民俗学の研究成果を組み込んだ中学校社会科歴史授業
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(2) 社会認識形成のために習得させるべき知識とは,説明. 要約:米田) 森分氏は,マシャラスが生徒と共におこなった歴史. 的知識と概念的知識である。なぜならば,先に明らか. 叙述の分析を,へンベルの理論に従った分析であると. になったよう-に,社会認識教育としての歴史教育にお. して紹介している.例えば, 「なぜ,カーストが起っ. いて重要なのは,社会事象問の因果関係の認識をさせ. たか」という問いに対する説明を取り上げて, 「大前. ることにあったからである。因果関係を明示した知識. 提,すなわち説明の基礎となっている一般的あるいは. は説明的知識であり,それを一般化したものが概念的. 確率論的法則に注目」 (② p.67)することで,歴史. 知識である。これらの知識は,社会のしくみや時代像. の科学的説明になるとしている。. をとらえさせるうえで重要な知識となる。. 従来の歴史教育では,一般化された説明が教師によっ. それでは,歴史教育に説明的知識・概念的知識をど. てなされ,生徒は無批判にそれを受け入れさせられて,. のように位置づければよいであろうか。歴史事象の記. 事項暗記を強いられてきた。単なる事実の習得ではな. 述の内容との関係を次に論じる。 棚橋健治氏は,歴史を科学的に説明する時に操作さ. く,マシャラスのように科学的な内容を科学的な方法. れる知識を「歴史的知識の構造」として以下のように. で習得させることが重要である。 以上みてきた社会認識教育としての歴史教育は,次. 6層でとらえている。 (⑥, p. 125) 1. 「事象の構成要素」 2. 「事象記述」. のように整理することができる。. 3. 「事象解釈」 4. 「時代解釈」. 1.社会認識教育としての歴史の教育の本質は,磨. 5. 「社会の一般法則」 6. 「価値的知識」. 史事象(民俗事象を含む)間の因果関係の認識を 社会諸科学の研究成果を用いて分析させることで. 1. -5.が事実的知識で,その上に「価値的知識」. ある。 2.歴史事象(民俗事象を含む)間の因果関係を認. があり,入れ子型の層構造をなしているとしている。 (⑥, p. 125)これを図示すると図Ⅱのようになる。. 識させることは,歴史事象に対して「なぜ」と問 い,解答していくことである。. 事象の構成要素. 3.その解答は,歴史の科学的説明である。それは. 事象記述. 事実的知識. 社会諸科学の中から解答を抽出し, 「∼だから∼. 歴史的知識. である」という因果関係の統計的確率の高い言明. 時代解釈. -I 価値的知識. をめざすものである。. 事象解釈 社会の一般法則. 図Ⅱ棚橋健治氏の「歴史的知識の構造」. Ⅲ知識の構造と歴史事象の記述の内容 ここでは, Ⅱでみてきた歴史の科学的説明を知識の 構造に対応させて,どのような知識をどのように操作 すればよいかについて論じる。歴史教育においては,. これを岩田氏の知識の構造と比較考察する。棚橋氏 の「事実的知識」と「価値的知識」が,岩田氏の「事. その時代の社会のしくみや時代像を把握させる知識の. 実関係的知識」と「価値関係的知識」に対応している. 習得がなされることが重要である。そして,それが科. ことがわかる。 棚橋氏の「事象の構成要素」や「事象記述」は,事. 学的な社会認識形成に結びついていないといけない。. 象の構成要素である用語とその組合せである。岩田氏. そこで,社会認識の科学化を主張する岩田一彦氏の. の「記述的知識」は, 「社会に存在する諸事象を次々. 「知識の構造」に依拠して論を進める。. と記述していく型」 (⑤, p. 12)である。よって,棚 橋氏の「事象の構成要素」と「事象記述」は,岩田氏. 岩田氏の知識の構造を図Iに示す。 (⑤ p. 18). の「記述的知識」にあたる。. 記述的知識. 事実関係的知識 知識. I. 分析的知識. 次に,棚橋氏の「事象解釈」は, 「いくつかの事象. 説明的知識. の関連を探究することによって,ある事象がなぜ生起. 概念的知識. したのか,その結果どうなったのかといったことを説 明するものであり,それは1つの解釈を示している」. 価値関係的知識-規範的知識 図I岩田一彦氏の「知識の構造」. (⑥. p. 124)ものである。岩田氏の関連に関する分 析的知識とは, 「明確に因果関係を示してはいけない けれども,社会事象の関連を認めて説明している」. 岩田氏に依拠すれば,歴史教育において,科学的な. (⑤, pp. 14-15)ものである。だから,棚橋氏の -36-.
(3) 「事象解釈」において,関連の探究が明確な因果関係 を明示できない時,岩田氏の「関連に関する分析的知 識」と同一のものと考えることができる。そして,こ. 社 会認識 の過程. の「事象解釈」において,因果関係が明示できた時,. 耶実記沌. 岩田氏の「説明的知識」と同一のものとなる。なぜな. 日的認識. ら,岩田氏の「説明的知識」は, 「『AはBが原因であ る』というように特定の社会事象を因果関係的に説明. 関係認識. した」 (⑤, p. 15要約:米田)ものだからである。よっ て,棚橋氏の「事象解釈」は,習得される知識に因果 関係が明示されてない時は岩田氏の「分析的知識」に. 知.Q の 歴 史邪教の記述 間道 の内容 串象の帥成 要素 記述的 群銀記述 分析的 都銀解釈 脱明的 時代解釈 脱 . 概 時代的造 概念的 社会の一般法則. 囲Ⅲ歴史事象の記述の内容を分析する枠組み. あたり,明示されているときは「説明的知識」にあた る。さらに,棚橋氏の「時代解釈」は,総合的な解釈. Ⅳ民俗学の研究成果を組み込んだ授業の構成. である。総合的な解釈をなすためには,社会事象の因. Ⅲより,民俗学の研究成果を社会科歴史授業に組み 込むには,民俗学の研究成果の中から因果関係を明示. 果関係的説明がその基礎になければならない。しかも, その説明が特定の時代においてなされるのである。だ. している知識である説明的知識・概念的知識を抽出す. から,棚橋氏の「時代解釈」は,岩田氏の「説明的知. ることが重要であることがわかった。しかし,それだ. 識」にあたる。. けでは,授業を構成することができない。そこで,図. 次に,棚橋氏の「社会の一般法則」とは, 「喝代解. Ⅲの枠組みを用いながら,民俗学の研究成果を組み込. 釈」を超えて他の時代の社会事象に転移・一般化され. んだ授業のあり方について論じる。. るものである。これは, 「法則性を表現している一般. 授業で取るべき社会認識の過程には,関係認識の過. 命題として提示される」 (⑤, p. 16)という岩田氏の 「概念的知識」と同一である。. 程が含まれていなければならない。その過程には〔事. 棚橋氏の「歴史的知識の構造」は,歴史事象の記述. 識〕の2校型があるO前者は歴史事象の意図・日的を. 実認識-関係認識〕と〔事実認識一目的認識-関係認. の内容を分析するのに有効である。しかし,それらを. 明示しないで,説明的知識・概念的知識に至るため.. すべて事実的知識でくくってしまっているために,ど. 知識の質が低くなる。後者は,歴史事象の意図・日的. れだけ説明力のある知識を子どもが習得しているか,. を明示して説明的知識・概念的知識を習得させること. そのレベルを知ることが必要になる。そこで,岩田氏. になるので,科学的な社会認識形成にとって有効であ. の「知識の構造」をもとに,棚橋氏の「歴史的知識の. る。しかし,図Ⅲに示したように,説明的知識として. 構造」を組み込んで,歴史事象の記述を分析する枠組. 事象解釈をさせる過程と時代解釈までさせる過程を考. みを考える。. えることができる。社会のしくみや時代像が見えるた. この枠組みには, 「時代構造」を付け加える。 「時代. めには,後者のはうが有効である。すなわち,科学的. 構造」とは,個々の歴史事象を因果関係的にとらえた. な社会認識形成に有効なのは, 〔事実認識一目的認識. 時代解釈をもとに,各時代の社会のしくみや時代像を. -関係認識(時代解釈) 〕の社会認識の過程である。. 長い時間の幅でとらえさせるものである。続いて,こ. さらに,時代解釈をもとに,説明的知識・概念的知. れらを社会認識の過程を対応させる。社会認識の過程. 識としての時代構造をとらえさせなければならない。. を事実認識・目的認識・関係認識に分類する。事実認識. これには,長い時間の幅が必要なので,単元レベルで. の段階は「知覚による判断」の段階である。この段階. 構想すべきである。. に記述的知識を対応させる。目的認識の段階は,歴史. 以上のことを,具体的な歴史事象の記述の内容に即. 事象の意図・日的を追求する段階で,分析的知識を対. していえば,次のようになる。まず,事象の構成要素. 応させる。関係認識の段階は,社会的状況や社会背景. やそれを組み合わせた事象記述によって,具体的な事. を因果関係の中でとらえ,社会のしくみや時代像を追. 実やそれを取り巻く社会的状況といった豊富な事実認. 求する段階である。これに説明的知識・概念的知識を. 識をさせる。続いて,事情の意図・日的をとらえる目. 対応させる。. 的認識をさせる。そして,なぜ,その事象が存在した. 以上のことをもとに歴史事象の記述内容を分析する. かを客観的な状況からとらえる関係認識をさせる。こ. 枠組み図Ⅲのように提示する。. の関係認識は,一つの事象解釈とそれをもとにした時 代解町広い時間的範囲でとらえる時代構造,さらに 社会の一般法則という幅をもっている。 -37-.
(4) このような認識の過程をたどらせることによって. 浄土措仰 当 麻寺 の 現行民 俗を 扱い当 時の地方 税を 潮位さ せる . 仏の面を つけて 行う仮面行 列で あるr当 聴専 おねリ のおねt }J は. 唖薬沖土から 死 者を 迎えにく る場 面を 表し てい る. 平 安兼糊 の阿 弥陀仏に すがっ て唖兼浄 土lニ 生ま れg:わ ろうと する 汁 土け 仲を よく 九 現している も のと し てとら え させる .. その時代の社会のしくみや時代像をとらえさせること ができる。それは知識の構造からみると,説明的知識・ 概念的知識である。つまり,社会認識教育としての歴 史学習の過程は,説明的知識・概念的知識を習得する. Jt業の宛 府鋤 水事 逮 田 兼. 過程である。 以上の考察から,中学校社会科歴史的分野において 扱うことができる。民俗学の研究成果を組み込んだ匹・. 中心とし た坤漬集 落や 首座を 敬う. 官 惣村の 成 環濠集結 近畿を 立 首座 座の成立を農 民のは済 力の 成長 の 摘果とし て 扱い ▼その熊田 の較集 性は I:奴の l 原動力に な つ たことをとら えさせる -. 容構成を表Iに提示する。この表の作成には,図Ⅲの 枠組みを用いた教科書と授業実践の分析から,科学贋 社会認識形成に有効なものを組み込んだ。 (⑦). とt tLと 取 - A S (汁 土 I . 中 - 向 一択 - 向. . 7r tの n の成立 Ⅰ う . 向 ォ (r t ア* 3 ) 溝 の伊徒集団である 碑の 梶無性 が. 一次の 原因 と V o たことt と らえさt i .. その際,以下の点を重視した。 (1)今までの歴史学習で軽視されてきた日常性や生. 裏町 文化 きざ 舞 艇画角. 活の視点を重視する。. かの取乱が瓜田と なって .文 化が 地方に伝 紺 し たことを梓 和好のきざ 舞を 抑こ 扱う . 耗固 群の扶持を 町衆の蛙済 力の 成長の 総菜とし て とら えさせる . 絶J .正す 蛇.荘官. 連帆 お加京 子を 文化の T地 上と し て扱うl 能 の完成を 現在に 伝氷さ れている 田 夷 と 関 連 さ せ る . 連 歌 はr 寄 合 の 鼓 的 Jと 連取 て扱う. お 伽草子は. 向工 黒毛が 新しい 身 お 伽耳子 し 分と し て始威し てきたこと を 示すも のとし て !サ ・ >. . 尻迫り 住宅挿 式の 文化を扱う . 現在と の 関連に 冊薫 する .. (2)この表に組み込まれるものは,民俗学の研究成 果で説明できる歴史事象とする。. 性. (3)その説明は,歴史事象の因果関係を明示したも のであり,社会のしくみや時代像が見えるもの (時代解釈のできるもの)とする。. 桃山文化 歌 舞伎 浄 瑠璃. これらのことをふまえて,民俗学の研究成果の中か ら説明的知識を抽出する。そして,社会の一般法則を 他の社会諸科学の研究成果も組み込む。. 産集の宛 IL 果 逮 穀粒 網元l柄 チ. 表I民俗学の研究成果を組み込んだ内容構成 旺 史ホ 魚. 民俗 事 ■. 杜 会 の し くみ や剛 t 像 とm m 連. 及 tf fi .t .'魚. 原. 土偶 抜緒. 干 枕ql札 載 冶仇 礼. 若 者組 の 曽 俗. 板 塀伝 承 な どの現 行 の民 俗 に 関連 させ る . 抜 Q ,は. V :会的 榊lR A の一 人 と して 托め ら れ る肌 礼 であ った こ とを と らえ さ せる.. 氏 姓 制度 古城文化. 絹の熊リ 木 柵 . rP. m m 神へ の 析 リ. 伝 承 され てい るア エ ノ.コ ト 呼 の Jtm 蝕 礼 と間 述 させ る.. 奈良時代 来期の政 令. 平 放言 桝 の未 到 人 w. 呪 い の人 形 . 輸 し誰. 人形 の 梗能 と関 連 させ i . 腹 人 形 の現 況 は形 代 (か た しろ) で l こ れ に嬢 や 禍 を 移 して旅 した . 教鞭 の抹 殺 を耶 い. 米 穀 人形 を作 った こと をと らえ させ る.. 湖 れ た粧 田収授. Jt A (Jg 物 ). .松 均 天 神 絶 世一 の府 功 を扱 い, JI A の退 歩 L= 上 .} 荒地 の 開 墾 が 有力農 民 le i.つ てな され その 枝 折 力の 成 焦 が班 田叔 按 がhI噴す る原田 と な った こ と をと らえ させ る.. 抗間政治. 婚姻. 仔B t氏 が 権 力 を担 リ. m 関 政 治 を行 いえ たの は▼ 当時 の相 的 T" 休が 大 きか った こ と に触 tt. ち. また . 母系 を中心 とす る 社会 か ら父 系 を d Eん じる 社会 へ の 転換 糊 であ つこ と にt,必 れ. 平安時代 の旺 民 生 括. 衣食住. 也. 宝町剛t来期の 戦乱がおさま っ た 明. 括 Bn= 風紙用がyl行し ▼その中から 出 来 の伺 図が出 たこ とをとら えさせる .. Bt業の殆 JtA の 中舟など の鼻A の 進歩が 新田開 遠 千Q.こせl 蘭 連 * 宛と 吋 l 応して , A 某生 産力が 向 上し たこと を とら えさせる. とらえさせる段階では,民俗学の研究成果だけでなく. 帆. .石山寺経度捻世 一 (水本 ) 上リ Jt莱生 産の 過少をとら えさ せl 作人 や下 人の名 主から の 自 立を 扱う . .法然上人 給伝 J の(田けえ ) より 純の淋枕で あるB]兼を 扱い . 現行民 俗膿 札の田兼と対 比さ せ. 軟の収 任をTP祝する A 民の心 薫をとら えさせる .. 近 交通の苑 北的 柑 逮. 元杜文化 人 形沖瑠 町人文化 琳 歌舞伎 衣食 住. 誰 某の相違や 特産品を 扱う . 網元. .銅子の 閑 恥,. 施主ー 小作人と r qじ く n x.約1-t,の IL あっ た. t A付L =わける yt杓 提訴の tL議を 扱い 網元.杓子に上る 相. 分化の 状況と 全 B)的な 向晶の沈遇をとら えさ せる. 交 通の18連による 文化 の伝, .を 扱う . 北前 船 を 主体と する四 担弥運 の刑和 的発 達が. 大 坂 を中 心と する 全国的病 圏を 拡 大さ せる ととも に . 均表地や8 本撫仇 ー の地域 の 枝折.文化を も 邦述させたこと をとら えさ せる . 人 形浄瑠璃や 歌舞技は 厳し い 身分 糾虎を 甘煮 とし た作品が多 いことをと ら えさ せる. r1人の桂済力の 成長が 衣食住 に変 化をも たら した こと をとら えさせる .. 化攻文化 盆項リ D=戸剛tの 農民の生 活を. 年中 行事や 信仰生 l 衣食住など からとら えさ せる .封 建杜会 民衆の生 E-. 串札 括 世 括 年中 行事 にあり ながら , 束内 安全や 丑作を 折っ たリ . 伊野夢リ 点 咽を 兼し んだ Jt民の 心意t=と ら えさ せる . 溌申E &仲 救民 伝射ま す姓 一晩と 関連づ ける . 所持 爪辰 救民捨 印 のロ の r干すて の歌j 上り .* 生 活と tan の 子をとら えさ せる. ま た .捕 手の送リ itの 干すての 相 ll 現行 の民俗flA を 扱い .そ の起 甑を 飢技と の 顔手 の送 関 連でとら えさ せる . Ut 難 雷雲雷 雷管ア附 を 脚 と 鰯 の鵬 か 庶民の 旅.. 古. ち.. 代. .巴拍 山s ォ坤 山 岳 仏轍 山 錬壊 遭 . 弘 法 伝 挽 望洋. 伝 ホ され て い るiiia m ffや弘 法伝 蛇 を伍 う. 空 群 は, 山 中 での 仕業 を& ん じて . 祈 リの力 で何 気 や 淡 い を除 こ う とした. そ の枚 え は貴 族 の間 L=広 が り, 駿 に道長 は金 峰山 に歩 押 し て い るこ と に放 れ る.. 菅 原 道真 の 左並. ifW M K fc め < る OT H B OT を . fl l* 維 棚 か ら m 叩 政 治 f* fi ー へ の けH IMに み られ た並 義 一 原 忠 平 の政 拾 粗娘 と. J! 原 昭平 の それ との対 立 の 冶 柴 と して爪 Dtlしてい る こと を と らえ さ せる.. SIB. Ⅴ民俗学の研究成果を組み込んだ歴史授業モデル. r餌 大 山 操起 地 軸 や r今 甘物 niJ 呼 を使 I, て. 当時 の舵 民 生 活 を とらえ させ る.. Ⅳに提示した学習過程は,一般にいわれている概念 探究型の学習過程である。基本的には,図Ⅳのように 設定できる。 巨画.、 '- /・蝣蝣…・』・*llw ・'.・'!.・,古川・'-U]、 iiviiは詛, 」(H.Ye」l. 一画係考察・療珂-. 巾+.ーⅠ HH、 い- I. ⑥まとめ・応用. 図Ⅳ概念探究型社会科の基本的学習過程 -38-.
(5) この6段階の過程に先に検討した社会認識の過程を. どの民俗事象からその因果関係を探究させる。以上の. 組み込んでいくことによって,社会のしくみや時代像. 検証をもとに,まとめの段階では,先の説明的知識を. といった,説明的知識・概念的知識が習得される。 ここでは,中学校社会科歴史的分野の単元「室町時. 習得させる。最後の応用段階では,習得した説明的知 識を一向-按や国-撰に応用して考えさせる。ここで. 代の都市・農村の生活と文化」 (3時間完了)を取り. は,当時の民衆は,支配者に対する要求を凝集性の強. 上げ,具体的な授業モデルを提示する。 (⑦). い団結による武力闘争で解決しようとしたという歴史. 組み込まれる民俗学の研究成果は,宮座・祇園祭・. 学の「下魁上」の概念を用いて,時代の特徴をとらえ. 能・狂言である。抽出された説明的知識は次のように. させる。. >&m. 学習指導案の検証段階を次頁図Ⅴに示す。. 1.宮座:農業生産力の向上は,農民の自立を促進. 第2時では,現在に伝承されている祇園祭を取り上. し,農民は惣村を守るために宮座を結成した。宮. げ,当時の町衆の経済力の成長によって復活されたこ. 座は神の前に結集するという平等の原理に支えら. とを扱う。応用段階では, 2.の説明的知識を堺の36. れ,凝集力を強め, -按の原動力となった。. 人衆に応用させる。. 2.祇園祭:応仁の乱で途絶えていた祇園祭が復活. 第3時では,民衆文化の高まりを取り上げ,祇園祭・. したのは,京都の町衆の経済力の成長によるもの. お伽草子・連歌・能・狂言を扱い,社会のしくみや時. である。. 代象と関連づけて「文化の下魁上」としてとらえさせ. 3.能・狂言:経済の成長によって都市が形成され. る。第3時は,この単元や室町時代のまとめの時間. ると,芸能者が集住するようになる。その結果,. として,次のような時代構造としての説明的知識をと. 田楽・猿楽に源流をもつ能は,世阿弥が京都にの. らえさせることをめざす。. ぼることにより,幕府に保護されるようになる。. 室町時代には,歴史の表層ばかりでなく,基層に. このように室町時代には,底辺に息づく文化(基. おいても民衆の経済力の成長によって集団の凝集性. 層文化)が表層文化となった。. が高まり,生活や文化の面でも「下如上」が起こっ. これらの説明的知識は, 「なぜ,その民俗事象が起. ていた。. こったか」をとらえさせるためのものである。この説. すなわち,生徒に「民衆の経済力」 「集団の凝集性」. 明的知識を育成するために必要な要素的知識として,. 「下如上」を因果関係的にとらえさせることをめざし. 分析的知識・記述的知識を抽出する。説明的知識の育. ている。. 成につながらない分析的知識・記述的知識は組み込ま. そして,室町時代の学習を通じて,どの時代にもい. ない。このようにして,目標が「知識の構造」として. える社会の一般法則(概念的知識)を次のようにとら うさせることをめざす。. 構造化される。 それでは,第1時を中心にして具体的に見ていく。. 農業生産中心の社会や初期商業主義社会において. 第1時では,先の1.の説明的知識がEj標として明. は,民衆が経済的に成長すれば,凝集性をもつよう. 示される。民俗学の研究成果である「宮座」を社会の. になり,その力は支配者に対する武力闘争として現. しくみや時代像が見えるように, 「宮座」の機能と土. れる。また,表層文化にその力が反映される。. -按という社会事象とを因果関係的にとらえさせるこ. すなわち,時代の枠を耽り外して,農業生産中心の. とを意図的に行う。導入段階では, 「正長の土一校の. 社会や初期商業主義社会における法則を,概念的知識. 碑文」や「大乗院日記目録」, 「土-按の年表」, 「土-. としてとらえさせることをめざしている。. 按の分布図」から土-按の事実認識をさせる。学習問 題把握段階では,導入段階で子どもが疑問に思ったこ とから, 「なぜ,室町時代に農民の団結した土-按が, 近畿地方を中心にして多発したのだろう。」という学 習問題をつくらせるように設計する。続いて,予想・ 仮説設定段階では, 「農民が経済的に成長して自分た ちの生活を守るために団結したからではないか。また, 商工業者も-按に加わったのではないかo」と予想を 仮説化する。そして,検証段階では, 「風俗図犀風」 などから農業の進歩をとらえさせ,現在に残る奈良の 環濠集落や滋賀の寄合.今堀日吉神社の捉・起請文な -39-.
(6) く第1時検証段階の学習指導過程). ;Qiiit!E闇EH憾迅ヨ屈 征しよう.」 ① r戯民生産力の状態を調 べよう.」 <A-2> (田植えや軒概の梯子の 賀料6・7を提示). ・ 「当時の戯業の梯子 を来した資料があれば よい.」. 6 「風俗 図厨風」 (田植え の図) 7 「たわ らかさね 耕作絵巻 J (竜骨 草の図). 変以外の物も ﹂. °. . 1 1 >. た. 作. . ﹁いつ. ・当時の農民の生活のp 8 「現瀬 梯子を社会のしくみと 集落」_の SL 合わせて考えさせる. 廻 ﹂ 3 9. るに2 守り一. をわA. ② 「戯民の生活の梯子を調 べよう.」 <A-3> ( 「環濠集落」のSLを 提示) 「なぜ.村のまわりに溝 を作ったのだろう。 J rどうして守る必要があ ったのだうう. 」 ③ 「源を掘る以外に,村を 守るために団結していな かったか調べよう. 」. .て ﹂米れ. ・ r鉄製の戯具を使っ ていた.」 ・草や草木の灰,牛馬 の糞が肥料だった. ・ 「二毛作が進んでい. *農具や肥料が進歩し 農業生産に余裕が感じ られる. [A-1] ・鎌倉時代の農業の進 歩を想起させる. ・農業の進歩によって 工業原料や商品作物が 作られるようlになった ことを柿脱する.. ・ 「自分の村を守るた めに.J I r職乱のために,作 物や家が危険にさらさ れていた. 」. *取乱から村 めに,村のま を掘った. [. ・ 「判り刺こ豊作を祈っ ている.」 I r村を守るための結 し合いをしている. 」 ・ r田始を効めるため に.」 ・ 「自分たちの村を守 るために. 」. ・稲作の過程は神への 祈りとともにあったこ とを柄脱する. ・現在に伝わる「首座 」であることを知らせ る. *寄合では,入会地や 用水,祭りなどについ て指し合った. [A-3]. <八一5>. 汽料9提示 「SLから考えよう. 」 「神社に染まって何をし ているのだろう. 」 ④ 「滋賀県の今堀では,質 料のような蛇があった. 何のために,こんな厳し い控を作ったのか. 」 資料10提示 (り「対外的には,何をした のだろう.」 <A-4> ⑥ 「団結の力は強かったの だろうか.次の文章から 考えよう. 」 資料11提示 ① 「近敢地方の虎業は殆連 していたのだろうか. 」 賀料12提示 ◎ 「商工業者は一炊にどの ように関わったのであろ うか.J. ・ rきょうの原初に見 た徳政令を要求したの ではないだろうか. 」 ・ 「榊の前での誓いを 破ったら,剛を受けま すと背いてある. 」. ・一炊にたつ前,これ らを記した誓紙を燃や し,その灰を神水に特 いて飲んだという伝承 に触れる. [A-5] ・ 「当時の産業の分布 *近敢地方を中心にし 図を探すとよい. 」 て米以外の特産物も多 ・ 「米以外の特産物も く生産されている. 近敢地方に多い. 」 [B-1] ・ r正長の土一決」の 発端は.近江の馬借の 起こした-投であった ことに触れ.次時で扱 うことを知らせる.. -40-. 五mm引. 神社の寄 合」のS L. 10 「惣の 規則」 ( 今塀自書 IMSョ凹 ヽ ノ. ll r起訴 文」. 12 「中性 の産業と 都市」の 地図.
(7) Ⅵ結 89年度版中学校学習指導要領一社会[歴史的分野] では, 「日本人の生活や生活に根ざした文化」の学習 が明記され,民俗学の研究成果を組み込む範囲が広め られた。しかし,生活というと,とかく古い時代の痕 跡を採集するという懐古癖や古風に遊ぶ風流に陥って しまう危険性がある。科学的な社会認識形成からはほ ど遠くなる。それを克服するためには,以上述べてき たように,社会のしくみや時代像が見える説明的知識・ 概念的知識として,民俗学の研究成果を組み込まなけ ればならない。 【注及び引用文献】 ①岩田一彦「社会事象の分析視点と社会科授業の構 成」 『教育科学社会科教育』 No. 231明治図書 1982. 7. ②森分孝治「歴史教育の革新丁社会認識教育として の歴史教育」 『社会科研究』 No. 20日本社会科教. -41-. 育研究会1972. 3 ③森分孝治氏は,説明を求める問いを「何」 「いか に」「なぜ」の3つとし, 「なぜ」という問いのみが 事象がおこったことや法則が成立する原因を明らか にする科学的説明を可能にする問いであるとしてい る。 (森分孝治『社会科授業構成の理論と方法』明 治図書1978. 9 p.91) ④神山四郎『歴史入門』講談社1965. 4 ⑤岩EEl一彦編著『地理教科書を活用したわかる授業 の創造』明治図書1984. 4 ⑥棚橋健治「授業理論と授業構成一歴史学習の進め 刀-」伊東亮三編『教職科学講座13社会科教育学』 福村出版株式会社1990. 5 ⑦教科書分析・授業実践の分析,授業モデルの詳細 については,拙稿『民俗学の研究成果を組み込んだ 社会科内容・授業設計論一中学校社会科歴史的分野 を中心にして-』 1990年度兵庫教育大学大学院修 士論文1990. 12を参照されたい。.
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