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本号の読みどころ

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Academic year: 2021

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国立国語研究所学術情報リポジトリ

本号の読みどころ

雑誌名

日本語教育論集

23

ページ

1-2

発行年

2007-03

URL

http://id.nii.ac.jp/1328/00001863/

(2)

@◇@◇@◇磯本号の読みどころ@◇命◇@◇@ ◇研究論文:岡潤美穂・林田 実「日本語学習者によ:る格助詞の混同一存在場所の『に誕   と範囲限定の『で避一」  本論は,存在場所を表す格助詞「に」を用いるべきところに誤って「で」を用いる誤用 (例:大学の中で友達がいます)に関する調査研究です。報告されていることは次の三つ です。(1)問題の誤用は「場所が対比されている」「数詞がある」などの環境で生じやす いことが観察される。(2)そこから醐題の誤用は存在場所のilに』と範囲限定の『で』 との混問により生ずる」という仮説を立て,その仮説のもとでN本語学習者に対して穴埋 めテスト形式の調査を行った。(3)調査の結果,問題の誤用は「中級の下」の二丁者に最 も多く見られる(いわゆる「U字型発達」を示す)ことがわかった。  「に」とfで1の使い分けに関するある種の誤用が存在場所の「に1と範囲限定の「で」 との混同により生ずるという見方は,新鮮かつ興味深い見方であり,存在場所の「に」の 習得がU字型発達を示すことの説明にも有効と思われます。今後は,存在場所の「に」と 範囲限定のfで」を混同する具体的なメカニズムを明らかにすることが課題となるでしょ う。       (井上 優) 命研究論文:向山陽子「文法学習に間する信念・態度,学習ストラテジ・・一i,学習成果の関   連一暗示的帰納的指導のコンテクストの中で一」  第二言語習得研究は,大きく二つに分けて考えられるとされています。一つは,言語の 習得過程そのものに焦点を当てた研究もう一つは,学習者や学習に関わる諸要因に焦点 を当てた研究です。近年は後者,すなわち,個別性に注Bが集まっています。この研究は, 信念・態度,学習ストラテジーと指導方法との食い違いが,学習成果とどういう関係にあ るかを明らかにしょうとしています。  ただ,それらの因子の相関について若干気になることもあります。三顧寿夫『本当にわ かりやすいすごく大切なことが書いてあるごく初歩の統計の本』(北大路書房)の74ペー ジを見ると,相関の強さについて,一般に,   0.0≦1γ1≦0。2⇒ほとんど相関なし   0.2<1γ1≦0.4⇒弱い相関あり   0.4〈}γ1≦0.7⇒比較的強い相関あり   0.7<1γ1≦LO⇒強い相関あり などと表現されると書いてあります(γは相関係数)。しかし,本論文では,相関係数が0.2 以下のものも相関ありとして考察が進められています。数字を用いた研究では,有意差が

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あるかどうかで天国と地獄のようになってしまっているような気がしてなりません。これ は,H本語教育,いえ,あらゆる研究における今後の課題としていくべきことだと考えて います。  それはともかく,本論文は,日本語教師それぞれの振り返りの参考とするのに十分億値 ある研究だと思います。ぜひお読みください。       (河野俊之) ◇報告:堀池晋平r学習者は『ね』の意味をどのようにとらえているか一『ね』の自然さ   に関する評定調査に基づく考察一」  本論は,終助詞1ね」の使い方をR本語学習者がどのように認識しているかを,f学習レ ベル」「発話揚面」「他の文末形式との使い分け」という三つの観点から,詳細に調査した ものです。調査の結果として,学習レベルが進むほど母語話者の使用状況に近づくという ことが報告されています。終助詞(文末詞)や感動詞(間投詞)は,使い方を誤るとコミュ ニケーション上重大な支障が生ずる一可能性が高いものであり,H本語教育において特に重 要な項目の一つですが,教育場面での具体的な取り扱いについてはいまだ不十分な点が多 くあります。本論は,そのような状況を改善するための基礎研究として位置づけられるも のであり,調査対象とする学習者の数が少ないという問題は残しつつも,今後の議論の叩 き台として重要な意味を持つものです。今後は,より多くの学習者を繋象とした調査,あ るいは,より細かい状況設定のもとでの調査が行われることが期待されます。また,fね」 以外の文末形式についても,岡様の方法で調査が蓄積されることが期待されます。       (井上 優)

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参照

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