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ド イ ツ ・タ ー ル 染 料 工 業 の 発 展 構 造 ②
加 来 祥 男
1 は じめ に π 労 働 力 の 編 成 とそ の存 在 形態 A職 員 B 監 督 C 労 働 者 α)編 成 (2)年 齢 別 構 成 (3)勤 続 年 数 別 構 成(以 上,本 誌 第173号) (4)賃 金 分 布 と賃 金支 払 ⑤ 労 働 時 間 (6)疾 病 と傷 害一 作 業 環 境(以 上,本 号) (7)出 自 と給 源 D小 指 皿 』企 業 内 福 利施 設 の展 開 (1)住 宅 建設 (2)保 険,年 金 ㈲ そ の 他 IV お わ りに (4)賃 金分 布 と賃 金 支 払 ' そ こで,賃 金 分 布 を と りあ げ る こと とし よ う。 第16表 は1882年 に お け る ヘ ヒ ス トの 労働 者 の 日賃 金 分 布 を あ らわ した もの で あ るが,こ こで は,日 賃 金1マ ル ク以下 か ら5マ ル クを こえ る まで の広 汎 な 分 布 が み られ,ヘ ヒ ス トの 労 働 力 構 成 が 多 様 ・多 層 で あ った こ とが 予 想 され る。 そ して これ は,ヘ ヒス トと い う 1企 業 に のみ み られ る特 殊 な 現 象 で は な か った。 プ フ ァル ツに存 在 す る化 学 工 場 の労 働 者 の週 賃 金 分 布 は 第17表 に よ って知 る こ とがで き るが,そ ζで の 賃 金20 第16表 1882年12月5日 ヘ ヒス ト労 働 者 の賃 金分 布 日賃金 ア ニ リン 工 場 マ ル ク 人 0.5(ン ー 『 1.oo 1.10 -1.20 -1.30 -1.40 - - - 11 .50 (0 ,2) 1.60 - - - 11 。70 (0 .2) 11 .80 (0 。2) .90 11 (0 .2) 22 .00 (0 .5) 12 .10 (0 ,2) 252 .20 (6 .2) 242 .30 (6 .0) 482 .40 (12 .0) 562 .50 (14 .0) ・『612 .60 (15 .2) 6ゴ2 .70 (15 .2) a.s・ 、(5513.7) 24 .2.90 〈6 .0) ザ エ リ ン ア リ 場 酸工場 人 る, 一 ﹁ ) 1 9 臼 1 ( [ ) 1 2 1 ( 一 ) 2 ﹃ 0 2 ( ) 3 7 3 ( [ ) ハ0 4 7 ) ) 3 7 6 4 3 7 ( ( ( ) 5 9 2 . 0 3 (. ) ) 7 6 戸 0 2 8 戸0 . ( ( 一 一 人 一 ﹁ 一 ) 1 ' 4 一 〇, ( [ [ [ ) ρ 0 戸 b 2 ) 9 臼 2 1 。 5 ( ( ) ) ) 6 7 6 0 F D Q り 4 . ・ F D ・ 4 ・ 9 . 4 ゐ q ゾ 一 9 臼 - ( ( ・ ( ) ρ O FD 3 ﹁ 5 1 ( ) 8 4 3 ( 機 械 作業 場 建築 部 人 人 5 2 (4.1) (3.0) 2 (1.6) 1 1 ( 0.8) ( 1.5) 5 3 ( 4.1) ( 4.5) 1 3 ( 0.8) ( 4.5) 11 1 (9.0) ( 1.5) 4 2 (3.3) (3.0) 4 3 ( 3.3) ( 4.5) 3 』1 (215)(1・5) 14 (11.5) 3 '(・2.5) ` 錠 前 土 ・火 夫 倉 庫 ・発 送 人 人 3 (3.4) 1 (1.1) 3 (2.1) 一 2 (2.3) 3 (3.4) 3 (3.4) 1 3 ( 0.7) ( 3,4) 2 (2.3) 1 7 ( 0.7) ( 8.0) 2 (2.3) 1 4 ( 0.7) ( 4,6) 1 7 ,( 0.7) ( 8.0) 3 5 (2。1) (5.7) 7 11 ( 4.9) (12.6) 2・ 7 ( 1.4) ( 8.0) 6' 3 (4.2) (3.4) 11 5 (7.6) (5.7) 9 8 (6.3) (9.2) 役 夫 輸 送 人 人 2 (1.5) 一 1 (0.7) 1' (0.7) 一 1 (0.7) 一 2 1 ( 1.5) ( 4.2) 2 1 (「4.2)(1.5) 2 1 (・1.5) ( 4.2) 26 1 (19.0) (4.2) 18 3 (13.1) (12.5) 6 3 ( 4.4) (12.5) 1白' 1 (13.9) (4.2) 17 」 (12.4) 一 18 (5,8) 一 5 3 (3.7) (12.5) 5 (3.7) 『一 合 計 人 9 の α ( 5 の 2 の 4 の 6 の 5 の 5 の 7 の 6 の 4 紛 6 ㊦ 7 の 2 紛 5 の 一 の 7 D 2 の 9 の 7 の 一 q α α α 0 . α 砿 σ 2 L α 6 翫 6 4 9 乳 17 3 15 a 13 α 12 駄 5 4 1 1 1. ( . ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( ( , ( ( ( (
ドイ ツ ・タ ール 染 料工 業 の発 展 構 造② 21 臼賃 金 ε3.oo 3.10 3.20 3.30 3.40 3.50 3.60 3.70 3.80 3.90' 4.00 4.10 4.20 4。30 4.40 4.50 5。00 5.20 計 合 ア ニ リ ン 工 場 11 (2.7) 10 (2.5) 7 (1.7) 5 (1.2) 1 (0.2) 4 (1.0) 2 (0.5) 1 (0.2) (1話9&)1 ザ エ リ ソ ア リ 場 ) 8 4 3 ) 2 9 0 ) 9 臼 0 ゾ 0 ) 1 4 0 ) 4 7 L ) nδ Q り L ( ( ( ( ( ( 1 (0.4) 2 (0.9)
(223100.0)1
酸工場 15 「( 18.5) ) ) 4 0 2 5 5 . 2 ( ( 1 (1.2) 81 (100;0) 機 械 作業場 8 (6.6) 9 (7.4) 1 (0.8) ・17 (13.9) 幽13 (10.7) 1 (0,8) 4 (3.3) 4 (3.「3) 建築部 21 (31.3) 19. (28.4) 5 .(7.5) 3 (4.5) ) ) - D l F O . - . - ( . ( 1 (1.5) 2 (1,6) 2 (1.6) 2・ (1.6) 『 5 ' (4.1) 「 1 ..(0,.8) 122 (100.0) (1。 。67..0)1 錠 前工・火 夫箋鬼 役 夫
33 (22.9) 6 (4。2) 11 (7.6) .15 (10。4) 71 (4.9) 8 (5.6) 7 (4.9) 5 1ω .5): 1 (0.7) 2・ ぐ1.4) 4 (2.8) 144 (100.0) ) ) ) ) 3 4 4 6 1 1 1 1 り0 4 r 1 1 ( ぐ ( ( 1 (1..1) 1 (1.1) 87 (100.0) r 輸・送 ) 3 PO 2 、 -( 一 ・ ) 1 9 臼 . ﹂ 4 ) ・ ) 1 2 1 2 ・ ﹂ 4 4 . ( ( 、 ( ) 8 8 5 ( ) ) 1 7 5 7 ` 0 3 ( , ( ) 9 臼 D 1 ( [ 1 (0.7) 1 (0.7)・ 1 2 ( 0.7) ( 8.3) 3 (2.2) (137100.0) -'』2 (8.3) 24 (1∞.0) '合 計 110 (8.5) 23 (1.8) 59 (4.5)' ・28, (2.2) 35 (2.7) 32 (2.5) 9 (0.7) 16 (i.2) ・7 (0.5) 3 (0.'2) ・.「5 (0.4) 6踵 』(0 .5) 2 (0.2) 2 (0.2) 5 (0.4) 5 (ρ,タ) 1 (0.1) 1,297 (100.0) (註) 「倉 庫 。発送 」,労 働 者 合計87人 は,第9表 を 基 準 とす れ ば ・1人の 誤 差 をふ くん で い る。 出 典=W.Grandhomme,(H), S.58.22 分 布 の 分 散 度 は ヘ ヒ ス ト の 場 合 以 上 に 大 き く な っ て お り,幽,この 労 働 者 総 数2,919人 の うち,` 2,000人 が ・ミス フ の 労 働 者 に よ っ て 占 め られ て い た の で あ る。 以 上 の よ うな 賃 金 分 布 に よ って予 想 され る多 様 な労働力構曄を多珍な りとも明 らかにす るk め に は,第16表 を さ らに 立 入 っ て 検 討 し な け れ ば な ら な い 。 これ に よ る と,運 転 工 の 場 合 に は,そ の83パ 」 セ ン トか ら90パ ー セ ン ト以 上 が 日 賃 金2.1∼3.0マ ル ク の 層 に 属 し て い る 。 雑 役 労 働 者 に あ っ て は,日 賃 金2.1∼3.0マ ル ク 層 の 占 め る 割 合 は 約75パ ー セ ン トで あ り,2.0マ ル グ 以 下 の 層 が5パ ー セ ン トか ら27パ ー セ ン ト, 雑 役 労 働 者 全 体 を と っ て も13パ ー セ ン トを 占 め て い る 。 こ こで は 運 転 工 に お け る よ り も年 少 労 働 者 の 占 め る 比 率 が 高 く,か れ ら が,後 に 述 べ る よ うに 日 賃 金2?0マ ル ク以 下 の 層 で あ っ た こ と を 考 慮 に 入 れ て も,雑 役 労 働 者 は 運 転 工 よ り も さ らに 低 賃 金 労 働 者 で あ っ た,と い う こ とが で き よ う。 し か し 両 者 の 格 差 は そ れ ほ ど大 き な も 第17 プフ ァ ル ツの 化学 工 場 の 週 賃金(1邸2年) 週 賃 金 マ ル ク 2- 3 3- 4 4- 5 5∼ 6 6- 7 7- 8 8- 9 9-10 10-12 12-14 14-16 16-18 18-20 20-25 25∼30 30-40 40-50 50-70 合 計 労 働 者 数 人 1(0,0) 8(0.3) 1(0.0) 6(0.2) 45(1.5) 48(1.6) 57(1.9) 58(2.0) 180( 6.2) 3{∼2 ( 13.4) 491 ( 16.8)' 415 ( 14.2) 511 ( 17.5) 493 ( 16.9) 123 ( 4.2) 82(2.8) 7(0.2) 1(0.0) 2,919(1・ …)
出 典:E。J. Ehrhart, Die
Zu- stande in der Badischen
Anilin-and Soda-Fabrik, Manheim,1892, S.4. の で は な く,む し ろ,.こ の 両 者 と手 工 的 労働 者 との相 違 が 目を惹 くので あ る。 手 工 的 労働 者 に おい て は賃 金 分 布 の 分 散 度 が 大 き く,ま た,相 対 的な 高 賃 金 労働 者 の 占 め る堵 率 が 高 く`なって い う。す な わ ち,目 賃 金2.1∼2.5マ ル クの層 の 占 め る割 合 が運 転 工 や 雑 役 労 働 者 に 比 して 極 端 に 小 さ く,そ の反 面,3.1マ ル ク以 上 の 層 が45パ ー セ ン トか ら50パ ー セ ン トを 占 め て い る の で あ る。 こ と 磯 城 作 綿 で は 旧 館41・ 受 ル ク以 上 の蜘 者 層 の 占め る割 合 が組 ・・{「
ドイ ツ ・タール染料工業の発展構造② 23 セ ン トに達 して い る。 この こ とは,手 工 的 労 働者 の遂 行 す る作 業 が 複 雑 で,そ の た あ に熟 練 を要 す る もの が か な り多 くふ くまれ て いた とい うこ とを 推 測 させ る。 と ころが 他 方 で は,日 賃 金2.0マ ル ク以下 の 層 の 占 め る比 率 も運 転 工 に 比 し てわ ず か な が ら高 くな って い るの で あ る。 しか し,こ れ の意 味 す る と ころ は 80年 代 か ら90年 代 に か け て の変 化 とあ わせ て後 に検 討 し よ う。 うえ の よ うな 各 労 働 者 層 の 賃 金 分 布 の特 徴 は,第18,19表 か ら明 らか な よ う に,全 般 的 な 賃 金 水 準 の 上 昇 と微 妙 な変 化 とを とも ない な が らも,90年 代 に も 存 続 して い た とい うこ とが で き よ う。 い ま,93年 の状 態 を あ らわ す 第18表 に よ れ ば,運 転 工 で は,賃 金2.1∼2.5マ ル ク層 の比 重 の急 激 な 低 下 と3.1マ ル ク以 上,こ とに3.1∼3.5マ ル ク層 の顕 著 な増 大 とが 注 目され る。 そ の結 果,賃 金 分 布 はそ の分 散 度 を 増 大 させ た け れ ど も,そ れ に もか か わ ちず,運 転 士 の95パ ー セ ン トか ら90パ ーセ ン ト以 上 が 日賃 金2.1∼3.5マ ル ク の層 に属 し,3.5々 ル ク 第18表 1893年8月1日 ヘ ヒス ト労働 者 の 賃 金分 布 日 賃 金 マ ル ク 0.50一 一1.00 1.0(}一1.50 1.5(ン ー2.00 2.00∼2.50 2.5〔ト'3.00 3.00∼3.50 3.50一 一4.00 4.0(}∼4.50 4.50∼5.∞ 合 計 染料工場;呈 蕩 リ 酸瑚 人 人 35 (4.2) 651 (7.8) 157 (18.9) 391 (46.9) 163 (19.6) 14 (1.7) 8 、(1.0) 833 (100.0) 人 2 (0.9) 10 (4.5) 24 (10.8) 157 (70.4) 19 (8.5) 11 .(4.0) 223 (100.0) 6 一 (1.5) 25 (6.2) 265 (65.4) 91 (22.5) 2 (Q.5) 16 (4.0) 405 (100.0) 機 械 作業場 建築部 手工的労働 者 役 夫 合 計 人 人 人 人 26' 4 4 (10.9) ( 1.4) ( 1.0) 一 6 3 10 7 ( 2.5) (.1.0) .( 2.4) ( 3.3) 23 20 13 '7 (9.7) (6.9) 、「(3.1) (3.3)` 19 36 58 53 (8.0) (12.3) (13.7) (25.0) 51. , 61 101 110 . (23.9) (61.9) 一(21.4) (20.9) 44 '16 119 3 (18.5) (5.5) (28.1) (1.4) 47 147 「93 8 (19,8) (50.3) (22.0) ( 3.S) .. 19 5 16 24 ..( 8。0) (.1.7) ( 3.8)、 (11.3) 3 9 ( 1。3) 一 (2.1) 「1-「 髄 238 (100.0) 292 (100.0) 人 34 ..(1・3) 63 く2.4) 144 (5.5) 372 '(14 .2) 1,136. (43.3) 「'455-(17.3) 311 (11,8) 99 (3.8) 12 (0.5) 423 212 2.626 (1∞.0)'(100.0)'(100.0) 出 典:W.Grandhomme,(皿), S.36. 1
24 ' 、第19表 』'1896年7力1ら 日ベ ヒ ス ト労 働 者 の 賃 金 分 布 日 賃 金 ∫マ ル グ 0.50∼11.00 1.00一 ・2.00 2.OQ∼3.00 3.00一 レ4.∞' .4.00∼5.00 合 計 ・
鄭 瑚 嬲 り
人 』 76 (8.4)「 491「 (54.0) ・ 319 (35.1) 23 (2.5) 909 (100.0) 酸工場 人1 -2'・ (1.o) ユ429』 (67.6) 一53 .(25.2) 13 (・6.2) .210'( 100.0) 機 械 作業場 建築部 人 人 人 26 、 3 『一 '〈10.6) (i.3) "13 ・28 1 7』 (2。7) (11.4) '(2.9) 』53層 - '89' 247 (51,7) (21。6) (37.2) ・206 117 139 .(43.1) (47.8) (58「2) 12「 21 1 (・2.5) ( 8.6) ( 0.4) 478 '(100.0) 245( 1α).o) 239 (100.0) 手工 的 労働者 役 夫 人 人 .3 , (0.6) 「54 `1 22 (10.4) 「( 7,1) 「176 " 「183 (34.0) '(58.8) 2541 91・ (49・o) .(29,3) '31 15 (6.0) (4.8) 518 (100,0) 311 (100.0) 合 言ド 人 .32、 (1.1) 9202 ('6。9)1 1,381 (47.5) 1,179 (40.5). 116 (4.0) 2,910 (100.0) 出典:W,Grandhomme,(1V), S.38. を こ え る 層 の 占 め る 割 合 は5パ ー セ ン トに も み た な か っ た の で あ る6た だ,ア ニ リン 工 場(な い し 染 料 工 場).に お い て,2.0マ ル ク 以 下 の 層 が 絶 対 数 に お い て も,全 体 に お い て 占 め る 割 合 に お い て も 増 大 し て い る こ と に 留 意 し て お く必 要 が あ る。 雑 役 勇 働 者 の 場 合,運 転 工 に 比 し て 依 然 と し て 分 散 度 が 大 き く,ま た,日 賃 金2.1∼2.5マ ル ク の 層 の 占 め る 比 率 が 相 対 的 に 高 くな っ て い る。 そ し て,全 体 の77パ ー セ ン トが2.1∼3.0マ ル ク の 層 に 属 し て い た の で あ る。 日賃 金 4.0∼4.5マ ル ク の 層 が11パ ー セ ン トを 占 め て い る と は い え,3.0∼3。5マ ル ク層 の 比 重 が き わ め て 小 さ く,こ の 時 点 で も 雑 役 労 働 者 は 運 転 工 よ り も低 賃 金 層 を な し て い た と い う こ と が で き よ う。 し か し,こ の 時 点 で も 両 者 の 格 差 は さ ほ ど 大 き な も の で は な い 。 分 類 幅 が 大 き す ぎ る た め に 不 明 確 な 点 が 残 る と は い え, 第19表 に お い て は む し ろ,運 転 工 と雑 役 労 働 者 と の 賃 金 分 布 は き わ め て 近 い 形 を と っ て い る の で あ る 。 手 工 的 労 働 者 の 場 合 に は90年 代 に も 賃 金 分 布 の 分 散 度 が 大 き く,賃 金 上 昇 は と こ で は,日 賃 金3.1∼3.5ヤ ル タ層 の 占 め る 比 率 の 減 少 と3.6∼4.0マ ル ク 層 の 比 重 の 増 大 と し て 現 象 し て お り,こ と た 建 築 部 に お い て そ れ が 顕 著 で あ る。 そ の た め に,全 般 的 に い え ば,手 工 的 労 働 者 は90年 代 に も 運 転 工 や 雑 役 労 働 者 に 比 し て 相 対 的 な 高 賃 金 労 働 者 と し て 位 置 し て い た の で あ る 。 た だ,こ こ た お いドイツ ・タール染 料工業の発展構造② 25 て は,と くに饑 餓 作業 場 に おい て,日 賃 金2.0マ ル ク以下 の層 がそ の比 率 を 急 増 させ て い る こ とが 看 過 され て は な らな い。:1 以上,入 ヒス トの労 働 者 の 賃 金 分 布 お よび そ の推 移 にみ られ るい くつ か の 特 徴 を析 出 して きた 。 これ らを 再 確 認 しな が ら,そ れ ぞ れ の もつ 意 味 に つ い て 吟 味 して い くこ と と し よ うo `' 『 噛「1『 1 , '、 まず;後 に 触 れ る 日賃 金 乞0マ ル ク以 下 の層 の存 在 を 一 応 措 い て み る と,'手 工 的 労 働 者1運 転 工;雑 役 労働 者,と い う労 働 者 グル ー プの 間 で 賃金 め格 差 が 存 在 して い た の で あ る。 な か んず く手 工 的 労 働 者 は,他 の 二者 に比 して相 対 的 高 賃 金 労 働者 と して の 位置 を 占 めて い た とい え よ う。 これ に対 して,運 転 工 と 雑 役 労 働 者 の賃 金 格 差 はわ ず か で あ る。 賃 金 分 布 に み られ る こ うした 特 徴 は,、 部 分 的 に はす で に述 べ た よ うに,手 工 的 労 働 者 の 作業 が 多様 で あ り.,そ の な か に熟 練 を要 す る も のが 多 か った の に 対 して,運 転 工 や 雑 役 労 働 者 の労 働 内 容 は 主 とし て不 熟 練 労 働 か ら成 って い た こ とを推 測 させ る。 現 に グ ラ ン トムは,労 働 者 の採 用 に あ た って は,運 転 工 と雑 役 労 働 者 と の区 別 は な されず,製 造 工 程 に 必 要 な 労 働 者 が 雑 役 労働 者 に よっ て補 充 され る とい うこ とは 日常 的 に お こ な わ れ え た,と 指 摘 して い る ので あ る。 第2に,日 賃 金2.0マ ル ク以 下 の 層 の存 在 とそ の増 大 に 注 目 しな け れ ば な ら な い。 グ ラン トムに よれ ば,こ の 労 働者 層 は,`ギ ュ ッへ,』発 送 所 に お け る年 少 働 こ 唖 に?い て レ ー ト リ.艶 頃 次 の よ う 嘩 べ て い る ・ 「タ ー ♪・染 料 工 場 ㊧ 全 蜘 者 に お い て,熟 練 労 働 者 は 何 ら大 き な 割 合 を 占 め て は い な い 。 彼 ら は 主 ど し て,本 来 の 製 造 上 程 で は な くて,機 械 作 業 場 な ど に お い て の み 雇 用 さ れ で い る 」9と 。F.'Red- lich,。F.'Red- a.。F.'Red- a.0.,。F.'Red- S.60.ま た ド レ グサ ー は,「 「機 械 部 門 と建 築 部 門 の 労 働 者 が 最 高 の 賃 金 を 得 て い る 。 本 来 の 化 学 部 門 に お い て は,健 康 を 害 しや す い 仕 事 の た め に ア ゾ染 料 労 働 者 が 最 高 の 支 払 を うけ,硫 酸 ・ ソ ー ダ 労 働 者 が す ぐそ れ に つ づ く」 と 述 べ,さ ら に,木 熟 練 労 働 者 の 労 働 移 動 の 頻 繁 さ を 指 摘 し た 後,'「 多 く』の 仕 事 ぽ ズ ブあ 素 人 で も 真 面 目 な 人 物(jeder erste beste Mann von der StraBe)で あ れ ば 可 能 で あ る 」 と し て い る。E. Drδsser, Die technische Entwicklung der Schwefelsaurefabrikation and ihre volkswirtschaftliche Bedeutung, Leipzig,1908, S.149-150.
㈱W.Grandhonme,(H), S.55;do.,(皿), S.34;do二,(IV),S.36.' wOO .Grandhonme,(皿), S.57;d6.,(皿), S.35;do.,(IV),5.37.1
26 労 働 者 で あ り,あ るい は 手工 的 労働 者 の も とに おけ る徒 弟 で あ った 。 これ は, 14∼16歳 の年 少 労 働 者 に つ い て の 彼 の 指摘 とほ ぼ ぴ った り と一 致 して い る。そ し て事 実,年 齢 構 成 の場 合 と ま った く同様 に,'日 賃 金2.0マ ル ク以下 の労 働 者 層 の増 大 は,手 工 的 労 働 者,『こ とに 機 械 作 業 場 に お い て顕 著 で あ り,運 転 工 に あ って は,ア ニ リン工 場(な い し染 料 工 場)に お い て もみ られ た の で あ る。 グ ラ ン トムの2つ の指 摘 や 年 齢 構 成 と賃 金 分 布 の 推 移 の 相 関,そ れ に バ イ ヤ ー に お け る徒 弟 訓 練所 の設 置,と い った 一 連 の事 実 を か さね あ わ せ て 考 え る と,日 :賃金2.0マ ル ク以 下 の 層 の増 大 か ら も,熟 練 労 働 力 を企 業 が み ず か ら養 成 して い こ う とす る傾 向 を 読 み と る こ とが で き よ う。 こ う した 傾 向が 手 工 的 労 働 者, わ け て も機 械 作 業 場 に おけ るそ れ に お い て強 くみ られ た こ とは 次 の よ うな 事 情 に よ るの で は ない か と推 測 され る。 す な わ ち,他 の 手工 的 労働 者 の場 合 に は, そ の 労 働 内 容 に他 の産 業 分 野 や 他 の企 業 に お け るそ れ との 共通 点 が比 較 的 多 く み られ た のに 対 して,こ こで の労 働 内容,こ とに 熟 練 を 要 す る もの に は各 企 業 の 個 別 的 性 格 が 付 着 して い た の では ない か と考 え られ るの で あ る。 他方,そ の ほ と ん どゐミ不 熟 練 労 働 者 に よ って構 成 され て いた 運 転 工 に あ って も,監 督 に 代 表 され る よ うに,製 造 工 程 を 監 視 す る熟 練 労 働 者 が 少数 な が ら も不 可 欠 の存 在 で あ った こ とを想 起 す れ ば,運 転 工 に お け る 日賃 金2.0マ ル ク以下 の層 の増 大 も手 工 的 労働 者 の それ と同様 の性 格 を もつ もの,と 考 え る こ とが で き よ う。 第3に,1880年 代 か ら90年 代 にか け ては 賃 金 の上 昇 が み られ た。 しか も この 賃 金 上 昇 は,う え に 述 べ た 日賃 金2.0マ ル ク以 下 の層 の増 大 とい う点 を 別 とす ・れ ば,労 働 者 各 グル ー プ間 の 格 差 を ほ ぼ そ の ま ま維 持 し なが ら全 般 的 に み られ た ので あ る。 とす れ ぽ,こ れ は,ま ず も って,こ の時 期 に み られ た 一 般 的 な 賃 金 水準 の上 昇 との関 連 で 理 解 され るべ きで あ ろ う。 もっ とも,日 賃 金2.0マ ル ク以下 の 層 の存 在 とそ の増 大 とを,う えに 指 摘 した よ うに 把 握 して よい とす れ
㈲G:Bry, Wages in Germany 1871-1945, Princeton,1960, p.51, Appendix.19世
紀 末葉 にみ られ た こ の賃 金 上 昇 につ い て は,そ の根 拠 と意 義 ど を立 入 って考 察 す る こ とが必 要 で あ るが,最:近 の興 味深 い問 題 提 起 として,馬 場 宏二 『世 界 経 済,基 軸 と周 辺』,東京 大 学 出 版会,1973年,第6章 「資 本 主義 の腐 朽 化 」 を参 照 。
ドイツ ・タールi染料工業 の発展構造(2) 27 ぽ,タ 」・ル染 料 工 場 の,主 と して手 主 的 労働 者 に お け る熟 練 労 働 者 の性 格 に 何 らか の変 化 が 生 じつ つ あ った こ と も予 想 され る。 しか し,賃 金 分 布 とそ の 推 移 か ら この点 を 明 らか に す る こ とは で きな い。 以 上,3つ の時 点 に おけ るヘ ヒス トの 資料 を 手 が か りと して 明 らか に して き た ター ル 染料 企 業 に お け る労 働 力 構 成 とそ の それ ぞれ につ い て の特 徴 は,断 片 的 な もの にす ぎな いけ れ ども,第20表 に お け るバ ス フの事 例 か らも おお よそ 確 認 され うるの で あ る。 これ まで,ヘ ヒス ト労 働 者 の年 齢 別 構 成,勤 続 年 数別 構 成,賃 金 秀 布,の 特 徴 と変 化 とをそ れ ぞれ 別 個 に 考 察 して きた が,こ れ らを相 互 に比 較 ・対 照 し て み よ う。' 賃 金 分 布 と労 働 者 の勤 続 年 数 別 構 成 の 変 化 を対 照 してみ れ ば,す でに 述 べ て きた こ とか ら も窺 われ る よ うに,両 者 の 間 に 対応 関 係 をみ い 出す ことは 困 難 で あ る。 も っ と直 蔵 にい えば,長 期 勤 続 者 の増 大 嫡 賃金 分 布 の あ 、り方 に明 峰 な 影 響 を 及 ぼ した とは い え ない ので あ る。 これ は,熟 練 の修 得 が勤 続 年 数 を か さね る こ とに よっ て な され る も ので は な か った こ ≒を推 測 させ る ㊧ であ る炉,茸 ゆ ら こそ企 業1ま,徒 弟 的 性 格 を も つな 年 少 労働 者 を,特 殊 な訓 練 機 関 を とお 、しで 熟 練 労働 力 と して養1戎しでい く必 要 に せ ま られ 牟 の で あ ろ う。 そ し て 『 の こ.と は,労 働 者 を熟 練 労 働 者 と不 熟 練 労 働 者 とに構 造 的 に分 断 す る契 機 をは らん で い た と 考 え られ るの で あ る。 さ らに,こ の こ とか ら あ る程 度 予 想 され る とお り,賃 金 分布 の変 化 と労 働 者 の 年 齢 別 構 成 の 推移 との あ い だ に もな ん らか の 対 后 関 係 を みい 出す こと はで きな い。 以 上 あ こ とか ら;昏 ヒス.トg)賃金 体 系 が い わ ゆ る年 功制 度 を とっ てい な か った こ とが 明 らか とな る◎ こめ よ う.に考 えて く れ ば,ま えに 確 認 され な 長 期 勤 続 者 の 増 大 は,企 業 の労 務 政 策 な どとp関 連 に お い て把 握 され るべ きで あ る,と し}うこ とに な ろ う。 と ころ で,.6え に示 され た よ うな 賃 金 収 入 は労 働 者 の生 活 に とっ て どの よ う な意 味 を もって い た ので あ ち うか 。 事 態 を正 融 と捉 え る こ とは 困難 で あ るけ れ ど も,グ ラン トム は次 の よ うに 述 べ て お り,こ の指 摘 は示 唆 的 で あ る。 「少 な か らざ る数 の労 働 者 が そ の賃 金 だ け に た よ って い るの では な くて,夫 人 や 成 人
28 第20表 パ ス フ 硫 酸 工 場 の
;\
1880 85・ 90 95 1900 01 02 03 1黄 鉄 鉱 伍 長 マ ル ク 2。80 (20マ ルク/日) 運 転 工 の 日賃 金 プ ラ ス月 あ 'た り20マ ル クの割 増 金 炉運転工 鉱破砕工 マ ル ク 2:00-2.80 2..00一一一2.80 2.20∼2.80 2.30∼2.90 2.88-3.12 (1.25;ル ノ週)` 3.32 (1.25 ) 3.32 (1.25 ) 3.32 、(1・25.) 賭/聡 ラム 6 8 8 0 0 0 0 3 3 nj 4 4 ﹂ 1 4 炉鉱囎f糎
搬エ
マ ル ク/週 8 0 0 1 1 1 ー ワ 臼 Q り nO 3 3 00 3 マ ル ク 2.32 2.32 2.32 2.32 2.80一}3,00 2.80∼3.00 2.80∼3.00 2.8(ン}3.12 、鉛 室 法 伍 長 マ ル ク 乞.60∼2.80 黄 鉄鉱炉 の伍長に 同 じ 鐘 接 工 マ ル ク 2.60ん2.80 2。80.3.00 3.5(ト'4.00 4.00∼4.50 4.()0一 一4.50 4.00〔 一4.50、 4.00-4.50 4.00∼4.50 (註)1)鉱 破 砕工 の 賃 金 を週 平 均 に換 算 した も の。 2)送 風 工 は16 17歳 の 年 少 労 働 者,補 出 典:E.Drossさr, Die technische Entwicklung der Schwefelsgurefabrikation and ihre'した 子 供 の賃 金 ,お よび 自分 の 副業 に よ って家 計 を補 充 し てい 磐」 と。 タ ール 染 料 企 業 に お け る こ うした 低賃 金 の実 態 を,エ ー ルハ ル トは バ ス フの 場 合 に つ い て一 層 強 調 して い る。 彼 は,一 方 で は,1889年 の平 均 日賃 金 を3.02-3.61マ ル ク とす る プ フ ァル ツ商 工 会 議 所 の 報告 を し りぞ け て2.5マ ル クと算 定 し(そ に根 拠 は不 明),他 方 で は マ ンハ イ ム に おけ る 工 場 労 働 者 の状 態 に 関 す る著 書 に拠 って,5人 家 族 の 生 計 に 必要 な年 収 入 を1,300マ ル ク とし てい る。 そ して 稼 は次 り よ うに 述 べ て い るρ で あ る。. 不 足 額 は 一 体 い か に して補 われ るの で あ ろ うか 。 み じめ な 家 計 を維 持 す る た め に大 家 族 の家 長 が 貧 民 救 済 の 補 助 金 を 申請 す る.とい う事 実 か ら明 らか な じ コ コ タ う.に,不 可 運 的 に 窮 乏 化 す 筍か,あ るい は零 景 々ミ,,過度 で,す ぐに 自分 自 コ コ コ 身 の身 体をそ ζな5過 重労働に よ?て 不足類 を得 ‡うとす ぐ。 な率第3の 手 1段は,不 足分 を小商工業者 か ら挙需 品g畢 恥}で まか々至 ζ恥 うζ とで 南 「働W
ドイ ツ ・タ ー ル 染 料 工 業 の 発 展 構 造(2) 29 日.賃 金 と そ'の 推 移 2) 送 風 工 マ ル ク 1.7〔ン}2.20 1.90 1.70∼2.20 1.90 1.70∼2.20 1.90 伍 長1吸 収塔工 圧力釜工 隔 助f 接 触 マル ク 黄鉄鉱炉 の伍長に 同 じ ・・ 4) 2.30ん2.90 (0.30;ル/日) 2。88∼3.12 (0.30 ・) 3.32 (0.30 ) 3.32 (0.30 ) 3.32 .(0.30 ) 法 マ ル ク マル ク 4) 2.60 3.00 3.16 3.16 3。16 4) 1.20 、1.50 1.60 1.60 1.60 当地方の平均賃金 16歳 以上 マ ル ク 1,60 1.60 2.00 2.40 2.40 2。50 2.50 .16歳 以 下 マ ル ク 0.75 0.75 1.00 1。00 1.00 ・ 1.20 1.20 助 工 も 年 少 労 働 者(但 し,年 齢 不 詳)。3) ()内 は 割 増 金 。 4)
volkswirtschaftliche Bedeutung, Leipzig,1908, S.218-219.
1896年 の 数 字 。 ろ 。 … … 不 足 分 を ま か な う3つ の 方 法 は す べ て,不 経 済 で 不 健 康 で あ り,わ れ わ れ の 「上 品 」 な 状 況 に と っ て 不 名 誉 で あ る,と 。 エ ー ル ハ ル'トは,一 般 的 に い っ て,バ ス フ 労 働 者 の お か れ た 「悲 惨 さ 」 を 過 度 に 強 調 して い る き らい が あ り,う え の 点 に つ い て も レ ー ト リ ッ ヒは,'バ ス フ 労 働 者 の 平 均 日貨 傘 を2.5マ ル ク(年750マ ル ク)と す る こ と は あ ま りに 低 す ぎ る と し て,運 転 工 の 平 均 年 賃 金 を 年900マ ル ク と 推 定 し て い 磐 。 し か し,こ の 点 を 認 め る と して も,さ き の グ ラム トム の指 摘 や エ ール ハ ル トの叙 述 を何 の 根 拠 もな い もの と して し りぞ け て し ま うこ とは で きな い よ うに思 われ る。 こ う した 「低 賃金 」 は,当 時 の労 働 市 場 の 構 造 に1つ の 根拠 を も って いた ので あ ろ サ うが,そ れ を補 充 す るた め に,エ ール ハ ル トが 指 摘 して いた 過 重 労 働 の可 能 性
ECM .J. Ehrhart, a. a.0., S.8-9.傍 点 は ゲ シ ュ ペ ル ト。 ㈱ F.Redlich, a. a.0., S.64.
⑳ こ の 点 は な お 実 証 的 に 深 め ら れ な け れ ば な らな い が,さ し あ た っ て エ ン ゲ ル ス の 「『住 宅 開 題 』 再 開 第2版 へ の 序 文 」,こ と に 以 下 の 叙 述 は 考 察 の 手 が か りを 与 え て く
30 が 生 じ て くる し,ま た,企 業 内福 利 施 設 や 割 増 金 が 重 要 な意 義 を おび て くる こ と とな る。 そ こで,割 増 金 を を と りあ げ る こ と と し よ う。 ヘ ヒ ス トに 代 表 され る ドイ ツの ター ル染 料 企 業 に あ って は,こ れ まで 述 べ て きた 日賃 金 のほ か に 割 増 金 が 支 払 わ れ た 。 第21表 に よ って 示 され る 一 例 に よ って この 点 を み れ ぽ,割 増金 は作 業 場 ごとに 支 払 わ れ,全 体 の40パ ーセ ン ト前 後 を 占め る労 働 者 が これ を うけ と って いた 。 す なわ ち,割 増 金 は 全 労 働 者 に 支 払 わ れ た わ け で は な ぐ,割 増 金 を うけ とった 労 働 者 間 に あ って も,そ の 額 は 決 し て一 様 で はな か った の で あ る。 この 意味 につ い て は後 に触 れ るが,割 増 金 の 上 限 は 次 第 に 上 昇 して い った し,そ れ は,少 な く とも労 働 者 の一 部 に と って は か な り大 きな 意 味 を も っ て い た よ うで あ る。 グ ラン トム は そ の 著 書 の 第2版 で,「 年 割 増 金 は,有 能 で信 頼 で き る労 働 者 の 場 合 に は100マ ル クか らそ れ 以 上 ゆ に ま で 上 昇 す る こ と が あ る」 と述 べ て い る が,こ の 「100マ ル ク 」 の 個 所 が 第 第21表 ヘ ヒス トで支 払 わ れ た 割 増金 作 業 場 揚 揚 揚 場 部 送 工 江 業 . . リ 工 作 築 料 ザ 械 ﹂ リ 染 ア 酸 概 建 輸 合 一言ロ十 1893年 労働 者数 人 417 179 215 96 106 5 1,018 割増金額 マ ル ク 12,380 5,302 、4,826 3,092 2,489 285 28,374 1894年 労働者数 割増金額 人 473 200 236 , 109 136 7 '1,161 マ ル ク 13,443 5,683 4,870 3,102 2,940 347 .30、385 1895年 労働者数 割 増金額 人 一 マ ル ク 558 15,246 224 6,459 280 5,815 層125 3 ,413 160 3,363 8 378
11,355
134,674
出 典:W.Grandhomme,(W), S.38. れ よ う'。「ご こで次 の こ とが は っ き りわ か る。 す 斥わ ち,以 前 の歴 史 的 段 階 で 労働 者 の相 対 的 な 安 楽 の基 礎 であ った もの,す な わ ち農 耕 と工 業 との結 合,家 屋 の所 有 とi菜 噛園 や 畑 地 の 保有 ,住 宅 の保証が,今 日g大 工 業の支配の もとでは,そ の労働者にとつ て最 悪 のか せ とな るば か りで な く,労 働 者 階 級 全体 に と って も最 大 の不 運 とな り,賃 金 を正 常 の 水 準 以下 に,か って な い ほ ど低 くお しさげ,し か も個 々の事 業 部 門 や地 方 につ い て だ け で な く,国 の全 域 に わ た って,そ れ を お しさげ る 基 礎 と な る と い うこ と,こ れ で あ る。」F.Engels, Vorwort zur zweiten durchgesehenen Auflage"ZurWohnungsfrage", in:Karl Marx。Friedrich Engels Werke, Bd・18, Berlin,1962, S・
653.『 マ ル ク ス ・ エ ン ゲ ル ス 全 集 』 第18巻,大 月 書 店,1967年,667ペ ー ジ 。
ドイ ツ ・ター ル染 料 工 業 の 発展 構 造(2) 31 3版 と第4版 で は 「175マ ル ク」 とあ らた め られ て い る の で あ る。 そ して,こ れ につ づ い て彼 は次 の よ うに 記 し てい る。 賃 金 に この割 増 金 を 算 入 す れ ば,数 年 間 勤 続 した有 能 な労 働 者 の直 接 の年 収 は平 均 して 約1,000マ ル クに な る。短 か い 労働 時 間 と作 業 の安 全 性 を 考 慮 す れ ば,労 働 者 に 対 す る こ うした 支 払 い は 他 の ほ とん どの工 場 で はな され て い な い。 そ れ に,昼 食 とコ ー ヒ ーが1日 あ た りわず か20プ フ ェニ ヒだ った と い う こ とをつ け 加 え るな らば,う え の額 は,当 地 方 の事 情 に て らして,1家 族 の生 計 に と って 十 分 な もの とみ な され なけ れ ば な らな い,と 。 この よ うに グ ラン トムは,基 本 賃 金 を補 完す る意 味 で の割 増 金 や 企 業 内 福 利 施 設 の重 要 性 を 指 摘 して お り,わ た くした ち も この点 を は つ ぎ りと認 識 して お か ね ば な らない 。 しか し,う え の よ うな意 味 で の割 増 金 の意 義 が 限 界 を も って い た こ とも 同時 に みす ご され て は な らな い。 とい うの は,賃 金 分 布 を 示 す 第 16,18,19表 と第21表 とを て ら しあ わ せ て みれ ば 明 らか な よ うに,「 年 収 入 カミ 平 均 し て約1,000マ ル クに な る」 労 働 者 は きわ め て限 られ て お り,し か も第21 表 で示 され た 割 増 金 額 の うち に は,職 長や 監 督 が うけ と った 割 増 金 が ふ くまれ て い る こと も考 え られ るか らで あ る。 次 に,賃 金 支 払 形 態 に つ い て の 考 察 へ と進 も う。 まず,バ イ ヤ ーの 社 史 の 以 下 の よ うな叙 述 に注 目し なけ れ ば な らな い。 手 工 的 労 働 者 の 労 働 意欲 を 昂進 さ せ るた め に,当 初 は 個 別 出 来 高 賃 金 が, 後 に は 団体 出来 高 賃 金 が 導 入 され た。 出 来 高 仕事 に お い て は 一 般 的 に い っ て,日 賃 金 よ りも20パ ー セ ン トか ら30パ ー セ ン ト多 くの 賃 金 が 得 られ た。 出 来 高 賃 金 な い し時 間 賃 金 の額 は作 業 主 任 に よ って 決 定 され,「 書 式 で 詳 し く 基 礎 づ け られ,労 働 者,職 長 な い し監 督,お よび 作 業 主 任 に よ って 署 名 され た。 そ して 長 期 的 に 確 定 して い る と きに は,そ れ ぞ れ の 作 業 場 に 掲 示 され (40W. Grandhomme,(皿), S.36;do.,(IV), S.38.
㈱W.Grondhomme,(∬), S.59;do.,(皿), S.36;do.,(IV), S.38。
㈱ こ の 点 は レ ー ト リ ッ ヒ も 指 摘 し て お り,彼 は,ヘ ヒ ス ト の 運 転 工 の 場 合 に も90年 代
32 た6」 「1・ 化 学 的 な 作 業 場 で は 割 増 金制 度 が支 配 的 で あ り,そ れ は,仕 事 の 質 や 量, .原 料 の 節 約 な ど とい った こ とを基 準 と した 。 勤 続 年 数 に よ る割 増 金 の よ うに そ の都 度 与 え られ る割増 金 を,企 業 は現 金 で で は な く貯 蓄 金 庫 の 口座 に 支 払 つた こ コこ の叙 述 は,手 工 的 労働 者 と運 転 工 とに おけ る賃 金 支 払 形 態 の相 違 を 予 想 さ せ る。 しか しゴ この 点 を 確 定す るゆ うに は 分 析 を さ らに 進 め な け れ ば な らな い 。 とは い え ジ わ た くした ち が現 在 利 用 し うる資 料 は は きわ め て 断 片 的 な もの で レか な く,.そ こか ら一定 の推論 を しうるにす ぎないのであ る。 『化 学 工 業 』誌 の1報 告 は,「 社 会民 主 主 義 者 に よって 最 近 激 し く批 判 され てい る 出辛 高 仕 事Q余 地 は 化学 工 業 に お い て は ほ とん どな い 。、そ れ が み られ る, と ころで は,出 来 高 仕 事 を 実 現 させ た もの は,労 働 者 の特 殊 な 技 能 で は な くて 仕 事 ㊧悸 質 で あ る。 さ らに,団 体 出 来 高賃 金 が採 用 され て い るが,そ の 範 囲 は これ まで の と こ ろ きわ め て わず か で あ る」 と述 べ,そ の 「団体 出来 高 賃 金 」 に つ い て はそ の 実 態 を 次 の よ うに 記 して い る。 団体 出来 高 賃 金 に お い て は,た い て い,ま ず 通 例 の 日賃 金 が 算 出 して 支 払 わ れ,次 い で 斥 お璃 って い る部 分 が 利 得(Gewinn)と し て分 配 され るρ … … 団 体 出 来 高 賃 金 の 特 殊 で 新 し い 形 態 は い わ ゆ る 「総 出 来 高 制 」(,,General- accord")で あ る 。 こ の 制 度 に あ っ て は,毎 月 予 測 さ れ る 仕 事 の 総 額 に も と づ き,個 々 の 労 働 者 の 能 力 を 考 慮 に 入 れ て,毎 週 前 払 い が な さ れ る 。 こ の 前 払 ゆ い を差 引い た 残 余 が 各 労 働 日に も とづ い て配 分 され る,と 。 ,容 イ ヤ ーに おけ る 「団 体 出 来 高 制 」 に お い て も こ う した 賃 金 支 払 方 法 が 採 ら れ て い た とす れ ば,そ れ は,純 粋 の 出 来 高 賃 金制 とい う よ りもむ しろ,時 間 賃 金 制 と出 来高 賃 金 制 との組 み 合 わ せ,よ り端 的 に い え ぽ,時 間 賃金 制 を基 本 と M F.Jacobi(Hrsg.), a. a.0., S.424.
㈲ Uber die verschiedenen Lohnzahlungsweis6n in chemischen und anderen
Fab- riken,Fab- in;Die Chemische Industrie,1. Janu.1890(以 下, Uber die verschiedenen
Lohnzahlungsweisen.と 略 記), S.2.
ドイ ツ ・タール染料工 業の発展構造(2) 33 す る割 増 賃 金 制,と い うこ とが で き よ う。 そ して,か りに そ うだ とす れ ば,手 工 的 労 働 者 と運 転 工 に お け る賃 金 支 払 形 態 は,バ イ ヤ ーの 社 史 が 示 す ほ ど対 照 的 な もの で は な く,両 者 は 現実 に は 多 くの共 通 性 を有 して い た と考 え られ るの で あ る。 ち な み に,1903年 の マ ソ・・イ ム周 辺,オ ーバ ー ライ ンに 位 置 す る11の 化学 工 場 の 労 働 者 を対 象 とす る調 査 をみ れ ば,雑 役 労 働 者 に お け るわ ず か な例 外(出 来 高 賃 金 制)を ふ くむ とは い え,時 間 賃 金 な い し 日賃 金 と出 来 高 賃金 との 複 合 とい う形 態 が支 配 的 で あ った し,同 様 の こ とは さ きの第20表 に お け るパ ス フ の 一事 例 か ら も窺 われ る ので あ る。 以 上 の こと をふ ま え て,賃 金 支 払 形 態 に つ い て の 考 察 を い ま一 歩 進 め る こ と と し よ う。 賃 金 の決 定 にか ん す る作 業 主 任 の 権 限 の大 きさ を強 調 して エ ール ハ ル トは次 の よ うに 述 べ てい る。 賃 金 表 〔の作 成 〕 と賃 金 支 払 とは そ の時 々の 作業 主 任 に よ って な され た 。 作 業 主 任 は 独 立 して 作 業 を お こな い,み ず か らの作 業 場 で得 られ た 利 益 に 一 定 の割 合 で 関 与 した 。 こ こか ら,と き と してみ られ る 〔賃 金 の〕 基 本 的 な 相 違 も説 明 され る。 こ こで は 賃 金 は,作 業 の危 険 性 や そ れ とむ す び つ い て い る 労 働 者 の疲 労 よ りもむ しろ,そ の 時 々 の作 業 主 任 の感 情 や 気 分 に よ って 左 右 され る,と 。 エ ール ハ ル トは みず か らの主 張 の根 拠 と して 第22表 に 整 理 され た 事実 を あ げ て い る。 た しか に バ イ ヤ ー の社 史 も,賃 金 額 決 定 の 権 限 が 作 業 主 任 に あ った こ とを 記 して い た。 しか し,そ れ に際 して 労 働 者 や 職 長 な い し監 督 の 同 意(=署 名)が 必 要 とされ,そ れ が 作 業 場 に 掲 示 され る とい うこ とに なれ ば,賃 金 額 の 決 定 に か んす る作 業 主 任 の恣 意 性 は 著 し く制 限 され る こ'とに な ろ う。 そ して第 22表 をみ て も,各 作 業 場 に おけ る賃 金 の 幅 お よび 作 業揚 間 の 賃金 格差 は,そ の 70パ ー セ ン ト近 くが バ ス フの 勇 働 者 か ら成 って い た とい う第17表 にみ られ る賃
41 Aus dem Jahresbericht fur 1903 der GroBherzoglich Badischen
Fabrik-lnspek- tion,Fabrik-lnspek- in;DieFabrik-lnspek- Chemische Industrie,15, Apr.1904, S.202-205.
34 金 分 布 に比 して も き わ め て小 さい ので あ る。 これ らの こ とは, 賃 金 に つ い て の 決 定 が,作 業 内容 や 労 働 者 の能 力 を基 準 と し て次 第 に 客 観 的 に な され る傾 向に あ り, そ れ と並 行 して,賃 金 の支 払 に か ん す る 作 業 主 任,監 督 あ る いは 職 長 の権 限 が 次 第 に形 式 的 な もの へ 第22表 パ ス フの 作業 場 別 賃 金(1880年 代 後 半) 作 業 場 (作業主任) ヴ ィ ク ト リ ア 緑(シ リン ガ ー博 士) ア ニ リン青 ・イ ン ド ウ ジ ン(シ ェン ケ博 士) 濫 化 炭 素(キ ュ・比 ア ー博 士) ゾー ラ ニ ン・ヴ ェフ ェジ ン(ブ ル クハ ル ト博 士) 硫 酸 塩(フ ク ス) ナ フ ト 一 ル 、黄(ミ'ユ ラ ー 博 士) 硝 酸(デ ィー ト リ ヒ) ボ ン セ ア ン(ブ ル カル ト博 士) ヴ ィ ク ト リ ア 青(シ ュマ ル ツ ェガ ウ フ) ア リ ザ リ.ン(マ ず ヤ ー 博 士) フ ク シ ン(今 一 ナ ー) ソ 一 ダ(デ ィー ト リ ヒ) エ オ シ ン(カ ッヘ ル 博 士) 染 料 倉 .庫(バ ー ス) 日 賃 金 マ ル ク 2.2〔}∼2.75 2.28-2.60 2.40∼2.80 2.20∼2.70 2.28一 一2.60 2.00^一2.86 2.28∼2.80 2.28一 一一2.72 2.28∼2.72 2.40∼3.20 2.20∼2.80 2.2(}∼ ・2.80 2.40∼2.56 2.08∼2.86
出 典:E.J. Ehrhart, a. a.0., S.5-6.
と変 容 す る傾 きに あ った ζ とを 推 測 させ る。、そ して この推 測 を裏 づ け るか の よ うに,r化 学 工 業 』 誌 の さき の報 告 は,「 機 械 工 場 な どで み られ た い わ ゆ る 「下 請 出来 高 制 」(。Unteraccord``)は化 学 工 場 に お い て は ほ とん ど み られ ない 」 と 述 べ て,化 学 工 場 に お け る間 接 雇 用 制 の存 在 を 否定 して い る。 ま た,1880年 代 後 半 か ら90年 代 初 頭 に か け て 拡 充 され た と思 わ れ るヘ ヒス トの工 場 規 則 は,賃 金 支 払 に つ い て 以 下 の よ うに 規 定 して い る。 第10条 出来 高 仕 事 が 採 用 され て い な い か ぎ り,賃 金 は労 働 日数 に した が っ て 計 算 され る。 賃 金 の支 払 は,毎 週,個 々の 部 門 で 決 め られ た 日に,特 定 の 支 払 所 を通 して な され る。 さ らに バ イ ヤ ーの 社 史 は 賃 金 支 払方 法 の変 化 に つ い て,「80年 代初 頭 に工 場 事 務 室 は,さ しあ た って 一 部 の 労 働 者 の賃 金支 払 を 引 き うけ,つ い には 賃 金 制
49)Uber die verschiedenen Lohnzahlungsweisen, S.3.
伍①W.Grandhomme,(皿), S.31;do.,(IV), S,33,彼 の 著 書 の 第2版(1883年)に
ドイ ツ ・ター ル染 料 工 業 の発 展 構 造(2) 35 度 のす べ ての 取 扱 い が 工 場 事 務 室 に 委 ね られ た」 と述 べ て お り,1902年 の バ イ ヤ 絹 の労 働 者 の た め の 規 則 書 は 一層 詳 細 に賃 金 支 払 方 法 を 規 定 して い る。 出 来 高 仕 事 を 別 とす れ ば 労 働 者 の 賃 金 は作 業 方 と 時 間 とに よ って 決 定 さ :れ,、毎 金 曜 日の 午 後,現 金 で支 払 われ る。 ・・…㍉ 各 作 業 場 に は 錠 の か か る賃 金 箱(Lohnkasten)が あ り,そ の な か に 番 号 を 付 した 賃 金 の 小 箱(LohnbUchse)が 保 管 され て い るげ ,賃 金 は工 場 事 務 室 で小 箱 に 数 え入 れ られ,錠 のか か った 賃 金 箱 に 入 れ て, 配 下 の 労働 者 に支 払 うた めに,職 長 な い し監 督 に 対 して 準 備 され る。 ・・三… ・ 各 職 長 な い し監 督 は 自分 の 賃 金 箱 の 鍵 を も って い る。 彼 は,賃 金 を賃 金 簿 コ コ に 明記 され た 金 額 と対 照 し,そ れ を 労 働 者 ひ と りひ と りに 数 え て みせ な けれ ロ ば な らな い。 … … この 際 に 生 じた 賃 金 の 相違 や不 足額 は,支 払 後 す ぐそ の 日 コ の うち に,文 書 あ るい は 口頭 で 工 場 事 務 室 に 報 告'され な け れ ぽ な らない 。 さ らに この 場 合 に,賃 金 簿 や 小 箱 の変 更 は 技 師 毒務 室 に お い て のみ 行 なわ れ うる とい うこ とに 注 意 しな け れ ば な らな い。 こ こに お い て,「 賃 金 簿 や 小箱 の変 更 は技 師 事務 室 に おい ての み 行 なわ れ う る」 とい うこ とは,賃 金 の決 定 に さ い して重 要 な契 機 を なす 個 々 の作 業 内 容 や 労 働 者 の 能 力 を 判 断 す る うえ で,作 業 主 任 や専 門 技 術 者 の知 識 を必 要 と した も の と推 測 され る。 しか し,ヘ ヒス トの工 場 規 則 や バイ ヤ ーの 規 則 書 を 全 体 と し て み れ ば,賃 金 支 払 に か んす る権 限 の 多 くが 経 営 管 理 部 門 に 吸 収 され,職 長 な い し監 督 に はそ の事 務 的 処理 が職 務 として 残 され て い る,と い うこ とが で き よ う。 . .. とは い え,労 働 者 に対 す る賃 金 支 払 に?い て の す べ て の権 限 が経 営 管 理 部 門 ㈲ F.Jacobi(Hrsg.), a. a.0., S.394.
Vorschriften fur Arbeiter der Farbenfabriken vorm. Friedr. Bayer&Co. vom 15.Marz 1902, in:F. Jacobi(Hrsg.), a。 a.0.傍 点 は ゴ チ ッ ク 。 こ れ と類 似 の 賃
.金 支 払 方 法 は 『化 学 工 業 』 誌 に お け る さ き の 報 告 で も 記 載 さ れ て お り,そ の こ とは, こ う した 賃 金 支 払 方 法 が バ イ ヤ ー だ け で は な く,当 時 の ドイ ツ の 化 学 企 業 に お い て か な り一 般 的 に み られ た こ と を 推 測 させ る 。Uber der verschiedenen Lohnzahlungs- weisen.,Lohnzahlungs- S.2.
〆 36 に 吸 収 され しっ くされ た わ けで は決 して なか った 。 す で に 触 れ た 割 増 金 は,1 つ に は労 働 者 の定 着 性 を高 め るた め に,長 期 勤 続 者 に対 す る 「年 功」 的 な性 格 を も って いた よ うで あ るが,い ま1つ に は,原 料 節約,増 産,良 質 の製 品製 造 に対 す る報 酬 とい う性 格 を 有 して い た。 そ して この割 増 金 は,第21表 で 示 され た ヘ ヒス トの 例 か ら もわ か る よ うに,化 学 工 業 に特 有 な工 程 の性 格 か ら作 業 場 単 位 で 支 払 わ れ た の で あ る。 この点 に,割 増 金 の支 払 に か ん し て作 業 主 任,職 長 な い し監督 が介 入 す る余 地 が 残 され て い た よ うに 思 わ れ る。 た とえ ば バ イ ヤ ー の社 史 は,「 エ ルバ ー フ ェル ト工 場 で は ,仕 事の質を基準 とす る賃金の支払 も割 増 金 の形 で な され た 。 この 割 増 金 は 作 業 主 任 の 同 意 の も とで,一 定 の 労働 者 のた め に あ る決 ま った 時 期 に 職 長 も し くは 監 督 に よ って提 議 され え た」 と記 して い る し,ド レ ッサ ーは,お そ ら くは パ ス フ の場 合 を念 頭 に お き なが ら以 下 の よ うに 述 べ て い るの で あ る。 賃 金 の 総額 は,い か な る場 合 に も支 払 わ れ る固 定 賃 金 と,そ の支 払 が さ ま ざ まな状 況 に お う じて変 動 す る部 分,す な わ ち 割 増 金 とに 分 か れ る。 … … 後 者 は,そ の本 来 の根 拠 が 解 明 され な い もの で あ り,作 業 主 任 の 専 横 もま た可 能 な の で あ る。 労 働 者 は全 体 の 管 理 運 営 の な か で そ れ に よ り大 き く影 響 を う け る,と 。 この よ うに 考 え て くれ ば,さ きに 引用 した 二 一 ル ハ ル トの主 張 も,割 増 金 支 払 に つ い て の 作 業 主 任 の 権 限 を過 度 に一 般 化 しす ぎ た も ので は ない か と推 測 さ れ るの で あ る。 他 方 に お い て,バ イ ヤ ー の 工 場 規 則 では,出 勤,退 社 の さい の 出 勤 票 の 授 鮒 バ イ ヤ ー で は1897年 に 勤 続 年 数 に よ る 割 増 金 の 制 度 が 導 入 さ れ た し,エ ー ル ハ ル ト に よ れ ば,バ ス フ の 割 増 金 制 度 は 恩 恵 的 で あ っ て,勤 続10年 の 労 働 者 に は 年50マ ル ク が 支 払 わ れ,以 後5年 毎 に25マ ル クず つ 上 昇 し た,と い う。 ヘ ヒ ス トの 場 合 に は こ の 点 は 明 らか で は な い が,『 化 学 工 業 』 誌 の 報 告 も 割 増 金 が 長 期 勤 続 に 対 す る 報 酬 と い う 性 格 を も っ て い た こ と を 認 め て い る。F. Jacobi(Hrsg.), a. a.0., S.409;E. J. Ehrhart, a. a.0., S.6-7;Uber die verschiedenen Lohnzahlungsweisen., S.3.
" F.Jacobi(Hrsg.), a. a.0りS.395. ㈲ E.Drδsser, a. a,0., S.151-152.
ドイツ ・タール染 料工業 の発展構造(2) 37 受,遅 刻,無 断 欠 勤,作 業 態 度 な どに つい て10プ フ ェニ ヒか ら2マ ル ク まで の 罰 金 が 規 定 され て い た。 バ ス フに あ って も,17以 上 の場 合 に つ い て20プ フ ェニ ヒか ら平 均 日賃 金 の2分 の1ま で の 罰金 が 課 され る こ とに な って お り,そ れ は,作 業 主 任 に よ って一 方 的 に決 定 され た 。 そ して これ は,遅 刻 や早 退 に か ん して賦 課 され る こ とが多 か った とい う。 ヘ ヒス トの 工場 規 則 に は 罰金 につ い て の 規定 は み られ な い。 た だ,グ ラン トムは そ の 著 書 の第2版 に お い て,「 規 定 に あ る罰金 は ほ とん ど利 用 され ず,解 雇 の 可 能 性 が 唯一 の有 効 な懲 戒 の手 段 と み な され て い る」 と述 べ てお り,こ こか ら,罰 金 に か んす る規 定 が何 らか の形 で存 在 した ことが 知 られ る し,こ の 引 用 の 前半 部 分,す なわ ち罰 金 に つ い ての 叙 述 は第3,4版 に お い て は 削 除 され て い る こ とに 注 意 して お こ う。 罰 金 制 は, 、一 方 で は 工 場 に おけ る作 業 規 律 を 確 立す る た め に利 用 され た ことが 窺 わ れ る し,他 方 で は 賃 金 を お し さげ る意 味 を も って いた と考 え られ る のだ が,こ の 罰 金 制 の実 施 に あ た って も,エ ー ル ハ ル トの叙 述 が 示 唆 す る よ うに,作 業 主 任 が 大 きな 権 限 を 有 して い た もの と推 測 され る ので あ る。 ㈲ 労 働 時 間 労働 時 間 は,地 方 に よ り,ま た 工 業 部 門 に よ って か な りの差 異 を ふ くみ な が ら も一 般 的 に は短 縮 され る傾 向 に あ った 。 タ ール 染 料 企 業 に お い て は昼 夜 連 続 操 業 が な され る と ころが 多 く,バ ス フ,ヘ ヒス ト,バ イ ヤ ー の いず れ に あ って も,そ うした 作 業 場 で は,6∼18時 の 朝 作業 方 と18時 ∼翌 朝6時 の夜 作 業 方 と の二 交 代 制 が と られ てい た 。 しか し,そ こに ふ くまれ る休 憩時 間 の相 違 な どに よ って 労 働 時 間 に は 多 少 の 長短 が み られ た。 バ イ ヤ ー の場 合,1作 業 方 の うち に1時 間 と0.5時 間 の 休 憩 時 間 が と ら れ た し,ヘ ヒ ス トに お い て も 同 様 で あ っ
㈲ Fabrik-Ordnung der Farbenfabriken vormals Friedr. Bayer&Co。 Elberfeld
(1888〕,in=F. Jacobi(Hrsg.), a. a.0.
6の E.J. Ehrhart, a. a.0., S.37.
(5s)W. Grandhomme,(皿), S.44.
(58)W.Grandhomme,(皿). S.30;do.,(IV)S.32.
㈹ G.Bry, op. cit., PP.45-46,
00 Fabrik-Ordnung der Farbenfabriken vormals Friedr. Bayer&Co. Elberfeld
38 た 。 た だ後 者 で は,「朝 作 業 方 の 場 合,午 後5時 に 作 業 を終 了す る こ とにな っ て い たた め,実 際 の労 働 時 間 ば9.5時 間 で あ り,ま た,㌦夜 作業 方 と超 過 勤 務 につ わ ロ い て は そ れ ぞれ10パ 」 セ ン トの特 別 手 当 が 支 払 わ れ た。 『 「'.・, ∵ ヘ ヒ ス 、トめ 労 働 時 間 に りい て の うえ の よ うな 規 定 ぽ,1880年 代 後 半 か ら90年 代 初 頭 に 土 場規 則 が拡 充 され た際 に 明記 され た 。 す なお ち,作 業 の 開 始,終 了 の 時 刻,・休 憩 の 時 刻 を 時 鐘 に よ って知 らせ る こ と,'が は っ き りと規 定 され た の で あ 暑。 休 憩 時 間 ほ 実 隙 に は な し くず し的 に短 縮 化 され や す く,ま た 作 業 方 時 間 と労 働 時 間 との 乖 離 は 事実 上 の 労 働 時 間延 長 とな る可 能 性 をふ くん で い た か ら,規 定 の 明確 化 ほ,労 働 時 間 管 珪 に お け る企 業 家 の専 制 を チ ェ ッ'クす るた め の;少 な くと も1つ の手 段 と して の 意 義 を もち え た と考 え られ よ う。 ま た,ヘ ヒス トで は休 日と して は,新 年,聖 金 曜 日(復 活 祭 の 前 の金 曜 日), 復 活祭,昇 天祭,聖 霊降 臨祭,聖 体 節,ク リス マ スが あ った 。 そ の ほ か に,帝 国 議 会 選 挙 に際 して は 』1時間 め早 退 が 認 め られ,都 議 会 や 地:方自治 体 の選 挙 の 場 合 に は 事 情 に応 じて決 定 され た 。
働W.Grandhomme,(皿), S.56-57;do.,(皿), S.35;do.,(IV), S.37.エ 「 ル ハ ル トに よ れ ば,・ ミス フ に お い て は,超 過 勤 務 手 当 は1891年 ま で 支 払 わ れ な か っ た が. そ れ 以 降,1部 の 作 業 場 に お い て,賃 金 の6パ ー セ ン トの 特 別 手 当 が 支 払 わ れ た 。 E.J. Ehrhart, a. a.0., S..5.,. . . ,1 ・ ∫ ! 、
㈹ これ は,グ ラ ン トム の 著 書 の 第2,3,4版 に 掲 載 さ れ て い る工 場 規 則,第6条 の 規 定 の 変 更=詳 細 化 に よ っ て 知 る こ と が で き る 。W. Giandhomme,(皿), S.45;"do., (皿),S.31;do.,(IV), S.33.こ う し た 変 化 に は11891年 の 営 業 法 の1'部 改 正(Ge- werbeordnungsnovelle)が 一 定 り 影 響 を 与 え た も の と 推 測 され る 。 とい うの は,こ の 策1き4』条 は 就 業 規 則 の 作 球 を 工 場 に 義 務 づ け た の で あ る が,.そ の 就 業 規 則 は,.1日 の 労 働 時 間 の 開 始 と 終 了,休 憩,賃 金 支 払 の 時 期 と方 法,解 雇 告 知 期 間,即 時 解 雇 な い し 退 職 の 理 由,懲 戒 処 分,に つ い て の 規 定 を ふ く ん で い な け れ ば な ら な か っ た か ら で あ る 。 な 爵,こ の 点 に か ん し て ボ ノヒ ソ}ち 、 「興 業 規 則 の 規 定 にiよ っ て も,企 業 家 は
依 然 と し て 「家 長 」("Herr im Hause")で あ?た 」 と 述 べ て い る 。 K. E. Born, Staat
and Sozialpolitik seit Bismarcks Sturz. Ein Beitrag zur Geschichte(ier
innen- politischeninnen- Entwicklung des Deutschen Reiches 189(}一1914, Wiesbaden,1957, S.99一 ・
100.カ ー ル ・ エ ー リ ヒ ・ ボ ル ン 『 ビ ス マ ル ク 後 の 国 家 と 社 会 政 策 』,鎌 田 武 治 訳,法
政 大 学 出 版 局,1973年,144-145ペ ー ジ 。
ドイ ツ ・タール染料工業の発展構造〔2) 39 しか し,労 働 時 間 や 休 日に つ い て の うえ の規 定 が そ の ま ま現 実 を あ らわ して い る とい う保 証 は な い 。 パ ス フに お け る実 態 を エ ール ハ ル トは 次 の よ うに叙 述 1して い る。 .. ・ ・しか し実 際 に は通 例 の労 働 時 間 は,大 多 数 の 労 働 者 に と って は10.6時 間 で は な くて12時 間 で あ り,そ れ 以上 で あ る。 非 常 に 高 い 割 合 を 占め る労 働 者 示 24時 間 労働 を お こた い,さ らに36時 間 労 働 をお こな った 。実 の と ころ,48時 間 に わ た る労働 時 間 は決 し て稀 で は なか っTたみ で あ る。 … … 事 実,わ れ われ コ じ コ の コ ロ の 正確 な調 査 に よれ ば,全 労 働 者 の3分 の1が 〔1週 間 に〕6日 間 の 労働 時 コ コ コ コ コ コ ロ コ ロ の の ロ 間 数 で は な くて7日 か ら7.5日 間 の労 働 日に あ た る労 働 を お こな い,そ れ も コ コ コ の ロ コ コ た ま た ま 例外 的 に1週 間 だ け で は な く,か な り長 期 間 に わ た っ て 続 け て い る。 … …超 過 労 働 を なす こ と は特 恵 と して 認 め られ て お り,こ とに既 婚 者 に は この 「恩 恵 」 が よろ こぼ れ る。 彼 らは この 機 会 に,労 働 力 を 効果 的 に利 用 し,家 族 の た め の支 出超 過 を 少 な くと も一 時 的 に で も しの こ う とす る の で あ るo す で に述 べ た よ うに,エ ール ハ ル トは バ ス フの 労 働 諸条 件 の 劣悪 さを誇 張 し す ぎてい る と思 わ れ るふ しが あ るた め,こ の 指 摘 もそ の ま ま当 時 の状 況 を正 確 に描 写 してい る のか ど うか は 疑 問 で あ る。 しか し,日 賃 金 が 労 働 者世 帯 の再 生 産 に と って十 分 な もの で は な か った とい う華 実 に て らす な らば,こ うした 過 長 労働 の可 能性 もまた 否 定 し さ 第23表 パスフ労働者の疾病率 る こ とは で き ない であ ろ う。 ⑥ 疾 病 と傷 害 一 作 業 環 境 ター ル染 料 工 場 の作 業 環 境 が き わ め て劣 悪 で あ った こ と ほ,工 程 の性 格 か ら推 して, そ の お お よそ を想 像 す る こ と 年 1880'}85 86 87 88 ,89 1疾 病 率 パ ー セ ン ト 71 108 113 114 123
P纏 羅 上平均値 日数
日パ ー セ ン ト 27 39 36 39 41・ 5.0 8。6 8.1 7.5 9.8 (註)疾 病 率 は,労 働 者100人 あ た り の 疾 病 数 を 意 味 す る 。出 典:E.J. Ehrhart, a. a.0., S.18。
40 が で き よ う。 染料 製 造 の過 程 で生 じる蒸 気 や ガス は労 働 者 の健 康 に と って 有 害 な 作 用 を 及 ぼ す 可 能 性 が あ った で あ ろ う し,爆 発 な どに よ る災 害 の 危 険 性 も決 して 少 な くは な か った と考 え られ る か らで あ る。 事 実,1880年 代 の バ ス フに お け る労 働 者 の 疾 病 率 は,第23表 にみ られ る よ うに 高 い 水 準 で 推 移 して お り,む し ろ 増 大 の 傾 向 す ら み られ る。 さ ら に,こ の 第23表 で は ふ く ま れ て い な い 災 害 ・負 傷 に つ い て み れ ば,そ の 割 合 は1880∼85年 の 平 均24.9パ ー セ ン ト(う ち 3日 以 上 就 業 不 能 の 場 合 が8.9パ ー セ ン ト),89年 に は43.3パ ー セ ン ト(う ち3 日 以 上 就 業 不 能 の 場 合 が10.4パ ー セ ン ト),に 達 し て い る 。 バ ス フ に 比 し て そ の 比 率 は や や 小 さ くな る と は い え,ヘ ヒ ス トに お け る 労 働 者 の 疾 病 ・傷 害 も ま た,第24表 か ら 明 ら か と な る よ うに,高 い 割 合 を 示 し て い た の で あ る 。 こ こ で 第24表 ヘ ヒス トに お け る 労働 者 の疾 病 と傷 害 年 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 8 8 8 8 8 8 8 8 8 9 9 9 9 9 9 8 1 労 働 者 数 A 1,158 1,311 1,420 1,542 1、586 1,532 1,679 1、835 1,912 2,243 2,436 2,304 2,596 2,680 2,718
轟
は 病 内 B コ 疾 灼繰
刈 908(300) 974 (360) 1,103(368) 1,472 (460) 1,525 (402) 1,192 (230) 1,708 (406) 1,400 (350) 2,051 (549) 2,683 (622) 2,437 (676) 3,095 (894) 3レ273 (576) 2,457 (733) 2,596 (689) 疾 病 日 数 C 3,764 5,300 5,850 8,716 12、699 10,668 13,150 11,540 14,029 17,491 20、624 18,135 29,444 18,148 18,006 病 数 魚 族均 C 平 日 率 ㎜ 病 躯 疾 W こ 日 N ン セ ↑ レ 日 9 4 8 5 6 8 1 7 7 0 0 4 6 2 6 7 7 7 9 9 7 0 7 0 1 1 3 2 9 9 1 1 1 1 1 1 1 5 3 9 3 0 7 7 4 4 4 0 0 7 9 4 5 5 5 8 9 7 7 6 6 8 6 9 7 6 死亡者数 人 5 5 6 1 4 0 5 6 5 0 7 4 7 7 6 1 1 1 ▲ 1 1 1 1 1 1 1 1 1出 典:W.Grandhomme,(D, S.95,107,116;do.,(皿), S.75,78,84,88;do.,(W), S.
77, 81, 90.
㈹ な お,ル ー ル 石 炭 鉱 業 に お け る 労 働 者 の 災 害 ・疾 病 に つ い て は,さ し あ た り,大 野 英 二,前 掲 書,320-321ペ ー ジ を 参 照 。
ドイ ツ ・タール染料工業 の発展構造② 41 は傷 害 も疾 病 の うち に ふ く まれ てい るが,全 体 の な か で は,傷 害,呼 吸 器 障 害,消 化 器 障 害 が 多 く,栄 養 障害 や皮 膚 ・細 胞 障 害 が これ に つ づ き,伝 染 病 は 年 に よ る変 動 猷 き8。 鳩 作 糊 や耳櫓 ・よ 磋 異 は 明 瞭 で は 繍 。 後 に 詳 し く述 べ る よ うに,企 業 内福 利 施 設 の1つ と して設 置 され た社 内疾 病 金 庫 に よ る補 助 が発 病 後3日 間 は な され な か った こ とを考 え る と,高 い割 合 を 占 め て い た疾 病 や 傷 害 が この 時 期 の タ ール 染料 企 業 労働 者 の労 働 条 件 を お し下 げ る意 味 を も った こ とは 明 らか で あ ろ う。 そ してそ の こ とが 労 働 者 の 流 動 性 を 高 め る と同 時 に,そ れ に対 して企 業 の側 か ら広 汎 な 企 業 内 福 利 施 設 が展 開 され て くる1つ の契 機 を な した,と も考 え られ るの で あ る。 ' (未 完)
㈱W.Grandhomme,(H), S.106;do。,(皿), S.71-74;do.,(IV), S.76-77.
WW. Grandhomme,(H), S.98;do.,(皿), S.75;do.,(IV), S.78 。