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青年期における信頼感と攻撃性の関連:TATを用いた検討

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Academic year: 2021

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(1)青年期における信頼感と攻撃性の関連      一TATを用いた検討一 学校教育学専攻 臨床心理学コース. 1.問題と目的. M09066E.  信頼感と攻撃性の関連は、従来精神分析の分野 治井彩. において論じられてきた(Home叉1937; K1ine,1946など)。近年、信頼感と攻撃性、攻撃.   丁蛆の構成:Murray版TAT. 行動、自傷行為などの関連についての調査研究が.   TAT図版は先行研究(Stone,1956;安. いくつかなされており、その関連が量的に示され. 香,1997)に基づき、攻撃性を検出する図版8B. つつある(Ha1eeta1.2005;清瀧,2008など)。し.  M・11・3BM,18BM・19に、基本的な. かしその関連について質的に検討した研究は見当.  図版の1・2・20を加えて計8枚を使用した。. たらない。よって本研究では信頼感と攻撃性の関.   手続き:TATを個別実施した。. 連について、質問紙と投影法を用いて量と質の両.  3.結果. 面から検討することを目的とする。投影法には.   1)各尺度の検討. TbematicApperception他st(以下TAT)を用い.  信頼感尺度(天貝,1997)と攻撃性尺度(安. る。なぜなら、TATは攻撃性を捉える投影法の1. 立,2001)について、先行研究に基づき確認的因. つに挙げられており(板谷,1984)、絵画刺激のと. 子分析を行った。その結果、信頼感尺度は天貝. らえ方・物語の作り方の中に対象者の内的世界の. (1997)の信頼感尺度でr不信」r他人への信頼」. 投影が期待されると考えられる(安立,1999)た. 「自分への信頼」の3因子構造だったのに対し、. めである。. 本研究では「他人への信頼」「自分への信頼」の2. 2.方法. 因子構造になった。また攻撃性尺度では、安立. (調査1). (2001)における「自己破壊行動」にあたる因子.  協力者11A大学の学部生51名(男性14名,. がなくなった。「対象攻撃行動」にあたる因子が2. 女性37名,平均年齢19.4,SD=0,57)。. つの因子に分かれ、「怒り反応」「衝動性」と命名.  協力者2:A大学の学部生と院生48名(男性9. した。最終的に「自責感」「積極性」「猜疑心」「怒. 名,女性39名,平均年齢20.9,SD=1.99)。. り反応」「衝動性」の5因子構造となった。.  質問紙の構成:①フェイスシート②信頼感尺度 (天貝,1997)③攻撃性尺度(安立,2001).  信頼感尺度、攻撃性尺度の各下位尺度の合計得.  手続き:協力者1は授業終了後、質問紙を集団 実施した。協力者2は個別実施した。 (調査2).  協力者=調査1における協力者2の48名。.  2)信頼感と攻撃性の関連. 点を算出し、Pearsonの相関係数を求めたところ、. 男性では信頼感尺度のr自分への信頼」と攻撃性 尺度の「自責感」(r=.496pく.05)、「怒り反応」 (r=.543pく.01)に有意な正の相関が見られた。. 一134一.

(2) 女性では信頼感尺度のr自分への信頼」と攻撃性. 頼」高/低×「攻撃性」高/低の2つの組み合わ. 尺度の「自責感」(r:一.596pく.01)、「猜疑心」(r=. せで、それぞれ協力者を4群に分けた。その結果、. 一.561pく、01)、「衝動性」(r=一.319pく.01)に有意. TATのテーマに最も差が見られたのは、図版18. な負の相関があり、「積極性」との間に有意な正の. BMにおけるr他人への信頼」×r攻撃性」の組. 相関があった(r=.465pく.O1)。また男女ともに、. み合わせであった。図版18BMにおいて、人物. 信頼感尺度の「他人への信頼」と攻撃性尺度との. が向こう見ずな行為を止められている、逮捕され. 間には有意な相関がなかった。. ているというテーマは、「攻撃性」高「他人への信. 3)丁虹における攻撃性と信頼感尺度ならびに攻. 頼」低群で11人中1人(9%)であり、「攻撃性」. 撃性尺度との関連. 低「他人への信頼」島群で13人中8人(66%).  TATにおける攻撃性と信頼感尺度ならびに攻. であったのに比べて少なかった。一方、人に襲わ. 撃性尺度との関連を検討するために、TATにおけ. れる、幽霊に呪い殺される、悪の道に引き込まれ. る攻撃性をStone(1956)のAggressive C㎝tent. るというテーマは、「攻撃性」高・r他人への信頼」. Sca1e(以下ACS)によって得点化し、TATにお. 低群で11人中6人(55%)であり、「攻撃性」低・. ける攻撃性の得点が高い群(ACS高群)と低い群. 「他人への信頼」島群で13人中O人(0%)であ. (ACS低群)に分けた。そして、群間で各下位尺. ったのに比べて多かった。. 度の得点に差があるかを、各図版(3BM・8BM・. 4、総合考察. 11・18BM・19)において検討した。その.  質問紙での分析では「自分への信頼」と攻撃性. 結果、男性は図版3BMと19において、ACS高. の下位尺度との関連のみ見られ、関連には性差が. 群とACS低群の間で「他人への信頼」の得点に. あることが示された。例えば、男性では「自分へ. 有意な差が見られた(t(7)=一4,102 pく.01). の信頼」と「怒り反応」等の攻撃性の下位尺度に. (t(7)=一3,286 pく.05)。また、女性は図版11. 正の相関があったのに対し、女性では「自分への. において、ACS高群とACS低群の間で「怒り反. 信頼」と「衝動性」等との間に負の相関があった。. 応」の得点に有意な差が見られた(t(37)=一2,754.  一方、投影法を用いた検討では、男性において. pく.01)。例えば、男性で、図版19において「他. r他人への信頼」とACS得点に関連が見られた。. 人への信頼」が低い人(下位2名)のプロトコル.  TATの内容分析と信頼感尺度ならびに攻撃性. には、何か被害を受けて攻撃する、または幽霊の. 尺度との関連を検討した結果、攻撃性が高く信頼. 呪いによって被害が連鎖するという攻撃的なテー. 感が低い群では、危機の原因を外的なものに求め、. マが見られ、「他人への信頼」が高い人(上位2名). 漠然としたものに襲われる、自由を奪われるとい. のプロトコルには、安香(1997)が安定した人のテ. う形で受動的に体験する傾向があり、信頼感が高. ーマとして挙げている、外は自然の厳しさがある. く攻撃性が低い群は、自分の行為や一時的な困難. が家の中は安全というテーマが見られた。. に原因を求めるという形で能動的に体験する傾向. 4)TATの内容分析と信頼感尺度ならびに攻撃性. にあった。したがって、危機を漠然と受動的に体. 尺度との関連. 験すること、つまり不安感や不信感の高さが攻撃.  信頼感尺度と攻撃性尺度の高低によってTAT. 性の高さと関連することが示唆された。. のテーマに差があるかを検討するため、「他人への.            主任指導教員:遠藤裕乃. 信頼」高/低×「攻撃性」高/低とr自分への信.              指導教員:遠藤裕乃. 一135一.

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参照

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