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小中移行期における「学校不適応」に関する研究:中1ギャップに注目して

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Academic year: 2021

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(1)小中移行期におけるr学校不適応」に関する研究       一中1ギャップに注目して一 学校教育学専攻 臨床心理学コース. M0905 1G 奥 澤 嘉 久. 1【問題と目的】. おいてどのような心理的変化が起こっている・.  近年,生徒指導の諸問題の一つに,小学校. のか明らかにし,どのように学校に適応して. 6年生から中学校1年生の移行期において子. いくのかを検討する。②小,中教師の「中1. どもたちが十分に適応できない現象が増加. ギャップ」の捉え方について分析し,学校現. し,注目されている。いわゆるr中1ギャッ. 場には子どものギャップだけでなく教師間の. プ」(児島2006;新潟県教育委員会2006). ギャップについても明らかにし,小中連携の. である。. あり方を検討する。 2【方法】.  生徒が小学校から中学校へ移りゆくとき,.  調査1 (児童生徒向け:縦断調査). 周囲を取り巻く環境が変化する・「環境移行」. ・フェイスシート(学校名,性別,誕生目,. 小泉(1997)や,中学校での新しい学習形態. イニシャル,家族構成)の基本属性. にうまくついていかねばならないことなど, 大きな段差を感じてしまう。また,都筑(2006). ・時間的展望尺度(都筑,2001)の12項目. は,発達段階から見ても様々な脆弱性を抱え. (4件法)教育環境適応尺度:ASElI(小泉,. ている子どもや,思春期において対人的なつ. 1997)の24項目(4件法). ながりを健全に作り上げていない子どもの場. ・期待・不安尺度(小泉,1997)の42項目 (4件法). 合,思春期という危険な状況に直面したとき.  調査2  (小,中教師向け). に,発達上の危機に陥ってしまう可能性が高. ・フェイスシート(所属,性別,教師歴,担. くなるという指摘がされている。.  石隈(1999)は,学校心理学の立場から3. 任歴). 段階の援助サービスを掲げ,なかでも子ども. ・小学6年生,中学1年生の喜び悩み等。. を対象にした一時的援助サービスとして,入. ・小,中教師の生徒指導,学級経営の違いに. 学時の適応を援助する働きかけの必要性に言.  ついて. 及している。また中央教育審議会答中(2006). ・「中1ギャップ」の原因. においても,中1ギャップについて提言があ. ・小中連携のあり方について(自由記述). り,教育現場における喫緊の問題として重要. 3【結果】. 視されていることが例える。. 1) 3つの尺度間での因子の相関.  そこで本研究では,以下の2点を目的とし. ①「時間的展望」とr教育環境適応」と「期. た。①子どもたちの小学校から中学校への適. 待・不安」にそれぞれに弱い相関が見られた。. 応過程を縦断的に調査し,小中移行の時期に. ②各因子間の関係を調べるために,Pearson. 一104一.

(2) の相関係数をもとめた。その結果r学習意欲」. 5)学校適応感を規定する要因. と「計画性」(r=.519,ρ〈o.1),「自校への.  『教育環境適応感(ASE n)』への重回帰. 関心」と「対人関係・学習での期待」(r=.529,. 分析を行った。その結果6月時点の男子は,. ρ<O.1),「学習意欲」と「対人関係・学習で. 小学6年3月時での「空虚感」・「対人関係. の期待」(r=.427ρ〈O,1)「将来目標の渇望」. の不安」・「対人関係の期待」。女子は「対人. と「対人関係・学習への期待」(r=.432. 関係の期待」・「部活動への期待と不安」が 大きな影響を及ぼす。. ρ<0.1)にかなりの相関が見られた。. 2)期待・不安1こよる分類.  期待不安尺度の下位尺度得点に対し,非階.  中学入学前の児童の気持ちや入学後の生徒. 層的クラスタ分析を用いて,4つのクラスタ. の気持ちについて何らかの変化や課題を感じ. に分類した。それぞれr高対人不安・高学習. ている教師が多いことが今回の調査(KJ法. 不安群」(138名)「低対人不安・高学習不安. による分析等)で分かった。また,子どもの. ・低学習期待群」(68名)「低対人不安・低. 成長という一つの目標に向かって小中教師が. 学習不安群」(81名)「低対人不安・高対人. 協働していけるような研究をすすめ,小中連. 学習期待群」(37名)と命名した。. 携の在り方を改めて見直す意見が多かった。. 3)各群の適応感の状態. 4【考察】.  期待・不安の特徴による適応の違いを検.  中学校入学前後の移行期において,児童生. 討するために,教育環境適応尺度の5つの因. 徒の注目すべき特性や属性を明らかにしたこ. 子それぞれに対し,群(4)×時期(3)の2要因. とは,児童生徒個々や学級への心理的ケアの. 分散分析(混合計画)を行った。分散分析の. あり方を焦点化できる。さらに,縦断調査の. 結果,「学校に対する不満」「対教師関係」「学. 結果から,中学校入学前と入学後の4ヶ月間. 習意欲」r級友関係」r自校への関心」のす. が教育的介入において特に留意する期間であ. べてに群の主効果と時期による主効果が有意. ることを示唆しており,より予防的対策が具. であった。交互作用はなかった。. 体化できるものと思われる。. 4)男女ごとの適応感の状態.  小中教師の指導・支援に対する意識の違い.  男女での適応の違いを検討するために,教. は存在し,「中1ギャップ」の克服の対策と. 育環境適応尺度の5つの因子それぞれに対. しての小中連携をすすめる上で課題があるこ. し,性(2)×時期(3)の2要因分散分析(混合. とが明らかとなった。子どもの成長という一. 計画)を行った。. つの目標に向かって小中教師が協働していけ.  分散分析の結果,5つの下位因子について. るような研究をすすめ,小中連携のあり方を. すべてに時期の主効果があった。性の主効果. 改めて見直し,再構築していくことが必要で. は,r学校に対する不満」r対教師関係」に. はないかと考える。. ついて有意な結果であった。交互作用はなか. った。時期と性の主効果については,r学校 に対する不満」は3月<6月<9月であり,女. 主任指導教員 岩井圭司. 子が有意に高かった。「対教師関係」は,9. 指導教員岩井圭司. 月く3月,6月であり, 男子が有意に高かっ た。. 一105■.

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参照

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(注)

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