経済,社会,政治活動における中国女性の地位に関する一考察
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(2) 平成15年9月. 北海道教育大学紀要(人文科学・社会科学編)第別巻第1号. JournalofHokkaidoUniversityofEducation(HumanitiesandSocialSciences)vol.54,No.1. September,2003. 経済,社会,政治活動における中国女性の地位に関する一考察. LUHai−ql著1) 宇田川 拓雄 訳2). 北海道教育大学教育学部函館校. 要約. 女性の地位は社会の進歩を示す重要な指標の一つである.経済的,社会的,文化的要因など多くの要因が 女性の地位に影響を与えているが,これらの要因は直接影響するものもあれば,間接的に影響するものもあ. る.ここではそれぞれの要因における男女の比率をもとにした指数3)を用い,それぞれの要因が女性の地位 に与える影響を明らかにしていきたい.女性の地位を表すには,経済活動,社会活動,政治活動における女 性の地位を数量化することが必要であり,あらゆる要因を総合的に検討することが重要である.女性の地位 の総合的指標を算出することが女性の地位を数量化するという問題を解くための,恐らくもっとも有効な方 法の一つであろう.. 1952年以来,経済活動への参加率の増加,教育レベルの向上,初婚平均年齢の上昇,全国人民代表会議の 女性代議士数の比率の増加などに見られるように,中国女性の地位は明らかに向上している.しかし,それ でも先進諸国に比べるとなお低い.国際比較の結果によれば,中国女性の地位の総合指数は他のアジア諸国 の平均レベルにあることがわかる.東洋と西洋の文化の違いが東洋の女性の地位と西洋女性の地位の間に大. きな差をもたらしているのであろう. 中国女性の地位の向上のためには経済と教育の発展が非常に重要である.また古い中国の封建的文化の遺 物を1つずつ克服していくことも重要である.. 1 女性の地位に影響を及ぼす要因に関する分析4). 女性の地位に影響を及ぼす要因は2つのレベルに大別される.1つは古い封建的文化の遺物,生産力レベ ル,親族に関する法律などの女性の生活環境に関するものであり,もう一つ古ま経済活動への参加,教育のレ ベル,社会・政治活動への参加といった女性が実際に行なう役割に関するものである.最初のレベルのもの. は全て互いに影響しあい,そして第二番目のレベルの要因を通じて間接的に女性の地位に影響を与えてい る.また第二のレベルに含まれる全ての要因も,相互に影響を与えながら,間接的に女性の地位に影響を与 えている.図1はこれらの関係を図式化したものである.. 1)中華人民共和国国家統計局国際統計情報センター 2)北海道教育大学教育学部函館校 数授(社会学). 3)原文は”Throughpathanalysis,….”(パス解析により・・)であるが,実際にはパス解析は用いられていないので内容を考慮して 本文のような訳にした.なお,脚注ならびに文中の【】は全て訳者による注である. 4)注3に同じ. 77.
(3) LUHai−qi・宇田川 柘雄. 第一レベルの要因. 第2レベルの要因 経済活動への参加率 雇用の産業構造 雇用の就業構造. 古い封建的 文化の名残. 女性の経済活動への 「. 男女間の収入差. 参加. 男女間の生産性の差. 中等学校レベル 高等教育レベル. 結婚への態度. ﹂1+−﹂−−・−﹁︼璽. ﹁−+−﹂. 女性の教育水準. 初等学校レベル. ﹁ − ﹂︼ ︼ ﹂︼.︼ ﹂﹁ −t.﹂−■■一. 「. 女性の地位. 法と立法. 家庭内での男女の平等 ﹂︼. 出産意欲. 一 ﹂. 女性の政治活動への. 家庭外での男女の平等. ー ﹂︼︼﹂︼■. 参加. ﹂−. 女性の社会活動への. 」. 参加. 図1 女性の地位に関する分析. 2 中国女性の地位に影響を及ぼす要因に関する分析ユ). A 第一レベルの要因 (a)古い封建的文化の遺物. 1949年以前の中国女性は,社会の最底辺に属し,「四本の綱」(政治権力,氏族権力,神政権力,夫の権 力)に縛られていた.宋朝から明朝(960∼1644年)における観念論哲学の主要部をなす考えでは,女性は 「三つの服従」(婚前は父親に,結婚後は夫に,夫の死後は息子に服従する)と「四つの徳」(道徳,礼儀正 しい言葉,慎み深い態度,勤勉)に従って行動しなければならなかった.この哲学は,(1)「(そうするこ. とが)才能のない女性の美徳であり」,(2)「男性を尊敬し女性を軽視すべき」と主張し,そして(3)−【−→¶一 夫多妻制を容認した.. 1949年以前の女性は家族の従属物であり教育の機会はほとんどなく(25歳以上の女性. の90%が文盲で,小学校の入学率はわずか20%であった),参政権にいたっては全く持っていなかった.家 族の召使いとして目上の人や夫に使え,子供を産んで育てることが彼女たちの義務だったのである.. 古い封建的文化の遺物は少しずつ取り除かれてきている.「男女平等」の考えは,ますます多くの. 1’前ページ注3に同じ. 78.
(4) l. 人々,特に都市居住者や高等教育を受けた人々に受け入れられてきている.しかし,古い封建的文化の遣物 の影響は依然として軽視できない.それは開発の遅れた華域において特に根強い.「男が家庭外の仕事を担 い,女が家庭内の仕事を担う」という考え方,そして男性上位の考えが古い封建的文化の遺物の中核であ る.. 東洋と西洋の文化では女性の役割に村する態度に多くの違いが見られる.東洋文化では女性は家事に責 任があり,経済・社会・政治活動にはできる限り参加しないものとされ,西洋文化では個人の権利は尊重さ れねばならないと認め,女性は望むのであればいかなる活動にも参加する.従って,一般的に言って西洋の 女性の方が東洋の女性に比べ高い地位を享受していると言えるだろう.. (b)生産力のレベル. 生産力の向上は特に産業革命以後の生産の社会化によって労働力の需要を促進し,女性が様々な社会活 動に参加するのに格好の状況を作り出した.生産手段の自動化が進み,特に広範囲にわたってコンピュータ が導入されるようになると男女間の身体的差異よりも,思考力の重要性が強調されるようになり,女性の経 済活動への平等な参加が可能になった.生産力の向上,労働時間の短縮,家事の分担は女性の家事の重荷を 減少させ,女性の平均余暇時間を増加させ,その結果,女性がより多くの時間を様々な社会活動にあてるこ とが可能になった.. 中国経済は発展しているものの,沿岸部と内陸部(特に辺境地域)の間の不均衡は拡大しており,国全 体としては,まだ自動化のレベルは低く,男女間の身体的差異から生じる生産性の差は大きい.妻は家事に 多くの時間を割いている(後述,2・B・(c)を参照のこと).こういった要因が中国女性の地位向上の足棚 となっている.. (C)法律と条例. 現行の法条例は,全てに関して男女平等の原則に立ち,女性の正当な権利を保護している.それは女性 の地位向上に貢献している.. 50年代の初期に,中華人民共和国政府は「労働保障に関する条例」を決め,母親が合法的に出産休暇を とることができ,企業は妊娠を理由に女性社員を解雇できないこととした.現行の「結婚に関する法律」 は,一夫一婦制及び家庭生活の中での男女間の平等をうたっている.「選挙法」及び「【労働】組織条例」で は男女間の政治的平等が定められている.また女性の正当な権利を保護する目的で定められている法律や条. 項もある.. B 第ニレベルの要因 (a)経済活動への女性参加. 女性の経済活動への参加率は一般に経済活動における女性の地位を反映しうる.さらに,女性の雇用に 関する産業構造と職業構造は女性の経済的地位を決定する重要な要因である.女性の経済的地位は男女間の 給与の平等性と生産性の違いにも反映されている. 1982年と1990年の人口調査の結果によれば,女性の生産力は全生産力のうち,それぞれ43.6%と45.0% を占め,経済活動への女性の参加率は男性と比較して77.1%と79.8%であった.多くの農業地域には不完全 就業が多いため,男女の経済活動への参加を比較するためには男女の雇用率の比を用いるほうがより適切と 思われる.1991年におけるこの比率は0.601であった.. 【農業以外の】産業における女性雇用は改善されつつある.第三次産業の女性従業者は1978年から83.1% 79.
(5) LUHaトqi∴宇田川 拓雄. の伸び率を見せ,他産業の49.1%に比べてはるかに高い数倍であった.国営重工業における女性の従業者の. 割合と軽工業における女性従業者の割合の比は1978年の43.7対56.3から1988年には47.7対52.3へと変化し た.女性従業者は肉体労働集約的な産業監軽工業のこと頂から他の産業へと移動しつつある.. (b)女性の教育レベル. 女性の教育レベルの向上は女性の知性の向上を表わし,経済・社会・政治活動への参加を表わし,直接 的には女性の社会的地位及び女性の地位の向上(あるいは将来における女性の地位の動向)を表わしてい る.. 中国女性の識字率は1949年に比べて急速に改善された.1949年から識字教室で学んだ人の累積数は一億. 六千万人にのぼり,そのうち70%が女性で占められている.25歳以上の女性の文盲率は1949年の90%から 1982年には62.5%,1990年には51.4%と減少している.初等学校,高等学校,大学人学者の男性に対する女. 性比率は1952年の0.490,0.307,0.306から1990年にはそれぞれ0.869,0.745,0.511と変化している. (C)社会活動への参加. 社会活動には家庭内外の活動が含まれる.夫婦の家事負担の割合と家族問題に関する男女間の決定権の 大小は家庭内の男女の平等の度合いを示すものである.さらに,結婚に対する女性の態度(配偶者を選び, 自らの選んだ相手と結婚する自由)と子供を産む意志(子供の数)も家庭内の男女間の平等の度合いに影響 を与える。. 家事を例にとってみると,1988年に天津,湖南省の株洲,狭西省の羊泉の職業を持つ男性が家事に携 わった平均時間は2時間30分であり,彼らの妻の平均時閏は3時間11分であった。家事に費やされた平均時 間を家庭の平均家事労働指標とした場合,女性は家事全体の56%を担っている.これはアメリカ合衆国の67%. や旧ソビエト連邦の69%よりもさらに低い数倍である.また,家事に費やされた時間の男女差は都市部に比 べ,農村地域,特に低開発地域では大きい.. 家族メンバーは家族生活の90%の部分を「満足」,「普通」と考えており,「問題あり」とされているの は生活のうちの10%の部分に過ぎない。中国の離婚率は1988年では0.12%,1991年では0.14%であり,欧州 や米国の0.3∼0.5%に比べて低く,他のアジア諸国と同程度である.このことは中国の家庭が安定している. ことを表わしている.また女性の平均初婚年齢は1952年の19.82歳から1990年の22.10歳へと上昇した.. (d)政治活動への参加. 女性の政府や政治活動への参加は女性の政治的地位を表わしている.女性の参加は,女性の正当な権利 を守る法律や条例の制定にも反映され,1988年の第七次全国人民代表会議議員の男女割合は0.213であ り,1954年の第一一次全国人民代表会議の0.120よりもはるかに高いものであった.ほとんどの国において女 性の政治的地位の向上は,経済・社会的地位より遅れていることは明らかである.例をあげると,米国にお ける上院議員と下院議員の男女割合は1989年には0.053であり,スウェーデンの議会における男女割合は1987 年に0.398であった.. 3 中国女性の地位の総合指標. 上述のとおり,女性の地位に影響を及ぼす要因は多く存在する.第ニレベルの要因に関しては4つの側面 があり,女性の地位は,これらの4つの側面において測定することが可能である.地位の4つの側面を一つ 80.
(6) 経済,社会,政治活動における中国女性の地位に関する一考察. にまとめるためには,各側面における女性の地位を表わす指数(男性を100とした比率)を選択し,女性の 地位の総合指数を計算する必要がある.. A 経済活動における女性の参加率の指数. 男女間の経済活動における参加率は総合的に男性と比較した女性の地位をあらわすものといえる.男性の 参加率を100とすればIe=Ew/Wm*1001)となる.この式ではIeは女性の経済活動参加率の指数であり,Ew とEmはそれぞれ女性と男性の経済参加率である.中国の場合は農村地域の不完全就業状態を考慮して, 国営と共同所有企業の雇用率が適用されている.. B 女性の教育レベルの指数. 女性が教育を受け′た平均年数の年毎の倍がデータが不足して入手できないため,代わりに各レベルの学校 入学者数の男女比を用いた.よって算出された指数は主として女性の教育レベルの動向を示す.また,男女 間の平等にとっては高校及び大学教育が重要であるから,高校,大学人学者における比率の方により大きな ウエイトを与えることが大切である.Id=(Rpw偲pm+2*Rsw偲sm+4*Rtw侶tm)/7*1002)という 方程式ができる.この方程式ではIdは女性が受けた教育レベルの指数であり,Rpw,Rsw,Rtmは教育の 三つのレベルにおける女性の入学比率であり,Rpm,Rsm,Rtmはそれぞれ教育の三つのレベルにおける男 性の入学比率である.. C 平均初婚年齢の指数3). 平均初婚年齢が高くなるにつれて,より高い教育を受け,経済,社会活動に参加する時間が増える可能性 が高くなる.他の要因が変わらないと仮定すると,女性の平均初姫年齢は女性の家庭における地位に関連す る.平均初婚年齢の男女比を求めることは無意味であるため,ここでは女性の平均初婚年齢の最大値(ここ では26歳と仮定)を100とし,Ia=Am/26*1004)とする.この方程式では,Iaは女性の平均初婚年齢指数で あり,Amは女性の平均初婚年齢である.. D 政治活動への女性の参加指数5). 1)式を具体的に書くと次のようになる. (女性の経済活動参加率の指数). =(国営企業と共同所有企業における女性の雇用数/同・男性の雇用数)*100 「*100」は指数化するために100倍するための数値である.男女の雇用比率が1:1に近くなるほど100に近くなる. 2)式を具体的に書くと次のようになる. (女性の教育レベルの指数). =(初等学校における女性の入学割合)+2*(中等学校における女性の入学割合) +4*(大学における女性の入学割合). 中等学校における「2*」と大学における「4*」はそれぞれ初等学校に比べてより重要であるとの考えから与えてある重みづけの数値で ある.女性の学校への入学割合が男性と同じに近くなるほど,また女性が上級学校に進学するほどこの指数の値は大きくなる. 3)女性の社会活動参加をあらわす指数を作るのに,女性の初婚年齢の数値を用いている.初婚年齢が上がるほど女性が家庭に入って家事育児 に専念する時期が遅れ,社会活動参加の機会が増えるだろうという仮定をしている. 4)式を具体的に書くと次のようになる. (女性の平均初婚年齢の指数)=(女性の平均初婚年齢/2*100 その年の女性の平均初婚年齢が26歳に近いほど指数は100に近い値になる. 5)一般女性の政治活動をあらわす指数は入手し難いので,ここでは女性議員の比率を用いている.. 81.
(7) LUHai】qi・宇田川 拓雄. 年毎の政府,政治に携わる女性の数は入手できないので女性の政治的地位の指標として国民議会の議員の. 性別比率を使用することにする.方程式はIp=Rw偲m*1001)となる.Ipは女性の政治参加指数,Rw及び Rmはそれぞれ女性議員と男性議員の数を示す.. E 女性の地位の総合指数 女性の経済活動参加指数,教育指数,平均初婚年齢指数,政治参加指数を合計して4で割ることで女性の 地位の総合指数をうることができる:Icl=(Ie+Id+Ia+Ip)/42).. 経済参加と教育を重視する場合,あるいは,政治参加活動の遅れを考慮する場合には,総合指数から ‡p,あるいは,IpとIaの両方を除外することが必要となる.よって,Ic2=(Ie+Id+Ia)/33),‡c3= (Ie+id)/24)となる.. この結果が示すように(表1を参照のこと),総合指数は急速に変化している:Iclは1952年の31.60から 1990年には55.26に,Ⅰ2は39.78から66.31に,Ic3は23.24から56.97となった.IeはId,Ia,Ip以上の早さで 変化し,Ipはまた‡dやIa以上の早さで変化している.−これは経済,政治活動,教育レベル,社会活動と. いう順で女性の地位が向上してきたことを示している.. 相関関係の分析によれば,時間(1952年を1,1991年を40とする)と女性の地位の仝指数は高い相関関係 を表している(相関係数は全て0.9以上である)5−.時間【tヨ を独立変数,女性の地位の総合指数を従属変. 数とすると次のような3つの式をうることができる:Icl=24.10+0.8377t,Ic2=39.92+0.6364t,Ic3 =31.94+0.6364t.tを49とすると 紅西暦2000年におけるヨ女性の地位の予想総合指数が得られる:Icl= 65.24,Ic2=74.49,Ic3=63.126).. 4 女性の地位指数の国際比穀分析. 国際比較(表2を参照)によって,次のようなことがわかる.. A 欧米のような先進諸国における女性の経済活動の参加率指数監Ie苫 は100に近いか,100以上であるのに 対し,日本,韓国,インドネシア,中国においては50から70の間であり,インドにおいては20以下である.. B 欧米における女性の教育レベル 監Idヨ は他の国々に比べて高い.また,男女間の教育レベルの差はアジ. l、式を具体的に書くと次のようになる. (女性の政治活動参加の指数)=(全国人民会議の女性議員の数//同・男性議員の数)*100 全国人民会議の議員の男女比率が1:1に近づくほどこの指数の値は100に近くなる.. 封 式を具体的に書くと次のようになる.ここでは以上の指数を総合して「女性の地位をあらわす総合指数」を作成している. (女性の地位の総合指数)=j(女性の掲載活動の指数)+(女性の教育レベルの指数)+(女性の平均初婚年齢の指数)+(女性の政治活動 参加の指数)を/4. 前述の4つの指数の値の平均値を総合指数としている. 3)女性の経済参加と教育レベルを重視する場合は,政治参加を示す指数を除外している. (女性の経済参加と教育レベルの総合指数). ニ=女性の経済活動の指数)十(女性の教育レベルの指数)+(女性の平均初婚年齢の指数)を/3 射 女性の政治活動の遅れを示す総合指数は「女性の経済活動参加の指数」と「女性の平均初婚年齢の指数」の平均値をあてている. 封 時系列データを用いた回帰分析を行っている. こ)′ 前記の3つのモデル式から,西暦2000年時における予測値を計算している.. 82.
(8) 経済,社会,政治活動における中国女性の地位に関する一考察. 表1中国女性の地位の指標(1952年から2000まで、男性を100とした場合の数値*) Ie. Id. Ia. Ip. Icl. Ic2. Ic 3. 【経済活動参【教育水準指【社会参加指【政治参加指【地位の総合【経済参加と 【政治活動の 加指標】. 標】. 標】. 標】. 指標】. 教育水準の総 遅れの総合指 合指標】. 標】. 13.25. 33.24. 72.85. 7.07. 31.60. 39.78. 23.24. 13.22. 36.10. 72.85. 7.07. 32.31. 40.72. 24.66. 14.87. 37.05. 73.08. 8.81. 33.45. 41.66. 25.96. 41.96. 26.27. 14.89. 37.65. 73.35. 8.81. 33.68. 15.58. 38.24. 73.81. 8.81. 34.11. 42.54. 26.91. 15.48. 37.60. 73.96. 8.81. 33.96. 42.35. 26.54. 21.79. 39.32. 73.65. 8.81. 35.89. 44.92. 30.55. 22.87. 38.81. 74.42. 11.48. 36.90. 45.37. 30.84. 25.00. 40.67. 75.27. 11.48. 38.11. 46.98. 32.83. 27.00. 37.73. 75.77. 11.48. 38.00. 46.83. 32.37. 47.59. 33.67. 25.57. 41.76. 75.42. 11.48. 38.56. 24.91. 42.08. 75.31. 11.48. 38.44. 47.43. 33.49. 25.48. 42.24. 75.19. 18.06. 40.24. 47.64. 33.86. 26.42. 43.85. 75.92. 17.10. 40.82. 48.73. 35.13. 49.98. 36.78. 29.05. 44.50. 76.38. 17.10. 41.76. 32.84. 45.16. 77.04. 17.10. 43.03. 51.68. 39.00. 35.60. 45.84. 77.58. 17.10. 44.03. 53.00. 40.72. 38.25. 46.51. 78.04. 17.10. 44.97. 54.27. 42.38. 37.38. 47.20. 77.65. 17.10. 44.83. 54.08. 42.29. 36.03. 47.90. 78.04. 17.10. 44.76. 53.99. 41.96. 36.93. 48.60. 79.08. 17.10. 45.43. 54.87. 42.77. 39.07. 49.31. 80.58. 17.10. 46.51. 56.32. 44.19. 40.20. 57.85. 82.23. 17.10. 49.34. 60.09. 49.02. 39.72. 57.92. 83.62. 17.10. 49.59. 60.42. 48.82. 39.19. 59.44. 85.77. 17.10. 50.37. 61.47. 49.31. 39.46. 55.65. 86.81. 17.10. 49.75. 60.64. 47.56. 39,.93. 50.05. 87.81. 23.15. 50.24. 59.26. 44.99. 42.37. 49.48. 88.92. 23.15. 50.98. 60.26. 45.92. 44.60. 47.69. 88.65. 23.15. 51.02. 60.31. 46.14. 45.63. 47.93. 87.77. 23.15. 51.12. 60.45. 46.78. 46.71. 50.19. 87.15. 23.15. 51.80. 61.35. 48.45. 47.26. 50.77. 86.88. 22.40. 51.83. 61.64. 49.01. 47.13. 53.07. 86.62. 22.40. 52.30. 62.27. 50.10. 47.86. 55.29. 86.35. 、22.40. 52.97. 63.17. 51.58. 48.71. 50.90. 86.08. 22.40. 52.02. 61.90. 49.81. 49.65. 59.71. 85.81. 22.40. 54.39. 65.06. 54.68. 50.25. 60.49. 85.54. 22.10. 54.59. 65.42. 55.37. 51.18. 61.35. 85.27. 22.10. 54.98. 65.93. 56.27. 52.01. 61.92. 85.00. 22.10. 55.26. 66.31. 56.97. 52.67. 62.37. 84.73. 22.10. 55.47. 66.59. 57.52. 64.38. 66.10. 92.99. 29.03. 65.24. 71.16. 62.13. 女性の初婚年齢を考慮し,26歳の時点の数値を100とした. 83.
(9) LUHa卜qi・宇田川 拓雄. アの多くの国において依然として存在するが,より発展した国々ではその隔たりは小さくなっている. C 平均初婚年齢㍑a,女性の社会参加の指別についてはそれほど大きな違いは見られないが,先進国ほ ど平均年齢は高くなっている 監社会参加の程度は大きくなっているヨ.. D 政治活動への参加については,リストに載っている全ての国において依然として男女差は大きい.結論 として,経済や社会的な地位の改善に比べて女性の政治的地位の改善が遅れているといえるだろう.. 女性の経済的,教育的地位のみを問題とするならば虹3で見る】,欧米の先進諸国のⅠ。3の値(100より も大きい)はアジアの先進国(即ち日本)のIc3よりも大きく,アジアの先進国のIc3はアジアの発展途 上の諸国のIc3よりも大きい.政治参加要因を考慮した場合,全ての国の指数㍑clヨの値はⅠ。3の値よ りも小さくなる E訳注 西暦2000年における中国の予想値を除くヨ.. 表2 中国における女性の地位の指標と他国の指標との比較 (男性を100とした場合の数値*). Ie. Id. Ia. Ip. 【経済活動参【教育水準指【社会参加指【政治参加指 9. 0 8. 加指標】. Ic 1. Ic2. 指標】 水準の総合指標】 れの総合指標】. 0. 90. 9. 標】. 標】. 73.65. 104.75. 82.80. 3.29. 66.15. 87.10. 89.25. 83.00. 108.59. 91.94. 5.34. 72.22. 94.51. 95.79. 標】. 94.71. $1.42. 57.79. 76.58. 67.51. 68.30. 80.94. 96.73. #1.42. 61.85. 81.99. 74.62. 0. 81.94. 103.59. 98.32. $27.23. 90. 77.77. 94.62. 92.77. 92.16. 122.47. 95.65. #39.86. 85.03. 100.09. 102.31. 0. 13.78. 42.95. N.A.. $4.49. N.A.. N,A.. 28,36. 0. 15.79. 55.41. N.A.. #9.05. N.A.. N.A.. 15.61. 0 9. 61.95. 59.72. 88.58. $5.82. 54.02. 70.08. 60.83. 0. 68.64. 68.26. 88.87. #2.56. 57.08. 75.26. 68.45. 0. 71.91. 80. 9. 63.11. 9 9 9 9 9. 8. 9 9 9 0 8 9 2. 90. 9 9. 0. 80. 9 9 9. 90. 0. 0. 災U. 11. 48.92. 59.77. N.A.. $7.76. N.A.. N.A.. 54.34. 68.24. 65.89. N.A.. N.A.. N.A.. N.A.. 67.06. 13.25. 33.24. 72.85. 7.07. 31.60. 39.78. 23.24. 25.00. 40.67. 75.27. 11.48. 38.11. 46.98. 32.83. 37.38. 47.20. 77.65. 17.10. 44.83. 54.08. 42.29. 44.60. 47.69. 88.65. 23.15. 51.02. 60.31. 46.14. 52.01. 61.92. 85.00. 22.10. 55.26. 66.31. 56.97. 64.38. 66.10. 99.29. 29.03. 65.24. 71.16. 62.13. 1. * 女性の初婚年齢を考慮し,26歳の時点の数値を100とした。. 9. 1 1. $は1975年、#は1987年の数値である。 1. 5. 上記データから次の2つの結論を導くことが可能であろう.(1)中国女性の地位の諸指標は先進諸国の 1 1. 6. 水準より低く,アジア諸国の平均水準に等しい.(2)日本女性の地位の諸指標はヨーロッパ諸国とアメリ 1. カの指標より低く,その原因は女性の経済活動,社会活動,政治活動への参加における違いをもたらす東洋 1. 7. 文化と西洋文化の違いである可能性が最も大きい. 1 1. 00. 1 1. 9. 1. 84. Ic 3. 【地位の総合【経済参加と教育【政治活動の遅. 1. ハU.
(10) 経済,社会,政治活動における中国女性の地位に関する一考察. 5 結 論 言うまでもなく,女性の地位に影響を及ぼす要因は多数あり,それらは経済,社会,政治活動への参加と いう側面から測定することが可能であろう.東洋文化と西洋文化の違いは女性の地位に影響を与えている. 一般的に女性の政治的地位は経済や社会的地位に比べて立ち遅れている.先進諸国においてさえも女性の地 位の総合指数(即ちIcl)の値は100に満たないのである.. 1952年以来あらゆる面において中国女性の地位は急速に向上してきた.しかし今日においても古い封建的 文化の遺物がもたらしている影響を過少評価してはならない.女性の地位に関する全ての点に関して,特に 経済活動への参加と教育のレベルにおいて,中国と先進諸国との間には大きなギャップが存在する.経済と 教育における中国の後進性は,中国の他の面の後進性の主な原因でもある.都市と農村,沿岸部と内陸部, 先進地域と低開発地域の間で,女性の地位に関して大きなギャップが存在する.中国女性の地位向上のため には,経済と教育を発展させること非常に重要である.他方では,古い封建的文化の遺物を少しずつ乗り越 えていくことも同様に非常に重要なことである.. 付 記 ここに訳出した中華人民共和国国家統計局国際統計情報センターのLUHai−qi氏による論文は1993年に スペイン・マドリッドのコンプルテス大学で行われた「世界価値観調査マドリッド国際会議」のパネルセッ. ションに提出されたものである.このセッションの論文は関西学院大学社会学部の真鍋一史教授をリーダー とする研究グループにより分担翻訳が企画された.他の論文の翻訳としては次のものがある.. RonaldInglehart 著,真鍋一史 訳,近代化とポスト近代化:経済発展と文化変化と政治変動の相互の 関係の変化,,関西学院大学社会学部的要,第77号,123−149ページ,1997年3月 ヘイーエアン・チエウ 著,宇田川 拓雄 訳,台湾社会における教育価値,北海道教育大学的要,第53. 巻第2号,pp.65−77,2003年3月 世界価値観調査プロジェクトについては,. 真鍋一史,他 共著,R.イングルハート(R.1nglehart)の「世界価値観調査(WorldValues Survey) データ」の二次的分析のための準備作業,関西学院大学社会学部的要,第75号,67−82ページ,1996年10月 が詳しい.. 本論文の労をとっていただいた関西学院大学社会学部真鍋教授ならびに中国の故事,人名などについて教 えていただいた本学の漢文学高木重俊教授に心から感謝したい.. (本学教授,函館校). 85.
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