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ヘンリー・ジェイムズの『モーヴ夫人』について : ロングモアの意識について

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Academic year: 2021

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(1)Title. ヘンリー・ジェイムズの『モーヴ夫人』について : ロングモアの意識に ついて. Author(s). 伊藤, 仙一. Citation. 北海道教育大学紀要. 第一部. A, 人文科学編, 37(2): 29-38. Issue Date. 1987-03. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/4173. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) . ヘ ンリ ー ・ ジ ェ イ ム ズ の 『モー ヴ夫 人』 につ いて. ヘンリ一. ◎. ジ ェ イ ム ズ の 『モ ー ヴ夫 人』 につ い て. - ロン グモア の意識 について -. 伊. 藤. 仙. いわゆる国際間の文化や風俗, 習慣の相違をテーマにし ), Fo冴 屑BB””gs (1879), D扇s た 作 品 の 数 は 多 い. た と え ば A R硲sわ〃αZ e 錫 収“粥 (1871 y Henry J amesの初期の短編のなかで,. 財粥“ (1878 e 2dZ ), A7 2 加 彰γ”の幻”α‘ E桝sode (1879), Z物8 月靴sわ” β細“γゆ鯛 (1879), A B“7 L勿8 7 s (1879),. 棚 POZ煽 げ “ew (1882) などがその例として数えられる, ここで取り上げる. o“解8 月壱“伽 のつ ぎにく る作 品 で, 国 際間の 風 作品 Mα吻伽e dg 朋α卿BS (1874) は, A R硲sZ 俗や習慣の相違に起因する結婚の悲劇が主として登場人物の一人の意識にどのように写り把握され. ていっ たかということに重点を置いた作品である, 視点と意識を問題にした作品としては最も早い 年代に属する. 筆者はこの作品をジェイムズの視点と意識の全般的な扱い方と関係させながら論じ てみたい, そうすること がジェイムズの作品理解のために役立つと思う からである. 肌α加伽8 〆〃 順α卿鐙 において, 視点となる人物は主としてロングモアである, 小説の語り 手は状況を設定しそ の状況に置かれた視点に写しだされたものを語っていく, 視点となる人物に目を移してみると彼は 対象を熟視したり, あるいは見えているものか見えないものを想象して対象を見究めようとする. そのことを便宜上「同定する」という言葉を使う. よしん ばその同定に成功しなかっ たとしても, 一 瞬一瞬のその過程が一つの軌跡を描いてある意味を持 ってくる, ところでジェイムズの作品は暖味 やアイロニイ を狙ったものであるともいいうる. 全般的な状況と, 限られた視野の中で想像し同定 したものとのあいだには差異 が生 れてくるし, 視点が複数になればおのおのが同定するもののあい だ に 差 異 が 生 れ て く る か ら で あ る, し か し こ の 作 品 を イ ザ ベ ル ・ ア ー チ ャ の. 物 Poγ ZmZ 云q fα. Lαの,メ イ ジ ー の 躍如Z Mα観β 瓦 解w, ス ト レ ザ ー の Z彬 A伽る鯖sodo符 な ど の 作 品 に 連 動 さ せ て. みると, 対象の同定と軌跡の意味が主題的 に扱われているというはっきりとした一般的傾向がみら れる, 肌α加伽e dg 肌翻り B Sの 視点と意識を扱うとき, こうした考察を抜き にするこ と はで き な い, これらの作品が対象の同定, 軌跡の意味において完成されたものであるの に対して初 期の作 品, Mα吻伽e dg 肌似粥sにお ける手法はそれへ到達する道筋を示したものといえよう.. 肌α吻伽e de 順賜り耀 の冒頭の文章を引用 して, ジェイムズの特質について考察してみたい. The view from the terrace at Saint‐Germain‐en‐Laye is im mense and famous. 29.

(3) . 伊 藤 仙 一 i i Par i賃ed es sPread before you in. sl i t a dusky vastness - , and gl , domed and fort tering he ight vapors i d l i h i d d h l i re and there through her l s t r r a n e w e s e r n v e e g . , Behind you i l tate s a park of s s a forest, where you y sym metry, and behind that i i may lounge through turfy avenues andl -checkered glades te forgetthat ght , and qui i h i h l f f h h f h l o t i id b t n a an our o t e ouevards ne a ernoon you are w , , owever , n m - sPring some 賃ve years ago, young man seated on the terrace had chosen not to. forget thi s s eyes were 6xed in idl e wi stfulness on the mighty human hive , Hi before him. He was fond of ruralthings a , nd he had come to Saint-Germain a week before to meet the spring half‐way; but though he could boast of a six ’ ac uaint n e i h the the great ci months a c wt ty tfrom hi q s stand , he never looked at i 1 ( ) ing of a painful ly unsat thout a feel i s賃ed curiosity, point wi. 語 り 手 は 向 こ う に 見 える パ リ の 光 景 につ い て 語 る, 「サ ン ジ ェ ル マ ン ・ ア ソ ・ レの 見 晴 台 か らの. 眺めは雄大なことでよく知 られている. 眼下に楚漠と広がるバ リは丸天井に被われ城壁で守られた ような感じで, 薄もやを通してあちこちできらきら輝 き, 銀し・ろのセーヌ川に取り囲まれている」 という文章か らも理解できるように語り手 はパ リを遠景として提示している. 語り手は次に 「五 , 年ほど前の春のなかごろのある午後のこと, この見晴台 に腰を下ろし, パ リの喧騒を敢えて忘れま いとしている青年がいた」 というよう に見晴台に座ってその遠景を眺めているロングモアを提示す る. パ リの遠景という構図のこち らがわへ遠近法的にその構図を眺めている人物を導入してそれを また一つの構図とするのであ る, いままで光景と語り手との関係であ ったのが, 二者のあいだにロ ングモアを加えた三者 の関係になる. 光景と登場人物との関係について, ジェイ ムズの場合, 登場 人物の意識が光景や場面に接近 していくと, その想像力 はかきたて られて 対象を見究めようとす 交う で語り手は, 登場人物に接近してい って彼の意識のなか に入り 一体化して語 っ る, そのい っ0 , ていこうとする, たとえばフロベールはボ ヴァリー夫人の心理を描写するのに, 夫人がどんなに空 2 }のに対して ジェイムズの場合は登場人物 の意識 想にかられようと, 客観的に分析的に描写する( , と一体化しようとしているとい ってよい, 普通の人(You )なら「パ リの繁華街からわずか三十分の 距離にいる」 などす っかり忘れてしまえるのだ が, 語り手によって選ばれたアメリカからやってき やロングモアだけは 「パ リの喧騒を敢えて忘れまいとしてい る青年」 である. 「パ リにはすでに六 ヶ月 滞在したのであ ったけれ ども, その見晴台から眺めていると, まだまだ知りつくしたとは到底 言い難いと, いつも痛切に感じるのであっ た」 と語るとき語り手はロングモアの意識に接近しはじ め る の で あ る.. 3. われわれは語り手の言葉によって 肌α血粥e de 朋α卿鐙 の人間関係の状況設定がどのようになっ て い る か を了 解 す る こ と が で き る. そ れ は アメ リ カ 生 れ の ュ フ ィ ー ミ ア が フ ラ ン ス の 貴 族 リ シ ャ ー. ル・ ド・モー ヴと結婚する に至 った推移とその結果についてである. 彼女はアメ リカ生れの女性特有の無垢の状態のままで, パ リの修道院で教育を受けたため に独特 の理想主義を身につ けるに至 っている. 貴族と結婚 したいと考 えをもつようになったが, それは 3 ( } 「彼女が高貴な生れ は, この上なく繊細な感情 を保証するものとロマンチック に信じこんでいた」 30.

(4) . ヘ ンリ ー・ ジ ェ イ ム ズの 『モ ー ヴ夫 人』 につ いて. からであり, また 「彼女 が幾世代も続いた家系を誇る紳士は, かならず人格者であり個性にとんだ 4 ( )からである 彼女はその男の血 先祖を意識すれ ば性格に気品 が出てくるものと信じこんでいた」 . 統が比類なく尊いものであれ ばそれだけでよい, その男に自分の幸福を賭けようとひそかに考えて い た の で あ る, ュ フ ィ ーミ ア は, 修 道 院 の 学 友 で あ る マ ド マ ゼ ル ・ モ ー ヴ の 仲 介 に よ っ て 彼 女 の 兄 の り シ ャ ー. ル o ドo モーヴと出会うことになる. 彼はうわべは物静かで気品 があり, ときどき 口にする 「煙草 5 { )と い う 言 葉 に も 限 り な い 優 しさ が こ め ら れ て お り ュ フ ィ ー ミ ア の を 吸 っ て も よ い で し ょ う か」 ,. 6 { ) 耳にはその言葉の余韻 が一 日中響いているほどである. 彼のこの丁重な態度は 「白麻のハンカチ」 6 }のような外面の形式に属するものだということが 彼女には理解されて ( 「ラ ヴエ ソダ一色の手袋」 , { 7 }ただ「すくなくとも年収十万フ いない, 彼の方は 「娘に好意を覚えるな どということは計算外で」 ( )と結婚できればよい 忠心を装うことにより一家の財政を立て直せれ ばよ いと考 7 ランの若い娘」 , えて い た,. 彼が彼女に結婚を申込む場面を引用する. ”ln A ” h ” ih h l t h d h id i mer ca , he sa , l ave a ways ear t at w en a man w s es o marry himself simP1y face to face without any ceremony, h 賃 a young girl , , , e o ers. ” i l i i t t thout parents, and uncles and cousins s nac rc e ng round i - wi . “ “ Wr ・ l l i d d i hy i tar ng eve so, said Buphemia,s ,and too surprse to be a arme , ,1 be “ ’ ’ ” Ver A i u h b b B S t t i d h me r a. l l l t r c r e e e o e r n u o s e ou o s a o, pp q y we , en, sa ( 8 〉 fer you,,=“ of. モーヴ男爵が彼女に求婚するのにヨーロッパ 文明のマナーの枠を抜 けでて, アメリカ風に両親や 云 親族の出席もなしに, 茂みのなかをその場所として選択するのである, われわれは 物 Po打mg 9 )の な か で ウ ォ ー バ ト ン 卿 が 夜 も 更 けて か ら ラ ン プ の 明 り を も ち な が ら ア メ リ カ qf α Lαの( , , , からやってきた娘イ ザベルを, 彼女の寝室へ案内していこうとして, 彼女の伯母によ って差止め ら o }の な か で ヨ ー ロ ッ パ i l l i I Tr ng の T彬 LZ彰 焔‘ Z粥α夢“αわがl れ る 例 を 知 っ て い る. ま た Lione ,. 文明においてマナー が, そこに住む人間の生活の表面をいかに強固に覆っているかについてよく知 ること ができる. こうした例と比較してこの二人 がいとも簡単 に婚約して しまうという事実を通 し, ューフィ ミアの理想主義とモー ヴ男爵のマナーを一時期は破 ってでも貴族階級としての家名を 守ろうとする没落した貴族社会の理念, というジェイムズの国際性のテーマ が, より鮮明になって くるのである. モー ヴ伯爵の祖母がュフィ ーミアに向かい, 彼女の将来の心構えについて 「あなた = ( )また別の機会に 「悪い見本や誤 っ た助言 不 自身の良心の声にあまり真剣に耳を傾 けないよう」 , 1 2 ( )などに迷わされずにと忠告するとき この祖母がそのなかで生きてきた貴族 階級の誇 快な慣習」 , りと彼女の人 生に対する悔恨を表明していると思われる, これもまたアメ リカを どうみるかヨー ロッパ をどうみるかという言葉として受 け取ることもできるのである, 以上は語り手 がわれわれに提供してくれた状況説明である, モー ヴ夫人となったュフィ ーミアの 結 婚 生 活 の 結 果 は お お よ そ 予 測 で き る, ロ ン グ モ ア は モ ー ヴ夫 人 の 友 人 で あ る ミ セ ス ・ ド レ ー パ ー. に導かれて, サン ジェ ルマンの邸宅で不幸な生活を送っている夫人を訪問することになる.. 31.

(5) . 伊 藤 仙 一. 4. モー ヴ夫人の邸宅を訪問したロングモア は彼女と連れだって散策することがあった, 夫人は 「時 には, 庭に降り立ち, 彼 (ロングモア) と一緒に狭い道を通り抜 け, 水の出の悪い噴水のそばを通 1 3 { )語り手はこの二 人の姿を遠景とし り最後に森に通ずる道に出られる木戸ま で案内してくれる.」 て描写する. 次ぎに語り手はロングモア の意識に近づいてし・って彼の意識を語っていく. その語り か た は冒 頭 の 個 所 と 相 通 じ る と こ ろ が あ る. こ の と き の ロ ン グ モ ア の 対 象 は モ ー ヴ夫 人 で あ る こ .. の個所を引用によ って説明したい, Madame de Mauves ively たは was not sweeping the hor inct izon for a , he inst ion or a consoler; she had su茸ered a personal decePtion which had compensat. di ivi ted her wi th persons. She was not st sgus th some r ng to balance her sorrow wi ive wi strongly 日avor th i t ed ioy;for the present, she was t rying to l , peaceably, thout scandal ly as you would t occasional reputedly, and wi ,一turning the key on i , iable to attacks of insani on a companion l ty,. Longmore was man of 負ne senses. ive imag ion inat ings had never been s and of an act l ipped. He , whose leading-str h Zh 行 began to だgz i t h d h b d h i h t r o s e s s s z〆 z a a gu e aun e s y a s a ow w c was somehow. her intenser, more authent i l f c se s hovering mystery came to have for him an . Thi i d h t H d l i b ex raor nary c arm. er e cate eauty acqui red to hi s eye the serious cast of lank-browed Greek statues, and somet imes ion, more certain b s imaginat , when hi d i i than hi h h h 古 彰d s ear, BeC a vague tremor i n the tone n w c s e attempted to make i low resonance of absent‐ af t none ofthe hol r endl y question seem to have behindi i l l ing eyes gave her an answer more eloquent, though much mindedness s marve ,h 1 4 ( } l less to the point than t he one she demanded i tal cs , . ( , mine) l t’‘regard’‘detect わ れ わ れ は 上 記 の 文 章 の な か の, ‘fe ed’の ニ つ の 動 詞 に 注 目 し た い. そ れ. はロングモアの想像力に関係してくるかで ある, はじめ彼は夫人が裏切りにあ って, 人間に幻滅を 抱きながらも世間体を保って暮そうとしていると, 「本能的に, 感じとっていた, 」 つぎに 「繊細 な感受性と, 活発な想像力」 の持主である彼は, この夫人の姿の背後に 「も っと真実の姿を」 二重 写しに 「みる」 のである, さらに彼の想像力 は夫人の 「声のかすかな震えを捕えて」 「彼女の求めて いる答えよりも, も っ と意味深長な-的外れかもしれぬが-答えを与えた のであ った」 という. こ. れらの動詞の う ち‘felt’は と も か く と し て,. ( 1 5 }の い う‘percept ion’ あ と の 二 つ の 動 詞 を Chatman ’ ‘ ’‘ i l i t か ら cogni on be ef に い た る 四 段 階 に 分 類 さ れ た どこ か の 範 噂 に あ て は め る の は, あ ま り に. 静的 に過ぎる, 「想像力」 は 「飛躍する」 ものであり, とき には空想に更けることもある が, 見え るものか ら見えないものを想像し, その裏に潜むものをも透視する力をもっているものである, ‘r egard’‘d t t e ec ed’はこうした想像力の能動的な作用 に関係している, モー ヴ男 爵 が 夫 人 の 慎 み 深 い 態 度 に 対 し て 苛 立 ち を 感 じて い る と ロ ン グモ ア が 「想 像 し 1 { 6 }「慎み深いのは 夫に柔順だからでなく 本心を抑えているからだと 彼は気付いたで fancy ( )」 , , , ( 1 )と疑 問を発するのはその一例 である 夫人の 「機知 (e 1 7 )が話題 になったとき ( あろうか」6 p〆#)」 s , , 1 7 ( )と耳もとでささ や ロングモアは夕 暮 どきの残光の微粒子を 「『彼女は機知に富む, 機知に富む』 」 32.

(6) . ヘ ンリ ー ・ ジ ェ イ ム ズの 『モ ー ヴ夫 人』 につ いて. 1 7 ( )そのとおりだと肯定する それに反論するモー ヴ男爵 く小さな昆虫の群れであるように空想し」 , 1 1 { 7 }の 底 に あ る 「暗 い 深 淵 の 在 在 を」 7 )突 き 止 め る に い た { に つ い て, ロ ン グモ ア は 彼 の 「優 雅 な 物 腰」. るのである, ロングモアが夫人に彼の愛を告白するとき, 彼女の流す 「数滴の涙によって, たとえ す ぐ消えたにしろ, 彼女の心の奥を示し, 彼の好意に感謝する弱い面 が彼女にあることを彼は確信 ( 1 8 )のである ロングモアの怒りは「『一体なぜあなた はこんな世界に踏みこ 〔同定〕するにいたった」 , 1 8 )という点に向かう そこで彼は夫人から彼女には良心があるからこ んな生活 { んでしまっ たか』」 , でもなんとか妥協してやっていけるという答を聞いて, 「それを聞いてうれしいですよ」 といいな がらも夫人に自分との結婚をうながす. その場面を引用する. ‘. ’ ’ i ” 帆re are made for each other l ighted to hear i t ed Longmore am de , . , cr. ’ lt l l never do anythi i s very certain ltoo sha ng 6ne ed thatin , Ane yet l have fanc. hi ibe might be bl ly descr inded and my case t sinexpugnabl e organ you so eloquent ”h l f d d i f d h i l i t n t t u r u n o o o o s n o u r s u r n e a c a s e o e e n e a a w n e went・on y g gg . , , , ’ “ ’ h f l i i B ly invincibl th the same appea ng rony, i t absolute ut er ancy made wi si e? ‘ Don’ t laugh at your conscience,“ she answered no concession to his sarcasm, ‘ “ ht ’ ’ 1 9 { ) s the only bl a’ asphemy l know, gravely; t. ロングモアは夫人に, 「自分の場合立派な目的のためなら, その今おっ しゃった良心に猿ぐつわ をかませられるだろうと思っていましたよ。 ……あなたの場合には良心は難攻不落ですか」 とたず ねることによ って, 晴に彼女に結婚を申込んでいるのである. 「良心をあざけり笑 って はいけませ ん. それは私の知る唯一つの冒漬です」 と真面目な顔付きで答えることによって彼女は彼との結婚 を拒絶し, この貴族階級を生き抜く決意を表明しているゞ 彼女は彼の理解をやはり越えており, 無 力感が彼を襲うのである, ロングモアが眼前の夫人の姿の背後に二重写しにみたものは幻想であ っ た の だ ろ う か,. ここからつ ぎのように見解がでてくると予想される, この作品はロングモアを囲む状況と彼の想 2 0 ( )視点と 像する世界との相違から生れるアイロニイの面白さあるのではないかという見解である, か意識とかいうとき, 語り手によ って語られる世界または他の登場人物 によって把握 される世界 と, 視点もしくは意識 に写しだされた世界との両者の間に違いがあるのが当然であるからである. それにかてて加えて言葉の使用法の滑稽さもありアイロニイ にわさびがきいてくる, モー ヴ男爵からロングモアは, モー ヴ夫人とは 「ひとりで何時間も英語の書物を読 みふ けり, そ 2 1 )とい った女であるという批判 ( ういう常にこの世に投げかけてくる暗い霧を通して人生を眺める」 を聞く. 夫人からワーズワスの詩を聞かされたときな ど 「キャ ベツ 入りのスー プの深皿に顔を押し 2 1 )「応接室の部屋の空気を入れかえね ばならなかった」 2 1 ( ( }ほどだ っ たという 付けられた気分がし」 , またこうしたモー ヴ氏の態度を夫人は決 して許そうと はしなかったという, モー ヴ氏の妹 (マ ダ ム oク レラン). によればモー ヴ家代々の妻たちが頭痛のするときでも普段と変 らず夕食に出席して. いたし, 胸が痛んでも晴やかな装いをみせていたのと比較して, 夫人は 「中産階級出身のアメリカ 2 2 2 ( )でありな がら 「伝統を覆し」 2 { )「かたくなにうつむき加減の自分の写真をわれわれ一 のこむすめ」 2 2 { }と は と ん で も な い と い う こ と に な る も し こ の 二 人 の 言 族 の 賢 夫 人 た ち の 間 に か けよ う と す る」 .. が少しでも真であるとすればそれだけでもロングモアの想像の夫人像とはずいぶんとかけはなれて いることになる, またモー ヴ夫人と結婚したいという真面目な申出が彼女の良心によって砕かれた こと自体, 彼の想像した夫人像が脆くも崩れるという意味においてアイロニイの最たるもので, こ 33.

(7) . 伊 藤 仙 一. れほど滑稽なことはない. しか しわれわれはジェイ ムズの作品の なかでつ ぎに述べるような事例を挙 げることができる. Z物 Poγ云焔Z 云q f α Lαの,においてイ ザベルは自由な選択を通し必然の運命を引き受けるようにな る. T彬 A粥ろ傭班ぬ7 sに おいて, ス トレザーは遅す ぎた生 を自由 に生きよ うと しある認識 に達. し, 責任のある選択を行う, とく にイ ザベルとス トレザーについてはこうしたかれらの意識を描く ことがかれらの人生を描くことであり, またかれらの人生を描くことは意識を描くことになってい る, 肌α血 鯛8 α8 Mα例g s に お い て, こ う し た 観 点 か ら ロ ン グ モ ア の 意 識 に 焦 点 を 当 て て み る と イ ザベルやストレザーの萌芽をそこにみることができる. それは想像を駆使して対象を同定しようと する不断の努力であるということができよう. 想像力はときとして幻想に陥りやすいが外から別の 相が少しでも立ち現われると, それに応じてまた新たな想像をはじめる. その軌跡自体に意味があ るのである. だから 肌α加粥g de 肌鰯健sの視点と意識を考察するということは想像力と現実との 落差から生れるアイロニイを追うことではない. また夫人の正体が暖昧なことから 「絶対的に不在 ( 2 3 )その物語を追うというのでもない 想像力はそ れらと のものを求めて物語 ができあがっていく」 . 境を接しながら対象に迫 っていく. ロン グモア は夫人に拒絶されたあといろいろな経験をすること になる が, われわれはその経験と意識を追うことになる, マ ダ ム oク レラ ン は な お も 夫 人 の こ と に つ い て, つ ぎ に 述 べ る よ う な こ と を ロ ン グ モ ア に 打 ち 明. { 2 4 }等という本を読んで部屋に閉 じこもりきりになっているの ける, 夫人は 『キリス トにならいて』 で, そのため夫の男爵のほうは死ぬほど退屈して しま って, こんな状態から別の女と恋に陥 っても 自然であるし, そうすることはモー ヴ家の一員として は, むしろ当然である, 夫人も仕返しに不貞 をはたらいたらよい. モー ヴ男爵も夫人に「『胸を痛めている同国人がいるじゃ ないか, その男の言 ( 2 5 )と不貞をすすめて いる こうした事実をロ ングモア に打ち明 けたあとで う通りにしなさい』」 . , マ ダム・ク レランはモ ーヴ夫人にも打ち明けたことを伝えておくという, そのとき彼女が彼にいう. ”‘Come do ’” 2 6 { }い う こ の 言 葉 に は 腕 前 を 充 分 に 発 揮 して チ ャ ンス を つ か め と l fjus i t ce yourse . , , ’“ 2 6 ( )と 答 え る が マ fjus i t do mysel t いう意味が含まれている 彼は それに対して ” mus ce .. . , , ダ ム ・ク レラ ン の い わ ん と し て い る こ と を 否 定 して, 自 己 の 正 し い と 信 じ て い る こ と を 行 わ ね ば な ら な い と い っ て い る の で あ る, し か し 自 己 の 信 じる 正 し い こ と を 行 う と は 何 を す る こ と な の か. も. し夫人に対する愛をま っとうして, 夫人と結婚することが彼にとっての正しいことであるならばそ れ はモ ー ヴ家 の 兄 と 妹 が す す め た チ ャ ン ス を つ か め と い う こ と と 同 じ こ と に な り は し な い か, ま た. この恋を諦めようとすると 「断念し, さらに断念し, 永遠に断念すること--ただそのことのため 2 ( 7 )とロングモアの心の内からの声が聞こえて にのみ, 若さと憧れと決意は存在するのだろうか?」 { 2 8 )だといっているが 皮肉な巡りあわせで くる, 彼はこの事態を 「運命の女神の残酷ないたずら」 , あり滑稽な事態である, しかしそこには深刻で不安なロングモアの意識の状態がそれと境を接し, それを凌駕しながら続いているのである. ここで彼はの どかな田園風景を背景にした新婚の夫婦 らしい画家の男とその妻らしい女をみるこ 2 9 )から二人は正式に結婚した夫婦だと推測するが 宿の と になる. の びやかで仲むつま じい様子( , 主人か ら実はたわむれのうたかたの変愛関係にすぎないと聞かされる. 仮にそうであ ってもあれほ ど仲むつまじくふるまえるとは, 彼にはどうしても信じられないのである. 彼は自分を画家にモー 0 0 ( 3 }と 「千 回」 ( 3 }も 叫 ぶ の で あ る ◎ ブ 夫 人 を そ の 妻 に み た て て い た の で, 「否, 否」 , 「千 回」 と い う. 響きの滑稽さのなかからモー ヴ夫人を批判しつつ, 自分も動揺を感じながら, 選巡する彼の意識が 感じとられる. こうした気持ちをもちながら, 彼は森のなかでうたたねをする が, そのとき彼は夢 をみる, 川 を隔てた向こうに夫人がいるという夢である. 舟が近 づ いて きたので, 彼はその船に 34.

(8) . ヘ ンリー ・ ジ ェ イ ム ズの 『モ ー ヴ夫 人』 につ いて. のって向こう岸につく, すると夫人はもうそこにはいない. こちらの岸にきていて 「何も語 らず冷 1 3 )投 げ掛けて上流へいってしまう 舟を漕いで夫人を上流へ連れていってしまうのは { たい視線を」 , 3 2 ) モー ヴ男爵である, こうした夢も彼の不安のあらわれと解釈できよう,) 3 ( 3 )「強い友 ion)」 igh opin そ の 夜 サ ン ジ ェ ルマ ン を 訪 れ た ロ ン グ モ ア に, 夫 人 は 「尊 敬 (a very h 3 3 }「信 頼 情 (a great friendship)」{. ( 3 3 )「理 性 (reason)」 3 { 3 )な どの 言 葉 を 使 っ て (such con6dence)」. 3 3 )と懇願する それはマダム・ク レランの告げ口があっ たからと推 ( 「『私を失望させないで下さい』 」 . 測される が, 今後一切会わないでくれということである. それも 「『私 〔モーヴ夫人〕 が追い返した のでなく, あなた 〔ロングモア〕 がご自分の自由意志で賢明に判断されて立ち去られたのだと考え ( 3 4 )というのが夫人の懇願する内容である しかし彼は 彼女の使った 「強い友情」 3 3 ( ) たし・のです』」 . , とし・う言葉のなかに彼女自身の彼に対する情熱も隠されているのではないかと想像し, 彼女に近 づ い て い く. しか しそ の と き, マ ダ ム ・ ク レラ ン が 戸 口 に 姿 を み せ る, 彼 は 夫 人 の 目 が 彼 に あ の 人 と. 自分とは本質的 に異なっているのだから, どうぞこのままにしてと, 訴えかけていると感じる, 彼 5 1 ( }と 心 に 誓 う の で あ る はマ ダ ム ・ ク レラ ン が 「当 然 と 思 っ て い る こ と だ け は, 決 して す ま い」 ,. 宿に帰ったときロングモアの意識を語っている部分を引用する, bl i f h d hi h Had she ,in spite o t e etesta e present, some prec ous memory w c con‐ tained the ge inking hope? rm of a shr. Wras she prepared to submit to everything. i l i t weakness t strength, was・ and yet you be t a vulgar fear, was eve? Wr asi , was i ( 3 6 ) i t conviction, conscience, constancy? d h … ; he mus trength t prove hi ss , he must o t e 行ne thing; he must decide that. the handsome thing was to submit to the inevi l i tabl e cate ,to be supremely de ,to l pain,to s i ae h i t spare he thout r al s Passion, to ask no compensation to depart Wi 3 (7 ) del l i ts own reward, ay and try to be eve that wi sdom i si. ここに述べられている前半の文章 においてロングモアの意識は彼女のこころのみえないところに あるものを想像 によ って推測し判断しようとして いる, どこかに良く解らないところがあり 「こう 3 7 ( )かも知れない しかしそうであってもそういう過程の いう女性の本心は推測しても無駄である」 . なかから対象が浮んでくるし, それと同時に適切な行為をするための決断をせまるものが意識 に現 われてくるものである, 後半の部分で 「細心に気を配 って彼女に苦痛を与えぬように努め, 自分の 情熱を抑え何の代償も求めず, 直ちにサンジェルマンを立ち去ることだと心に決めな けれ ばならな い」 という文章 はその一例である, こうした対象 の同定と行為の決断を示す文章は分離して ばら ば ら にあ る の で は なく て, 実 際 は重 な り あ い 層 を な し て 構 成 さ れ て い る, こ の こ と は ロ ン グ モ ア が 上. 述のことを同時的に行なっていくことを示しているのである, こ の 作 品 に お い て 視 点 は主 と して, ロ ン グ モ ア に あ る が と き に は, モ ー ヴ男 爵 や マ ダ ム ・ ク レラ. ンに移ることがある, するといままでの夫人像の認識とま ったく異なった認識が生じてきてまたア イ ロ ニカ な も の に な っ て しま い そ う で あ る, ロ ン グ モ ア の 認 識 は そ の 根 源 に お い て 絶 え ず 崩 壊 の 危. 機にさらされているといってよい, しかしそれと境を接しながらやはり認識の主体 は彼にあるので ある, その主体の認識は語り手によって語られており, 語り手が作家ジェイムズであるならば, ロ ン グ モ ア は ジ ェ イ ム ズの 意 識 を 担 っ て い る こ と に な ろ う.. 35.

(9) . 伊 藤 仙 一. 5 ロ ン グ モ ア は ア メ リ カ へ 帰 国 し て か ら, ミ セ ス・ド レー バ ー か ら, モ ー ヴ男 爵 の 自 殺 の 報 を 聞 く,. 彼は先非を後悔し許しを乞うたが, 彼女は頑として聞き入れなかっ たという, 「彼女は石のように 8 { 3 }で あ っ た と い う 彼 は 「た だ ち に ヨ ー ロ ッ パ へ 渡 氷 の よ う に 冷 た く 無 情 で 美 徳 の 怒 り そ の も の」 . 3 8 }と い う そ の { ろ う と い う 衝 動 に か ら れ た が, 数 年 た っ た 今 で も, ま だ ア メ リ カ に 留 ま っ て い る」 .. ときのロン グモアの意識を引用する, The truth i e ar en en erness o s memory o s ,that in t e m st o a i f i l b f l i fee l ing for h h M[adame de M[auves r o n s c o u s o s n u a -a e c a ee ng g , , e as come h. id. f l l th. d. tt. d. f hi. f. 3 8 ( } ch awe would be hardly too strong a name, whi. ロングモアのモー ヴ夫人にたいする熱列な愛情のこもっ た追憶の中核に, 「畏敬の念」 と呼んで もよい 「ある奇妙な感情」 があるのに彼自身 が気付いたという のである. 語り手は距離をおいてロ ングモアの意識について語っている, ここで語り手の前方にはロングモアがおり, その前方にモー 3 9 }こ う し た ヴ夫 妻 や マ ダ ム・ク レ ラ ソ が住 ん で い る パ リ が あ る と い う 場 所 的 な 構 図 に 戻 っ て み る. (. 場所的な構図を時間の構図へ変形させてロングモアの意識に入ってみると, そこに彼の記憶 が写し { 3 3 )の名の だされてくるであ ろう, モー ヴ夫人の夫を死に追いやったひ どい仕打ちは, 「強い友情」 もとに, 彼をアメ リカへ帰国させるために彼女 がと っ た強い姿勢をよみがえらせるであろう. それ はま た 過 去 へ 連 鎖 的 に さ か の ぼ っ て い く で あ ろ う, す る と そ の と き そ の と き に お い て, ロ ン グ モ ア. のなした対象の同定と軌跡の意味が反省的によみ がえってきて彼に畏敬の念を与えるだろう, それ f を「意識する(be conscious o )」の は彼である. しかし語り手はこの最後の場面で遠くからロング lは畏敬の念を与 えるもの モアの意識を眺めるだ けで決してそれと 一体化しようとしない. Seaga 4 0 { )「彼 女 が 夫 の i l dne tabl )」 eness として夫人が夫に示した 「情容赦のない冷たさ (co s s and unchar 4 0 ( )と の 皮 肉 な 対 象 を l i linaexibi ty)」 堕落した価値を拒絶するとき に示した揺るぎない道徳 (mora そ の ひ と つ に 挙 げて い る. Graham はロ ン グ モ ア が 再 び ヨ ー ロ ッ パ へ 行 け な か っ た 理 由 を い ろ い ろ. 4 1 ( }「嫌悪感がヨーロッ 挙げているが, そのなかには「……賞賛や希望が, 最初から嫌悪感と共存し」 4 1 ( }と か 「ュ フ ィ ー ミ ア の 理 想 の よ う な パ を は な れ て い る あ い だ に, 膨 ら ん で い っ た の で は な い か」. 1 { 4 )な 善を追求する大きな力を逆に残酷な面, 自己を化石化していく作用をも っていないだろうか」 どがある, これらの意見は一段と遠い観点からみたときの批評でありわれわれ が意識 を潜りぬけた ときみることのできる展望であろう. この事実はロン グモアの意識に集中するわれわれの視野は狭 いという限界を示すものではある が, しかしわれわれは視 点と意識 を中心に 肌α血伽e de 肌賜り鮎 を考察することによって, この作品 が Z跨e PのZm# げ α Lαの や 脳 A朔ろ婚sαdo7s に 連 動 す る ことを述べることができたと思う.. 註 Q) lenry James z 8 Comメメe Zα卿 げ 息蹴り 超“ 2 s e ,Leon Edel (London: Rupert Hart‐Davis, ,ed , 77 1962 l ), Vo .129 . .3 ,p 36.

(10) . ヘ ンリー ・ ジ ェ イ ム ズの 『モ ー ヴ夫 人』 について i ( ) David Gervais 2 toke: The Macmi l lan Press ngs β““ 入物2 e s(London and Bas ), , R履物β“ ”“〆 品 ,1978 p ,76 & p ,152 , F1auber t に つ い て ‘F1 t can on iy vi f ingsimpersona l auber ly on condi ion that she ew those suf t er ’ insi i d b l li h i ft h rema r reme a y per sona n er own vew o em, と 説 明 さ れて い る. ’ l l t one a い っ ぽ う Jamesに つ い て ‘Ye i imse td tance h l fenough from l so f ee sthatJamescan l s sabe for herto be t l ′ aken asa charact erto whom onecan respondf と述 べ reey られて い る, 1 ( 3 ) 筈Z Z B Cのカメ冴8 7 α/ B S .129 . ,P ( 4 ) 省脱ダリ p,130 .. 5 ( ) ( ) 6 ) ( 7 ( ) 8 9 { ). 省 ! み ダリ P .135 . 云 わ′ 〆 ,137 , , ,p めノ メリ p ,136 . ズ脱ぱ, p .139 .. See ′ f げ α 加d l i z e po“ bners Sons m! e s scr ), Vol , Henry lames y(New York: Char , 7ソ ,1936 ,1 , ,pp 91-93 , f I Tr i ( l l 1 の c l one ng g ”わ勿セ′ Z ’ “αg” 7 α友o , z(New York: Doub ),p eday & Company , Li , “z . .210 ,lnc ,1597 7 を 1 3 3 1 ( 1 ) ZZ Z β Cの,ゆ誇彰 7 αs . , ,p. ( 1 ) Zbiぼり pp.140-141 2 . ( 1 3 ) 必ずd . .144 , ,P ( 1 4 ) する′ダリ p,145 . f ー ( 5 ) c f る誇れか 煮物zgs (oxford: Basi I B1ackwe l l Z β Lのeγ Sかを Q , Seymour Chatman, TZ .10 ,1972), pp -22 . ( 1 の. 刀2 7 扇β f 8 Cの“〆g β7 s . , P.153. る ぞ α ( 1 7 ) す . . ,159一160 , pp る ! 1 メリ p ( め す . ,168 る ぞ α 1 ( 9 )す . ,172 . ,p i dev Va ( 2 0 ) Kr i d shna Bal i i dge; Harvar ty d Univers s(Cambr , 物c加〆塑e 雀” 功e α如 け 鼠効 か 如mB Pr ) es s . ,1964 , P.136 ‘on the other hand thi ion between the super ior s advantage becon : l esthe source ofi roni c tens , ’‘ i knowl d ft h d i e ge o erea er and the comparat vei sadvantage’と は 読 者 が gnorance of Longmore . th ま えも っ て 得て い る情 報の こ と をい っ て い る, lbaere‐Garant Jeanne De Z i ion 《Les きte d’Bdi t “e s′ 77 2 O” z ce (Par s: Soci 8 VZ S , qf Fm’ , る脳2か 超’ Be l l t ), P.240 es Let res》,1970 , James Kraf t i l l inoi z B Eqγ伊 α′ s ザ 強捌● g e and Edwardv e: Southern nl s (Carbondal ’ s γ 加 me , 77 Un ivers i 1 P 9 6 9 ty Press 5 9 ) , , . , T礎 Cの物を解 7 7 扇e ( 2 1 ) 7 s .155 , ,p ( 2 ) ノ厨ダリ P.177. 2 雀 f ( 2 3 ) Tzvetan Todorov, 77 l I Univers i 2 8 Pog s qf Pγ o sg t r c ty Press . Richard Howard qthaca: Corne , 1948 ),p .145 . 7 扇e ( 2 4 ) 77 2 s 8 Com汐海解 7 . , P.178 Z わ ! P メ 1 8 0 ( 2 5 ) リ . , る 雀α, p ( 2 6 )ぼ ,182 , ( 2 7 ) Z虚〆 . .185 , ,P メリ p ( 2 8 ) “ズ .182 , M i f 回 c r to and Windus us Bewl ey a c c靭 鱗c D郷を“ (London: Chat ),p . , Z脳 E .230 .こ こ で ビュ ー ,1959. リーは 「二人が充実した生を生きていること自体がモーヴ夫人と, マダム・クレーランなどの倫理の性格に対 する批判なのである」「二人の結びつきが少しばかりうたかたのものであってもそうである」といっている, ロ ングモア自身に対する批判でもあるとロングモアは意識しているであろう. 1 ( 3 0 ) ZZ z 8 Co ’ “P′鑑8 7 α‘ B S .190 . ,p 1 9 1 ( 3 1 ) する雀〆. P . , ,. 37.

(11) . 伊 藤 仙 l(New York: Grove Press r f 3 { 2 } c s ed, A1bert Mordel e如か 尺勿卿り s mzd 島卿y ,1979), , Henry james , Li 4 4 0 7 0 9 - pp . .. モーデルは精神分析的に夢解釈をおこない, ロングモアにジェイムズの意識が投影されていることまたロング モアの夢はその女性を所有したいという願望達成の夢であることなどを述べている, それが達成できないのが ‘anxi t ofthe dr ty par eam’だ とい う. e 1 倦め Z脳 Cのれ〆略e 7 αをs .194 . ,p. 偽 4 ) 省bid. .196 . ,p 鰯 ) Z6幼. .197 . ,p めばα . .198 . ,P 省 i b d 栂 7 ) .199 . . ,p ( 3 勧 め侃, p .209 . l i ),P I Hi l l: Nor th Caro na Pres s z e se αたル ルγ Rorm (Chape 棚 ) cf .92 . rd ,1969 .J . A. Wa , 77 th Grahamn i ze’す る 点 に つ い て 述 べ て い る, Kenne ワー ドはバ リの絵画的構成が作品の構成を‘symbol ,. (凋. 品鋤か 超’脚s′ 77 z B Dm’加” c 九‘第 加 勿≠(oxfomd: C1arendon Press ,15 . ,p ,1974) 26一27 Press 1969 i Yal Uni ) t H L 〆 7 7 〆 N r 兄 i n e e s p : v p ( a v e z ” y B 堺 の e w 回 . e c ) ora segal . , , , th Graham,p go o力 .i4 . . Kenne . “≠. 参考文献 97 7 行方昭夫訳 『モーヴ夫人・他三篇』 八潮出版社, 1 (本学助教授 旭川分校). 38.

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