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高齢者施設における老年看護学実習としての実習環境の現状 ―認知症高齢者ケアに対するスタッフの認識の分析から―

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(1)53. 秀明大学看護学部紀要 第 1 巻 1 号(2019). 研究報告 秀明大学大学看護学部紀要 P.53-62(2019). 高齢者施設における老年看護学実習としての実習環境の現状 ―認知症高齢者ケアに対するスタッフの認識の分析から― Environment in the Facility for Elderly as Gerontological Nursing Practice Training ― from Analysis of the Staff’s Perception for Elderly with Dementia ―. 石川りみ子. 1). Rimiko Ishikawa. 石津仁奈子 Ninako Ishizu. 1). 江 口 恭 子. 1). Kyoko Eguchi. 要 旨 高齢者施設における認知症高齢者ケアを学ぶ実習環境として、施設の看護職・介護職等スタッフ の認知症高齢者ケアと実習受け入れ体制の認識を明らかにし、実習準備の資料とすることを目的に アンケート調査を行った結果、次の知見が得られた。 アンケート回収率の低さから実習環境として認知症高齢者にかかわるすべてのスタッフから学 生は学ぶということの理解が乏しいことが推察され、実習環境理解に向けた説明の必要性が示唆さ れた。認知症高齢者ケアについては【人生の先輩として敬い意志を尊重する】ことを基盤に【相手 に寄り添い本人中心のケア】を【笑顔で誠実な態度】で行い、 【話を聞き相手に合わせて対応できる】 【笑顔にすることができる】【その人の世界を楽しむ】ことを得意なこととしてあげていたことから、 そのスキルを学生にロールモデルとして示せる環境であることが示唆された。一方、 【暴言・暴力、 ケアの拒否】【周辺症状、迷惑行為】【意思疎通困難】といった認知症特有のケアの難しさや、 【職 員の少人数配置管理体制】 【認知症高齢者と家族との関係】などの課題について学べる環境があり、 施設側と具体的な実習調整が求められた。 実習指導については、看護学生に対し指導経験が乏しいことから施設側の指導者役割について共 有できるよう実習説明・意見交換を行い、実習環境を整え準備することが求められた。 キーワード:認知症高齢者ケア、高齢者施設、スタッフの認識、老年看護学実習、実習環境. Ⅰ.緒言. ともなる 2)。臨地実習で学習効果に影響を与える要因. 超高齢社会が進行する中、看護職者は専門職として. の一つに実習施設のケアの質と指導体制を含む実習環. 認知症を含め多様な高齢者と向き合い、求められる看. 境がある。. 護ができるようになるために基礎教育で適切な高齢者. 本学老年看護学では、老年看護学実習の目的の一つ. 像と高齢者の生を支える支援方法を身につけることが. に認知症高齢者看護を位置づけ、4年次に介護老人福. 重要である。その教育方法の一つに臨地実習があり、. 祉施設または介護老人保健施設等(ここでは高齢者施. 実体験をとおして身につける臨地実習は、学生に知識. 設という)で実習を行うとしている。臨地実習で、看. 1). に加え感動や意欲を高める場でもあるが 、さまざま. 護職・介護職等のスタッフが認知症高齢者に関わる場. な体験をする臨地実習では高齢者看護に自信を失う場. 面を看護学生が目の当たりにしたとき、意図的にも無 意図的にも学生は認知症ケアについて何らかを学びと. 1)秀明大学看護学部 1)Faculty of Nursing, Shumei University. ると考える。また、スタッフが経験知とスキルを生か し指導的役割を認識し発揮することは学生の学びに大.

(2) 54. 石川りみ子:高齢者施設における老年看護学実習としての実習環境の現状 ―認知症高齢者ケアに対するスタッフの認識の分析から―. きく影響すると考える。. と) 、5)看護実習生と介護実習生の実習受け入れ体制. しかし、現場においては、認知症高齢者に対し、虐. の違い、とした。. 待や身体拘束など人権に触れる課題が示唆されている. 分析方法は、対象者の基本属性と業務内容等につい. 3 ~ 5). ては基本統計で処理し、設問ごとの自由記載に関する. 。また、施設スタッフも認知症高齢者の対応に困 6 , 7). 。スタッフが認知症高齢者とか. 分析は、設問に沿った記述内容を意味内容ごとに整理. かわる場面も実習環境と捉えた場合、認知症高齢者に. ・分類してコード化し、類似するコードを集め、カテ. かかわるすべてのスタッフがどのように認知症高齢者. ゴリー化を行った。分析の妥当の検討は老年看護学分. を捉え認知症高齢者とかかわっているか、その認識を. 野の研究者で行った。. 把握することは実習における学習効果を上げるための. なお、本研究は秀明大学研究倫理委員会の承認(承. 準備として必要なことと考える。また、看護学実習の. 認番号 17E009A)を得て行った。 . 惑する現状がある. 受け入れに対するスタッフの認識を把握することは、 実習目標を共有し、協働で実習指導を行うために必要. Ⅳ.結果. なことと考える。. 1.対象者の概要. そこで、本研究は、高齢者施設で働くスタッフの認. アンケートの回収数は 25 人(配布数 58 人、有効回. 知症高齢者ケアと実習受け入れに対する認識について. 答率 43.1%)であった。. 実習環境の視点から明らかにし、今後の老年看護学実. 対象者の概要は、 男性 11 人 (44%) 、 女性 14 人 (56%) 、. 習に向けての準備資料を得ることを目的とする。. 年代は 20 代から 60 代以上で最も多いのは 40 代 11 人 (44%)で次いで 50 代5人(20%) 、30 代4人(16%). Ⅱ.用語の定義. であった。職種は看護職2人(8%) 、介護職 23 人. 高齢者施設:介護老人福祉施設や介護老人保健施設. (92%)、ケアマネジャーは5人(20%)全員介護職で. をさし、入居条件や設置主体は問わな. あった。看護師経験年数は 20 ± 2.83 年、介護士経験. い。. 年数 11.35 ± 6.64 年、ケアマネジャーは 3.2 ± 1.92 で. スタッフ:高齢者施設で働くすべての職員とし、看. あった。研修経験有りは 18 人(72%)で、認知症、. 護職や介護職等の職種を問わない。. 身体拘束、生活援助等業務に係る内容で、実習指導に. 認識:意欲・情緒とともに意識の基本的な働きの一. 関する内容はなかった。. つで、物事・事柄に対する捉え方. 8). とする。. 主な業務内容(表1)は高齢者の生活援助が最も多. . く 21 人(84%)、次いで認知症高齢者の生活援助 20. Ⅲ.研究方法. 人(80%) 、レクリエーション 11 人(44%)であった。. 研究方法は、本学の実習施設であるA高齢者施設の. 観察・測定は9人(36%)が回答し、看護職以外も行. 施設責任者に文書及び口頭で研究説明を行い協力の同. っていた。実習指導経験の有無では 19 人(76%)が. 意を得て、認知症高齢者ケアにかかわるすべてのスタ. あると回答し、指導の対象は介護学生 16 人(64%)で、. ッフにアンケート調査の協力依頼を文書と口頭で行っ. 看護学生は2人(8%)、リハビリ学生1人(4%) 、. た。倫理的配慮として、研究参加は任意であり参加し. 教育学部生7人(28%)であった。看護学生、介護学. なくても不利益にならないこと、アンケートは無記名. 生で実習受け入れの違いの有無については有り無し共. で鍵付回収箱への投函をもって参加の同意とすること. に 10 人(40%)であった。. を説明し、調査用紙の配布を行った。また、データは ロック式 USB メモリーに保存、すべてのデータは鍵. 表1 主な業務内容 (重複回答) F78 7*% E. 65-0. 付き保管庫に保管し、データ処理は個人が特定されな. ))&. いよう厳重に行った。. '(. -,. 3/. "'(. -+. 3+. @:?9C;>A. ,,. //. 調査期間は平成 30 年6月~7月とし、調査内容は、. 7. D. 対象者の 1)基本属性、2)主な業務内容、3)指導経. ?<=?!. .. ,-. 験等、および自由記述式質問による 4)認知症高齢者. $. 2. -3. #. ,-. /3. 4. .1. .. ,-. ケアの認識(①心がけていること、②困っていること、 ③得意とすること、④高齢者ケアで学生に伝えたいこ.

(3) B. .

(4) 秀明大学看護学部紀要 第 1 巻 1 号(2019). 55. 2.認知症高齢者ケアへの認識と実習受け入れ体制に. のケア><相手に寄り添う>の2つのサブカテゴリー. ついての自由記載の分析(表2, 表3). があがり、「認知症だからできない、理解してもらえ. 分析結果を設問項目に沿ってカテゴリーごとに示す。. ないと決めつけない」で、「できないことに目をむけ. 以下、 【 】はカテゴリー、< >はサブカテゴリー、. るより、 ・・・スムーズに生活を維持できるよう援助」. 「 」は記載内容である。. し、 「笑顔が得られるよう嫌なこと」はしない、 「ケア. 1)認知症高齢者ケアへの認識. の中心は本人」と考え、「意思疎通が困難だとしても. (1)認知症高齢者ケアで心がけていること(表2-1). 相手に寄り添う心掛け」をしていた。. カテゴリーは、【笑顔で誠実な態度】【相手に寄り添. 【否定せず傾聴し受け入れる】では<話を傾聴し受. い本人中心のケア】【否定せず傾聴し受け入れる】 【安. け入れる><否定せず話をよく聞く>の2つのサブカ. 心安全な生活】 【人生の先輩として敬い意志を尊重す. テゴリーがあがり、認知症特有の「同じことを繰り返. る】 【冷静な対応・コミュニケーションスキル】 【表情、. しても話に付き合」 い、 「怒ってもわからないので傾聴」. 状態観察し変化を察知する】の7つが抽出された。. し、 「時間をかけて話を聞」き、 「否定せず相手の話を. 【笑顔で誠実な態度】では<笑顔で誠実に接する>. よく聞くこと」を心がけていた。. <丁寧な声掛け><礼儀、節度を守る>の3つのサブ. 【安心安全な生活】では<安心・安全で穏やかな生. カテゴリーがあがり、認知症高齢者に対して「表情や. 活>の1つのサブカテゴリーがあがり、「安心して安. 接し方を意識」し、「いつも笑顔」で「誠実」に「丁. 全に穏やかに生活して頂くこと」「怪我、病気のない. 寧な声掛け、口調に気をつける」 「信頼関係が構築さ. 一日を第一にすごしてもらう」よう心がけていた。. れている方でも節度を守る」「礼儀」を意識して接す. 【人生の先輩として敬い意志を尊重する】では<人. ることを心がけていた。. 生の大先輩として敬う気持ち><本人の気持ちを大事. 【相手に寄り添い本人中心のケア】では<本人中心. にする>の2つのサブカテゴリーがあがり、「どんな. 表2- 1 認知症高齢者ケアで心がけていること ˆČ«ċ®‘to§©êåÌ>¸»Ë³ß½Í èõìăĈ. íüèõìă­. w¦Ì’0ÏH;. w¦Ì’0ÏH;. ëĈ÷ w¦Ì’0ÐQÂß 5Ï(·» u¯{;ã-ß ‘toÇ·ÝÍdÙʻϳ. ]>Òêå sKÐ3Þi³ ]>Òêå. sKÐ3Þi´. ãƒÀ»àß $/ÄÃÀ »àß $/ÄÐãܺ‚º. .>.Ïlh. lÒšÍÀËT³ F?ã7ŸÂß. .>ć.Ì vÛ·Ïlh lÒ*šÍÀË T´cOÈ ]ÒF?ã*ÐÂß GEÒëĆöąĈĄ. £Ï6Ać ëþāùêĈîĂĆïé Ą. £Ï6A. ëþāùêĈîĂĆ ïéĄ. ˆE¯jH‹4À )ã4tÂß. )ãfFÂß ˆE¯jH‹4. ^ϳ½ÍÐrã#»Ã ïÿĈðÐlhã~O̹ßÜ´ S +ϽÍÓÀϳ ]>Òêå. Ž™2 ć½ÈÝ҈EÛQÀVÍãF–Âß ć³ÊÚw¦ÌQÂß½Í ć‘to̲ÉËڒ0ÐQÀ¯>P»ãÂàԜÁß ć5Ï(·»¯”Ðcã»ßÏÎ ć¥¡¸_|¿à˳ßVÌÚ{;Ó-ÉË³ß ćŠÀ¹ÐÚu²Þ ć‘toÇ·Ý̹ϳ¯kŒÀËÚݵϳÏÎdÙʻϳ ć‘to̲ÉËڑtoM³¿àƳӳϳ ć^ϳ½ÍÐrã#»ßÜÞ¯ûçąĈã»Ï¸ÝïÿĈðÐlhã~O ®Ì¹ßÜ´SÀƳ̀µË³ß. £Ï6A ‘tÒ; ³Ì6A ýæøïύ†Ó âϳ. ćw¦¸=ÝàßÜ´+ϽÍÓÏßÕºÀƺϳÍCÉË³ß ćêåÒ>Ó]ͳ´½Í¯úĈòĆćñĆóĈ÷ćêå ćFCmœ¸&¢ÇÍÀËÚ̹ßÇ»sKÐ3Þi´>¸» ć̹ßÇ»3Þi´Ü´Ð>¸»Ë³ß ćcOÈã“ØÞ>Ð3Þi´—ㇴ ć!Á½ÍãޛÂڐй É˲¼ß ćBÉËÚ·ÝϳÒ̃ÀËÛäâÞÍ6AÂß ćY ã̹ßÇ»·»Ëã‚º ćsKÒF‰ã»àßÜ´ÐÀË³ß ć9\ۏµã‚¹Þàß ć$/Àϳ ć$/ÄÃsKҐãܺ‚º½Í ć$/ÄÐスcOÈã“Øß ć.>ÀË.ÐvÛ·ÐlhÀËÀˤº½Í ć¬XÒlhÒÌDI¯ncÒϳ½ÍãxН¾ÀËÚÝ´ ćÎäÏje¯jH̲àT´cOÈ ćlÒ*šÌ²ß½Íã@àÃÐQÀË³ß ćlÒšÍÀË7TÀ6Aã>P»ß ćžN„ãRÂß ć]ÒF?ã*ÐÂß ćBÞÒGEãëĆöąĈĄ ćBÉ˳ß͹ÓY ã¶º¯'Jã)µß ćk•ÛGEÌ6AÀϳ ćґtÒ; ³ã‹4ÀÅÒY±Ò`,Ì6A ćôĀÏÎýæøïύ†Ó âϳ. ܳͽáãÖÙß. ćܳͽáãÖÙß°ÆÍµÔ¯}UϨ<ѯ¹à³Ï Òg[Ñ. lhać1WÒ"µ . ćlhać1WÒ"µ Âß. !Á½ÍЍ³Vã)µ›zÂß. ć

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(6) 56. 石川りみ子:高齢者施設における老年看護学実習としての実習環境の現状 ―認知症高齢者ケアに対するスタッフの認識の分析から―. 状況、状態であれ敬う気持ち」をもち、 「人生の大先. との関係】 【職員の少人数配置管理体制】 【自己の感情. 輩であることを忘れずに」「尊敬し対応を心掛けて」. コントロール】の6つが抽出された。. いた。また、 「選択肢を提供」し、「本人の意志を大事. 【意思疎通困難】では<思いや指示が伝わらず意思. にする」よう心がけていた。. 疎通が困難><繰り返し説明>の2つのサブカテゴリ. 【冷静な対応・コミュニケーションスキル】では<. ーがあがり、認知症高齢者に対して、「意思疎通がう. 感情のコントロール><冷静な対応><コミュニケー. まくいかない」 「コミュニケーションがとれない」 「指. ションスキル>の 3 つのサブカテゴリーがあがり、 「怒. 示が入らない」等で対応に困っていた。また、「短時. りの感情をコントロール」し「怒っているときは時間. 間の間に何度も同じことを言わなければならないこ. をおく」 「理論や感情で対応しない」「認知の度合いを. と」「繰り返し説明することは伝えている側にストレ. 観察してその時々の様子で対応」を心がけていた。ま. スとなって」いた。. た、 「マイナスな言葉を使わない」「よいところをほめ. 【暴言・暴力、ケアの拒否】では<暴言・暴力><. る」 「家族の名前を交えて会話する」等、コミュニケ. ケアの拒否>の2つのサブカテゴリーがあがり、 「暴. ーションを工夫するよう心がけていた。. 言・暴力」 、 「入浴時着替え時」の「たたく、つねる、. 【表情、状態観察し変化を察知する】では<変化を. ひっかく」などの暴力行為や、ケアに対する「排泄・. 注意する><表情、状態観察>の2つのサブカテゴリ. 入浴の拒否」が困りごととしてあがった。. ーがあがり、 「普通の人は痛いことが言えるがうまく. 【周辺症状、迷惑行為】では<周辺症状><迷惑行. 伝えられなかったり、症状、表情等でないこともある. 為>の2つのサブカテゴリーがあがり、 周辺症状で 「精. ので普段と変化あるのか常に注意を払う」「少しの変. 神的に落ち着かないこと」や、「お財布がなくなった. 化も気にとめる」「表情観察、状態観察」を心がけて. と言って見つけてあげても同じことの繰り返し」があ. いた。. り、さらに「他入居者に迷惑がかかる」迷惑行為に困 っていた。. (2)認知症高齢者ケアで困っていること(表2-2). 【認知症高齢者と家族との関係】では<本人と家族. カテゴリーは、【意思疎通困難】【暴言・暴力、ケア. の思いが異なる><家族との疎遠関係>の2つのサブ. の拒否】 【周辺症状、迷惑行為】【認知症高齢者と家族. カテゴリーがあがり、「本人の思いと家族の思いが異. 表2- 2 認知症高齢者ケアで困っていること ĝ°ĝ·”up­®‚õïÖ)ÒÕºêÆ× òĀøēĚ. ùĈòĀøē¶. ÷Ěă. ‘˜2 ęH@oœ¿»âº¾Ùº[ ęHDoœ¿ÖÀÙº[¸3BÚ)꿹ê ę÷ČĐĄõĚúđĘ¿×ëÙº ÷ČĐĄõĚúđĘ¿×ëÙº ę^ ,Ül¿¨ÉºsÜñĎĚû Mw¿

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(14) 秀明大学看護学部紀要 第 1 巻 1 号(2019). 57. なる場合」 「本人の思い(の捉え方)が家族間で割れ. に対応する」「精神の安定を図ること」を得意として. ている」場合と、「面会に来ない」「すべてを施設にま. いた。また、「明るく接し心を開いてもらえるように. かせっきりにする家族」に対して困っていた。. 対応」 「笑顔で対応、話をよく聞く」 「笑顔で安心して. 【職員の少人数配置管理体制】では<職員の少人数. もらう」 「楽しい気持ちにさせる」 「笑顔にする」こと. 配置による管理体制>の1つのサブカテゴリーがあが. を得意としていた。. り、 「低人数人員配置の際の見守り支援」の体制をあ. 【モチベーションをあげ相手に合わせてケアができ. げていた。. る】では<相手に合わせてケアができる><活動促進. 【自己の感情コントロール】では<自分の感情コン. させる>の2つのサブカテゴリーがあがり、「相手を. トロール>するのに困っていることがあがった。. 怒らせないでケアができる」「排泄介助、食事介助」 を得意とし、「モチベーションをアップしながら対応. (3)認知症高齢者ケアで得意とすること(表2-3). し」「活気をあげ」、「レクをとおして残存機能維持」. カテゴリーは、 【話を聞き相手に合わせて対応でき. を図り、「社会(集団活動)を促すこと」を得意とし. る】 【笑顔にすることができる】【モチベーションをあ. ていた。. げ相手に合わせてケアができる】【その人の世界を楽. 【その人の世界を楽しむ】では<その人の世界を楽. しむ】の4つが抽出された。. しむ>の1つのサブカテゴリーがあがり、「BPSD も. 【話を聞き相手に合わせて対応できる】では<相手. 前向きに捉えられ」 「相手の気持ちをくみとり理解」 し、. に合わせて対応できる>の1つのサブカテゴリーがあ. 「その方の世界を一緒に楽しむこと」 を得意としていた。. がり、 「 (認知症の)本人との関係性の作り方」が得意 で、 「どんな高齢者でもすぐ話を合わせることができ. (4)高齢者ケアで学生に伝えたいこと(表2-4). る」 「気をまぎらわせる」「時間をかけて対応できる」. カテゴリーは、【人生の先輩として尊厳をもち気持. ことを得意としていた。. ちに沿ったケアの実践】 【認知症の人を正しくとらえ、. 【笑顔にすることができる】では<感情コントロー. 現場での良さを理解する】【認知症の人への接し方、. ルができる><明るく接し笑顔にする>の2つのサブ. 会話の仕方】【医療職としての分析能力を発揮しつつ. カテゴリーがあがり、 「怒りたいときでも顔に出さず. 人間的かかわりの実践】の4つが抽出された。. 表2- 3 認知症高齢者ケアで得意とすること ĝ°Ğ·”up­®‚õïÖ>H×ËêÆ× òĀøēĚ. ùĈòĀøē¶. “í„ÀsJÚ !ìÍÕ3BÖÀê. sJÚ!ìÍ 3BÖÀê. IF÷ĘĂĖĚĔ¿ ÖÀê. zªÚËêÆ×¿ÖÀê ZêÂPÉ zªÚËê. sJÚ!ìÍÏ õï¿ÖÀê ďþĊĚúđĘí¹Å sJÚ!ìÍÕ õï¿ÖÀê gÈÍê. ÎÜÜmí`Éä. ÎÜÜmí `Éä. ÷Ěă ¤EÜéV. sJÚ!ìÍ3BÖÀê. ċāðĒĘöĚûÖ

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(17) 58. 石川りみ子:高齢者施設における老年看護学実習としての実習環境の現状 ―認知症高齢者ケアに対するスタッフの認識の分析から―. 表24 高齢者ケアで学生に伝えたいこと ŽŽŽqՋ֎‰ŠiÇÅ©%[­

(18) •£“œª ÆËÉÑÔ [¯€ªž¨ -Ã>¥ Q>¥­S¦£ Çů'}. ÊÎÆËÉэ. ÈÔÌ. [¯#€. [¯#€. v) ӉŠi°[¯#€3—½@ž¬›À±Oµ¼À¬“ª6” Ӗ2*¾°[¯€ Ó.iÓ9i¯-Ã#­ž¨ÇÅÃp¦¨³ž“ ÓQ>¥­S¦£ÇÅÃp¦¨³ž“ Ó­¡¯­¦£ÇÅÃAž¨³ž“. -ø¦£Çů'F -ø¦¨Q>¥­S¦£ Q>¥­S¦£Çů'F Çů'F ­¦£ÇÅÃA xd\°[Uà (ž¨“¿ r©ž—¬“. ÓI˜“¨xd\°’š´©[Uà (ž¨“¿r©ž—¬“. ŒÄ˜xd\©’¦¨ xd\¯¯"L8¯Zu xd\¯ŒÄ©°¬“ xd\¯ÃNžš ª½•Y¯mÃZ uŸ¿. Y¯¼|‚¬Gƒ. xd\¯E¯ÏÍÐÅÒ!¯Zu. Óxd\¯E°ÏÍÐÅÒ !¯㚝𿠎%[¯G°n‘¬˜“¿œªÃ£šÄd¦¨³ž“. ¡¯­¦£ wÇŘ#. Ó¡À¢À”ƒ¡¯­¦£ wÇŘ#. ‰Ši°[fˆÃ‚®¨“¿¯ ӉŠi° ™•± ™”³«[fˆÃ‚®¨“¿¯© ©£·­¬¿ Ž“Á“Á£·­¸¬¿ž†_“ Y°R/e”œª¸’¾#¬ Gƒ˜’¿. Óc{¹{¯Y°£¤£¤# ¤ª6ÂÀ˜¥¤˜¡¯­¸ Ž£šÄe”œª¸’¿Ž¡Ä¬Gƒ¸ª¨¸#¤ª6”. e‡©,5Ÿ¿. Óe‡©,5Ÿ¿ Ó#™¬©º¦š¾wÞaÃs¨ wß¿ Ó#™¬©º¦š¾–wžž¨“ ÓagਠwÃKžµ´ž»” Ó,5­¿œª¸’¿ª6”˜b=Ã&­ ¬“¼”­Ÿ¿œª¤ª6”. aÃs¨e‡©#™¬© aÃs¨#™¬©º¦š¾ º¦š¾ wŸ¿ wŸ¿. xd\¯²¯@ž E w¯E. b=Ã&­ ¬“. agਠwÃKž¶ b=Ã&­ ¬“ l¬½«”¤Á”ªh•¬˜½ @Ÿ¿. D“3—½@Ÿ¿. ӌÄ˜xd\©’¦¨xd\¯ŒÄ©°¬“œª. yCÞ¬“œª @žE¸¡À¢À”œª 3—½@Ÿ¿ xd\©’¦¨¸D¦¨@Ÿ¿. Ó1­l¤¦£½«”¤Á”ªh•¬˜½@ž¨³ž“ Ӄ¦¨¸–yCµ£“¬œª°ž¬“©³ž“ Ó@žE¸¡¯¡À¢À” Ó3—½@Ÿ¿ Ó£ª•xd\©’¦¨¸D¦¨@ž¨³ž“ Ó]dzÃ[—ž¨JŸ¿k°{j­ožšM›¿W©’¿. ]jªž¨¯ ]jªž¨¯JkÃ^B JkÃ^Bž§§ ž§§xd\ç¯8ªž¨ Óc{0°]jªž¨¯JkÃ^Bž§§xd\ª“”§¯\Xà ƒ`„¾¯'} ?•£ƒ`„¾¯'} ]jªž¨¯ ާ¯8ªž¨ƒ`¬——¾Ã'}©™¿ 【人生の先輩として尊厳をもち気持ちに沿ったケア カテゴリーがあがり、 「笑顔で対応する」 「大きな声で JkÃ^Bž§§ {j¯V­¬¿ {j¯V­¬¿ Óƒ`¬——¾Ã'}©™¿=Iªž¨{j¯V­¬¦¨³ž“ ƒ`„¾¯'} の実践】では<人生の大先輩><尊厳をもって気持ち 「目線を合わせ 7­X<˜:š¬¿¯©T;˜4ゆっくり話をし目を見て会話をする」 ӉŠi°7­X<˜:𬦣¾HPªL$˜”ª6¦£½T;˜4r r t+¯‚r8 t+˜‚r Ót+‚r×~ `Ó3¯ÇÅØ に沿ったケアの実施>の2つのサブカテゴリーがあが て会話を楽しむ」「対応に困ることもあると思うが相. り、 「高齢者は人生の大先輩、心から接しなければ歩. 手を不安にさせないようにする」を伝えたいとしてい. みよれない」として、認知症高齢者に対し人生の大先. た。そして「常に自分だったらどうだろうと考えなが. 輩として 「入居者・患者の尊厳を大切にしたケア」 「気. ら接してほしい」とし、「間違ってもお説教みたいな. 持ちに沿ったケア」「個別にその人に合ったケアを提. ことはしないでほしい」ことを伝えたいとしていた。. 供してほしい」ことを伝えたいとしていた。. 【医療職としての分析能力を発揮しつつ人間的かか. 【認知症の人を正しくとらえ、現場の良さを理解す. わりの実践】では<医療職としての分析能力を発揮し. る】 では<認知症の人の多様性の理解><現場の良さ、. つつ人間的関わりの実践><介護職員の刺激になる>. 貴重な時間>の2つのサブカテゴリーがあがり、「認. <急な状態変化の観察の重要性>の3つのサブカテゴ. 知症はあくまで生活を阻害している要因でしかない」. リーがあがり、「医療知識を生かして分析する能力は. 「A さんが認知症であって、認知症の A さんではない」. 介護職員に著しく欠ける。看護師には医療職としての. ことを伝えたいとしていた。 「認知症の方はマニュア. 分析能力を発揮しつつ」「認知症という一つの症状を. ル以外の事をたくさんする」 「それぞれ違う人間、そ. 一つの個性として人間的なかかわりを実践できる手本. の人に合った会話、ケアが大事」ということを伝えた. として介護職員の刺激になってほしい」ことを伝えた. いとし、 「高齢者は付き合えば付き合うほど人生経験. いとしていた。また、「高齢者は急に状態が悪くなっ. を重ねているのでいろいろためにもなる」「看護や介. たり普段と様子が違うと思ったら注意が必要」とし、. 護の現場はただただ大変だと思われがちだがその中に. 「観察(の)重要性 [ 身体的・心のケア ]」を伝えたい. もたくさん笑うこともある、そんな時間もとても大切」. としていた。. ということを伝えたいとしていた。 【認知症の人への接し方、会話の仕方】では<目を. 2)看護実習生と介護実習生の実習受け入れ体制の違. 見て笑顔で大きな声でゆっくり会話する><相手を不. い(表3). 安にさせない><敬い、心から接する>の3つのサブ. カテゴリーは、【看護は医療的支援、介護は生活支.

(19) 59. 秀明大学看護学部紀要 第 1 巻 1 号(2019). 表3 看護実習生と介護実習生の実習受け入れ体制の違い YªnL^'SEƒ^'SE‡'Sx ’‡er ™Ÿœ¤§. L^ˆHJ54o ^ˆE?54•Xs. ¢™Ÿœ¤m. L^ˆHJ54o ^ˆE?54. ›§¡. \c). L^ˆHQ•–E?

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(24) wtt”u r‡‚”t r. 援を行う】 【出発点とめざす先の違い】【実習受け入れ. Ⅴ.考察. に違いがない】 【違いがわからない】の4つが抽出さ. 1.実習受け入れの認識と実習環境 . れた。. 筆者らは認知症高齢者と関わる全ての場面を実習環. 【看護は医療的支援、介護は生活支援を行う】では. 境と捉えていたため、アンケート対象者を全スタッ. <看護は医療的支援、介護は生活支援>の1つのサブ. フとしたが、回収率は 43.1%と低かった。そのことか. カテゴリーがあがり、 「看護は医療系を含んだ生活全. ら、スタッフの中には実習指導者の役割を持つ者だけ. 般の関わり、介護は生活全般を主として一部医療が加. が実習にかかわるという認識があるのではないかと推. わるが初歩的な知識しかない」 「看護は治療、介護は. 察された。そのような環境においては実習する学生へ. 自立支援。双方が歩み寄ることが重要で大切」として. の関心は低く、自身が行う高齢者ケアから学生が何ら. いた。そして、介護は「医療的なことは不足になると. かを学びとるという認識は薄いと考える。協力の得ら. 思う」とし、看護は「介護とは違う知識を持っている. れた 43.1%は 40 歳代をピークとし、看護師と介護士. ので対応方法も違う部分」があると認識していた。. の職務経験年数は平均 10 年を上回っており、経験豊. 【出発点とめざす先の違い】では<出発点とめざす. 富なスタッフである。ただ、指導経験は 76%が有り. 先が違う><資格による違いで任せられない部分があ. としているが、介護学生 64%で看護学生については. る><実習指導の自信がない>の3つのサブカテゴリ. 8%と少なかった。そのため、実習の開始に向けて、. ーがあがり、 「病院での生活と家での生活が違うのと. 看護学実習の目標や方法等を説明し、看護学生の学び. 同様、介護と看護では目的とする部分では共通すると. の特徴についても共有するよう準備することが求めら. ころがあるが出発点が違う」「めざす先で異なるので. れた。業務内容としては、認知症高齢者生活援助をは. 目的に沿った違いがある」と出発点やめざす先が違う. じめとして、レクリエーション、趣味支援等実習内容. として違いを挙げていた。また、 「資格によって任せ. が多く含まれていることから、学生が認知症高齢者ケ. られること、任せられないことはある」として資格に. アのスキルを学ぶ上で適した実習環境といえる。. よる違いをあげ、 「介護的な事なら指導もできるが看 護の方に指導するのは自信がない」と違いからくる指. 2.認知症高齢者ケアの認識と実習環境. 導の自信のなさをあげていた。. 施設のスタッフが認知症高齢者と向き合うときに、. 一方、 【実習受け入れに違いがない】としながらも、. どのようなことを心がけとし、ケアで得意としている. 「看護実習生とかかわったことがないためわからない. かは、その人の認知症高齢者に関わる態度とスキルの. が、違いはないと思う」と漠然と違いのなさをあげて. 一端を表し、認知症ケアで困っていることは現実の状. いた。ほか、 【違いがわからない】があがった。. 況の一部やスキルの程度を表すと考える。そのような 視点から考えると、スタッフの認知症高齢者への関わ.

(25) 60. 石川りみ子:高齢者施設における老年看護学実習としての実習環境の現状 ―認知症高齢者ケアに対するスタッフの認識の分析から―. りは学生の学びに大きく影響すると考える。また、実. 題が推察された。これらは、家族を含めた認知症高齢. 習指導に関わるスタッフが、看護学教育についてどの. 者ケアの課題であり、実習の場での学修内容である。. ように捉えているかや、学生に何を期待して関わるか. 実習では現場の持つ様々な課題が認知症高齢者ケアに. は、学生の学修成果に影響を及ぼす。そこで、スタッ. 与える影響と老年看護に求められている課題を考える. フの認知症高齢者への関わり方や認識を分析し、その. 機会となるような調整が求められた。. 結果をもとに実習に向けてともに連携し実習環境を整. 一方、スタッフは、【話を聞き相手に合わせて対応. 備することは意義あることと考える。. できる】 【笑顔にすることができる】 【モチベーション. まず、認知症高齢者ケアの認識であるが、スタッフ. をあげ相手に合わせてケアができる】【その人の世界. が心がけていることは、対象を【人生の先輩として敬. を楽しむ】を得意なこととしてあげていた。困ったこ. い意志を尊重する】ことを基盤に、 【相手に寄り添い. ととしてあがったように、認知症高齢者のケア、対応. 本人中心のケア】であり、 【笑顔で誠実な態度】であ. には高度なスキルが求められる。しかし、スタッフは、. った。それはパーソン・センタード・ケアの精神に基. 長年の関わりや研修から、相手を【笑顔にすることが. 9). づくものといえる 。そのために「怒りの感情をコン. できる】技術を身につけ、【モチベーションをあげ相. トロール」し<コミュニケーションスキル>をもって. 手に合わせてケアができる】ことを得意としていた。. 【否定せず傾聴し受け入れる】<冷静な対応>をして. それができるためには相手の視点で物事を考え、感じ. いることが推察された。認知症高齢者は「 (症状を). 【その人の世界を楽しむ】といった境地に至ることが. うまく伝えられなかったり」、「症状や表情に出な」か. 必要と考える。迷惑行為や繰り返しの話にも【話を聞. ったりすることから、 【表情、状態観察し変化を察知. き相手に合わせて対応できる】など、困ったことに日. する】ことを心がけ、認知症高齢者が【安心安全な生. 々遭遇しながらも、自己のスキルとして積み重ね、得. 活】を送るよう心がけていた。回答した人は経験豊富. 意なものとして身につけている事が推察された。 また、. なスタッフであり、このような認知症高齢者に対する. 高齢者ケアで学生に伝えたいことの中に<認知症の人. 心がけは、ケアにも反映されると考えられ、学生の実. の多様性の理解>をし、 【認知症の人を正しくとらえ】. 習場面でロールモデルとなるよう実習調整することが. 【認知症の人への接し方、会話の仕方】等のコミュニ. 求められる。. ケーションスキル、態度があった。コミュニケーショ. しかし、認知症ケアが行われる現場では、【暴言・. ンのとりやすさは対人関係の距離感を縮め身近な存在. 暴力、ケアの拒否】 【周辺症状、迷惑行為】といった. として感じられるという報告. 認知症特有のケアの難しさがあり、スタッフは日常の. 態度が身につくような指導的かかわりを施設側と調整. 世話における困り事として捉えていた。加齢に伴う聴. することが求められる。目の前にいる人々は長い人生. 覚機能の低下に加えて、認知機能の低下からくる「指. を送る中でかつて困難を乗り越えた人、私たちが暮ら. 示が入らない」 「何度も同じことを言わなければなら. している今の世の中をそれぞれの立場から支え創り上. ない」 「繰り返し説明」の【意思疎通困難】は、スタ. げる一端を担った人たちであるという【人生の先輩と. ッフにとって困ったこととして認識されており、かつ. して尊厳をもち気持ちに沿ったケアの実践】を学生に. 「ストレスとなって」いた。それらに対応するために、. 伝えることができれば、認知症高齢者看護を学ぶにふ. 【自己の感情コントロール】も課題としていることか. さわしい実習環境といえる。. 10). もあり、そのような. ら、認知症ケアにおける日々の葛藤が窺える。さらに. 看護実習生と介護実習生の実習受け入れ体制の違い. 人手不足から【職員の少人数配置管理体制】もあがり、. について、【看護は医療的支援で、介護は生活支援を. 【安心安全な生活】を送ることへの妨げにもなりかね. 行う】【出発点とめざす先の違い】として、看護実習. ない現状が推察された。スタッフが質の高い介護を目. と介護実習の違いを表していた。「看護は医療系を含. 指しながら、現実的な課題に対してどう取り組んでい. んだ生活全般の関わり、介護は生活全般を主」として. るかを、カンファレンス等をとおして考える機会を提. とらえ、介護職は医療的知識がないために「介護的な. 供するなど調整することは実習場での生きた学修とな. 事なら指導もできるが看護の方に指導するのは自信が. る。また、家族との関係も困っていることとして認識. ない」と看護学生に対し指導への自信のなさをあげて. され、 「面会に来ない」「すべてを施設にまかせっきり. いた。このことは、先述のとおり、看護学生は何を目. にする」など認知症高齢者への家族の関心の低さの課. 的として高齢者施設実習を行うのか、実習指導者に何.

(26) 秀明大学看護学部紀要 第 1 巻 1 号(2019). 61. が求められているかを理解していない結果だと考え. 5.スタッフのほとんどが看護学生への指導経験がな. る。看護学実習の目標と施設指導者役割について共有. く指導への自信のなさをあげていたことから、看護学. することが求められた。. 実習の目標と施設指導者役割について共有することが 求められた。. 研究の限界として、アンケート回収が 43.1%と低か. 以上をふまえ、施設側への実習説明・意見交換を行. ったことから、研究参加したスタッフは認知症ケアに. い、実習環境を整えるよう実習準備することが求めら. 対し意識の高い集団であることが予測された。研究参. れた。. 加しなかったスタッフの中には実習受け入れに対し負 担を感じる者も予測されることから 11)、それらをふ. 謝辞. まえて施設側への実習説明・意見交換を行い、実習環. 本研究にご協力いただきました、A 施設の施設長. 境を整えることが求められた。. 様をはじめスタッフの皆様に心より感謝申し上げます。. Ⅵ.結語. 引用文献. 高齢者施設における認知症高齢者ケアの実習環境に. 1) 内田陽子,荒井明子,小泉美佐子:学生の老年看. ついて、実習準備の資料とすることを目的にアンケー. 護学実習についての評価-学生のやる気を高め. ト調査を行い実習環境の視点から分析した結果、次の. る条件-,群馬保健学紀要,25,93-103,2004.. 知見が得られた。. 2) 石垣範子,深江久代,今福恵子,宮前典子:介. 1.アンケート回収率がほぼ半数であったことから、. 護老人保健施設での老年看護実習における学生. 実習指導者の役割を持つものだけが実習にかかわると. の困難感について,静岡県立大学短期大学部研. いう認識が推察され、認知症高齢者にかかわるすべて. 究紀要,26,2012.. のスタッフから学生は学ぶということの理解に向けた. 3). 長畑多代,松田千登勢,小野幸子:介護老人保. 説明の必要性が示唆された。. 健施設で働く看護師の痴呆症状に対するとらえ. 2.スタッフは【人生の先輩として敬い意志を尊重す. 方と対応,老年看護学,8(1),39-49,2003.. る】ことを基盤に、【相手に寄り添い本人中心のケア】. 4) 天津栄子,中田まゆみ:老人保健施設における. を「怒りの感情をコントロール」しながら<コミュニ. 痴呆性老人とスタッフの相互作用に見られるず. ケーションスキル>をもって【笑顔で誠実な態度】で. れの特徴,老年看護学,3(1),52-63,1998.. 行うことを心がけていた。このような心がけはケアに. 5). 長岡さとみ,大渕律子:介護老人保健施設にお. も反映されると考えられ、実習場面でロールモデルと. ける看護師の認知症高齢者ケア場面のとらえ方. なるよう実習調整をすることが求められた。. と ケ ア 行 動 の 特 徴, 老 年 看 護 学,17(2),47-57,. 3. スタッフは、 【話を聞き相手に合わせて対応できる】. 2013.. 【笑顔にすることができる】【モチベーションをあげ相. 6) 松田千登勢、長畑多代,上野昌江,郷良淳子:. 手に合わせてケアができる】【その人の世界を楽しむ】. 認知症高齢者をケアする看護師の感情,大阪府. を得意としていたことから、そのスキルを学生にロー. 立大学看護学部紀要,12(1),85-91,2006.. ルモデルとして示せる環境であることが示唆された。. 7) 千田睦美,水野敏子:認知症高齢者を看護する. また、学生に対し<認知症の人の多様性の理解>【認. 看護師が感じる困難の分析,岩手県立看護大学. 知症の人への接し方、会話の仕方】を伝えたいとして. 紀要,16,11 - 16,2014.. いたことから、コミュニケーションスキル、態度が身. 8) デジタル大辞泉 , 小学館 .. につくような指導的かかわりも調整することが求めら. 9) Tom Kitwood: Dementia Reconsidered,1997,. れた。. 高橋誠訳,認知症のパーソンセンタードケア . 4. 【暴言・暴力、ケアの拒否】 【周辺症状、迷惑行為】 【意. 初版,クリエイツかもがわ,京都,2017.. 思疎通困難】といった認知症特有のケアの難しさや、. 10) 古市清美,高橋ゆかり,鹿村眞理子,高岡素子:. 【職員の少人数配置管理体制】【認知症高齢者と家族と. 認知症高齢者に対する看護学生のイメージ変化. の関係】などがあがったことから、現場からの生きた. とその要因-介護老人保健施設実習を通して-,. 学修となるよう調整が求められた。. 日本看護学会論文集:精神看護,42,241-244,.

(27) 62. 石川りみ子:高齢者施設における老年看護学実習としての実習環境の現状 ―認知症高齢者ケアに対するスタッフの認識の分析から―. 2012. 11) 矢部弘子:実習を受ける施設の立場から,老年 看護学,8(2),90-92,2004..

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