1 国語科
「適切に,論理的に判断する力」の育成を目指した国語の授業の創造
北村 拓也1.はじめに
(1)問題意識
これまで研究を進めてきた「国語科における思考ツー ル活用」の中で,「比較して共通点や相違点を分析する」 や「多角的な視点を持って整理する」など,具体的に思 考する姿がよく見られるようになり,考える力や考える 方法への理解が向上した。しかし,思考した後のステッ プに進むと課題が見られた。「思考はできているが,適切 な判断や表現に至っていない」という課題であった。そ こで,思考の次のステップである「判断」に注目した研 究に取り組み始め,国語の授業において,「適切に判断を する力」の育成をめざした研究に取り組んでいる。本年 度で3年目である。 これまでの「判断」に注目した研究を通し,「判断する 力」を国語の授業の中で育てるためには,当然であるが, 意図的に判断をさせる場面を設定することが必要である ことがわかった。しかし,単に判断させる場面を設ける だけで判断力は身に付かない。 「判断」という学習活動を,国語の授業と関連付けて 定義するならば「思考の結果に出てきた情報の中から, 適切な情報を選択すること」である。「思考の結果出てき た情報」とは,「判断するときの選択肢」,言い換えるな らば「判断材料」にあたる。そして「判断材料」は,思 考ツールを活用する学習活動の中で生まれてくる情報で ある。国語の学習の中で,課題に対する解釈をする思考 の過程において,比較したり,分類したり,広げたりす る中で,多くの判断材料が出てくる。この「判断材料」 を生徒に生み出させる学習活動を設定することが「判断 をさせる場面」には必要である。 次に「適切な情報を選択する」ために必要な要素は何 かというと,それは「判断基準」である。読む目的であ ったり,文章を書く対象であったり,話す場面であった りと基準を設けることで,それに適した判断をすること ができる。そして「判断基準」は,「単元を貫く問い」に 当たる。学習指導要領が改訂されてから,国語の授業の 展開において,「単元を貫く言語活動」を設定し,指導事 項を指導することが国語の学習スタイルとなった。そし てその中で,学習の目的を生徒に,明確に持たせるため, 「朗読をしよう」や「感想を述べよう」などいった「単 元を貫く問い」を設定するようになった。これがここで 述べる「判断基準」になる。何のために読むのか,書く のか,話すのか,といった基準を設けることで,生徒は 「適切に判断をする」ことができるようになる。 このように,国語の授業を通して,「適切に判断をする 力」の育成をするためには,「判断材料」と「判断基準」 を明確にした授業の構想が必要である。(2)研究の目的
そこで,本年度の研究は,「適切に,論理的に判断する 力の育成を目指した国語の授業の創造」をテーマに設定 した。この研究を通して,「適切に判断する力」の育成の ために必要な要素である「判断材料」と「判断基準」を 明確にして進められる国語の単元づくりを目指す。 また,「適切に判断する」だけでなく「論理的に判断す る力」の育成も目指す。「論理的」とは「筋道立てて」と いう意味である。「論理的判断力」は,これからの学習の キーワードである「アクティブ・ラーニング」の実現に も必要な力である。その中で,生徒が自ら課題を発見し, 主体的に協働的に学ぶためには,論理的に課題を解決す る能力の育成は欠かせない。課題解決に必要な,思考の 仕方,判断の仕方を具体的に身に付けられる国語の授業 の在り方を提案したい。 本論の要旨 本論文は「『適切に,論理的に判断する力』の育成を目指した国語の授業の創造」とテーマに取り組んだ研究 のまとめである。 今までの「判断」に注目する研究の中で,生徒に「適切な判断力」を育成するためには「判断させる場面」を 具体的に設定することが必要であり,そこには「判断材料」と「判断基準」の要素が欠かせないことが分わかっ た。これまでの成果を踏まえ,本研究は「判断基準」を国語の授業の中で,どのように具現化するかを提案し, その実践例を示したものである。 また,「適切に」だけでなく「論理的に判断する力」の育成も目指した。「論理的」とは「筋道立てて」という 意味である。「論理的判断力」は,これからの学習のキーワードである「アクティブ・ラーニング」に必要な能 力である。アクティブ・ラーニングにおいて,生徒が自ら課題を発見し,主体的に協働的に学ぶためには,論理 的に課題を解決する能力の育成は欠かせない。そこで,課題解決に必要な思考の仕方,判断の仕方を具体的に身 に付けられる国語の授業の在り方(「三角ロジック」や「ピラミッド・ストラクチャー」を活用した実践例)を 提案する。 キーワード 適切に判断する力,判断させる授業づくり,判断基準,判断材料,論理的判断力,思考ツール2.実践事例報告
(1)古典における実践例
〇単元名 「古典を朗読しよう」 〇教材 「枕草子」「徒然草」(三省堂2年) 〇単元で身に付ける力: ・古典に表れている作者のものの見方や考え方から,作者の 思いを想像することができる。 【読むこと】 ・比較を通して,「枕草子」や「徒然草」の世界観をとら えることができる。 【読むこと】 ・朗読を通して,古典の世界を楽しむことができる。 【国語への関心・意欲・態度】 〇単元を貫く言語活動 ・朗読をする 〇単元学習計画(全9時間) 第1次:プロの朗読から,古典の朗読の仕方を分析しよう! 第1時:プロの朗読から,朗読のポイントを分析する。 第2次:枕草子の朗読の仕方を考えよう!! 第2時:『枕草子』の百四十五段と二百七段から,清少納 言の見方・考え方をとらえる。 第3時:『枕草子』第一段に描かれている清少納言の思い を想像する。 第4時:『枕草子』の世界観に迫る。 第3次:徒然草の朗読の仕方を考えよう!! 第5時:『徒然草』第五十二段と第九十二段から,兼好法 師の見方・考え方をとらえる。 第6時:『徒然草』第十一段に描かれている兼好法師の思 いを想像する。 第7時:『徒然草』の世界観に迫る。 第4次:古文の朗読を通して,古典の世界を楽しもう! 第8時:好きな段を選び,作品の特徴を生かした朗読の 仕方を考える。 第9時:朗読を交流し楽しんだ古典の世界を振り返る。 〇工夫した点 「単元を貫く問い」を「『枕草子』『徒然草』の中から好 きな段を選び,作品の特徴を生かして,朗読をする」に設定 した。この中で「作品の特徴を生かす=作品の持つ世界観」 という部分が,どのように朗読すべきかを判断するときの基 準となる。 そこで,『枕草子』『徒然草』の世界観に迫る学習課題で 「サークルチャート」を活用した。このツールは,昨年度の 研究の中で,判断する場面で活用できるツールとして開発し た「スターチャート」を円形にしたものである。「サークル チャート」は5つの判断材料から判断するもので,生徒が5 つという数にとらわれることが多かった。それを円形にした ことによって数の縛りがなくなり,自由に判断材料を集め, そこから共通点を見出し,判断をさせることができるように なった。 【授業の説明で使用したスライド】 【生徒の活用の様子】 付箋に書かれている内容は,『枕草子』から読み取った清 少納言の見方・考え方で,いわば「事実から考察」したこと である。そして,サークルチャートの中央に書かれている内 容は,考察の共通点から判断したこと,言い換えるなら「主 張」になる。この主張を基準に,どのように朗読すればよい かを判断させた。 また適切な判断ができるように,ICTを活用し,より多 くの判断材料を全体で共有できるように工夫した。 具体的 には,『枕草子』から読み取った清少納言の見方・考え方を 班で話し合わせ,その結果をA4の用紙にまとめ,それをタ ブレットで撮影し,スクリーンに投影し,発表させるという 方法を行った。その結果,生徒は,自分には読み取れなかっ た,新しい判断材料をその場で追加することができていた。 また,発表の内容も,話し合ってすぐであったため,具体的国
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で,わかりやすい内容になっていた。 【ICT活用の様子】
(2)説明的文章における実践例
〇単元名 説明文のわかりやすいに迫る! 〇教材 『循環型社会とは何か』(三省堂2年) 〇単元を貫く言語活動 ・説明をする 〇単元計画(全9時間) 第1次:「わかりやすい説明文とは?」について考える! 第1時:「説明文のわかりやすい」を見つけよう。 第2次:筆者の意図を理解しよう! 第2時:本文を読み,筆者の意図をとらえよう。 第3時・第4時: 本文の理由づけとデータを結び付けて,筆者の意 図を理解しよう。 第5時:本文の内容をピラミッド・ストラクチャーに整理 し,筆者の意図を説明しよう。 第6時:筆者の意図を踏まえて,「わかりやすい」「わか りにくい」を分析しよう。 第3次:「わかりやすい説明文の秘訣」を説明しよう。 第7時:「わかりやすい説明文の秘訣」について自分の見 を持とう。 第8時:主張・理由づけ・事実をつなげて,説明する内容 を組み立てよう。 第9時:「わかりやすい説明文の秘訣」を交流し,説明文 のわかりやすさに迫ろう。 〇工夫した点 ①「単元を貫く問い」 「単元を貫く問い」を,「わかりやすい説明文の秘訣を説 明しよう」に設定した。この問いを解決するためには,まず 「わかりやすい説明文とは,どのようなものなのか?」を知 ることが必要である。そこで,これまでに学習してきた説明 文の中で,「わかりやすい!」と感じたことを挙げさせた。 生徒からは, ・難しい言葉を言い換えて説明されているところ ・接続詞が用いられているところ ・図や表,写真が用いられているところ ・具体例が挙がっているところ といった意見が出てきた。これらはこれまでの学習の中で生 徒が学んできた既存の知識である。これに対し,本単元の学 習を通じて「わかりやすい説明文の秘訣」に関する新しい情 報を付け加えなければならない。本単元を通じて,授業者が 新たに学ばせたかったねらいは,「説明文における言い換え や具体例,写真の提示などの工夫は,筆者が本文を通じてつ かえたかった事=書き手の意図につながっている」ことであ る。そして,これが「わかりやすい説明文の秘訣」を説明す る際の判断基準になると考え,単元を貫く問いを設定した。 ②「ピラミッド・ストラクチャー」の活用 筆者が本文を書いた目的を捉えるためには「主張」と「理 由づけ」と「事実」の読みわけをしなければならない。筆者 の意図は「主張」から捉えることができる。そして,その意 図に対して,どのような事実を取り上げ,どのような理由づ けを用いているのかを明確にするために,「ピラミッド・ス トラクチャー」を用いた。 【授業で用いたスライド】 しかし生徒の様子を見ていると,「事実」と「理由づけ」 の読みわけが適切に行えていなかった。そこで「理由付けを 探すときに難しかった理由」を発表させたところ,「データ と理由づけの境目が分からない」という意見が多かった。そ こで,1年生の時に学習した「事実」を「意見」の読みわけ を思い出させ,次のように説明した。生徒の意識として,「事実」=「理由づけ」という考えが強 かったようである。しかし,この説明で生徒は納得し,これ 以降読みわけができるようになった。授業者にとっても「理 由づけ」の定義について考える良い機会になった。このよう な学習用語を,国語の授業の中で,明確に教えていき,的確 な判断につなげていくことが重要であると感じた。 ③「三角ロジック」の活用 「わかりやすい説明文の秘訣」の内容を考えさせる際に, 「三角ロジック」を活用した。「三角ロジック」は「主張」 と「理由づけ」と「事実」が正しくつながっているかを判断 できるツールである。 【三角ロジックの説明で使用したスライド】 ここでの「データ」とは,本文中から見つけた「わかりや すいと感じた部分」に当たる。一つだけでなく,複数の「デ ータ」を取り上げることを意識させた。「理由づけ」は「デ ータ」から導き出した考察にあたり,「主張」は,本単元を 通じて見つけた「わかりやすい説明文の秘訣」になる。「三 角ロジック」を活用したことで,自分の主張には,「どのよ うな理由づけが適切なのか」,「どのデータを選べばよいの か」を,具体的に判断することができていた。 さらに発表内容を組み立てる活動には,「ピラミッド・ス トラクチャー」を用いた。「三角ロジック」は論理のつなが りを判断するツールであるため,これだけでは発表にはつな がらない。「ピラミッド・ストラクチャー」は,「三角ロジ ック」で考えた「主張」と「理由づけ」と「事実」を構造化 することができる。この手順を踏むことで,論理的な発表に なると考えた。 【三角ロジック記入例】 【生徒が作ったピラミッド・ストラクチャー】
(3)古典と「話す・聞く」領域における実践例
〇単元名 人物から『平家物語』の世界に迫る! 〇教材 『平家物語 敦盛の最期』 「パネルディスカッションをしよう」(三省堂2年) 〇単元で身に付ける力 ・文語や歴史的仮名遣い,作品の特徴を 意識して読み, 『平家物語』独自の世界を味わう。 【伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項】 ・登場人物から,当時の人々の見方・考え方を捉え,「平 家物語の世界」を想像する。 【読むこと】 ・異なる立場の意見を尊重し,自分の意見と比較しながら 検討し,自分の考えを広げる。 【話す・聞く】 *「事実」=「データ」 である。 *「意見」=「主張」 である。 *「理由づけ」は「事実」?「意見」? 「理由づけ」とは「事実」から導き出される「意見」 であり、理科の学習でいう「考察」に当たるものであ る。本文中における「意見」の中で、「主張」以外の 内容は「理由づけ」に当たる。国
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〇単元を貫く言語活動 ・パネルディスカッション 〇単元計画(全17時間) 第1次:「平家物語」を知ろう! 第1時:「平家物語」に関する基礎知識を身に付けよう。 第2時:冒頭部分から「平家物語」の世界観を捉えよう。 第3時:「平家物語」の特徴を意識して音読しよう。 第2次:3人の人物像を捉えよう! 第4時・第5時: 平敦盛の「人物像」を捉えよう。 第6時・第7時: 熊谷次郎直実の「人物像」を捉えよう。 第8時・第9時: 那須与一の人物像を捉えよう。 第3次:一押し人物の主張内容を考えよう! 第10時:三人を比較し,イチ押し人物を選ぼう 第11時:パネルディスカッションで述べる主張内容を考 えよう! 第4次:考えを広げる聞き方・話し方を分析しよう! 第12時・第13時: 自分の考えを広げられる話の聞き方を学ぼう。 第14時:相手の考えを広げられる話し方を学ぼう。 第5次:パネルディスカッションをしよう! 第15時:一押しグループで,主張の内容を組み立てよう。 第16時:パネルディスカッションをしよう。 第17時:『平家物語』が描く世界を考えよう。 〇工夫した点 ①「単元を貫く問い」 本単元では「単元を貫く問い」を,「『平家物語が描く世 界とは?~平家物語のイチ押し人物を紹介しよう~』をテー マにしたパネルディスカッションを開催し,『平家物語』の 世界を読み深める」に設定した。こうすることで,『平家物 語』の中から一押し人物を選ぶ基準が生まれる。例えば,『平 家物語』は,「平家一族の五十年にわたる栄華と没落を描い た軍記物語」ということから,「武士の生き方」や「武士の 誇り」を基準に一押し人物を判断する,あるいは『平家物語』 の世界観である「無常観」を基準することができるようにな る。実際に,パネルディスカッションでの生徒の発言を聞い ていると,「無常観」と関わる発言が多く,これを判断基準 にしていることが伺えた。また,「無常観」を理解させる学 習でも,単なる知識として与えるのではなく,冒頭部分の内 容から判断させるように工夫した。冒頭部分を,四つの文に 分け,それを「サークルチャート」上に置き,一文ずつ現代 語訳をさせる。そして,その四つの内容から読み取れる共通 点を,中央に書かせた。その結果,多くの生徒が「無常観」 につながることが書けており,「無常観」とはどのようなも のか,具体的な理解につながった。 【サークルチャート記入の様子】 ②アクティブ・ラーニングを意識した授業展開 「アクティブ・ラーニング」の実現には,課題解決に必要 な情報を,生徒が判断し,それに向かう問いを設定する力が 必要となる。そこで,本単元では,登場人物の人物像に迫る ために「問い」を立てさせる活動を行った。 【「問い」の設定を説明するスライド】 【人物像マトリックス記入の様子】 「問い」を設定させる手順として,例えば,平敦盛の人物
像に迫る学習では,まず人物像とはどのような項目を指すの かを思い出させる。次に,本文中より敦盛の人物像が捉えら れる人物描写と行動描写を抜き出させる。そして,それを「人 物像マトリックス」に整理をさせる。そうすると,そのまま 人物像につながる描写とそのままではつながらない描写があ ることに気が付く。直接人物像につながらない描写は,行動 描写であることが多いため,その行動に対して疑問に思うこ とを,「問い」という形で立てさせ,その答えを考えさせた。 最初はどのように問いを立ててよいかわからなかった生徒 も,周囲との交流や二回目,三回目と繰り返す中で,問いを 立て,課題解決をすることができるようになった。 ③ベン図の活用 三人の登場人物の中で誰がイチ押しかを判断する学習で, 3ベン図を活用した。今まで集めてきた判断材料を整理しな がらベン図に記入し,これから行われるパネルディスカッシ ョンのテーマを判断基準に,選択することができていた。 【3ベン図記入の様子】 ④「ピラミッド・ストラクチャー」の活用 本単元でも,主張を組み立てる学習活動で,「ピラミッド・ ストラクチャー」を活用した。特に3~4人の小グループで の話し合いを通じて,主張する内容を考えさせた。 【ピラミッド・ストラクチャー活用例】 さらに,これをどのような順番で話したらよいかを考えさ せる活動では,「ステップチャート」を活用し,本番でのシ ナリオとして使用させた。 【ステップチャート記入例】 本番では,論理的に話す姿,会話をつなげる姿が見られ, 学習の成果が感じられた。また主張内容を聞く際も,「事実」 と「理由づけ」に分けてメモを取らせ,自分の考えと比較さ せた。その結果,質問も生まれ,新たな見方や考え方を広げ ることにつながったと感じる。 3.研究を振り返って まず,本年度の研究の成果として,国語の授業における「判 断基準」とは何かを明確にできた点があげられる。適切な判 断は,ある一定の条件があることによってなされるものであ る。「なぜこの情報が必要なのか」を具体的に考えさせるた めにも,それに迫ることのできる「単元を貫く問い」を授業 者が設定することが大切である。 二つ目の成果は,国語の授業において「事実」と「理由づ け」の大切さに気が付いた点である。この二つは,「論理の 3要素」と言われるものであるが,1年間,国語の学習を組 み立てる中で,数多く出てきた言葉である。特に,「理由づ け」の定義を,今まで曖昧にしてきたことは大きな反省点で ある。文章を読むときも,主張を組み立てるときも,生徒に, 明確な定義を持たせることが,適切な,論理的な判断につな がる。国語の授業において,まだまだ明確でない用語がたく さんある。それを具体的に教えられるように,用語の研究も 進めていかなければならない。 最後に,論理的に判断させるツールとして「三角ロジック」 の有効性を示せたことも本研究の成果である。先ほども述べ た通り,国語の授業において論理の3要素は欠かせないもの である。それを,具体的に,視覚的に操作し,判断できる「三 角ロジック」は「適切に,論理的に判断する力」の育成に必 要なものである。また,それを「ピラミッド・ストラクチャ ー」に書き直し,「ステップチャート」に整理することで, 論理的に表現する力の育成にもつながることが分かった。 本年度の成果をさらに発展させられるように,これからも 研究を進めていきたい。