の生産 構 造   第

1

章   現 代 果 樹 農 業の生 産 構 造

 

近 畿型 みか ん と東北 型 り ん ごの比較分

  第

2

章   果 樹生 産力 構 造と わい り ん ご技術  第

3

章  りん ご園の実 態 と流動 化   第

4

章  大規 模 経 営と集 団 的土 地管理 第 II部   現 代 果 樹 農 業の流 通 構 造   第

5

章  果 樹 市 場とりんご産 地商 人   第

6

章 果樹イン グレ

ショ ン と層的産 地  形成 第皿部   貿易 自 由 化 と 果樹農業   第

7

章   果 樹 貿 易 自 由化の基 礎 構 造   終 章   総 括と展望   全 体 を紹 介 する余 裕が ない の で, こ こで は本 書 N工工

Electronlc  Llbrary  

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書   評 の総 論 的 地 位にある第

1

部 第

1

章と, 農 業 市 場 論 としても貴 重 な功 績で ある第

II

部およ び第

III

部 を

心 に評 者が関心 を抱いた論 点を二 っ 紹 介し, コ メ ン トして お こう。      

2

 

まず第 1 章では, 果樹 農

を含め た商品生 産 農

の分

析視角

を,

 

主産地の形

  農

の分

 

経 営の専 門 化, の 三点に おい て, 果 樹 農 業 を対 象にそ れ ぞ れの視 角か らの課 題 を提 示 してい る。 な かで も

 

の視 角は, 本 章の副 題である 「 近 畿型み かん」 と 「東 北型 り ん ご」 の言 葉が 示 すよ うに, 著 者がもっ とも前 面に押し出し て いる視 角 で ある。 「近 畿 型 」 と 「東 北 型」 とい う整理 は, い う ま で も な く 山 田盛太

氏 の も の だ が, これ に そ れ ぞ れ 「み か 」 と 「り ん ご」 とい う商品作 物を加 味し, 農 産 物 市 場. 労働 力 市 場 を含めて 「 」 の拡 張と 深 化をは か っ たと こ ろに著

の オ リ ジ ナ リ ティが ある

こ れ は

書の

要 点な の で, こ の点を

簡潔

に ま と め た部 分を繁を厭わず 引 用して お こう。 「

先取

り し

資本

的 蓄 積の基軸地帯に展 開し, 在宅通 勤

多 就 業の兼 業 深 化のも とで自小 作 形 態の 『高 賃 金

低 地 代

農 業 後 退』 を特 質とする近 畿 型 農 業の枠 内 にある みかん生 産は, 愛 媛 を典 型と し て, 果樹 生 産 力の省 力 的 展 開 (単

品 種 化

化 学 化

手 抜き 化

・省力

化 )を 基

に,

農協

共販に よ る 大 型

機械

共 選 と即売型 の大量 販売に よっ て市場流通にお け る 量 産 と省 力の メリッ ト を強く指 向して き た。 こ れ と は対 照 的に, 現 代 資 本 蓄 積の外 周 地 帯を な し, 出稼 ぎ, 日雇い 多 就 業の不 安 定兼 業の も とで典型 的に自作 農 型の 『低 賃 金

高地 代

農 業 進 展 』 を 特 質とする東 北 型 農 業の枠 内る りん ご生 産は, 青 森を典型 として

果樹 生 産 力の集 約 的展

級品

袋か け

剪 定など労 働 集 約 化 )を 基礎       グレ

デ イング に

産 地 商 人に よ る集 約 選果 と貯 蔵型の長 期販売 に よっ て 市 場 流 通にお け る品 質と集 約の メ リ トを

指向

し て き た。」 (

6

〜 7

。  こ こ に は, 実に豊 富 な論 点が含ま れてい る。 だ が もっ とも議 論にな る点は ,

農業

発 展と

場 対 応の多 様な 展

をこう し た 厂 」 と し て 整 理 し, 両 者の対 抗のなか に 日本 農 業の方 向を展 望し よう

63

とする著 者の方 法であ り, 評 者が取 り上 げたい論 点の第

もこ こ にある

「 近畿型みか ん」 と 「 東 北型 みか ん」 とい う類型 化は

, 

地 域 労 働 力 市 場と兼 業の存 在 形 態 (

定 兼 業か不安 定 兼 業か),

 

地 代の高 低と農 業 生 産

発展の形態 (

省力

化 か

集約

化 か),

  集出荷組

織の存在形 態 (

協 共販 か産 地商人依 存か),

 

市 場 対 応の基調 (量 産指 向か品質 指 向か), な ど を 尺度と し て い る。 み ら れ る ように, 類 型 化の尺 度に は, 農 業 生 産 構 造か ら農 産 物 流 通 構 造, 労 働 力 市 場を包 含し た客 観 的 条 件に, さらに主 産 地 形 成と市 場 対 応とい っ た主体 的 条 件が加 味さ れ て い る。 こうし た全 構 造 的な視 角は, ひとり 果樹 農 業 の分

効なだけでな く, あ ら ゆ る

商業

農業

造 分

有効

で あ る と考え ら れ る。 評

が, 本

を 「 本 農 業 論」 を指 向し た もの と評 価す る 理由も, こ の点にある。   しか し, 著 者の類 型 化が実に見 事である が ゆえ に, 同 時に類型

とい う方 法につ き ま と う限 界を 認

し て お か な け ればな ら ない。 「 類型化」 とい う方 法を社 会 科 学の方 法 論と し て積 極 的に組み入 れ たの は, い う まで も な くマ ック ス

ウエ

の 「 理念型」 (

ideal

 

typus

)で あるが, 彼にあっ て は 「 」 はあ くま で現状 分 析の た め の概 念 装 置であ り

「 理 念 型」 の構 築 自体が 目的で はな い

現 状 分

に おい て, そ の分

対 象の

特徴

を よ り ク リ アに示 す た めに,

抽 象 」 をこ し ら え, これ を もっ て複 雑な社 会 現 象 をフ ォ

カ スす る の で ある。 そうし たあ くま で も 分 析 装 置である 「 型」 を, あたか も現 状 分 析その もの である か の ように誤 認し, そ の整理 に明 け暮 れてい る研 究が少な くないが

実は それ は現 状 分 析 以 前の準 備 作 業な の で あ る。

 

以 上の点は, 本 書の著

にとっ ては, 周知の こ とか も し れ ない しか し, 評 者の誤 読か も し れ な い が, 本 書に おける 「 近 畿 型み か ん」 と 「東 北 型 りんご」 とい う 「型」 の提示の中に は, 果 樹 農 業 (さ らに は日本 農 業 )の現 状 把 握に有 効な分 析 装 置と して地 位を通 り越して

しばしば現 状 分 析の 領 域に踏み込ん でい る 場 面 が み ら れ る よ うで ある。 その点は, 例え ば, 先の引 用に続 けて著 者が次の よ うに述べ る時, 明 瞭になる。 「し た が っ て, 近 畿 型みかん は

果 実 流 通に お け N工工

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る 『高 度 成 長 』 型の 『近 代 化

大型化」 路 線 (

大型産 地 化と広 域 流 通 偏 重に よる大 消 費 地 大 市 場

      

s と の結 合 )の典型 即 ち

資本に よ る 果 樹 農業の包 摂と掌 握の典 型 を示 して い る

これに対 し

東北 型 り ん ご は, そのよ う な資 本の 「 市 在 編 制』 に対 する限 界を意 味して お り

果 実 流 通に おけ る対 応 と対 抗そ して 批判の形 態の典型 を 示 してい る の で あ る」 (

7

頁 )  こ こに は, 明ら か に 「 型の対 抗」 とい う視 点が 存 在してい る。 大 雑 把かっ 感 覚 的に言 うな らば

「 近 畿 型み か ん」 は近 代 化 路 線で資本の包摂 タ イ プであ り

東 北 型 」 はこ れへ の 批 判形態 で あ る, とい う整 理である。 も ちろん, 著 者は前 者は わる く, 後者はよい とい っ た単 純な分け方を 排 除し, 両者の優れた点を取り入 れ た 「重 層 的 産 地 体 制」 の構 築を

将来

の果 樹産 地の目標 と す るの だが 現 状 分析の場 面に お いて, 著 者が 「 型の対 抗」 的 視 点を有し てい ること は明瞭 に看取で き る、

 

だ が

現状分析を 子 細 に行 え ば, 「 近 畿 型み か ん」 と し て

括 さ れ る み か ん農 業の中に も, 地 域 (その典型である愛 媛 県を含め て)によっ て は農 民的な ものが存 在し

ま た 「 東 北 型 りん ご」 と

括される りんご生 産の動きの中に, 地 域 (その典 型である青 森 県 を含め て)に よっ ては資 本 包 摂的 な もの が存 在し てい ることが 明 ら かにな る と 思 わ れ る

そ う し た 支 配 的 傾 向 と は異な る動き を, 「 」 論 は軽 視す る 恐 れ は ない か

ま た, 「 型の 対抗」 を強 調す るこ とによっ て, すべ て の産 地の

に存在す る内部矛盾と対 抗の存 在を

こ れ ま た 軽 視 する こ と に はな らない か

著 者の方 法に対す る評者の最 大の懸念 (疑 問で はない

D

はこ こ に ある。

 

現に

評者が管見 す るかぎりで も, 西 日本の み か ん産 地の中に, 品 質 重 視で集 約的 な 産 地 形成を 目指してい る, い わゆ る 「 東 北型 り ん ご」 的な も のをい くつ も見て き てい る。 オレ ン ジ ・果汁の自 由 化と市 場の成 熟 化の展の で, 製品差 別 化を マ

ケ テ ィ ング戦 略としてみ込 んでい る みか ん 産 地 は, む し ろ支 配的で あ る とい っ て よい だ ろ う。 しか し な が ら, こ れ らみ か ん産 地の労 働 力 市 場 条 件は, 明ら か に 「 近畿型」 の そ れ であ り, 販売も 農 協 共 販に よっ てい るものが大 半である。 そうし た品 質 重視, 差 別 化 路 線は, けっ し て支 配 的傾 向 に対 す る異質 な 動 きでな く, 今日の みか ん 危機に 対す る農民的 対 応

対抗の ひ とつ の動 きである

量 販売の仕入 れ や卸 売会社の荷 引き戦 略に おい て, 量 産 と ともに品 質 を 重 視 した方 向 が 強 まっ てい る こ とも

以上の動き に拍 車 をか けて い る

 

り ん ご産 地の動 きにつ い て は

くを 承知 してい ない が, 本 書で紹 介さ れ てい る事 例の中に は, 明 ら か に流 通 資 本に主 導さ れ た産 地と流 通 再 編の動 き が存在 して い る

  とす る な らば

近 畿型 み 」 と 「東北 型 り ん ご」 とい う類型化を強 調し す ぎると, 現 実の多 様な 動 き をかえっ てネ グレ ク トするこ と に結果 し か ねない 現 状 分 析に お い て もっ とも重 要な視 点 は

そ れ ぞ れ の分析 対 象の客 観 的 過 程に おい て 矛 盾

対 立 が何で あ り, そ れ が どのよ うに顕 現し て き たか を明らか にする ことにある。 同 時に, そ うし た矛 盾

対立 を国 民や地 域 住民の 立場に立っ て打 開し ようとする主 体 的 条 件と政 策 的 課 題を示 す こ と で ある。 これ が現状 分 析の本 質 的 内 容で あ り

類 型 化はあ くまで現 状 分 析のため の ひ とつ の (しか し有 効な〉概 念 装 置に過 ぎない

  こう した

ある意 味で は当た り前のこ と を強 調 す るのは, 「産 物 市 場 論 」 の名著 とい わ れ る も の の 中に も, 「 類型 化」 自体 を目 的とす る記述 が 少 な く ない からである。 ま た

近年の

と くに若 手の研 究に おい て も

つ もの類 型を作り上 げ る こ と を 目 的とした研 究が 目に つ く

し か し

「 類 型 化」 は繰 り返 し述べ れ ば

歴 史の

時 期に お け る現 象の抽 象 化で あり

その時 点で は妥 当し て も, 時が た てぼ 「

」 に な り

腐 化 す る。 「 類型化」 にあ たっ て は, こ う し た限 界をわ きま え な くては な ら ない   書 評の場を借 りて, かねて か らの持 論を展 開す るこ とになっ て し まっ た が, こう し た指 摘が本 書 の コ メ ン ト として妥 当 する か どうか は, 読 者の判 断を

ち たい

     

3

  第二 の論 点は, り ん ご産 地に おける産 地商人の 役 割を積 極 的に評 価し, そうし た事 実に立 っ て, 農産物 市場 論に お け るい わ ゆ る 「 手 数料商 人 化」 論を批 判してい る こ と で ある。   著 者に言わ せ る と, 独 占段 階になる と商 業 資 本 N工工

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      書 が手 数

料化

す る という周 知の理 論は, 「農 産 物を 取 り

う商 業 資 本, とり わ け

鮮度変

化が激しく (perishable ),かっ規 格 標 準 化 (standardization ) が難 しい果実を取り

う果 樹 商 業 資 本」 (

115

頁 ) に は

そのま ま妥 当 し な

V)い う。 現実を み て も り ん ご商 人は, 「 りん ごの集 荷

保 管

・冷蔵 ・

選 果

・出荷

な どの 『

長さ れ た 生産 過 程』 の諸 機 能を

商業機能

を 基礎と し な が ら, 歴 史 的な過

で, 広 域 市場を開発し. 全 国へ 販 路を拡 大してき た

績を もち, 地 域に

密着

し た 農民的基盤を も有 する商 業 資 本で ある」 (

136

頁 )

 

著者

の 「 手 数

商人化 論」

判は, 多 くの点で 的 確である と評 者は考え る

だ が, そのう えで同 氏が, 「果

樹商業

資 本は, その内 部に階 層 差 を含 みっ っ

じて

小 規 模 資本で はあるが,

独 自

の 存立根 拠 を もっ た自立

な商

で あ る と結 論 づけ ら れる。」 (

118

頁 )と断 定す る と き, 少なか らぬ違 和 感 を覚え る

 

確か に, 農 畜 産

集荷

段 階に お い て は, 果 実 にお け る り んご, 野 菜に お ける に ん じ ん, 畜 産に お け る肉牛に典 型 的に み られる ように, 産 地

人 が現 実の流 通に お い て大き なシェ ア を

い る ものが存 在 する

そ し て, そ れ らの

人の存立条 件の ひ とつ が,

獲お よ び選 果

評 価

貯 蔵

加 工 など 「流 通 過 程

さ れ た 生 産 過 程」 の掌 握 と特 殊な技 能にあ るこ と は, ま ぎれ もない 事 実で ある

だが そ う し た点が 産 地商 人に固 有な もの と即 断し, 農 協 共 販や農 外 資 本の進 出に対す る 「 参 人 障壁」 (

116

頁 )とし て し まうと な る と, 疑 問は大きくなる。

 

著 者が第

6

章以下で

細に展 開して い るように, 現 実の 果 実 流通にお い て は, い わ ゆ る果 樹イン テ グレ

シ ョ ンが 進展し 果 実 貿 易と国 内 流 通に お い て は,

果 樹企業 と総 合 商 社が結 合し た 「寡 占

合 体 」 が 形成さ れて い る。 そ うし た

い わ ば

独占資

の進 化の中で, 本 来は

資本範

疇 で あ る果

商 業 資 本が, たとえ独 占資 本の掌 握の 難しい集 荷や卸 売 段 階に展 開す る か ら とい っ て, そ れ ら が い つ までも

立 して存 在 するこ とを想 定 する こ と がで き る だ ろ う か。

見する か ぎ りで も

現 に

す る産 地 集 荷 商 入は次 第に自立

を失い

は 大 型 量 販 店チェ

ンや食 品 加工資本の買

け商人に, ま た

部は代理仕入 れ商人 と して大 資 評

65

に対する従 属 化を強め てい る のが実 態で はない か と思 う。

 

だか らと言っ て 評 者は産 地 商人の現

に果た し てい る

役割

につ い て は評 価を惜し む もの で は な い が, それ は, 硬 直 化

官 僚 化し, 農民的共 販 の

実か ら離れつ つ ある,

大 型 系 統 共 販 に対 する批 判 者

牽 制

と し て の評

で あ る。 産 地 商 人そ れ自体は,

然 と して “ 安く買っ て, 高 く売 る。 譲 渡利 潤の取 得を本 質と して い る の であ り

潤の排 除 を根 拠にして生 まれ た 農 協 と は

般 的に対立関係にある。 しか も, わ が国で は戦 後 になっ て農 協 が共 販と手 数

主 義を

器 に急

長 し

, シェ アを奪わ れ た産 地 商 人は,

農協

と同

に 商

の手

数料

化を

余儀

な くさ れて い る

加 え て, 前 述の ス

・マ

ケッ ト・ チェ

ン や加 工資 本による農 産 物 集 荷 過 程へ の進 出と, これ ら に対す る産 地 商人の従 属化の動 き が ある。 す なわ ち

あ らゆ る面か らみ て,

日の産 地商人 は自立 化の条 件を欠 くの であ る。

 

し た がっ て, 産 地 商 人につ い て は, 彼 ら が手

料商

人 化してい る現 実 を率 直にめつ つ 民 や 農 協と協 同の動きをつ くっ てい く方が, 建 設 的で は ない か と思 うのだが, い かがで あろうか。

 

以 上, 評

の問題 関 心に引き付 け, 二 点にわ た るコ ン トを行っ てき た が, と か く無 味 乾 燥な研 究が

昨 今の農 業 経 済 学 界の中で, 本 書は久 しぶ りにエ キ サ イテ ィング な内 容 を もっ た快 著と い っ て よい。

      

[北

道 大

学 

島徳

岩 谷

現代

米価問題

1

(楽 遊 書房 

1991

年 )

 

わ が国を とりま く「

際農業構造

調

」 の焦 眉 の問 題は

米 問 題に あ るこ と は周 知の通 りである。 米

場の

開放 ・

関 税 化, 国 内 市 場の 自 由化

自主 米 市 場の

設, 米 価 引き下げ, 食 管 制 度

止の う ごき な ど, わ が国農 業は戦 後 最 大の危

に遭 遇し て い る。

 

こ の問題の 国

際的

背景 は, アメ リ カの国 家 財 政 N工工

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