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Title
Continuous postoperative pain control using a
multiple-hole catheter after iliac bone grafting :
comparison between ropivacaine and levobupivacaine
Author(s)
久木留, 宏和
Journal
歯科学報, 117(2): 154-155
URL
http://hdl.handle.net/10130/4228
Right
154 歯科学報 Vol.117,No.2(2017) く き どめ ひろ かず 氏 名(本 籍)
久 木 留
宏
和
(鹿児島県) 学 位 の 種 類 博 士(歯 学) 学 位 記 番 号 第 2040 号(甲第1274号) 学 位 授 与 の 日 付 平成26年3月31日 学 位 授 与 の 要 件 学位規則第4条第1項該当学 位 論 文 題 目 Continuous postoperative pain control using a multiple-hole catheter after iliac bone grafting : comparison between ropivacaine and levobupivacaine
掲 載 雑 誌 名 InternationalJournalofOral&Maxillofacial Surgery 第45巻 4号 454-459頁 2016年4月 doi:10 .1016 /j.ijom.2015 .09 .010 論 文 審 査 委 員 (主査) 柴原 孝彦教授 (副査) 一戸 達也教授 川口 充教授 田﨑 雅和教授 論 文 内 容 の 要 旨 1.研 究 目 的 口腔外科手術において,顎顔面領域の骨欠損に対して,しばしば腸骨移植術が行われている。我々は腸骨移 植術を行う患者に対し,腸骨創部の術後鎮痛として,多孔式カテーテルを用いた持続浸潤麻酔法を行ってい る。そこで,術後鎮痛を,長時間作用性である2種類の局所麻酔薬(ロピバカイン・レボブピバカイン)のいず れかを使用して行い,その鎮痛効果や副作用を比較検討した。 2.研 究 方 法 東京歯科大学倫理委員会の承認(承認番号№302)を得たのち,全身麻酔下に顎顔面領域への腸骨移植術を予 定した症例で同意の得られた ASA classⅠまたはⅡの患者を対象に,無作為にロピバカイン群(以下 Group Ropi),レボブピバカイン群(以下 Group Levo)の2群に分けて行った。腸骨移植片を採取したのち,創部縫 合時に骨膜上に多孔式カテーテルを留置し初回投与として0.75%ロピバカイン(Group Ropi)または0.75%レ ボブピバカイン(Group Levo)5ml を投与した。手術終了時,0.2%ロピバカイン(Group Ropi)または0.25% レボブピバカイン(Group Levo)を4ml/hr で投与開始し,その後,48時間持続投与した。評価の時期は術後回 復室内,術後4時間後,術後第1,第2,第3病日の9時および18時に回診を行い,安静時および体動時の疼 痛を visual analogue scale(以下 VAS 値)を用いて評価した。また,病室での補助鎮痛薬の使用状況,悪心・ 嘔吐等副作用の有無,排尿障害の有無,歩行開始時期を記録した。
3.研究成績および考察
総患者数は34名であり,Group Ropi17名,Group Levo17名であった。VAS 値は,安静時,体動時ともに 両群間で有意な差はみられなかった。術後の補助鎮痛薬の使用,悪心・嘔吐の有無,歩行開始時期も,両群間 に有意な差は認められなかった。両群とも排尿障害は認められなかった。今回,口腔外科領域における腸骨移 植術の術後鎮痛において,0.2%ロピバカインと0.25%レボブピバカインはともに同等の鎮痛効果が得られ, 重篤な副作用がなく安全に使用できたことから,多孔式カテーテルを用いた持続浸潤麻酔法による腸骨移植術 の術後鎮痛として有用であると考えられた。 ― 68 ―
155 歯科学報 Vol.117,No.2(2017) 4.結 論 0.2%ロピバカインと0.25%レボブピバカインはともに,多孔式カテーテルを用いた持続浸潤麻酔法による 腸骨移植術の術後鎮痛として同等の鎮痛効果が得られた。 論 文 審 査 の 要 旨 多孔式カテーテルを用いた持続浸潤麻酔法による腸骨移植術後の疼痛管理は,硬膜外麻酔法よりも合併症の リスクが少なく,安全で有用である。本研究では,この疼痛管理に長時間作用性である2種類の局所麻酔薬 (ロピバカイン・レボブピバカイン)のいずれかを使用し,その鎮痛効果や副作用を比較検討した。患者を無作 為に,ロピバカイン群(以下 Group Ropi),レボブピバカイン群(以下 Group Levo)の2群に分け,術中に腸骨 移植片を採取したのち,創部縫合時に骨膜上に多孔式カテーテルを留置し初回投与として0.75%ロピバカイン (Group Ropi)または0.75%レボブピバカイン(Group Levo)5ml を投与した。手術終了時,0.2%ロピバカイ ン(Group Ropi)または0.25%レボブピバカイン(Group Levo)を4ml/hr で投与開始し,その後,48時間持続 投与した。評価は visual analogue scale(以下 VAS 値)を用いた。その結果,VAS 値は両群間で有意な差はみ られなかった。また両群ともに重篤な副作用はみられなかった。0.2%ロピバカインと0.25%レボブピバカイ ンはともに,多孔式カテーテルを用いた持続浸潤麻酔法による腸骨移植術の術後鎮痛として有用であると示唆 された。 本審査委員会では,1.カテーテルを長時間留置することの安全性。2.アドレナリンを添加した場合の作 用時間への影響。3.腸骨ブロック移植術の症例が含まれているが,手術侵襲の差が結果へ影響を与えない か。4.臨床におけるロピバカイン,レボブピバカインの選択。などについての質問があった。これらの質問 に対する回答として,1.本研究よりも長時間,かつ高用量の投与でも中毒閾値には及ばないという報告があ り,本研究の投与量はそれよりも少ないために安全性が高いと考えられる。2.過去の研究で,両薬物ともに 硬膜外麻酔法や浸潤麻酔法においてアドレナリンを添加しても作用時間が延長しないという報告があり,本研 究においてもアドレナリン添加による作用時間の延長は期待できないと考えられる。3.本研究では腸骨ブ ロック移植術と腸骨 PCBM 移植術が含まれており,腸骨ブロック移植術後の疼痛がより大きいと考えられる が,症例数は両群ともにほぼ同じ割合であり,結果への影響は少ないものと考えられる。4.今回の結果よ り,ロピバカインの方がやや低濃度で同等の鎮痛効果が得られているため,臨床においてはロピバカインを選 択することが好ましいと考えられる。と説明された。また,論文の文章構成や英語表現などについての指摘が あり,修正が行われた。 本研究で得られた結果は,今後の歯学の進歩,発展に寄与するところ大であり,学位授与に値するものと判 定した。 ― 69 ―