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特別な教育的ニーズを持つ児童が在籍する通常学級における授業作りについて-学級アセスメントを活かしたユニバーサルデザイン型授業の工夫-

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Academic year: 2021

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(1)特別な教育的_一ズを持つ児童が在籍する通常学級における授業作りについて 一学級アセスメントを活かしたユニバーサルデザイン型授業の工夫一                      専攻   特別支援教育学.                      コース  特別支援教育コーディネーター                      M07120B 木下 裕紀子 I 問題と目的. (4)研究の概要.  特別支援教育の本格的な実施に伴い、発達障 害等の特別な教育的二一ズを持つ児童が在籍す.  これまで通常教育で行われてきた授業構想の. る通常学級での指導に注目が集まる中「ユニバ. 障害等の障害児、担任の二一ズを把握した。三. ーサルデザイン型」の指導実践が文献等で紹介. 者の二一ズから考えられる、教材、展開、支援、. されている(漆澤,2007)。L D等の児童の約7. 評価、環境の工夫をシートにまとめた。また、. 0%は全体への効果的な指導で対応が可能であ 全体に対して行う指導の実行可能性が高いこと から(海津,2007)、ユニバーサルデザイン型の. 指導形態としてはTTによる複数体制指導を取 り入れ、T1(一斉指導)を担任、T2(個別 支援とT1の指導補助)を筆者が行った。指導 内容は両学級とも算数科(図形領域)で、5年. 授業は、個と集団への指導効果が期待できる授. 生『三角形と四角形の角』、4年生『角とその大. 業スタイルであると考えられる。しかし、紹介 されているユニバーサルデザイン型の指導は、. きさ』であった。. 障害児の二一ズから考えられる指導の工夫を学.  学級と発達障害児等の二一ズの把握を目的に. 級にもよいと想定して実施されている印象を受 けるものである。通常学級は大部分が標準の二. 以下のアセスメントを行った。. 一ズの児童であるため、学級集団の二一ズにも 着目し(坪倉,2007)、個と集団の二一ズの調和.  WISC皿、K−ABC等の心理教育アセス. を図った指導が必要である(宇野,2007)。本研. ルなアセスメントを行った。. 視点にアセスメントの視点を加え、学級、発達. ることや(海津,2007)、学級担任は、個別より. (5)アセスメントの対象と方法. 【個人アセスメント】. メントと、行動観察や作品によるインフォーマ 【学級アセスメント】. 究では、認知の視点から学級アセスメントを実 施し(篁,2007)、個と集団の二一ズの調和を図 証する。そこから、通常学級における障害児と.  学級集団の学び方の傾向と教科への関心、意 欲を把握するため、認知処理様式を用いた「学 習スタイルアンケート」とr算数アンケート」. 学級集団への効果的な指導の在り方を探ってい. を行った。. ったユニバーサルデザイン型授業の有効性を検. くことを目的とする。. 【担任アセスメント】. π 方法.  担任の指導二一ズを把握することを目的に、. (1)対象. L D I(上野ら,2005)の観点を用いた「学習.  A市立B小学校第5学年C学級(40名). と行動のつまずきチェック」を行った。.   対象児:ウィリアムズ症候群児(W児). (6)評価.  D市立E小学校第4学年F学級(27名).  児童のワークシートや授業記録の分析、学習.   対象児:高機能自閉症児(P児). の振り返りアンケート結果、担任との面接の内.   ADHD傾向児(A児)、LD傾向児(L児). 容から評価を行った。. (2)実施期間 200X年4月∼10月. 皿 アセスメントに基づいた指導の実際. (3)介入方法. (1)5年生における授業.  担任との同室複数指導、担任との相互コンサ.  学級アセスメントの結果、学級の傾向として.  ルデーション. 体験や視覚情報を活用した同時的な学びの二一. 一244一.

(2) ズが高かったことから、「視覚提示教材」や「操.  4年生のアンケート結果では、「学習が楽しか. 作活動」を充実させた。三角形の内角の和を調. った、わかった」と答えた児童が約9割であり、. べる学習では、一人ひとりの三角形の敷き詰め. 指導の工夫が学級全体の学習への意欲や理解に. 等の操作を取り入れた。このとき、W児には大 きく厚みのある図形を用意し操作しやすいよう に配慮した。また、自由に考えたいという学級 の二一ズと40人の児童を主体的に学はせたい という担任の二一ズから、ペアでの学び合い学. つなかったことが考えられた。担任も、中問層 の児童を引き上げることができたという実感を. 持っていた。方法の中では、TT指導が全体に も対象児にも評価が高かった。事前に指導の役 割を明確にして授業を行ったことで、児章のつ まずきが予測でき、即対応できたことが効果に. 習を取り入れた。. (2)4年生における授業の工夫. っながったのではないかと考えられた。ワーク. シートについては、対象児は3人ともrまとめ やすかった」と答えており、記入場所やヒント が明記されている構造化されたシートが、発達 障害の傾向がある児童に合っていたようであっ た。A児は、授業中の学習態度も落ち着いてお.  学級アセスメントでは、学級の傾向としてま とめ方や覚え方、考え方について、視覚情報を 活用した同時処理的な学び方の二一ズがあり、 これはP児の二一ズと一致していたことから、. P死への支援の工夫が学級への支援につながる ことが考えられた。そこで、板書用の図形教材. やPCを使用して視覚的にわかりやすい指導を 行った。また説明については、A児やL児は継 次的な説明の二一ズがあり、学級は同時と継次 の二一ズが半々であった。そこで、作図の指導 では、最初にP Cで作図の全体を説明し(同時. り自己評価も大変よかった。L死も、角度の計 測の仕方をP Cで説明するなど意欲的に取り組 む姿が見られた。しかし、P児は全体に自己評 価が低く「内容が少しわからなかった」と答え ていた。180。までの角度の計測や作図は一人 でできるようになっていたが、大きな角度の問. 的説明)、次に教師と一緒に作図し、最後は児童. 題は最後まで支援が必要であったことから、複. が一人で作図するという段階的な(継次的説明). 雑な問題の理解が困難であったことが原因とし. 指導を行った。また、ADHDタイプの学級で. て考えられた。. あると見立て、活動内容によって座席を変えた. V 総合考察. り使いやすい道具を提供したりして、注意集中 しやすい環境作りを行った。.  アセスメントを活用したエビデンスに基づく. lV結果と考察. 的二一ズを持っ児童と学級の双方に効果的な通.  5年生のアンケート結果ではr学習が楽しか. 常学級での授業モデルになることが示唆された。. った」と答えた児童は約7割であった。r楽しく. しかし、指導者の意識の違い、学級集団の発達. なかった、わからなかった」と答えた児童は約. の違い、学級内の学力差の違い、在籍する障害. 2割とrどちらでもない」と答えた児章より多. 児の障害特性の違いにより指導効果は異なるこ. かった。児童のコメントを見ると、r難しかった」. とが考えられた。ユニバーサルデザイン型授業. というものと「簡単すぎた」という内容があり、. が有効に実施されるためには、学級内の児童の. 一斉指導の工夫だけでは学力の二極化への対応. 学力差や学び方の二一ズの差が小さいことや、. が難しかったことが考えられた。W児について は、一斉指導の中で手厚い支援を行い、わかる. 障害児の障害特性を考慮すること、学級集団の 学び方の二一ズヘ積極的にアプローチすること. 内容の時は積極的に挙手する姿が見られたが、. が重要であろう。また、発達障害等の教育的二. 自己評価がどれも低く、学年相当の学習内容の. 一ズを持つ児童が在籍する通常学級では、ユニ. 理解定着は困難であった。方法の中では、「ペア. バーサルデザイン型を基本にしながら、特化し. での学び合い学習」の評価が一番高く、児童同. た指導を組み合わせることの必要(海津,2007). 士のつながりを活かした展開の工夫に効果が見. も明らかになった。. られた。. 主任指導教員 宇野 宏幸. ユニバーサルデザイン型の授業は、特別な教育. 一245山.

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