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Co合金超微粒子の相変態とHCP構造粒子の安定合成

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Academic year: 2021

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Co合金超微粒子の相変態とHCP構造粒子の安定合成

著者

北上 修

(2)

Co合金超微粒子の相変態とHCP構造粒子の安定合成

(研究課題番号08650763)

平成8-9年度科学研究費補助金(基盤研究(C) (2))

研究成果報告書

平成10年3月

研究代表者  北上 修

(東北大学科学計測研究所助教授)

(3)

はしがき 本報告書は,平成8年度から平成9年度にわたり,文部省科学研究費補助金によ り行われた基盤研究(C)(2) 「Co合金超微粒子の相変態とHCP構造粒子の安定合成」 (課題番号08650763)に関連する研究成果をまとめたものである. 磁性体を微細化していくと、古典的なスピンの熟揺らぎに加え,特に低温におい て巨視的トンネル効果のような現象が顕在化しはじめる.また、外部磁場下でのス ピンの挙動についても、従来のマイクロマグネテイクス理論では単純に説明できな いような現象も見出されつつある.このように、微粒子系の磁気的挙動はバルクの 場合に比べ異なる様相を呈し、ナノサイズ粒子から成るCo基合金薄膜型磁気メディ アに於いても、微視的観点からの磁性研究,即ち1個1個のHCP構造Co基合金偏析 微粒子の磁気的,熱的挙動を明らかにするような研究が,今後その重要性を増すも のと予想される.こうした微粒子磁性の研究において,高い-軸性の結晶磁気異方 性を有する単結晶微粒子を作製することが可能になれば,その理想的二状態系(two・ level system)の研究は,極微小サイズにおける磁性の基本的理解を促進するものと 期待される.我々は,こうした背景から,高い-軸性結晶磁気異方性を有する代表 的材料として, HCP-Co微粒子の合成実験に着手した.しかし,この課塵をクリアー することはそれほど容易なことではない.広く知られているように, Coはバルク状 態において, 420oC付近の同素変態点を境に高温相であるFCC構造から低温相HCP構 造にマルテンサイト的に変態し,室温においてはHCP構造が安定となる.しかし, そのサイズが減少しミクロンオーダーになるとFCC構造になることが,半世紀にわ たる膨大な研究から明らかにされているが,その理由に就いては全く明らかにされ ていない. 以上のような背景の下,我々は新たに開発した気相凝縮法によるCo微粒子合成実 験を進め, llCP-Co微粒子合成の成功,更にサイズに依存した結晶相の変化を理論的 に明らかにした. 研究組織 研究経費 研究代表者 北上 修(東北大学科学計測研究所助教授) 研究分担者  島田 寛(東北大学科学計測研究所教授) 平成8年度  1,600千円 平成9年度   500千円 計    2,100千円 00010174170

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__■    -研究発表

a)学会誌等

1.桜井伴明,北上停,島田寛:

``スパツタ磁性微粒子による微細磁区観察"

日本応用磁気学会誌20 (1996) 843・845.

2, 0.Kitaka皿i, T.Sakurai, Y.Miyashita, Y.Takeno, Y.Shimada, H.Thkan0,

H.Awano, K.Ando,and Y.Sugita :

"Fine metallic particles for magnetic domain observations"

Japanese JournalofApplied Physics B5 (1996) 1724・1728.

3. 0.Kitakami, T.Sakurai, and Y.Shinada :

"Highdensity recorded patterns observed by highresohtion Bitter虻anning

electron microscope method''

JournalofApplied Physics二迫(1996) 607416077.

4. H.Sato, 0.Kitakani, T.Sakurai, Y.Shinada, Y.Otani,and K.Fukanichi : "Slmctureand magnetism of hcp・Cofine particles"

JotunalofApplied Physics鮎(1997) 1858・1862.

5. T.SakuTai, 0.Kitakami, Y.Shinada, H.AWan0, and K.Ando :

"Evolution of magnetic domain pattems at low temperature''

Journalof Magnetismand Magnetic Materials EB (1997) 185・192.

6. 0.Kitaknni, H.Sato, Y.Shinada, F.Sato,and M.Tanaka : L'Size effect onthe crystalphase of cobalt fine particles"

PhysicalReview B 56 (1997)13849・13854.

6.北上修,佐藤久輝,島田寛:

``気相凝縮法で形成したコバルト微粒子の結晶構造" 日本金属学会誌まてりあBl(1998). (印刷中)

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b)口頭発表 1.佐藤久輝,桜井伴明,北上修,島田寛: "スパツタ法によるhcpICo超微粒子の作製'' 日本金属学会講演会, 1996年3月,東京. 2.桜井伴明,北上修,島田寛: α冷却下でのスパツタ磁性微粒子による微細磁区観察" 日本応用磁気学会, 1996年9月,千葉. 3.北上修: 化磁性金属超微粒子を用いた磁気及び光磁気記鐘状態観察技術" 日本応用磁気学会セミナー, 1996年12月,東京. 4.佐藤久輝,北上修,島田寛: "高磁気異方性hcp・Co超微粒子の合成'' 電気学会マグネテイクス研究会, 1996年11月,浦和. 5.佐藤久輝,北上停,島田寛: 捕co超微粒子の相変態機構に関する考察" スどこクス研究会, 1996年12月,仙台. 6.佐藤久輝,北上修,島田寛: "hcp・Co微粒子の安定性" 日本金属学会, 1997年3月,東京. 7.佐藤久輝: "高磁気異方性hcp・Co微粒子の合成'' スどこクス研究会,1997年3月,仙台. 8.指宿隆弘,北上修,島田寛: "Co基合金微粒子の合成と磁性" 日本金属学会, 1998年3月,東京.

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研究成果

金属及び合金微粒子の安定合成のために,スパッタリング気相凝縮技術を開発し た.この方法により合成した磁性金属微粒子(粒径∼10mm)を用いて,高分解能磁気 構造観察技術を確立した.また,メゾスコピック系の磁性研究において基礎及び応 用の観点から重要なHCP構造Co単結晶微粒子の合成に初めて成功した.そして,本 研究の対象であるCoを例にとり,微粒子特有の非平衡結晶相出現のメカニズムを熱 力学的観点から明らかにした.以下に,研究結果の概要をまとめる. -高分解能磁気構造観察技術の確立一 気相凝縮法で形成したFe,Co微粒子(粒径5-10nm)を真空中で直接磁性体試料表 面に堆積させることにより,試料の微細な磁区構造及び超高密度記録状態を10mm 程度の分解能で可視化できることを明らかにした.この方法は,非破壊かつ簡便な 磁気像可視化技術であり,その応用範囲は極めて広い. -HCP-Co単結晶微粒子合成技術の確立-co微粒子形成条件に応じ粒子サイズが5-40皿の範囲で変化し,それに伴い顕著 な結晶構造の変化を確認した.すなわち, D≦20皿の領域ではFCC構造正二十面体多 重双晶粒子(FCCIMT), 0-30皿ではFCC-MTとICPウルフ多面体単結晶粒子(HCP-Wulff) , D≧40nnにおいてほぼ完全なmCP-Wulff粒子を合成できることがわかった.ちなみに HCP-Wulff Co粒子3次元ランダム集合体は,室温において15000eもの高い保磁力を 示す. ーCo微粒子結晶相のサイズ依存性の理論的解明一 上述の粒子サイズに対する結晶相の変化について,表面エネルギーをはじめとす る全てのエネルギー項を考慮し,自由エネルギーの計算を行なった.その結果, Co 微粒子結晶相のサイズ依存性を理論的にしかも定量的に説明でき,各結晶相の熟安 定性もこの理論で解釈できることが確認された.これらの理論,実験の結果より, 半世紀以上にわたり問題視されてきた微粒子系における非平衡結晶相の出現は,本 質的なサイズ効果であることが明らかになった. 4

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TOUR : Tohoku University Repository コメント・シート 本報告書収録の学術雑誌等発表論文は本ファイルに登録しておりません。なお、このうち東北大学 在籍の研究者の論文で、かつ、出版社等から著作権の許諾が得られた論文は、個別にTOUR に登録 しております。 TOUR http://ir.library.tohoku.ac.jp/

参照

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