地歴科(日本史B)学習指導案 1 単 元 武家政治の成立と文化の新気運 2 単元設定の理由 1)単元・題材観 武家社会の成立から戦国大名の時代に至る武家社会の進展や文化の展開,社会の変化について, 日本の諸地域の動向,東アジア世界との交流,産業経済の発展に関連づけて理解させることを目 標とする。特に,産業経済の発展については,人々の生活の変化に着目して,産業や生活の中の 技術,交通,情報などの発達について理解を深める。 2)生徒観 本クラスの生徒の授業中の態度は,真面目であるが,学習については受け身的な姿勢であり, 自ら質問をしたり,発問に対する答えについても意欲的に答える生徒は少ない。また,本時に学 習する産業経済の分野についての興味・関心は,前時代までの学習状況から判断すると政治史や 事件史を学習する時に比べると幾分低いように思われる。その原因は,生徒が社会的背景を想像 する力が弱いことにあると考える。そのために視覚的な教材を利用し,当時の経済をとらえさせ ることに留意し授業を行うことが必要であると考える。 3)指導観 本単元の指導にあたっては,社会分化の進む中で武士が政治力を付けていく武家政権の成立か ら戦国時代までの歴史の展開を多面的・多角的に理解できるよう配慮する必要がある。そのため には,武家政権の形成過程を公武関係や社会・経済的な背景とかかわらせてとらえさせるととも に,文化に見られる新しい気運を時代背景と関連づけて理解させることをねらいとする。 具体的には,人々の生産活動や日常生活および活動領域の変化や推移に着目し,鎌倉時代にお ける産業技術・生活技術,交通,情報などの発達や影響について多面的・多角的な学習を行う。 3 単元の指導目標 1)武家政権の形成過程や文化の新気運,産業経済の発展などに関する関心を高め,意欲的に追 究している。 【興味・関心】 2)武家政権の形成過程や文化の新気運,産業経済の発展など中世社会の多様な展開から課題を 見いだし,東アジア世界との交流,庶民の台頭と関連づけ多面的・多角的に考察している。 【思考・判断】 3)武家政権の形成過程や文化の新気運,産業経済の発展などに関する諸資料を活用することを 通じて歴史的事象を追究する方法を身に付けるとともに,その過程や結果を適切に表現してい る。 【技能・表現】 4)武家政権の形成過程や文化の新気運,産業経済の発展などについて国際環境などの時代的背 景,地域の特性や地理的条件などと関係づけて理解し,その知識を身についている。 【知識・理解】 4 指導計画 ・鎌倉幕府の成立‥‥2時間 ・荘園の変質と産業の発達‥‥2時間(本時2時間目) ・鎌倉時代の文化‥‥1時間 ・元寇と武家社会の動揺‥‥2時間 ・幕府の滅亡と南北朝時代‥‥2時間 5 本時の指導目標 ・技術の発達による生産力の増大が,どのように社会を発展させ人々の生活を変化させたか考 えることができる。 【思考・判断】 ・人々の生産活動や活動領域の変化や推移に着目して,鎌倉時代の産業経済の発展をまとめる ことができる。 【知識・理解】 6 指導上の留意点 ・生徒が興味・関心をもち,発問に対し積極的に答えるように,本時で取り扱う内容に関連し た質問を書いたプリント①を事前に配布し考えさせておく。 ・プリント②③を配布し,作業を行なわせ主体的な学習活動がおこなわれるようにする。 7 本時における準備 教科書: 図 表:
8 学習の展開 過 時 学 習 内 容 学 習 活 動 指 導 上 の 留 意 点 教 材 形態 評 価 程 間 導 ○鎌倉時代の市 ・プリント②の絵ABを ・絵巻物に登場する僧侶(一遍)に プリン 一斉 8 入 の風景につい 見て気づいたことを書 気づかせ,その場面が鎌倉時代の市 ト② 個別 分 て。 き,発表する。 であることを理解させる。 AB ・本時は鎌倉時代の産業経済につい て,その発達の様相と要因を学習す ・本時の目標をつかむ ることを理解させる。 ○商業の発達に ・市のついた地名を考 ・地名の起こりを考えさせる。 プリン 一斉 ・考えて発 ついて え,なぜそのような地名 ・プリント②のABを比較し,市の ト② 個別 表している ・定期市 が起こったのか考え発表 開催が常時ではなかったことに留意 AB か。(思考 ・見世棚 する。 させる。 ・判断) ・行商人 ・市の開催回数を増やす ・技術の発達(イノベーション)による余剰 ためには何が必要か考え 生産物が市を発展させることを理解 30 展 発表する。 させ,その要因を農業における技術 ○農業技術の進 ・プリント②のCDEに の発達から考えさせる。 プリン ・資料から 歩について ついて興味や関心をもっ ・農地の生産性を効率的に高める方 ト② 何をよみと ・二毛作 たことを記入し,理由を 法を,二毛作や施肥をとおして具体 CDE 一斉 れるか(思 ・肥料の発達 付けて発表する。 的につかませる。 個別 考・判断) ・牛馬耕の普及 ・資料を読み取らせる場合は、注目 分 するところを適宜助言する。 ○手工業の発達 ・農業技術の発達が人々 ・農業の余剰生産物が,一部ではあ ・農業技術 について や経済にもたらした影響 るが手工業者の専業化(農業従事者 の発達の影 ・鍛冶屋 について考え発表する。 からの解放)をもたらし,手工業者 響について ・大工(番匠) ・プリント②のFはどの が領主に納入する量以上に生産が可 プリン 考えて発表 開 ・振売(行商 ような仕事をする人か記 能になったこと(工業の余剰生産 ト② できるか。 人) 入する。 物)に留意させる。また、専門化・ F (思考・判 独占化・分業化をもたらすことを理 断) 解させる。 ○物流のについ ・余剰生産物の増加は, ・農業や手工業の発達による生産力 ・余剰生産 て 産業経済にどのような影 の上昇が,商業や物流(交通)の発 物の影響に ・問丸 響をもたらすか考え発表 達につながることを理解させる。 一斉 ついて考え ・年貢の銭納化 する。 ・経済の発達に貨幣の普及が欠かせ 個別 て発表でき ・借上 ・プリント②のAの市で ないことを理解させる。 プリン るか。(思 どのようなモノとモノが ・プリント②のGIを利用し,貨幣 ト② 考・判断) 交換されているか発表す がつかわれていたことを確認する。 AGH る。 I ・プリント②のJが何で ・貨幣の普及に関連して派生する経 ・資料から あるか考え,この為替は 済上の発明(為替)について理解さ 何をよみと どのように利用するのか せる。 れるか(思 答える。 考・判断) ま ・まとめ ・プリント③に本時の学 ・机間指導を行い適宜助言を行う。 プリン 一斉 ・鎌倉時代 習を整理する。 ・二毛作などの農業技術の発展を基 ト③ 個別 12 の経済の発 と ・まとめたものを発表 盤として,手工業が発達し,余剰生 達について (提出)する。 産物の増加により定期市・行商人が 分 まとめるこ め 盛行する。また、貨幣経済や物流の とができる 発達に影響したことなどをおさえ, か(知識・ 鎌倉時代の産業経済の学習をまとめ 理解) る。